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2016年2月13日土曜日

再引っ越しの完了

 ところどころ過去記事で書いていますが、先月1月に私は上海で転職して昆山から引っ越してきました。最初の引っ越し先は昔住んでいたサービスアパートメントで、ここは住所証明を取るためだけに一ヶ月間だけ契約して住み(実際に住んだのは二週間だけだが)、その後で同じサービスアパートメント内で別の部屋を契約して引っ越しました。
 しかし、引っ越した後で気が付いたのですがその部屋というかそのサービスアパートメントはネット用の回線設備がリアルに存在せず、通信会社各社を回ってあちこちから断られながらどうにか接続できたのは2M/bpsという、今時こんな通信速度の回線あるのかと疑いたくなるようなレベルでした。ついでに近くにある高速道路の騒音がひどい、もとい窓周りの気密が明らかに弱い上、寒かった日には窓枠がリアルに氷結するなどしたのですぐに引っ越しを考えました。

 早速その部屋を手配してくれた不動産屋のおばさんに話したところ親身に相談に乗ってくれ、すぐに近くで新しい部屋を紹介してくれました。念のためほかの所もいくつか回りましたが結局、最初に最初に紹介してもらった部屋が一番いいと判断して契約の意思を伝え、大家と契約書を結び、昨日今日でようやく引っ越しも完了しました。ちなみに今日は上海人が親父さん(+VWの車)を連れて手伝いに来てくれたので引っ越し自体はすっごい楽でした。
 今度の部屋は大家の部屋を一部間借り、といっても入り口からドアを隔てていますが、ネット回線は大家が契約しているものをそのまま使わせてもらえたのでネット代は完全無料となりました。速度も明らかに前の所より早くて助かりますが、VPNはこのところ全体的に遅くなっているので日本の一部サイトを見るときはそんなに差はないかなという状態です。もちろん、それでもこの速さは大いに助かるけど。

 この前の記事にも書きましたが今回はその不動産屋のおばさんから親身にサポートしてもらい、本当に感謝のしようがありません。既に菓子折りを二回届けていますが、今後も何かあれば買って持って行かなければと思うくらい支援してもらい、新しい部屋の家賃代、ネット契約に関してもほぼ完全にこちらの要求を通してもらえました。
 でもって引っ越し先の今の部屋ですが、リフォームしたばかりでやたらきれいで逆に落ち着きません。家電はもとより壁なども全部塗り直されてて新築と言ってもいいくらいの部屋状態であり、壁とか床とか傷つけないように気を使います。ただ、木製の食卓が備えられていてパソコン用デスクもないから最初はそこにパソコン老いて作業しようかと思ったらなんか目線がおかしく、試しに丸いガムテープを置いたらコロコロと毎回同じ方向に転がっていく始末で、足回りがどうも緩いせいか明らかに偏ってました。さすがにそんな机の上で長時間パソコンに向かったら疲れるだろうと思い、今現在は小さい引出しの上にパソコン無理矢理のっけてタイピングしています。

 それにしてもこれでようやくというか1月からの激しい混乱に終止符が打てて、自分の上海での生活もようやく一息つけそうです。想定外のトラブルがあまりにも多過ぎたというかまるで何かに狙い撃ちされているかのように不運につきまわされた一ヶ月間だったと思います。
 別にこの短期間に限らず自分の人生全体でも、明らかにほかの人よりついていないというか本人に起因するわけでないトラブルに巻き込まれることが平均より確実に多いと我ながら自負しています。特に不良品を掴む割合は半端なく高いと思え、かつてはPSVita本体を入れるポーチが明らかにおかしな臭いしてて交換したこともありますが、この方面の受難は続いているというかまた今日も少しトラブルがありました。

 事の起こりは何も今日じゃないのですが、先日自転車を購入する際に前方を照らすライトをUSB充電式で一緒に購入しましたが、これが何故か電気つかない、っていうか充電できないという凄い代物で、旧正月明けとなる来週末にも返品できないか購入したGIANTのお店に行こうかと考えています。
 これだけなら別に記事にするまでもなかったのですが、今日上海市内に無数にあるダイソーのお店に友人といって引っ越しに伴って必要なものを適当に買いそろえたのですが、その中に自転車用ライトが10元で売っていたので折角だからと思い購入してみました。でもって自宅で封を開けたところ、「結束バンドもなければ締結具もないぞ?」と、すぐにその奇妙さに気が付きました。ハンドルに巻きつけるプラスチックベルトはあるもののそのベルトを固定するバンド、金具類が何故かなく、裏面の説明によると固定ネジがついているとありますがそんなの全く有りません。

