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2020年3月22日日曜日

VIVOのスマホを購入

 前々からスマホの買い替えを検討していましたが、諸般の事情で今日ようやくVIVOのスマホを1600元(約25000円)で購入しました。で、弄り始めて1時間後に捨てることを決めました。理由は以下の通り。

1、UIが悪すぎる
 これまで使っていたMEIZUのスマホと比べ、どこにどういう設定項目があるのかが最初さっぱりわからず、SIMカードの設定すらおぼつきませんでした。ある程度慣れた状態で見てみると、どうもAIなどの独自機能に関する設定が前面に出る一方、比較的重要と思われる主要設定項目は「その多機能」の中に入れられており、一見してわからない仕様となっていました。
 また通信状態やWIFIの設定ボタンも、なんかやたら変なところに格納されていて、かなり時間が立つまで存在するとは気づきませんでした。もちろんそんなところにあるもんだから、使ったりするうえで不便この上ありません。

2、入力システムを通知欄から切り替えられない
 日本国内にいる人からすれば全く実感できないでしょうが、中国でのスマホ使用においては、日本語入力システムと中国語入力システムの切替えは必須です。メールを打ったり検索かけたり地図入力するにしたりしてもこれら入力システムは頻繁に切り替えなければなりません。
 その入力システム変更ですが、これまで私が使用してきたスマホではすべて、フリックなりキーボードなりの入力画面を表示させると通知欄に入力システムが現れ、そこをタッチしてから別の入力システムを選択するとすぐ切り替えられました。でもVIVOのスマホはこれが出来ませんでした。

 ぶっちゃけこれは中国でのスマホ使用において最重要機能の一つです。ただ通知欄での入力システム切替えはAndroidの標準機能であるのと、購入前に展示スマホに日本語入力システムをわざわざ入れてまで試す必要はあるのかという点から試しませんでしたが、見事に運悪いのに当たってしまいました。一度だけ、知人のスマホでこの通知欄での切り替えができないスマホは見たことがありましたが、まさか今こんなスマホがあるっていうこと自体なんか信じられません。
 なお通知欄で入力システムを切り替えられない場合、「設定→言語→入力システム→デフォルトの入力システム」みたいな感じで七面倒くさい処理を経る必要があります。こんなのいちいちやってられません。

3、謎のボール
 一通り弄ってからスリープ画面にしたところ、何故だか画面下部に謎のボールらしきものが常に表示されていました。しばらくすると消えるけど、ほんのちょっと画面に触れるとまたすぐ現れ、ポケットの中に入れて置いたらほぼ確実に延々と出続けている謎のボールでした。
 実はこれ、画面における指紋認識位置を示すためだけの画像です。指紋認識を切れば表示されなくなるのですが、実際には指紋認識は頻繁に使います。しかし使うとなると、この無駄に自己主張の激しい謎のボールが延々と出続けるということになり、無駄に神経を逆なでします。

 真面目にこのボール問題が決定打となって、すぐ捨てようと決意しました。他の人は知りませんが、自分のあずかり知らないところで機械が勝手に動作するということが私には我慢ならず、切ろうと思っても切れないし、画面上に表示されるためいやでも意識されることから、この謎のボールに対し強い憎悪を覚えました。


 このほか細かい点を挙げると、AIがやたら勝手に「上海のおすすめスポット」などを通知に入れてくるのも、機械の分際で自分に口出ししてくることに腹立ちました。アプリの管理権限では毎回位置情報とか取っていいのかを尋ねてくるくせに、こういう無駄な情報を了解なしに何故送り付けてくるのかで不満です。

 自分はMEIZUのスマホを買った際、こんな安くで性能のいいスマホを中国は出してくるのかと非常に関心したし、使用においてはほとんど不満は感じませんでした。唯一、ロック画面の壁紙を季節ごとに勝手に入れ替え、しかも元に戻す際に恐らくバグのせいか上手く表示できず真っ黒な画面になることが強い不満を覚えますが、それ以外に関しては概ね満足しています。
 それが今回のVIVOのスマホは何から何まで不満しかなく、出費的にかなり痛いですが、こんなスマホはとても使いたくないと思って切ることにしました。仕方ないから、今度はHUAWEIのスマホを買いなおす。

