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2014年4月27日日曜日

拉致問題解決に向け天秤にかかる人権

 先程ニュースを見ていると本日、某所にて北朝鮮の拉致家族会の会合が開かれて改めて解決に向け家族会の方が講演をされたそうです。私個人としても拉致家族の方々の心労は同情するに余りあり、願う事ならこの問題が解決されればと陰ながら思っております。幸いというか自体はこのところ進展してきており、日朝政府関係者が赤十字を通して北京で会談を行ったり、北朝鮮側から再調査について言及もあり、この機に事態が上手く進展されればと私も思います。

 ただ今日このニュースを見た時にはっと思いついてしまったのですが、仮に北朝鮮が拉致問題で再調査を行って拉致被害者の返還まで行うとしたら、日本政府に対して何らかの見返りを要求することはほぼ確実だと思います。それでもこれまでの拉致家族の方々の苦労を思えば拉致問題解決と引き換えの北朝鮮への人道支援や国交回復について恐らく日本人の9割以上は賛成することでしょうし、むしろ支援を対価にしてでも拉致家族の返還を求むべきだという声の方が大きいでしょう。

 正直、このブログで書くべきなのかどうか少し悩みましたが、それでも敢えて言うべきだと思うので書きます。この拉致問題解決と引き換えの北朝鮮への支援を日本はやるべきかどうかと言ったら、私は疑問に感じる点が一点あります。というのも、北朝鮮へ支援をすれば確かに拉致被害者を取り戻せる可能性はあるものの、そのかわりに現在圧政を敷き北朝鮮国内で人権侵害をし続ける金王朝を間接的に支援することになってしまうのではないか、という一点です。

 言うまでもなく北朝鮮では多くの人間が飢餓状態にあり、また多くの強制収容所を構えての思想弾圧も日常茶飯事だと伝えられています。これらの人権侵害は現在の政権を握る金王朝が行っているもので、金王朝を打倒する以外では改善の見込みはほぼないと断言できます。
 仮に北朝鮮政府が拉致被害者を確実に帰国させるということを前提にした上で資金、またはエネルギーの支援を日本に求めたとします。その要求を日本側は飲むべきかどうか。飲めば拉致被害者の人権は守られるものの、北朝鮮の人権を侵害する組織を日本は支援することになりかねず、言うなれば日本人の人権と北朝鮮人の人権のどちらを優先するのか、天秤にかける選択となってしまうのではないかと今日ふと思ってしまいました。

 マスコミみたいに問題提起をするだけして投げてしまえば確かに楽ですがそれだとやはり卑怯なように思うので答えると、自分は後者です。拉致問題の解決は切実に望むものの、人権侵害を続ける政権を支援するような行為はやはりやってはいけないのでは、いくら日本人の人権を守るためとはいえ北朝鮮人の人権侵害を見て見ぬふりしてはならないのではと、批判されても仕方ないとは思いつつこのように考えます。
 もちろん日本全体の総意としてそれでも拉致被害者が取り戻せるのであれば支援すべきというのであれば、自分もその総意を批判するつもりはなく素直に従うつもりでおります。 ただ仮にこのような事態となった場合、いくらか出費を負担するけど拉致被害者が帰ってくるのならそれでいいとだけ考えるのではなく、北朝鮮の人権についても一定の覚悟を持って決めるべきではないかと個人的に思います。

 一番ベストなのは北朝鮮に対して何の支援もせず外交的駆け引きによって拉致被害者を取り戻すことです。次善の策としては、見返りの支援を要求されたとしても赤十字または日本政府を直接通した食糧支援だけに限定するか、本当に一回こっきりのエネルギー支援にするかです。この二案であれば自分も賛成できます。

 片方の人権を優先すればもう片方の人権を無視することになる。無論、同じ国民の人権を優先するというのは間違った概念ではないものの、もう片方の人権を無視することについて覚悟があるかないかでは大違いではないかと思ったので、こうして書き記すこととしました。

2014年4月26日土曜日

周囲の目を気にしない中国人

 日記として書きますが、昨夜は大学の先輩がうちに泊まりに来たのでブログの更新を休みました。その先輩はこのところ関東で仕事が多いのでしょっちゅう泊まりに来るのですが、昨夜は以前にも一緒に行ったうちの近くにあるロシア料理店にまた行こうとしたらたまたま貸切りだったので、しょうがないから台湾料理屋に行って、「酸辣湯の臭いとかマジ懐かしい」なんてかなり大声でわめきながら盛り上がっていました。私の声は知る人ぞ知るほど異常なくらいに通りが良くてどんな雑音の中でも確実に聞き分けられる声質ですが、この先輩も負けず劣らずやけに通る声してるんであの時に店の中にいた人はさぞ迷惑だったろうな。それとあと、頼んだチャーハン余ったから持って帰ろうとして、「すいません、これ打包(中国語:ターパオ)してください」など、中国人の店員に日本語と中国語が混ざった妙なオーダーとかしてました。

