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2021年12月20日月曜日

中国オフィス記事の裏側

一等地でも空室だらけ、中国のオフィスビルがガラガラだった(JBpress)

 正直目を開けているだけでも苦痛を感じるくらい疲労しているので簡単にまとめます。
 恒大問題など中国の不動産は個人向け住宅販売ばかり目を向けられるのが嫌なのと、地味にこちらの方が中国不動産業界の問題として大きいのではないかと思い、書くことにしました。

 友人にも指摘されましたが、空き室率について過去の比較データがないというのは自分でも非常に良くないと感じています。できればグラフの一つは用意したかったのですが、月次で直近までデータを後悔しているシンクタンクがなく、またあっても2020年までと古いのしかなかったために、JLLのレポートデータだけ引用することにしました。
 まぁJLLなら権威あるし、一つの機関が全国についてまとめてくれているのでこれはこれで価値あるデータですが。

 なおその空き室率の数値について補足すると、中国では15~20%が健全な水準とのことで30%言ってるからヤバイということですが、直近の東京のオフィス空き室率は大体6%台です。この点についてヤフコメで指摘している人がいて、30%なんて想像もつかないけど大丈夫なのと書かれてあり、良いコメントを書いてもらえました。そのコメントとはまた別のコメントではもっといい内容があり、曰く、資産税がないからこれだけ空きがあってもやってけるのだろうという指摘がされていました。
 実はこの指摘が、敢えて書きませんでしたが今回の記事を読み解く重要なポイントだったりします。日本と比べると中国の商業不動産オーナーが支払う運転費用は施設維持費だけで、資産税がない分、日本より資金的には楽だったりします。上記コメントをした人は、中国では今後資産税を導入しようとしているがそれでどうなるのかとも書いていましたがまさにその通りで、商業不動産に関しては結構逆風が吹いているような状況だったりします。

 上のコメントを読んでみて自分も、改めて資産税の影響というものについて考えさせられました。逆から見れば資産税があるからこそ空きを出さないための工夫、具体的には競争が起こり、その結果として日本みたく低い空き室率が維持されているところがあるでしょう。一方で、資産税の分だけ賃料に上乗せがされる面もあり、消費者も資産税の負担を被っているところもあると考えると、またどうしたものかと思えてきます。

 このほか今回の記事のポイントとしては、自分の肌実感も書いてある点でしょう。本当に夏ごろまでは見ているこっちが大丈夫かと思うくらいテナントの埋まっていないショッピングモールが多かったですが、秋ごろより段々と埋まり始め、アピタの島忠が撤退したスペースもこの前見に行ったらテナントが入る準備をしていました。
 多分今後はある程度は回復するだろうけど、それ以前に中国の商業不動産は新規供給が多いため、地味に住宅よりもこっちの方が爆弾抱えている気がします。

2021年12月18日土曜日

逆転生するキャラの特徴

 諸葛亮が現代に転生するという漫画の「パリピ孔明」の1~2巻が無料中だったのでダウンロードして読んでみましたが、どっかの「一騎当千」な漫画と違ってちゃんと原作の諸葛亮らしさを上手く現代ネタに溶け込ませていたので、そこそこ面白く感じました。「一騎当千」な漫画はさすがに三国志知らないにしてもひどすぎた気がします。

 その上で、この作品読んでて思い出したのは、タイトルは忘れましたが明治の文豪である森鴎外が現代に転生するという小説です。この作品で森鴎外は、女子高生に本名が森林太郎だから「モリリン」と呼ばれながら携帯電話(当時のガラケー)を使いこなしたりするという話なのですが、こうした過去の時代の人間が現代に転生する話だと諸葛亮や森鴎外のように、やはりインテリキャラになりがちなのかもと思いました。
 何故インテリキャラが使われるのかというと、話の必然的に現代の機器や技術を学ぶ必要があり、そうした学ぶ姿勢がはっきり出るキャラじゃないと成立し辛いところがあるからじゃないかと思います。それこそ張飛とかが現代に転生しても、パソコンとかスマホを使うイメージ持てないし。

 もっとも張飛が現代に転生して、RIZENとかで朝倉未来と戦ったり、鉄球ドッチボールする等という話なら面白くなる気がしますが。

 話を戻すと、上記のように過去から現代ならインテリキャラが使われやすいですが、その逆で現代から過去へ転生するというのならどんなキャラが多いのかなとも考えてみました。真っ先に浮かんだのはまた漫画の「仁」の主人公で、実際にこの作品は読んだことないけど医者という職業上のスキルを幕末にフルに生かすことになるキャラになっています。基本的に現代人の方が過去の時代の人と比べて知識などで勝ることが多いため、むしろ一点物のスキル、上記のような医術や馬術といった何か特定の技術を過去の時代に活かして活躍するというキャラが過去に転生しやすいなのかなと見えてきます。

