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2016年4月22日金曜日

三菱自動車の燃費不正事件について

421億円、22日に繰り上げ交付=普通交付税、県と16市町村に―熊本地震(時事通信)

 本題とは関係ないですが上記のニュースを読んで、「421億円の繰り上げ交付を4月21日に発表するってわざと?」って思いました。こういう数字ごろ合わせは中国だとよくありますが、日本だとあんま見ないだけにちょっと気になりました。

 で、本題に入りますが、最初に宣言しておくと私は自動車メーカーの中でも三菱自動車が一番好きな根っからの三菱党です。オイルショックの時代に何故か「オイルイーター」の異名を馳せた初代「マツダRx-7」を買って「ここでガス欠したらどないすんねん」とびくびくしながら乗車していたうちの親父も三菱党で、よく二人で、「あのパジェロイオいいね」、「RVRのカワセミブルーってなんやねん」などと三菱車については普段からよく語り合っていました。
 そんな二代続けての三菱党である自分(一番好きなのは「FTO」)からしても今回の事件を受けて、もうこの会社は駄目だろうとはっきり悟りました。海外販売は続けるかもしれませんが、日本国内ではもうどうやったって立て直しは効かないでしょう。

三菱の不正問題にはまだ続きがあるかもしれない。清水和夫が緊急寄稿(carview!)
三菱自動車の燃費不正、関与は実験部長に留まらず。拡大していくだろう(国沢光宏)

 もはや説明するまでもないでしょうが、三菱自動車が日産にもOEMで出している軽自動車二車種において燃費試験で有利になるよう基礎データを改竄していたということを20日発表しました。昨日は三成の評価がストップ高と書きましたが三菱自動車の株価は今日もストップ安で、ホークスの柳田選手の連続四球記録じゃないですが三菱自動車のストップ安が何日続くのかは一種見物でしょう。

 この燃費不正についてあちこちの報道を読む中、一番よく解説されているなと思ったのが上記リンク先の「carview!」の記事です。ジェイキャストなんか一応出典は書いているけどこの記事をまるまんま引用して自分とこの記事に使ってるほどですが、この記事にも書いている通りに本当にやらかした不正はこれだけなのかという点でやはり疑問に感じます。具体的に言えば海外販売している車種はどうなのか、仮に海外販売車種でも同様もしくは異なる不正が施されていればそれこそ第二のVW事件みたいに発展していくでしょう。
 また組織的関与についても現在は開発担当者の判断と三菱自動車側は説明していますが、上記リンク先で国沢光宏氏が指摘しているようにそれは有り得ず、複数部門が結託しなければ起こり得なかったと私も思えるだけに根はもっとずっと深いはずです。

三菱燃費不正問題を実燃費データから検証する(レスポンス)

 普段はあまりレスポンスの記事を評価していないのですが今回のこの事件については上記記事はよく取材されており、他メーカーの軽自動車と合わせてカタログ燃費と実燃費を比較しています。高燃費を謳う車というのは低燃費の車と比べ、概してカタログ燃費と実燃費の差が大きく開きがちなのですが私個人の感覚で述べるとその差は大体60%くらいで、カタログ燃費が30Km/ℓなら実燃費は18Km/ℓくらいになるとみています。レスポンスの記事の比較でも大体その通りでホンダの「N-WGN」が63.2%に落ち着いた一方、三菱自動車の軽二車種は50%台半ばと低く、今回の燃費不正で10%前後燃費が変わると発表していることから割とこの数字は不正があったことに合致するなという気がします。

 三菱自動車は過去のリコール隠し事件の影響から十年以上経っても「リコール隠しの三菱」という見方が強いです。そんなイメージが根強い中で今回の事件があってやっぱりその隠蔽体質は変わらなかったのかと消費者は考えてるでしょうし、実際に三菱自動車の社内もそうだったとしか言いようのない体質だったわけです。前回のリコール隠しの時も普通の会社なら潰れている所を三菱グループの強力なバックアップがあって命脈を繋げられましたが、さすがに今回ばかりは三菱グループもそこまで支援しないでしょうし、仮に支援があったとしても経営を継続できるレベルではないとも思え、ちょっと気が早いかもしれませんがもはや経営破綻は免れないでしょう。ランエボ大好きな奴田原さんとか、これからどーすんだろ。

 でもって仮に経営破綻するとしたら、どこが買うのか、でしょう。家電業界と違って自動車業界なら国内メーカーもあり得るでしょうが最有力候補はやっぱり中国の自動車メーカーじゃないかと思います。そもそも中国の自動車メーカーはエンジンをほとんど自作しておらず三菱自動車、並びにその親会社の三菱重工から大量に仕入れ購買しており地味にそのシェアは半端なく高いので、買収するメリットは低くはなく、何より現金持ち歩いているのが強いです。三洋、シャープに続くというか、自動車業界からも外資に買収される企業が出てくるかもしれないというのが現時点の私の見方です。ってか、ドラマの「ハゲタカ」がこういう展開だったような……。

  おまけ



 地味に夢のようなコラボが実現していたようです。

2016年4月20日水曜日

日本のベストオブ施政家~文官だっていいじゃない

 さっきスカイプ開いたら友人に、「今日は帰ってくるの早いね」とすかさず言われました。繁忙期が一段落しつつあるためすぐ帰ってきたのですが、なんか帰宅時間を常にチェックされてる旦那のような気持ちを覚えました。

 話しは本題に入りますがよく歴史議論で、「誰が最強の将軍」だとか「戦国最強は誰か」などと戦が上手い武将や将軍の比較をよく見るのですが、「誰が最も政治運営が上手かったか」というランキングはあんま見ないように思え、ならそうした政治運営を司った文官系の歴史人物の中でも特別優秀だと思う人たちを私の視点で挙げてこうと思います。前置きは以上なので、早速行きましょう。

1、藤原不比等
 歴史教育では「大化の改新で活躍した中臣鎌足の息子」として紹介されることが多いものの、実際の業績を見るならば中臣鎌足こそ「不比等の父」と紹介されるのが筋だと考えています。藤原不比等は主に天武、持統朝で活躍し、後の大宝律令の原型となる養老律令を編纂したほか平城京への遷都といった当時の大事業を政治家リーダーとして指導しています。特に養老律令は古代日本における法律体系のスタンダードとなり後世への影響力も計り知れないのですが、それ以上に不比等の場合は今も五摂家として脈々と続く藤原氏の実質的な開祖に当たり、ある意味では天皇家に次ぐレベルで系統の長い一族を開いた人物としても見ることが出来そうです。

2、石田三成
 早くも三成ですがここ数年での評価の逆転ぶりには目を見張るものがあり、恐らく今後もストップ高が続くんじゃないかと思います。何故急に彼の評価が高まったのかは今までよくわかりませんでしたが、多分「戦国無双」ってゲームでかなりいい感じにキャラが作られたことが何よりも大きいのではないかと思います。実際、このゲームでは幸村やガラシャを抑えて常に人気ランキングトップらしいし。



 この人気に便乗しようとしたのか、滋賀県も気合の入ってきた妙なCM風動画を作ってきています。にしてもこの作品、いい具合に昭和テイストを盛り込んであって作った人は真面目にすごいと感心します。

 真面目な評論に移りますが、彼が行政官として活躍したのは豊臣政権の一時期でしかないにも関わらずその業績は非常に幅広い上に深く、後世への影響力も半端なく大きなものです。彼が主導した太閤検地によって日本で初めて度量衡が統一され、また五人組制度や参勤交代制度といった江戸時代に継続して採用され続けた制度の下地を作ったのも三成で、見方によっては主君である豊臣秀吉以上に後世への影響力が強い人物だったとも言えるでしょう。
 仮にもし三成が豊臣家を裏切って徳川家に仕えていれば、南公坊天海や土井利勝といった江戸時代初期の政治家は出る幕もなく、日本史上屈指の政治家としてその名を残していたかもしれません。

3、大久保利通
 また時代が一気に飛びますが、現在の日本国の国家体制の基盤を一から作った人物となると間違いなくこの大久保利通が上がってきます。それまで薩長の有力者によって恣意的に役人を決める太政官制からの脱却を図るため省庁制度を導入し、日本で初めて官僚制度を整えたのを皮切りに、廃藩置県導入後の徹底、予算編成、果てには自ら借財しての公共事業の実施などありとあらゆる政治業務をほぼ彼一人(+博文)が指揮して成し遂げていきました。暗殺によって志半ばで死去しますが、仮にもし彼がその後も生き続けた場合、国会開設は早まっていたのか、それとも遅れることとなったのかは議論してみると案外面白いかもしれません。

4、高橋是清
 昭和金融恐慌、世界恐慌という二度の金融危機において大蔵大臣として第一線で指揮を取り、混乱する日本経済を見事に立ち直らせた実績とその実力は疑うべくもないでしょう。また日露戦争時に英国をはじめとした海外からの公債調達においても活躍されたと言われており、内政に外交と両方面で傑出した功績を残しております。彼の評伝はやや少ないようにも思いますが、戦前の経済政治家では間違いなくナンバーワンと誰もが目している人物なだけにもっと評価されるべきだと内心思っています。

5、池田勇人
 占領統治下の吉田茂、ノーベル平和賞の佐藤栄作、昭和元禄の田中角栄に囲まれて戦後の総理としてはやや地味というか目立たないこの池田勇人ですが、内政という業務においては私は間違いなく彼が戦後最高の実力を発揮した人物だと睨んでいます。大蔵官僚の役人として吉田政権下で活躍し、政界転出後はなんと当選一期生で大蔵大臣に就任してGHQとの経済交渉を一手に引き受け着実に成果を出し、「経済の事なら池田にお任せください」というキャッチフレーズと共に総理に就任するや「所得倍増計画」を打ち出し、復興を終えた日本のグランドデザインというか国家目標を編み出して国民を引っ張ったその実績はこちらももっと評価されるべきだと私は考えています。
 なおあまり知られていませんが池田は大卒後に大蔵省へ入省したものの、すぐ全身に膿がでる難病にかかり一時退職を余儀なくされます。この病気は計五年間も続き最初の妻は看病疲れで過労死するほどで、池田本人も激痛から何度も「殺してくれ」と洩らしたほどの壮絶な体験だったそうですが、病気回復後に大蔵省へ復帰するや有り余る能力を発揮して復帰者とは思えないほどの出世街道を歩むこととなります。一度「死」を体験したものの強さというべきでしょうか、地味に好きな戦後政治家であったりします。

自己愛の激しい人、自己嫌悪の激しい人

 以前に読んだ小保方氏の著書に対する佐藤優氏の書評にて佐藤氏は小保方氏のパーソナリティを、「自己愛の塊」と評しておりましたが、この表現に異論を述べる人はそんな多くはない、というよりはほとんどいないでしょう。実際自分から見ても自己愛の激しい人はこれまで直接間接含めていろいろ見てきましたがあれほどのレベルとなると確かに思い浮かばず、恐らく今この現状もフェスティンガーさんの認知的不協和を起こして自分ははめられただけで何も悪くなく、いつかきっと世間は理解していると本気で信じてそうな気がします。

 ここで引っ張り出した「自己愛が強い」ですが、わざわざ説明するまでもなくこの手のタイプは面倒だという事実をこの手の人間に関わった人なら誰もが十分に理解していることでしょう。自分なんか前の会社の上司がまさにこの典型で常に自分の自慢話か苦労自慢しか話さず、仕事でも常に失敗してるのですが景気がどうとかあともうちょっとで取れるとか交渉中だとか嘘八百を並べ立てて絶対に自分に非があるとは認めようとしない輩でした。挙句の果てには会社判断で進めていた話を中断すると決めたら、「そんなことするというのならもう自分は必要ないってことだな。それならば辞表を出す!」と言ってましたが、その後いつまでたっても辞表は出してくれませんでした。多分今でも自分は必要とされてるからクビ切られないとか思っているんだろうな。

 上のは私の身近な話ですが、芸能界でもう一人極端に自己愛が強いなと密かに睨んでいる人物として元フィギュアスケート選手の安藤美姫氏がいます。なんでこう思うのかという理由としてはテレビ番組にこの人が出てくるのを見ればすぐわかると思いますが何かコメントをする際に十中八九、「私もフィギュアの練習などで……」、「私もフィギュアの試合前とかに……」などと、確実に自分の体験談(それもほぼフィギュア関連)を引用して自分の話しかしないからです。相手の話に合わせて「その時はどういうこと考えたのですか?」などという返答は皆無に近く、よくここまで超然としてられるなと逆に感心します。なんていうか生き様もそんな感じするし。

 こんな具合で、正直なコメントを述べると自己愛が極端に強い人にはあんま傍にいてもらいたくないってのが私の本音です。遠目に見る分にはそりゃ楽しいかもしれませんが近くにいたらすごい疲れそうなので、何かとトレードオフする才能とかない限りは私もなるべく関わろうとはしないようにしています。

 では逆に自己愛が低すぎる人、自己評価が低い人、極端に来れば自己嫌悪の激しい人はどうなのでしょうか。多分今真っ盛りの就活の面接で、「あなたは自己愛が強い方でしょうか、それとも自己嫌悪の方が強いでしょうか?」と質問されて「自己嫌悪!」って言ったら真っ先に落とされてしまうでしょうが、ここだけの話、日本人は平均的に言えば自己嫌悪の方が強い国民性だと思います。端的に言ってアメリカ人と日本人を比べればもう歴然で、中国人と日本人とを比べてもやっぱり中国人の方が「自分大好き!」って屈託なく言ってくると断言できます。

 もちろん自己愛も自己嫌悪も極端でなければいいわけでどちらが強いか弱いかは優劣につながるわけではありません。社会学的に言えばアノミー論にもつながりますがどちらもほどほどのバランスを保っている状態が精神的には落ち着くとみられ、どっちかに大きく偏っているという自覚があればそれをバランスのいい状態に持って行こうと意識するのが割とベターだと私は考えています。実際、私が指導する人間にそのような傾向が見られた場合は、はっきりとは言いませんが自己愛が強い奴にはプライドをどっかでへし折ってやって、逆に自己嫌悪が強い人間には何かを持ち上げて自信をつけさせたりしてきましたし。

 ただ自己嫌悪が強い人間は、日本人が平均的にその資質を持っていながらも、極端なレベルとなるとほとんど見ることはないと思いますし私もそんなに会うことはありません。自己愛が極端な人がやたら目立つということもあるでしょうが自己嫌悪が強いかどうかはパッと見では意外と気づき辛く、またネガティブな表現してることもあってむしろそうした資質がばれないような行動を取ってくるので気づかないし目に入らないのも自然なことです。
 そこで私の持論なのですが、見分け方というより自己嫌悪の強い人に共通するのではと思う特徴として周囲に対する貢献意識や献身行動が極端に強いという点があるのではと密かに睨んでいます。それもなるべく割に合わない仕事とか作業を引き受けるようなタイプです。

 仮にこの通りであれば、自己嫌悪の激しい人が横にいると便利というか非常に楽できそうな気がするので、むしろそういう人が身近にいてくれれば助かります。平たく言えば日本人全体にこのような傾向があるとも思えるのですが、その一方でやはり極端に献身行動が強い人には心配に感じることも少なくなく、そういう人を見かけたら「もっと自分にワガママになれよ」って一声かけるようにはしています。
 まとめとしては、自己愛も自己嫌悪もどっちかに大きく振れたら意識して引き戻しバランスを保たせた方が無難だというのが私の意見です。

 ……多少愚痴になりますが、こういう話をして太宰治をすぐ確実に引用してくる友人に囲まれてた学生時代はよかったなぁと思うと共に、こっちが全力出して議論に臨む機会が最近めっきりなくなった現状を寂しく思います。

2016年4月19日火曜日

日本の電気自動車がテスラに敗北すると思う理由

 最近お金使い過ぎだと思うから節約しなきゃと思ってた矢先でまた衝動買いをしてしまい、輪行用の袋を昨日買ってしまいました。輪行と聞いてもすぐわからないと思いますが要は自転車を丸ごと入れて運ぶための袋で、さりげなく寄ったジャイアントのお店で店頭にある袋を指さして、「これいくら?」と聞いたら1980元(約4万円)といわれ、もっと安いのないかと聞いたらすぐ480元(約1万円)を出されちゃもう買うしかないです。店の親父には、「日本に持って帰るの?」と聞かれましたが、約一ヶ月ぶりに来たのに私が日本人だってことをしっかり覚えてる辺りは見事なもんです。
 ってか、やたら頻繁に来る変な日本人って噂されてるのかも……。

テスラは未来のクルマか?(ITメディア)

 そんなわけで本題入りますが、以前に米国屈指のカリスマ経営者であるイーロン・マスク氏を取り上げた際に彼の起ち上げた電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズも紹介しましたが、やはり話題になっているというか私だけでなくあちこちでもこの会社はよく取り上げられています。上記リンク先の記事もその一つなのですが、見出しを見ればわかる通りにどちらかと言えばテスラの悪い所を突っつくかのような書き方がされてて、元々ITメディアの記事は前から好きじゃないというかライターの質があんまりよくないな(無駄に専門用語を並べ立てようとする癖がある)と思ってはいたものの、この記事も読んでてアホかいなと思うところと思う点がいくつか散見されました
 まず最初に目についたのはテスラの車の問題点として過大な車重を指摘している点です。具体的に引用すると以下の部分がそれに当たります。

「各方面の報道でモデルSの車両重量を調べてみると、その重さは実に2.2トン超えというものだ。リーフは1430kgから1480kg。日産のエンジニアはこういう現実的な車両重量に収めるためにバッテリー容量にタガをかけているわけだ(関連記事)。単純な話、2.2トンもあると立体駐車場の重量制限を超えてしまう。都市部で駐車するなら平場の駐車場を探し回らねばならない。」

 通常、コンパクトカークラスの車重は1000kg弱で、ミドルハイクラスセダンなら1200kg辺りです。1500kgを越えたら「重たい車」と言ってもよく、そういう意味では約2200kgあるテスラのモデルSは確かに「とても重たい車」ですが、EVという特殊な車で高い航続距離を稼ぐために電池を乗せることを考えると別にアリなんじゃないかと私には思います。
 引用した箇所で一番気になったのは「立体駐車場の重量制限を超える」という記述で、なんで気になったのかというと、立体駐車場という存在は日本国内以外にはほとんどないからです。調べりゃすぐわかりますが立体駐車場を作るメーカーというのはIHIとか日立など日本の重機メーカーが世界トップをほぼ占めており、何気に日本国内で一番消費されてたりもします。逆を言えば世界じゃあんまり存在しないのだから、グローバルでの販売に当たって立体駐車場に乗れるか乗れないかを気にするのはナンセンスなわけで、余計な揚げ足取りもいい所でしょう。日本、それも都内でしか売らないってわけじゃないし、都内での販売だけを気にするのもそもそもあれだし。

 またこのコラムの筆者はテスラの車はEVではあるが高馬力なスペックで作られてるため全体的にはエコな乗り物じゃないと踏まえた上で、「テスラが加速性能と航続距離を誇らないモデルを作ったとき。それこそが電気自動車の本当の夜明けになるのではないか。」と述べてますが、だからなんだというのが私の正直な感想です。逆に私の方から言わせてもらうと、多分テスラの連中はエコな乗り物を作ろうっていうのは二の次にしか考えてないと思いますし、逆にエコな乗り物にこだわってて日系EVメーカーは失敗したと私は考えています。

 元々、世界で初めてEVを量産販売したのは日本の三菱自動車で、待望すべきその車種は「i-MiEV(アイミーブ)」です。しかし発売当初でこそ受注に生産が追い付かない売れ行きだったもののその後は伸び悩み、最近に至っては街中で見かけることすらもうほとんどない状態ではないかと思いますし、EVと聞いてアイミーブを思い浮かべる人もほぼいないでしょう。
 続いて量産販売されたのは日産自動車の「リーフ」です。軽自動車のアイミーブに対してリーフはコンパクトカーサイズのEVで、また航続距離もアイミーブより長く現状における知名度や販売台数ではこちらのリーフに軍配が上がるでしょう。しかしそのリーフも最近売れてんのかというと売れてるとは聞かないし、日本の街中ではたまに見かけられますがそれでもプリウスやアクアといったハイブリッド(HV)車の方が断然多いです。

 一体何故日本のEVはそんなに人気とならなかったのか。私に言わせればエコな乗り物でしかないからだと思います。CO2排出量や走行に必要なエネルギー量で上記二車種は確かにHV車を上回る環境性能を持ち合わせていますが、それ以外に何があるかというと何もなく、利便性においてはむしろ充電の手間や短い航続距離、限られた充電スタンドなどといったデメリットの方が多いでしょう。またアイミーブに関しては発売当初、リチウムイオン電池確保の問題で1日30台くらいしか生産できずスタートダッシュに失敗してますが、この点もやっぱしっかり考慮すべきだったでしょう。