 そんなこんだで本題ですが。現在私の友人は今年3月から中国の西安へ留学に行っております。その友人は中国に長期滞在するのはこれが初めてなのでこの前電話した際に中国の第一印象はどうかと尋ねたところ、「やっぱりみんな、周りの目を気にしませんね。花園さんの言う通りに」という感想を述べてきました。我が友人ながら、やっぱりいい観察眼持ってる気がします。

 何度かこのブログでも書いていますが、中国人は日本人と比べると 周囲の目を気にしないというか関心があまりありません。もっともそれが如実に出るのは服装で、真夏にもなるとへそだしルックがガチでそこらじゅうに溢れて目撃することになります。もっともへそ出して歩いているのは大抵太ったおっさんですが。また覚えている方も多いんじゃないかと思いますが、パジャマで外をうろうろするおばさんもそれほど珍しくなく、上海市内でもショッキングピンク色したキティちゃんのパジャマ着たおばさんを自分は何度も見ています。
 こうした中国人の特徴は服装以外にも表れており、路上での行動とか仕草にも見ることが出来ます。まず声が大きくて話している内容が聞きたくなくても聞こえてくるとか、あとのっしのっしと歩くというか割と体を大きく振るようにして歩いて対向者をよける際もなんていうかやれやれって感じで日本みたいに細かい動きを見せることはなくおおざっぱです。

 と、ここまで中国人との比較で書いてきましたが、実は今日は「金田一少年の事件簿」の漫画を漫画喫茶で見てきたこともあって見出しから一つトリックを入れた文章を書いています。そのトリックというのも比較対象を敢えて「中国人と日本人」との比較で書いているという点なのですが、これは「外国人と日本人」に置き換えてもほぼ全く同じことが言えちゃったりします。さすがにキティちゃんパジャマは中国オンリーかもしれませんが。

 私自身そんなに威張れるほど外国生活が長いわけじゃありませんが、少なくともこれまで見てきたイギリスとかアメリカ、あとインドと比べると路上での振る舞いや仕草、服装は日本人よりも中国人のパターンのが近い気がするというか、日本が一番極端過ぎるきらいがあります。実際にこれは留学中にフランス人の姉さんから直接言われましたが、「あんたはまだ普通の格好してるけど、日本人はなんで普段からあんなわけのわからない格好してるの?」と言われたことがあります。この姉さんのいう「わけのわからない」というのは私なりの解釈で言うと、学校に来るのだから別にラフな格好でもいいのに変に着飾ろうと柄物とかを着ているという意味だったと思います。

 核心をさっさと述べると、日本人というのは世界単位で比較すると異常なほどに周囲の目を気にするというか、周囲と同じ格好、振る舞い、仕草を自ら率先して取ろうとする傾向があります。究極的に述べると日本人の行動原理は「周囲に溶け込み、目立ってはならない」という忍者っぽい大原則にあり、それが学校や企業、そして部活動などでの行動につながってくると私は睨んでいます。 逆に周囲とは異なる振る舞いをしようものなら一気に叩き出そうとする傾向もあり、それを日本人は集団性が強いと言いますが、私は内心では案外協調性は少なく個性を自他ともに叩き出すことを目的にしてしまっているようになっていると考えてます。

 ここでこのところ多い自分語りですが、上にも書いている通りに自分も日本人よりは中国人に似て、周囲の目を気にしない振る舞いを取ることが多いです。こうした傾向は中国へ赴く以前から明らかに存在しており、現在もそうですが周囲の「逆を突く」ということを信条にして長い間行動してきました。私が何でこういう風に育ったのかというと元からそういう資質だったと言えばすぐ片付きますが、私個人の主張を述べると、内面を磨くことに必死で外見に構う余裕が全くなかったというのが本音です。

 私はよく会う人から「何でも知っていて知識が豊富だ」などと褒めてもらえることが多いのですが、偽りのない本心で述べるとまだ全然物足りないというか、もっと知識を得たいと本気で願っているしまだ足りないと知識欲に餓えてます。なんでまだそんなに餓えているのかというと単純に知りたいという欲求と共に、自分以上に思考力に富み知識を備えた人間に対抗するにはまだ実力が足りていないと思うし少しでもそういう人間に近づきたいという本能じみた感情から、このところ勉強はサボりがちではあるものの知的好奇心や何かを追おうとする意欲に関しては衰えを全く感じていません。
 こうした考えは子供の頃からずっとそうで、変に外見を磨く暇があるのであればもっと内面を磨くため、知識を貯め思考を深め新たな発想を探さなければと脅迫じみた考えをこれまでずっと抱いていましたし、現在も変わりはありません。 言うなれば、外見を気にする以前に内面の至らなさの方が私は気になるわけです。

 そんな自分に言わせると、日本人はもっと外見より内面を磨くことに力を入れるべきだし、また相手の外見にとらわれずもっと内面見た方がいいように思えます。また今度記事にまとめてもいいですがSTAP細胞の捏造問題といい、日本人は外見というか外っ面の議論は熱心にやりますが誰も核心については議論したがらないというか無関心であることが多いです。私ほど内面に極端に入れ込む必要はないでしょうが、周りの目ばっか気にする前に自分自身の自分に対する目を気にしろよと年寄りじみたことを言いたくなったので、こうしてまとめた次第です。久々に散文っぽく話題がずれつつ最後に収束できたから、かいてて楽しく仕上がりました。