 ならこの手の一点物のスキルで過去に転生したら面白そうな人はいるかなと考えたその時、天啓が降りてきました。それは誰かというと、永遠の中間管理職こと漫画の「カイジ」シリーズに出てくる利根川幸雄(トネガワ)です。
 悪徳消費者金融会社に勤めるトネガワですが、彼が過去の時代、具体的には江戸時代に転生してどっかの会長によく似た悪代官の腹心となり、天領の農民からあの手この手で搾取する、でもって目付に詰められるのを上手く切りかわす話なんか結構ありなんじゃないかという気がします。っていうか、農民のキャラとかまんまカイジの絵柄がそのまま使えそうで、スピンオフとしてそこそこいけるんじゃないかなという気がします。諸大名の接待でいびられるとかいうのなんかすぐ想像できるし。

 こう考えると、本当にトネガワはなんにでも使えるキャラクターだなという感じがします。あのカイジの第一部は実は思い出があり、連載当時によくゴミ捨て場とかから拾い読みしていたヤンマガをパラパラ読んでいた時、ちょうどEカードをやっているところで出会いました。当時はなんか妙な絵柄の漫画だなぁと感じつつ、やたら心理描写が細かく書かれていて、よくわからないけど強く印象に残る漫画だと思ってみていました。まさかその漫画が未だに続いていて、こうして様々なスピンオフまで作られるようになるとは当時思わなかったけど。

2021年12月16日木曜日

三井住友カードからの不審なメール

 今日会社の昼休みに余った時間に昼寝してたら、夢の中か何かで反応したのか急に足ピーンっとなって机の内側を蹴飛ばし、周りの人間を無駄に驚かせてしまってました。今までこんなこと一度もなかったのに(;´・ω・)

 話は本題ですが、今日メールボックスを開いたら送信者名が「三井住友カード」となっているメールが来ていて、さっそく中身を開いたところ一見して不審な内容であり、詐欺メールか何かではないかと思いました。具体的なその文面配は以下の通りです。

*******************
内臓おろし 様

平素より三井住友カードをご利用いただきありがとうございます。

*******************

 なんだよこの「内臓おろし」、 っていうのが第一印象です。
 いくらなんでもふざけ過ぎた呼び名だし、それをメールの文面に普通出すのかといろいろ疑問に思うし、詐欺メールにしてもおかしいにほどがあると当初思いました。

 しかしその後の文面を見ると、通知に関する規約の変更について真面目な内容が書かれてあり、アクセスを誘導する妙なリンクもつけられていません。これは一体どういうことかとしばし思案に暮れたところ、「内臓おろし」とはかつて自分が設定したニックネームだったことを思い出しました。

 そもそもこの三井住友カードですが、入ったところ約束した給与を支払わなかったため2ヶ月で辞めたマジふざけた会社に入社した際に三井住友銀の口座作らされて、加入したカードでした。しかし私のメインバンクは「世界ふしぎ発見」並にカードをボッシュートするみずほ銀行、ではなくて三菱UFJのため、その会社を離れてからは一切使うことない休眠口座となっています。
 ちなみにその三井住友銀の口座を作る際の申請書類で、本人署名欄に貿易事務時代から使っているローマ字でのサインをしたら、「外国人以外にはローマ字でのサインは認めない」という妙な人種差別を受けて突き返されています。ぶっちゃけ今でも意味が分からない。

 話を戻すと、すぐ使わなくなったけど確か口座できてカードが送られてきた際に、一緒に添付された案内に従ってWeb登録みたいなのを確かやっていて、その際にニックネームだか表示名を記入する欄があり、「どうせ使わなくなるんだし」と思ってなんか適当に「内臓おろし」って記入していた気がします。前述の通り三井住友は口座もカードも一切使っておらず、この「内臓おろし」っていうのも全く見ないまま何年も過ごしているだけに、急にこうして忘れた頃にメールで呼びかけられると焦るに決まっています。

 ただ改めて考えるにつけ、こういう真面目な案内メールを本名ではなくニックネームで送るっていうのも、先ほどのローマ字サインといい、なんか三井住友って変な気がします。マジふざけてんのかと思いますが、ふざけている張本人は自分なだけに面と向かっては言えそうにないです。

2021年12月14日火曜日

自民の公明切り、維新との連結はあるか

 本当は昨日にこのネタも書く予定だったけど、頭文字Dの性転換ネタがなんか楽しくて書くの忘れていました。ちなみに今日も帰り道、「ここでは私がエンペラーよ!」などとセリフを考えてました。