 それにしても今月は買い物に運がないというか、やたらはずれの買い物ばかりします。もちろん自業自得な面はありますが、こういう風に重なるとさすがにしょげてきます。


  追記
 続編を書きました。この記事では散々酷評していますが、結局捨てずに使い続けることにしました。

100日後に死ぬワニと電通まつり

 突然のひらめきでそのまま書いたけど、すごい見出しにしたと我ながら思う(;´・ω・)

 さて昨日完結したとされる「100日後に死ぬワニ」という漫画ですが、まるで死ぬのを待っていたかのように関連グッズの発売やメディアミックスが一斉に発表され始め、その露骨なマーケティングぶりに眉をひそめる人が多いようです。特に我が家にとって不倶戴天の敵である電通が協賛に絡んでいたことから、そもそもこの漫画自体が仕組まれたステルスマーケティングだったのではないかという疑念の目が向けられ、かえって祭り(この表現ももう古いか)というか炎上を起こしています。

 私に言わせるなら、この漫画のブームがステルスマーケティングかどうかを判断するはっきりした証拠は現在ないものの、最終回直前の作者テレビ出演を始め、ステルスマーケティングと疑われてもしょうがない状況ではあると思います。故意にしろ不故意にしろステルスマーケティングと思われないように振舞うことはマーケティングでは重要であり、その点で言えば電通は未だこうした初歩的なことにすら気づけられないのかと少し呆れます。
 少なくともこちらはネットの掲示板でみた意見ですが、「もっと連載終了の余韻に浸りたかった」という言葉は真実でしょう。最終回が出てみんなでワイワイ作品の評価や議論を展開するなどして楽しみたかった読者は多かったと思いますが、そんな議論など吹き飛ばすかのように、「映画化決定!」、「追加ページ付き書籍発売!」、「グッズ転売」などという文句が並べ立てられると気が萎えるのは当然で、せめて一週間程度の間を置くことすらできなかったのかとはなはだ疑問です。

「100日後に死ぬワニ」最終回直後に“炎上” 突然のメディア展開発表あだに(河村鳴紘)

 こちらの方の意見は自分と同意見で、やはり各種メディアミックス発表はもっと間を置くべきだったと書かれています。またコラボするアーティストの「いきものがかり」が電通との係わりを否定していることにも触れられていますが、私個人としては必死過ぎて逆に怪しいと思えます。この人も電通同様、無駄にこんなことしなくてよかったという気がしてなりません。

 ちなみにいきものがかりについては、「ブルーバード」って曲をアイマスカバーで声優の今井麻美氏が歌ったものをYoutubeで見て、「ええ曲やん」と思って原曲を聞いてみたら、「なんじゃこりゃー!」とその落差にガチで驚いたことがあります。このことをバンドやってた友人に聞いたら、「あいつら、ボーカルがめちゃくちゃ下手で有名ですよ」と言われ、厳しいようだけど実際その通りだと私も思います。
 まぁミンゴスが元から歌上手いってのもあるだろうけど。ただ「あんなに一緒だったのに」はやっぱり原曲の方が上。

「100日後に死ぬワニ」から考えたい「電通案件」と2015年過労自殺事件(藤田孝典)

 続いてこちらのコメントですが、自分としてはこれが非常にしっくりきました。このコメントに書かれてある通り、ステマかどうか以上に過去にパワハラ自殺事件を起こした電通が係っているからという点が一番反感を買っているという指摘で、実際にその通りだと私も思います。特に漫画のタイトルが「100日後に死ぬ~」であることから否が応でもパワハラ自殺事件を連想させるだけに、電通はもう少し裏方に回って自社の名前を画すなりといった努力が必要だったかもしれません。
 またこちらのコメントの末尾付近の文章を引用すると、

「『100日後に死ぬワニ』という作品に罪はない。日常を振り返る良い作品である。しかし、その日常を無惨に奪っていき、さらに反省が全く足りない企業に対して、私たちは厳しい批判をし続ける必要があるだろう。」

 結局はこの言葉に尽きることでしょう。他社のイメージアップやマーケティングPRを業務として手掛けるのが電通ですが、皮肉にも自社の悪いくなったイメージがそれら業務の足を大きく引っ張っているというのが実態でしょう。そういう意味では、ワニは死んだけどパワハラ自殺事件の呪縛は見事に甦ったなというのが私の見方です。

