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2016年1月24日日曜日

猫一族の悪夢

猫戦闘機(アンサイクロペディア)

 猫一族とは上記のアンサイクロペディアの記事に紹介されているように、太平洋戦争を中心に活躍した猫の猫による猫のための艦上戦闘機シリーズを指します。記事中の記述を引用すると、

「猫をベースにした理由は、愛らしい外見が兵士の精神をリラックスさせる効果があること、方向感覚や上下感覚に優れ必要とあれば飛行中にすぐに足を下に向けることができるということ(猫は常に足を下に向けて落ちる)、夜目が利き夜間戦闘に向いていること、九つの命を持つため被弾してもすぐ復活して飛行を継続できることなどが挙げられている。」

 とあり、このような特徴を備えた猫戦闘機は日本のゼロ戦相手に健闘しました。

 というのはもちろん冗談ですが、太平洋戦争時に米海軍が運用したグラマン社製の戦闘機には実際に「〇〇キャット」という愛称が付けられ、これらの戦闘機を総称して「猫一族」と呼ぶのはミリオタの間では一般的だそうです。
 この猫シリーズには以下の機種が分類されています。

・F4Fワイルドキャット
・F6Fヘルキャット
・F7Fタイガーキャット
・F8Fベアキャット
・F-14トムキャット

 実際に日本の戦闘機と主に戦ったのはF4FとF6Fの二機種です。開戦当時はF4Fが主力として使われたものの旋回性などといった格闘性能においてゼロ戦に遠く及ばなかったことから出撃しては毎回やられて返ってくるという惨憺たる有様だったそうです。ただ性能では及ばなかったF4Fですが持ち前の頑丈なボディ、並びにパイロットを守る防弾装甲のおかげで被弾こそしてもパイロットが戦死に至る確率はゼロ戦より低く、素人から熟練パイロットまで細く長く生きる秘訣となりました。

 そして後からやってきたのがF6F。こちらは「ヘルキャット」と言われるだけあって格闘性能でもゼロ戦に大きく劣ることなく、またF4Fの時代から定評のあった頑丈さがさらにパワーアップされて機銃で少しくらい撃たれてもビクともしないという恐ろしい性能となり、いくらか誇張はされてはいるでしょうがゼロ戦とのキルレシオは1:19と、一機のF6Fの撃墜に対しゼロ戦は十九機の撃墜が必要だったというデータも出ています。
 F6Fの特徴は先にも述べた通りにF4Fからさらに装甲が頑丈になったという点ですが、装甲が増した分だけ重量も増えているものの、そこはアメリカさんらしく大馬力のエンジンを取って付けてカバーしています。装甲といいエンジンといい技術的にもコスト的にもハイレベルな仕様ですがそんな戦闘機ですら量産して運用してしまうあたり、当時のアメリカの工業力がどれだけ進んでいたかが伺えます。実質、二次大戦においては兵士や将軍の質以上に工業力の差が勝敗を大きく分けるキーだった言っていいでしょう。

 ほかの猫一族については実はそんなに知らず、せいぜいF-14がトム・クルーズの出世作である「トップガン」に出てくるという事しか知りません。

 なのになんでこんな記事書き始めたのかというと、実は単純にF6Fが好きだったからにすぎません。昔書いた「ダイハツ ストーリア」に関する記事にも書いていますが、無駄を徹底的に省き必要最低限な機能を厳選した製品にこそ美は宿る、「シンプルイズベスト」という美的信仰を私は持っており、このF6Fも「頑丈」、「よく飛ぶ」の二つ以外の要素を全部切り捨てたかのような無骨なデザインが自分の感性に物凄き響き渡ります。
 実物の写真を見てもらえばわかりますがF6Fはレシプロ機としてはかなりずんぐりむっくりしたデザインになってて、見ていて「ほんとにこれ飛ぶの?」という疑問すら湧いてきます。実際重すぎて着艦時によく主脚折ったらしいけど。

 なもんだからこの前取り上げた「零式艦上戦闘記弐」というゲームでもしょっちゅうこのF6Fを日本軍側で使って米軍と戦ってます。時に英軍とも。
 逆にというか、ゼロ戦は優秀な戦闘機だったということはもちろんわかってますがあのデザインはそんなに好きじゃないというか、薄っぺらい装甲を見ていて非常に不安に駆られるデザインのように感じます。秋水は大好きだけど。

 最後に、日本ももっと兵器に愛称をつけるべきじゃないかと思います。軍艦などは古い地名を使ってそれなりに格好いいですが戦闘機は型番で呼んでばかりなので、アメリカが猫なら日本は犬とか使ってみてはどうかと思いさりげなく候補を集めてみました。

・秋田
・土佐
・柴
・豆柴
・十石
・日本狼
・紀州

 っていうかほとんど地名そのまんましかありませんでした……。
 無理矢理かっこよくするなら、「紀州ワイルドドッグ」、「土佐ヘルドッグ」、「豆柴ミニチュアドッグ」、「秋田ブリザードドッグ」とするべきかなと思いつつ、なんかどれもあんま強そうに感じられないからやっぱ無理か……。

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