 結論から言うと、これまで全く想定していなかったけど、案外自民が公明党を切って、維新の会と連立組むシナリオも今後は選択肢に入れていく必要があるのではと考えています。それにしても昨日は13日だったけど、正直「13日の金曜日」より「13日の月曜日」の方が恐怖感増す気がする。


 自民と維新の連立について最初に疑ったのは上の記事を見てからでした。出したメディアは当初は気にしてませんでしたが読売ですし、かつてナベツネが橋下氏のことを「ヒトラーのようだ」とお前がゆうな的なコメントをしたメディアがこういう記事を書く日も来るものだと思います。

 ただ上の控室共用の話の時点ではまだそんな気にするほどでもなかったのですが、昨日も書いた通りに例の十万円給付で岸田首相が、当初の謎のクーポン案を放り投げて全額現金給付を容認する姿勢を見せたのを見て、「ああ公明切るつもりなのか」と感じました。
 一体何故かと言うと、昨日にも書いていますが何故クーポン案にこだわったのかと言うと、まず間違いなく中抜きをやるためでしょう。なんか馬鹿などっかのメディアがクーポンにする理由を「現金だとそのまま貯蓄に回るから」と書いてましたが、地域振興券の時のデータ(配ったクーポンの分だけ貯蓄に回った)すら忘れる奴が出る時代になったのかとちょっと思いました。

 13日の月曜日に妙に仕事張り切ったせいか今日はガチ疲れてて話が頭文字Dのバトル並みに二転三転していますが、先ほど言った通りにクーポンにするのは中抜きをするためで、でもってその主力中抜き業者はこのクーポン案に異常なほどこだわる公明党(創価学会)系の業者じゃないかと私は見ています。彼らとしては前回選挙で費消した選挙資金を補充し、来年の参院選に臨むためにも、かなり譲れない点だったんじゃないかと言う気がします。
 何気に先週あたりから、この十万円給付に関して公明党関係者の声がほとんど聞かれなくなったのも密かに気になっています。

 話は今度は自民党目線に移りますが、世間の批判も多いこのクーポン案をなんで飲んだのかと言うと、連立を組む公明党の選挙協力が必要とされてきたからです。何気に公明党との連立は小渕政権に始まってますからかれこれ二十年くらい続いているものの、その選挙協力の効果はこの間、確実に落ちてきているでしょう。

 先の選挙もそうでしたが、このところがっちりとした支持団体の組織票が弱くなる一方、選挙ごとに立場を変える無党派層の投票が決勝を左右する選挙結果が増えてきているような気がします。これは無党派層が投票するようになったかというよりは、組織票の票数が減ってきていることが原因じゃないかと思います。こうした傾向の煽りを受けてか、公明党の選挙協力も前ほどの威力を見せなくなってきている気がします。
 その上で、前回選挙では関西地方で維新の会が連戦連勝を重ねた結果が大きく取り上げられましたが、この結果を見て、改憲方針を始め思想的にも近い維新の会との乗り換えを考えない自民党員はいないでしょう。またうるさいことは言わないけど、今後も付き合っていくべきかで公明党との距離感がなんか遠くなっている気がします。

 こうした過去の積み重ね、そして今回のクーポン案の実質的な放棄を見て、案外自民党は公明党を切って維新と組む可能性も出て来たんじゃないかなと思えてきました。もっとも一番可能性があるのは、公明党とは連立を維持したまま、維新の会が連立に加わるというシナリオでしょう。この場合、公明党が逆に自民と手を切って維新とのコンビで打倒自民に動くシナリオも後々の選択肢に入ってきます。

 最後にどうでもいいネタとして、もはや消滅状態にある社民党の元支持層は今どこを応援してんのかなと気になりました。関西地方は案外そのまま維新の会が吸収したのではないかと思いますが。

2021年12月13日月曜日

頭文字Dでトランスセクシャルしたら……

石原氏、参与の給与辞退 勤務4日、日当2万6千円(共同通信)

 おばかさん( ^ω^ )


 岸田首相は必ず心変わりすると言った翌日に早速これで、なんかあまりにもすぐ予想が当たってしまい自分自身も逆になんだかなという気にさせられます(;´・ω・)
 それにしても岸田首相の風見鶏ぶりは想像以上です。もっともこれまでは他の首相と比べると自分が支持する方向へいい感じに変わっているのであまり敵意は感じませんが、本当にこれほど主体性のない総理も珍しい気がします。元祖風見鶏の中曽根なんかはまだ方針はっきり持ってたし。

