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2021年5月23日日曜日

ブラックラグーンのロックとレヴィの関係

 作者の休止による未完という「ベルセルクショック」の余波でガラスの仮面やヒストリエなど、連載がなかなか進まない作品の完結を懸念する声が各所で広まっていますが、自分がこの方面で真っ先に気になったのは他でもなく「ブラックラグーン」でした。
 2001年に連載を開始してから今や20年経つこの作品ですが、2010年まではコンスタントに連載されていたもののそこで話が一区切りして以降、掲載回数が極端に減り、2009年に9巻が発行された後、10巻は2014年、11巻は2018年の発売と大きく間隔を空けており、作者の広江礼威氏も気にしているようですがかなりの牛歩ペースとなっています。

 どうでいいが「ぎゅうほ」と入力していきなり「牛輔」と出て来たけど、こんな変換使う三国志マニアはそんないないと思う。

 話を戻すと、そんな掲載ペースが遅いながらも完結が懸念される辺りはやはり人気作というべきで、実際こちらのページのようにこれまでの作品展開についてかなり激しく議論されるなど未だその人気に衰えは見られません。私自身も最初に中国行く前に読んでハマっており、時たま古本でまとめ買いした当時のブックオフとか懐かしく感じます。ちなみに当時一緒に買ってたのは「でろでろ」。

 そんなこの作品の主人公は岡島緑郎ことロックで、名前からしてわかる通り日本人です。作品を知らない人向けに説明すると、彼は元は大手商社のサラリーマンで、仕事で重要書類とともにタイ近海を船で航行していたところヒロインらに書類を強奪された上、身代金目的で誘拐されました。その後、彼の勤務先の大手商社は書類自体を「なかったこと」にするため、ヒロインの所属する運び屋グループを主人公もろとも殺害殲滅しようとし、主人公は見殺しに遭います。
 最終的には主人公の機転で殺害に来た武装勢力を撃退し、勤務先もやれやれとばかりに金払って書類を取り戻すのですが、この一件で見切りが付いた主人公はやってきた上司に決別を叩きつけ、そのままヒロインのいる運び屋グループに所属しアウトローへの道を歩むこととなります。

 その主人公をアウトローの道に引き込んだのは前述の通りヒロインのレベッカ・リーことレヴィなのですが、このロックとレヴィの関係がやっぱ特殊だと何故かこの前同僚と話していました。どうして特殊なのかというと、一般的な漫画においてお決まりの恋愛関係ではなく、若干共依存的なものがあるからです。
 ロックとレヴィは作中でも名コンビぶりを発揮しており、主に作戦や方針をロックが立て、腕っぷしで圧倒的なレヴィがそれに応じる形でロシアや香港のガチ怖いマフィアのもめ事を次々と処理していきます。両者ともに相手の力量を認めていることから信頼関係は高く、たまにレヴィがロックの甘さぶりに苦言を呈すことはありますが、基本は無茶な要求であってもロックの頼みならとばかりに何でも引き受けてくれます。

 ただ、レヴィがロックの無茶な頼みを毎回聞く背景には、明らかに贖罪意識が作用していることが作中でも明確に書かれています。どういうことかというと、元々日の当たる世界で生きていたロックを、前述の通り身代金目的で誘拐したのはレヴィで、それがきっかけでロックがアウトローに身を置く羽目となってしまいました。
 レヴィ自身は米国のスラム街で育ったことから元から日の当たらない世界の住人ですが、それだけに日の当たる世界への憧憬が強く、自分は仕方ないにしても元からその世界にいたロックをこちらへ引きずり込んだことに対し、何度も後悔している素振りを見せています。

 そうした後悔もあって、ガチ怖いロシアマフィアの姉さん(声優がガチハマり過ぎ)の仕事でロックと一緒に日本に行った際、レヴィはロックに残してきた家族に顔を出せに行けと後押しします。顔を出しにと言うものの、本音ではそのまま日本に残り自分たちアウトローと袂を分かつよう仕向けたのですが、レヴィの思惑とは逆に、ロックは家の前まで行ったものの家族とは合わずにレヴィの元に帰ってきてしまいます。でもってレヴィに怒られる羽目にも。