2014年4月24日木曜日

鮫島事件とプチエンジェル事件について


 上の画像はまたネットから拾ってきた画像ですが、なんか右下のセリフに悲痛感が詰まってることから気に入ってちょくちょく見返しているためブログにも貼ることにしました。それにしても猫って本当空気読まないよな。

 話は本題に入りますが、皆さんは「鮫島事件」という名前を知っておられるでしょうか。私の予想だと相当コアなネットユーザーじゃないと見聞きしたことはまずないと思いますので、ウィキペディアのリンクをいつも通りに貼っておきます。

鮫島事件(Wikipedia)

 この鮫島事件というのはどういう事件なのかというと、言ってしまえば何にもない事件といったところです。というのも、この事件がネットで語られる場合は往々にして、

「あの鮫島事件の恐ろしさだけは一回聞いたら忘れられない……」
「おいやめとけ。それだけはやばいぞ!」

 という感じのやり取りが交わされ、結局内容については誰ひとり語らないまま「なんか知らないけどヤバそうな事件」という印象を読んでいる人間に抱かせ終わります。では実際にこの鮫島事件というのは本当にあるのかどうかですが、まぁ十中八九何もない名前だけの事件でしょう。ウィキペディアの中で詳しく開設されていますが、名前を挙げるだけで詳細を語らず不気味さだけを際立たせるだけの一種の言葉遊びです。
 私はパンダの毛皮みたいに物事の白黒をはっきりさせないと気が済まない性格してる分、内心この鮫島事件の書き込みについては見ているだけでちょっとイラつきます。なので他にも同じようなもやもやを抱えている人に向けて白黒はっきりつけさせてあげようと、こうして記事を書くことにしました。

 鮫島事件のついでというわけじゃないですが、同じくネット上で定期的によく語られる事件に、2003年に起きたプチエンジェル事件というものがあります。

プチエンジェル事件(Wikipedia)

 こちらは鮫島事件と違って実際に起こった事件ですが、その内容についてはウィキペディアの説明を見てください。この事件が何でネット上で未だに名前が挙がってくるのかというと、この事件では未成年売春クラブを運営していたらしき犯人が自殺して終わっているのですが、事件後に犯人らの背後関係について追っていた記者が東京湾に浮かんだ状態で見つかったため、何か裏の力が働いているのではとよく語られます。曰く、未成年売春クラブの事件ということもあり顧客には政治家など要人もいて情報を知る人間は口封じに遭うのでは、といったところです。
 火消しに回るという気はないのですが、私はこの事件はそこまで大それた事件ではなかったのではないかと見ています。全部ネット筋のソースなので確実性は低いと認めるものの、まずプチエンジェル事件を追っていた記者が東京湾で魚に食われてたのは本当の事実のようです。ただこの記者は元々そういう裏社会系のネタを扱う記者で、どうもヤクザの案件を洗っていたら尻尾を踏んでしまったというのが結論っぽいという意見が出ており、私もこれを支持します。根拠としては犯人が死んだ事件なんて追われたところで関係者はあまり痛くない(どうとでもしらばっくれられる)のと、大袈裟に語られる事件ほど案外しょぼいことが多いという私の勘からです。そもそもの話、顧客に政治家がいたなんていう事実の根拠がどこをどう探しても出てこないし誰も挙げられないっていうのが一番デマっぽい点なのですが。

 ここで記事をまとめてもアリなのですが、話の種とばかりにもう一つだけ、こっちのが案外黒くねっていう事件を一つ私の方から挙げさせてもらいます。

桶川ストーカー殺人事件(Wikipedia)

 1999年に起きたこの事件は当時を生きていた人間ならまず誰もが覚えていることかと思います。現在にも続くストーカー事件の嚆矢となったもので現在のストーカー規制法もこの事件を教訓にして形作られたと言ってもよく、そういう意味ではまた今度あたりに「平成史考察」に取り上げてもありかもしれません。
 で、この事件のどんな点が黒いのかって話ですが、ウィキペディアの記述をそのまま書きに引用します。

  ~影響~
 2000年10月7日、埼玉県警警視の住むマンションの玄関扉外側から出火。県警は別の脅迫容疑で逮捕されていた巡査部長を放火容疑で再逮捕した。警視は桶川事件当時の上尾署刑事生活安全担当次長で、告訴取り下げや告訴状改竄を直接、間接に指示し得る立場にあった人物である。また逮捕された巡査部長は桶川事件当時上尾署の刑事であり、さらに最初の逮捕容疑となった脅迫事件の被害者も当時の上尾署員だった。容疑者は刑事から交番勤務に左遷されていたことから、恨みによる犯行とされた。一方で容疑者は、桶川事件では最初に被害者の女子大生に応対し、相談内容の深刻さに同情して当初は 熱心に話を聞いてくれていたという。容疑者は有罪判決を受け服役中に自殺した。またこの放火事件への対処に不信感を表明した別の刑事ものちに自殺している。