2020年3月18日水曜日

その影響はリーマン以上

 昨日の報道で確かみたつもりですが、今回のコロナウイルスが与える経済影響は2008年のリーマンショック(世界的には「金融危機」と表記。「リーマン」とつくのは日本だけ)ほどではないと麻生財務大臣が言ったことですが、まぁ所詮は麻生の言うことで何の意味もないでしょう。結論から言えば、リーマン以上の影響になると私自身は思っています。こう考える根拠はただ一つ、リーマンと違って現実の人や物の移動がウイルス流行によって完全にストップしたからです。

 リーマンの時は金融が大きな負債を抱えて金の巡りが悪くなり、それにより資金繰りが悪化してそれまで黒字だった資産を売却するようになって、また中小企業が潰れていったりして生産消費活動が滞っていくようにして、徐々にその影響が広がっていきました。
 一方、今回のコロナでは金融から現実経済へ徐々に影響が波及していったのではなく、いきなり現実の経済活動がストップしました。最初に影響を受けたのは旅行や観光業、次に客が来なくなった飲食や小売業、その後工場の生産稼働が止まってサプライチェーンが寸断された製造業と物流業という感じで影響が広がっていきました。この後は言わずもがなですが、現在は巡り巡って金融業が大打撃を受けており、この流れは見てわかる通り、リーマンとはまるで逆です。リーマンの時は金融という、ある意味川上の最上部から影響が広がりましたが、今回のコロナはそれとは真逆に川下も川下の、最末端の現場から遡上するように川上へと影響が広がっていきました。

 この川上と川下の流れですが、どちらがその影響を食い止めやすいかと言ったら私の見方としては断然川上です。というのも川上であれば、そのまま水の流れで例えるとしたら水量が減ったとたとえられ、減った分だけ水をどっかから汲んで流すことで川下への影響を減らすことができます。この水汲みはそのまま政府などによる財政出動で、実際にあちこちの国でゼロ金利政策が取られるなどして資金を市場に大量に流通させることでリーマンの影響を克服しました。
 中国なんかその典型で、すぐさま100兆円くらいボンと放り込んでましたし。

 一方、今回の場合は何度も言う通り川下からの影響です。楽観的シナリオで言えばこのウイルス禍は今年だけで夏には終息するという見方ですが、個人的な見方で言うと、ワクチンなどの完成、量産といった治療法の確立まで一程度の時間を要することから、最低でも来年冬も一部地域で一定度流行するのではと私は見ています。仮にそうであれば来年冬も世界各地で防疫対策のために外出抑制や隔離措置等が取られることを意味し、今年ほどでなくても同じようなインパクトが来ると言えます。
 このように実際の現場での経済活動がストップすることによって、例え融資が保障されていたとしても飲食店などでは客が来なければ売り上げは増えず、そのほかの運営コストだけがどんどん嵩んでいく行く一方です。融資によって運営を維持したとしてもその後客が戻ってきて返済するほどの売上げが立てられるかと言ったら可能性は高くなく、前述の通り来年にも同じようなインパクトが来ると予想するなら、経営を維持したところで借金が増えるだけで終わる可能性もあります。

 何が言いたいのかというと、財政出動や金利抑制によって融資を増やしたところで、川下からの経済活動ストップにはそこまで効果を発揮できないのではということです。じゃあどうすればいいのかって、外出しなくても経済活動が回るようライフスタイルそのものを変えるしかないのではというのが正直な見方です。具体的には食品ケータリング、オンライン教育、リモートオフィスの普及促進ですが、まぁどうなることやら。

 そもそも財政出動しようにも金融にも影響が広がっている中ではファンドなどの融資機関も資金がショートし始めるわけで、恐らく日本では今後、完全な意味での国有企業が増えてく気がします。まぁそれも時代の趨勢かなと思って、いちいち批判とかする気もしませんが。

2020年3月16日月曜日

忙しいし読まれないし

 別にそんな長時間っていうわけじゃないけど、先週末も自宅で数時間ずつ作業していました。それでも全然仕事が終わらないし、むしろ溜まっていく一方だし。

忠臣蔵の真相、抑えのきかない30代がキレたのか(JBpress)