 上記のようなレヴィの配慮を受けてきたロックですが、彼自身はむしろみかけ倒しの日本人としての生活よりも、現在のアウトローとしての生活の方が生を実感できるとして実は歓迎しています。ついでに言えば他のマフィアの大物にも「元から悪党向き」だなどと評価されています。
 そのような心境から、ロックの方はむしろレヴィに対してくだらない日常から救い出してくれたという感謝のような気持ちを持っているのですが、前述の通りレヴィは逆にロックに対し申し訳なさを覚えており、若干すれ違った共依存のような関係を持っています。だからといってロックも完全にアウトローに染まり切っているわけではなく、その辺の右左にぶれる姿勢もこの作品の見所ですがその点についてはここでは無視します。

 ロックとしてはレヴィの贖罪意識、そして自分自身への配慮をしっかり気づいており、それだけにレヴィに対しては気にするなと何度も伝えているものの、レヴィの側では未だに割り切れない心境のままとなっています。逆にそうした贖罪意識を捨てきれていないのを見てロックもレヴィに寄り添っている感があり、他の漫画では見られない妙な主人公とヒロインの関係が出来上がっているように見えます。

 この関係ですが、あまりはっきりと言及されたり意識されたりするわけじゃないですが、現実の人間関係においてもかなり重要な一端を担うとかねてから考えています。その辺についてはまた次回で解説しますが、改めて自分はやっぱこのブラクラ好きなんだなと書いてて思います。

2021年5月22日土曜日

松戸の誤った情報

「松戸」在住の40代会社員…賞与減で「ローン破綻」の危機(幻冬舎)

 全く評価していない幻冬舎の記事ですが、やっぱり全く評価できません。というのも冒頭で、

「(松戸は)東京に隣接するという立地から、ベッドタウンとして人気の街です。」

 と書いていますが現実には、

「(松戸は)東京に隣接するという立地なのに、ベッドタウンとして不人気の街です。」

 と書くべきでしょう。

 都内への通勤などにおいて松戸の交通の便の良さは際立っており、また京成線も松戸駅に乗り入れているので羽田、成田空港のどっちに行くにしてもスムーズに移動できます、にもかかわらず不人気極まりなく、確か一昨年辺りの地価下落率とかでも上位は言ってた気がします。

 このほか幻冬舎の記事には「少々ごちゃごちゃした印象の駅周辺ですが」と書かれていますが、少々どころじゃなくカオスの極みと言っていいくらいごちゃごちゃしてます。なお東口の歩道橋下にあるごちゃごちゃしたところに狭いけどおいしい回転寿司屋があります。

 上記記述に続いて「松戸から出る必要はほとんどない」と書かれていますが、これに関しては非常に同意できます。自分が松戸住むでた時の休日は駅前の漫画喫茶行って、ヨーカドーで買い物してで全部用が済み、松戸から移動することはほとんどありませんでした。外食も馴染みのカレー屋と洋食屋が駅前にあり、自宅と駅前の往復くらいしか動く理由がなく自転車に乗る機会も当時減っていました。
 逆を言えばこれがさっきの点にも関わってくるのですが、都内への交通の便は抜群にいい一方、松戸駅前との往復で大抵の用が足りてしまうことから、休日に都内に出る理由がほとんどありませんでした。秋葉原とかに行く機会も、松戸以外に住んでた時の方が多かったくらいだし。この点が、いまいち交通の便の良さが認識し辛いところになっているのではと思う節があります。

