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2016年2月3日水曜日

中国外食市場における鍋料理

 この前の日曜もまた例の上海人と一緒に部屋探しに不動産屋を回った後、一緒に焼き鳥屋へ行きました。訪れた焼き鳥屋はその日に初めて訪れた店でしたが値段はリーズナブルであるものの友人は前に二人きりで訪れた焼き鳥屋の方がおいしかったと文句言いつつ、店内のテレビに何故か映されている「孤独のグルメ」のDVDを見てました。
 今後の展望などについてそこそこ話して帰る前に何か締めとして頼もうかとメニューを開き、その日はたまたま雪が降るほど寒い日だったのであったかい物をと思ってキムチ鍋を頼んだのですがこれがなかなかおいしくて、「焼き鳥作るより鍋作るのが向いてるじゃん」と言いながら舌鼓を打っていました。なんか前にも、ラーメンのがおいしい焼き鳥屋が新宿にありましたが……。

 などと思いながらふと店内を見回したところなんかどのテーブルにも鍋料理が並んでて、店内全員で鍋パーティやってるような状態になってました。恐らくその日が寒かったからだとは思いますが、中国人もこういう日本料理店で鍋料理を抵抗なく食べるんだなぁとちょっと気になりました。
 その点を友人に振ると私の意見に同意し、要因としては中国には「火鍋」という鍋料理が普及しているので鍋料理自体にはとても慣れており、しかも日本と違って夏にも火鍋を口にするので日本人以上に鍋料理を愛好している節があるのではと話し合いました。

 ここで少し話は変わりますが、記者時代に取材したある会社で面白い話を聞いたことがあります。悪い話しじゃないので実名出しますがその会社は物語コーポレーションといってこんな会社名なのに外食チェーンの運営会社なのですが、この会社が中国進出第一号店として「鍋源」という火鍋料理屋をオープンさせた当日に取材へ赴いていろいろ話を聞いたところ実に中国市場を研究しているなと驚かされました。曰く、「中国は地方によって人気な料理が異なるが、唯一火鍋だけは全国どこでも食べられている」と述べ、中国人に一番受け入れられやすい料理であることから火鍋屋でオープンすることにしたそうです。
 なおこの会社は自分が取材した中で一番印象深い会社で、現在上海市内で上記の「鍋源」の店舗数も順調に増えております。

 このエピソードからもわかる通り、あんまり知られていませんが中国人は案外鍋料理が好きだったりします。実際どこ行っても通常の火鍋に加えてキムチ鍋とか魚鍋が置いてありますし、日本料理屋もそうした事情を反映してかやっぱり鍋料理をセットして、なんかこのところはラーメン屋でも見かけたりしてなりふり構わない状態だなと密かに思ってます。なおちゃんこ鍋だけは唯一、日本料理屋でしかみかけないのですが、やっぱり訪れると中国人客も大勢来ていて認知が深いなと改めて感じさせられます。
 具体的に何が言いたいのかというと、これから中国に進出しようとする外食チェーンは鍋料理についてあらかじめ案を持って乗り込んできた方がいいと言いたいわけです。先程の物語コーポレーションの人が言ったように中国は地方によって好まれる味や料理が変わり、四川と湖南では辛さの種類が違うとか、上海は醤油ベースだとかいろいろありますが、鍋料理は具材とタレを複数用意しておけば全国どこにでも打って出られる上、珍しい鍋料理があれば中国人も興味を示す可能性があります。なんかあまりこの点を指摘する話を見なかったので、興味ついでに書いてみました。

2016年2月2日火曜日

派遣会社がなくなれば直接雇用が増えるのか?

 また一連のマージン率関連記事で申し訳ないのですが、友人から「生温いぞ!」と言われ、私自身もちょっと優しく書きすぎたなと思う部分があったので、それ以外の諸々も含めてちょこっと補足するような具合でもう一本記事を書きます。本当は中国の外食事情とかについて書きたいのですが。

 この前の土曜に書いたマージン率の調査記事で私は、去年の調査記事はいくつかのサイトに引用されたもののそのうちの一部サイトではやや偏った引用のされ方をして正直に不快だったと書きました。それは具体的にどのような引用だったかというと私が調査して出したマージン率の数字の引用の仕方で、何故か平均値(26.8%)には一切言及せず最高値(50.0%)だけを引用して、「派遣会社は何もせず派遣社員の報酬の半分をピンハネしている」などと書きたてるというものでした。
 実際にはこのマージン率から福利厚生費などを派遣会社が負担するのですから上記のような書き方は明らかに事実とは異なり、ましてや平均値には触れず派遣会社全体でマージン率が50%であるかのように書くことはこの業界への誤解を広げかねず、極言すればデマゴーグといっても差し支えないでしょう。正しい情報をきちんと公開せず偏った情報だけ流すという点で言えば、そのブログ主は義務付けられたマージン率を公開しない派遣会社と態度的にそう変わりない気がします。