 そんな中で出た今日の記事ですが、案の定というかコロナの波にやられてあまりアクセスは伸びてないようです。ショックはないというか、そんなの感じられるほどの体力すらない状態で、正直早く寝たいです。

 記事内容について少し言及すると、西郷隆盛の下りはあまり知られていないけど、実は実像がほとんどはっきりしないかなり特殊な人物であることを紹介できたのはなかなか良かったのではと考えています。そのほかはありきたりなネタばかりですが、真珠湾ネタに関してはそろそろ掘り起こしの時期かなと思いつつ言及しました。

 夕方くらいまでは意識もはっきりしてたけど、さっきから急に調子悪くなってきたのでこれからゼノブレイド2してから寝ます。

2020年3月15日日曜日

関電贈賄事件の立件はどうして難しいの?

第三者委が便宜供与認定、関電役員らの刑事責任は?(産経新聞)

 少し本題とは違いますが、「2050年のメディア」を読んで各新聞社も大変なんだなと思ってリンクはなるべくYahooの配信記事ではなく本社の公式サイトページを使うように最近しています。ちなみに上の本についてうちの親父は、「一番驚いたのは読売が記事配信でYahooから受け取る報酬額の多さだ」と言ってて、なかなか自分と違った視点で面白いと感じました。

 話は本題ですが、例のなんでんかんでんとは関係ない関電の原発工事や整備に係る口利き並びに贈賄事件について、上記報道で第三者委員会などが立件は難しいと話していることが報じられています。これを見て私がすぐ感じたのは、「ムネオハウスは?」でした。

鈴木宗男事件(Wikipedia)

 最近の若い人にはもう通じづらくなってくるほど昔の事件となりましたが、かつてお茶の間を騒がせた上記のムネオハウスをはじめとする一連の鈴木宗男関連事件では、国後島のディーゼル発電施設工事に関して鈴木宗男氏の口利きがあったとして、三井物産の社員数人が逮捕拘留起訴に遭い、有罪を受けています。
 この件に関しては佐藤優氏の著書「国家の罠」に詳しいですが、何故三井物産がこの件で受注したのかというと、口利きではなく単純に、三井物産しか対応のできない案件だったからとされています。何故かというと国後島に発電施設を援助するとはいえ、普通の発電施設を建てたらロシア側が接収する可能性があり、ロシアの支配権を認めることになりかねなくなります。そこで、メンテナンスでどうしても日本側の手を入れなければならない発電施設で、且つコストバランスも保ち、国後島でも工事できるとなると当時三井物産くらいしかなく、そうした経緯で受注が決まったと説明されています。

 上記理由、特に日本側の手を半永久的に入れなければならないという点はまさにその通りだと思えるのですが、前述の通りこの件で三井物産社員はいきなり逮捕され、有罪を受けています。この例と比べると、国後島のディーゼル発電施設案件と福井県の原発施設案件で同じ電力施設ながら条件はいくつか異なるものの、片っ方は汚職背景経緯で怪しいところがあるのに問答無用で逮捕起訴となり、もう片方は実際に受け渡された現金金額や口利き受注経緯もはっきりしているのに「時効」という旗頭の下で放免され、なんじゃそりゃって正直思います。刑法詳しくないから、こうせざるを得ない道理とかあるのかもしれませんけど。

 ただ刑法の道理以上に私としては、関電だから未だ一人も逮捕者が出ていないというのが真実である気がします。これが他の中小企業、または大企業であっても政府と距離のある企業だったら、既に二桁くらい逮捕者が出ていたかもしれません。
 前述の国後島ディーゼル施設事件に関しても、少し意地悪な言い方ですが今の時代なら三井物産社員には逮捕起訴はなく、ムネオだけが罪に問われていたかもしれません。それくらい、政府との距離の近さによって罪に問われるかがはっきり分かれる時代であると私は認識しています。

 なお最近小池百合子都知事の学歴詐称疑惑について報道が出ていますが、これもムネオハウス(いちいち語呂がいい(^_^))の頃、今は亡きサッチーこと野村沙知代のコロンビア大学卒の学歴が騒がれてました。あの頃は濃いキャラが多かったなぁ(;´・ω・)

