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2014年4月21日月曜日

中国当局による商船三井所有船舶の差押さえについて

 ここ数ヶ月はとんと中国関連の記事を書いておりませんでしたが、今日は久々に大きな話題ということもあって頑張って調べて書くことにします。ま、どうせ来月になればまた量産体制に入るのでしょうけど。

商船三井の船舶差し押さえ=戦時中の賃借訴訟敗訴で-対日圧力の一環か・中国(時事通信)

 すでに各所でも報道されているので知っている方も多いでしょうが、中国の海運関連の裁判所に当たる上海海事法院は19日、日本の海運会社大手の商船三井が所有する大型船舶「BAOSTEEL EMOTION」を戦前の傭船契約違反に対し賠償支払いを命じる判決不履行を理由に、差し押さえたことを発表しました。中国政府は今回の判決についてあくまで民事上の訴訟の結果に伴うもので、日中間における戦前の賠償問題について取り決められた日中共同宣言とは関係なく、同条約の内容は今後も堅持する方針だと主張。ただ戦前の問題に対する賠償を現代に遡求して求めるという非常識としか言いようのない内容であることから、私個人としては今回のこの中国当局の行動は日中双方にとって悪影響しか与えないものだと考えます。

 まず問題の背景を一から簡単に説明しますが、事の起こりは1988年に中国の海運会社二社の関係者が商船三井を契約違反で訴えたことに始まります。中国側の原告の主張によると、二社は戦前に商船三井の前身となった会社(中国の記事によると「日本大同海運株式会社」)に対して傭船契約を結んで船を貸し出したものの、傭船費の支払いを受けられなかったどころか貸した船をおしゃかにされ、現在までの補償費用を請求する訴訟を起こしたというわけです。
 こうした背景から始まった裁判は長期間続いたものの2010年に中国の最高裁判所に当たる所で商船三井の敗訴が決まり、同社に対して約29億円の賠償費用を原告へ支払うよう求められました。この判決に対して商船三井側は原告への支払いを拒否した上で反論を行い、原告側と新たな和解案を作ろうと交渉を続けていましたが、支払い命令の不履行が続いていたことを理由に中国当局が商船三井の船舶を差し押さえたというわけです。

 中国当局側は改めて商船三井に対して賠償金を支払うよう求め、もし今後も支払わないというのであれば差し押さえた船を売却することを示唆しています。日本政府は菅官房長官が今回の中国側の行動に対して批判した上で、戦前の賠償問題については日中共同宣言で解決済みという立場を取っております。

 そんなわけで日本と中国で見事に議論は平行線が続いているわけなのですが、では中国側の報道はどんな具合なのか久々に特技を使って調べてみました。まずどっか論説でも書いてないかなと思って探したら中国で最も国粋主義的な新聞の環球時報が「扣押日本货轮,中国法律彰显正义
」という論説書いてて、じっくり読んだ後にほかの関連記事捜したら和訳記事が中国網日本語版にのってやがりました。

日本輸送船を差し押さえ、中国の法が正義を示す(中国網日本語版)

 内容は読んでもらえばわかりますが端的に言って「やってぜベイビー」って死語を使いたくなるくらい今回の判決を歓迎していて、日本国内で同様の訴訟を行っても賠償を勝ち取るどころか勝訴することも難しいが中国国内なら今回の判決をきっかけに勝訴する可能性が生まれたとした上で、

「日本の航空機や客船・輸送船などの交通ツールも中日の間を頻繁に行き来している。これは中国の司法機関による強制執行に、現実的かつ便利な条件を提供した。」

 という文言が入っております。こういってはなんですがこの主張はちょっと危険なもので、解釈によっては日本の企業が保有する船舶や航空機を今後も差し押さえるぞと言っていると受け取れます。

 もっとも環球時報は最も過激な論説を書くので他ではどうか、もとい和訳のある記事を引用してるだけだとまるで自分が中国語が読めない人間に見えるので他にも探してみたところ、「中国扣押日本28万吨轮船 因三井株式会赔偿问题(新華日報)」の記事が見つかりました。書かれている内容としてはやはり今回の中国当局の判決と差し押さえを支持した上で、強制労働、慰安婦、毒物化学兵器を始めとした日本の戦前に対する補償問題の数々は、中国国内で訴えることで解決の道筋が出来たなどと、まぁ簡単に言ってくれるなということが書かれてます。

 私の主張をこっから書いていくと、今回の判決は日本のみならず中国にとっても悪い結果しか生まないと断言できます。訴訟を起こしている当事者にとってはカチンとくるでしょうがいくら何でも戦前の補償を現代に求めるというのはナンセンス以外なんでもなく、むしろ国交回復以降に日本が行ってきたODAを中国人はもう少し評価してくれと言いたいです。その上で今回の判決によって確実に日本企業は中国への警戒心を深め、対中投資も控える動きがまず現れるでしょう。それは日中双方にとって儲かる話が儲からなくなるだけでいいことなんて何もありません。
 そして今回の差し押さえによって、確実に中国国内で同様の訴訟は増えるでしょう。そうすれば今後も日系企業の工場といった資産の差し押さえを片っ端からやってくのか、仮に中国当局がその通りに実行したら日本のみならず他国の企業も中国政府への不信を持ち、中国への投資を控える恐れがあります。かといって今後訴訟と強制執行を中国当局が控えるのであれば、なんで当局は前は実行したのに今度は実行しないんだ、生ぬるいなどと国内から激しい批判が来るでしょう。一言で言って、パンドラの箱を開けちゃったようなもんです。