 もちろん普通に記事が引用される分には光栄ですしプロフィール欄にも書いているように何も断りがなくても全然気にしませんが、私の作ったデータで捻じ曲げられた情報を発信されるというのであれば不愉快この上ないし、それを正す責務も自分にはあるでしょう。表現者として上を目指すならばそうした誤った引用すらできない記述をやって見せろと言いたいところですが、毎日こうやってブログ書いててもまだそんな水準には達せられてないので、やはりこうして一つ一つ新たに発信していくしかないのが現状です。
 直接名指ししてもいいのですが、今回は警告にとどめておいて次回何かあれば直接批判することにします、現実でも殴り合いを含めて喧嘩するのに何もためらいないし。

 と、ここで話をいったん区切って少し話題を変えますが、上記のような捻じ曲げた引用の仕方をしたサイトは複数あり、どちらも派遣会社は社会のダニで不法に儲けており存在自体なくなればいい、なくなれば直接雇用がもっと増えて労働者は助かるみたいな主張につなげていました。しかし断言してもいいですが、彼らにとっての社会のダニの派遣会社が日本からなくなっても日本で直接雇用の正社員は増えることはないでしょう。っていうか十年くらい前に終わっていると思う議論をなんで今更しなきゃいけないんだとちょっと書いてて今思いました。

 絶対的な事実として、企業の側からすれば同じ業務をやらせるにしても派遣社員を雇う方が正社員を雇うよりも支払うコストが大きくなります。正社員なら月30万円で済むところを派遣社員ならば40万円かかるという具合で絶対的なコストは派遣社員の方が上です。にもかかわらず何故企業は派遣社員を雇うのかというと、いざとなったらすぐに契約を切って解雇できるからで、逆を言えば正社員は売上げが落ちるなどして任せる仕事がない状態になっても解雇などで雇用調整することが出来ず、重石のような負債となってのしかかるリスクがあるというわけです。
 では何故正社員を解雇できないのか。法律解釈にもよりますが労働法で解雇条件が定められておりその条件を満たすのが難しいと考えられているため、どれだけ会社に損害与えても、問題ある社員でもおいそれと解雇が出来ないという認識が日本では強いです。加えて雇用の流動性が低く転職市場も海外と比べそれほど大きくないため、従業員側も負担が大きいブラック企業でも生活のためには我慢して働くため、いろんな意味で悪循環になってるわけです。

 突きつめれば雇用の流動性が日本だと低すぎるために派遣社員が企業に求められるわけです。ならば派遣社員をなくすためにはどうすればいいのかですがこれははっきりしており、正社員の特権を失くせばいいだけで、要するに解雇条件を緩和するなどして雇用側が簡単に解雇できるようにすればいいわけです。そうすれば企業はコストの大きな派遣社員よりもどこも率先して正社員を雇うようになり、それどころか真面目に働こうとしないのに会社にしがみついている問題ある社員も一掃されるでしょう。
 私はもう何年も前から上記のような考えに則って、「正社員という概念自体をもうなくして、みんなが派遣社員になれば日本人はみんな幸せになるよ。少なくとも派遣を批判している人たちは」と主張し続けてきました。そもそも東シナ海を股にかけて働いている私からすれば日本の労働市場の方が異常に見えて仕方なく、何故ブラック企業が存在するのか、何故有期雇用契約じゃないのか、何故労働契約書を書面でしっかりサインしないんだとか疑問でいっぱいです。しかも本人たちがその異常性に気付かずというか気づいていない振りして自分たちにだけ都合のいい意見や主張ばかり展開しているのが一番疑問です。

 この辺りはリツアンSTCの野中社長と考え方が一致しましたが、日本の労働市場における最大の欠陥は雇用の流動性が低いという点に集約出来ると思います。ではこれを改善する、流動性を高めるにはどうすればいいかとなると現状況下では派遣雇用を発展させることがまだマシな着陸点だと思え、ルールを徹底して健全に発展させるためにも情報公開が不可欠と考えたからこそわざわざマージン率の公開率を調べたわけです。なので直接本人にも言いましたが、派遣業界は大手が三つくらいに集約されればいいと思ってるしその中の一つに御社をぶちこみたいと話し、まともな派遣会社を育てたいし応援したいと伝えました。
 ってか書きながらつくづく思いますが、一連の調査で一番ミステリーなのは中国で暮らしている私がわざわざ日本のマージン率を調べている点でしょう。普段から行動怪しいけど。

2016年2月1日月曜日

優良派遣事業者認定制度の欺瞞性

 昨夜私はもはやこのブログのメインコンテンツになりつつある派遣業界のマージン率の2016年版調査記事をアップロードしました。調査結果についてはかなり長文となりましたが記事中にほとんど載せてあるのでこれ以上はとやかく言うことはありませんが、派遣会社各社のマージン率を調査している傍ら、何度も目に入ったというか気になる言葉が一つありました。その言葉こそ、見出しに掲げている「優良派遣事業者認定」という言葉です。

厚生労働省委託事業 優良派遣事業者認定制度公式サイト(一般社団法人人材サービス産業協議会)

 マージン率の調査中、一部の派遣会社ホームページにて「優良派遣事業者に認定されました」という言葉と共に上記サイトにある「優」という文字が描かれた認定ロゴマークが、割と誇らしく前面に貼られている会社を数多く見かけました。一体これは何なのか、少なくともこんな制度を自分は聞いたことないぞ(中国で生活しているんだから当たり前だが)と思って調べてみたところ、どうも厚生労働省が新たに作った派遣会社に対する認定制度だとのことで、その意義としては以下のように書かれてあります。