2020年3月13日金曜日

コロナばらまき男のニュースに対する疑問

 どうでもいいですが自宅勤務で会社のパソコンを使った後で自分のパソコンを使うといろいろと違和感あります。なんでかっていうと自宅で使用している外付けキーボードは日本のキー配置になってて、中国のPCのキー配置と微妙に異なっているからです。具体的には「」とか()の位置がそれぞれズレており、ミスタイプを連発してしまいます。
 多分キー配置がどっちかに統一されていたら、普段からもっとタイプ速度は上がると思います。

コロナ「ばらまく」男性捜査へ 飲食店の従業員感染―愛知県警(時事通信)

 ちょっと昨日の記事と内容がやや被りますが、上記のコロナばらまき男のニュースを先日から見ていて、すごい違和感があります。どんな違和感かというと、なんでこんな話がニュースとして報じられるのかっていう感情で、こうして記事を見るだに不思議に思います。
 こういうと恐らく、「こんなくだらないニュースに何故注目するの?」と私が思っているように見えるかもしれませんが、実際はそんなじゃありません。じゃあなんだってんだというと、「なぜ結果の報道じゃないんだろう?」という風に見ています。言い換えるなら、「なんでこいつが外に出歩いた時点で日本は逮捕拘留監禁ご……しないんだろう?」といった感じです。

 また比較対象が中国になってしまいますが、中国だったらまず間違いなく「出歩いた」ことがニュースになることはありません。ではどんな風に報じられるのかというと「陽性なのに出歩いていたバカがいたから始末した」という風に、結果だけ簡潔に報じてくれます。すごくわかりやすい!

 実際にというかコロナ感染者数が急増していた頃は、日本でも報じられていますが「感染を隠している人を密告してくれたらお小遣いあげるよ(^ω^)」という通知を、日本の緊急地震速報の様にすべての携帯電話宛てにメッセージとかバンバン来てました。もちろん「感染を自分で隠していたらどうなるかわかってるよね(^_-)-☆」というメッセージも、バンバン来てました。逆を言えば、こうした頻繁なメッセージが懐かしく思うほど、最近は来なくなっているのですが。

 それだけ力入れていただけに、こうした各部門の通達や自宅謹慎を破る人間に対しては容赦なく取り締まっており、「陽性であることを口にしながら出歩いていたという事件がありました」みたいな事件報道は見ませんでした。もっとも「発熱をあの手この手で抑え込んで監視の目を潜り抜けた」という中国人のニュースは結構あったけど。

 何が言いたいかというと、なんでこの事件では出歩いていた時点ですぐ逮捕、とまではいかずとも何らかの処分を行わなかったのかが私には不思議でしょうがありません。少なくとも、事件報道は数日前に行われており、第一報が出た時点で逮捕か略式起訴なりしないで、世論が徐々に盛り上がってから今日の報道見たくようやく「事態を重く見た県警は」となるのは何なんだろうとか思います。法律や防疫の基準ではなく世論で逮捕が決まるのかって話だし、「事態を重く見た県警は」じゃねーだろ。

 昨日もマスクの転売という誰の得にもならない流通妨害について日本はどこも誰も取り締まろうとしなかったことに触れましたが(中国ならネットに上げた時点で瞬獄殺)、なんか逮捕や処分といった取り締まりの基準が本人らの知らないところで、半端なくおかしくなっているのではないかとこの事件を見ていて本気で思えてきました。
 一方でアラートループ事件のように、何が犯罪なのかよくわからない案件でいきなり家宅捜索と大掛かりな捜査摘発する例も見られ(兵庫県警なので昔からだろうが)、社会の基準がかなりおかしくなっているように見えます。

 もっとも中国も決して平等ではなく日本同様に恣意的な捜査も少なくないだけに、日本だけがおかしいと主張するつもりはさらさらありません。ただ日本の場合はなんとなく、「慣例がなければ誰もがおかしいと思うことでも捜査摘発はしない」という面が強い気がします。その上で先ほども書いた通り、「その判断は世論に委ねる」面があり、以前にも述べましたが日本は警察すらも遵法精神が意外に低く、周囲との同調に判断を任せているように見えます。

2020年3月12日木曜日

中国のマスク輸出規制報道について

中国からマスクを出荷できない 中国側「規制なし」(20/03/11)(テレビ朝日)

