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2021年5月11日火曜日

日中のワクチン接種状況の比較

【独自】防衛省を直撃!大規模ワクチン接種センター運営を不可解な随意契約30億円で民間に丸投げ(AELA)

 最近政治スクープ記事は文春にやられっぱなしだったけどアエラさんも意地を見せたのかいい記事出してきました。

 上の記事に書かれている通り、全然進まないワクチン接種の一般接種に関してどうも国が人材派遣会社に30億円で丸投げしていたそうです。トリチウムちゃんといい本当にこんなよくわからない契約がこれほどまで横行していることに財務省も歯止めをかけないのかが内心不思議です。
 真面目に最近のコロナ対策を見ていて感じるのは、万事につけての日本の仕切りの悪さです。強権をいくらでも振るえる中国ならまだしも、日本のワクチン接種状況は他の各国と比べても非常に遅れていると報じられており、一時は感染がやばく「英国型」なども登場した英国に至ってはワクチン接種とともに流行も収まってきたという報道が見られます。さすがに現地行って確認出来てはいないものの、医療従事者ですら未だ接種率は20%程度という日本の情報を見ると、言葉が出てきません。

 そもそもの問題は日本の仕切りの悪さで、今回の接種丸投げに関しても官邸が土台無理なスケジュールを自衛隊に強要してきたためと報じられています。実はこれに関連してもう一つ気になる記事があり、それはこちらです。

 最初見出し読んだ感想としては「来年の7月?」でした。
 地味だけどこの発言を見て官邸というか政治家や官僚は現場や現況についてなにも知らないのではと寒気を覚えています。上述の通り優先接種者はおろか医療従事者ですら接種がままなってない状況でいきなり7月には一般接種開始などとどうして発言するのか、やはり前述の通り現場を無視した「スケジュールありき」の魂胆で動いているのではと思えてなりません。

 なおこのスケジュールは言うまでもなく東京五輪を意識したものでしょう。せめて五輪開催までに一般接種が始まっているという口実を作りたいのが本音で、実施率や実際の予防効果などは完全に度外視しているように見えます。

 現況から考えて日本で一般接種が一部の上級国民以外にもまともに開始されると思うのは私は早くて9月、下手すりゃ11月くらいと踏んでいます。ただ前述の通り、日本政府は「一般接種が開始された」という事実のみしか求めないため、「予定通り7月に開始された」ということにして、実際の接種状況とかは無視するでしょう。逆を言えばその間はコロナは流行し続けるんじゃないかな。

 ちなみに中国ではすでに一般接種が開始されており、自分も今月末に一発打ってくる予定というか予約入れました。注射するのマジ久しぶりでドキドキします:(;゙゚''ω゚''):
 いくつか状況を紹介すると、街のあちこちに臨時接種所が設けられ、その場所に貼られたり会場となるビルや会社が配信するQRコードを読み込んで予約するような形式を取り、当日には接種用バスが来たりしてその中でバスバス打つような感じのようです。そうした臨時接種所は試してはないけど恐らく外国人は受け付けてくれないと思われ、外国人専用のQRコードアプリを使って私は月末の接種を予約しました。

 何が言いたいのかというと、未だ電話とFAXでしか予約取れない日本はある意味凄いなぁってことです。しかも予約電話で回線パンクするとかマジで私の想像越えた事態広がってます。

  追記
 アエラの記事は誤報だったようです(´;ω;`)ウッ…

2021年5月10日月曜日

ガンプラ記事の裏側

 昨日は朝起きて洗濯したら眠くなり、昼ごはん食べて買い物してきたら眠くなり、お米洗ったら眠くなり、夕食食べたら眠くなりで計16時間寝てました。誰かにラリホーかけられたとしか思えない。

中国に実物大ガンダム登場、ガンプラ求めて客が殺到!(JBpress)

 そういうわけでまた自分の記事の紹介ですが、先日にもこのブログで取り上げた上海ららぽーとの実物大ガンダムにかけて中国のガンプラ市場について軽く触れました。見出しだけでアクセスは確実に稼げると考えていましたがそこそこ伸びが良く、1日のデータは明日わかりますが恐らくトップ3にはまず入っているでしょう。