 それにしても幻冬舎の記事、創作でしょうが「松戸駅から徒歩30分の一戸建て購入」なんてんな話あるわけねーだろと言いたいです。というのも松戸駅から徒歩30分離れてりゃ必ず東松戸や北松戸などの別の駅が最寄り駅になってくるはず……と言いたいですが、江戸川沿いの国道近くの物件なら徒歩30分で松戸駅が最寄となりうる場所があるかも、っていうかそこくらいしかないということに今気が付きました。この点は疑って(m´・ω・`)m ゴメン…

 もっともそんなところに家買うこの人は結構やばい気がします。あのあたりだと小学校とかはあるけど買い物行く場所が結構離れてるし、もうチョイ駅近くに買えばいいのにと思えてなりません。どうせ松戸だから高くないんだし。
 なお松戸に住むなら、少し利便性が下がるでしょうが一駅ずれた北松戸周辺とかの方がいいと個人的に思います。意外と北松戸周辺も便利、っていうかよくあそこのルートイン泊まるけど、必要潤文にインフラも整ってるし、相撲部屋も近くにあって力士とかたまに見られます。

2021年5月20日木曜日

夏の歴史特集

 リンクは貼りませんが漫画「ベルセルク」の作者の三浦建太郎氏が亡くなったとのことで、予想されていた通りこの作品は未完となりました。連載中の漫画家が逝去することはこれまでにもありましたが、連載中の漫画のインパクトで言えば恐らくこれが史上最大ではないのかと思います。手塚治虫もいくつか未完作品がありましたが、他の晩年の作品ともどもあんま知名度がない気がします。「ルードヴィッヒ」は見たことあるけど。

 話は本題ですがまた今年もJBpressで来月あたりから3週連続の歴史コラムをやる予定で、既に日本からも題材の資料も取り寄せて今急いで読んでる最中です。大まかな構成とインパクトあるポイントはすでに用意してあるので執筆にはそんな困らないと予想していますが、かれこれもう5年くらい毎年夏に同じことやってて、このペースでいけば普通にこの特集記事だけで1冊本ができるなという気がします。
 ぶっちゃけ各題材をわかりやすくまとめている自負があり、そこそこ出来は良いと考えています。唯一、長州閥の連載だけはあんまアクセス取れなくてあの時はもうやめようかとかちょっとよぎりました。

 そもそもこの夏の歴史特集ですが、2017年に忙しくてどうしても記事出せないという時用にため記事として書き始めたのがきっかけです。ある程度書き溜めたところで編集部に「こんなんあるよ(´・ω・)」的に出して、内容は戦国初期の関東でしたが試しに1回載せてみたらかなり反応が良く、そのまま3週連続のコラムとなりました。
 元々、夏のシーズンは別の仕事が忙しくなるのでため記事作っておくと楽ということもあり翌年の2018年も同じように今度は一向一揆を取り上げて書きましたが、これは初めからかなり計算した上でアクセスも相当数稼ぐことを前提に書いただけあって、華々しい成功を収めました。その後の2年間はややネタ切れというか最近あんま勉強してないのと、「誰もが知るけど真相は実は」的な歴史ネタを上手く見つけられなかったため、去年の明末ネタは中国史ネタでありながらそこそこ検討したというものの、2017年や2018年ほどのヒットは飛ばすことはできませんでした。

 逆に今年のネタはまた日本史で行く予定ですが、ちょうど今歴史マニアの間では盛り上がっている話題であり、知名度も抜群であるのと、中国に住んでいるからこそ知りえるある事実を偶然ながら入手したことから、かなりアクセスが期待できると踏んでいます。まぁこう言う風に調子乗ってると大体予想外すのですが。
 それにしても前述の通り偶然から例年の風物詩的な習慣となったのはなかなか奇妙さを覚えます。本音を言えばもっと中国経済ネタで同じようなコラムとかやれればいいのですが、一風堂で熱上がっているのもあり、中国外食チェーンとかまたやってみようかな。

 あと来週火曜の5/25にもまた別の歴史ネタを出しますが、これも結構アクセス期待できます。インパクトだけなら自分の歴史記事の中でもトップクラスだし。

2021年5月19日水曜日

書評:「一風堂」ドラゴンに挑む!

