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2023年12月20日水曜日

ダイハツの不正発表の衝撃

 すでに各所でたくさん報じられているので記事リンクをつけませんが、ダイハツの不正発表の内容というか衝撃がかなりすごいです。他のメーカーへOEMで出している車種も含めほぼ全車種で販売停止もさることながら、ニュースではあまり報じられていませんが報告書によるとライトの設置軸や重量検査のごまかしなど不正内容は多岐にわたり、直近10年で言えば日系メーカーとしては最高ランクの不正でしょう。
 不正内容の詳細についてはひとまず置いて、今後のダイハツへの影響についてここでは書いていくことにします。

 まず前述の通りほぼ全車種で販売を停止することになり、なおかつ不正内容は衝突安全性能などの安全基準にも及ぶことから、販売停止期間は長期に及ぶ可能性があります。下手すりゃ半年くらい販売できない車種もあるかと思え、ダイハツ本体以上に、ディーラー店へのダメージが非常に大きくなると予想しています。

 また仮に、っていうか現時点でも恐らくそうなると予想されますが、リコールを実施することとなった場合、その影響はどこまで及ぶのか途方もない点でやばいです。不正は長年行われてきていたということから、下手すりゃ過去30年分くらいの販売車種についてリコールを実施せざるを得なくなる可能性もあります。少なくとも、過去10年分はほぼ確実に実施せざるを得ないでしょうから、リコール対象は数百万台……で済むのだろうか?というのも、トヨタなどへOEMで出している車がダイハツは多いだけに、夢の千万台越えもありうるかもしれません。
 もしそこまでリコール規模が拡大したら、かつてのエアバッグのタカタ同様、ダイハツ自身が持たなくなる可能性もあります。その場合、日本自動車メーカーの再編が確実に起こりうるでしょう。

 その再編観点で言えば、今回の騒動で一番の追い風というか漁夫の利を得るのはライバルであるスズキに間違いありません。そもそも、ダイハツはトヨタの子会社ですが、近年になってスズキは鈴木修氏が経営から退くのに合わせてトヨタの資本を受け入れはじめ、トヨタグループとの距離を詰めてきています。元々、豊田家と鈴木家は創業家同士が仲良しこよしということもあり、ダイハツとスズキの2大軽自動車メーカーを抱えてトヨタどうすんだよと前から思うところがありました。
 そこへきて今回のダイハツの不正発覚で、これから来年1年にかけてダイハツはシェアを落とし続けることは間違いなく、その分をスズキとNボックス擁するホンダが軽自動車業界のシェアを奪うわけですが、スズキに至ってはさらに再編の恩恵を受けるかもしれません。

 端的に言って、もし私がトヨタ幹部であれば、ダイハツとスズキを合併させるでしょう。軽自動車メーカーどうして商品はほぼすべて競合、っていうかお互いに売れた車をパクリあっているので、統合すれば販売台数は変わらないとしても、車種を1台に絞れるようになるのでめっちゃプラスです。同じトヨタグループにあるのだし、どう考えたってこの2社は統合させた方がトヨタとしてはお得でしょう。

 上記は私の妄想であり実際にトヨタがこのように動くかどうかはまた別ですが、今回の不正発覚はまじめにダイハツの屋台骨すらへし折りかねない衝撃なだけに、もし再編が起こるとしたら、親会社のトヨタとしてはどう動くかがカギを握るでしょう。日野みたく外部に持ち分売却する可能性もありますが、日本国内でダイハツをディールしようっていうメーカーがほかにあるかと言ったらちょっと浮かばず、買うとしたら外資メーカーになってくるのではないかと思います。

 私個人としてはダイハツの車は前から好きだったので今回のニュースは残念この上ないですが、経済ニュース的には久々にワクワクするというか、予測の余地が広いだけに興味の尽きない話題です。

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