 まぁ詳細を自分も取材したり追ったりしたわけじゃないのでいろいろ強くは言えないのですが、事件後に事件に関わった警官が二人も自殺するって異常過ぎないかってことです。桶川ストーカー事件自体は有名ですが、事件後のこの話はあんまり知られてないと思うので紹介しようと思ったわけです。

2014年4月23日水曜日

山田風太郎の日記を読みだして

 昨日は所用により書くことが出来ず、かといって今日に何か書く話題を用意していたというかモチベーションがいまいち上がらないので今読んでいる山田風太郎日記について少しだけ書きます。

 先日お会いしたブログ読者の方よりこのブログについて、「もう少し話題のジャンルを絞った方が良いのでは?」というアドバイスを受けました。その方のいう通りにこのブログは歴史、政治、アニメ・漫画、経済、中国と書く話題のジャンルが多岐にわたっていて一体何のブログなのか、かいている人間が一人ということ以外は何の共通点もない記事が連綿と続いております。仮に中国の話題だけをずっと書いていれば今頃、中国系情報ブログとしてそこそこ名前も通りアクセス数も多分多くなっていたと思います。ではなんでそうしないのかというと、一つはいろんなジャンルについてあれこれ書きたいという私の欲求と、もう一つは日記的な要素を兼ね備えているからです。

 私は日記自体は中学生の頃に拙いレベルでしたが二ヶ月くらい英語で書いていましたがあまり続かず、それ以降もまた日記を書こうと思うことはありませんでした。このブログはあくまで私の主張を片っ端から書いていくということが本願であるものの、今現在で社会に対してどのように物事を見ているのかという折々の視点を書くという目的を含め近況もたまに書いて、後世の自分に「あの時自分はこう考えてたんだな」と再認識させる日記のようなものと捉えています。

 そんな日記ですが、世界で一番有名な日記となるとこの前ビリビリに破られた「アンネの日記」で間違いないでしょうが、日本人でも面白い日記を書いている人がいてそれはほかならぬ山田風太郎です。
 山田風太郎を私が知ったのは恥ずかしい限りですが漫画家のせがわまさき氏による「バジリスク」という漫画からです。これは「甲賀忍法帳」という山田風太郎の小説が原作となっていて、ほどよく化け物を書くのが上手いせがわ氏の作画と相まって漫画がヒットし、アニメも投資額がほとんど回収できなかったらしいですが私が見る限り非常に出来のいいアニメで、元々の原作の良さと相まって海外に紹介していくには忍者であるだけに文句ない作品だと考えています。

 話は山田風太郎の日記についてですが、後に小説家として名を成すだけあって毎日非常に細かく書いてあるのですが、それ以上に書かれた時期が戦中から戦後という、ある意味日本がいろんな意味で特別だった時期であることが大きな特徴です。知ってる人には早いですが、山田風太郎は両親が早くに亡くなり血のつながらない義父母によって育てられ、義父母の援助を受けつつ医大を受験し続けちゃんと医師免許も取得しています。まだ私は彼の日記を読み始めたばかりですが、まぁ書いていることは陰鬱というか、果たしてこのまま義父母の援助を受けながら浪人し続け、医大に行くことに価値があるのかなどという悩みがせつららに書かれてあります。
 同時に、戦時中の日本という国家に対してある意味特殊な視点でもって描かれ、こういってはなんですが当時の人間とは思えないほど国家の思想について詳細な分析が行われているだけでなく、戦時中の国民生活に関しても「あと二年もこのような生活で国民は我慢できるとは思えない」などと、まぁ不思議な視点でずっと描いています。

 と言ってもまだ全然読み進めていないので本格的なレビューは読み終えた後にでも書きますが、今読んでいるあたりだととにもかくにも食べ物に関する話が多くて読んでてこっちが腹減ってきます。当時勤めていた会社(沖電気工業)で仕事を終えると同僚とやれ汁粉を食べに行ったとか、丼ものを三杯食べたとか、給料日にはケーキとコーヒーを食べ歩いたとか、戦時中でも東京では食べようと思ったら食べられたんだななんて読んでて思います。

 やややる気のない記事と今日はなりましたが、そんなテンションの上がらない日々を今送っているという日記だと思って軽く読み過ごしてください。

2014年4月21日月曜日

中国当局による商船三井所有船舶の差押さえについて

 ここ数ヶ月はとんと中国関連の記事を書いておりませんでしたが、今日は久々に大きな話題ということもあって頑張って調べて書くことにします。ま、どうせ来月になればまた量産体制に入るのでしょうけど。

商船三井の船舶差し押さえ=戦時中の賃借訴訟敗訴で-対日圧力の一環か・中国(時事通信)

 すでに各所でも報道されているので知っている方も多いでしょうが、中国の海運関連の裁判所に当たる上海海事法院は19日、日本の海運会社大手の商船三井が所有する大型船舶「BAOSTEEL EMOTION」を戦前の傭船契約違反に対し賠償支払いを命じる判決不履行を理由に、差し押さえたことを発表しました。中国政府は今回の判決についてあくまで民事上の訴訟の結果に伴うもので、日中間における戦前の賠償問題について取り決められた日中共同宣言とは関係なく、同条約の内容は今後も堅持する方針だと主張。ただ戦前の問題に対する賠償を現代に遡求して求めるという非常識としか言いようのない内容であることから、私個人としては今回のこの中国当局の行動は日中双方にとって悪影響しか与えないものだと考えます。