 先日、夏の歴史特集に使う資料が電子書籍でなかったため、日本の親父からハードコピー本を取り寄せて中国に送ってもらうことにしました。その際、以前に取材したラーメン屋「富川」の富川社長から、「 先日、夏の歴史特集に使う資料が電子書籍でなかったため、日本の親父からハードコピー本を取り寄せて中国に送ってもらうことにしました。その際、以前に取材したラーメン屋「富川」の富川社長から、「中国での事業を始める前に一風堂の本を読んだが、あれが一番役に立った」と言われたことを思い出しました。なのでついでとばかりに「この本も」と送ってもらいました。

 
 そうして送ってもらったのが上記リンクの本ですが、内容はラーメンの一風堂の社長が中国、っていうか上海市に進出した時の苦労話をまとめた内容となっています。この本は発行されたのが2007年と既に14年前で、敢えてゲームで例えるならPS3の全盛期にスーパーファミコンのことを語るようになってしまいますが、それでも面白かったので紹介することとします。

 初めに一風堂の中国事業について少し触れると、現在一風堂は上海や北京などの中国の大都市にチェーン店を展開しており、日系ラーメンとしては最初にブレイクした味千ラーメンに並びその代表格として高い認知を得ています。ただ中国で「一風堂」の屋号が使われるようになったのは2012年からで、この本に書かれている進出当初は「享食78」という屋号でラーメン店を運営していました。その理由は何故かというと、材料はスタッフの質の差からいきなり日本の一風堂と同じ味を中国で展開することは不可能だったからと考えたためと書かれてあり、その論で行くならば、2012年になって初めて一定の味の水準をクリアしたと判断したのかもしれません。

 本の内容について触れると、やはり現在と比べると時間が経っていてやや古い情報であるということは否めませんが、富川の社長が言っていたように、中国で起こりがちなトラブル事例は非常によくまとめられていました。具体的には、「試作品のみまともなものを出して取引開始後は質の悪い素材を送ってくる」、「金ざるなどちょっとしたものがない、現地で作らせてもなかなかまともなものを作ってこない」、「それがお前たち上海人の実力かなどとプライドに訴えかけると中国人はやる気だしてくる」など、これらは現代中国にも通用する一般概念です。
 また苦労話の中で目を引いたものとして、麺を練り上げる際に使う「かん水」が中国にはなかったというエピソードは非常に驚きました。中華麺は別の水媒体を使ってるのかもしれませんが日本風のかん水がなく、しかも法律で食品への使用が認められてなかったから「食塩を混ぜて食塩水というk達にして乗り切った」という裏技的攻略法まで書かれていました。

 そのほか個人的に一風堂の河原社長が大した人だと感じさせられるエピソードとして、中国側出資者がどこかからよくわからない女性経営者を引っ張ってきて改革プランを出してきた際、失敗することをわかっていながら丸呑みしたという話も載せられていました。河原社長によると、「分析は鋭いが判断が誤っており相半ば」というプランだったそうですが敢えて丸呑みし、中国側の思うがままにやらせたところ案の定大失敗こいて、その女性経営者も9ヶ月で去ったそうです。
 ただこのおかげで「やっぱ俺のが正しいでしょ( ・´ー・`)」的に一気に経営の主導権を握ったそうで、文字通り肉を切って骨を断つ戦略的判断で成功したことが書かれています。

 こうした中国での苦労話に加え、この本の後半では既に中国に進出済みの日系飲食店の状況や戦略、同じく苦労話がまとめられています。この後半部分を読んで驚いたのは、サイゼリヤ、吉野家、ココイチという、現在も中国事業が比較的成功した日系飲食チェーンが真っ先に取り上げられており、よく2007年の段階でこの三つを選出したもんだと非常に驚きました。でもってサイゼリヤが日系飲食チェーンとしては初めて独資での進出が認められ、当初苦労したけどいきなりやばいくらいの値下げ攻勢かけて生き残ったという私も知らなかったエピソードなどは、古い本だからこそ初めて知れる内容で新鮮でした。