 私個人は生まれてきた時代を間違えてしまったとリアルに言われるほど現代の日本社会に適合して生きられないためやや中国贔屓ですが、そんな自分でも今回の中国当局の行動はかえって中国の利益を損ないかねないものとして支持できません。一体何故中国はこんな行動を取ったのか、やはり第一に思い浮かぶのは習近平政権に変わってから露骨に日本批判が増えており、こんな時に前の胡錦濤だったらどう処理してくれたのかとやや懐かしむ気持ちを覚える限りです。

2014年4月20日日曜日

魂を切り売りする記事

 今日はちょっとネタ切れというかあんま長い記事書く気分じゃないので短いものをと考えていたところ、前回に書いた「人材派遣企業各社の平均マージン率」についてちょこっと感想を書くのがベターかという結論に至りました。

 率直に言って、この記事はこの1~2年で稀に見るほど良い傑作になったと思います。内容のテーマ性といいマージン率のデータ、そしてそれら数値に対する解説と派遣労働に関する問題点の指摘といい、どの面でもバランスよく意義深い文章に仕上げられた気がします。ただ良い記事に仕上がった分、書き上げた際の疲労感がほかの記事より明らかに高く、昨日なんか一昨日の夜に泊まりに来た大学の先輩と一緒に朝食食べた後はほぼずっとフリーだったにもかかわらずなんか記事を書く気分にはなりませんでした。

 今回の記事に限らず、手のかかる記事というのはどれも書き上げた際の疲れというものがほかの一般的な記事より大きく、敢えて比喩的な表現を使うと自分の魂を文章に切り分けているような心象を覚えます。実際にブログの文章というのは大なり小なり自分の思想を読者に与えるようなものでありそういう意味では自分が切り分けた魂を拡散して読者に伝えると言っても過言ではなく、この魂を切り売りするという行為というのは言い得て妙な気がします。

 自分は文章で単純に読者を楽しませたという思いから執筆技術の向上に取り組みましたが、それと同時に自分の思想を理解してもらうため、言い換えるなら他人を自分の思想に取り込むためにも文章をうまくなろうと鍛えてきました。もちろん自分の思想の悪い部分を引き渡してはならないということは十分注意しておりますが、気合の入った記事だとどうもその辺が制御利かないというか、想定以上に自分の魂をカットしている節があります。その辺、まだまだ自分も修行が足りないかってところです。

2014年4月18日金曜日

人材派遣業界のマージン率(2014年予備調査)

  追記
 サンプル対象を大幅に増やした2015年1月時の調査データを下記記事にアップロードしました。

人材派遣業界のマージン率 2015年版


  記事本文
 今週は一昨日の水曜日にこのブログの更新をサボりましたが、サボった理由は「真・三國無双7」で関銀屏を使い遊んでいたからではなく(むしろ王元姫)、ちょっと仕込みというか孤独に取材を行っておりました。その取材内容というのも見出しに掲げた、派遣企業各社のマージン率についてです。

 2008年のリーマンショック直前は日本の全体景気も上向いていた頃で格差議論もかまびすしく、人材派遣会社のマージン率を欧米の様にきちんと公開するよう義務付けるべきだという主張が派遣労働者による団体などによって叫ばれていました。もっともその後にリーマンショックが起こって派遣もへったくれもないほど雇用が減ったことから降雨言った格差議論は急速にしぼんだわけなのですが、結局あの議論はどうなったのかと、「全共闘の時代であれば大活躍していた」と、リアクションに困る誉められ方をリアルにされた私なだけに、先週のあるに日ふとこの件がどうなったのかと気になったわけです。

 気になったが最後、大人しそうな見た目と裏腹に行動力とバイタリティが半端ない自分なだけに早速調査に入ったのですが、調べてみたところ下記のサイトで説明されているように一応公開が義務付けられていたようです。

派遣労働者・労働者の皆様(厚生労働省)

 上記サイトの情報によると派遣労働法が改正されて、人材派遣企業各社は事業年度ごと、各事業所別にその年の派遣マージン率の合計平均を算出、公開するよう定められております。この場合の派遣マージン率の定義は下記の通りです。

・派遣料金:人材派遣を受ける企業が人材派遣会社に支払う額
・賃金:人材派遣会社が派遣社員に支払う額(=派遣社員の実質受取額)
・マージン額:派遣料金から賃金を差し引いた額(=派遣会社の受け取り分)
・マージン率:マージン額÷派遣料金