 あまり長く書いてもしょうがないので言いたいことを書きますがやはりEVを買おうと思う人たちは、エコな環境性能とか高い燃費能力とかではなく、ほかの車とは違う特別な何かを求めていたし今も求めている気がし、言ってしまえば高級車を買おうとする動機に近いと思います。「EVという特別な車や、どや凄いやろ!」というような、今までのガソリン車とは根本から異なる新規に新しく今までにない特別な車を求めようという期待が一番大きいように思われ、そういう意味で今の時代でEVは「大衆車」ではなく「スペシャリティカー」であることが根本的な価値でしょう。
 このような視点から見てテスラのEVはやっぱりよく出来てると思うのですが、EVがもたらす強力なトルクによって実現する加速力、一目でテスラとわかる目立つアウトデザイン、あらゆる走行設定を車内コンピューターで制御するシステムや豪華な内装など、どれも今までの車にはなかったような特別な試みがあちこちに仕掛けられています。また生産能力が低いことを逆手に取るかのように「特別な超高級車」として売り出したことも会社の状態を考えれば理に適っています。

 先ほどにも述べた通りテスラの開発者たちはそれほどエコな性能にこだわっているようには見えず、むしろ新しい技術をどれだけ自分たちが作る車に詰め込むか、またそれでどれだけうまくビジネスに仕立てて売り出すかをイーロン・マスクを筆頭に考えているように見え、CO2がどうとかこうとか燃費がどれだけお得かなんてほとんど思慮に入ってない気がします。またテスラのEVを購入する層も環境は二の次、むしろ今までにないドキドキとワクワクをテスラに求めてるようにしか見えません。

 それに対して日本のEVは先ほども言った通り泣きたいくらいにエコであることしか特徴がありません。デザインは二車種ともなんだかよくわからないしかっこ悪いデザインで、アイミーブに至っては既存の「i」の流用でした。車載ソフトがどうとか、驚くような加速とか、オートクルーズとかそういう真新しく今までにない物は全くありませんし航続距離の点でもテスラと比べて泣きたいくらい短いです。何故そうなったのか説明するまでもありません。三菱も日産もEVをスペシャリティカーではなく大衆車として売り出そうとして、余計な費用はかけようとせずコストダウンに走りに走って「電池で走る」ことだけに注力した結果でしょう。どうせ生産能力が限られてたんだから、もっと高くてもいいからスペシャリティカーとして作って売ってればよかったと思うのですが。

 環境について意識する人は多いものの、利便性とトレードオフしてまでもという人はやはり限られます。それであれば利便性といくらかの環境性能が両立できるプリウスやアクアが良いように思われ、私でもそっちを迷わず取ります。しかし、もし自由に使えるお金があるのであればやっぱりテスラのEVことモデルSを買うでしょう。なんでかっていうと、普通の車とは全然違うし、早いし、格好いいし、利便性が悪くてもワクワクして面白そうだからです。こういう視点がメーカーはおろか、さっきの記事書いた人にもすっぽり抜けているんだなというのが私個人の独りよがりな見方です。

2016年4月17日日曜日

地震予知研究に価値はあるか?

 昨夜友人夫婦と食事した際に友人の奥さんにチョコレートの「ゴディバ」のロゴマークは、領主の奥さんが減税を求めて裸で馬に乗って疾走したというエピソードがモチーフで、そのエピソードはイギリスのストラットフォードアポンエボンという場所が発祥だと教えたところ物凄く受けがよかったです。甘い物関係のうんちくは女性の受けがいいなと思いつつ、その横では焼き鳥に備えられていたわさびを柚子胡椒と勘違いした挙句に大量にくっ付けて食べたため友人がひとしきり悶絶してました。ちなみにつけるところは見てたけど、「オイオイ大丈夫かよその量?」と思いながらも敢えて指摘しませんでした。

 話しは本題に入りますが、また地震の話で申し訳ないと思いながらも何気に高校三年時の理科選択科目に地学を取っていただけに「地球科学」の血が少し騒いでいます。特に今回気になった点としては、かつて九州地方の地震に警鐘を促した人はいたのだろうかっていう点です。
 これは東日本大震災の折にも少し議論となりましたが、地震に関係する学者たちは誰もが中部地方を中心とした東海地震が近くやってくると予想しておきながら誰一人として東北地方の大地震を言及することなく、それどころか過去の記録から警鐘を促そうとした人は学界から干されたという、真偽は確認しかねますが少なくとも学界ではほとんど話題にはなってなかったのは事実です。その一方で近くくるくると言われ続けた東海地震に関しては、私が学生だった2003年には国のホームページで、「2004年には絶対来る」とまで書いていましたが未だ来ず、その間に東日本大震災、そして今回の熊本地震が起きることとなりました。

 もちろん地震予知が非常に難しい作業だということは理解しています。にもかかわらず何故、東海地震だけがこれほどまでに強く警戒されて主張が半端なく強いのか、この点が腑に落ちません。要因としては日本の中心工業地帯であることと津波による影響が考えられるために被害規模が膨大であるという予測がされているためでしょうが、なんていうか主張が強すぎるというか、それ以外の地震に関しては黙殺しかねないようなそういった印象すら覚えるわけです。
 今回の熊本地方についても九州には地震が来ないというような、なんか妙な俗説めいたものがあった気がします。過去の記録を遡ればそんなこともないというのに、こうした点で地震学会はちゃんと必要が警鐘を行っていたのか、はっきり言えば疑問を感じざるを得ません。

 そもそもその地震学会も真面目にやってる人はもちろんいますが、過去にはナマズが地震にどう反応するとか、地震前後の大気の影響とか、いくら何でもちょっと的外れな研究テーマをやってた人もいたと聞きます。まだ断層の周期変動とかならわかりますが、もう少し実になる研究をやってもらいたいし、予測が無理なら無理で事前対策方面に力を入れてほしいという気持ちがあります。

 最後にもう一つ気になることとして、東日本大震災が発生した2011年中に発売が予定されていた「絶体絶命都市4」という、大地震からのサバイバルをテーマにしたゲームがありましたが、このゲームは東日本大震災を受けて発売が中止されました。しかし開発チームが独立して、元の開発会社からこのゲームの版権を買い取り再発売に向け計画されているとこの前報じられていましたが、今回の地震を受けてどうなるんだろうかちょっと心配です。
 なお私はこのシリーズの3はプレイしていますがストーリーがご都合主義だし操作性も悪く、間違いなくクソゲーでした。ただ会話選択肢はアイレムらしく面白く、分かれる仲間にヒロインが食料を分けてあげましょうよと提案した所、「あんたなんかにあげるくらいなら、全部私が食べてやる」という選択肢が含まれてて、ほんとに全部食べきってしまうなど斜め上な選択肢が豊富でした。
 あ、あとテーマソングの「キミの隣で」はほんとに名曲。最近ああいうシンガーソングライター系の曲少ないし。

2016年4月16日土曜日

熊本地震に対する中国の反応

 余計な前置きは抜きにして書くべきことをつらつらと書いて行きますが、先日熊本県で発生した大地震に対して中国でも大きく報じられています。さすがに東日本大震災時の報道規模と比べれば劣りますが、テレビニュースでも長い時間報じられ、中国人リポーターが派遣されて被災者などに直接インタビューするなど強い関心がもたれています。割と中国のテレビは提携しているNHKなどの映像を使って報じることが多いのですが、今回の地震に関しては直接取材がされており、また倒壊した建物などもよく撮影しているように見えます。

 報道の中心としてはやはり建物の崩壊ぶりと共に説明する地震の規模で、熊本城に関しては崩壊前の映像と比較するなどして、「著名な建築物である熊本城も大きな損失を受けた」と報じられていました。報道姿勢は比較的同情的で、わけのわかんない奴がもしかしたら言っているかもしれませんが日本を皮肉ったりざまあみろみたいに言う連中はまともな中国メディアにはいません。まぁこの点で東日本大震災時に、「これは日本への天罰かも知れない」とか抜かした石原慎太郎氏に今回の地震も天罰ですかいなと敢えて聞いてみたいもんですが。我ながら、よく覚えている。

 なお、現在上海では嵐と言ってもいいほどの豪雨が今朝から続いています。恐らく明日の未明仮早朝にはこの雨雲が日本の九州地方も通り、日本の天気予報でも同じく降雨予測が出ております。言うまでもなく心配なのは雨による震災地域での土砂崩れで、昨日に屋内避難を進めるよう求めた政府に対して熊本県知事が余震を恐れる被災者も多いなどと「現場を分かっていない」と発言したそうですが、これまではともかくこの後は激しい降雨が予想されるだけに、今は一刻も早く屋内への収容を進めるべきだと思うだけに非難をするつもりはありませんがこの議論に関しては私は政府の姿勢を支持します。

 最後に、被災された方々にはこの場において深くお悔やみ申し上げます。

2016年4月15日金曜日

女性の過労死が今、増えているのか?

日本の「過労死」問題が深刻化 女性の過労死が増加(人民網日本語版)

 上記リンク先の記事は先週に人民網こと人民日報日本語版で、自殺問題に関しては一家言ある私が見出しを一読してすぐに興味を持った記事です。内容に関しては元記事を見てもらえばわかる、というより見出しだけでも十分わかるでしょうが近年日本では男性の専売特許と見られていた過労死をする女性が増えていると報じております。ネタ元というか出典はどこなのかと見てみたら記事中に、中国でも最強の右翼系新聞社が運営する環球網というサイトが米CNBCの報道を引用したと書かれてあるのですが、ところがどっこい私がちゃんと調べたらロイター発の記事でした。ってかこいつら全員ちゃんと出典元くらい調べろよな。

Death by overwork on rise among Japan's vulnerable workers(REUTERS)

 上記リンク先がロイターの東京駐在記者が書いた元記事で、割かし読みやすい英文なので興味ある方はぜひチャレンジして読んでみてください。私はこのところ毎日仕事で翻訳してるから読みたくなくて斜め読みしかしてませんが。

 書かれてある内容は基本的に人民網がフォローしており、記事中に出てくる日本人弁護士の名前もそのままで、この弁護士が手掛ける案件なのかどうかまではわかりませんがかつて過労死案件は95%が男性だったものの近年は女性が20%を占めるようになってきたと書かれてあります。もう一つ女性の過労死が増えている根拠として挙げているデータとしては最終段落にある、

「厚生労働省の統計によると、過去4年の間に、29歳以下のグループを見ると、仕事が原因の自殺が45%増え、女性従業員の自殺件数も39%増加した。」

 という記述ですが、取り上げといてなんだけどこのデータはほんまかいなと思う怪しいものです。というのも私がちゃんと調べたら厚生労働省がホームページで公開している自殺統計データは平成15年のしか見当たらず、むしろ内閣府の方が毎年きちんと自殺の統計データを出してます。でもって試しに内閣府の平成27年と平成23年のデータを見比べてみたところ、20~29歳の女性で自殺原因が「勤務問題」に分類されている自殺者数を見たら平成23年が95人だったのに対し平成27年はなんと75人と20人も減ってますっておい、4年で45%増えたんじゃねぇのか!?
 という具合で、記事中で引用しているデータの根拠は確認できませんでした。このデータ自体はロイターの元記事にも書かれていますが、ただ単に私が元データを見つけられないのか、それとも引用した連中は誰も元データを確認しようとしなかったのかいろいろ疑問を覚えます。自殺統計データの発行元が厚生労働省ではなく内閣府である点を考慮すると後者である可能性が高いのではと思いますが、いい加減なことばっかやってないでちゃんと仕事しろよと関係したライター共には言いたいです。なんで関係ない私がいちいち検証しなくちゃならないんだろう……。

 ただこうしてデータを検証しておきながらですが、あくまで印象論である前提で述べると日本で女性の過労死は増えているのではないかと内心思います。そう思う理由としてはいくつかあり、

1、女性の社会進出はかつてより確実に増えている
2、女性に限らず男性でも鬱になる人が増えていると聞いている
3、日本人が鬱になる理由はほとんど仕事絡み、わずかに介護絡み
4、未婚女性が増えている
5、このところ「女性の貧困」に関する特集記事をやけに見る

 一つ一つはともかく上記五つの理由はどれも連関しており、総合的に考慮するならこれでも女性の過労死が増えないってのは有り得ないのではと思うくらいの連荘ぶりです。またただでさえ世帯収入がどんどん下がっている中、未婚女性が少ない収入でやりくりするのも理解できない話ではなく、でもって無理して働いて過労状態になるのも自然な成り行きかなと思うわけです。にもかかわらず何故自殺カウントデータは減っているのかですが、統計上できちんと自殺が認知反映されているかでやや議論の余地があり、また自殺未遂とかも含めるといろいろ変わってくるんじゃないかと思います。あくまで印象論の話として。

 でもって一番最初に引用した記事を見た時に私が思い出したのが、ワタミの女性従業員過労死自殺事件です。事件自体はワタミならよくあることかもしれませんしこれが女性ではなく男性だったら大きく報じられることもなかったでしょうが、女性であっても容赦なくブラックな労働を押しつける社会になったということを象徴するような事件だったと今更ながら思います。それだけに、余所でもこういうの起こってそうだし、女性の過労死が増えてると聞いてもそうかもねと思ったわけです。

 既に大分詰め込み過ぎな気がしますが最後にもう一言述べると、大本のロイター記事をみると冒頭で「death from overwork」とともに「karoshi」という単語が書かれてあるのにやれやれという気持ちにさせられました。意味分かる人はもう読み飛ばしても構いませんが、欧米人の感覚からすると「死ぬまで働くなんて奴隷でもないのになんで?」という印象を持たれているのかもしれず、そんな概念が初めから存在しないからこそ「過労死(Karoshi)」という日本語の単語がそのまま使われたのでしょう。
 この辺の感覚は日本人か韓国人にしか案外理解されないかもしれず、逆に欧米人とか中国人からしたら死ぬような仕事を辞めようともせず続けるのはクレイジーだと思われるでしょう。一般的な日本人の感覚からぶっ飛んでしまった私からしても同じように……と言いたいところですが、さすがに日本出身なだけあって死んでも仕事にしがみつこうとする日本人の感覚は理解できてるつもりです。

  おまけ
 名古屋に左遷されたうちの親父は私が子供だった頃、文字通り朝から晩までずっと働きづくめだったのでお袋から、「過労死した時の証拠になるから勤務した時間を毎日メモっておいて」と言われてました。当時は何とも思わなかったけど、今思うと随分と血も涙もないことを言われてた気がする。

  おまけ2
 本当はこの記事は昨日に書く予定でしたが、昨日朝起きたら全身が痛い上に気だるく、吐き気を催すほど体調悪くて断念しました。一昨日までは元気に動き回ってたのに一体何故こうなったのか全く分からなかったものの一応きちんと出社して定時まで働きましたが、同僚からはこのところ残業が増えていることから、「過労では?」と心配されました。なんで過労死に関する記事書こうとしていた矢先に過労疑われてるんだろうと、不思議な気持ちを抱えたまま昨夜は夜8時に布団に入りました。でもって夜中12時に目が覚めるし。

2016年4月11日月曜日

美しくも貧しきハリウッド女優

 今日もぶっちゃけ疲労困憊というかもう頭が何も考えられない状態なのですぐ流せる映画ネタで済ませます。でも案外、こういう手を抜いた記事ほどアクセスよかったりするから世の中よくわからない。

キーラ・ナイトレイ(Wikipedia)

 キーラ・ナイトレイと聞いてすぐパッと出てくる人は少ないかもしれませんが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」でヒロイン役を演じた女優と言えば「アッー、あの人」と思いだすかもしれません。それ以外に日本で有名な役どころと言えば「スターウォーズ エピソード1」でナタリー・ポートマン演じるアミダラ女王の影武者役を小さい頃に演じており、それが縁でナタリーとは現在も仲いいと聞きます。
 キーラは「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒット以降もその演技力が評論家からも高く評価され現在に至ってはハリウッドを代表する高額ギャラ女優の一人に挙げられています。特にややゴシックさを感じる容貌は幼少時からも賞賛されており、あちこちの企業からイメージキャラクターにも採用されており、「最も美しいピープルランキング」でも先程のナタリーと一緒にランキングの常連として名を馳せています。

 そんな一見すると向かうところ敵なしな感じするキーラですが、変な意味でも有名というか、あまりの貧乳ぶりで有名です。ウィキペディアにも詳しく書いておりますが十代の頃のブラジャーを今でも使っている(ってか早く捨てろよ)そうですし、また全く胸がないから「拒食症なのでは?」と定期的に噂されたりして、その度にいちいち否定もしています。にしても胸がないから拒食症に間違われるというのもまた酷な話である気がします。
 おまけにシャネルの広告に出ることとなった際はスポンサー側から、「CGで胸盛っていい?」と持ちかけられ、「勝手にしやがれこの野郎!(#;Д;)」と答えたかどうかは定かではありませんが了承はしたそうです。

 それほど貧乳にまつわる数多くのエピソードがあるくせに何故かこの人、レセプションとかではやたら露出の多い服装をすることが多く、2012年時における私の中でのこの人のあだ名は「不必要にエロいねーちゃん」でした。最近は貧乳の方が印象に残ってるので、「まな板大名」と勝手に名づけています。

2016年4月9日土曜日

五輪エンブレム候補に対する感想

五輪エンブレム仕切り直しの最終4候補発表 1作は「敗者復活」(スポニチアネックス)

 前代未聞のパクリ騒動から約半年、2020年東京五輪エンブレムの最終候補四作が一般向けに公開されました。あんまりほかのサイトとかでこれらの候補への感想を見ないので、もといとっとと今日の記事まとめておきたいので私個人の感想を試しに乗っけてみようかと思います。

 結論から言うと、もっとマシな候補はなかったのか、という一言に尽きます。(個人の感想です)

 一つ一つコメントしていくとまず左上、一見してクリスマスのオーナメントかいなと見間違えました。色使いもそれほど工夫を感じないし、日本らしさも東京らしさも、それどころかオリンピックらしさすらも全く感じられません。右の奴なんか一瞬、「闘牛?」とも思ったし。

 次に左下のモデルについては、「なにこのエグザイル?」でした。古い言葉でいうならマトリックス的な。真面目な話に切り替えると五輪エンブレムにしてはやや複雑すぎるデザインに感じられ、もう少しシンプルなものを選択すべきであるような気がします。もっともそれ以上に、左上同様に日本らしさも東京らしさもないのですが、オリンピックらしさは一応色使いでカバーはされてるものの。

 右上のデザインはシンプルな点はまだいいものの、実は一番この候補の中で「まずいんじゃないの?」と思った候補です。具体的に何がまずいのかというと左のエンブレムが「白抜き赤丸」という点で、考えすぎかもしれませんがまるで日本国旗から中身をくりぬいたかのようなデザインに一瞬見えました。女子高生風に言うと、なんていうか「国家安康」的な、家康マジ激おこぷんぷん丸だよ。
 むしろ逆に、白抜きをやめて国旗と同じく背景白の赤丸にして、右上の円周部のみ今のデザイン同様に複数の色でウェーブをつけていたら大満足で文句なしのデザインでした。こういう修正にするのなら諸手を上げて賛成なのですが。

 最後右下。好き勝手に言うと、「なめとんか?」って思いました。左側は一見して朝顔にしか見えず、なんで桜や菊を差し置いて朝顔を日本の東京五輪に使おうとしたのか、でもって何故こんなのが最終候補に残るんだと一見してたくさんの疑問が浮き出てきました。なお東京都のシンボル花はソメイヨシノです。
 この右下に関しては右側のデザインも疑問で、これも一見してサッカーボールにしか見えず、ワールドカップとかと勘違いしたのかと疑いました。両方とも何故こんなものをオリンピックに、しかも日本のイベントに使おうとするのか、もしかしたら右側のサッカーボールは毬をイメージしたのかもしれませんけど、根本から日本らしさを叩き落としたかのようなデザインに思えてなりません。二度目ですが、何故これが候補に残ったんだろう。

 四つともに言えることとして一見して、「あ、日本だ」と思うような日本らしさの要素が致命的なまでに欠けているような気がしてなりません。右上のデザインはテコ入れすればグッとよくなる要素があるのと、白抜きとはいえ赤い円であるため日本とイメージしやすいこともあってこの中では一番いいと思います。
 にしたって、もっといい候補とかもあると思うんですけどね。別にこれだけに限るわけじゃないけど、日本のデザイン業界とかほんと大丈夫なの?