 前述の通りこの本は電子書籍はなく古本でしか手に入らなくなっていますが、その分値段もニトリ以上にお手頃になっているので、興味がある方には是非お勧めします。
 それにしてもこうしたエピソードみるとほんと見方変わるというか、一風堂に対しリスペクトが増しました。

2021年5月17日月曜日

京都タワーの大浴場閉鎖について

泰三子「ハコヅメ」7月にドラマ化!戸田恵梨香と永野芽郁が交番女子に(コミックナタリー)

 前から紹介しているリアル警察漫画の「ハコヅメ」ですがやはり実写化決まったようです。っていうかこれが実写化されなかったら他何を実写化すんのって話だからそんな驚きはないです。いくつかのオファーを作者は断っていたと聞きましたが、今回決まったのはプロデューサーが同じ女性の肩だったからかなと少し思います。


 で話は本題ですがいつも文章読みにくいなと思ってあまり評価してないねとらぼの記事ですが、京都タワー内に設置されている大浴場がコロナのせいで6月末に閉店するとのことです。京都タワーと言ったら札幌市の時計塔に並ぶ来て見てガッカリ観光地代表の一つですが、京都関係者からすると視界に入ると邪魔くさいと思いつつ、遠隔地から京都に戻って京都タワーを見るたびに妙な安心感を感じさせられる建物です。その京都タワーには前述の通り何故か銭湯があり、「誰が利用すんの?(;゚Д゚)」と突っ込まずにはいられない施設の一つでした。

 かくいう私もその一人で、地味に京都タワー地下は修学旅行生向けに安い食堂とかあって学生時代によく使ってましたが、その際にこの謎の銭湯の存在を知り、確か1回だけうちのソ連人民の敵である親父と一緒に入りに行ったことがありました。ねとらぼの記事には中の写真がありますが、一目見て「上手く撮ってんなー」と思う出来です。というのもこの銭湯、中がめっちゃ狭かったのを覚えており、入ってみてますますその存在意義に疑問を感じたことだけ印象に残っています。

 とはいえそんなツッコミどころ満載ながらこの銭湯がなくなるのは私も残念です。もっとも京都は未だに風呂場がない町屋住宅がたくさんあるだけに銭湯も数限りなくあるので、銭湯好きなら無理して京都タワー来なくても大丈夫です。っていうか「テルマエ・ロマエ」じゃないけど、京都市も銭湯スタンプラリーとかやってみればいいのにとか思ってたら、もうやってた
 ただこれ、本気で全制覇とか狙ったらめちゃくちゃ軒数あるからやばいような気がする。それでも数年かけてやってみたい気もしますが。


 最後に自分が持っているファイルで京都タワーの画像探したら上の画像が出てきました。確か「安価で架空の雑誌表紙を作る」という掲示板で、安価で背景とか内容が決まってできた画像です。このほかにも、




 画像の日付みると2008年9月となっていますが、よくこんな昔の画像を後生大事に取っているなと自分でも思います。

2021年5月16日日曜日

日本の義務教育の良いところと悪いところ

 さっき夕食の準備していてお椀に味噌汁の素入れようとしたらちょうどおなかの前にあるダイニングの引き出しが勝手に出てきて(ストッパーが緩くしょっちゅう出てくる)、入れなおそうとしてもまた出てきて、味噌汁の素の投入先がずれて、挙句にお椀を床に転がして、「くっそなんだこの野郎!」とまた一人で怒鳴ってました。よく見たら近くの窓開いてたけど中国ならこの手の怒声は珍しくないので周りはみんな何ともなさそうとしているあたりはほんと中国いいとか思います。
 マジな話、日本人、特に住宅周りはちょっと音に敏感過ぎて、軽いノイローゼ入っているではと疑っています。