 初めから固定ネジなど存在しないのか、たまたま私が選んだライトについていなかったのかは知りませんが、自転車用ライトひとつで二つ連続不良品を引き当てる男なんてきっと世界広しといえど私一人でしょう。幸いというか気持ちに余裕があるのでそれほどショックはありませんが、やっぱり何かついているかもしれないのでこんど上海市内でお祓いの出来るお寺にでも行こうかなと検討中です。

2016年2月12日金曜日

自民議員の謝罪会見三連発について

 まるで狙いすましたかのように、というより報道を分散させるために敢えて合わせたのでしょうが本日、自民党議員三人がそれぞれ別々に謝罪や訂正会見を行いました。

1、「根拠ない」発言を撤回=除染基準めぐり―丸川環境相(時事通信)

 内容については割愛しますが、これは完全に丸川環境相が憶測で物を言ってしまったのが振動だと思われます。もちろん政治家たるもの憶測で物事を言うべきではありませんが、かといって物凄い目くじら立てるべき発言でもないしこうしてすぐに撤回と訂正を行っているのですから、似たようなことを繰り返さない限りは気にしなくてもいいのではというのが私の意見です。

2、宮崎衆院議員が辞職願=16日に許可、4月補選へ(時事通信)

 育休取っておきながら不倫をしてしまっただけに、これは本当に言い逃れのない行為なだけに議員辞職することも仕方ないでしょう。恐らくこの辞職は本人の申し出というより自民党執行部によって引導を渡されたものかと思われますが、評価すべきは自民執行部の迅速な対応ぶりで、先日の甘利前経済産業相の辞任といい危機管理が以前と比べて格段によくなっております。
 逆にというかこの宮崎議員の辞職によって逆大手をかけられたのが民主党、もとい細野議員でしょう。ネット上でも盛んに指摘されていますが細野議員はかつて山本モナ氏と路上でチューしているのを激写されており、自民は責任取って辞めたのに細野議員は何故なにもしないんだという構図が出来上がってしまったわけです。まぁ路上でチューする時点で危機管理はあってないようなもんですけど。

3、恣意的運用を否定=電波停止命令言及で―高市総務相(時事通信)

 これも細かい事実内容は割愛しますが、本当はもっと議論を深めるべきニュースはこっちの方だと思えるだけに扱いの小ささにやや不満を覚えます。
 論点となった政治的公平性ですがこれは誰かによって決められるものではないだけにこれを理由として挙げること自体ばかげています。しかし、「あからさまな捏造や印象操作を加えた放送」であれば話は別で、これに関してはむしろ今より厳しくして明確な処罰規定などを今のうちに盛り込むべきではないかとかねがね私は主張しています。

 特に最近はネットを中心に検証が進められていますが街角での街頭インタビューに同じ人物、もとい劇団員が何度も出てきていることは有名ですし、また討論番組でも明らかに偏った人選のされ方や翻訳字幕の改変なども現実に起きており、こうした行為は誰がどう見ても事実を捻じ曲げる行為であるだけにそれこそ一週間など期間を定めた停波処罰などで規制すべきでしょう。

 こうした事実報道とともに、放送倫理面でもやっぱり処罰が無ければテレビ局は反省しないなと思う節があります。どこか絡めて報道するかなと思っていたらどこもやらなかったので個人的に非常に残念だったのですが、この高市総務相の停波発言があった同日、TBSの音声掛がマラソンコースに乱入するというとんでもない暴挙をやらかしております。TBSは以前にも男子ゴルフの石川遼選手が出場したツアー中にゴルフカートで観客を轢くという有り得ない事故を引き起こしており、報道機関としてあるまじき行為を繰り返すなどまるで反省する態度が見られません。
 こうした放送局に対してBPOは注意するだけで何も制裁は加えておらず、もはや自浄作用は期待できないのではと私は見ています。報道機関を過剰に縛ることはもちろん反対ですが、かといって野放しにしたまま公共の利益を損害させるなど以ての外であって、こうした方面の規制議論が今後盛り上がればと陰ながら祈ってます。