 記事内容に関しては取り立てて解説するものはないですが、敢えて言えばガンプラというかプラモの製造業としての性格を読者に意識させるように書きました。昔同じようなことを書いていますが、海洋堂の人に「俺たちも製造業だ」と言われたことがあり、車や家電だけじゃなくおもちゃ業界も中国の人件費高騰は非常に大きな障害であると教えてもらいました。
 では好投した分だけ値段をあればいいのかと言えばそうでもなく、主要購買層はやはり子供であることから価格をおいそれと引き上げるわけにはならず、文字通りコストとの戦いをおもちゃ業界も背負わされています。

 しかし記事中にも書いている通り、かつては真面目に中国人の月給の半額くらいまであったガンプラは今や、中国の所得増大に伴い気軽に買える値段になっています。いわば市場が製品価格に追いついたようなもので、本格的に中国市場で伸びてくるのはこれからであるような期待を含ませる紹介をしています。実際その通りだと私も考えていますが。
 ただガンプラの場合、既に初代を見ていた世代は購買力をの高い立派な大人世代になっており、そうした「大きなお友達」向けに高価格帯の巨大プラモも販売できることは大きなアドバンテージです。一方でそうした大人は子供の頃からガンプラを作っていたから今も買うわけですから、将来の種まきとして現代の子供も手に取れるキットも作り続ける重要性はあるのですが。

 最後に裏話を一つすると、このガンダムを見に行ったときは日本人の友人と一緒に訪れています。その際に友人が「ガンダムの版権は誰が持ってるの?」と聞いてきたので「創通とサンライズだけどどちらもバンダイに買収されたからバンダイ、ってかバンダイナムコ」と教え、バンダイとナムコが合併してバンダイナムコとなったきっかけは「機動戦士ガンダム 一年戦争」という速攻でワゴン行ったゲームの共同開発からだと教えてあげました。
 そしたら「ナムコはどんなIPを持ってるの?」と聞いてきたので、「かつてはパックマンとかたくさんあったけど今はもうほとんどない。というのもダメな成果主義を取り入れて、どの開発チームもタイトルだけで売れる『テイルズ』シリーズしか作らなくなったからだ」と教えたら、「『テイルズ』は冒険するゲームなのに、作ってる人たちは冒険しなくなったんだね(´・ω・`)」とめちゃくちゃうまいこと言ってきました。

2021年5月8日土曜日

茨城県境町家族殺傷事件の犯人逮捕と十年前の記事について

 昨日地下鉄で真面目そうな女性がやたら分厚い本を読んでるので何読んでんだろうと思って背表紙を見たら「第三帝国的到来」と書かれてました。フォッケウルフといい、なんか最近ナチっぽい日々が続くなと思いました。

「また何か起こすと思った」茨城一家殺傷の岡庭容疑者(26)が「金属製ワイヤー」を隠し持っていた理由(文春オンライン)

 最近JBpressの編集長と「如何にしてYahooサイトからJBpress本サイトへのアクセスを誘導するか」と真面目に検討しているので上記リンクはきちんと文春さんに繋げました。
 それはさておきこのニュースですが、事件発生からしばらく経って音沙汰がなく犯人逮捕は難しいのかと思っていた茨城県境町の華族殺傷事件で、突然の容疑者逮捕報道が出てびっくりしました。そしてこの逮捕報道を見て、「あの現象はこれが理由だったんだな」と合点がいきました。


 上の記事は今から十年も前に自分がこのブログで書いた記事ですが、この記事で取り上げた三郷と松戸で起きた通り魔事件の犯人が今回の境町事件の容疑者と同一人物だったそうです。

 実は上の自分の記事ですが、数ヶ月前に何故か突然アクセスが挙がっていました。一体何故この記事が急にアクセス上がったのかが当時はわからず、何か昔の少年犯罪を見直す系の記事がブレイクしているのかななどと思っていました。
 結論から言えば私の推測は外れており、原因はやはりこの境町の事件だったようです。今回の逮捕報道によると、この容疑者自身は数ヶ月前に既に別件逮捕されており、その時から境町事件にも関与しているとの観測が広がっていたようで、「十年前の通り魔事件の犯人と同一人物」という情報も出ていたようです。そうした噂から私の記事のアクセスが上がってきていたようで、今日も100PV程度ですが単日のアクセス数としてはトップに来てました。