栃木女児殺害事件の第一審判決について

小1女児殺害で無期懲役=自白信用性を認定―「身勝手で残虐」・宇都宮地裁(時事通信)

 本日、かねてからこのブログで取り上げていた栃木県の小1女児殺害事件の第一審裁判において本日判決が下り、被告の男性に無期懲役刑が言い渡されました。私自身は以前に書いた記事でも述べたようにこの被告の方は冤罪である可能性が高いと見ておりその理由についても既述しておりますが、矛盾しかなく整合性のかけらもない自白調書が先に証拠として採用された段階でこの判決はあらかじめ読めてはいました。とはいえ、何とか無罪判決が下りてくれないものかと願っていただけにこの結果に関しては非常に残念極まりなくニュースを見た瞬間に気分も大きく落ち込みました。

 何故この事件が冤罪だと考えるのかという理由については過去の記事でも散々に述べていますが、一番大きな理由としては実際に遺体を検死した法医学者が自白内容と死体状況が一致しないと述べていること、二番目としてはこの事件を捜査したのがかつて足利事件を生んだ悪名高き栃木県警であることからです。まぁ足利事件以上に私の中では栃木リンチ殺害事件の方が大きいけど。
 ただ私以外にもこの事件を冤罪と疑う人間は少なくないように思え、このところこのブログのアクセスも派遣マージン率と並んでこの事件に関連した記事も急激に増えてきております。同じように考える人間が少なからずいてくれてほっとする一方、今回の判決を報じるニュース記事に付けられたコメントを見ると大半の方が被告が犯人であると信じて疑わず、「何故真実を語らない」とか「どうして死刑にならない」などと言うコメントがずらっと並んでおり、世論的にはまだまだ私はマイノリティに属しているのでしょう。

 そのようなコメントの中で少し目を引いたものとして、「犯人じゃないというのならなんで自白した。やましいことがないなら自白なんてするわけない」といった類のコメントが数件見受けられました。本来反論すべき立場でないことは重々承知ですが、はっきり言えばこの認識は大きく間違っているだろうし世の中舐めた発言じゃないかと思わざるを得ません。というのも、警察に逮捕され留置所、次いで拘置所に送られた場合の精神的圧迫というものは非常に大きいと体験者は皆口を揃えて話しており、最後まで抵抗し続けた人たちですら「嘘でもいいから自白して早く楽になりたい」という考えが何度もよぎったと後に述べています。

 具体的にどのようにキツイのかというと外界の自由を奪われた上に近親者との交信も制限され、その上狭い部屋に朝から晩まで監禁され自白するまで延々と怒鳴られる、嫌味を言われる、肩とか腕を掴まれ思い切り揺さぶられるというのも話を聞いてる限りだとそんな珍しくない気がします。大阪府警なんかは取り調べ中の怒声が過去に録音されていますがあんなの聞いたら震え上がらない人間の方が珍しいと感じるくらいですし、ましてやこの被告は二年くらい拘留されており、精神が萎えるというのもごく自然だし正気を保つことも難しかったのではないかと思います。

 そもそも栃木県警では過去の足利事件で犯人とされた菅谷さんを取り調べ中に散々脅したり、実際に暴行を加えたことも証言されています。結局それらの拷問に屈する形で菅谷さんもしてもいない殺人を警察に言われた通りに自白することとなりましたが、この菅谷さんを迂闊だと責められる人がいるというのなら一回同じ目にあってみたらどうかと言ってやりたいです。まぁ自分も成人してからはサツにパクられた事がないので取り調べ体験はないのですが。
 こうした警察、検察の取り調べ過程についてはやはり体験者の話を聞くのが一番で、中でも一番おすすめなのは「国家の罠」を上辞した佐藤優氏です。モスクワでマフィアとそう変わらない海千山千の政治家や官僚とハードな交渉をしたり、軍隊に囲まれたリトアニア政庁に乗り込んで和解に奔走した元外交官の佐藤氏(ついでにかなり強面の悪人ヅラ)ですら、取り調べ中には何度も拘禁症状が出て涙を流したり、精神的にかなり追いつめられたという経験が先の本の中で赤裸々に書かれています。この佐藤氏ですら、自らにかけられた根も葉もない容疑を最後まで認めず屈しなかったものの、あれほどまで追い詰められるのだから自分などは同じ状況で耐えられる自信はとてもありません。
 同じく無実の罪で投獄され、さらには証拠まで偽装された厚生労働省の村木厚子氏も最後まで屈することなく裁判で無罪を勝ち取りましたが、真面目に佐藤氏と村木氏のタフさには頭が下がります。本当にすごい官僚というのは物凄くタフなんでしょう。

 少し話が脱線しましたが、どう考えてもこの事件には女の子を殺した真犯人がまだ野放しになっているようにしか思えず、栃木県警のサボタージュのために無辜の市民の人生が弄ばれるという事実は正直癇に障ります。被告とその弁護団は控訴する方針とのことですが、二審で無罪を獲得することを切に願います。

  おまけ
 「国家の罠」の中に書かれた佐藤氏と検事のやり取りの中で、佐藤氏が鈴木宗男氏からお金を受け取っていたとみた検事が佐藤氏の預金を調べたところ300万円あるのを見て、「きっとこの金こそムネオ資金だ」と最初は考えたそうです。しかし他の外務省職員の預金も調べてみたらみんな数千万、下手したら数億円単位で大量に預金を持っており、

検事「あんた一体なんでこれしか預金持ってないんだ。外務省職員は半端なく給料いいんだからもっとあったっていいだろう(;´Д`)」
佐藤氏「馬鹿にするなよ、300万円だって立派な預金じゃないか!(# ゚Д゚)」

 という妙なやり取りがあったそうです。ちなみになんで佐藤氏の預金が少なかったのかというと、仕事で使うお金の大部分を自己負担しており、記者や商社員、外国政府職員などから情報を得ていたためだそうです。他の人だったらもしかして嘘じゃないかなと思ったかもしれませんが、この人に関してはとてもそんな疑念は全く浮かびません。

2016年4月8日金曜日

今日気になった中国のニュース

 最近パソコンを見ていてやけに目が疲れるのですが、まず第一に昼間の勤務でずーっとモニタ見てることが原因でしょうがそれともう一つ、ニトリで買った折り畳みデスクの高さが悪いのかも名と最近思えてきました。やけに左右にグラグラ揺れるし、高さもちょっと低いような気がするので、また今度どっかで手ごろなデスク買ってこようかな、このところお金使い過ぎで良くないのですが。
 お金と言えばさっき新しい革靴を240元(約4000円)で買ってきました。というのも、これまで履いていた革靴が靴底との接触部分が破れて雨降るとヤバいくらい浸水してきたからです。

 話は本題に入りますが、記者職を離れて以降は中国のニュースをあんまり見なくなっていたのですがさすがにそれはまずいかなと思い始め、まずは手軽にと人民日報日本語版のニュースをこのところチェックするようにしています。するとなかなか面白いニュースが見られるというか、どうして日本で報じていないんだろうと思うニュースがいくつか見つかり、もう今日もあんまりブログ記事書いていたくないからてっとり早くそんなニュースの紹介で済ませようかと思います。

アリババ、世界最大の小売企業に(人民日報日本語版)

 このニュースは全然知らなかったのですが、どうして日系メディアは報じていないのかが逆に不思議です。小売企業の売上高でアリババが世界一になったという点も注目に値しますが、それ以上にウォルマートやカルフールなど、よく陰謀論で黒幕扱いされるこれらの企業が最近はすっかりフェードアウトしたというかかつてほどの影響力を発揮しなくなってきたという点の方が私にとっては気になります。昔にも記事書いていますが小売りというのは案外文化の影響が非常に大きく、中国とか日本に店舗を置いても米国やフランスみたいには上手くいかなかったというのがここ20年くらいの小売世界大手の結果だったと見ています。
 ついでに書くと、日本の小売大手でも今日動きがありました。社長解任決議の否決とやっぱ関係あるのだろうか。

ロボット僧が人気者に、簡単な受け答えも可能 北京(人民日報日本語版)

 だからなんだと言われればそれまでのニュースですが、この記事で取り上げられている受け答えロボットの概観が中国にしては大分かわいくなったというのが私の中でヒットしました。かつての中国では、恐らく子供受けを狙っているんだろうと思われるものの全然かわいくない、っていうかむしろキモいキャラクターがたくさん氾濫していたのですが、昨今はデザインセンスも目に見えて向上してそこそこ見られるキャラクターを作るようになってきました。このロボットもそういう点で上達が見られ、日本も侮ってばかりじゃダメだななんて中国のポップカルチャー分野の成長を感じさせられます。

 あとこれはニュースソースがないこと自体がニュースなのですが、例のパナマ文書問題について中国の検索エンジン大手の百度で「巴拿马文件(パナマ文書)」と検索かけたら、見事に何も表示されないという面白い事態が現在進行形で起こっています。ただ「巴拿马文」だったら検索できるのでこんな検閲していて一体何の意味があるんだろうかと少し思えるのですが、それだけ中国政府も癇に障ったというか何か一発嫌がらせみたいなことをしなくちゃと焦っている証左ではないかと思えます。

“鉄パイプ”とカマで…襲撃相次ぐ 茨城(NNN)

 最後にこれは日本のテレビニュースですが、一体茨城で今何が起こっているんだと唖然とさせられました。っていうか鉄パイプと鎌で問答無用に襲ってくるなんて危険すぎるだろ茨城。

2016年4月6日水曜日

中国史におけるミスター転職

 日本で多くの主の間を渡り歩いた人物とくれば藤堂高虎が有名で、彼が主にした主だった人物を上げても浅井長政、羽柴秀長、豊臣秀吉、徳川家康など、戦国時代全体を通してもこれだけビッグネームな人物たちの下にいたのは他にはいません。本人も、「武士は七度は主を替えねば武士とは呼べぬ」と豪語しており、自らの転職歴を忠義心のない行為だとは考えずむしろ誇るように話してたそうです。
 彼ほど転職を繰り返して成功した歴史人物は恐らく日本において他にはいないでしょうが、海を渡った中国には確実に彼を上回る、みていて何や年と思う人物が一人いるので今日はその人を紹介しようと思います。

馮道(Wikipedia)

 馮道(ふうどう)とは中国の唐王朝が滅んだ後の五代十国と呼ばれる、具体的には10世紀頃に活躍した人物です。彼のいた五代十国時代は長く中国を治めてきた唐王朝が滅んだことによって中原に異民族が多数侵入したことによって混乱が起き、軍閥が各地を支配するようにもなり、新たな王朝が生まれては消え消えては生まれを繰り返して最終的には五つの王朝と、その王朝に組み込まれない十ヶ国が誕生したことをもじって五代十国と言い表すようになりました。

 馮道は当初、北方に興った燕の国で文官をしていましたが外交戦略で主君を諌めたところ幽閉されます。しかしその後で燕を滅ぼして後に「後唐」という王朝を作る将軍に評価されたことによって幕臣に迎えられますが、その将軍が殺された後はその身内に付き、その身内も死んだあとは一旦は左遷されます。
 その後、後唐が滅んで後晋という王朝が起こり、新皇帝は左遷されていた馮道を宰相に抜擢して外交を任せられますがその皇帝が死去するや再び左遷されます。しかし使者として訪れた異民族王朝の「遼」の皇帝が後晋を滅ぼすと馮道は再び召し出され、またも宰相に任命されます。

 しかしその遼も中原を長く支配することが出来ずに北方へと帰還することとなり、その過程で馮道を抜擢した皇帝が死去したため馮道は再び中原へと戻ります。中原ではまた新たな王朝の「後漢」が興っておりそこでまたまた馮道は召し出されて宰相に任じられますが、この後漢も反乱軍にやられて敢え無く滅亡し、今度は「後周」という王朝が興り、そこでもまたまたまた馮道は採用されて、その後死去するまで仕え続けました。

 馮道の最終的な経歴は「五朝八姓十一君」になると言われ、これは「五つの王朝、八つの一族、十一の主君」に仕えたという意味なのですが、一つや二つでも大変なのにこれだけ多く、しかもその大半を宰相という事実上の最高職で勤め上げたのですから彼以上の転職上手はまずこの世にいないでしょう。
 この馮道の波乱万丈な人生については古来より盛んに議論されており、忠義心のない人間だ批判する者もあれば、時代を考慮すると批判はできずむしろその才能を如何なく発揮したとかばう者もおり、彼は国や皇帝に仕えたのではなく中華圏の文化やその人民に仕えたと評価する人もいます。

 私の彼への評価は言うまでもなく三番目の考え方で、実際に遼の皇帝が中原に侵入してきた際は漢人を悉く虐殺しようとしたところを必死で諌めて止めており、国破れて山河ありを実践したと思う人物です。私自身も転職が多いというか日本人の感覚からしたらかなりイカれた人生を送っていますが、これは私自身が望んだというよりそういう渦に巻き込まれたと思う節があるだけに、この馮道はその渦を見事にさばき切ったんだなぁと見ていてしみじみ思うわけです。

先週末の三日間

 知ってる人には早いですが先週末の三日間は日本に一時帰国していてこのブログの更新もさっぱりできませんでした。一応、ノートパソコンを持ってきてはいたのですが、一度も空けることなく道中のバラスト(重り)にしかなりませんでした。では具体的にこの三日間は何してたのか記録がてら少し書き残しておきます。

  四月二日
 朝10時発のデルタ航空のフライトに乗るため朝5時半に家を出発し、上海の空港に7時に到着。二時間前に着けばいいのだからもっと遅くてもよかったものの、久々なので空港前の時間が読めずに早く着いてしまった。そのまま飛行機で飛び立ち、日本時間の午後2時頃に成田到着。そのままマッドシティ(松戸)の潜伏地へ移動するが、荷物の受け取りに時間がかかったことと、目の前で成田エクスプレスに乗りそびれたこともあって到着した頃には夕方の4時を過ぎていた。

 その後、左遷先の名古屋から千葉に戻っていた親父と合流して喫茶店で時間を潰し、地元の友人とも合流して焼肉屋で晩御飯を食べつつテスラ・モーターズについて談義する。親父がテスラ・モーターズのディーラーでモデルSを試乗してきたとやたら自慢して来たが乗った感じや性能については私も友人も興味があったので黙って話しを聞いていた。
 夕食後はそれぞれ分かれ、私は潜伏地で親父から借りたWIFI無線ルーターでPSVitaにひたすらゲームを購入してダウンロードする。なお今回ダウンロードしたゲームは以下の通り。

・戦国無双4
・サガフロンティア1、2
・グラビティデイズ

 この前リメイクが出たばかりのロマンシングサガ2も買おうか悩んだものの、子供の頃に散々遊び倒しているゲームということもあり自重した。またダウンロード中、部屋の片づけなどを続けたため、就寝した頃には既に深夜2時を回っていた。
 そもそも今回の帰国目的はこのマッドシティ潜伏地となっている部屋を解約するため。また現地採用になったし今後も生活や活動の基盤が上海になることがこの部屋は不要と考えたためで、あらかじめ友人があらかた片づけてくれていたこともあってそれほど作業は重くなかったものの、それでも整理する荷物はそこそこあった。

 そんなかんだで疲れてすぐ寝れるだろうと思ったものの、既に部屋からは布団も運び出されていたため、親父が持ってきた寝袋に入って寝ようとするも、どう見てもその寝袋は真夏のキャンプに使うようなうっすうすの寝袋で、入っても全然暖かくなく、ってかその部屋の室温は明らかに外気温よりも低いと思えるほど寒くて結局ほとんど寝られなかった。寝たというより1、2時間を気を失っていただけだった気がする。


  四月三日
 ほとんど眠れなかったままとりあえず起きて軽く身支度を整える。年寄りなので起きるのがやけに早くなった親父が8時半にやってきたので合流し、一緒に朝食を食べた後で部屋の荷物を運び出す。幸い、午前中にほぼすべて運び終えて親父と別れた後、地元の友人と共に不動産屋に行き、またすぐ上海に行くから退去を始めとする解約手続きを友人に一任すると告げて出る。
 なお後日、友人が不動産屋から言われた内容としては、退去は二ヶ月前の通知が必要ということで賃貸契約は6月まで続くのと、清掃料としてピッタリ敷金と同じ金額を請求されたとのこと。清掃料が敷金と同額っていうことは初めから返すつもりがなかったということにしか思えず、第一清掃だけで4万円以上も取られるわけない上に、裁判でもこうした敷金搾取は認められないと判例で出ていることもあるだけに色々と腹立つ。
 死ね、アパマンショップ。こんな連中だと知ってたら初めから使わなかったよクソが。

 ファッキンなアパマンショップを出た後は友人と一緒に部屋に残っていた古本やゲームを売って、3950円をGET。なお売った本の中で意外に高額だったのは「ユダヤ人の頭の中」という本で500円で買い取ってもらえたのだが、この本はその場にいた友人が譲ってくれたもので友人曰く、「つまらない内容ではなかったが、ユダヤ人っていうよりお前の頭の中だろって読んでて思った」とのこと。
 この3950円を持ってそのままファミレスのガストを訪れ、友人と一緒にやや遅い昼食。この際友人が前夜の親父を交えた会食について、「なんでこの人たち(私と親父)は突然軍艦とか戦闘機の話をするんだろうと思った」ということをカミングアウトする。実際、旧日本軍で最強の戦闘機である紫電改は川西航空機が作り、その川西航空機は今の新明和工業だとか突然話し出して親父と盛り上がってた。

 昼食を終えて友人と別れた後は散髪屋に行き髪を切る。かなり伸びてたから切ってすっきりするとともに頭部に感じる重力が明らかに減ったと思った際、「無重力の宇宙に行くとカツラって浮くのかな?」とまた変なことを想像する。その後、マッドシティを訪れる際には必ず立ち寄るカレー屋に寄って元ラリーストのマスターと歓談。半年ぶりだがお互いに、「そんなに長くあってない気がしない」という点で一致した。

 カレーを食べ終え、昨夜の反省からこの日の晩はネットカフェで夜を明かそうとこれまたいつも訪れているネットカフェへ行き、ナイトパックで入店する。チェック対象である漫画をあらかた読もうとして乗り込んだがこの時点で大分疲れてたのもあってややペースが遅く、読めた漫画はざっとこんなもんだった。

・キングダム
・彼岸島
・ナポレオン

 これらを読んでそろそろ寝ようかなと思ったところ、前からちょっと興味あった「ヒナまつり」という漫画を一巻だけ読もうと手に取った所、これが失敗だった。読んでみたところ非常に面白く、続けざまに4巻まで読んでしまって気が付いたら夜中の二時を回っていた。さすがにヤバいと思ってまだ続きがあったものの我慢して就寝に入るが、ネットカフェで寝るのは何度かしてるがなんかあんまりよく眠れなかった。ちなみに3時半ごろに近くの席で携帯電話が鳴り、所有者はすぐに電話を消したものの隣の席の奴に壁ドンされてた。まぁこれは叩かれても仕方ないね。

  四月四日
 余り寝付けないまま朝六時半にネットカフェを出て一旦潜伏地へ帰還。正直全然寝足りないのでもう少し部屋で寝ようとするものの室内にはもはや段ボールしかないので、段ボールを床に敷いてコート被って寝ようとするもあんま寝られず、むしろ姿勢悪くて段々頭も痛くなってきた。ついでに言うと寒さに極端に強い私でも寒かった。野宿した時もそうだったが、いつもこうやって寝ているホームレスの方々には強い尊敬の念を覚える。
 午前10時前に大量の荷物と共に部屋を出て銀行へ向かう。なんでかというとネット送金に当たってこれからワンタイムパスワードが要求されるようになるが海外在住なのでこの要求なしでも送金できるよう手続きをするためで、今回の帰国の目的の一つでもありました。

 銀行行って用件を伝えるものの、かなり頭がボーっとしてたためあまりうまく説明できずやや時間を食う。何とか相手に伝わって、窓口の行員もすぐイントラネットで対応方法を調べた後で海外在住者手続きを取ってもらうことになった。しかしその際、「印鑑は?」と問われて、「海外じゃ、印鑑なんて押さへんもん……」といい返して持っていないことを伝える。そしたら銀行カードの暗証番号で本人確認を済ませてくれて、「最近、銀行も印鑑なしの確認ができるよう対策取ってます」となんかどや顔で教えてくれた。
 手続申請用紙をもらって記入を始めるものの、やはり頭が回らずやたら書き間違える。ついでに白状すると海外の住所欄にはメモした手帳を忘れたため、上海市の適当な住所を書いてそのまま出してしまった。こんな感じだったものの手続きは無事完了して、そのまま成田空港へ出発する。