 あとまた本題と関係ないけど、買って着てみたところ冬なのにやたらダニに噛まれることとなったふわふわもこもこのパジャマを洗濯した上で昨夜久々に着てみたところ、やっぱりめちゃくちゃ噛まれまくりました。残念ながらこの真冬のダニ騒動の犯人はこのパジャマであると断定せざるを得ません。200元もしたけど、このまま捨てざるを得ないのか……。

 ようやく話は本題に入りますが、今日次の歴史記事にどんな題材を選ぼうかと帰宅途中で考えていたところ、「頭文字Dのキャラクターがトランスセクシャル(性転換)したらどうなるのだろうか?」という方向に考えがぶれていきました。
 具体的には頭文字Dのキャラクター全員が男女逆転するという形式ですが、主人公の藤原拓海はそのまま女性の名前でも通用しそうな感じです。でもって高橋兄弟改め高橋姉妹は弟が高橋啓子、兄が高橋涼子になって、そそっかしい妹に理論派でお姉さまキャラな姉という構図がやけにしっくりきます。セリフとかも書き起こすと、

「曲がる、曲がってよ私のハチロク!!」
「なんですって、慣性ドリフト!?」
「私はバトルがしたいのよ。ついてきなさい、ハチロク」
「あの子は進化している。シミュレーションを少し修正する必要があるわね」
「ハチロクなんて、アウトオブ眼中だわ!」
「私は勝負するつもりなんかない。いわば、これはセミナーよ!」
「私……メカのこと、よくわかんなくて」
「1万1千回転まで、きっちり回しな」(だみ声)
「見えなければいいのよ。さっき私がやられたみたいに、今しかない」(ライトオフ)

 こうやってセリフ書き起こしていて、なんか無性に見てみたいぞこんな作品みたいな感情を覚えてきました。っていうか拓海と涼介(涼子)のやり取りは完全に「エースをねらえ」になりそう。
 なんていうか艦これといいガルパンといい加齢臭漂うおっさん趣味な題材であればあるほど、少女キャラを主体にすることで妙なブーストかかる気がします。

 っていうわけで上記以外で女子ばかりにしたら売れそうなおっさん丸だしな題材は他にないかと少々思案してみましたが、戦闘機なんかまだありかもしれないけどストライクウィッチーズが一部既にやっています。あと三国志は既に美少女ゲーム化されてるし、パチンコもこっちで絶賛連載されてるし、麻雀に至ってはむしろ最近おっさんばかり登場する作品の方が少ない気すらします。
 では逆に女性の趣味をおっさんがやりまくる作品だとどうか。裁縫、茶道、カーリング、ピアノ、バレエなどありますが、「漢のバレエ」とかだったら逆にアリかもと思うけどそれ以外だとなんか絵面が汚くなるイメージしか浮かんできません。ならメイク漫画だったらアリかって思ったけど、メイク漫画は女性主体でもなんか色物に走り勝ちが気がするので、結局そうなるしかないでしょう。

2021年12月12日日曜日

十万円現金一括給付に関するごたごた

 わざわざ私が言うまでもなく、次の十万円を現金一括で給付するか、半分をクーポンにするかと言えば、前者の方が圧倒的に効率がいいに決まっています。にもかかわらず何故政府はクーポンにこだわるのかと言うと、どう考えたって間に入る中抜き業者を潤わす理由以外ないでしょう。でもってこの中抜き業者はクーポンにこだわる公明党系、っていうか創価学会系の関係者が関わる企業と見ても間違いないでしょう。


 それだけに維新の会が主張するように、自民党内でもクーポンを混ぜることについては疑問視する人間も少なくないようです。とはいえ上の西村氏の発言は、政権中枢にいる人間なだけになかなか驚く発言ですが、彼のような立場の者がこういうくらいなんだから、自民党内としてもこの件に関して不満を持っている層が少なくないのでしょう。

 一応政府としては既に、「自治体がやりたいのなら全部現金でも構わない。但しその場合、お金渡すのは6月以降な」と、露骨な嫌がらせともいえる措置を発表しています。ただ上の西村氏の発言で風向きは変わってくると思え、制限なしの現金一括給付に方針を改めるようになるのではないかと自分は見ています。
 特に今の首相は心変わりが早いことで有名な岸田首相なだけに、身内からもとやかく言われればすぐに方針を変えるという点で、変な意味で期待が持てます。心変わりが早い人間は正直あまり信頼がおけませんが、この現金給付に関してはクーポンを織り交ぜるなんて無駄を通り越し、中抜き業者を喜ばす以外に何もないだけに、早いところ心変わりすることを内心祈っています。