 まず問題の背景を一から簡単に説明しますが、事の起こりは1988年に中国の海運会社二社の関係者が商船三井を契約違反で訴えたことに始まります。中国側の原告の主張によると、二社は戦前に商船三井の前身となった会社(中国の記事によると「日本大同海運株式会社」)に対して傭船契約を結んで船を貸し出したものの、傭船費の支払いを受けられなかったどころか貸した船をおしゃかにされ、現在までの補償費用を請求する訴訟を起こしたというわけです。
 こうした背景から始まった裁判は長期間続いたものの2010年に中国の最高裁判所に当たる所で商船三井の敗訴が決まり、同社に対して約29億円の賠償費用を原告へ支払うよう求められました。この判決に対して商船三井側は原告への支払いを拒否した上で反論を行い、原告側と新たな和解案を作ろうと交渉を続けていましたが、支払い命令の不履行が続いていたことを理由に中国当局が商船三井の船舶を差し押さえたというわけです。

 中国当局側は改めて商船三井に対して賠償金を支払うよう求め、もし今後も支払わないというのであれば差し押さえた船を売却することを示唆しています。日本政府は菅官房長官が今回の中国側の行動に対して批判した上で、戦前の賠償問題については日中共同宣言で解決済みという立場を取っております。

 そんなわけで日本と中国で見事に議論は平行線が続いているわけなのですが、では中国側の報道はどんな具合なのか久々に特技を使って調べてみました。まずどっか論説でも書いてないかなと思って探したら中国で最も国粋主義的な新聞の環球時報が「扣押日本货轮,中国法律彰显正义
」という論説書いてて、じっくり読んだ後にほかの関連記事捜したら和訳記事が中国網日本語版にのってやがりました。

日本輸送船を差し押さえ、中国の法が正義を示す(中国網日本語版)

 内容は読んでもらえばわかりますが端的に言って「やってぜベイビー」って死語を使いたくなるくらい今回の判決を歓迎していて、日本国内で同様の訴訟を行っても賠償を勝ち取るどころか勝訴することも難しいが中国国内なら今回の判決をきっかけに勝訴する可能性が生まれたとした上で、

「日本の航空機や客船・輸送船などの交通ツールも中日の間を頻繁に行き来している。これは中国の司法機関による強制執行に、現実的かつ便利な条件を提供した。」

 という文言が入っております。こういってはなんですがこの主張はちょっと危険なもので、解釈によっては日本の企業が保有する船舶や航空機を今後も差し押さえるぞと言っていると受け取れます。

 もっとも環球時報は最も過激な論説を書くので他ではどうか、もとい和訳のある記事を引用してるだけだとまるで自分が中国語が読めない人間に見えるので他にも探してみたところ、「中国扣押日本28万吨轮船 因三井株式会赔偿问题(新華日報)」の記事が見つかりました。書かれている内容としてはやはり今回の中国当局の判決と差し押さえを支持した上で、強制労働、慰安婦、毒物化学兵器を始めとした日本の戦前に対する補償問題の数々は、中国国内で訴えることで解決の道筋が出来たなどと、まぁ簡単に言ってくれるなということが書かれてます。

 私の主張をこっから書いていくと、今回の判決は日本のみならず中国にとっても悪い結果しか生まないと断言できます。訴訟を起こしている当事者にとってはカチンとくるでしょうがいくら何でも戦前の補償を現代に求めるというのはナンセンス以外なんでもなく、むしろ国交回復以降に日本が行ってきたODAを中国人はもう少し評価してくれと言いたいです。その上で今回の判決によって確実に日本企業は中国への警戒心を深め、対中投資も控える動きがまず現れるでしょう。それは日中双方にとって儲かる話が儲からなくなるだけでいいことなんて何もありません。
 そして今回の差し押さえによって、確実に中国国内で同様の訴訟は増えるでしょう。そうすれば今後も日系企業の工場といった資産の差し押さえを片っ端からやってくのか、仮に中国当局がその通りに実行したら日本のみならず他国の企業も中国政府への不信を持ち、中国への投資を控える恐れがあります。かといって今後訴訟と強制執行を中国当局が控えるのであれば、なんで当局は前は実行したのに今度は実行しないんだ、生ぬるいなどと国内から激しい批判が来るでしょう。一言で言って、パンドラの箱を開けちゃったようなもんです。

 私個人は生まれてきた時代を間違えてしまったとリアルに言われるほど現代の日本社会に適合して生きられないためやや中国贔屓ですが、そんな自分でも今回の中国当局の行動はかえって中国の利益を損ないかねないものとして支持できません。一体何故中国はこんな行動を取ったのか、やはり第一に思い浮かぶのは習近平政権に変わってから露骨に日本批判が増えており、こんな時に前の胡錦濤だったらどう処理してくれたのかとやや懐かしむ気持ちを覚える限りです。