「派遣会社は優良な事業者であると認定され、派遣社員や派遣先企業は信頼性のある派遣会社を選択できるなど、派遣元・派遣先・派遣社員にメリットがあります。」(上記サイト「認定制度について」のページ内既述を引用)

 要するに、まともな派遣会社を認定することによって派遣社員からすれば所属先を選ぶ一つの指針となり、認定された会社は自社のPRに使うことが出来る「双方良し」な制度だと言いたいようです。なるほどなぁと思いちょっくら調べてみたところ現時点で85社が優良派遣事業者として認定されており、このうちマージン率など公開が義務付けられたデータをきちんとホームページ上で公開していた会社は27社、割合にして31.8%(3社に1社)で、さすが優良派遣事業者に認定された会社達だけあってこの前の私の調査で対象となった派遣会社全体の公開率18.0%(5社に1社)を大きく上回る数値です。
 なんとなく想像がついていたというか、ホームページ上に認定マークをでかでかと出している会社に限ってマージン率データを出してないことがやけに多かったので、「ああ、やっぱり……」という具合でこの結果を眺めました。っていうか、「本来の調査だけでも忙しいってのに余計な仕事作りやがって厚生労働省は……」などとブツブツ文句言いながら認定された会社の公開状況をいちいち調べていました。

 なお別に他意はございませんが、優良派遣事業者に認定されている85社の中には派遣大手のスタッフサービスさんも含まれております。

優良派遣事業者が「優良」ではない理由(マイキャリア)

 マージン率調査に執念燃やした私個人としてはマージン率をきちんとホームページ上で公開していない時点で優良どころかファッキンな会社で何を見て優良だと認定したんだかと言いたいところですが、いろいろネットで調べていたらなんと同業者からもこの制度に疑問を呈する声が出ていました。これには私もびっくり。
 上記サイトは日本リックが運営するマイキャリアという求人情報サイト内の記事なのですが著者名が書かれていないものの業界関係者らしき人物の記事のようで、この制度の概要から認定過程を説明するとともにその目的に対する実効性については、「当たり前の人材派遣サービスを提供している派遣事業者を認定する制度に過ぎない」と、切って捨てています。少なくとも、当たり前の情報すら公開しないほど情報公開に消極的でも認定が出ちゃう制度であることは間違いないでしょう。

 そもそもこの認定過程一つとっても厚生労働省が直接管理しているわけではなく、一番最初のリンク先サイト運営主に当たる一般社団法人人材サービス産業協議会(JHR)が委託を受けて行ってるとのことで、どうみたってこれ天下り団体にしか見えません。もうなんかいろいろ説明するのも疲れてきたので思い切ってぶちまけると、何から何まで不完全で腐った制度であるようにしか思えないというのが私の感想で、派遣社員の方々にはこんなもん信じるなと言いたいし、とっとと廃止されればいいのにとすら思う制度だって言いたいわけです。

 最後に今年の一連のマージン率調査過程における愚痴をぶちまけさせてもらうと、この調査を行った期間に私は転職を一回、引越しを二回(しかも中国で)こなしててプライベートも含めて超激動な一ヶ月間でした。友人からは負担が大きいからマージン率調査は先に延ばせとアドバイスしてくれたものの、「去年も1月にやってるんだから今年も同月にやらなければ意味がない」などと一切耳を貸さずに強行し、久々に自分で自分の頭がおかしいと思いました。なお以前に同じことを思った体験はこの時の体験です。
 しかも二回目の引っ越し先ではネット回線がなかなか用意できず、しかも苦労して引っ張ってきたのは2M/bpsという「こんな回線存在するの?」と疑うくらい貧弱なもので、こんな回線速度にもめげずにマージン率を調べるため各社ホームページ回ったというのは我ながらよくやったなという気がします。しかもスケジュール押してたから実質、先週土日の二日間で三分の二位調べたし。

 ただ、いい意味で常に緊張感があったためか精神的、体力的にダウンすることはなく、むしろかなりエネルギッシュに次々と襲いかかる問題を蹴り倒しながらクリアできたという実感はあります。もっともネット回線に関しては以前の記事でも詳しく書きましたが本当に有り得ないほどのトラブルに見舞われ続け、この間に友人の上海人には何度も泣き言を言っては愚痴を聞いてもらいました。向こうもいい迷惑だったでしょうがその度に、「大丈夫、なんとかなるって( ´∀`)」と慰めてもらい、彼にはマジ感謝してもしきれません。
 でもこの前彼と一緒にご飯(湖南料理、めちゃ辛かった)食べに行ってお勘定する際に半額の120元(約2400円)出したら、「いつもおごってもらってるから、いいって今日は( ´∀`)」とお札を突っ返されたところ、返ってきた手元のお札は20元だけで、「だったら普通に120元受け取りゃいいのに(・∀・;)」と思ったのはここだけの内緒です。

