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2016年4月28日木曜日

今日出た呆れた報道、見事な報道

 本当は別の記事ネタを書く予定でしたが見ていて呆れる記事が本日多数見受けられたので、日本の報道界に物申す意味合いで槍玉にあげようと思います。

三菱自の燃費不正、見劣る開発費が引き金か 経営危機で削減、トヨタの1割以下(SankeiBiz)

 見出しを読んだ時点で「こいつらバカじゃねぇの?」とすぐ思った記事です。内容は例の三菱自動車の燃費不正について不正を起こした背景として、「三菱自は開発費が他社より少なく、開発部門が不正に至る要因になったのではないかとの見方は少なくない。」とか抜かしていますが、開発費が少ないことが不正を誘発する理由になるとはとても思えません。もしそうなら三菱自動車よりもっと開発費のない中小各社はどうなんだってことだし、第一トヨタはここ数年ずっとR&D(研究開発)投資額で日本ナンバーワンだし、ここのR&D投資額の1割以上に達する企業の方がはっきり言ってレアでしょう。デスクもこれ読んで、「んなわけねーだろ」と思わなかったのだろうか。
 詳しく比較してませんが、同じ自動車メーカーでもマツダに至ってはそんなR&Dに投資してないくせに世界屈指のディーゼルエンジンとか空恐ろしい4WDシステムを開発してのけています。開発成果だけ見れば、ここ数年はトヨタより上だと思います。

日本の「報道の自由」を考える~本当の問題はどこにあるのか(江川紹子)

 この前NGOに国際報道自由度ランキングで日本が72位と結構低かったことについて「えーなんでー?」ってグダグダ書いてるのが上の江川氏の記事ですが、この順位の真相は多分この下の記事内容でしょう。

「記者クラブ廃止」「独立機関設立」…国連特別報告者が提言 大手メディアはほぼ無視(楊井人文)

 私見から言っても日本で報道の自由を一番妨げている要因はこの記事で指摘されている「記者クラブ」の存在で間違いないと思うし、サボって原文読んではいないですが恐らくNGOの報告書でもその点について指摘されてると思います(別の日系メディアも、報告書中に記者クラブの記述があったことはさらりと報じている)。にもかかわらず江川氏のグダグダ無駄に長い記事では記者クラブについては一切触れておらず、一番肝心な部分に触れずどうでもいい周辺内容についてあまり意味のないことを延々と書き綴っています。よくこんな恥ずかしい記事出すな、ってかこの人原文ちゃんと読んでるの?

直撃!鈴木敏文「裏切り者たちに告ぐ」~「アイツだけは許せない」という怒り(現代ビジネス)

 記者としての見識を疑う記事が多く出ている中、読んでて唸らされたのが上記の現代ビジネスの記事です。記事内容は見出しにも書かれている通り、先日に電撃辞任したセブン&アイホールディングスの鈴木敏文元会長への電撃インタビューです。
 実は現代ビジネスは普段あまり評価していない媒体なのですがこの記事に関しては別で、短いながらも鈴木氏から直接言葉を引き出した上にセブン&アイの経営状況に関してほかの取材源から得た情報を合わせて報じており、誠に以って完成度の高い記事となっております。週刊文春もそうですがこのところの雑誌メディアの奮闘ぶりは目を見張るものがあり、一方で大メディアにおいてはお門違いもよく下手すりゃ常識すら疑う記事が散見され、元記者の立場から言わせてもらうと緊張感を持たない記者が増えてるなと思うわけです。

 まぁここだけの話、大メディアの記者に関しては以前からそんなに実力評価していません。大新聞でスクープ取ってくるのは決まって雑誌メディアや地方紙出身の中途採用の記者だし。

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