2014年4月20日日曜日

魂を切り売りする記事

 今日はちょっとネタ切れというかあんま長い記事書く気分じゃないので短いものをと考えていたところ、前回に書いた「人材派遣企業各社の平均マージン率」についてちょこっと感想を書くのがベターかという結論に至りました。

 率直に言って、この記事はこの1~2年で稀に見るほど良い傑作になったと思います。内容のテーマ性といいマージン率のデータ、そしてそれら数値に対する解説と派遣労働に関する問題点の指摘といい、どの面でもバランスよく意義深い文章に仕上げられた気がします。ただ良い記事に仕上がった分、書き上げた際の疲労感がほかの記事より明らかに高く、昨日なんか一昨日の夜に泊まりに来た大学の先輩と一緒に朝食食べた後はほぼずっとフリーだったにもかかわらずなんか記事を書く気分にはなりませんでした。

 今回の記事に限らず、手のかかる記事というのはどれも書き上げた際の疲れというものがほかの一般的な記事より大きく、敢えて比喩的な表現を使うと自分の魂を文章に切り分けているような心象を覚えます。実際にブログの文章というのは大なり小なり自分の思想を読者に与えるようなものでありそういう意味では自分が切り分けた魂を拡散して読者に伝えると言っても過言ではなく、この魂を切り売りするという行為というのは言い得て妙な気がします。

 自分は文章で単純に読者を楽しませたという思いから執筆技術の向上に取り組みましたが、それと同時に自分の思想を理解してもらうため、言い換えるなら他人を自分の思想に取り込むためにも文章をうまくなろうと鍛えてきました。もちろん自分の思想の悪い部分を引き渡してはならないということは十分注意しておりますが、気合の入った記事だとどうもその辺が制御利かないというか、想定以上に自分の魂をカットしている節があります。その辺、まだまだ自分も修行が足りないかってところです。

2014年4月18日金曜日

人材派遣業界のマージン率(2014年予備調査)

  追記
 サンプル対象を大幅に増やした2015年1月時の調査データを下記記事にアップロードしました。

人材派遣業界のマージン率 2015年版


  記事本文
 今週は一昨日の水曜日にこのブログの更新をサボりましたが、サボった理由は「真・三國無双7」で関銀屏を使い遊んでいたからではなく(むしろ王元姫)、ちょっと仕込みというか孤独に取材を行っておりました。その取材内容というのも見出しに掲げた、派遣企業各社のマージン率についてです。

 2008年のリーマンショック直前は日本の全体景気も上向いていた頃で格差議論もかまびすしく、人材派遣会社のマージン率を欧米の様にきちんと公開するよう義務付けるべきだという主張が派遣労働者による団体などによって叫ばれていました。もっともその後にリーマンショックが起こって派遣もへったくれもないほど雇用が減ったことから降雨言った格差議論は急速にしぼんだわけなのですが、結局あの議論はどうなったのかと、「全共闘の時代であれば大活躍していた」と、リアクションに困る誉められ方をリアルにされた私なだけに、先週のあるに日ふとこの件がどうなったのかと気になったわけです。

 気になったが最後、大人しそうな見た目と裏腹に行動力とバイタリティが半端ない自分なだけに早速調査に入ったのですが、調べてみたところ下記のサイトで説明されているように一応公開が義務付けられていたようです。

派遣労働者・労働者の皆様(厚生労働省)

 上記サイトの情報によると派遣労働法が改正されて、人材派遣企業各社は事業年度ごと、各事業所別にその年の派遣マージン率の合計平均を算出、公開するよう定められております。この場合の派遣マージン率の定義は下記の通りです。

・派遣料金:人材派遣を受ける企業が人材派遣会社に支払う額
・賃金:人材派遣会社が派遣社員に支払う額(=派遣社員の実質受取額)
・マージン額:派遣料金から賃金を差し引いた額(=派遣会社の受け取り分)
・マージン率:マージン額÷派遣料金

 この中で注意が必要なのは「マージン額」で、イコールで派遣会社の受け取り分と説明こそしていますが、派遣会社はこの中から派遣社員の有給取得費用や研修費といった経費を捻出するため丸々派遣会社の粗利となるわけではありません。
 以上を踏まえてモデルケースを出すと、派遣料金が月額30万円でマージン率が30%だとこうなります。

・派遣料金:30万円
・マージン率:30%
・マージン額:9万円
・賃金:21万円

 我ながらくどい気もするけど、一応こういうことも説明しておかないとフェアなじゃない気がするので簡単にまとめました。まぁ後述する皮肉の為でもあるんだけど。

 というわけで本題に戻りますが、じゃあ人材派遣のマージン率は具体的にどのくらいで行われているのか、実際に調べてみました。調査方法はランダムサンプリングも兼ねてネットでマージン率を公開している人材派遣会社を片っ端から調べて記録し、その結果を下記のリストにまとめました。
 サンプル数は50件。テンプスタッフとインテリジェンスの2社は大手であるため全国各地に営業所を構えており、ぶっちゃけ全部調べるのが面倒だったので首都圏の事業所のみをピックアップして調べました。それでは。早速その結果をお見せしましょう。