2016年1月30日土曜日

人材派遣業界のマージン率とそのデータ 2016年版

 昨年一月、私は個人的な興味から人材派遣業界のマージン率を調査し、そのデータを整理した上で統計結果と全データをこのブログに公開しました。予備調査的なものは2014年4月にもやっておりましたがその時はサンプル数がまだ少ないものでしかなく、またほかに同じような調査を行っている人間は皆無であったため実質的にこの分野の調査は私が去年に初めて開拓したと自負します。

 「派遣会社のマージン率」という元々の着眼点がよかったのとほかに同じことをしている人が誰もいなかったということもあり、幸いにも去年の記事はそこそこ受けて他のサイトにも引用されたりもするなどこのブログの記事の中で一番世の中に読まれる記事となりました。執筆前に、「絶対調査して書くべきだ」と太鼓判を押してくれていた友人からは当然の結果、いやむしろまだ反響が足りないとまで言われた上、「来年も継続してやるべきだ」などとかなり早くから継続調査を薦められ、また去年の記事を通して知り合った人たちも同じことを言い、恐らく他にも求めている人たちはいるんだろうなぁという妙な期待感は一応は感じていました。
 また前回調査ではわざと脇を空けるように隙を作ってみせておきましたが後追い調査をする人間はおろか取り上げるマスコミすら現れず、多分ほっといたら本当に一発こっきりで終わりかねないという懸念もあり、正直な感想を言えば最初は紛れもない好奇心で動きましたが事ここに及んでは多少の義務感も感じざるを得ません。

 などとまた前置きが長くなりましたが、去年の調査をベースにして今年も人材派遣企業各社のマージン率をまた一人で全部調査してやりました。ご託はいいでしょうし早速調査結果とデータの解説に移ります。


  調査概要
・調査期間:2016年1月3日~1月25日
・調査対象企業:一般社団法人 日本人材派遣協会(JASSA)の登録企業と派遣大手企業数社
・調査サンプル企業数:579社
・リストアップ事業所数:1,082拠点
・調査方法:インターネットを使い該当情報の有無を各社ホームページ上で確認する


  調査結果 ※括弧内の数字は昨年の調査データ
・マージン率の公開率:18.0%(19.1%)

≪マージン率≫
・平均値:29.3%(26.8%)
・最大値:旭化成アミダス株式会社 IT事業グループ 51.0%(50.0%)
・最低値:株式会社インテリジェンス 中国支社 12.0%(11.6%)
・前期比変動幅平均:+0.7ポイント

≪労働者派遣に関する料金の平均額(8時間)≫
・平均値:16,509円(前回未調査)
・最大値:株式会社メディカルリソース 名古屋支店 45,108円(〃)
・最低値:株式会社シグマスタッフ 大宮支店 7,847円(〃)

≪「派遣労働者の賃金の平均額(8時間)≫
・平均値:11,457円(前回未調査)
・最大値:株式会社メディカルリソース 名古屋支店 28,376円(〃)
・最低値:株式会社プレステージ・ヒューマンソリューション 山形事業所 6,400円(〃)


  データ注意事項
1、マージン率で少数点第二位以下の数値は四捨五入処理を行っている。
2、マージン率が「0%」以下の事業所は統計目的上、各種計算では除外対象としている。
3、マージン率数値は各社が発表している直近年度のデータを引用。
4、2014年12月末より以前のデータしか公開していない企業は原則、「×」評価として扱った。
5、公開データの対象期間が明らかでない会社は原則、「×」評価として扱った。
6、データに「平成26年度実績」としか書いていない拠点は対象時期不明瞭として「×」評価。
7、本社で派遣事業を行っていない企業は便宜上、適当と思われる事業所を「本社」として扱う。
8、上記調査結果はあくまで一個人の手作業によるもので、調査手段や解釈の変更によって数値が変動する可能性があるということをご了承ください。

・調査データPDFファイルのダウンロード
(2017年版データの公開につき配信停止、必要な方はご連絡ください)



  解説
≪マージン率の公開率下落について≫
 マージン率を始めとして人材派遣会社に公開が義務付けられている情報をホームページ上で公開している会社の割合は前回調査時の19.1%から1.1ポイント落ちて、今回調査では18.0%となりました。一見すると公開している会社が減っているように見えますがこれには理由があり、前回調査時は公開しているマージン率などのデータの採取対象期間についてデータの頭数を集めるという目的から厳しく見たりしませんでしたが、今回調査では注意事項の5と6に書いてあるように対象期間が不明瞭であったり、「平成26年度データ」としか書いていない会社は直近のデータであるかどうか判断しかねるため、原則「×評価(非公開企業)」として扱いました。
 なおデータの対象時期が不明瞭であっても、去年に取得したデータから更新した跡が見られる会社に関しては「△評価(データが不足)」として扱い、統計に加えております。

 このようにデータ対象時期を厳しく見るという処理をしたことから公開率は下がりましたが、去年も公開していた会社はちゃんと更新して公開を続けており、逆に公開していなかった会社は依然と公開していないといのが大概で、実態的にはあんま去年と変わりがないというのが私の見方です。もちろん更新をやめてしまった会社もあれば、今年からちゃんと公開するようになった会社も見られましたが。
 どちらにしろ、公開が義務付けられた情報をきちんとホームページで公開しているのは5社中1社というのは寂しい限りです。こういう会社から淘汰されるべきでしょう。


