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2023年11月20日月曜日

岸田首相の池田大作への弔意の是非

 リンクはいちいち貼りませんが、先日逝去が報じられた創価学会会長であった池田大作に対し岸田首相が弔意のメッセージを送ったことについて批判が起きているようです。こうした批判について私自身としては、批判が起こるのは仕方ないにしてもそこまで目くじら立てるものではないというのが自分の見解です。

 初めに申しておくと、こと宗教に対して私は日本人の中でも非常に寛容な立場で、これまでも実際に各宗教関係者の説法を聞いたり活動に参加したりしています。現在は特定の信仰を持っているわけではないですが、実害が及ばない限りは宗教家だからと言ってその相手と距離を置くことはせず、むしろその信仰内容について聞いたりします。この辺、自分の出身が社会学ということも影響しているでしょう。

 話を戻すと今回の岸田首相の弔意への批判としては、特定の宗教関係者へ弔意を出すことは不公平であるとし、政教分離に反するというものが大半かと思います。この意見には私も共感するところはありますが、どちらかといえば岸田首相は連立相手の公明党にとって最大のスポンサーの長である池田大作に弔意を示したのではないかと考えています。いわば宗教関係者というよりは政治関係者としての扱いであり、であれば連立相手の実質的裏ボスなんだし、むしろ弔意を出さない方がかえって失礼になるんじゃないかなとも思います。

 ただそうはいっても池田大作の本身はやはり宗教関係者であり、たとえ政治関係者と岸田首相が見なしていても世間はそうは受け取りません。となるとやはり政教分離に反するかという話ですが、仮にこれがローマ法王だったとした場合、日本の首相がその逝去に際して弔意を送らないことはありうるのかという話になってきます。ぶっちゃけローマ法王クラスなら欧米各国をはじめほぼすべての国の首相から弔意が届けられると思いますが、これに関して政教分離なんて野暮なことをいちいちいう人はいないでしょう。

 何が言いたいのかというと、相手が宗教関係者だからと言って日本の首脳や政治家が弔意を出してはならないわけでもないだろうというのが、私の意見です。それこそ統一教会みたいな宗教の皮をかぶった反社団体であれば話はもちろん別ですが、創価学会は統一教会ほど派手にトラブルも起こしていないし、一時行っていた言論弾圧も最近はさほどしなくなったことを考えると、首相とはいえ弔意くらいは出しても罰は当たらないんじゃないかと思います。さすがに香典の支払いは控えた方がいいとは思いますが。

 唯一自分がちょっと争点になるなと思う点としては、じゃあ創価学会以上の日本の宗教団体には今後弔意を出さなくてはいいのかという論点です。それこそほかの日本仏教界の各宗派トップが亡くなって弔意を出さなかったら、若干不公平な感じもしなくもないです。池田大作を完全に政治関係者として捉えるならこの議論はいらないかもしれませんが、ローマ法王クラスは当然として、どこまでのラインの宗教家に対し弔意を出すのか、ちょっと基準が今後あいまいになるのではという懸念を持ちました。まぁ無視してもいいんだけど。

 なお比叡山最大の地獄修行こと千日回峰行の達成者に関しては、無条件で国民栄誉賞をあげてもいいし、その逝去の際には首相は弔意を出すべきだと勝手に考えています。っていうかむしろ出してほしいし、そうやってマジ凄い宗教家に対しては国ももっと敬う姿勢を見せるべきだと思っています。

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