<事業所別マージン率調査結果>
派遣事業所 マージン率 派遣人数
(1日平均)
派遣先
宇部情報システム 50.4% 23 3
ビット 49.4% 19 5
インフォテック 46.6% 3 5
セゾン情報システム 45.5% 非公開 非公開
富士通エフサス・クリエ 35.3% 427 376
AGS 34.1% 7 3
インテリジェンス新宿第二オフィス 33.5% 459 33
インテリジェンス新宿オフィス 33.0% 3401 2205
エスエス産業 31.6% 50 25
クレスコ 30.9% 非公開 非公開
NCI 30.7% 102 14
富士ソフト 30.2% 345 122
ガレネット 29.9% 144 11
APAユアーズ 29.8% 非公開 非公開
インテリジェンス横浜オフィス 29.4% 238 237
テンプスタッフ西新宿オフィス 29.0% 43 37
スタッフクリエイティブ東京営業所 28.6% 99 42
スタッフブレーン 28.6% 非公開 非公開
ケービックス大阪支社 28.4% 115 26
日本アシスト 28.3% 165 37
ブライズ 27.9% 391 151
三井住友トラスト・ビジネスサービス 27.1% 1205 227
ジョブコム本社 26.4% 519 360
ATアクト 26.1% 非公開 非公開
テンプスタッフ昭島オフィス 26.1% 137 79
テンプスタッフ吉祥寺オフィス 25.5% 270 128
テンプスタッフ調布オフィス 25.0% 646 495
スタッフクリエイティブ野田営業所 24.8% 63 24
ケービックス本社 24.8% 347 256
テンプスタッフ町田オフィス 24.8% 152 106
テンプスタッフ立川オフィス 24.7% 499 238
ジョブコム東京支社 24.7% 430 281
ジョブコム福岡支社 24.6% 58 35
テンプスタッフ八王子オフィス 24.1% 203 114
テンプスタッフ自由が丘オフィス 24.1% 171 120
テンプスタッフ新宿オフィス 23.6% 3555 3402
テンプスタッフ北千住オフィス 23.6% 78 59
テンプスタッフ板橋オフィス 23.5% 162 89
テンプスタッフ池袋オフィス 23.5% 1199 627
テンプスタッフ渋谷オフィス 22.8% 1823 1024
テンプスタッフ上野オフィス 22.5% 505 322
テンプスタッフ大森オフィス 22.5% 235 136
テンプスタッフ錦糸町オフィス 22.6% 283 163
テンプスタッフ品川オフィス 22.4% 2189 1107
テンプスタッフ丸の内オフィス 22.2% 4492 2560
テンプスタッフ世田谷オフィス 22.2% 107 39
スタッフクリエイティブ京葉センター 20.9% 105 25
スタッフクリエイティブ新松戸営業所 19.4% 10 4
キャリアコントラクト 18.8% 34 8
ケービックス東京支店 18.6% 238 74
       
インテリジェンス丸の内本社 0.0% 59 1
インテリジェンス八重洲三義ビルオフィス 0.0% 35 49

・最大マージン率:50.4%(宇部情報システム)
・最低マージン率:18.6%(ケービックス東京支店)
・マージン率平均値:27.9%

注1:各社が公開しているデータは最新のものであるものの、各事業年度ごとに公開しているため統計時期に関しては各社で異なっている

注2:末尾のインテリジェンス系列の2事業所はマージン率が「0%」と発表していた。恐らく社内とかグループ内での派遣などではないかと思うが、今回の調査目的上からして例外的な対象と考え、平均値などには含めず別枠に置いてある。サンプル数はこの2つを除いて合計50件。


<解説>
 以上が今回の簡単な調査結果です。姉妹サイトの「企業居点」を見てもらえば感じ取ってもらえるでしょうが、この手のデータ調査や収集に関して私は文字通り鬼のような執念と集中力を発揮するものの、今回はちょっと思うところがあってサンプル数は幾分控え目です。本気でやれば最低でも200件は集めたでしょう。

<マージン率の平均値>
 データの解説に移りますがまず一番重要な指標と言えるのはほかでもなくマージン率の平均値で、これは27.9%という結果が出ました。実際に自分でも調べていた実感では20%代に数値が集中しており、派遣会社や派遣業種によってばらつきはあるものの20%代であればまだ一般的な水準にあると言え、大まかに言って逆に30%を超えるとなるとややマージンが高く、20%未満だと良心的と言えるかと思えます。ちなみに今回調べた大手2社ことテンプスタッフとインテリジェンスでは、前者がすべての営業所で22.2~29.0%内の範囲に収まったのに対し、後者の3営業所は29.4%、33.0%、33.5と前者を上回る結果となりました。ここまで有意に差が出てくれると比較のしようもある。