 この中で注意が必要なのは「マージン額」で、イコールで派遣会社の受け取り分と説明こそしていますが、派遣会社はこの中から派遣社員の有給取得費用や研修費といった経費を捻出するため丸々派遣会社の粗利となるわけではありません。
 以上を踏まえてモデルケースを出すと、派遣料金が月額30万円でマージン率が30%だとこうなります。

・派遣料金:30万円
・マージン率:30%
・マージン額:9万円
・賃金:21万円

 我ながらくどい気もするけど、一応こういうことも説明しておかないとフェアなじゃない気がするので簡単にまとめました。まぁ後述する皮肉の為でもあるんだけど。

 というわけで本題に戻りますが、じゃあ人材派遣のマージン率は具体的にどのくらいで行われているのか、実際に調べてみました。調査方法はランダムサンプリングも兼ねてネットでマージン率を公開している人材派遣会社を片っ端から調べて記録し、その結果を下記のリストにまとめました。
 サンプル数は50件。テンプスタッフとインテリジェンスの2社は大手であるため全国各地に営業所を構えており、ぶっちゃけ全部調べるのが面倒だったので首都圏の事業所のみをピックアップして調べました。それでは。早速その結果をお見せしましょう。


<事業所別マージン率調査結果>
派遣事業所 マージン率 派遣人数
(1日平均)
派遣先
宇部情報システム 50.4% 23 3
ビット 49.4% 19 5
インフォテック 46.6% 3 5
セゾン情報システム 45.5% 非公開 非公開
富士通エフサス・クリエ 35.3% 427 376
AGS 34.1% 7 3
インテリジェンス新宿第二オフィス 33.5% 459 33
インテリジェンス新宿オフィス 33.0% 3401 2205
エスエス産業 31.6% 50 25
クレスコ 30.9% 非公開 非公開
NCI 30.7% 102 14
富士ソフト 30.2% 345 122
ガレネット 29.9% 144 11
APAユアーズ 29.8% 非公開 非公開
インテリジェンス横浜オフィス 29.4% 238 237
テンプスタッフ西新宿オフィス 29.0% 43 37
スタッフクリエイティブ東京営業所 28.6% 99 42
スタッフブレーン 28.6% 非公開 非公開
ケービックス大阪支社 28.4% 115 26
日本アシスト 28.3% 165 37
ブライズ 27.9% 391 151
三井住友トラスト・ビジネスサービス 27.1% 1205 227
ジョブコム本社 26.4% 519 360
ATアクト 26.1% 非公開 非公開
テンプスタッフ昭島オフィス 26.1% 137 79
テンプスタッフ吉祥寺オフィス 25.5% 270 128
テンプスタッフ調布オフィス 25.0% 646 495
スタッフクリエイティブ野田営業所 24.8% 63 24
ケービックス本社 24.8% 347 256
テンプスタッフ町田オフィス 24.8% 152 106
テンプスタッフ立川オフィス 24.7% 499 238
ジョブコム東京支社 24.7% 430 281
ジョブコム福岡支社 24.6% 58 35
テンプスタッフ八王子オフィス 24.1% 203 114
テンプスタッフ自由が丘オフィス 24.1% 171 120
テンプスタッフ新宿オフィス 23.6% 3555 3402
テンプスタッフ北千住オフィス 23.6% 78 59
テンプスタッフ板橋オフィス 23.5% 162 89
テンプスタッフ池袋オフィス 23.5% 1199 627
テンプスタッフ渋谷オフィス 22.8% 1823 1024
テンプスタッフ上野オフィス 22.5% 505 322
テンプスタッフ大森オフィス 22.5% 235 136
テンプスタッフ錦糸町オフィス 22.6% 283 163
テンプスタッフ品川オフィス 22.4% 2189 1107
テンプスタッフ丸の内オフィス 22.2% 4492 2560
テンプスタッフ世田谷オフィス 22.2% 107 39
スタッフクリエイティブ京葉センター 20.9% 105 25
スタッフクリエイティブ新松戸営業所 19.4% 10 4
キャリアコントラクト 18.8% 34 8
ケービックス東京支店 18.6% 238 74
       
インテリジェンス丸の内本社 0.0% 59 1
インテリジェンス八重洲三義ビルオフィス 0.0% 35 49

・最大マージン率:50.4%(宇部情報システム)
・最低マージン率:18.6%(ケービックス東京支店)
・マージン率平均値:27.9%

注1:各社が公開しているデータは最新のものであるものの、各事業年度ごとに公開しているため統計時期に関しては各社で異なっている

注2:末尾のインテリジェンス系列の2事業所はマージン率が「0%」と発表していた。恐らく社内とかグループ内での派遣などではないかと思うが、今回の調査目的上からして例外的な対象と考え、平均値などには含めず別枠に置いてある。サンプル数はこの2つを除いて合計50件。