 それにしてもこの記事を見返すと十年前の時点で私はこの犯人に対し「更生の見込みは恐らくないから死刑にしておけ」と書いていて、あながちこの判断は間違っていなかったのだなと思う結果となりつつあります。にしても引用している友人の、「未成年だからこそ成人以上に厳しい処分をすべきだ」という発言は本当に刺々しい苛烈な意見だなと思います。まぁ賛成だけど。
 ただ重大犯罪に対しては、未成年であろうと遠慮なく死刑を下すのもある意味手なのかもというのは今でも持っています。未成年だから死刑にならないと、市川一家四人殺害事件の犯人などアホな悪ガキほどなんか主張したりすることが多く、そうした連中の勘違いをやめさせてあげるためにも、18歳以下とはいえ許しがたい殺人事件などを起こした犯人にはこういう選択肢も用意すべきじゃないかと今回の事件を見ていて思えてきます。

 最後に蛇足ですが、上の十年前の記事書いた当時は杭州のハーネス工場で激しいアルハラに遭い、二桁吐いてるのにその後も延々と一気飲みを強制され続けていた頃です。本気で自分の全人生を放り投げてでも当時の関係者は皆殺しにしてやりたいと今でも思っています。

2021年5月6日木曜日

ハーケンクロイツのシールについて

 昨日の記事で作ったばっかのフォッケウルフについて触れましたが、写真アップするのに夢中で大事なことを書くのを忘れてました。その大事なことっていうのも、尾翼のハーケンクロイツマークです。

 いうまでもなくハーケンクロイツこと逆十字は那智のシンボルで公にアピールすると今でもいろいろ齟齬がある代物です。もっとも今回制作したフォッケウルフはナチ時代のドイツの戦闘機でこのマークがついた状態で飛んでるのが普通であり、その歴史的事実を踏まえると別に思想に関係なく当時の塗装を再現ということで自分も何の気なしに貼りつけたのですが、実は貼り付け直前に「(;´・ω・)」って顔してました。なんでかっていうと、説明書の絵柄が全く異なっていたからです。

 プラモデルのシール貼りつけ位置は説明書にシール番号と貼りつけ図で表示されており、基本的には完成後の姿がそのまま描かれています。なのですが、このハーケンクロイツの部分に関しては絵柄とは異なってて、妙な菱型の絵しか描かれておらず、「あれ、指定のシール番号と絵柄が合わないじゃん?」などと最初戸惑いました。しばらく見比べてみて、「そうか、ハーケンクロイツだからあかんのか」とようやく合点がいきました。

 こうして考えると結構この問題は根深い気がします。私自身は存在したという事実は丸ごと消すことなんてできず、そんなことしても無駄だろうという考えからあまりこうした妙な工作は好まないのですが、タミヤのプラモだと日本以外の各国にも販売されることから、この手の配慮が必要になったのだと思います。ぶっちゃけナチのマークを忌避して覚したところで、ナチの犯罪とかそういう過去がなくなるわけでもないと思うのですが。

2021年5月5日水曜日

フォッケウルフFw190

 昨日頭痛起こしたのを天気のせいにしたけど、真犯人は遊んでいたダンジョンRPGでした。このゲーム、ダンジョン探索画面が2D画像での3Dマップであり、しかも後半の面の配色が異常に暗くて目を凝らさなくてはならない上、罠とか目視で確認しないといけないせいか激しく3D酔いすることに今朝気が付きました。そのせいで今朝も吐きそうになるほど頭痛起こしたし。


 そういうわけで今日作ったプラモですが、ドイツのフォッケウルフFw190です。なんとなく発音していて「ほっけうるふ」と聞こえてきます。


 大戦期のドイツの戦闘機ときたらメッサーシュミットが有名ですが、その陰に隠れてこっちのフォッケウルフも非常に活躍しており、特にこのタミヤ製キットのD型はそれまでの空冷エンジンから液冷エンジンに切り替えられたモデルで、連合軍からは「最強の敵」と恐れられたモデルです。