日本の義務教育がダメって言われる理由って何だ?←これ(ぶる速)

 話は本題ですが上のリンクは結構前に見た記事ですが、何年も前から何度も繰り返し議論されているにもかかわらず未だに一致を見ない論点で、根深いなと思ってリンクを残しておきました。義務教育ということで、大学教育を除く小学校から高校の範囲で少しこの論点に触れると、まず悪いところじゃなくて良いところ、維持すべきところをもっと明確に意識すべきじゃないかと思います。

 地味に日本の義務教育で最も優れていると私が感じるのは、掃除教育です。小学校の段階から外部の業者や用務員を使わずに生徒自らその使用する教室や設備を掃除させることで、自分が掃除するのだから必要以上に汚さないよう意識させ、尚且つ清掃外注費用も浮くという最強のコンボが成立します。
 この辺、中国だと生徒に一切掃除させないため、やはり共用の備品などに対する扱いが非常に粗雑で、自分が壊しても平気なふりする人も珍しくないです。またトイレ掃除はやったことがないのか物凄い拒否感を見せる人間も多く、トイレの使い方も汚い人が多くてこの辺は自分も辟易します。具体的に言うと、男性用立小便用便器があるにもかかわらず、個室の洋式便器に向かって立小便する人とかざらにいます。こうした比較例が身近にあるだけに、日本の教育の最も優れた点は掃除教育だと私は思っています。

 もう一つ日本の義務教育でいい点を挙げると、私学があるというところじゃないかと思います。私自身も私学出身ということもありますが、生憎通った私立中高一貫校はなんも楽しくなくカスだったと思うものの、やはり私学という存在があるから公立校も対抗意識を持ち、自分らの教育手法の改善に取り組む競争関係が働いていると思います。また私学は私学同士で競争し、尚且つ公立校の枠にとらわれない余地もあり、こうした選択の幅は割とプラスであると思います。
 中国は基本公立校で、私学に当たるものとしては外国人らが通う国際学校があります。中国戸籍者でも希望すれば確か国際学校に通えましたがその分学費はかなりお高いんでしょうになり、日本の私学と比べると一般的ではありません。まぁ中国の場合、社会のいたるところで競争激しいから公立校だけでも競争意識働いているかもしれませんが。

 逆に日本の義務教育の悪いところとして、上記リンクの記事にもありますが「進路指導が悪すぎる」点はまさにその通りだと思います。私の場合は上述の通り私学出身で通う生徒は基本全員が大学進学を希望しており、教師もその前提で動きます。それ自体は悪くないものの大学進学が手段ではなく明らかに目的と化しており、大学に行って何をやるのか、どんな職業や研究のためどの学部を目指すのかと言った視点なり指導はほぼ皆無でした。基本、得意な科目と偏差値のマッチングでしたし。
 この辺は多少偉そうな言い方をすると教師の社会人経験のなさが影響している気がします。どの学部がどんな職業につながるのか、実際の一般企業ではどんな知識が求められるのかという感覚が全く持っていない教師も珍しくありません。そういう意味では、人材会社の社員を各校に一人ずつジョブカウンセラー的においてみるのも案外ありな気がします。

 もう一つあまりよそで見ない悪いところとして、これは昨今の傾向なのかもしれませんが、少人数教育はあんまよくないのではと密かに睨んでいます。というのも50人くらいいれば仲の悪い奴もいるだろうけど気の合う奴も一人や二人はでてくるでしょうが、半分の25人学級とかだとあぶれる人間が出やすい、率直に言うといじめが発生する人間が出てくるのではないかと思っています。
 もちろん教師の負担を考えたら少人数の方が管理面ではプラスと思うものの、その辺は二人担任制などにするなどしてカバーして、可能な限り大人数学級を維持すべきじゃないかと密かに考えています。


 そうした私の方針とは真逆に、世の中は少人数学級制へと移行しつつあります。自分としてはもっといろんなタイプの人間と若い頃から接しておいた方がいいと思うのですが、どうもそんな価値観は少数派のようです。

2021年5月15日土曜日

その企業合併は正解だったのか?