<解説>
 以上が今回の簡単な調査結果です。姉妹サイトの「企業居点」を見てもらえば感じ取ってもらえるでしょうが、この手のデータ調査や収集に関して私は文字通り鬼のような執念と集中力を発揮するものの、今回はちょっと思うところがあってサンプル数は幾分控え目です。本気でやれば最低でも200件は集めたでしょう。

<マージン率の平均値>
 データの解説に移りますがまず一番重要な指標と言えるのはほかでもなくマージン率の平均値で、これは27.9%という結果が出ました。実際に自分でも調べていた実感では20%代に数値が集中しており、派遣会社や派遣業種によってばらつきはあるものの20%代であればまだ一般的な水準にあると言え、大まかに言って逆に30%を超えるとなるとややマージンが高く、20%未満だと良心的と言えるかと思えます。ちなみに今回調べた大手2社ことテンプスタッフとインテリジェンスでは、前者がすべての営業所で22.2~29.0%内の範囲に収まったのに対し、後者の3営業所は29.4%、33.0%、33.5と前者を上回る結果となりました。ここまで有意に差が出てくれると比較のしようもある。

<事業所別のマージン率の差>
 次に気になるのはマージン率の最大値と最低値と言いたいところですが、実際はあんま比較する価値はないと見ています。既にそれぞれの数値は上に記してありますが、マージン率が上位の派遣事業所は企業名からしてどこもITエンジニアを専門としてそうな業者が多く、こうした業種だと派遣社員への研修に金と時間がかりそうなのでマージン率もほかよりやや高めとなるのもまだ理解できます。更に言えば、派遣業種別にマージン率を細かく見なければこの手の実態というのはあんま見えてこないでしょう。私の勘ではITエンジニア、介護系、工場作業の三業種でそれぞれ比較できたら楽しくなる気がします。
  あと事業所の規模の大きさはマージン率に影響するかどうかですが、1日当たりの平均派遣人数を比較する限りだと大きかろうが小さかろうがそんなに相関してなさそうです。それよりもやっぱり派遣業種と派遣する地域の方が影響がありそうで、さすがにそこまでの細かいデータはどこも公開していないのでまた法改正でもしてくれないかななどと内心思ってます。

<雑感>
 以上が簡単ではあるものの私の調べた派遣マージン率に関する調査結果です。今回調べてていくつか気になった点を述べると、どことは書きませんがリストに載せたある1社がマージン率と賃金率を逆にして書いており、「マージン率:71%」みたいな書き方をしていました。最低限の国語力すらもっていない人間にこういう資料を作らせた上に公開するなんて、まぁあまり見られた会社ではありませんね。

 次にこれは真面目な話ですが、今回の調査では人材派遣会社大手としてテンプスタッフとインテリジェンスの2社のデータを引用しておりますが、これは逆を言えば大手ではこの2社しかまともなデータの公開をしていなかったということです。ここは遠慮なく書いてくと、具体的には以下の大手企業は少なくとも私が調べた限りだとネット上でマージン率を公開しておりません。

<マージン率を公開していない大手企業>
・フルキャスト
・メイテック
・ニチイ学館
・リクルートスタッフィング
・毎日コミュニケーションズ
・アデコ
・パソナ
・スタッフサービス

 こういってはなんですが、小さい派遣会社なんかはまだこの手のデータを公開しない不手際も多少は許されると私は思います。しかし実際には上記リストにあるように割と小さい会社もちゃんと公開してますし、そもそもマージン率の公開は法律できちんと定められた義務であるし厚生労働省の指針でも「ネット上で誰でも閲覧できるように」と書かれてあります。にもかかわらず、ここに挙げた大手企業はその責任を果たさずにマージン率を公開せず、私の様に調査をする人間の妨害をするなど非常に腹立たしく無礼極まりないことを平気でやらかしてています。ご丁寧なことに、スタッフサービスに至っては「最寄りの営業所に電話でご確認ください」なんて書いててネット上で公開する気なんてまるでないし。
  マージン率の公開は業界の競争を促す上でも、派遣労働者の保護の観点からも重要極まりない情報公開だと私は考えます。しかしこのように大手企業ほど公開しないという姿勢は不自然極まりなく、本気で言いますがここに挙げた企業は恥を知るべきでしょうし、グッドウィルみたいにこの際政府は潰した方がいいと本気で思います。逆に、ネットで検索したらすぐに引っかかるなどきちんと情報を細かいところまで出しているテンプスタッフとインテリジェンスの2社に関しては素直に誉めてあげたいですし、派遣労働者の方々ももし使うとしたらこの2社を経由することを企業姿勢から言ってお勧めしたいです。

 最後となりますが、今回この調査をしていて非常に不愉快というか、何故自分がこんなことをしなければならないのかという点で強く疑問に感じました。正直に言うと、「派遣 マージン率」で検索したら大手企業を含め大概の企業をまとめたリストみたいなのがすぐ出てくるべきだと思ってて、何故どこもやってないのか不思議でしょうがありません。