 ジェット機ばかり作ってるのに何でレシプロのフォッケウルフを作ろうと思ったのかというと、通ってるプラモ屋でこのキットが店頭で残り一個となっておいてあったことも理由ですが、デザインがいいなと正直思ったのがきっかけです。


 レシプロ機というと割とずんぐりむっくりなデザインが多いかと思っていましたが、このフォッケウルフは割と直線的で角ばったデザインをしており、非常にスマートな印象を受けました。


 上の写真なんかわかりやすいですがすらっとした外観となっており、キャノピーのでっぱりも非常に小さくなっています。


 また安全安心のタミヤブランドということもあり簡単手軽に組み上げられ(2時間費消)、前回のストレス満杯なハセガワのF-15イーグルと比べて作ってて非常に楽しかったです。

四式疾風

ほっけうるふ

 写真見ていて自分もやや驚くくらいいい比較写真になってましたが、上の写真が日本製の疾風という飛行機で、下が今回作ったフォッケウルフです。胴体部分の膨らみ方ではっきり差があり、やはりフォッケウルフの方が見た目的にも格好よく見えます。逆を言えば、日本の飛行機はずんぐりむっくりな寸胴形が多いなと今回わかりました。

斜め上から見るとなおさら

 こうして比較してみると、言い方悪いですが欧米のセクシーなモデルと日本の背の低いモデルを比較しているような気分になります。あとできた写真をソ連人民の敵、っていうかドイツ狂いのうちの親父に見せたら、明らかにいつもと反応が違いました。ドイツ好きにもほどがあるだろ。

2021年5月4日火曜日

上海のフリーダムガンダム


 上海にオープンしたららぽーとにフリーダムガンダムの立像あると聞いて、昨日友人と一緒に行ってきました。


 場所は市内中心部から外れた地域で、関東風に言えば成田空港近くみたいな場所にあります。選定されたのは土地が安かったからでしょう。


 何気にフリーダムガンダムは自分もその造形は見事だと感じており、小さいサイズながらプラモをかつて作ったことあります。からパターンがシンプルな割には細かい武装で他の機体と差別化が出来ており、デザイン的にも傑作だと考えています。
 数あるガンダムの中でフリーダムガンダムが今回上海で作られたのは、この機体が中国でも人気だからです。その辺については来週配信予定のJBpress記事で解説しています。

 なおこの上海ららぽーと(ららぽーと金橋)の中については、子供向けの施設が非常に多く、家族連れをターゲットにしているというのが見て取れました。ガンプラ販売コーナーも今だけかもしれませんが、1箇所だけでなく複数個所に設けられるなどの大盤振る舞いであったものの、どのコーナーも人でごった返し、整理券配って長蛇の列ができるほどだったので自分は商品を何も見ることができませんでした。


 なおガンプラ組立コーナーではコスプレイヤーもいました。写真同様に後ろからしか見ていませんが、前に回って顔まで見ようって気には何故かなりませんでした。

 ガンダム見に行った昨日は真面目にこれ以上ないくらいの晴天で、写真も非常に映えるなどこの日に行ってガチ正解でした。一方で今日は天気が大荒れで、多分てんかんによる影響かもしれませんが夕方から激しい頭痛と右腕に軽い痺れを感じ、少し休めば治るだろうと思って横になったら2時間も経過してました。今もやや右手が妙に温い(;´・ω・)

2021年5月2日日曜日

書評「後期日中戦争」

 折角のGWだし4月までクソ忙しくて休日作業も当たり前だったので、ひたすら寝たり遊んだりして妖怪的な毎日を送りたいのに、また6月からは仕事忙しくなるのが見えているので、今のうちにため記事作っておかないといけないのがハートに来ます(´;ω;`)ウッ…

 それで話は本題ですが先日、自分の主戦場であるJBpressで広中一成氏の「後期日中戦争 太平洋戦争下の中国戦線」という本の紹介記事が出ており、中身に興味があったことから購入して読んでみました。この本の内容はタイトルの通り、第二次大戦後半期における日中戦争について、同期間において一貫して中国に駐屯していた第三師団を主軸に解説しています。