 成田空港には午後1時半ごろに到着し、チェックインを済ませると昼食に冷やしたぬきうどんを食べるが、頭痛くてあんまり味がわからなかった。その後、空港内の本屋で在庫管理の本とカー雑誌を購入して搭乗口で待っていると、予想通りに大量の中国人観光客がどんどんと搭乗口に集まってきた。離陸時間が近づいてきて搭乗口が開いたところ、座席が指定されていないお客からとアテンダントが呼びかけたところ私も当てはまってたので行ってみたところ、「本日、オーバーブッキングなのでビジネスクラスに座っていただきます」と言われ、そのままビジネスクラスにランクアップした。何気に成人になってビジネスクラスに座るの初めてだったりする。

 指定されたビジネスクラスの座席は最前列の席で、非常に幅の広い席だった。ただ座席の良さを感じる間もなくあまりの疲れ+頭痛からメガネを脇の小テーブルに置いてそのまま死んだように寝はじめる。離陸時のGを夢現の中で感じつつ、空飛んでしばらくたってから目を覚ました所、脇に置いたメガネが無くなっていた。恐らく飛び立つときの振動やGでどこかに落ちたのだと思い真っ暗な機内でメガネなしの状態で「どこやねん」と言いながら必死で探すもなかなか見つからず、「何がビジネスクラスだよ、ファック」とリアルにつぶやきつつあちこちをまさぐる。何気に近くにいるアメリカ人がファックという言葉に反応するかなと周囲をうかがっていた辺りは自分も食えない奴だと思う。
 幸い、座席のサイドポケット奥にメガネが落ちていたのを発見してホっと一安心。メガネが戻ってきたので機内食を食べ終えるとついでに映画を見ようと液晶パネルを弄り、ちょうど前から見たかった「マッドマックス」があったのでそれを選択する。

 結論から言うと「マッドマックス」は前評判通りにクレイジーかつ最高に面白かった。元々、シャーリーズ・セロンが出演しているという時点で見たい映画であったが、相変わらずセロンは「あんた誰?」って思うくらいほかのキャラやプライベートの姿とは似ても似つかない演技っぷりを見せつけていてさすがだった。私の中でセロンはナタリー・ポートマンと並ぶハリウッドのヤバイ級美人(ついでにモデル出身なだけあって無駄にデカい)だが、この映画の中だとゴリラも逃げ出すようなワイルドさたっぷりのごつい女っぷりで未だその役者魂が健在であることが確認できる。

 その後上海の空港に到着して、イミグレ通って、リニア+地下鉄乗って自宅に着いたのは午後9時を過ぎていた。タクシーも検討したが、リニアと地下鉄乗って帰るのとあんまり時間に差が無かったのでやっぱり乗らずに正解だったと思う。
 疲れてるし頭痛いしだったが荷物を開いて整理して、痛い頭を必死で抱えながらネットの更新情報などをチェックした上でパズドラを遊ぶ。大体十二時半を回ったあたりで就寝し、実に三日ぶりにちゃんとしたふとんで寝ることが出来て妙な幸福感を覚えた。実際、昔に野宿した後に初めてふとん入った時はその暖かさと柔らかさに涙を流したことがあったりする。

  四月五日
 ざっとこんな三日間を過ごした上で本日に至ります。ちゃんと昼間は仕事して、雑務を片づけてブログを書いていますが、正直なところを言うと早く買ってきたゲームしたいなって気がします。さすがにまだ一度もやってませんが。
 でもって先程、気になってたから「ヒナまつり」の5巻を電子書籍で購入。ちょっとお金使い過ぎかなと思うので、今週は自炊したりして節制する必要がでてきました。それにしても、自分の日記ながら下手な記事より面白いなと我ながら思ったりします。

2016年4月1日金曜日

雄琴に訪れる中国人


 ネットで「手乗り 猫」と検索したら何故か上記の画像が引っかかりました。手乗りは手乗りだけど、むしろこれってキーボード叩く音がイラつくから叩くの止めようとして乗ってるようにしか見えない。

 話は本題に入りますが職場の中国人女性スタッフが何でも、今度友達数人と共に日本旅行を計画しているそうです。なもんだからよく周囲の中国語が上手な日本人女性スタッフにあれこれ観光地とかお土産を聞きまわっているのですがよくよく話を聞いてみると、一緒に行く男性メンバーの希望で滋賀県の雄琴にも行く予定だそうです。

雄琴温泉(Wikipedia)

 わかる人には言うまでもないですが、雄琴というのは古い言葉(昭和言葉)で「トルコ風呂」、現代用語で「特殊浴場」、流行り言葉で「ソープランド」で有名な場所です。元々は由緒ある温泉街であったのですが京都や大阪で風俗店の取り締まりが厳しくなるにつ入れて滋賀県へ業者が移動し、その中のある経営者がソープランドを日本で初めてオープンさせたところ大ヒットして雄琴の代名詞とまでなってしまいました。
 なお佐野眞一氏がそのソープランドを始めた経営者へのインタビュー記事を書いておりますが、本人もこういう仕事が大好きなのかめちゃくちゃノリノリで書いてました。

 話は戻りますがその雄琴になんでまた中国人が行くのか。多分その女性スタッフは何も知らずに「温泉で有名な所だよ」と男性メンバーに言われて連れてかれようとしてるのでしょうが、そもそもなんで中国人が雄琴を知っているのか、この辺りが地味に驚きました。同じ日本人でも関東人とか雄琴がどんな場所だって知らない人も珍しくないというのに。
 恐らくですが、なんか日本の性風俗関連の情報を探っていくうちに知ったのではないかと思います。でもそれにしたって歌舞伎町とかミナミとかススキノなどもっと有名な所があるというのに、わざわざ雄琴を選んでくるっていうのも、中国人の情報網は侮れないものです。

 ただこの話を聞いて私も思うところがあり、というのもこの手の性風俗系コンテンツというのは客、それも外国人を呼び込む上では半端なく強力なツールであるということを再確認させられました。それこそただの「おもてなし」が火縄銃なら「性的おもてなし」はビームライフルだと言っていいくらいその威力は半端なく、広報の仕方によってはどんなさびれた場所であっても一気に観光客を誘致できる可能性があるのかもという風に思えてきました。
 などともてはやす一方で、この「性的おもてなし」は「諸刃の剣」であるということもしっかり踏まえる必要があります。現実に雄琴は由緒ある温泉街でありましたがソープランドが出来て以降はピンクなイメージが付きまとって老舗の温泉旅館も非常に苦しい立場に置かれた時期があり、そのイメージを払拭するため多方面で努力をされてきたそうです。このように性風俗を誘致ツールにしてしまうと後戻りがしづらくなる上、街全体にみだらなイメージが付きまとうこととなって地元住民、果てには周辺地域まで悪影響が及ぼす可能性があります。

 ではどうすればいいのか。やはりこの辺は棲み分けというか戦前の赤線地帯みたいにそういう場所とそうでない場所をしっかり区切った上で、そういうの目当ての外国人観光客もしっかり取り込んでいくというのが一番ベストな気がします。俗な話ですがこのまま日本にまともな産業が伸びなければこういう方面にも手を出さざるを得なくなる事態も考えられ、ジブリの宮崎駿氏なんか「千と千尋の神隠し」で暗にそういうテーマを持たせていたとも語っていることからもあながちない話じゃないと私も思います。
 もちろん自分は加担するつもりはないしこっち方面のノウハウなり知識がないので関わることはないでしょうが、こういう方面の観光案内とか中国語や英語翻訳はこれから需要が出てくると予想しています。それで金が稼げるんだったら産業として成り立つんだったら、誇りだなんだなんて言わずに稼いだ方がいいと考えています。無論、出来るだけ暴力団とかそういうのの介入なく。

2016年3月30日水曜日

上海のメイソウについての感想


名創優品(Wikipedia)

 知ってる人には早いですが、最近日本や中国のあちこちの都市部で名創(メイソウ)というチェーン店が展開し始めています。このメイソウとはどんなお店なのかですが一応は日用雑貨を取り扱っている小売店ではあるものの、誰が言い出したかはわかりませんがその形態については、「ダイソーっぽくてユニクロ風味、それでいて無印良品」という言葉に違わず、日本で著名な小売業者三社が文字通りフュージョンしたかのようなお店の形態をしています。

 実際に私が訪れた上海市水城路の星空広場に入っている上記写真の店舗外観を見てもらえばわかりますが、一見するとダイソーに見間違えそうな外観です。念のためいっておきますが、迷走はダイソーや無印とは一切資本関係がない会社です。しかも名前こそ「メイソウ」って名乗っていますが実態は中国企業で、経営者についてはなんか詳細が明らかになっておらず実態が定かではありません。

 で、このお店には一体どんな商品が置いてあるのかというと、私の見た限りだと化粧品が中心ではあるものの携帯充電器を始めとしたサプライ品、食器、飲料、おもちゃなど、範囲がほぼ限定されておらず幅広いラインナップとなっております。品質面ではどうかというと確かにそこら辺の中国の雑貨店で売られているものよりかはきれいに放送されており、デザイン面でもそれほど悪くありません。価格はさすがに中国の雑貨店よりかは高いものの無印とかで売っている値段からすると極端に差はないかなと思えるほどで、コストパフォーマンスだとそれほど悪くはない気がします。



 で、実際にメイソウで私が買った商品はこの有線マウスです。一目見てビビッときたというかサイズのでかマウスで、上の写真じゃわからないですがホールとコード部分がゴムでできており触り心地も悪くはないです。割とマウスにはこだわりがあるというか比較的指が長い方なので大きめのマウスが好みなだけあり、このマウスは如何にも自分の手に合いそうだと思って買ってみて、実際に使ってて満足してます。ただ自宅ではロジクールの無線キーボードと無線マウスを併用しているため会社に持って行って使ってたら、「なにこれ?」と結構注目されました。ただのマウスひとつで。
 ほかにも緑色した充電ケーブルも買いましたが、割とデザインは自分の感性に合っているというか単色で、なおかつ派手さのないそれこそ無印っぽいデザインなので気に入っています。コンセプトとしては受け入れやすいです。

 特にオチらしいオチもありませんが、如何にも中国らしいパクリにパクッた感じするお店なので興味のある方はご利用ください。

2016年3月29日火曜日

マルクス主義的には、という理由づけ

 先日近くのスーパーに買い物へ訪れた所、何故かチョコレート菓子の「メルティキッス」が中国語パッケージでなおかつ10元(約180円)で売っていたので、「これはマルクス主義的に買うべきだろう」と判断してそのまま購入しました。どうでもいいですが、「ギルティキッス」ってのはないのかな。
 書いててどっちが本題かわからなくなりますがこの時に使った「マルクス主義的には」という言い回しは、実は普段からも理由のない行為や事柄に対して私がしょっちゅう使う言い回しだったりします。具体的には、

「東芝の不正会計ってマルクス主義的にどんなもんかね?」
「巨人の野球賭博はマルクス主義的にいけない行為だと思う」
「マルクス主義的には今日はうどんを食べる気分じゃない」

 などと、先ほどにも書いた通りに理由のない行為や事柄に対して無駄に理由をつける言い回しとして定型句となっております。自分でも一体いつから、でもって何故こんな言い回しをし始めたのか全く分からなかったのですが、先日とあることをきっかけにすべての謎が解けました。真犯人は永田洋子でした。

永田弘子(Wikipedia)

 永田弘子について知っている方はそのまま、知らない方はいったんウィキペディアの記事を読んでから続きを読んでください。
 一体なんでこんな私の言い回しに永田弘子が関係してくるのかというと、彼女がまさに理由のない事柄に対して「共産主義的に正しいから」というセリフとともに無理矢理こじつけて押し切ったことがあり、それを見て「なにゆうてんねん」と思って、理由のない事柄への理由づけに皮肉を込めて敢えて「マルクス主義的には……」なんて言い回しを使い始めたことを思い出しました。

 では具体的に永田弘子はどのような場面で上記の言葉を使ったのかというと、ちょうど山岳ベースで総括リンチで仲間を次々と殺害している最中、赤軍派の森恒夫と一緒に活動資金を受け取るために山を下りて、後から合流した事実婚の旦那である坂口弘氏に対しこう言いました。

「私、森さんのことが好きになっちゃったからあんたと別れて森さんと結婚するわ。これは共産主義的にも正しいことなの

 細部は間違っているかもしれませんが大まかなレベルで上記のようなセリフを言ってのけたのは多数の証言者からもほぼ間違いないと伝えられています。でもってこう言われた坂口氏も、「うん、わかった」と返答した当たり只者ではありません……ってか、内心距離置きたかったのかもしれませんが。

 話は戻りますが、恐らく永田弘子は組織を率いる幹部同士は結婚した方が指導的にも運営的にも都合がよく正しいと言いたかったのかもしれません。もっともそれ言ったら坂口氏もナンバー3なんだから立派な幹部なんですけど。
 しかしまさかマルクスさんも、不倫について正しいか正しくないかまで細かく主張したり指導したりしたわけではないでしょう。もっともマルクスさんも奥さんに内緒で隠し子まで作ってましたがそういう風に考えると共産主義的には「不倫は文化」なのかもしれず、だったら永田弘子の主張も一理あるかも。

 ただ、永田に限らずとも当時の社会主義者や共産主義者は理由のない事柄に対する説明口上としてよく、「マルクス主義的には」、「共産主義的には」という言い回しを多用していたように私は思います。何故なら説明する本人らも理由なく無理矢理押し切るためにこうした文句を知らず知らず使っていた節があり、更に言えば彼らからすればマルクス主義は深奥なる概念であって言葉でやすやすと説明できるほど簡単なものじゃないから、「よくわからないけど正しい」という風に理解……この場合は曲解とすべきかもしれませんが、とにもかくにも概念も理由もわからないままこじつけに使っていたと思えます。

 これは最近知人に教えてもらった内容ですが、概して社会主義者的思想の持ち主は一度作った結論を梃子でも動かさず、その結論に対してどれだけ合理的に疑義を呈したり修正を求めようものなら何が何でもそれを叩き潰し、初期の結論を維持したまま突き進もうとするところがあるとのことで、私もこれには深く同感します。彼らにとっては合理的な説明や状況分析などよりも最初に作った結論を堅持することが重要で、それが正しいか間違っているかは些末な問題とみえます。
 そういう意味では、無意味な理由づけに「マルクス主義的には」とつけるのも、インスピレーション重視って点であながち間違ってないかもしれません。

2016年3月28日月曜日

埼玉少女失踪事件を巡る千葉大の対応

 既に皆さんもニュースを見ているかと思いますが、昨日二年前に行方不明となっていた少女が無事保護され、本日未明には自殺を図った犯人と思われる容疑者も逮捕されました。少女は容疑者の自宅で二年間監禁されていたと見られており、事件内容のおぞましさには驚かされましたが、二年かかったとはいえ少女が無事保護されたことは何よりも幸いだったと思えます。

埼玉失踪少女保護 千葉大、寺内容疑者の卒業取り消しも検討(産経新聞)

 そんな中出てきたのが上のニュースです。報道によると容疑者は千葉大に通っていたらしく、つい先日に卒業して内定していた就職先への初出勤を待つの身だったそうです。今回の事件発覚を受けて出身校の千葉大は会見を行い、その際に卒業したばかりの容疑者に対して処分を検討しており、在学期間中にさかのぼって停学にさせて卒業を取り消す案も考慮しているということを発表しました。この千葉大の対応について私の意見を先に述べると、ちょっと見当外れではないかという気がします。

 仮にこの事件が容疑者の在学中に発覚したのであれば退学や除籍処分が確かに適当だったでしょう。学外の行動とは言え大学という組織に所属する学生であるならばその学生に対して大学当局が処分を決めるのはそれこそ大学の勝手によるもので自校の学生にふさわしくないと判断するなら放校するのもしないのも自由でしょう。
 しかし今回の場合は、いくら在学中にも少女を監禁していたとはいえ発覚したのは卒業後です。OBKTの様に学位取得のために欠かしてはならない条件である論文に不正があったことが後で発覚したのならともかく、単位を取得して出すもんだして卒業した後で犯罪行為がばれるや卒業が取り消されるというのはいくらなんでも大学の勝手が過ぎやしないかと思えてなりません。それこそ、今後大学側が「相応しくない」と判断した人物については卒業した後でも大学の判断で卒業認定が覆るということになりかねず、それはいくらなんでも大学の横暴である気がします。

 大学の学位認定において公平性と中立性が求められるのは言うに及びません。然るにこの件においては耳目を集める事件を起こしたことから過去にさかのぼった停学処分ひいては退学につなげるという措置を検討すること違い、法学で言うなら遡及法を繰り出すかのような手段で、中立とは思えないしこれが通るなら今後悪い使われ方もされてしまう恐れがあると思います。冗談半分で言うならともかく検討までしてしまっているというあたり、ちょっと見下げたなと私個人的に思いました。

 なお私は千葉市の高校に通ってましたが、クラスメートにも千葉市からきている人間が大半だったもののそのほとんどと馬が合わず、そんな彼ら彼女らが地元の国立だとして千葉大を目指そうとする人間が多かったのを見て、「千葉大だけは絶対に行くまい」とマジで早くから決めてました。今回の千葉大の対応見ていると、やっぱり馬が合わないんだなと再確認できました。
 でもって、「京都住んでみたいなぁ。冗談で京都の大学も受けてみるか」と思って一校だけ受験したら受かっちゃって、本当に京都に行くことになるとは高3始まった時点ではとても思ってもいませんでした。

上海にあるトトロ喫茶




 今日は昆山市の日本人会が主催する花見会に参加するため朝早くから昆山に行ってサイクリング部の愉快なメンバーたちと楽しいひと時を過ごしてきました。一番盛り上がった話題は「ゲスの極み乙武」でした。
 帰りはゆったり帰ろうと上海南駅まで行く長距離バスに乗ったのですが、何故かこのバスの中でPSVitaを取り出して「ウォーシップガンナー2」という、軍艦使って海戦をするゲームをやり始めたところ、そんなに車に酔う体質じゃないのにめちゃくちゃ気分悪くなってゲロ吐きそうになりながらふらふらとバスを降りました。冷静に考えると、なんで揺れるバスの中で波に揺れる軍艦操作して61cm魚雷をぶっ放してたんだろと、いつもながら自分の意味の分からない行動ぶりに呆れます。

 なのでかなり気分も悪かったこともあり家に帰る前に少し休憩しようと、上海南駅近くにある去年にも訪れた上の写真の喫茶店へ寄っていきました。見てわかる通りこれ以上ないくらいトトロを前面に打ち出した喫茶店で、看板には「CHICHILLA CAFF」と書いてありますがその横の漢字名は「龍猫珈琲」と書かれてあり、「龍猫」というのは中国での「トトロ」の呼び方であるためモロです。確認したわけじゃないけどあっち方面の許可とか取ってないんじゃないかな。



 お店の中も大体こんな感じで、そこらかしこにトトロのぬいぐるみが置かれてあります。私見ですが上海には日本でいう純喫茶みたいなレトロな喫茶店はそんな見ないものの、こうしたぬいぐるみを置いたりするファンシー喫茶はよく見られ、うちの近くにもクマのぬいぐるみがセットされてある喫茶店とかあります。なお余談ですが、京都市七条東洞院付近に疲れた感じしたクマのぬいぐるみが椅子に座っている喫茶店がありますが(多分今も)、興味はあったもののその近くの別の喫茶店でバイトしていてそこへの義理を果たすために一度も訪れることはありませんでした。

 話は戻りますが今日訪れた時間は四時半頃で、店の中はほぼ満席でした。意外と人気あるんだなと思いつつやや高い値段設定の商品の中からココア(熱功克力)を頼んでホッと一息。ほかには各種のコーヒーのほか「龍猫珈琲」などもあり、前来た時に「龍猫珈琲」頼んだたら泡にトトロの絵を描いた状態で出されました。
 味に関しては割としっかりしている方で、前飲んだコーヒーも悪くなく今日飲んだココアも森永のミルクココアに負けていません。料金はやや割高ですがその分コップがアメリカンなサイズでかなり大きく量があるので、興味がある上海在住者には意外とおすすめなスポットです。

 なおココア飲みつつ店内で写真撮りつつ、タブレットPCを取り出して「富江」という漫画を読んでいました。富江が一体どんな漫画なのか知りたい方はこちらのサイトをご参照ください。

2016年3月26日土曜日

中国の人材派遣制度

 なんかやたらとコメント欄で「中国の人材派遣制度も調べてほしい」というコメントが多く、マルクス主義的にこれってどうなのと思いながらも多分自分以外の人間となるとまず調べる人いないだろうなとも思ったので、やることにしました。真面目にもう人材派遣に関しては専門家もいい所だもう。
 なお、取材自体は一ヶ月くらい前に完了してましたがほかの記事を優先していた余りに伸び伸びとなっていました。こんだけ毎日働きながら調べたりブログ書いたりと大忙しなのは一体どうなんだと今度映画が公開されるデッドプールにでも聞いてみたいくらいです。ってか早くこの映画見たい。