AELAのしょうもない派遣関連記事

嫁に愛してると言ったらガラスに突進→嫁父に「お前は鳩か!」と怒られるwwwww(気団まとめ)

 また本題と関係ありませんが今日初めて読んだコピペでしこたま笑ったので紹介することにします。「お前は鳩か」といった嫁父のようなツッコミ力がほしい。

増殖する「中高年派遣」34万人の悲鳴(AELA)

 でもって本題がこちら。先程友人が「読んでみろ」といって送ってきてくれましたが、既に私も読んだことのある記事でした。派遣問題を取り上げてるなどれどれと読んではみたものの、なんていかここで取り上げられている人は別に派遣だから解雇されるのかと言ったらちょっと違うように思え、パワハラとか年齢面とかの影響が大きいように思え、ぶっちゃけ派遣関係ないよねと当時思いました。っていうか正社員でも中高年なら同じような扱いされてクビ切られることだってあるのに、派遣というくくりでわざわざ語る必要があるのかと思える記事内容で、言ってしまえば中途半端な記事だなと思いました。

 友人としても同じような感想を持ったとのことで、「恐らくこの記者はマージン率の公開義務すら知らないだろう」と切って捨てていました。私としても真に切り込むべき論点はそこにあると思うだけに、派遣問題を取り上げながらマージン率の公開如何を無視しているということは単純に知らないのでしょう。前にも一回述べましたが、こういう記事は記者じゃなくて新聞社に来ている派遣社員自身に書かせるべきでしょう。

  おまけ
 さっき蘭州ラーメン屋行ったら韓国人に韓国語で声かけられました。前に親父から「韓流っぽい」と言われたシャツ着てたからかなぁ……。最近、マジで韓国人に間違えられる回数多くなってきて嫌なのですが、以前は中国人に間違えられてやたら早口の中国語でまくしたてたのでそれよりはマシかもしれません。

2016年2月11日木曜日

芋ようかんが食べたいε=ヽ( ゚Д゚)ノ

 ネット回線が2M/bpsしか選べないことから現在住んでいる部屋は明後日にも引き払い、明日明後日の二日間かけて近くの別の部屋に引っ越すこととなりました。新居のカギは明日にも大家から受け取る予定で、今度の部屋は大家の部屋の間借り(入り口から分かれてはいるが)ということもあるので何か挨拶の品でも持って行こうと昼寝から目覚めた後、欠伸を繰り返しながら地下鉄乗ってショッピングモールへと行ってきました。
 地下スーパー近くをぶらぶら歩いて眺めていたところ、あるコーナーの一角に「ちょうどいい」お菓子がショーウィンドーに飾られていました。飾られていたそのお菓子のラベルには「長崎ケーキ」と中国語で書かれてあるカステラで、お値段も118元(約2124円 1元=18円で計算、最近レートがややこしい)と100元前後という予算にもぴったり収まる金額です。一目で気に入ったのと、日本の歌詞を中国人に食べさせたらどうなのかという反応が知りたいという欲求もあり、大家と一連の引っ越しで親身になって支援してくれた不動産屋のおばちゃん向けにと二箱を注文して帰りました。
 どうでもいいけど私が注文した直後に別の客が来て、なんか店員の姉ちゃんが必死になって急いで包装してくれました。

 それにしても「長崎ケーキ(长崎蛋糕)」とはなかなかいったもんだなぁと感じさせられるネーミングです。よくカステラはポルトガル伝来のお菓子と言われながらも実はポルトガルにもスペインにも同じお菓子はなく長崎の完全オリジナルなお菓子というだけに、変に「カステラ」という音を入れるよりもこのネーミングの方がずっといい気がします。
 でもってカステラは棒状で売られていることが多く、単純にお土産として持ち運びしやすく、しかも相手先で切り分けやすいという特徴があります。ゼリーなど個放送されているお菓子も決して悪くはないですが、不特定多数の人間に配るお菓子としてはこうした棒状の方が有利というのは否めません。

 と、カステラについてあれこれ語りましたが、本音を言えば本当に欲しかった和菓子はこれではなく、ほかならぬ見出しに掲げている「芋ようかん」が出来ることなら欲しかったです。