 自分は民主主義においては、一定の税金の無駄遣いは必要コストだと割り切ってはいます。しかしこのクーポン案については許容できるレベルの無駄遣いではなく、真面目にこの案を押し通そうとする人間はこの世にいない方が世の中のためだとまで感じます。
 かねてから日本政府は様々な方法でいろんな中抜きをやってきていますが、なんとなく最近見ていて、その中抜きのやり方が杜撰になってきた、というより前みたいにばれないようにじゃなく堂々と中抜きするようになってきているようにも見えます。そういう意味では本当に、中抜きこそが日本のガンなのかもしれません。

2021年12月10日金曜日

奥行きがない漫画の「化物語」

 大暮維人氏が作画を手掛ける漫画版の「化物語」を読み始めた当初、さすがは大暮氏だと思うほどその作画には美麗さを感じたのですが、ある時から途端に、その絵に違和感を感じるようになりました。具体的なタイミングは「傷物語編」が始まってバトルシーンが多くなってきた辺りですが、最初はその違和感の意味が分からず、よくわからないけど妙な君の悪さを感じてました。

 その違和感の意味に気が付いたのは、このところこのブログでプッシュしている「瞬きより迅く!」という空手漫画を読んでからでした。この漫画は以前にも紹介した通り、直線的動きの多い空手という競技で、視点や効果線が非常に効果的に使われていることで異例なくらいに立体感のある動きを漫画で表現していると自分は感じています。これ以前に漫画の立体感についてはあまり意識していなかったのですが、この漫画を読んでからというもの3Dゲームの視点じゃないですが、視覚をどう運用して見せるかがどれだけ重要かが少しわかった気がします。

 話を戻すと、この「瞬きより迅く!」を読んでわかったこととして、大暮氏の漫画版「化物語」は致命的なくらいに絵に奥行きがないということに気が付きました。この点はバトルシーンに特に顕著で、対峙する二人のキャラクターを横側から水平上に描くコマが非常に多いです。敢えて例えればスト2などの2D格闘ゲーム画面みたいな構図が多く、奥行きを感じさせられる斜めからの視点、並びにコマ間の動きの見せ方が非常に少なく、ほとんどのコマが2D画面っぽい構図になっているような気がします。
 しかも大暮氏の場合、背景の作画に関しても主線をはっきり描く傾向があり、その結果、遠近法が全く働かずというか全く使用していないため、余計に絵に奥行きが感じ辛くさせているようにも見えます。

 こうした作画パターンのためか、1枚1枚の絵を見る時間が「瞬きより迅く!」と比べて非常に短いです。というのも絵に動きがあまり感じられないため、サクッと見終わっちゃうためです。さらについでに書くと、大暮氏はバトル中の顔面ドアップも多い気がします。
 改めて他の格闘漫画と比較すると、やはりこの絵の奥行きが非常に重要である気がします。視点を動かしたり効果線を付けたりすることで動きを表現しつつ、立体感を作るということがこのジャンルでは特に重要である気がして、1枚1枚の絵は非常に美麗ながら、あまりにも動きの表現がない大暮氏の特徴に気が付いた時にはなんかいろいろ思うところがありました。

 逆に、「瞬きより迅く!」の動きの見せ方は秀逸そのもので、前にも書いたけど後ろ回し蹴りのコマは何度も見返すくらい非常に綺麗に描かれていてびっくりします。一体どこでこういう技法を学んだのか、真面目にどっかで聞いてみたいくらいです。

 なお動きのある絵に関していうと、その表現力でずば抜けていたと感じるのはやはり「頭文字D」のしげの秀一氏です。車などの静物を走っているように描くのは非常に難しいと言われ、実際に他のレース漫画を見ても全然迫力が感じられないのですが、「頭文字D」に関しては全く違和感なく車が走っている条件が読んでて浮かべられ、その表現技法は真面目にこの分野でトップであるという気がします。
 その走っているように見せる表現ですが具体的にいうと、まずは「ギュォォオン!」などの効果音を鳴らす、次に車体の輪郭をぼかして書く、でもって最後に効果線を描くというのが非常に役割として大きい気がします。この点、さっきの大暮氏の背景じゃないですが、輪郭を明確に描き過ぎるというのは動きのある絵にする上ではかなりマイナスになるのかもしれません。

 そのしげの秀一氏の今連載されている「MFゴースト」では最新のシビックタイプRが出たそうですが、今の時代はスポーツカーも少ないから車種選ぶのも大変そうな気がします。レース描写のよかった「カウンタック」という漫画では欧米系スーパーカーをガンガン出してたけど、公道レース的にはスーパーカーだとちょっとなぁ(´・ω・)