中国法:中国「労務派遣暫定規定」の公布~派遣労働者の総量規制の具体化等~(弁護士法人 淀屋橋・山上合同)

 はい、ってわけで上記サイトに二年前に改正された中国の派遣労働法がきっちり書かれています。一応私も原文を読んでいますが上のサイト内にある翻訳文は忠実に訳されており、正直言って私の出る幕がないです。
 さすがにこれで終える訳に行かないので真面目に書きますが、中国には以前から派遣に関する労働法規定がありましたが二年前の2014年に抜本的な改正がされて現在に至ります。改正法で定められている主な規定としては

・労働者派遣事業は許可制
・企業が抱える派遣労働者数は全社員数の10%以内とする
・同一労働同一賃金の徹底

 大きいものとしては二番目の10%制限で、これに関しては移行期間として二年間は罰則を適用せず、10%以上を抱えている法人は二年間で10%以内にせよとも書かれてあります。2014年から二年後は言うまでもなく今年2016年なので、実質的に10%制限は完全な既成事実となっています。

海外の派遣事情 中国(一般社団法人人材派遣協会)

 続いて毎年私がお世話になっている人材派遣協会が世界各国の人材派遣制度についていろいろまとめたページを用意していたのでこちらも引用させていただきます。なお上記ページは派遣協会のトップページからはいけない仕組みになっており、「こいつぅ( ´∀`)σ)Д`)」みたいな印象を覚えます。

 このページで紹介されている内容は海外資料とかで現地の派遣協会への聞き取りを基に作成されており更新日は五年前の2011年ですが、なかなか参考になる情報があります。大きいものとしては主要な人材派遣会社として、「北京フェスコ、上海海外サービス、中国国際技術会社の3社で売上75%を占める」という記述があります。教えてあげてもいいんだけど、「北京フェスコ」はともかくとして「上海海外サービス」と書いている会社は恐らく「上海市対外服務有限公司(Shanghai Foreign Service cCo., Ltd)」のことで、恐らく英語名を直訳して書いたんだろうけど明らかに会社名の漢字間違えてます。横文字しか読めなかったのかな、ついでに言うとここもフェスコのグループ会社。

北京外企人力資源服務有限公司(北京フェスコ)
上海市対外服務有限公司(上海フェスコ)
中国国際技術智力合作公司(中智)
※すべて日本語サイト

 フェスコ、中智ともに半官半民の会社で、実質的に政府の一機関と見ても間違いではないでしょう。でもって事業内容は、実際に聞き取りしたわけではないので断言はできませんが、各サイトを見る限りだと人材派遣会社というよりは包括的人材マネジメントサービス会社といった方が適当な気がします。
 二社ともどちらかと言えば海外企業の中国進出に当たってのローカルスタッフの採用支援から人事制度のアドバイス、コンサルティングを主要営業業務としているようにみられ、人材関連会社であることは間違いありませんが上記三社が派遣業界のシェアの大半を握っているかとなると、そうは言い切れないという気がします。なお中智のサイトを見ているとどこかで見た会社の名前が出てきて、なんでも社長が訪れたそうですがこんなとこ来る暇あったらマージン率公開しろよと思いました。

 それでこっからが私個人の意見となりますが、そもそも私は中国で派遣社員を見たことがありません。工場などの一般工であれば直接契約、もしくは期間契約した方が明らかに安くて手っ取り早いですし、目先で動きがちな中国人経営者がわざわざ派遣社員を選んで採用するとも思いません。日本のように雇用の調整弁の役割として使うにも、中国の場合は日本と違って解雇する時はきちんと経営者が決断し、解雇給付や訴訟リスクを見越した上で解雇させるのでこれもあるとは負いません。についでに書くと、中国で人材派遣をしている日系企業も見たことないです。

 では何故派遣制度があるのか。今回色々中国語でサイトを見ていたら、「この制度の運用によって国有企業などを始めとして幅広い雇用が出来るようになる」などという文句が多く見つかりました。注目すべきワードとしては「幅広い雇用」などではなく「国有企業」という言葉で、あくまで私の推論ですが、民間とは異なって採用基準などが設けられてて誰でも簡単に働かせることが出来ない国有企業などで外部から人員を入れたり、または国有企業同士で派遣し合ったりすることを可能にさせるため派遣制度を導入したのかもしれません。あくまで、私の推論ですが。

 中国の派遣制度についてはざっとこんなもんですが、今後市場が拡大するかと言ったら少なくとも日本のようにはならないだろうというのが私の見立てです。中国は元々地元政府が日本のハローワークのように企業に代わって雇用対策として人員を集めたり、紹介したりすることが多く、これから民間の参入は増えていくでしょうが、派遣では日本ほどのメリットがなく直接雇用がベースのままであり続けると考えるからです。
 そもそも、よく日本で派遣は格差があって苦しい立場だとかいろいろ言われていますが、私に言わせれば何を腑抜けたことをって鼻でせせら笑えてきます。過去にも何度か書いていますが派遣労働はまだ法律でその存在が規定されているのに対し、現地採用に至っては法の外に出てしまうのでありとあらゆる法の保護対象から外れる上、日本の中ではそもそも一般的に認知すらされていません。あんまり苦労自慢は好きじゃないのですが、もっとハードでスリリングでクレイジーな労働世界が存在するだけに派遣労働者の方々ももっと視野を広げてほしいなとかいうのが密かな願いです。

人生を偽った男

18年間、妻を、家族を騙し続けた男(世界を驚かせた怪事件・猟奇事件)

 私はこの事件についてテレビ番組の「ザ・世界仰天ニュース」で知ったので、この事件について既に知っている方もおられるかもしれません。正直な所、上記サイトに詳しい事件内容がまとめられているので私の方から紹介するまでもないのですが、話のネタとして一応自分の方でも簡単にまとめます。

ジャン=クロード・ロマン(Wikipedia)

 この事件の主人公であるジャン=クロード・ロマンはフランスの裕福な家に生まれ、名門であるリヨン大学の医学部に進学します。ロマンはそこで出会った女性と交際しますが破局してしまい、そのショックから大学の試験に落ちて落第して今います。しかしロマンは両親に対して無事に試験を合格したと嘘をつき、同級生たちにも同じ嘘をついて進級できなかったため本来は受講できない講義にも一緒に出続けていました。そして落第していない同級生たちが卒業する年次になった頃、就職先はどこか決まったかと尋ねられたロマンは卒業すら出来てないにもかかわらず、「WHO(世界保健機構)に決まった」とまたも嘘をつくのです。

 こうした嘘が功を奏したのか破局した彼女とはよりを戻してその後結婚へと至りますが、ロマンのその後の人生も虚飾に満ちたものであり続けました。彼は毎日自宅を出てWHO本部のあるスイスのジュネーブへと通い、一般人でも入れるWHO本部の一階にある売店や図書館で時間を潰して夕方家に帰るというWHO職員に扮した生活を続け、給料は大学進学時に親から買ってもらったマンションを売却したお金をWHOからの給与であるように振込むことで家族にごまかしていました。その偽装された就職生活は徹底されたもので、WHOの会議に出るため出張すると言っては数日間外泊して、適当なお土産も見繕って持って帰るというほどだったそうです。

 ロマンはこうした生活を実に18年間も続けました。途中、給与に振り込む資金が尽きたことから架空の儲け話をでっち上げては親類知人から金をだまし取りつつもこのような生活を続けてきましたが、ある日実際にWHOに勤務する知り合いの医師からWHO主催のクリスマスパーティに家族も参加できると聞いた妻が夫からそんな話を一度も聞いたことが無かったことを不審に感じ、「めったなことでは電話するな」と言われていたものの、WHO本部へ夫について問い合わせました。WHOからの返答は、「そのような名前の職員は過去にさかのぼってもいません」という回答でした。

 ここからはロマンの供述によるものだから真実かどうか見極められませんが、既に預金が尽きて金策に悩んでいたロマンがいつものように帰宅すると憔悴した妻が待っており、「あなたは……誰なの?」と尋ねたとのことです。その言葉でこれまでの偽装がばれたと一瞬でわかったロマンは咄嗟に手直にあった鈍器で妻を殴り、そのまま殺害します。妻を殺害した後で自分の作ってきた、いや嘘で固めてきた人生が終わったと悟ったロマンは、このまま残していても不幸になるだけだと考え七歳と五歳の二人の押さない子供をライフルで射殺し、そのまま自分の両親の家へ訪れ両親も射殺しました。その後、ロマンは自宅に火をつけ自殺を試みるも火はすぐに消し止められ、結局彼だけが生き残り逮捕されたことで事件が明るみになることとなりました。

 裁判にかけられたロマンは死刑のないフランスで最高刑となる無期懲役が科せられ、現在も生きているそうです。この数奇な事件については多くのメディアが取り上げており何度か映画化もされております。

 たまにこのブログで私は「事実は小説よりも奇なり」という言葉を使いますが、想像を絶する現実というのは現代にあっても珍しくないなとよく考えるからです。この事件もまさにその一つで、一体何故そこまでして嘘をつき続けたのか、そしてその嘘を貫徹することは家族全員を殺害することよりも意味があったのかと思わせるくらい異常な事件内容です。
 私個人の感想で述べると、このロマンはやはりプライドが人一倍に高い人間であったためプライドを崩すぐらいであればほかのすべてを犠牲にすることも問わない人物だったのではないかと思います。またここから発展すると、一家心中という行為はプライドを維持するがゆえに起こる行為なのかなという気も少しします。少なくとも、日本だけじゃなく案外普遍的に行われる行為であることは間違いなさそうです。

 なんでこの事件を急に取り上げたのかというとちょうど今「ホラッチョ」ことショーンKの経歴詐称問題が盛り上がっており、「初めは小さな嘘だったのかもしれないけど本人も途中から抜け出せなくなってきたのかも」という批評があちこちで見られ、嘘を貫き続けようとした末路としてこの事件を思い出したからです。

 また妙な自分語りとなりますが、私はこう見えても正直であることには自信があり、周囲からもよく「馬鹿正直すぎるからもっと肩の力を抜け」と本気で説得されることもあるほどです。確かに自分でもちょっと真面目過ぎると思うこともありますが本当に嘘だけは絶対につかないようにしており、例えどれだけ自分が不利になることが目に見えても、むしろ不利になること覚悟で聞かれてもないような情報もすべてあけっぴろげにしようとします。なんでそんなことするのかというと、嫌な部分を隠しながら人と付き合うのが後ろめたいと考えるからで、その嫌な部分が嫌われて離れられるというのなら仕方がないという諦念もあります。

 ただこうした性格は社会生活上では不利になることが多く、特に就活の時なんか無駄に自分を大きく見せようとはせず等身大の自分を訴えたところほぼすべての会社から総スカン食らって書類選考も含めれば優に100社以上から落とされる羽目となりました。友人からはどうせ面接官も相手が嘘を多少ついている前提で見ているんだからもっと大きく見せろ、話を盛れと説得してきましたが昔から言うこと聞かないことには定評があるだけに、そうした説得には耳を貸さずに就活を続け、現在においても大体似たようなスタイルで生き続けています。
 こんな性格しているせいでしなくてもいい苦労をしただろうし中には自分を誤解した人も多かったと思えいい事なんかほんと何一つなかったんじゃないかとすら考えていますが、それでも自分には一切後悔はなく、正直に真っ当に生きて来れたという自負があります。ちょうど今就活シーズンですが私のようなライフスタイルを就活を行う学生に強いるのは余りにも酷だと思うのでお奨めしませんがそれでも一言だけ言わせてもらうと、自分自身を偽ることだけは絶対にやってはなりません。たとえそれで一時の安寧を得たとしても、自分自身を偽ってしまうと段々と慣れが生じてそれこそここで語った「最初は小さな嘘だった」という末路を見るかもしれないからです。話を盛るというのはテクニックであり活用すべきかもしれませんが、越えてはならない一線というものをどうか念頭に置いてほしいというのが少々老け込んだ私からのお願いです。


  おまけ
 就活中、突然肺に穴空いて(肺気胸)入院したため、予定していた面接とか全部オジャンになってさすがにこの時は私もしょげました。でもって退院後初の面接で自分のウィークポイントはと聞かれ、しょげ込んでたもんだから、「逆境に弱いかもしれない」と答えたところ面接官が凄い困った顔してたのがやけに記憶に残ってます。三菱CAT(当時)はそれで落ちました。
 けど今になってみると、中国現地で転職を決めたりするなど、むしろ自分は逆境下で恐ろしいほどの決断力とバイタリティを発揮しては何度も窮地を切り抜けており、スパロボで言うと特殊能力に「底力」があるんじゃないかっていうくらい追い詰められた状態で物凄い奮戦ぶりをみせます。なもんだから、あの時の自己分析は間違いだったなとちょい反省してます。

2016年3月24日木曜日

言葉の軽い現代の政治家


 また本題とは関係ありませんが、前から気に入って動画を見ていた猫がとうとう横歩きをし始めました。この桃太郎って猫は前から歩くの得意でしたがやけに手足が長い上に関節も軟らかく、地味にすごい猫な気がしてなりません。ってかむしろ猫っぽくないし。


 そんなわけで本題に入りますが、なんかまた政治家の妙な失言が報じられています。このニュースを見て最初に私が思ったこととしては、「お前に巫女さんの何がわかる!」っていう一言でしたが、そういう私も何もわかってないじゃんと気がつき人のこと言ってる場合じゃないなと反省しました。ちなみに神主をしている人によると巫女さんになる人は3タイプあって、コスプレ好き、手近なバイト感覚、ガチ霊感体質に分かれるそうです。
 話を真面目な所に戻すと仮にこの発言が、「小娘のくせに何がわかる」とか、もしくは相手が男子大学生で「若造のくせに」だったらあんま失言にならなかったような気がします。なんかそう考えると「巫女のくせに」ということとどう違うのかっていう点で少し悩むところで、そこまで取り上げるほどの失言なのかなと思うと同時に、こんなしょうもないことまでいちいち口に出すあたり最近の政治家の言葉は本当に軽いなと思えてなりません。

 一々例を挙げたら切りがありませんが民主党系の議員らは出来もしない、予算根拠もない政策を平気で口にするし、森元首相も根拠なく「国立競技場の金は東京都も負担するって言ってたぞ(実際には言っていない)」と言って混乱させるし、またほかの議員らも政策を批判する時に「国民を無視している」というようななんか重厚さのかけらもない言葉ばかりしか口にしません。
 全体的に教養が感じられないというかウィットに欠けたセリフばかりで、聞いてる側からすると印象に残らない物が多いような気がします。ここ最近でまだなるほどと思ったのは不倫して辞職した宮崎元議員に対し妻の金子議員が言ってのけた、「恥かいてきなさい」という言葉くらいで、他にはもう何も記憶に残っていません。まぁ安倍首相が口にした、「妻がペット用の食品食べてた」ってのは覚えてますが。

 中国にいるとやはりこちらの政治家はもっと言葉を大事にしているというか、スローガン的に同じ言葉を繰り返し使うことで自分の印象を際立たせてアピールしようとする姿勢が見られます。具体的には胡錦濤前総書記は「和階社会(=平等社会)」という言葉を使い、今の習近平総書記は「反腐敗」という言葉を多用してクリーンさを印象付け、自分の敵対勢力は汚職ばかりしているという構図を構え政争に明け暮れています。

 日本でもまだ昔の政治家はそういう言葉を大事にしたというか印象に残る言葉を用いており、比較的近い時代だと小泉元首相の「自民党をぶっこうわす」とか、「自衛隊の行くところが非武装地帯だ」など、ワンフレーズポリティクスなどと言っては言葉が軽いとメディアは批判してましたが、今やその「ワンフレーズ」すらいえない政治家ばかりの現状を見るとまだマシだったような気がしてなりません。

椎名悦三郎(Wikipedia)

 ここでちょっと古い政治家の名前を出しますが、戦後から高度経済成長期にかけて活躍した椎名悦三郎なんかは非常に名言の多い政治家だったとよく聞きます。ある程度の世代以上であれば「椎名裁定」で有名ですが、岸伸介の懐刀として元官僚という肩書に偽りなくテクノクラート的に政策全般を幅広く担当しただけでなく外相としても難しい交渉をいくつもまとめあげ、実績から見ても間違いなく名政治家の一人として上げるに足る人物です。

 そんな椎名ですが、何でも落語が好きだったそうです。なもんだから答弁での切り返しが非常にうまく、いくつか例を挙げると外相時代に戦前の朝鮮支配に対し「深く反省している」とはどういう事かと問われ、「しみじみ反省しているという意味です」と言い返しています。
 それ以上にすごいのが安保条約の議論中、その意義について国会で説明する際に、「要はアメリカが番犬のようなものと考えてもらえばいい」といったところ野党から、「アメリカを番犬呼ばわりとは何事か」と言われ再び答弁に立った椎名は、「失礼、番犬様でした」と答弁したそうです。この答弁には批判した野党議員を含め議会全体で大爆笑し、「番犬様ならほなしゃあない」とばかりに丸く収まったそうです。

 私もこのブログで記事にした、自民党の丸山議員の「奴隷出身のオバマ大統領が~」という失言はその内容もさることながら全くウィットもユーモアもない下品な言い方で、上記の椎名の発言と比べると人物としての差が見て取れます。政治家にあれこれ求めすぎるのもなんですが、やはりもう少し聞いてて「おっ」と言わせるような見事な一言が言える政治家が今後はもっと出てきてもらいたいものです。

2016年3月23日水曜日

千葉のマッドシティ~カフェ・ド・カオリ

 最近やたらマッドシティの記事が多いですが、これは単純に私の体力が付きかけているだけで、サクッと書けるためにこうなってるだけです。先週末はしっかり休んだつもりだったけど、昨日の火曜日の時点でもう貯め込んだ体力使い切りました。

松戸のフレンチカフェレストラン カフェ・ド・カオリ

 今日紹介するのは松戸在住中に週一ペースで通っていた喫茶店のカフェ・ド・カオリです。ここは松戸駅東口を出てすぐ地上に降りたところ、地下へと続く階段を下りた先にある喫茶店です。ってか松戸駅東口は無駄に入り組んでてなんか場所説明するのが面倒だ。

 あまりこのブログではピーアールしていませんが私は学生の頃に京都駅前の喫茶店でバイトしており、そこの奥さんに鍛えてもらってコーヒー四つ(ソーサー付)なら片手でお盆に載せて余裕で運べます。あと地味にパン切りは習得が早く、途中からはずっと私一人で食パン切ってました。
 なもんだから喫茶店には今に至るまでよく通っておりそこそこコーヒーの味の違いも飲んで説明することもできるのですが、そんな私が松戸在住時に一番気に入っていたのがこのカフェ・ド・カオリで、ってか長いから省略してカオリで、冷凍たこ焼きを買い込む癖のある友人にも行ってみろと指図しましたがあまり反応良くなかったから多分行ってないだろうな。

 このお店を一言で言い表すなら昔ながらのレトロな喫茶店、といったところでしょう。写真や画像の無断転載禁止と書かれているためホームページの写真を引用できないのですが、店内はほんと昔ながらの喫茶店、ついでに言えば客層もマダム中心で自分くらいの年齢の人間はあんまいなかった気がします。そうしたレトロな雰囲気自体も好きでしたがそれ以上に気に入っていたのは提供される品の品質の良さで、コーヒーはもとよりケーキ、でもってシチューやハンバーグといった食事メニューが格別に味がよかったです。
 はっきり言うと各品の単価は他の喫茶店と比べてやや割高ですが、飲み物や料理の味の良さは価格にしっかり見合っており、大学構内のトイレットペーパーをパクろうかと画策したほどケチなことで有名な私ですらきちんと通うくらい大したものでした。何度か店員に料理作り方とか聞きましたが、ハンバーグのソースにはリンゴをすりつぶしたものも混ぜたりするなどかなり手が加えられているようです。

 ほかにもいつごろから店をやっているのかについても一度聞いたことありましたが、元々は別の所で開いていたお店を現在の場所へ移転してきたとのことで、「地下に潜ってからはかれこれ20年以上は経ちますかね」と、なんかマフィアっぽい返答されたのがやけに記憶に残ってます。