 芋ようかんもカステラ同様に棒状で、しかも切り目がないため不特定多数へのお土産としては非常にリーズナブルな形状をしております。また数ある和菓子の中でも屈指の甘さを誇り、練って作られるもんだから少ない量で半端なくお腹にたまるというかすぐ満腹感を味わえる上、濃いめの緑茶との相性も桁違いにいいです。
 中国でもさつまいもはスイーツ(死語)の材料としてよく使われていますが、どちらかというとぜんざいやかき氷に混ぜたりすることが多く、芋ようかんみたいに練って凝縮するようなことはありません。それだけに中国でもこれ売り出したら案外面白いんじゃないかな、もとい、自分が食いたいからどこか本格的に売り出してくれないかなと密かに考えていて和菓子を扱っているお店とかをちらちら見てはいるものの生憎まだ中国で目撃したことは一度もありません。勝手な想像ですが、日持ちしないというのが芋ようかんの弱点でその点から海外だと展開し辛いのかもしれません。

 ちなみになんで急にこんな芋ようかんに対する熱い情熱を語り出したのかというと、一つは中国人へのお土産として持って行ってみたらどうなのかと気になるお菓子であったということ、二つとして今かなり甘いものに私が餓えているせいだと思います。この一週間で二回も自転車で100km走行を行ったことからか体の代謝がおかしくなっており、やたら甘いものが食べたくてコーラの消費量が急激に増えていることはもとより、今日トイレにまたがった瞬間に実感しましたが尻の方の肉が明らかに増えてるというか体がでかくなっている気がします。実際ここ数日間、走って疲れて体だるいから食べてはぐーぐー寝る日々続いてるし、芋ようかんさえあればもっとパワーアップできたかもしれません。

2016年2月10日水曜日

今日の自転車100km走行について

 三日前の日曜日に約100km走って体調悪くしたのに、懲りずに今日も約100km走ってきました。前回は虹橋空港付近から私が前住んでいた昆山市へ、実質西へ一直線に走るというルートでしたが今回は方角を南に向け、また虹橋空港付近から杭州湾こと海を目指して一直線に走りました。

 朝8時40分くらいに自宅を出発。三日前の走行が影響してまだお尻が痛みますがそこは我慢してサドルにまたがります。ルート的にはほぼ南へ一直線で道も聯華南路をひたすら走るだけ。域は割と好調でこの分なら早く終わるかなと思っていたところ、第一の関門に当たる黄浦江こと川が邪魔してきました。
地図を見るとフェリーがあるとのことなので早速フェリー乗り場へと向かったところ、チケット売り場で前にならんでいたおっさんがチケットを買いもしないのに窓口のおばさんと何故か長々と話し始めたので持ってたバナナを頭めがけて投げつけたくなりました。上海市内とは言えかなり南の郊外であるため、なんていうか中心部と比べると明らかに民度が落ちているのを感じました。

フェリーの中。ロードバイクが珍しいためか周りからやけにじろじろ見られた

 ひとまずそこをぐっとこらえてフェリーに乗りこみ川を渡るとと再び出発。地図にははっきり書かれていませんでしたがちょうど走ったあたりは上海化学工業区だったためあちこちに煙もくもくな煙突備えた工場がやたら見られるのと、工業地帯らしく中途半端な工事で放置されている道路や建物が散見されました。

 フェリー乗り場から下りてそこそこの距離を走り、化学工業区内の敷地にそのまま突っこみました。入り口ゲートに守衛立ってて入れるか心配でしたが無視したところ何も言われずに入れましたが、海までもう少しというところで再びゲートがあってそこは守衛に止められ突破が出来なかったものの、迂回すれば海の見える岸壁に行けると教えてもらい、その案内に従って再び走り出しました。
 教えてくれた道はどうも、砕石とか廃棄物を運ぶ道だったようで舗装もされておらずかなり凸凹で泥濘の多い道でしたが、その先にはきちんと岸壁があってようやく海を見ることが出来ました。もっとも中国の海は日本と違って茶色いからあんまきれいに感じないけど。

杭州湾が臨める岸壁から 

すぐ後ろはめっさ工業地帯 

 この時点で12時40分を回っていましたが、往路は真正面からの向かい風だった文復路は追い風になってきっと楽になるだろうと予想しており、その予想通りに往路の倍近くの速度で復路は走り続けることが出来ました。もっともまた疲労が出てきて、特に左膝が乗り始めから痛かったのにますます痛くなってちょっと情けない走り方となっていましたが。
 途中でケンタッキーによって昼食を取り、その近くでたこ焼きも売ってたので一緒に食べました。なおたこ焼きの値段は6個で15元(約300円)、8個で18元(約360円)でしたが、6個だけ頼んで堪能しました。