≪平均マージン率の上昇について≫
 今回調査で出たマージン率の平均値は29.3%と、前回から2.5ポイント上がりました。これにもちょっとした背景があり、一言でいえば去年はマージン率が高くてたくさん拠点を持っている会社が今回新たに統計へ加えられ、マージン率を引き上げたためです。詳細は後述しますが、特殊技能者や技術者派遣を専門に行っている派遣会社のデータが今回新たに加えられ、これらは拠点数が多い上にマージン率も比較的高かったためデータのなかった前回と比べて平均値を大きく引っ張りました。

 では業界全体でマージン率は去年と今年とでそれほど変化がなかったのかというと、そうとも言えないという根拠が調査結果にある「前期比変動幅平均」というデータです。これは前回調査時にデータを公開していた会社に限定して前回と今回のマージン率の差を出して平均化したものですが、その結果たるや+0.7ポイントでした。あくまでこの調査結果に限って言える結論ですが、この数値は去年と今年でマージン率は業界全体で0.7ポイント上昇したということを示しており、過去一年間はやはりマージン率は上昇傾向にあったと考えられるでしょう。


≪労働者派遣に関する料金、派遣労働者の賃金≫
 前回調査時にも認識していましたが、マージン率ともども「労働者派遣に関する料金」、「派遣労働者の賃金」の一人当たり平均を公開することも派遣会社に義務付けられております。前回調査では作業の手間を省く、マージン率の公開率に目を向けさせるという目的もありましたがそれ以上に、料金賃金という金額データであるため変な引用のされ方をされる恐れがあったため敢えてデータを取りませんでした。今回は周囲の勧めもあって統計を取ってみたのですが、これがなかなかに面白い結果を生みました。
 まず時給に換算すると「労働者派遣に関する料金」は約2,063円、「派遣労働者の賃金」は約1,432円となります。これが高いか安いかはまだ検討の余地はありますが、今回調査の最低値は時給換算だと前者が約980円、後者が約800円となり、なんていうか最低時給スレスレな金額となるわけです。まぁそれで合意できてるのなら何も言うつもりありませんが。

 逆に最高値はどうなのかですが、これに関しては単独で取り上げた方が価値があります。というのも今回調査で「労働者派遣に関する料金(8時間)」が3万円以上の数値を叩きだしたのは株式会社メディカル・プラネット、株式会社メディカルリソース、株式会社メイテックの3社のみです。また「派遣労働者の賃金(8時間)」が2万円以上だった拠点となるとメディカルリソース、メイテックの2社のみとなります。
 これらの派遣会社は上記の派遣料金、賃金が明らかに高額で他社を突き放しており、特にメディカルリソースとメイテックは多数の拠点を保有しながらそのどれもで同じ水準を保っています。その一方でこれらの会社のマージン率は40%前後あり、これも全体平均を大きく上回っております。

 ある意味今回の報告で一番肝心な内容になりますが、派遣料金・賃金の高さはマージン率と確実に相関します。統計ソフト持ってないから相関係数とか出せないけどデータ表を見ればこの傾向は明らかに見て取れ、現に上記三社のデータはバッチシこの傾向に沿っております。
 一体何故相関するのかというと、マージン率には会社が従業員のために負担する福利厚生費や技能研修費なども含まれるからです。前回調査記事でもこの点を口を酸っぱくして説明して、「マージン率が高い=即悪」という図式は成り立たないと強く訴えたつもりでしたが、私の記事を引用したサイトによってはただマージン率が高い会社をあげつらってはピンハネがひどいなどと批判するだけのサイトもあり、正直言って見てて不快でした。
 翻って先程の三社を見てみると、メディカル・プラネットとメディカルリソースはともに医療従事者を、メイテックはエンジニアを専門とする派遣会社です。これらの派遣は工場のライン工や事務スタッフと違ってマッチングが難しい上に研修にもお金がかかります。そうした点を踏まえると通常の派遣会社とは明らかに毛色が異なる会社であり、ただマージン率が高いというだけで叩くというのは以ての外でしょう。

 なおこのマージン率の解釈について今回、リツアンSTCの野中社長から丁寧でわかりやすい解説をいただいたので、この記事引用しようっていう人は最低限これだけは読んでから引用してください。

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「マージン率に関する解釈と今後の展望」
 私はマージン率の問題は次の2つに集約されると思っております。1つは世間で思われている「マージン=派遣会社の儲け」との誤解。もう1つは現派遣法で公開が義務化されているマージン率は会社(事業所)の平均であって、決して個人のマージン率ではない点の2つです。

 まず「マージン率=派遣会社の儲け」についての誤解ですが、弊社の実際の数字をまじえてご説明いたします。弊社の派遣エンジニアの2015年11月度の派遣料金の平均は630,000円でした。これに対して派遣社員の給料平均は470,000円で、マージン率は25.4%となります。
 ただ、このマージンの中には社会保険料の会社(事業主)負担の経費や派遣社員に対する研修費用なども含まれております。このため派遣会社の儲けとしてのマージンを知るには、この派遣社員に関わる経費を差し引いて考えなければなりません。