 私は、あくまで一個人であってこのブログも労働組合とかそっち系の団体から支援を受けてるわけでもなく、中国共産党からの指令を受けて書いてるわけでもありません。今日の記事もただ単に興味を持って、実際のマージン率はどの程度なのかを知りたいから調べて書いただけです。
 恐らく、派遣労働者を対象とした労働組合とかユニオン、そういう団体は少なからず存在するでしょう。では何故そうした団体の職員、運動員らはこの手の重要となるデータをまとめないのか。このマージン率は最重要と言ってもいいデータであって派遣労働者の保護や団体交渉をする上では絶対に欠かすことのできないデータだと私は思うにもかかわらず、最低限の統計すらどこも取らず、一体その手の団体は何を活動しているのか、本気でやる気あるのかとこの点で強く問いたいです。同時に派遣労働者の方々に対しても、自らの待遇改善のために何か活動をしているのか、聞くだけ無駄かなとは思いますが。

 自分はこのブログを始めた当初、それなりに熱意を持って派遣労働の問題性とか待遇の改善案とかをいろいろ書いてきたつもりです。しかしそれらが何になったのか、また当の派遣労働者たちはなにか格差改善のために動いたか、というか日本の労働組合は正社員ばかり相手して一体何やってるんだとこのところ疑問に感じてきております。また非常に攻撃的な文章となってしまいましたが、もういい加減こういうことはやめようかなと考えており、この記事もそうした考え方の変化を受けて派遣労働者保護というよりは情報公開という点に軸足を置いて書いた次第です。

2014年4月17日木曜日

韓国旅客船沈没事故に見る現場プロ意識

 記事リンクは貼りませんが、昨日早朝に起きた韓国の旅客船沈没事故について各メディアはどこも最大限の報道を続けております。事故内容についてはその他の報道に任せますが今回の事故の詳細が次第に報じられるにつけ、2003年に同じ韓国で起きた鉄の地下鉄火災事件を思い出しました。

大邱の地下鉄火災(失敗知識データベース)

 もうだいぶ古い事故なので覚えている方も少ないと思うので軽く説明すると、この事故では大邱市を走っていた地下鉄で火災が起こり、最終的に死者が192人、負傷者が146人にも上る大事故となりました。これほどまでに被害が拡大した原因として車両のシートなどに難燃性ではなく普通に燃える素材が使われていたため炎症が広がったことと、現場の地下鉄関係者らが乗客の安全のために必要な措置を取らなかったことが大きいと指摘されています。
 具体的にどのような対応だったのかというと、運行を管理するオペレーターが既に駅構内で火災が起きているにもかかわらず後続の車両をそのまま通過させずに駅に停車させたことや、列車の運転士が車両のドアを閉じたまま、しかも電源を切った上で脱出した点などが挙げられています。この辺は上記リンク先よりもウィキペディアの方が詳しいかな。かいてて思うけど、どうしてこんなこと妙に詳しいのか自分でもわかりません。

 話は戻りますが今回の旅客船沈没事故でも、あくまで現時点の報道に基づいていますが船長を始めとした乗員が乗客を置いて真っ先に沈没する船から脱出したとされております。仮に事実だとしたら、自分の命を優先したくなるという人間の性は理解できなくはありませんが、乗客の命の安全を預かる乗員の立場からするとプロ意識に欠けた行動だと言わざるを得ません。何も船と共に死ねとまでは言いませんが、船が傾いた状態にあっても救命ボートに誘導したという報道はまだ一度も聞いていない限り、あの状況下でやれたことはまだあった気がします。

 と、仮にここで終えたら大邱の地下鉄火災と合わせて「これだから韓国人は」っていう記事になってしまいますが、そのように捉えられることは私の本意ではありません。私が今日ここで言いたいのはこのような事故が起きた状況下、現場の人間がどれだけプロ意識を持って、言うなれば自分の安全を犠牲にして被害を食い止める行動をとることが難しいか、またそれを実行するためにはどうすればいいのかを読者の方に考えてもらいたいということです。
 さっきにも少し書きましたが、誰だって他人の命より自分の命の方が大事で、自分を犠牲にして他人の命を優先するなんて一種気違いな感情だと私は真面目に考えています。しかし危機的な状況だからこそそういう気違いな人間の一人や二人は必要で、立場によってはそうなれるプロ意識を持つことが危機管理で重要だと思います。

 回りくどく言わずに単刀直入に言うと、今回の沈没事故を他山の石と捉えるのではなく、もし自分が同じ状況下にあったら必要な行動を取れるのか、またそういうプロ意識を社会全体ではぐくんでいるのかということを少しでもいいから再考してほしいです。逃げ出した人間を批判するだけでなくどう逃げ出さずに義務を果たせるか、そして自分は何をすべきか、実際に実行できるかどうかはともかくとして事故の起きていない平常時だからこそそうしたことをたまに意識することが肝要な気がします。

 最後にというか自分は妙な民族主義は持ち合わせておらず逆に変なフェア精神をやけに持っているので、日本での不適切な現場の事例も紹介しておきます。

東海村JCO臨界事故(Wikipedia)