 作者の広中氏も言及していますが、第二次大戦における日中戦争は基本、真珠湾攻撃の行われた1941年12月までの期間しか紹介されません。何故かというとそれ以降は米軍との太平洋戦争が始まるからで、日本人にとって第二次世界大戦=太平洋戦争であり、そこに日中戦争を含まないのが一般的です。
 しかしこの間も実際には1936年の盧溝橋事件に始まる日中戦争は継続しており、それは1945年のポツダム宣言受諾まで続きます。しかし1941~1945年における日中戦争は少なくとも高校レベルの日本史教育では事実上、全く教えられず、また私自身も興味を持って過去に調べようとしたものの、同時期の日中戦争を解説する本などがほとんどなく、真面目に攻めあぐねたことをはっきり覚えています。

 そうした背景だけに、今回この本を知った時はまさに自分が求めていた本だと単純に喜び、また前書き部分でまさに上記のような問題意識から調査、執筆を行ったという広中氏の言及があり、無駄に仲間意識というかシンパシーを感じました( ・∀・)人(・∀・ )ナカーマ
 内容も非常に申し分なく、非常に読みやすく整理されている印象を覚えました。前述の通り、この本では太平洋戦争勃発以降の陸軍第三師団の戦闘を主軸に、第三師団が参加した第二次長沙攻撃や一号作戦などが解説されています。ただこれは広中氏も言及していますが、今回取り上げたのは第三師団の中国における行跡であり、同期間におけるあらゆる日本軍の作戦行動を解説しているわけではありません。

 その結果として、この本の中では長沙をはじめとする江南(上海より南半分のから重慶手前までの地域)における戦闘しか収録しておらず、中国の北半分こと華北の戦闘に関してはほぼ完全にノータッチになっています。この点に関しては仕方がないという面があるとともに、仮に一緒くたにやっていたら読み手への負担が増すことは確実で、バッサリ切って正解だったと私は思います。
 なお広中氏は現在華北の戦闘についても調査中とのことですから、次回作を期待したいです。

 それでこの本で紹介されている江南の戦いについて少し触れると、いくつか気になる点が見えました。一つは731部隊が制作したガス・細菌兵器が実際に戦場で使用され、中国軍部隊だけでなく現地住民にも被害を及ぼしただけでなく、味方である日本軍兵士にも罹患者が出ていたという事実です。そもそもガス・細菌兵器の使用は完全たる国際法違反であり許されざる行為ですが、当時の日本軍では現場指揮官の判断でこの手の禁止兵器を使用していたという事実についてはなかなかに驚きでした。同時に、米軍相手だと問題になるから、中国軍相手ならいいだろうと使われたのではないかという憶測も持ちました。

 もう一点、制空圏に関する記述が非常に気になりました。この本の中で、行軍中の日本軍は一貫して中国大陸において全く制空圏がなく、敵偵察機にずっと補足され続けていたという記述がありました。太平洋戦争の舞台である各島嶼地域ならともかく、比較的日本本土から戦場が近く、尚且つ航空機生産能力でも中国より高かったと思われる日本軍が、中国でほぼ全く制空圏がなかったという事実はこれまた驚きでした。
 なんとなく見ていて、制空圏に対する意識が日本軍には低かったのではと伺える記述もあります。実際には制空権がなければ行軍中の部隊が機銃や爆弾で攻撃されるし、前述の通り進軍先も偵察機に補足されます。一体何故中国大陸で制空圏を取れなかったのか、恐らくは米軍との戦闘に航空機を集中させたからではないかと思うものの、それにしたっていい加減が過ぎやしないかという気にさせられます。

 このほかこれは中国での戦闘に限るわけではないですが、相変わらず日本軍は補給を度外視した作戦を立てており、折角攻め込んで攻略が進んでいるのに、すぐ弾切れ起こして反撃食らうってパターンが非常に多いです。また弾薬ならまだしも食料に関しては初めからないとわかっているのにそのまま突っ込ませていたという記述があり、インパールと違って中国大陸の場合は現地調達が行われたためインパールほどはひどくなかったと書かれてありました。
 補給を考えずに作戦立てて見事失敗する辺り、本当に日本の上級士官は無能にもほどがあるという気がしてなりません。物資ないなら無理して攻める必要もないというのに。