 この経費の中で最も顕著なものは健康保険や厚生年金などの社会保険料の会社負担額です。あまり知られておりませんが社会保険料は労働者と会社で折半で負担します。
 例えば毎月の給料明細から社会保険料が5万円引かれたとするのならば、会社も同額の5万円を負担して合わせて10万円を年金機構などに納めております。弊社の場合、11月度の社会保険料の1人当たり平均は61,000円で、当月の派遣料金に対して10%ほどになります。つまり、この派遣社員に関わる経費を差し引いた割合、弊社の場合ですと15.4%が「会社の儲け」としてのマージンだといえるとかと思います。

 そして、次の問題は現派遣法で公開が義務化されているマージン率は「会社平均」であって決して「個人のマージン率」ではありません。平均は、個々の値を足し合わせてその個数で割って得られた数字にすぎません。
 例えばA君のマージン率は40%、B君のマージン率は30%、C君のマージン率は20%、でも会社平均のマージン率は30%になってしまいます。派遣社員の方が最も知りたいのは会社の平均マージンではなく自分自身の情報です。それにも関わらず会社平均では、自分自身のマージン率は一向に見えてこないのです。

 今後は、会社平均という曖昧な情報より個々人の派遣契約の内容を開示することが必要かと思います。なぜなら私たち派遣会社は労働者の労働対価を直接の収益源としているからです。だからこそ他の事業分野よりも情報がクリアーでなければなりません。

 派遣会社の情報公開が進めば今後は派遣会社自身の色分けがはっきりしてくると思います。給料にこだわる方は還元率がいい派遣会社のA社、スキルアップを目指す方は社内研修が充実しているB社、クライアントの正社員になりたい方は紹介予定派遣が充実しているC社など、派遣会社の特色が明確になるかと思います。そうすれば労働者も派遣会社を選びやすいしネガティブで語られるこの業界も少しは社会のお役に立てるのかもしれません。

㈱リツアンSTC 野中社長よりの寄稿
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≪大手派遣会社の公開状況≫
 ある意味こちらも真打ち。去年もあげつらいましたが大手とされる派遣会社のマージン率などのデータの公開状況ですが、去年はスタッフサービスさんを除いてホームページを確認するだけでしたが今回はホームページ上で公開していない大手各社にメールを送って、「陽月秘話の花園祐じゃ!データちょうだい!」と要求してやりました。その驚きの結果は以下の通りです。

≪ホームページ上で公開している会社(´▽`)≫
・アデコ:去年は見られなかったが今年はホームページで公開していた。
・インテリジェンス:以前からホームページで公開している。
・テンプスタッフ:系列ともども以前からホームページで公開している。

≪データを提供してくれた会社( ・∀・)≫
・ザ・アール:即日ですぐデータを提供してくれた。
・マンパワーグループ:連絡してからすぐデータを提供してくれた。
・メイテック:即日ですぐデータを提供してくれた。

≪返信はしてくれた会社┐(´д`)┌≫
・パソナ:データは拠点にあるので拠点に来てくれと遠回しな公開拒否。
・ニチイ学館:今夏のホームページ公開に向け準備中のため遠慮。

≪無視してきやがった会社(#゚Д゚)y-~~≫
・ジェイコムホールディングス:無視、返信すらなし。
・スタッフサービスさん:無視、返信すらなし。
・フルキャスト:無視、返信すらなし。
・マイナビ:無視、返信すらなし。
・リクルートスタッフィング:無視、返信すらなし。

 以上のように、はっきりと対応が分かれました。

 提供してくれた会社は、見ようによっては脅迫文にしか見えない文面での要求にもかかわらず総じて協力的で返答時期も早く、この場を借りて改めてお礼申し上げます。まぁホームページ上できちんと公開してくれればこれ以上ないんだけど。
 ニチイ学館について詳しく述べると、こちらでは今夏のホームページ公開に向けあれこれ編集中とのことでそれまで待ってほしいと返答があり、私としてもデータを集めることよりもそうした情報公開を促すことが第一の目的であるため「うん、おっけー」とハーフタレントのように返答しました。

 で、公開してくれなかった会社ですが、まさかマジで何も返答なく無視されるとは思いませんでした。遠回しな公開拒否ですが一応返信くれたパソナなんかまだまともな会社なんじゃないかと思える始末です、いやマジで。
 特にスタッフサービスさんには去年にもメール送ってその時はこちらも、「お近くの拠点で」という回答拒否でしたが一応は返信くれたのに、今年に至っては他社同様に無視してきました。お互い知らぬ仲でもないってのに何なんだよこの対応はと思い、悔しいからデータファイルの中でスタッフサービスさんだけ太文字にしてやりました。

≪メイテックについて≫
 今回の調査で一番やり取りが多かったというか多くなったのはメイテックさんで、「送ってもらったデータ入っているZipが開けない(/Д`)」という私からのうざい問い合わせにも真摯に対応していただきました。
 メイテックさんのところの拠点は前述したように派遣料金・賃金が非常に高い一方でマージン率も平均を大きく上回っていますが、これについてはメイテックさんも気にしてるのかメールで、「社員エンジニアにはお客様との対価についてすべてオープンにしております」と言及した上、「定年60歳に到達した社員エンジニアも2015年9月末現在で累計151人に達した」と述べ、数ある派遣会社の中でも定年に到達する社員がいるのは唯一メイテックだけだと誇っていました。実際に私も余所で定年に達する派遣社員がいるという話は聞いたことが無く、この話は真実だと思います。