三菱自動車、3123億円の赤字 3月期、コロナで販売低迷(共同通信)

 ちょっと古いニュースですが上のニュース見て、何コロナを言い訳にしてんだとちょっと思いました。コロナのせいで売り上げ減ったと三菱自動車は言っていますが、実際に日本や中国の2020年販売台数は前年比減となったものの、当初予想されていたほど落ち込みは激しくなく、トヨタやホンダに至っては中国での販売台数はむしろ前年比で増加しました。
 日本国内も全体でマイナスであるものの全体としては比較的悪くない水準だという観測がされており、少なくとも3000億円超の赤字を喫する理由としてはどうかと思います。主力市場の東南アジア諸国が駄目だったからと言っていますが、それ以前から三菱は駄目だったのに今更何がという感じです。

 一方、その三菱を事実上買収した日産自動車に至っては4000億円超の赤字でこちらもかなり笑えない事態となっています。日産、三菱共にコロナ以前から巨額の赤字が続いており、おまけにこれというヒット車もなく従来から売れている車でなんとか命脈保っている状態ですが、今の状態みていると提携(アライアンス)組んだことに意味があるのかと言いたくなるような状況です。
 なお最初勤めた会社で外部企業との提携を打ち切る準備を進めていた上司は、「結婚するのは簡単だけど、離婚するのは大変なんだぞ」とぼやいてました。

 日産と三菱だけでなく、世の中にはその合併に意味はあるのと問いたくなるような事例が結構あります。同じ日産に関してはルノーとの提携は少なくとも00年代には大いに機能しましたが最近は倦怠期に入っており、マツダとフォードじゃないですが熟年離婚も視野に入れた方がいいのではと個人的に思っています。

 また自動車会社以外だとゲーム業界で合併は多いですが、例えばスクウェア・エニックスなどは当初は二大ゲーム巨頭の合併ということで大いに話題になったものの、その提携効果というのは今に至るまでほとんど見られません。むしろ合併してから従来人気のあったIPを打ち切ってFF、ドラクエの量産に走るなど、事業としての広がりはむしろ狭まった感すらあります。FFとドラクエのコラボもいただきストリートくらいしかあんま見ないし、むしろあのまま別れてやってた方が切磋琢磨し合えたんじゃないのと密かに見ています。

 同じくゲーム業界だとセガとサミーの合併も未だにピンときません。まだ仲良くやってんじゃないのと思うのはこの前の少し話題に出したバンダイナムコで、こちらは元々IPを商売の旗頭にしているバンダイがナムコのIPをうまく活用するようになったように見え、一緒になった甲斐はあったのではと思う節があります。まぁ馬場プロデューサーに関する質疑回答は見ていて痛かったけど。

 そういう意味ではまた自動車業界に戻りますが、トヨタの日野、ダイハツ、スバル、スズキの資本参入は上手い感じに各社の独立性を保ちつつ、緩い提携という形で成功してるんじゃないかという気がします。やっぱり提携と言ってもいきなり異なった会社を一つにまとめようっていうのは企業文化的にも難しいと思え、各社の独立性を保ちつつ管理など共用する部門だけ共用して(ついでにリストラして)というのが企業合併でいい感じになりやすいのかもしれません。

 最後に一つ書くと、今一つの試金石となるのはやはりシャープと鴻海でしょう。恐らく今後外国企業に買収される日系企業はどんどん増えていき、そうした外資がどのように日本企業をさばくのか、またどういう支配の仕方が上手くいくのかといういいサンプルケースになると思います。日産もある意味その嚆矢例でしたが、あそこの場合はルノーというかゴーンによる支配だったなという印象で、ゴーン流という手法としてみることはできても外資流としてはあまりいいサンプルケースにはならなさそうです。