 昼食を取る以外は一切休憩せずに走り続け、最終的には3時45分に帰宅できました。帰宅してから2時間半ほど横になって睡眠を取り、その後ふらふらと起きてから近くの喫茶店で晩御飯食べて、シャワー浴びて、軽く背中を揉みつつ今この記事書いています。
 走り切った感想を述べると、川を越える辺りまでは距離的にも全然余裕だし途中途中でいくらでも補給が利くルートでしたが、川を越えて工業地帯へ入る辺りからは殺伐とした風景が延々と広がり続けるなど、心理的にも体力的にも急にハードさを増しました。もし上海市内からサイクリングで行くなら川越えの直前あたりでやめておき、虹梅路の先にある「浜江公園」当たりを目指す方が分なんじゃないかなという気がしました。人いないし平坦だしで工業地帯は自転車で走ってて楽っちゃ楽ですが、昆山の工業地帯と比べるとやけに今回の工業地帯は殺伐とした印象を覚えました。


 携帯のカメラ性能が悪いためやや移りが悪いですが、この写真の靴は私の靴で、見ての通り右足側だけがやけに真っ白です。これは岸壁目指して泥濘の多い道を自転車下りて歩いていたところ、突然「バシャッ」っという音と共に一瞬で靴が泥まみれになってしまったためです。このところ全く雨降ってないのに何であんなにぬかるんでいたのかミステリーですが、おかげでアウトレットで買ったこの靴がえらいことになってしまいました。
 これでも一応、泥かかってすぐティッシュで泥をぬぐっているのですがそれでもきれいにならず、結局さっき軽く水洗いしました。あとズボンと靴下も靴ほどではないものの少し泥がかかり、一応水で流したけどあした洗濯しないといけません。これさえなければ完勝ムードだったのになぁ。

産経の「魅せる」政治記事

 昨夜久しぶりに友人と会話した際、向こうから以下のニュースについて話しを振られました。

【政界ゲス不倫疑惑】イクメン装いつつ身重の妻を裏切った宮崎謙介議員の自覚なき言動の数々… 政府・自民党も怒り心頭(産経新聞)

 このニュースについて私は一応耳にしていたものの詳しい内容は把握していなかったので、「ほんと今年はニュースが多い年だね。SMAP解散で大騒ぎしたのが遠い昔に思える」と、すぐ話題を切り替えてしまいました。でもって上記の記事を読んでみて改めて内容を知ったのですが、中々この産経の記事はよく書かれていると唸らされました。
 まず事件の内容について簡潔に書かれてあり、概要をすぐに理解できました。日本の政治部記者というのは記者としての文章力や取材力以前に議員や官僚といった交友関係、言うなれば人脈で評価されることが多いため、はっきり言ってしまえば記事文章が非常に読み辛い上に見当違いな内容を主題に置いて書く記者が多かったりします。なおこれは余談ですが、関係会社に転籍した政治部記者が、「俺は絶対に頭を下げない!」と言い出して客先とトラブル起こしたということを以前に知り合いから聞いたことがあります。

 なもんだから私は政治部出身の記者をそれほど評価しておらず、真に実力がある記者は一に科学部記者、二に経済記者で、取材力だけなら芸能記者という風に勝手なランクをつけています。しかしこの記事を書いた水内茂幸氏という記者はなかなかにポップな文体で記事を書いており、内容が内容だからってのもありますが政治記事というよりはもはや完全に芸能記事みたいに仕上げています。夫側である宮崎議員の経歴や過去のトラブルをまとめているだけでなく妻側の金子議員についてもその人となりを紹介しており、一記事で全体像が把握できるうえに読んでて楽しませられることもあって、「産経の政治部にはこんな記者もいたのか」とつくづく思ったわけです
 とりわけ、末尾のこの一文は秀逸です。

「しかも身長168cm、バスト90cmの巨乳タレントと…。なめてんじゃね〜ゾ。」

 あくまで個人的な意見ですが、このニュースで何が一番重要かって言ったらこの不倫相手となる女性の特徴でしょう。他社のお堅い政治記事にはまず書かれることない情報でしょうが、それを外さずに書き切っているのは見事の一言に尽きます。