 やや持ち上げ過ぎな気もしますがメイテックさんに関しては以前から何度か噂を聞いており、2008年のリーマンショックの際も派遣会社各社で派遣先の無くなった派遣社員の解雇が溢れた中、メイテックだけは解雇へと踏み切らずに抱え続けたというエピソードを人伝に聞いており、実際この広報部とのやり取りをしていて噂に違わない印象を覚えました。記者経験者の口から言わせると、案外広報部を見ればその会社の特徴というか性格はわかるものです(トヨ〇さんは官僚的だとか)。

 何度も言いますがマージン率が高いから即ひどい会社というわけではなく、あくまでマージン率は一つの比較指標であってその他のデータとも多角的に比較、検討する必要があります。少なくとも言えることはネット上で公開する手段を持ちながら公開しない会社は情報公開に熱心ではなく、さらに公開を要求したにもかかわらず無視するような会社は企業姿勢として如何なものかということ、そして今回の調査から導き出せた結論としては、

・マージン率の高さは派遣料金・賃金の高さと深く相関する
・派遣料金・賃金が低いにもかかわらずマージン率が高い所は要注意

 この二つの結論は一般化してもいい結論じゃないかと自信を持って主張します。
 この結論に至れたのもメイテックのデータが大いに参考になり(見ていて気が付いた)、勝手ながら本調査に最も貢献してくれたMVPとさせていただきます。

 また記事中では言及していなくとも、きちんとホームページ上でデータを公開して引用させていただいた各社に関してはここで改めてお礼を申し上げさせていただきます。公開しない企業が多い中、孤高を保って公開し続けるその姿勢は真に見本たる姿勢であり、他の誰も評価せずとも私は一人でもこれらの会社に強い賛辞を贈り続けるつもりです。

 以上、非常に長い長文となりましたが本調査報告を終えます。「優良派遣事業者認定」の欺瞞性、調査中の苦労話についてはまた次回の記事でしつこくやるので興味があればそっちも読んでください。

2016年1月29日金曜日

日本仕様のステルス機

国産初のステルス実証機公開 2月、初飛行へ 防衛省(朝日新聞)

 Yahooニュースのヘッドラインに載っていた上記ニュースですがこの見出しを見た際に私は何故か、機体全体に般若心経が書かれた飛行機を想像してしまいました。でもってキャノピーだけが書かれてなくてここを狙われると弱いみたいな解説記事を期待したのですがリンク先の実機写真はさにあらず、やっぱそんなことないかと思いつつ少し残念に思いました。

 しかし実際問題、般若心経を魂込めて書けばレーダーくらいどうにかなるんじゃないかという気がしますし、日本政府は予算懸けてでもこうした霊能力に満ちた戦闘機の開発を試してみるべきでしょう。試作機の型番は敢えてつけるとしたら「Hei-K ホーイッチ」なんかだと具合がよく、どうせ予算じゃ米国に勝てるわけないんだし、斜め向いた方向の兵器開発にチャレンジしてみるのも日本らしくてありかもしれません。

池内博之、20代美女との三軒茶屋焼き肉店デートを目撃(週間女性PRIME)

 また全然先の内容とは関係ない話題ですがこの記事中にある、「そんな池内が、なぜ三軒茶屋で飲んでいたのだろうか。」という記述について、「なんで三軒茶屋で飲んじゃいけないんだよ」という突っこみコメントがYahooに入れられてあってちょっと笑えました。確かになんでだよなぁ。
 それこそ誰か芸能人がマッドシティこと松戸で飲んでたら、「なぜ松戸で飲んでいたのだろうか。」と書かれてしまうのでしょうか。でもまぁ書いていて、確かにマッドシティで飲んでいたらなんでだろうって気が湧いてきます。

2016年1月27日水曜日

甘利大臣の献金疑惑について

 なんかこう政治記事書いてないなと思うので今ホットな政治話題なので甘利大臣への献金というか収賄疑惑について私の所見を述べます。結論から言えばクロじゃないかと考えています。

金銭授受疑惑 甘利大臣秘書の“UR威圧録音”入手!(週刊文春)

 この事件もネタ元はベッキー不倫と同じ「センテンススプリング」ですが、一体文春はどうしてこうもスクープを物にするのかこのところの取材力には目を見張るばかりです。ちなみに上海の日本人社会の間でもベッキー肯定派と否定派がきっかり分かれているのが笑えます。この前会った以前お世話になった人なんかは全力でベッキーを擁護して、「一番悪いのはあの男の方だ」と主張してやみませんでした。