千葉のマッドシティ~清原氏の入院先

 報道を既にみている方には早いですが、何かとお騒がせな元プロ野球選手の清原氏が留置所を出所後、持病である糖尿病の治療のために向かい入院した病院というのはなんとマッドシティこと松戸市にある病院とのことです。具体的な名前もわかりますが、ぶっちゃけ私は一度もお世話になったことが無く訪れたこともない病院だったのと向こうもあんまり名前出されたくないだろうから割愛させていただきます。
 なお子供の頃はやたら骨折多くて、地元の整形外科にはしょっちゅう通ってました。あと自転車の乗り過ぎだったのかどうかまではわかりませんが左臀部にしょっちゅう血膿が溜まり、腫れ上がる度に新松戸にある足立外科胃腸科でメス入れて切ってもらってました。切られる際に溜まった血膿が抜け出ていくのが割とリアルに感じてました。

 話は本題に戻りますが、なんでもその入院先の病院で張り込んでいた記者たちに昨日突然、清原氏からの依頼によるものだとして弁当(焼肉)が配られたそうです。ただ多くの記者たちはこの弁当に一切手を付けなかったとのことで、折角の好意と食べ物を粗末にしているという声もあれば、ジャーナリストたるもの金品の類は一切受け取るべきではなかったとの声もあり、そこそこ議論の種となっている気がします。なおスポニチの記者はしっかり食べてその弁当の内容を記事にしたそうです、ってか私も読んだけどねその記事。

 結論から言うと、こんなもの受け取らなくて当然だし受け取った時点でジャーナリスト失格です。ただスポニチなどの娯楽系メディアであればこの限りでなく、弁当内容をレポート記事にするのも彼らならむしろアリかなと思います。

 私自身の経験を述べると、企業のメディアを対象にした発表会へ赴く際にはよく上司から、「絶対に金とか受け取るなよ」と厳しく言い含められておりました。何故なら金品を受け取ってしまうとそれがどれだけ小さな金額とはいえ買収行為として成立し、たとえ向こうが何の要求をしてこなかったとしてもジャーナリストの独立性は確実に損なわれます。
 考えても見てください。ある会社や人物について褒め称える記事が書かれたとして、その記事を書いた記者が相手から何かしらの金品を受け取っていたとなると果たしてその記事は公平な観点から書かれているのか読者からしたら疑問を覚えざるを得ません。逆に批判したとしても何故批判するような相手から金品を受け取るのか、こっちは人格的に疑問を覚えざるを得なくなり、どちらにしろ記事に対する信用性はガタ落ちとなるわけです。

 そして記者自身にとっても何が怖いかっていうと後から、「あいつ実は受け取っていたんだぜ」と後年にばらされることです。実際に野中広務元官房長官が、「田原総一郎氏だけは頑としてうけとらなかった」と述べた上で官房機密費を多くのジャーナリストに配っていたという事実を暴露したことがありましたが、こんな感じで後から言われるとその記者のそれまでに積み上げてきたキャリアが一気に崩壊する恐れもあるだけに、記者にとっても疑わしいと思うものは絶対に拒否し、変に慣れてしまわないようにしょうもない品物もあまり受け取らないように心掛けることが大事だとよく教えられました。

 とはいえ、記者であっても取材相手と一緒に食事したりカラオケもしたりします。今揉めている野球賭博もそうですがどの辺が受け取っていいのか悪いのかという線引きはやや見え辛いです。敢えて私の経験で述べると、

・現金、またはすぐ換金可能な現金同等物は完全アウト
・誕生日や送別会などのイベントとは関係なく送られてくるプレゼントも基本アウト
・発表会などに来場した客全員に配られる粗品ならOK(メディア関係者のみが対象でないため)
・容疑者や政治家など影響力のある個人から送られてくるものはすべてアウト

 今回の清原氏の例は4番目に当たり、本人にその気がなくとも買収行為と周囲からみなされる恐れがあるために記者らは受け取るべきではなかったというのが私の見方です。もっとも私が注目したのは受け取ったのか受け取らなかったのではなく、何故こんな行為を清原氏が取ったのかという疑問でした。
 単純に本人が張り込んでいる記者らを慮って送ろうとしたのかもしれませんが、記者からしたら弁当なんか買ってくるよりとっとと記者会見の一つでもしてくれた方がずっとありがたいはずです。では買収の意図はあったのか。恐らくですがそういうのは全くなかったと思いますがだからこそ私はそこに疑問を感じます。

 突然仕出し弁当を発注して配ることで買収とみられないだろうか、こうした点についてまるで考慮した痕跡が見られずつくづく空気が読めないというか何をすべきで何をしてはならないのか、この人はそういうことを全く考えていないのではという風に思えてなりません。それこそ一緒に作業しているスタッフみんなにお弁当を買ってくるのならわかりますが、一向に取材に応じない自分に対して張り込んでいる縁もゆかりもない記者らに突然弁当を配ろうだなんて突飛に感じますし、また向こうもどんな対応するかをちゃんと考えたのでしょうか。第一、弁当発注する暇あったら先程挙げたように記者会見を開くとか、お世話になった人たちへ謝罪の手紙を書くとかもっと他にやるべきことがたくさんあるような気がしてなりません。この点で私は疑問を覚えました。

 気遣いというのは気遣いの仕方があると考えます。やっぱそれが出来るか出来ないか、お仕着せの気遣いになっていないか、どうもその辺がちゃんとわかってないんだろうなって過去の行動からも見ていて思うわけでした。

2016年3月21日月曜日

続「熱血硬派くにおくん」の思い出

 ある朝目覚めると、「喪黒福造VS闇金ウシジマくん」というタイトルが唐突に浮かんできました。キャッチコピーはやっぱ、「どっちが勝っても、夢がない」かな。
 本題に移りますが大分昔にも似たような記事を書いているものの、なんかまた書きたくなってきたのでレトロゲーの「熱血硬派くにおくん」について書きます。

熱血硬派くにおくんシリーズリンク(ゲームカタログ)

 「熱血硬派くにおくん」というのは1990年前後のファミコン時代に発売された一連のゲームソフトの事です。当初こそタイトルにそぐわず不良がバトルする硬派なアクションゲームだったのですが、主人公のくにおくんが「スポーツ万能」という設定であったことからどんどんと展開が広がる、というより脱線していき、ドッチボールやサッカー、ホッケーなどのスポーツをするゲームが作られていきました。ただそれらのゲームでは普通にスポーツするというわけではなく、今考えるとスポーツの皮を被った半端なく無茶苦茶で暴力的なゲームであったようにしか思えません。それがいいのだけれど。

 シリーズ化初期に出されたのはドッチボールのゲームでしたが、普通のドッチボールならボールを当てられたらその時点で内野選手はアウトとなって外野へ行きますが、何故かくにおくんの世界のドッチボールは相手が倒れるまでボールをぶつける、というか相手を倒すためにボールをぶつけ続けるというルールで行われ、双方のチームで必殺ボールが飛び交ってコート外まで選手が吹っ飛び続けるという、一体誰が考えたんだこんなゲームという恐ろしい有様になっています。さらにアイスホッケーのゲームに至ると、試合の勝敗こそ得点によって決まりますが試合中には直接スティックで相手選手を殴ることができればそのままパンチやキックもかませられ、反則はあるにはありますがスティックで殴ることは問題なしという、もはやスポーツじゃないだろこれというゲームデザインになっています。

 その後、スーパーファミコンの時代でもシリーズは続いて第一作目と同様に不良の喧嘩バトルものとなる「初代熱血硬派くにおくん」というタイトルが発売されておりますが、舞台はやけにリアルな情景の大阪で、街中を歩いていると不良やヤクザが襲ってくるのはもちろんの事、主婦やOL、阪神ファンも問答無用で殴りかかってくるなど世紀末な大阪が繰り広げられています。生憎このタイトルは遊んだことがないのですが、梅田周辺などキタ地域よりも難波辺りのミナミの方が物騒でケンカも売られやすいという設定にされてるそうでなかなかリアルなゲームだなと思います。

 他にも運動会をテーマにしたゲームもあってこれは子供の頃に友達ともよく遊びましたが、普通に競技をこなすより水泳中に相手を溺れさせたり、走ってる最中に鉄アレイ投げつけたり、梯子から蹴落としたりする方がずっと効率が良いという、狂ったゲーム内容だった気がします。昔大学の後輩が長期休みの間に自由度の高いゲームがしたいといったことがあったので、「くにおくんやればいいだろ。あれは鉄アレイとか木刀、タイヤを使って路上にいる人、果てには味方すらも見境なく殴れるあたり自由度高いじゃん」といったことがありますが、「そんな自由度は要らない」と拒否されました。

 改めて考えるとこのくにおくんシリーズはよく暴力ゲームの代名詞として挙げられる「グランドセフトオート」よりもずっと暴力的なのではと、ふと思いました。グランドセフトなら鉄砲撃ったり戦車出せたりしますが、くにおくんは飛び道具は使わず一切ステゴロで殴る蹴るのみで、かえってこっちの方が妙なリアルさというかエグさを感じます。だからいいんだけど。
 このゲームを作っていた会社はとうの昔に廃業しており現在は版権を買い取った会社が一部をリメイクで発売しているこそすれども、どうもリメイクが悪くて過去のユーザーからは悪評しか出ておりません。しかし今だからこそハイスペックなリメイク、それこそコーエーテクモ辺りに「くにおくん無双」みたいなタイトルで「1000人の不良とタイマン」みたいな3Dアクションにして出してもらえないかなという密かな願望があります。仮に3Dにするとして、「にんげんぎょらい」とかどう再現するんだろう……。

2016年3月20日日曜日

栃木女児殺害事件の遺体状況を巡る矛盾

 先日に私はこのブログで現在審理が続けられている2005年に起こった栃木女児殺害事件の裁判について、容疑者として挙げられた男性は冤罪の可能性が濃いのではないかという意見を書きました。

栃木女児殺害事件の冤罪可能性について

 冤罪と疑う理由については複数あり、それぞれポイント別に上記記事で解説しております。このように疑う一番大きな理由としてはあまり合理的ではありませんが捜査を行っていたのが足利事件を生んだ栃木県警という理由からで、次に大きなものとなると被害者の遺体状況を巡る疑問点があり、この論点については報道だとややわかりづらい面もあると思えるため今日は少し掘り下げて説明してみたいと思います。

遺棄現場での殺害は「ありえない」 遺体解剖の法医学者が証言
法医学者「遺体状況、自白と矛盾しない」(どちらも産経新聞より)

 何故遺体を巡る状況が本裁判で議論となったのかですが、その発端は事件発覚当時に遺体を実際に検死した法医学者が裁判に出廷し、「容疑者の自白内容と遺体状況が一致しない」と述べたことからでした。一体どんな点が一致しなかったのかというと、大別すると以下の二点に集約されます。

1、遺体発見現場の流血の痕跡
2、発見時の遺体の姿勢

 1番に関しては非常にわかりやすく、要は犯人はどこで被害者を殺害したのかということなのですが、検察が出してきた自白内容によると犯人は林道に車を止めて車内、もしくは車外で被害者をナイフを刺し殺した後、林道脇の山林に死体を投げ捨てたということとなっております。この主張に対し検死を行った本田克也筑波大教授は、

「現場に残った血液のルミノール反応は指を切ったか鼻血程度の量。(もし現場で殺害して)大量の血液が出た場合は血だまりなどができるはず」

 だと指摘し、自白内容と現場状況に矛盾があると証言しております。

 次に2番目についてですが、こちらがやや複雑で報道記事を一読した後では私も最初理解できませんでした。また報道に出ている情報も限られているため、あくまでここで述べる内容は報道内容から類推する私の推測であるということを前提として読んでいただくようお願いします。

 本田教授によると、発見時の遺体の体勢は「右肩が浮き、逆方向に頭が向いていた」 とのことです。上記リンク先以外の報道でも可動できる限界近くまで首が曲がっていたと書かれており、また「車内のシートのような場所で寝かせて殺害、死後硬直した後に遺棄した可能性がある」と書かれてあることから、恐らくは下記図のような姿勢で死後硬直が始まっていたのではないかと類推しております。

発見時の遺体姿勢
(Excelで作成)

 このイメージは記事にも書かれている通り自動車のシートに座る、または寝かせられた状態で運ばれてきたという証言から作ってみたものですが。ポイントとしては言うまでもなく頭の位置で、左肩にもたれかかるように首が前へ傾いており、車のシートにシートベルトで固定されたまま寝たりするとできる姿勢になっています。仮に検察が提出した自白内容の通りに殺害してすぐ山林に遺棄したとなると、山林の斜面に寝かされたのなら首が傾くといったこのような姿勢になることは考え辛く、血液反応といい、被害者はどこか別の場所で殺害され、車で運ばれる間に死後硬直が始まった後で山林に遺体が遺棄されたと考える方が合理的ではないかというのが本田教授の意図であると考えられます。
 またこれも別の記事に書かれている内容ですが、被害者の体に残ったナイフによるものと思われる傷跡はすべて横向きに刺されていたとのことです。一々解説するまでもないですが、立ったまま向き合って刺されたのなら普通は刃先は縦を向くと思われ、それこそ運転席から助手席に向かって刺したというのなら横向きとなるのも自然です。

 この本田教授の意見に対して岩瀬博太郎東大教授は「矛盾しない」と述べており、殺害時刻の推定に使われた直腸温度について「「1時間に3度下がる計算式もある」もという証言をしていますが、聞いててちょっとほんまかいなと思う節があります。イレギュラーな計算方式を出すのならイレギュラーが起こるデータを出すのが筋だと思うのですが。
 もっとも、私自身がこの方面の素人であることを考えたらどちらが正しいかを判断する能力はありません。あくまでここに書いたのは素人の目線で、「どちらかと言えば本田教授の意見の方が信憑性がある」と感じただけで、出来ることならもう一人、別の法医学者がこの遺体状況をどう見るかについて意見してほしいなと願う限りです。

 ただ、検察が何故検死された結果と異なる自白内容をわざわざ出してきたのかについては簡単に推測が出来ます。今回の事件ではNシステムの自動車通行記録を唯一の証拠として容疑者を逮捕しておりますが、恐らくこの通行時刻とつじつまを合わせるため、殺害時刻を実際の検視結果からずらす必要があったため、現場状況とは異なり「その場で殺害された」ってことにしたいのだと思われます。
 あまり報道はされていませんが容疑者の男性は台湾生まれの日本に帰化した人物で、報道では長年引きこもりだったと言われていますがその一方で偽ブランド品の買い付けのため海外にも出国しており、何が言いたいのかというとでっちあげるに当たって差し障りが無く、また負のイメージも氾濫させられるなど冤罪の条件が割と揃っているなということです。

私的自走車メーカーの分野別技術力ランキング

 半日眠ってだるいので用意していた面倒くさい記事は後回しにして書いてて楽しい記事を書くことにします。っていうか半日寝た後でいうのなんですが、これ書いている現在も眠くてしょうがないです。

 決して詳しいというほどではないしそれほど運転する機会も多くはないのですがよく自動車メーカーの技術について解説すると割と周囲の反応が良いので、今日は私から見た分野別の技術力について日系自動車メーカーのランキングを勝手に書いてこうと思います。前持って書いておきますがあくまでこのランキングは私の目から見たあまり根拠のない意見であって、あまり本気にせず話半分に受け取ってもらえるとありがたいです。

<ガソリンエンジン>
一位、マツダ
二位、トヨタ
三誌、スズキ

 正直な所、トヨタが一位でもいいかなという気がするのですが現在ではスタンダードとなっているアイドリングストップ機能を「スカイアクティブエンジン」で真っ先に導入したのがマツダであることと、全体的にガソリンエンジンの燃費も高い水準を維持していることからマツダに軍配を上げました。
 トヨタはハイブリッドエンジンばかり注目されがちですがノーマルのガソリンエンジンもその性能は高く評価され、昨年に発表したエンジンも燃費能力をグッと引き上げており十分評価に値すると思います。スズキについてはエネチャージに代表されるバッテリーと連動したエンジン技術を考慮して三位に付けました。

<ハイブリッドエンジン>
一位、トヨタ
~越えられない壁~
二位、ホンダ

 これは誰が何と言おうとも評価を変えるつもりはありません。ハイブリッドエンジンにおいては現時点においてもトヨタがダントツの安定性と技術的優位性を維持しており、ハイブリッドとはとても呼べないようなしょうもないエンジンをハイブリッドと言ってのけたホンダは最新のフィットハイブリッドでようやくゼロスタートを導入したものの、発売してすぐ5回のリコール出すなど全く話になりませんでした。かつては「エンジンのホンダ」とも言われたそうですが、ホンダのエンジンの優れたところを挙げろと言われても自分は挙げられる自信がありません。
 なお、スズキが去年出したソリオにハイブリッドエンジンを載せておりますが、こちらに関してはまだ評価レビューを集めてないので今回は見送ります。ハイブリッドというにはそれほど高い燃費能力ではないものの、あのサイズにハイブリッドシステムを乗っけただけでも評価には値する気がしますが。

<ディーゼルエンジン>
一位、マツダ
二位以下、三菱、日産、トヨタ、いすゞ

 これも揺るがないでしょう。VWがペテンなディーゼルエンジンだっただけに、間違いなくマツダが現状で世界ナンバーワンのディーゼルエンジンを作っているといっても過言ではありません。二位以下については一応ディーゼルエンジンを作っているメーカーですが、トラック向けを作るいすゞ以外は正直あまりこの方面の技術開発に熱心というわけではないでしょう。

<自動ブレーキシステム>
一位、スバル
二位、トヨタ
三位、日産

 「アイサイト」で自動ブレーキステムを先んじて導入したスバルこと富士重工がこの分野でナンバーワンだと考えます。国土交通省が行った性能比較テストでも一位が確かレクサス、二位がインフィニティの車種で三位にスバルのインプレッサが来ましたが、一位と二位の車種には値段の高い超高性能な認識装置が搭載されており、一般的な車間距離認識装置(確かレーザー飛ばす)で上位陣に食い込んだスバルは大したものでしょうし、普通のユーザーが使う車種を考えたらこちらに軍配を上げるべきと思いました。

<4WDシステム>
一位、スバル
二位、マツダ
三位、三菱

 この4WDでもスバルの優位は揺るがないというか、雪国の人間からしたらスバル以外有り得ないとよく聞きます。二位のマツダですが、あまり世間では評価されているように見えないものの専門家の間ではスバルの「フルタイム4WD」に勝るとも劣らない「セミタイム4WD」を導入しているとよく聞きます。セミタイム4WDというのは普段は2輪が駆動して必要な時だけ4輪が駆動するというシステムで、常に4輪が駆動するフルタイム4WDと比べるとタイムラグがあって反応が悪いとされますが、マツダのは半端なく自然に4輪駆動へ移行すると言われています。試してみたいんだけど機会がないなぁ。

<ターボチャージャー>
一位、三菱
二位、日産
三位、スバル

 三菱、というよりその親会社の三菱重工が市場で出回っている大半のターボチャージャーユニットを作っているだけからこの結果となりました。あとは実際にターボを導入している車の実績から決めましたが、日産が地味に私が好きなスーパーチャージャーをノートに乗っけてたので二位にして、「ハイパワーターボ+4WD」を未だにコンスタントで出し続けているスバルを三位にしました。
 こう書いておきながらなんですが、スバルは「4WD」とは言わず「AWD」と主張してます。「4WD」のが語呂いいのに。

<アウトデザイン>
一位、マツダ
二位、スズキ
三位、ダイハツ

 これは単純に好みの問題かもしれませんが、このところのデザインで見るとマツダが日系の中で群を抜いていると思います。特に現行のアテンザなんか、上海の新天地で並み居る海外の高級車メーカーの車と並んでいても不自然に見えず、実際中国でも高く評価されていると感じます。
 二位のスズキもハスラーを筆頭に中々挑戦的なデザインで車を出してきており、実際にそのハスラーは車体バランスもさることながらデザインの良さで売れたような気がします。ただ、海外メディアにスクープされた次期スイフトはややアテンザのオマージュっぽい。三位のダイハツは完全に自分の好みで選びました。

2016年3月19日土曜日

半日寝るのが俺の正義(ジャスティス)

 このところ仕事が忙しく、残業はそんなにないですが業務時間中はニュータイプもびっくりなくらいにずっと集中して作業しているので毎朝起きるのがマジ辛かったです。なので土曜の今日はしっかり休もうと半日寝るのが俺の正義(ジャスティス)と昨晩に決めた結果、

・0時~8時(8時間)
 昨晩からの就寝。一旦起きて朝食とって洗濯する。

・9時~11時(2時間)
 二度寝。ふらふらしながらパズドラして昼食を食べに外へ出かける。

・13時~16時(3時間)
 昼寝。起きて自転車乗ってスーパー(アピタ)行って、豚肉焼いて晩御飯。

 以上のように、計13時間くらい睡眠をとりました。っていうか寝過ぎて少しだるいんですけど。
 考えてみると先々週の土日は150kmも自転車乗りまわしたりするなどやや調子に乗っていた節があり、疲労がたまっているというのも無理ないです。そういいながらも今冬は鼻が詰まることが一回もないなど病気知らずのまま春を迎えつつあり、後輩からもたまに言われますが地味に体力が学生時代よりも豊富にあるという事実が我ながら理解できません。っていうかなんかこのところ自分の体がでかくなってる気がするし、食事量も増えてます。

 さっきもスーパーで買ってきた豚肉2切れとご飯一合くらい食べた後、半額になってたどら焼きとベルギーワッフル、柿の種を食べましたが、最後に残った10元(180円)で買ってきた小倉ようかんを口にするかで悩んでます。ちなみにお昼ご飯は日本食屋でサバ定食を食べて、昼寝する前に途中のパン屋で買ってきたチョコチップメロンパンも食べています。

 紙幅が余っているのでついでだから私の体重について少し書くと、やや異常なくらい痩せています。というのも中学生の頃から今に至るまで常に55~58kgの間でしかほぼ変動が無く、26歳の頃に一回だけ無理して食べて60kg台に乗せたことがありますがすぐにまた58kgに落ちました。運動する前にまず体重を増やさないと意味がないのですが、ある程度体重が増えると途端に食が細くなってどうにも増やし続けることが出来ませんでした。
 多分胃袋自体が極端に小さいのではと推測しており、急に空腹を覚えて動作が鈍くなることもあり周りにはよく、「歩くのがやたら早いが燃費が極端に悪く、スポーツカーみたいな体質」と自分で評しています。なので食欲のある今の状態も今しばらくだけかもしれません。

2016年3月18日金曜日

衆参ダブル選挙はあるのか?

