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2015年5月6日水曜日

空飛ぶ霊媒師、ダニエル・ダングラス・ホーム


 上記の画像は以前に「不死身の弁護士」という記事で紹介した滝本太郎弁護士の写真です。滝本弁護士は別に霊感があって空中浮遊をしているわけではなく、地下鉄サリン事件以前のオウム真理教信者の救済活動に携わっていた際、麻原彰晃が空中浮遊できるほど霊力があると信じ込んでいた信者らに対し、「空中浮遊ならやろうと思えば俺だってできる」と言って、自ら体を張って空中浮遊の写真がトリックであると証明するためこの写真を撮影したそうです。詳細はリンク先の過去記事に詳しく書きましたが、この写真といい何度狙われても生還したことといい非常に頼もしい弁護士だと思うと同時に、なんでこんな写真を私もいつまでも保存しているのか少し悩むところです。

 ここで少し話が変わるというか本題に移りますが、いわゆる霊能力や超能力があるということを証明するのによく使われるパフォーマンスと言ったらスプーン曲げや予知と並び、先ほど出てきた空中浮遊も挙がってくるでしょう。しかし先の二つと比べ空中浮遊ができるという人はそれほど多くはなく、また誰もが「あいつはマジで浮かんでた!」と証言するような見事な空中浮遊を見せる人物となるとほぼ全くいないどころか、浮遊するシーンを撮影した動画なんてものもこれだけネットが発達した時代でも出回っていません。何故そうなのかというと単純に空中浮遊はトリックとして難しく、超能力があるように種や仕掛けを用いてやろうとしてもあっさりばれてしまうことが多いため、スプーン曲げなどと比べるとややレアになっているのだと推察します。

 しかし、やや時代は古いですが「あいつ、マジで浮かんでたよ!」と言われた超能力者がかつて存在していました。驚くべきことにこの超能力者というか霊媒師は生前、ただの一度として彼の見せる奇跡がトリックだと見破られることもなく現代においても彼が見せた不思議な現象を説明できておらず、彼は本物だったのか否かは今でも大きな議論のネタとなっています。

ダニエル・ダングラス・ホーム(Wikipedia)

 その霊媒師の名前はダニエル・ダングラス・ホーム(ヒューム)といって、19世紀にスコットランドで生まれました。ホームは生まれてすぐ子供のいなかった叔母夫婦に引き取られますが子供の頃から彼の周囲ではラップ音やポルターガイスト現象が起こっており、ホームが17歳だった頃に生みの母が死去するとそうした心霊現象は以前にも増して増えていったそうです。またホーム自身も心霊現象を見せることができ、イギリスを始め欧州各国で多くの人間が彼が起こす超常現象を目の当たりにしてその名声も存命当時からも論争になるほど大きなものでした。

 ホームが見せた超常現象はどんなものだったのかというと、一言で言って桁外れに説明のつかないものが多いです。冒頭に書いた空中浮遊はもちろんのこと、その場で手足を数十センチ伸ばしたり、燃える石炭で顔を洗う、触るだけで楽器を鳴らす、空中から誰のものでもない霊の手を出現させ列席者と握手させるなど、並み居る列席者の目の前で常識では考えられない現象を実に多くの人間に見せています。

 しかもホームがほかの超能力者と大きく異なっている点は、これらの心霊現象でお金を稼ぐようなことはほとんどせず、それどころか時間さえあれば一般市民にも無料で見せていた点です。さらに列席者に対しては、「部屋が暗くちゃ見え辛いよね(´・ω・`)」などと言っては自ら照明を明るくするなど、トリックを隠そうとすような素振りを見せるどころか逆にオープンすぎる姿勢を貫いていたそうです。それだけオープンだったにもかかわらず彼の存命中、誰一人として彼が見せる心霊現象をトリックだと証明できるものはおらず、ハーバード大学の研究者だけでなく「クルックス管」の発明で有名なウィリアム・クルックスすらも「疑わしい点はない」と彼の力を認める発言を残しています。

 彼の心霊現象を見た人間は著名人にも多く、時のローマ教皇であったピウス9世、フランス皇帝のナポレオン3世、ロシア皇帝のアレクサンドル2世などもわざわざホームを呼び寄せています。もっともホームを詐欺師呼ばわりする人間も当時からたくさんいたようで、そうした声に巻き込まれる形で生活が困窮するような事態にもなんどか陥っています。しかし彼を糾弾する人間からは誰一人として彼が起こす不思議な現象を説明出来るものは出て来ず、そうこうしていたらホーム本人が48歳ごろに引退宣言をして表舞台から姿を消してしまいます。といっても、親しい人には「今回だけだからね(´・ω・`)」といってちょくちょく見せてたそうですが。

 ホームの特徴を一言で述べるなら、非常に多くの人間を前に心霊現象を披露しながら存命中に足を見せることが一度としてなかったということに尽きます。だからと言って彼が本物の霊媒師だったと言い切れるわけではありませんが、彼自身が見せていたオープンな姿勢といい、ほかの超能力者たちとは明らかに一線を隠す人物であったことだけは間違いありません。
 私自身はそれほどスピリチュアルに傾倒しているわけでもなく超能力や例現象に関してもやや懐疑的な立場を取ることが多いですが、このホームの話は聞いてて素直に「なんじゃこりゃ」と思う話が多く、スウェーデンボルグ並に聞いてて面白いと思ったのでここでも紹介することにしました。

 このブログは一応政治系ブログを標榜していますが、意外とこの手の記事の方が人気あるんだよなぁ……。

2 件のコメント:

すいか さんのコメント...

こんにちは~。
こういうのにばかり飛びついてスミマセン(笑)。
わたしの大好きなカータンのブログで、少し前に、黒い丸を手前において、あぐらをかいて座ると、まるで空を飛んでるように見える、というのをやってました。
もし、機会があれば、上海忍者さんと試してみてください(笑)。
http://ka-tan.blog.jp/archives/1025648149.html

花園祐 さんのコメント...

 紹介いただいたブログを見ましたがまた斬新な飛び方ですね。
 最近だとパソコンの画像処理で簡単に飛べてしまうので、このように空中浮遊が出来ると主張する霊能力者も少なくなってしまった感があります。嘘はよくないと思いつつも、夢のない時代になったなという気をしながらこの記事書いてみました。