 この事件についても年々記憶が薄まっているかと思いますが、冗談抜きで日本人が忘れてはならない事故の一つだと私は考えております。詳細はリンク先の記事、または昔に私が書いた記事を覗いてもらえばわかるので省略しますが、この事故では核燃料が臨界を引き起こし、一時周辺で放射能が放出されるという恐ろしい事態にまで発展しました。
 この事故が起きた際、燃料施設を運営していた住友金属鉱山(現新日鐵住金)系列のJCOは当時の東海村村長であった村上達也氏に対する説明で、すぐに事態は収束する、周辺は安全で心配はないなどという言葉を繰り返していたそうなのですが、不審に感じた村上氏はこう尋ねたそうです。

「(JCOの)従業員の家族たちはどうしている?」
「すでに非難させました」
「自分たちだけ先に逃げて、まるで関東軍だな!」

 というやり取りを経て、村上氏は県や国に何も伺いを立てず独断で村民に避難指示を打ち出しました。のちに村上氏も賠償や辞職を覚悟で行った行動だと述べていますが、仮に村上氏の英断が無ければ少なからぬ被爆者を出していたことは間違いないでしょう。
 このJCOのケースは現場プロ意識の好例というか、果たすべき役割を果たそうとしなかったJCO、そして本来の権限を越えてでも守るべき対象を守った村上氏の二つの差がくっきりと分かれております。

 最後の最後ですが、未だに私はこのJCO事故で亡くなられた従業員の方の死に際を忘れることが出来ません。実際にその場にいたわけではなくネットなどで知った情報でしかありませんが、弾に撃たれて死のうが自殺して死のうが病気で死のうが人一人の死は所詮は一人分などと淡白なことを常日頃口にしておりますが、このJCO事故の被害者に関しては一介の人間の死ではないという気がしてなりません。それこそ、生きながら何度も殺されたようなものだったし。

2014年4月15日火曜日

ミズノの統一球問題について

 時間がないので短くまとめられる社会批評ネタとして、昨年に引き続きまたも起きた日本プロ野球、というよりミズノの統一球問題について一言書きます。結論から述べると二年に渡って統一球で問題を犯したことはもとより、問題発覚後の対応に強い疑問を覚えるので来年からはもう別メーカーにしろというのが個人的な意見です。

 簡単に問題の背景をまとめると、日本プロ野球で使われるボールには飛距離を決める反発係数という数値があらかじめ指定してあり、指定数値に従って製造を委託されるミズノはボールを作ることとなっております。この数値ですが統一球が導入されてから二年前まではかなり低く抑えられていたところ、昨年は日本プロ野球機構側からの依頼を受け、指定された反発係数の数値範囲内だったとはいえそれ以前と比べて格段に高い数値へと秘密裏に変更されておりました。この問題は日本プロ野球機構とミズノが内緒で、しかも公言しないように口裏を合わせてやっていたため選手やファンから大きな反発を受けたことを読者の方も覚えているかと思います。

 そんな大問題があった翌年の今年にもかかわらず、それ以前と比べて格段に飛びやすくなった去年のボール以上に飛びやすいボールを今年に出荷していたことが判明しました。しかも飛びやすくなったとはいえ反発係数がまだ指定数値内だった去年とは違い、今年は指定数値を上回る反発係数を計測したとのことで、実際にホームラン数が去年の同時期と比べて今年は多くなっています。

 ボールを作っているミズノは本日会見を開き、ボールを形作るウールを多く巻いたことが原因ではないかという見解を明らかにしました。一体どんな言い訳をするのか注意深く調べましたが、なんでも製造を行っている中国の工場で空気が乾燥し、ウールが含む水分量が減ったためにボールの重量、体積がともに小さくなったため、両者を補うためにウールの巻き数を増やしたらボールが硬くなり飛びやすくなったという説明をし、さらに社内検査では計測機器を移動したため計測数値がおかしくなり、検査で見抜けなかったのではと付け加えておりました。


 自分も品質保証部で働いたこともあるので計測機器はちょっと動かすだけで数値が代わるほど非常にセンシティブということはまだ理解できるものの、今回の調査では各球場から回収した大半のボールが基準を上回っていたというのだから、そりゃいくら何でも検査がザル過ぎると言わざるを得ません。100個中5、6個ならまだ同情するが。

 その上というかこの問題で気になったのは会見前の原因に関する報道です。もしかしたら各新聞の飛ばし記事だったのかもしれませんが一昨日に見た新聞だと、「球場の空気が乾燥していたため飛びやすくなった」と書かれてあり、昨日読んだ記事だと「中国の工場が乾燥していたため飛びやすくなった」と書かれてあり、今日になって、「中国の工場が乾燥してたからウールの巻き数を増やしたので飛びやすくなった」と、まるで伝言ゲームの様に原因が小さく変わってきています。
 面倒くさいこと言っていることは百も承知ですが、こういう不祥事を起こした際は中途半端な経過報告などせずにバシッと原因を追究して発表しなければならないのにこの体たらくというのは危機意識が低すぎるとしか言わざるを得ません。しかも一昨日の報道だと急なボールの変更はできないため今後もプロ野球の試合では7月まで同じ飛びやすいボールを使い続けなければならないという報道があったにもかかわらず、今日になって来週には基準にあったボールを提供すると、またも報道と食い違う発表が出てきました。

