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2010年8月9日月曜日

エコカー補助終了について

経済ナビ:エコカー補助9月終了 景気回復に影響も メーカー各社減産検討(毎日新聞)

 麻生政権の頃に実施されたエコカー購入補助が今年九月に終了するということで、このところ自動車の駆け込み需要や景気への先行き不安といったニュースをよく見ます。このエコカー補助が始められた理由は環境保護や景気対策といえば聞こえはいいですが、始まった当初に中部大学の武田邦彦氏が、

「このエコカー減税やら補助は結局は車を買う人間にしか恩恵がなく、車を買わない、もしくは買えない人間の方からすると取られた税金が一方的に使われる制度で不公平極まりない」

 と主張していました。
 この武田氏の主張に私も同調し、うちの親父から「ダイハツのコペン買いなよ( ・∀・)←自分が乗りたい」と再三誘いをかけられたものの、奪う側でいるよりは奪われる側にいようと思って拒否し続けました。まぁそれ以前に貯金がなかったのが原因だけど。

 またこのエコカー補助ですが、名前こそ「エコカー」であるもののそもそも現在日本で販売されている新車はどれも燃費性能が高く、一部のスポーツカーを除くと大体が補助や減税の対象となっております。確かに古い車から買い換えるのであれば燃費性能が上がって環境にもいいかもしれませんがわざわざ税金を使ってまで一挙に買い替えを勧めるべきかといったら私はそこまで優先順位は高くなく、むしろ介護や医療といった逼迫している分野へ投資する方が未来があったのではないかと思います。

 また景気対策として考えてみても、確かに自動車産業は裾野が広い産業ではあるものの、どうしてこの業種にのみ購買補助が行われたのかについて公平さがありません。言ってしまえば自動車とは関係ない繊維や不動産、IT関係には一切お金が配られないのに対し、自動車産業だけは税金からお金が配られたという事で、こりゃやっぱり政治的な力関係で決まってしまったとしか思えません。

 そんな感じで初めから気に入らなかったこの制度もようやく終わるそうですが、何気に自動車産業はこれから物凄い再編が行われるような気がします。というのも今後はハイブリッドエンジンに変わってモーターこと電気自動車がますます増えて普及していく事が予想されるのですが、仮にそうなった場合に劇的な産業転換が行われる必要があります。

 あくまで私個人という素人の意見ですが、聞く所によると自動車部品で重きをなすのはやはりエンジン周りの部品だそうで、その部品点数も複雑な構造ゆえか非常に数が多くて自動車産業に属す企業の中でもエンジンパーツのメーカーが相当の割合を占めているそうです。
 これに対して電気自動車の動力となるモーターは非常に簡単な構造をしており、組み立てに必要な部品もエンジンに比べるとはるかに少ない点数で間に合ってしまうそうです。電気自動車で今後重要になってくるのは一にも二にも電池部ですが、動力がエンジンからモーターに移り変わるだけで現在自動車産業に属す中の相当数の企業が廃業か転進を迫られる事になるかと思います。

 そういう風に先を見越すと、影響を受けそうな部品メーカーは下手に延命させるよりも早くに産業転換を図っていかなければならない気がします。まぁ電気自動車が普及しなけりゃそれまでだけど。

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