2016年2月9日火曜日

政策金利のマイナス金利導入についての解説

<長期金利>初めてマイナスに 一時-0.010%(毎日新聞)

 今日も日経平均が900円超も下がるなど大幅下落となりましたが、なんかこのところこういう乱高下が普通に多いからもうなんか慌てる気持ちにすらならなくなりました。一応今日の下ぶれについて理由を追うと上記リンク先記事に書いている通りに長期金利、言い換えれば日本国債の金利が史上初めてマイナスに突入したことが主因で、後は欧州の株安と北朝鮮のミサイル発射が副因ではないかとみています。

 ほかの記事にも書いていますが長期金利がマイナスになるとはどういう事なのかというと、日本政府が発行している国債を投資目的で1万円で購入したところ償還期限を迎えると9900円になって、増えるどころか減ってしまう金利状況の事を指します。実際にはそうはならないでしょうが短期で取引している分には買えば買うだけお金が目減りする状態なのでまぁ異次元っちゃ異次元です。

 今回何故長期金利がマイナスへと突入したのかというと、その背景は間違いなく日銀が先週にマイナス金利政策を導入すると発表したことにあるでしょう。日銀がマイナス金利を導入する先は政策金利(公定歩合)で、これは「民間銀行が日銀から日本円を借りる際の金利」を指しています。ほかにもっといい解説サイトがあるでしょうが一応簡単に説明すると、UFJとかみずほなどみんなにお馴染みの民間銀行はどこも日銀から日本円を借りて、借りた日本円を民間に貸すことで業務を回しています。そのため民間銀行は日銀からお金を借りるかわりに日銀へ金利分の利息を支払わなくてはならず、この民間銀行から日銀への金利のことを政策金利と呼びます。
 仮に政策金利が5%だったら、民間銀行は5%より高い利率で他の人に日本円を課さないと儲からなくて潰れてしまいます。しかし政策金利が1%だったら民間銀行は利率が2%でも3%でも儲かるため、実質この政策金利が動くことによって民間銀行のローン利率も変動してくわけです。

 これまで日本はゼロ金利政策と言ってこの政策金利が、0.5%とか0.25%に設定されており、民間銀行からしたらタダでお金が借りられるので低い金利で他の人にも貸せて利ざやを得ることが出来ました。しかしこの政策金利が仮にマイナス、それこそマイナス0.5%にでも設定されたら、民間銀行としては日銀からお金を借りれば借りるほどお金(資産)が増えていくことになりますし、その上で他の人に貸す際に金利を取ればさらに儲けられることになります。
 道義的な問題は置いといて日銀は何故マイナス金利にしてまで民間銀行に日本円を借りさせようとするのかというと、市場にお金を流通させ、だぶつかせ、デフレ(物価が下がる状態)から脱却してインフレ(物価が上がる状態)に持ち込みたいからです。人間お金が有り余ると必要のない物でも高くで買っちゃうみたいに、流通するお金の量を増やすことでバナナの値段もプレイステーションの値段も給料の値段も揃って引き上げたいというのが日銀の狙いです。

 とはいえ、政策金利にマイナス金利を入れるというのはG8の先進国では日本が初めてで、他にやっている国と言ったらスイスくらいしかありません。そのスイスは日本より先にマイナス金利を導入していますが導入してからどうなったのかという報道が日本でなされないのが非常に不満ですが、どちらにしろ前例のない世界なので前例を捜したり、セオリーを無理に適用しようとすること自体がナンセンスでしょう。
 私としては現在の日銀の姿勢を支持する立場にあり、そもそも今の世界金融を取り巻く状況は過去に例のない事態と言ってもよく、従来の方法を適用するのではなく手探りで新しい手段を対症療法的にぶつけていくしかない状態です。そういう意味ではこのマイナス金利導入も思い切った手段であるものの何もしないよりかはやってみる価値があると思うだけに、たとえ株価が乱高下しようとも私が日銀を支持する立場を変えることはありません。

 ほんとは今日の株価についてだけ書こうかなと思ったら、随分とまた変な方向に記事が流れていきました。ま、でも、たまにこういうどうでもいい金融記事書いてみたくなるのですが。