 何よりも昨年にあれほど問題になったというのにまた今度もしょうもない問題を引き起こして、こういってはなんですがミズノのプロ意識に対して強い疑問を感じます。本来なら昨年の時点で黙ってボールの仕様を変えていた点から発注先を変えるべきだったのでしょうが、今度の今度はもう余計な温情は抜きで別メーカー製に、何だったら今シーズン中にも変えたっていいでしょう。再来年以降だったらまたトライアルしてもいいですが、こうも危機意識に欠けるところのボールなんてファンも見たくはないんじゃないかな、という個人的な意見でまとめます。

2014年4月14日月曜日

私が覚えているバラエティーのトーク

 私が周囲から一番誉められる長所と言ったらほかの何を差し置いても図抜けた記憶力で間違いないでしょう。正確には「覚える能力」というより「忘れない能力」に近いのですが、そんなに自分では評価はしてないけど一般的な水準よりは確かに知識量が膨大で、絶対的な知識量では誇張ではなくただ一人を除いて自分が劣っていると感じたことがありません。
 そんな自分を評して学生時代にある友人が、「花園君の凄い所は芸人のコントを丸ごと暗記して、そらでセリフを全部言ってしまうことだ」とある日言われたことがありました。確かにコント系なんかはセリフに繋がりがあるので覚えやすく、またちょっとした笑い話をする時に便利なのでストックを増やそうと一回見て暗記することが多いのですが、まだ緩い記事を書いていたい時期なので、折角なので今日は今までに見たバラエティーの中でもひときわ記憶に残るほど面白かったトークの内容を書き綴ってこうと思います。それにしても我ながら、よくわからない記事の書き方をするものです。

1、南海キャンディーズの山里氏の兄
  これは今年一月に「踊る!さんま御殿」に出演したお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里氏の話ですが、この日の放送では「芸能人の兄弟特集」とばかりに各芸能人が兄弟とともに出演し、山里氏も実の兄と共に出演していました。この時に出演した山里氏のお兄さんですが、なんでも若い頃は地元じゃ知らぬ者はいないと言われたほどの伝説的なヤンキーだったそうで(何気に母親もそうだったらしい)、山里氏もその威光をかさにして中学時代は周りをいびっていたと話していました。
 そんなヤンキーだった山里氏のお兄さんですが何故かヤンキーなのに人見知りが激しかったそうで、よく山里氏をアーケード街に連れて行っては隅にたむろしているヤンキーを見つけると、「おいお前、あのヤンキーの近くに行ってじっと見てろ」と山里氏を送り込み、言われた通りに山里氏がちらちら目線をヤンキーに送ると大抵そのヤンキーは怒り、「おいてめぇ、何こっちちらちら見てんだよ」と凄んでくるわけです。そこへ隠れていたお兄さんが現れて、「おいてめぇ、俺の弟をなんだと思ってんだよ」と逆に凄んでケンカを売っていたそうなのですが、山里氏に言わせると「(弟をケンカのダシに使って)お前が一番弟をなんだと思ってるんだよ!」といった感じだったそうです。それにしても、人見知りで自分からケンカが売れないヤンキーっていうのも面白いな。

2、高橋英樹氏の顔面マッサージ
 これも「踊る!さんま御殿」の中での話ですが、ゲストとして出演した高橋英樹氏が「後から考えて納得いかなかったこと」というテーマでのトークで、ある日顔面マッサージを受けにお店へ訪れたところ店員から、「高橋さんは顔が大きいので、通常料金の2倍をいただきます」と言われ、その場では「ああ洗顔剤とかいっぱい使っちゃうもんね」なんて思い納得して支払ったものの、後から考える度になんかおかしいと思うようになった体験を話しました。するとすかさず明石家さんま氏がツッコミを入れ、高橋氏が「桃太郎侍」という時代劇で主演をしていたことにかけて、「あかんがな高橋さん。そこでポンポンポンポンって太鼓鳴らしながら登場して、一つ人の世の悪を切り……なんて言わな」と、テンポのいいトークを放ってました。
 その後にテーマが切り替わって今度は「過去にやった失敗体験」のテーマで同じ高橋氏が、撮影で地方を訪れて旅館に泊まった際、時間によって浴場に入れる時間が男女で切り替わることを知らずに間違えて女性しか入れない時間帯に入ってしまったという体験を話しました。女湯と言っても地方の旅館だったのでその時いたのはお婆さんばかりだったと言い訳してましたがそこでもまたさんま氏が、「あかんがな高橋さん。お婆さんばかりやったらそこでポンポンポンポンって桶で股間隠しながら、一つ人の世の悪を切り……なんて登場してやらな」と、またも鋭いツッコミを見せてりました。