<事業所別のマージン率の差>
 次に気になるのはマージン率の最大値と最低値と言いたいところですが、実際はあんま比較する価値はないと見ています。既にそれぞれの数値は上に記してありますが、マージン率が上位の派遣事業所は企業名からしてどこもITエンジニアを専門としてそうな業者が多く、こうした業種だと派遣社員への研修に金と時間がかりそうなのでマージン率もほかよりやや高めとなるのもまだ理解できます。更に言えば、派遣業種別にマージン率を細かく見なければこの手の実態というのはあんま見えてこないでしょう。私の勘ではITエンジニア、介護系、工場作業の三業種でそれぞれ比較できたら楽しくなる気がします。
  あと事業所の規模の大きさはマージン率に影響するかどうかですが、1日当たりの平均派遣人数を比較する限りだと大きかろうが小さかろうがそんなに相関してなさそうです。それよりもやっぱり派遣業種と派遣する地域の方が影響がありそうで、さすがにそこまでの細かいデータはどこも公開していないのでまた法改正でもしてくれないかななどと内心思ってます。

<雑感>
 以上が簡単ではあるものの私の調べた派遣マージン率に関する調査結果です。今回調べてていくつか気になった点を述べると、どことは書きませんがリストに載せたある1社がマージン率と賃金率を逆にして書いており、「マージン率:71%」みたいな書き方をしていました。最低限の国語力すらもっていない人間にこういう資料を作らせた上に公開するなんて、まぁあまり見られた会社ではありませんね。

 次にこれは真面目な話ですが、今回の調査では人材派遣会社大手としてテンプスタッフとインテリジェンスの2社のデータを引用しておりますが、これは逆を言えば大手ではこの2社しかまともなデータの公開をしていなかったということです。ここは遠慮なく書いてくと、具体的には以下の大手企業は少なくとも私が調べた限りだとネット上でマージン率を公開しておりません。

<マージン率を公開していない大手企業>
・フルキャスト
・メイテック
・ニチイ学館
・リクルートスタッフィング
・毎日コミュニケーションズ
・アデコ
・パソナ
・スタッフサービス

 こういってはなんですが、小さい派遣会社なんかはまだこの手のデータを公開しない不手際も多少は許されると私は思います。しかし実際には上記リストにあるように割と小さい会社もちゃんと公開してますし、そもそもマージン率の公開は法律できちんと定められた義務であるし厚生労働省の指針でも「ネット上で誰でも閲覧できるように」と書かれてあります。にもかかわらず、ここに挙げた大手企業はその責任を果たさずにマージン率を公開せず、私の様に調査をする人間の妨害をするなど非常に腹立たしく無礼極まりないことを平気でやらかしてています。ご丁寧なことに、スタッフサービスに至っては「最寄りの営業所に電話でご確認ください」なんて書いててネット上で公開する気なんてまるでないし。
  マージン率の公開は業界の競争を促す上でも、派遣労働者の保護の観点からも重要極まりない情報公開だと私は考えます。しかしこのように大手企業ほど公開しないという姿勢は不自然極まりなく、本気で言いますがここに挙げた企業は恥を知るべきでしょうし、グッドウィルみたいにこの際政府は潰した方がいいと本気で思います。逆に、ネットで検索したらすぐに引っかかるなどきちんと情報を細かいところまで出しているテンプスタッフとインテリジェンスの2社に関しては素直に誉めてあげたいですし、派遣労働者の方々ももし使うとしたらこの2社を経由することを企業姿勢から言ってお勧めしたいです。

 最後となりますが、今回この調査をしていて非常に不愉快というか、何故自分がこんなことをしなければならないのかという点で強く疑問に感じました。正直に言うと、「派遣 マージン率」で検索したら大手企業を含め大概の企業をまとめたリストみたいなのがすぐ出てくるべきだと思ってて、何故どこもやってないのか不思議でしょうがありません。

 私は、あくまで一個人であってこのブログも労働組合とかそっち系の団体から支援を受けてるわけでもなく、中国共産党からの指令を受けて書いてるわけでもありません。今日の記事もただ単に興味を持って、実際のマージン率はどの程度なのかを知りたいから調べて書いただけです。
 恐らく、派遣労働者を対象とした労働組合とかユニオン、そういう団体は少なからず存在するでしょう。では何故そうした団体の職員、運動員らはこの手の重要となるデータをまとめないのか。このマージン率は最重要と言ってもいいデータであって派遣労働者の保護や団体交渉をする上では絶対に欠かすことのできないデータだと私は思うにもかかわらず、最低限の統計すらどこも取らず、一体その手の団体は何を活動しているのか、本気でやる気あるのかとこの点で強く問いたいです。同時に派遣労働者の方々に対しても、自らの待遇改善のために何か活動をしているのか、聞くだけ無駄かなとは思いますが。

 自分はこのブログを始めた当初、それなりに熱意を持って派遣労働の問題性とか待遇の改善案とかをいろいろ書いてきたつもりです。しかしそれらが何になったのか、また当の派遣労働者たちはなにか格差改善のために動いたか、というか日本の労働組合は正社員ばかり相手して一体何やってるんだとこのところ疑問に感じてきております。また非常に攻撃的な文章となってしまいましたが、もういい加減こういうことはやめようかなと考えており、この記事もそうした考え方の変化を受けて派遣労働者保護というよりは情報公開という点に軸足を置いて書いた次第です。