 先ほど友人から上のテレ朝の報道についてどう思うかと言われて返事したので、ゼノブレイド2を遊びたいこともあり、その返信をそのままブログに書きます。

――以下返信内容――
 いくつか情報を整理した上で説明する必要があると思う。

 まず中国製マスクの輸出については、これは確実に規制はされていない。現時点で中国から日本へのマスク寄付が行われており、ジャック・マーなどが100万枚のマスクを日本に寄付したことをまさか知らないわけはないだろう。自分の同僚の知人も、北海道知事のファンだからと個人として、わざわざマスクを北海道指定で寄付している。
 それは寄付だから輸出できる、ということも言えるが、こうした状況を見ると中国国内で調達して、日本など国外へ輸出することは可能だと言えるだろう。であれば、値段にもよるが商取引としての輸出も不可能ではないと思う。

https://www.nishinippon.co.jp/item/o/590615/

 またいくつか日本国内の報道を見ていると、確かに中国国内の需要急増によって中国製マスクの世界流通が停滞していることは事実だろうが、完全にゼロストップになっているという報道は見当たらない。不足しているとはいえ日本国内でもマスクは一応流通していることから(国内生産分もあるとはいえ)、中国政府がマスクの輸出取引を規制しているようには俺は見えない。

 次に転売についてだが、中国は日本と違って今回のウイルスが流行してすぐ、マスクや防護服などをネットで転売したら即刻逮捕処分するという通達を出している。日本みたくメルカリに提示した時点で確実に捕まる状態であり、転売に対しては恐らく日本人の想像を超えた厳しい態度で臨んでいる。
 逆に俺から見れば、日本は目の前で流通妨害が行われているを政府が見て見ぬふりして放置しているようにしか見えない。十人くらい派手に殺せばいいだけのものを。

 以上を踏まえた上で上記のテレ朝の報道を見ると、なんとなくこれは意図があるなという風に思う。ポイントは、

・取材先が1社
・中国の生産工場の場所が表示されない(広東省○○市のような)
・中国の工場も1社しか出てこない
・中国での撮影日時が表示されない

 もう一つ最大のポイントがあるがそれは後で書くとして、この報道に関してはある一つの会社の事例を、さも中国全体で起こっているかのように見せているのではないかという気がする。
 そもそも、テキスト説明部で「中国・外務省、耿爽副報道局:」って書いているけど、正式名称は「中国外交部新聞司耿爽副司長」だし。外交部を外務省、新聞司を報道局って訳すのは百歩譲ってもいいけど、「副報道局」とするところを「副報道局」で終わっているのは擁護のしようがないざるっぷりだ。

https://baike.baidu.com/item/%E8%80%BF%E7%88%BD/19489902?fr=aladdin

 その上で、ではなんでこの会社の例だとマスクが売られないのか。考えられる理由としては、以下の通り。

1、中国工場の人が言うように地元当局からマジで転売品と疑われて出荷をストップされている(転売ルートは中国→日本→中国)
2、地元当局がいざという時のストックのために出荷を自己判断で止めている
3、中国工場が転売または第三者への横流しを目的にわざと出荷していない
4、マスク在庫の写真は過去のもので、既にその在庫は存在していない

 2について言うと、中国は日本人では考えられないほど地方政府の裁量が広く、中央政府のあずかり知らないところでいろいろ好き放題にできるところがある。仮にこの中国工場が実際に輸出販売などが規制されているとしても、それは中央政府が指示したのか地方政府が指示したのかで話は大きく変わってくるだろう。後者なら、報道官の説明はウソではないことになる。
 実際にというか地方政府間のマスクの取り合いは起こっており、知ってるだろうが下の例から見ても中央の意向に関係なく地方政府が勝手にマスクの流通を止めて徴発することもありうる。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59325

 以上を勘案すると、少なくともこのテレ朝の報道だけ見て中国が国家としてマスクの流通、輸出を規制しているかどうかは判断できないし、その可能性は低いとすら思う。その上で、他にも同じような例はあるかもしれないが、この中国工場の話はレアな方なんじゃないかと思う。

 最後にテレ朝の報道を分析する上の最大のポイントを明かすと、日中の税関への取材がない。少なくとも日本の税関に問い合わせれば中国からのマスク輸入が止まっているか、直近の変動がないかは絶対にわかるはず。税関の取材をしていなければただの無能だが、むしろやっててわざと報じなかったのではという風にも俺には見える。