3、小林麻耶氏とゲルマン民族
 またさんま氏の番組が続きますが、今もフリーアナウンサーとして活躍している小林麻耶氏が「恋のから騒ぎ」に出ていた頃のお話です。この話をしたのは小林氏とは別のレギュラーだった(さすがに名前は忘れた)のですが、なんでもから騒ぎのメンバーで合コンを行ったところ、当時からそのルックスの高さが抜きんでていた小林氏に合コンにやってきた男が全員くっついて、小林氏が用があるからと先に合コン会場を出ると男たちも全員ぞろぞろと一緒に出て行ったそうです。一体何なんだよと残った女性メンバーで愚痴っていたら小林氏が忘れ物があったからと男たちを引き連れながら戻ってきて、そしてそのまま男たちをぞろぞろ引き連れて去っていったとのことで、これを聞くやまたさんま氏が、「そんなぞろぞろ男引き連れて移動して、お前はゲルマン民族か!」というツッコミをしていました。よく「ぞろぞろ」という単語から「ゲルマン民族」を引き出せるなと、聞いてて心底感心させられた一言でした。

4、高木豊氏の受難
 これはなんかのプロスポーツ選手が出演したバラエティ番組での話ですが、元プロ野球選手の高木豊氏が現役時代の話として語ったものです。高木氏が試合中にセカンドを守っていたところ、相手チームの外人選手が特に送球がきわどくなかったにもかかわらず危険なスライディングをかましてきたので「ちょっと危ないじゃないか」と塁上で軽く言ったところ、何故かその外人選手にボコボコに殴られたことがあったそうです。実際にその時の映像が残っていて私も見ましたが、本当に高木氏が何もしてないにもかかわらずいきなり殴りかかられ、抵抗することも出来ず高木選手がうずくまっても執拗に殴られ続ける理不尽な暴力を体現したかのような映像で、こういってはなんですが見ていてかなり笑えました。
 肝心なのはこの番組にプロサッカー選手をしている高木氏の息子(確か長男)も出演していて、この映像について、「珍プレ好プレーの番組が放映されるたびにこの父親の映像が流れ、子供心に来るものがありました……」と語り、有名人の親父を持つと大変だなと見ていて感じました。

2014年4月13日日曜日

猫の見る世界

 昨夜、最近リニューアルしたので近くにある「松戸ラドン温泉」に行って入浴してきましたが、男子の浴場で服を着た従業員が自分が入浴している間ずっとスマートフォンを弄っているのを見て、就業中に浴場という場所で、なおかつこんだけ水分の多い場所で何故弄ると二重の意味ででドン引きしました。ちょっとクレーマーっぽいかなと思いつつも念のためフロントに、「男の裸はあんま金にはならないけどさ」と踏まえた上でそんな従業員がいたということを伝えたところ、「そうですか。はいわかりました」と軽く流されて三重の意味でドン引きしました。ちょっと潔癖過ぎるかもと思いつつ浴場に撮影のできる機器を従業員が持ち歩いているのだから、さすがにもう二度と行くことはないな。

 このところ真面目な話ばかり書いていたので今日は砕けた話をと思い、前から孤独に考えていることというか猫の視界に関する話を描こうと思います。



 このブログを見ている方ならわかるでしょうが、結構自分は猫好きです。なもんだからよくYoutubeでも猫動画を長時間見ていることが多いのですが、上記の動画はその中でも割と目を引いたというか妙な行動をとるなと思った動画です。
 内容は見てくれた方が早いですが、テーブルの上にある魚をおどおどしながら猫が盗み食いするシーンを映したものなのですが、不思議なのは猫が皿の上にある魚を取ろうとすると、何故か目を細めてチラッ、チラッと見ながら手を伸ばすという点です。はっきりと魚の場所を見ないもんだから伸ばした手がしっかり届かず皿をカシカシ叩いたりもするのですが、だったらちゃんと眼を開いてみればいいのにと思わずにはいられません。



 続く二つ目の動画ですが、これも見てもらえばわかりますがある猫の妙な行動です。ミーミーという名前の割と体の大きい、ロシアンブルーの猫が頭からザルを被り、近づくほかの子猫が油断していると突然攻撃するという説明していて自分でよくもわからない動画です。何故この猫はザルを被るのかと言ったらザルだからとしか説明しようがないのですが、肝心なのは被っているのは頭だけで体の部分はまる見えということです。にもかかわらずこの猫はまるで自分はうまく隠れていると思い込んでいるのかじっと息をひそめ、ちょっと呆れ顔のほかの猫に対してヒュッと攻撃を仕掛けております。

 この二つの動画から何が言いたいのかというと、猫というのは目をつぶったりなど自分の視界が狭まるとほかの生物も自分の姿が見えなくなると思い込むのでは、と推測しているわけです。だからなんだと言ったらそれまでですが、如何に猫が自己中心的な考え方をしているかを裏付ける一つの根拠だとして書き残しておこうと思った次第です。