 どうでもいいことですが私のパソコンはアプリケーションエラーが起こる度に、「くっそー」という音声が鳴ります。この音声は某伝説のクソゲー「デスクリムゾン」に使われているSEなのですが、昔たまたまこのSEをネット上で拾う機会があり何かに使えないかと考えたところ、折角だからパソコン使っててよく聞くサウンドエフェクトに充てようとセットしました。一回、名古屋に左遷されたうちの親父と一緒にパソコン弄ってたらこの音声が鳴って、「くっそー言いよったでこのパソコン!?」とビビってました。

2016年最大の政治イベント「衆参ダブル選挙」に注目せよ(田原総一郎の政財界「ここだけの話」)

 そんなわけで本題ですが、今日はちょっと議論にもなっている「2016年に衆参ダブル選挙はあるのか」について意見を書いていきます。
 まず現時点で確定していることとして、3年ごとに半数改選の参議院は今年夏には確実に選挙を行わなければなりません。それに対し衆議院は前回選挙が2014年12月に実施されており、衆議院議員の任期が4年であることから2018年までは何も急いで解散する必要は無かったりします。にも拘らず何故前回選挙から一年半後の今年夏に解散が予想されているのか、それにはいくつかの要因が挙げられており、上記の田原総一郎氏のサイトではそれらがわかりやすく指摘されております。

1、2017年の消費税増税
 現在のスケジュールだと2017年に消費税を現行の8%から10%へとへ引き上げる予定となっておりますが、言うまでもなく増税したら支持率は下がるので選挙にも影響します。「だったら増税前に選挙してしまえばいいじゃない」というのがこの要因です、以上。

2、2020年の東京五輪
 こちらもスケジュールネタですが、2020年の東京五輪までに最低でもあと一回は選挙を行う必要があります。自民党、ひいては安倍首相としてはこの国家イベントに政権与党を維持したまま臨みたいと考えており、それならば比較的有利な今年中にも選挙を行い万全な状態でオリンピックを迎えようという考え方です。もっとも、五輪委員会のレベルが低すぎてこのままだと聖火なしの競技場になってしまいそうですが。

3、憲法改正
 これは最近になって安倍首相も口にするようになったので真実味が増していますが、現政権内での憲法改正を達成できるように敢えてダブル選挙に臨み、衆参で改正が狙えるほどの大量議席を狙うという見方です。

 さすが田原氏というだけあってどの要因も私から見て納得できる意見ですが、特に三番目に関しては長くその理由や背景を述べており田原氏の中でもイチオシの意見かと思われます。この田原氏による三つの意見に加え私からももう一つ、何故ダブル選挙をやるのかという理由をここで提示します。

4、まとまりのない野党とそのさみしい懐事情
 民主党と維新の会が合併を決めましたが政党名を何にするかすら決まらず公募に至って未だに決まっていないなど、野党連合とは言いながらのっけからかなりまとまりのない状態が続いています。共産党も野党同士で立候補者を調整するべきなどと主張して、ってかむしろ言いだしっぺで、次回選挙に向けて手を取り合うとは言っていますが私の予想だと各選挙区にどの党から立候補者を出すのかで必ず揉めると思われ、むしろ混乱するとしか思えません。
 またこれは一部で言われていることですが、民主党を始めとして各野党共に懐事情というか政党の資金がかなり枯渇し始めており、参議院選を乗り切るだけでも大変だというのにダブル選挙となると一気に資金がショートして選挙どころではなくなるという説もあります。実際民主党の支持者や支持団体は減ってきているだけでなく初期のスポンサーであった鳩山家とも距離を置いてますし、表立っては言われないけど相当厳しい財政状態ではないかと伺えます。だからこそ選挙区を調整して立候補者の重複を避けたいという発想につながるのですが。

 以上の四つの理由から、確かに現状ではダブル選挙となる公算が高いように思われます。しかし選挙といってもTPPもまとまったし、消費税もコース通りだし、マイナス金利も導入したしで、選挙の争点となる話題がほとんどないのも事実で果たしてこの状態のまま選挙に打って出るのかというとやや疑問に感じるところもあります。安倍首相はこれから作っていくつもりなのかもしれませんが。
 議席数を増やすという一点にこだわるなら、野党がまとまり切れていない今が大チャンスであることには変わりません。この点をどう見るか、安倍首相の政局勘が試される事態といっても間違いないでしょう。

2016年3月17日木曜日

省庁移転が指し示す未来とは?

 いくつか報道が出ておりますが消費者庁を徳島県へ、文化庁を京都府へそれぞれ一部の人員を移転させ、今後の省庁移転のテストを行うとのことです。消費者庁はぶっちゃけどこでもいいのですが文化庁、あと観光庁なんかは確かに主戦場の京都に置く方が筋だと思えるのでなかなか悪くない案だと思え、また当初検討されていた特許庁などはその機能の面から東京に据え置くという判断も間違っていないように思います。
 ただ気になるのは、この話が本当に降ってわいたかのように突然出てきたということです。「なんで中国でずっと生活してるのに日本の芸能界事情にやたら詳しいの?」と、よく聞かれるほど耳聡い私が、事もあろうかこういった政治ネタを今まで耳にしないというのはほとんどないように思え、首都移転話ならともかくこうした省庁移転話が急に騒ぎ出したことの背景は一体何なのかと少し気になります。

 結論から言うと、案外東京を中心とした大地震が予測されており今のうちに役人たちは東京から逃げる準備を始めたんじゃないかなと、少しふざけてですが勝手に想像しています。この解釈は元々は漫画の「こち亀」で言われていた話で、いざ大地震が本格的に予想されたら政治家や役人が真っ先に逃げるぞとキャラクターが述べており、子供心にもなるほどと当時思った話でした。
 もちろんそんな風にはなってもらいたくはないですが、それにしてもあまりにも急に省庁移転話が進むもんだから嫌が応にも頭をよぎるわけで、仮に予想されているとしたらいつくらいに起きるのかと考えるとこちらも真っ先に思い浮かぶのは「2020年」です。

 2020年といえば東京五輪の開催予定年度ですが、聖火台もない競技場で何をするのかなどといろいろ疑問も少なくないもののそれは今回置いといて、この年はオリンピックだけでなくもう一つあるキーワードと結びつく年でもあります。わかる人にはもうわかるでしょうがそう、あのアキラが覚醒する年です。

AKIRA(Wikipedia)

 アキラとは大友克弘氏が制作した漫画、並びに映画作品で、特に映画の方が1988年の政策ながらも未だに日本アニメ映画の最高傑作という呼び声も高く、私自身もそのように考えています。
 この作品中の世界でも2020年に東京五輪が開かれることとなっており、その直前で会場の工事が進む2019年の日本で比類なき超能力を持つ少年のアキラが覚醒し、SOLが発射されたりして東京は崩壊するわけですが、もしかしたら省庁移転の背景にはアキラの覚醒が間近に迫っているからかもしれません。マジで。

 なお昨日、上司が別の部署の人に送るメールがccで私にも届いたのですが、宛名に敬称が付けられておらず名字だけで呼び捨てになっていました。すぐに「失礼しました」ってメールが後から送られてきたのですがここはひとつ場を和ますために、「さんをつけろよこのデコスケ野郎!」って言おうかと思いましたが、むしろ一触即発な事態に発展しかねないと思ったので結局何も言いませんでした。ピーキー過ぎて、自分には扱えない発言でしたでしょうし。

  おまけ
 真偽ははっきり確認できないものの、映画版「AKIRA」で金田と鉄雄の対決シーンの原画を担当したのはあの梅津康臣氏だという話を少し耳にしました。何気に梅津氏は以前から評価していたというか動きのヤバいアニメシーンを作る人なので、なるほどなと妙に納得しました。

2016年3月15日火曜日

美的による東芝白物家電部門買収について

 マジこのところ繁忙期なせいか忙しくてすごい眠いです(ノД`)~゜。ネムー
 でも律儀にブログ書く当たりは自分らしいです。

東芝、白物家電売却へ=中国・美的と最終調整(時事通信)

 そんなわけで今日取り上げるのは何kな期待されている気もするので東芝白物家電部門の売却話に絡めて、売却先の美的集団(Midea、ミデア)について書きます。どうでもいいですが「ミデア」って検索するとガンダムに出てくるあの黄色い輸送機が出てきますが、スパロボの護衛ステージでしょっちゅう撃墜されるのをなんか思い出しました。

 美的集団というのは記事にも書かれている通り中国の家電メーカーです。中国の家電メーカーというと三洋の白物家電部門を買収したハイアール(海爾)が日本ではやや知名度があるものの、それ以外となると恐らく大半の方がどんなメーカーがあるのか全く知らないのではないかと思います。
 主だったメーカーとしてはテレビだとTCLやスカイワースがありますがこの二社はあんま生活家電には手を出しておらず、生活家電で括るならハイアール、グリー(格力)、ギャランツ(格蘭仕)、スポー(蘇伯爾)、ジョイヤング(九陽)などありますが、こうした数ある有名どころの中国家電メーカーと比べても美的は決して劣っているわけでなく、間違いなく大手の一角に食い込んでいる会社です。美的が得意としている製品はファッキンな毎日新聞の記事に空調と書かれてあって売上げの五割を占めるともありましたが、売上げシェアまではいちいち確認してはいないものの確かに美的の空調は中国国内市場でもそこそこ出荷されているものの、多分シェアといいブランドといいグリーのが明らかに上だと思います。

 では美的の製品はどこが強いのか。あくまで私の感覚で述べるとやっぱり調理に関連した家電じゃないかと思え、具体的には冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器、電熱コンロといったところです。瞬間湯沸かし器もそこそこ出ていますがこの分野はスポーが圧倒的に強いしなぁ。
 冷蔵庫や洗濯機ももちろん作っており私も何度か使ったことありますが、性能品質に関しては申し分なくほかのメーカーより比較的高い価格で売られることが多いですがそれだけの価値はきちんと持っていると太鼓判押せます。何気にデザインとかも落ち着いてまとまっており、物によっては下手な日系メーカー品よりもいいような気すらします。

 それだけに今回東芝の知ら者家電部門を買収したと聞き、買収される当事者たちにはいい会社に買われた方なんじゃないかと私は考えています。このまま市場が縮小していく日本よりもまだ拡大余地のある中国向けに製品とか開発して生産していく方が絶対仕事的にも楽しそうだし。

 眠いのでもう最後まで書いちゃいますが、今回の買収ニュースについて中国側はどう報じているのかサッと検索かけてみたところ、なんかあんま、っていうかほぼ全く報じられていませんでした。いくつかの家電系ニュースサイトが日経新聞を引用する形で報じていますが、もしかしたら明日になってからニュースが出るのかもしれないものの、なんかあんまビッグニュースとしてみていないように感じます。
 今回のディールは一部で数百億円規模になると言われていますが、仮にそうならこのところの中国の大型買収と比べるならそれほど極端に大きな金額というわけではありません。でもって「日本の家電ブランド」もかつてと比べるとそれほど威力を発揮しなくなっており、それゆえに案外冷めた見方されてるのかもしれません。

 もう誰も覚えていないでしょうが4年くらい前に私は何度かこのブログで、「ブランドでも特許でも、日系企業は売れるものは今のうちに中国企業へ売れ」と主張したことがあります。当時ならまだ高額出して買う中国企業もいただろうしブランドなどにも価値があると思ったことと、それらの無形資産は日系企業の手の中ではもう新たな利益を生み出すことなく消え去っていくのみだと考えたからです。
 なにも自分の言った通りになっただろうとか言ってどや顔決めるつもりは全くありませんが、当時私の話に耳を傾けてくれた人はいたのかな、いたとしたら今回の買収話を見てどう感じたのかなと少し気になりました。

千葉のマッドシティ~横須賀橋(ちんさむロード)

 この前自宅で「干物妹うまるちゃん」の七巻を読んでいたら、ゲームの内容も知らずにある女の子が女友達に「ポッキーゲームをやってみたい!」といってドン引きされるシーンの所を読んで、何故か「男同士のポッキーゲーム」という単語が頭に浮かんで来て、想像したら凄い笑えてきました。使いようによっては素晴らしい罰ゲームになるような気がします。
 そんなわけで本題に入りますがまた久々のマッドシティこと松戸市ネタで、一応全国的にも一時話題になった横須賀橋というのを今日は紹介します。

 この横須賀橋というのは松戸市と隣の流山市を結ぶ地点にある橋の名前で、境界線にもなっている坂川に架かっている橋です。近所に住んでいる方からすれば、ツタヤと流山病院近くの橋っていった方がわかりやすいでしょう。
 なおこの「横須賀橋」という名称ですが、私も何故かは知りませんけどこの橋付近のエリアの地名はそのまんま「松戸市横須賀」です。海もないのに。

 話は戻りますが何故こんな変哲もない橋をわざわざ取り上げるのかというと、先ほどにも述べた通りに一時期全国区で報じられた場所でもあるからです。そのきっかけはフジテレビで放送されていた「人志松本の○○な話」という番組で、「ちんさむロード」として紹介されたことからでした。ちんさむロードという名称の由来については言うのも馬鹿馬鹿しいくらい下品なので省略しますが、要するに車で走っているとドキッとするようなスリル感が得られる場所として紹介されたわけです。
 この横須賀橋のどこにスリル感があるのかというと、単純に言って高低差です。この橋は坂川の両端にある土手をちょうど覆うような感じで架けられており、それほど大きい橋ではないものの最低点と最高点の高低差は確かに大きく、それでいて橋自体が大きくないもんだから車で越えようとすると確かに軽い無重力感が感じられたりします。

 私はその番組を見てはいないのですが、なんでも橋を登り切って平坦部で加速すると下り勾配に差し掛かったところでフワッとした感覚が得られるという具合で紹介されたそうです。

求めすぎたスリル「チンさむロード」で起きた悲しい事故(NAVERまとめ)

 その放送がされた直後の2012年5月28日に起きたのが、上記サイトでまとめられている事件です。なんでも実際に体験してみようと19歳女性がこの横須賀橋で車を加速させたところコントロールを失い、そのまま歩道に突っ込み数人をはね、そのうち一人の18歳の男子大学生が死亡するという事故となりました。何気に当時、色んな意味で狂った上海の会社で記者として働いていた私もどっかのニュース経由でこの事件を見ており、「ああ、あそこね」と実感たっぷりに呟いたのを今でもなんかよく覚えております。それと同時に、テレビ番組を真に受けて危険行為をするなんて馬鹿な奴もいるもんだと、やや手厳しいかもしれませんがこんな感想も持ちました。

 ちょうど同じダウンタウンがやっている番組で最近、水戸市長が檄おこぷんぷん丸になるほど水戸市をディスる放送があったと聞き、タイミングもいいなと思ってこのネタも今回書いてみることにしました。ダウンタウンは三、四年くらい前に全く視聴率が取れなくなってもう終わりかと言われ始めていましたがこのところ再び視聴率を取れるタレントとして復調気味のように見受けられるのですが、なんていうか番組制作とかでちょっと迂闊というか先の先まで考えていないなという企画をよくやるなという風に私は見ています。この横須賀橋の件も水戸市の件も、もうちょっと考えてから放送すりゃいいのにとつくづく思えてなりません。

 最後に私自身の体験を語ると、私はそれほど車を運転するようなタイプではないのでこの横須賀橋に関してはどちらかというと自転車で乗り越えるというイメージが圧倒的に強いです。高低差があるので確かにやや上りはきついですがその分下りではかなりスピードが出るので、流山市から松戸市に入る際は橋の上で一旦止まり、橋を降りた先の信号が青信号になるのを見てからよく一気に駆け下りておりました。何気に右にある脇道が意外と細くて急に人とか車が出てくるから結構危ないんだけど。

 ただ、私に言わせればこの横須賀橋なんてほんの序の口です。横須賀橋を越えてそのまままっすぐ東へ走っていくとその先に流鉄流山戦の線路を跨ぐ別の橋が出てくるのですが、こっちの高低差の方が半端じゃないです。しかも横須賀橋と比べて平坦な長さが短いので勾配もめちゃくちゃ急で、子供の頃は一度も地面に足をつけずにこの橋を自転車で登り切るのを密かな目標としたくらいでした。
 今この時点においてもこっちの橋の名前は知らないままですが、大体小学校高学年くらいに自転車で登り切れるようになってからは、「こんな小さな橋ごときに何を俺は」みたいな感じで鼻で笑って越えるようになりました。ただ、勾配は半端なく急なので自転車で思い切り駆け降りるようなことはせず、この橋だけはブレーキをしっかりかけながら下りるというのは大人になっても続きました。

2016年3月13日日曜日

或る陸軍大将の死(渡辺錠太郎)

 先日上海を訪れてきた後輩が気を利かせて文芸春秋の今年二月号を持ってきてくれました。私は学生時代から文芸春秋を毎月購読しておりましたが一時期姉妹誌で今ノリに乗っている週刊文春が橋下大阪府知事(当時)への極端なネガティブキャンペーンを展開したのに辟易し、ちょうど日本を離れた時期辺りに購読をやめてしまいました。
 しかし当時から大分時間が立っているのと、かつては様々な制限が講じられていた電子書籍の購入もなくなってKindleからも簡単に購入できるようになったこともありそろそろ購読を再開しようかなと思っていた矢先で、中々タイミングのいい入手となりました(これ書きながら四月号をKindleでクリック)。

 その二月号に掲載していた書評にて、「渡辺錠太郎」という人物名が出てきます。この名前を見た時に私は、「この名前は俺は知ってるはずだ。たしか陸軍の軍人で……二二六絡みじゃなかったけ……」と、詳細な事績までは思い出せなかったものの大まかな範囲ではまだ何とか覚えており、果たしてこの記憶の通りに渡辺錠太郎という名前が歴史の教科書に出てくるのは二二六事件で、この事件の最中に射殺された陸軍大将です。

渡辺錠太郎(Wikkipedia)

 渡辺錠太郎は愛知県の出身で、貧乏な家庭であったことから小学校の卒業と共に看護卒(=看護兵)を目指して陸軍に入隊します。これは当時、看護卒から上等看護長にまで出世すると医師開業免許が得られる制度があったためだったそうです。
 陸軍に入隊した渡辺は脇目も振らず勉強を続けており、その高い向学心を認めた上官が陸軍士官学校の受験を勧めたところこれに師団内一位の成績で合格して晴れて陸軍士官となると、続けて陸軍大学校にも進学してなんと首席卒業という、いわゆる「恩師の軍刀組」にまでなってしまいます。さらって語っていますが当時の陸大は東大以上に入学が難しいと言われ、また入学後も全国切ってのエリートたちとしのぎを削らなければならないという環境であったことから如何に渡辺が学力面で優れていたかが推し量れます。
 なお東条英機は切れ者といわれていたことから陸大でも上位の成績と思われがちではあるものの実際はそうでもない成績で、東条の同期で主席だったのは私も大好きな今村均です。

 陸大卒業後の渡辺は順調に出世し、ドイツやオランダでも勤務するなど海外にも通じる幅広い知見を持った優秀な軍人とみられていたそうです。そんな彼が何故二二六事件に巻き込まれたのかというと、直前の人事が原因でした。