 話は戻りますが今回の疑惑は建設会社からお金を受け取った甘利大臣、もしくはその秘書がURに口利きをして仕事をあっせんしたというわかりやすい構図です。中国だとこんなのは日常茶飯事なので最初見た時はリアルに、「え、これの何が悪いの?」と本気で思ってしまった私ですが、日本だったらもちろんいけないことです。
 受け渡したとする金額は直接が100万円で、関連費用を含めるならさらに1200万円が上積みされると報じられており、近年の特捜を見ていると1000万円を超えるか超えないかが一つのボーダーとなっている節があるだけにこの金額だと確実にそれに引っかかるラインなので認め辛い金額といったところでしょう。

 で、この件について何故私がクロだと思うのかというと、大した根拠ではありませんが甘利大臣の態度です。はっきり言って物凄い動揺ぶりで、「あ、痛い所突かれてるんだ」と見て取れた気がしました。また言い訳の仕方もしどろもどろで、逆に時間が経つにつれどんどんと不利な証拠が現れ続けるなど完全な防戦を強いられており、安倍首相は一応庇ってはいますが恐らく現段階でもう次の人間を誰にするか選抜しつつ身体検査をしているんじゃないかと思います。

 一応、甘利大臣に関しては身内の自民党からも批判されながらTPPの交渉担当としてよく頑張ってまとめたと私は評価していますが、まぁこの件が本当ならTPPもひと段落したことだしそろそろ引いたら、体調も良くないらしいしと声をかけてあげたいです。仮に授受された金額の合計が1000万円以下ならその実績と能力を買って残ってほしいと考えたでしょうが、この金額なら世論は許さないだろうし、さっきも言ったように健康問題を抱えていることもあるので政権運営的には切った方がプラスじゃないかというのが私の見方です。安倍首相には以前、松岡農水大臣の例もありましたし。

 それにしても疑惑を突き付けられてああもしどろもどろになる態度は政治家としてちょっとどうか、やはり昔の政治家は悪いことをたくさんやってましたが、「だからなんだ」と言わんばかりのふてぶてしい態度は人物的には今の政治家より上だったでしょう。もちろん悪いことはやらないに越したことはありませんが、いかんせん政治家が小粒になってきているというのは残念な話で、何事にも動じないような政治家がもう少し増えてもらいたいというのが密かな希望です。

女性が見る視点

 人知れず私が読んでて気に入っている漫画の中に、「森田さんは無口」という四コマ漫画があります。この漫画は、「このままでは過労死するのでは」とガチで心配されるほどここ数年アニメやゲームに出演しまくっている「ざーさん」こと花澤香奈氏の主演でアニメ化も果たしておりそこそこ人気な漫画なのですが、この前ふと読む機会があってそれから非常にはまっており、つい先日も新しい単行本を買いました。
 この漫画はどういう内容なのかというと、言ってしまえばありていな女子高生のゆるふわ系四コマですが、最も特徴的なのはタイトルの通りに主人公の森田さんが極端に無口で、実際に漫画の中でも一言も発声することがなく、あっても声にならない悲鳴などしかありません。全くしゃべらない主人公でありながらきちんと話はオチがつき、そこそこリズム感よく読めるので手持無沙汰になるとすぐ開いて読むほど(電子書籍で)気に入っているのですが、この漫画の二巻にちょっと気になった内容というかセリフがありました。

 森田さんとその友達が初詣に神社へ訪れたところ、たまたまそこで巫女さんのバイトをしている同級生と鉢合わせになります。森田さんらを前にその同級生は、「こういうバイトしてるとよく写真撮られるのよ。男って、本当に夢見てるよね」と話し、「ところで、なんでこのバイトにしたの?」と森田さんの友人に聞かれると、「時給が良いから」って即答します。
 そんな同級生を見て口には出さないけどあれこれ考える癖のある森田さんは、

(女って本当に現実見てるよなぁ……)

 と、心の中だけで思うわけでした。

 ほかにも見ていてなるほどと思う話はたくさんありますが、二巻を読んでて一番印象に残ったのはこの話でした。この漫画を読んでて作者の方は本当に観察力のある人だとよく思わさせられるのですが、まさにこの話の言う通りに男は夢を見て、女は現実を見るってのは凄く納得します。
 などと思っていたら、すいかさんが自分のブログでまさにそれを象徴するかのような話を書いていたので読んでて爆笑したわけです。

人はそう簡単には変わらない。(すいかのブログ)

 内容については是非皆さんの目で読んでもらいたいのですが、これ読んでやっぱ女は現実しか見てないんだなって再確認できました。逆に男はやっぱりロマンとか誇りを追っかけちゃうもんだからしばしば自滅しちゃうんだなぁって気がします。

 などとしょうもない話でまたブログを埋めたわけですが、紙幅が余ったのですこし豆知識というか私が女性と会話する際に使うある必殺技を披露しようと思います。そんな大したものではないですが女性と話す時に、「どの芸能人が整形をしているのか?」という話題を振ると女性の側は半端なく盛り上がり、大体30分は一方的に誰が怪しいとか、あいつは目元を絶対改造しているなどとずっと話し続けてくれます。特に話す話題がない時はこの話題を振ればそこそこ相手できるので密かに重宝してたりします。
 ちなみに、男の私は別に誰がどんな整形してようが実はあんまり気にしなかったりします。逆を言えば女性は気になるというか整形する人を腹の底で許さないというか認めないのかなぁ。