 満州事変以後の1930年代前半、陸軍内では荒木貞夫、真崎甚三郎を中心とする皇道派と、永田鉄山と東条英機を中心とする統制派に分かれており熾烈な派閥抗争を繰り広げておりました。
 この皇道派と統制派の抗争については意外とわかりやすい解説が少ないような気がするし知識的なものに餓え始めてきているので今年じっくり腰を据えて取り組もうかとも思っておりますが、作家の佐藤優氏によると「極論すれば世代間抗争だ」とのことです。

 渡辺錠太郎は両派のどちらかに与して行動していたというわけではなかったものの、ヨーロッパ流のリベラル主義的な思想であったことから皇道派が激しく批判していた天皇機関説に対して擁護する姿勢を示しており、そうした渡辺の姿勢は皇道派にとって内心穏やかではないものだったようです。
 両派の抗争は当初は非難合戦だったのが途中から人事(要職獲得)合戦へと発展するなど徐々に熱を帯び、1935年8月に起こった相沢事件によってヤクザ顔負けの取るか取られるかの熱戦へと発展していきます。この相沢事件の名称は私は「永田事件」と言い換えるべきだと考えているのですが、というのもこの事件で皇道派の相沢三郎によって東条を凌ぐ統制派の首魁であった永田鉄山が惨殺され、この永田の死はその後の日中戦争、太平洋戦争にも大きな影響を与えたと多くの歴史家の間で認識が一致しています。なんせ陸大の定期試験前に試験勉強サボって中国語の参考書を優雅に読んでいたというほどの天才だったそうですし(でもって卒業席次は第二位)。

 話しは戻りますがこの相沢事件の契機となったのはまさに渡辺に関する人事でした。1935年7月、皇道派リーダーの真崎甚三郎が陸軍の教育総監を降ろされた後に同職へ就任したのが渡辺錠太郎でした。この更迭劇を含め永田が裏で人事を操っていると考えたために相沢は強行に及んだのですが、渡辺本人の意向はどうあれ両派の抗争が極大化する一手に巻き込まれてしまったのは揺るがない事実でしょうし、この教育総監就任の一点で以って皇道派から深く恨まれる立場になったと推察できます。

 そして翌1936年2月26日。皇道派士官らによる軍事クーデターが引き起こされ多数の政官財の要人が攻撃される中、渡辺の自宅も襲撃されます。
 この襲撃劇に関しては諸説あり、既に他の要人への襲撃が始まっていたにもかかわらず渡辺邸には襲撃情報が伝えられず、それどころか警護の憲兵隊員が襲撃直前に何故か二階に登っており、内通行為があったのではないかという説が出ています。こちらに関しては本論とは関係ないため今回は省略します。

 襲撃は午前六時過ぎのことで、この時渡辺の傍には当時9歳の娘がおりましたが不穏な空気を察した渡辺は咄嗟に娘を近くの物陰に隠すと自らは拳銃を取りだして身構え、襲撃者を待ち構えましたが、外から機関銃で43発もの銃弾を激しく撃ち込まれ抵抗するまもなく殺害されました。この殺害の一部始終はその場にいた9歳の娘がわずか1mという目前で見ていたため、惨劇の状況に関しては比較的詳細な記録が残っております。
 この歴史事実を知った時に私が感じた事というのは、映画や漫画の中の世界ではたまに出てくるもののまさか実際に娘を庇いながらその目の前で殺害された父親がいたのか、事実は小説よりも奇也やという感想でした。しかもその人物はほぼ一方的な恨みを買われて襲撃されており、同時に彼の教育総監就任が永田鉄山の殺害にもつながるだけに私の中の歴史の線がピンと一本通って張りました。

 この事実は文芸春秋二月号における佐藤優氏の「置かれた場所で咲きなさい」という本に対する書評に書かれてありました。この本の著者は渡辺和子氏で、現ノートルダム清心学園の理事長でありあの惨劇の最中にいた9歳の渡辺錠太郎の娘です。佐藤氏曰く、あのような惨劇を見れば世の中を恨むようになったとしてもおかしくないのにキリスト教の信仰に根差した博愛精神がこの本の中で強く語られていると言い、同じ信仰者という贔屓もあるでしょうが絶賛しております。
 生憎まだ渡辺和子氏の本は手に取れていませんが、近いうちに買って読んでみたいと考えております。

 さらっと渡辺錠太郎の歴史的事実だけ書こうとしたら、皇道派と統制派の対立までやけにしつこく書いてしまいました……。こういうあたりが自分の持ち味だとは思うのですが(ーー;)

2016年3月12日土曜日

栃木女児殺害事件の冤罪可能性について

 はっきり言えば現時点でこの問題について何かしらコメントするというのは材料不足も否めないし事実と異なっている可能性もあるだけに予想するのはハイリスクであるのですが、それでも今この段階で言わなければ自分は後悔するだろうと思うので、他に抱えているネタを差し置いて優先して取り上げることにします。

栃木小1女児殺害事件(Wikipedia)

 2005年に小学一年生の女児が殺害されたこの事件について先日、容疑者の男性に対する裁判が始められ現在も続けられております。結論から述べると私はこの容疑者の男性は無実で、冤罪である可能性が高いと考えております。

 事件詳細については省略し何故冤罪であるかという理由を中心に述べていますが、数え上げると切りがないのでひとまず下記にリストアップした上で個別に解説していきます。

1、事件発生から9年後の突然の逮捕
2、直接証拠が何もなく、Nシステムの通行記録のみの強引な逮捕
3、強引な取り調べ
4、自白内容と遺体殺害状況の不整合
5、???

1、事件発生から九年後の突然の逮捕
 この殺害事件自体は2005年の発生ですが容疑者の逮捕は2014年です。しかも逮捕された男性は偽ブランド品所持で母親ともども逮捕されるといういわゆる別件逮捕の形式を受けており、そこからさらに裁判まで約2年の取り調べを受けてきたということになるわけです。

2、直接証拠が何もなく、Nシステムの通行記録のみの強引な逮捕
 1番の理由とも重なりますが、9年間も犯人が見つからなかった迷宮入り事件でなぜ突然犯人が捕まったのか。理由としてあり得るものとしては犯人の出頭、目撃者や関係者の証言、もしくは決定的な証拠の出現の三通りしかありません、というよりこれ以外は普通はないでしょう。
 然るにこの事件の容疑者逮捕の根拠として使われたのはNシステムの通行記録のみです。Nシステムについて説明は省略しますのでわからない方は自分で調べてもらいたいのですが、栃木県警は犯行時刻付近に近くの道路を容疑者所有の車が通行したというNシステムの記録を以って容疑者であると判断して逮捕し、自白を得たと主張しています。

 説明するまでもないでしょうがこれには疑問が二つあります。一つは近くを通行した記録が何故即座に犯人へと導く証拠となり得るのか、具体的なアリバイはどうなるのかという点。もう一つは何故この事実が9年後に明るみとなったのかという点で、通行記録であれば事件発生直後にもすぐ調べられる記録であってもしこれが本当に犯人特定の根拠となり得るのであれば既に逮捕できているはずでしょう。逆に言うなれば、逮捕するに当たってほかに真っ当な根拠がなかったということを指示しており、裁判開始後も自白以外の証拠を栃木県警は提出しておりません。
 なおNシステムの証拠採用について前田恒彦がなんかほざいていますが、ほかならぬこいつが知った口して捜査や裁判について語っているという事実を今回初めて知りました。過去にやったことを考えるとこの人はこういうことを発言してはならないし、またメディアも何を言おうが取り扱うべきではないと思うだけに非常に不愉快に思います。

3、強引な取り調べ
 こちらは目下リアルタイムで報道されている内容ですが、容疑者である被告の証言によると他の冤罪事件よろしく今回も警察官や検察官が怒鳴ったり、机を叩いたり、家族を引き合いに出すなど以前のあらゆる裁判で違法とされる取り調べ行為が行われていたと述べ、これに対し検察はそのような行為をしていないと否定しています。しかしまぁ、この検察の主張についてははっきりとした証拠、それこそ取り調べの状況をフルタイムで映した録画記録でも出さない限りは信じるまでもないでしょう。理由は後述で。

4、自白内容と遺体殺害状況の不整合
 ここが非常に肝心なところですが、被害者の解剖を実際に行った法医学者が被告の自白内容と殺害状況が一致していないと裁判で証言しています。

遺棄現場での殺害は「ありえない」 遺体解剖の法医学者が証言(産経ニュース)

 これに対し検察側は別の法医学者を出廷させて矛盾はないと証言させておりますが、素人の判断ではありますが首の可動角度などの面で検察側証人の意見にはちょっと無理があるような気がします。車のシートの上で殺されたわけではないのに死後硬直が始まってから動かしたとなると、かなり異常な行動ですし。

5、捜査・取調べを行ったのが栃木県警だから
 メディアで誰も指摘しないのが不思議でしょうがなく、わかっているから誰も言わないのかなどとも考えているのですが、今回この事件を捜査しているのはあの足利事件を生んだ栃木県警で、この事実一つとっても冤罪と疑うに足ると私は考えております。足利事件についてはもう何も語りませんが今回のこの事件も足利事件のDNA証拠と同じく、Nシステムの通行記録という証拠一点のみで自白を得て裁判にもつれ込んでおり、他に犯行を示唆させるよう補強証拠が何も見当たりません。
 ふつう私の感覚から言えば、足利事件のような冤罪事件を生んだ手前、捜査にはある程度慎重を期す態度なりを示すと思うのですがこの事件の捜査ではそのような態度は微塵も感じられず、むしろ懲りずに薄弱な根拠ひとつで無理矢理有罪に持ち込もうとしているというのはいくらなんでも反省が足りないのではという気がします。そもそもこの栃木女児殺害事件でも当初はDNAを使って捜査を行っておりましたが途中で現場で検出したとしていたDNAは捜査関係者の物だったとわかって諦めており、恐らくこの時点でなりふり構わず証拠を取り立てようとしたのでしょう。ってかむしろ捜査関係者を逮捕しろよ。

 栃木県警は上記の足利事件に限らず1999年の栃木リンチ殺人事件でも常識はずれな行動を取っており、しかも問題行動を取った警察官に対して「停職14日間」で済ませているなど警察組織としては大阪府警と並んで私は最も信用しておりません。足利事件でも結局真犯人は見つからないままですが地道な取材で冤罪を明らかにしたジャーナリストの清水潔氏は「犯人を特定した」と述べており、またその事件で殺害された女児の遺品も頑なに母親への返却を拒むなど、あらゆる面で理解を越えたことをやってのけます。
 この事件の裁判はまだ始まったばかりですし将来自分も見方を変えるかもしれませんが、現時点においての考えを述べるなら冤罪の線が濃いというのが私の意見です。

  追記
 遺体状況を巡る議論についても記事を書きました。

栃木女児殺害事件の遺体状況を巡る矛盾

2016年3月11日金曜日

ヤバい虫に噛まれた(´;ω;`)

 今日会社でひたすら仕事していたら、何やら首筋に近い部分の背中が急にかゆくなってきました。それも半端ないかゆさなのですが、しばらくするとかゆい部分が段々と移動しており、これはなんかくっついてきたなとすぐピーンと来ました。
 元々私はダニとかに弱く、夏場なんか太腿のあたりが蜂の巣のように(ハニカム構造)噛まれた跡がびっしりと浮き出る体質で、恐らく皮膚がそんなに強くないのだと思いますが、今日の奴は下半身ではなく上半身であるのと、昨日までこのようなかゆさは一切経験していないことから恐らく自宅のベッドや衣類からダニが発生したというよりは、通勤途中の地下鉄か何かで誰かにくっついていた虫が移ってきたのだと思います。多分地方からのおのぼりさんだろうな。

 昼過ぎの時点でやたらかゆくてこれはやばいと思いつつもそのまま仕事していたら、段々と移動してきたその「何か」が左腕に移り、何やらチクッとした痛みすら走って手の平とかもかゆくなってきました。一体何やねんと感じて少し腕をまくった所、左手首の下あたりで皮膚が破れており、っていうかモロに噛まれており、自分の直感が正しかったということが改めてわかりました。
 その後もピリピリと上半身のところどころがかゆかったものの我慢して定時を少し過ぎた頃、また突然後ろ首でピリっと、というよりビリッとした痛みが走り、該当箇所がぷっくりと膨れて血も滲み出してきました。何が辛いかってYシャツに血がついてしまったということで、また血濡れのシャツを一枚作ってしまいました。

 その後自宅に帰宅してシャワー浴びてからは大分かゆみも取れ、念のため来ていた服にもアイロンかけてやったのでもう大丈夫だとは思いますが、我ながらなんかヤバい虫にくっつかれたもんだと思えてきます。
 よくダニは死骸や糞が肌に触れるとアレルギーでかゆくなるだけで噛むことはないという人がいますが、これは明らかに間違いで、実際にはガンガン噛みついて皮膚に穴開けてきます。根絶することは難しいのでむしろ如何にしてダニの量を減らすかという視点に立ち、こまめにベッドやふとん周りの埃を取ったり、ふとん乾燥機やホットカーペット使って布団に熱を与えるというのが一番いいというのが私の経験談です。特にカーペットの応用を編み出してからはめっきり噛まれなくなったし。

 なお本題と関係ありまえせんが今日は自宅近くの料理屋で牛肉ラーメン(9元=約160円)を注文して食べた後、なんか全然お腹が膨れないのでそのまま連続で「牛肉玉ねぎ炒めご飯(12元=約220円)」を注文し、完食して帰ってきました。でもって家の近くで野良猫がうろついていたので、こんなこともあろうかと買っておいた携帯できる猫餌をばらまいたら、私が去った後でフンフンと地面嗅ぎながらパクついていました。

2016年3月10日木曜日

ハゲ議員連盟(日本を明るくする会)について

日本を明るくする会(Wikipedia)

 先日、いつものようにネットで政治ウォッチングをしていたところ、一つ気になる議員連盟があることに気が付きました。その議員連盟というのも上記の「日本を明るくする会」で、一体どういう議員連盟かというと要するにハゲ議員の集まりです。自分で書いててそんな冗談みたいな議員連盟なんてあるのかと思えてきますが、この議員連盟の参加資格は男らしく「頭髪が薄いこと」のただ一つだけで、それ以外何にもありません

 この会の始まりは2012年の衆議院選挙後で、この選挙で初当選を果たした自民党議員5人が情報交換を目的として会合を開いたところたまたまその5人がみんな揃って頭髪が薄かったことから、「たまたまとしない方がインパクトあふれる」としてメンバーが一致団結したそうです。会の趣旨としては議員同士の情報交換はもとより、自分たちの頭のようにともかく日本を明るくしていこうという方針からこういう会名になったそうですが、実態としてはまんまハゲ議員の集まり以外の何物でもありません。
 ただ参加資格が設けられているだけあって誰でも入れるわけではなく、自民党の茂木敏充議員に対して会長の八木哲也議員は委員会の会議上、「残念ながら、一見して茂木議員はメンバーになる資格がございません」と切って捨てています。こう言われるだけあって茂木議員は写真でも見るからにもふさふさです。

 もっともこの参加資格は必ずしも厳格に適用されているわけでもなく応用は効くようで、秋田県出身の冨樫博之議員はハゲてないものの「なまはげ」が秋田の名物であることから入会が認められ、同じように中村裕之議員も地元選挙区の小樽に毛無山があって、天気のいい日には石狩湾越しに増毛が見えるという説明が受け入れられ入会出来たそうです。まるっきりとんちやないけ。

 しかしなんだかんだ言いつつ、参加する議員の人数は増えていき現在は10人にも上るそうです。また会合にはベテランの江藤征士郎議員が来ることもあれば、恐らくこのまま在任日数が福田康夫元総理を抜いて過去最長となるであろう菅義偉官房長官も来たことがあるそうです。けどこんな会に招かれても素直に喜べない気もしますが。

 などとややおちょくった書き方でさっきから紹介しておりますが、こう言いながらも案外この議員連盟は凄まじいポテンシャルを秘めているのではないかと密かに注目しております。というのも自民党議員を中心に構成されているものの、特別な政治思想や出身などではなく身体的特徴だけを共通点にして集まっており、しばしば議員同士の溝を作りかねない派閥や世代、下手すれば政党すらも横断した議員連盟へと発展する可能性が感じられ、仮にそうなれば政治家同士のフラットな議論や政治家個人同士での連携した活動などが期待できるのではないかと思います。しかも、参加してる議員たちは見るからに団結力というか仲間意識が半端なく高そうですし。

 唯一の懸念としてはふさふさの議員らとの間で深刻な溝を作りかねないという点が挙げられますがそれはこの際置いといて、単純にお堅いと見られがちな政治家がハゲをウリにして「日本を明るくする」って主張しているということ一つとっても、なんだか日本の未来が明るくなりそうな気がしてきます。政治家というのは深い政策議論や権力の監視や運用能力が求められることもさることながら、市民に対して未来のヴィジョン、それもなるべく明るいヴィジョンを見せるということも重要な仕事です。そうした視点に立つならばこの「日本を明るくする会」は非常に前向きというか見ていてとてもわかりやすくそのような姿勢を見せており、こうした活動がこれまでの日本の議員に欠けていたのではないかとマジで考えさせられました。それこそこの議員連盟に参加している議員が光臨するって聞くだけでも、なんか見に行きたくなるし。

 ちょっとしつこく繰り返しますが、真面目に私はこの「日本を明るくする会」には期待しており、今後是非とも知名度を上げて日本政治を代表する議員連盟へ発展してもらいたいと考えております。党派や政治信条ではなくちょっとした共通点で政治家同士が集まるということに深い価値があり、またどう見ても根明な集まりであるということも見ていて本当に頼もしい限りです。今年はダブル選挙になりそうなだけに、「日本を明るくする会」の参加議員らには武運を祈ると共に、この記事に共感した方々もどうかお力添えをと願う次第です。

2016年3月8日火曜日

イーロン・マスクとスペースX

 すいかさんのブログでこの前、お子さんが熱に浮かされた際に出た寝言のエピソードが紹介されておりましたが、私が今まで聞いた寝言の中で一番衝撃的だったのは中学校の修学旅行中に友人が発した、「もう眠いよぉ(ノД`)~゜」という寝言でした。っていうか既に寝てんのに夢の中でも寝足りなかったのか彼は。

スペースX、衛星打ち上げ成功 ロケット洋上着陸はまた失敗(AFP)

 大体今年一月くらいからですが、米国のロケット打ち上げ事業を行うスペースXという会社の各種実験に関する報道が日本でも見られるようになりました。上記ニュースは中身を見てもらえば早いですが、これまで打ち上げた後はそのまま廃棄していたロケットを再利用できるよう海上に着陸させようという実験を報じたもので、今回は衛星を打ち上げることが本目的であって海上着陸は二の次のデータ取得が目的だということであったことからCEOのイーロン・マスク氏は、「計画通りの失敗だ」と述べています。
 ちなみに、スペースXは地上への着陸には既に成功しています。またついでに述べるとこのスペースXは、衛星や補給物資を積んだロケットを実際に打ち上げ続けている世界でも数少ない民間企業の一つで、もう何年も前から商業ベースの依頼を受けて衛星を宇宙軌道に乗っけたり、国際宇宙ステーションに補給物資とかを送ってたりします。

 そんなスペースXを率いているCEOというのが上記のイーロン・マスク氏です。恐らく日本ならスペースXはおろかこの人の名前を聞いてもピンとこない人の方が多いかと思いますが、このマスク氏が電気自動車(EV)の開発・販売で一時はトヨタとも技術提携したテスラモーターズのCEOでもあると聞けばその印象も変わってくるのではないでしょうか。

イーロン・マスク(Wikipedia)

 イーロン・マスク氏は米国系移民の息子として南アフリカ共和国で生まれ、青年期までこの地で育ちました。マスク氏は少年期から一風変わった子供だと周囲から見られており、一旦集中すると揺すっても声をかけても全く反応をしなかったり、一読した本の内容を隅から隅まで暗記しているなど際立った秀才ぶりを見せていたそうです。ただ子供の頃は大人しい性格をしておりクラス内でも特別目立つ人物でもなければ、ガラの悪いグループに絡まれていじめられることもあったと本人も語っています。
 マスク氏は高校卒業とともに最初はカナダ、次いで米国本土の大学へ留学しますが、留学の理由としては当時南アフリカ共和国で敷かれていたアパルトヘイト政策への反発と徴兵への忌避、そして現在も絶縁している父親から離れようとしたことが動機だったそうです。留学先の大学はいくつか転々としておりますが学生期にはプログラミングや経営学を学んだとしているものの、この時期の彼については学歴ロンダリング、または学歴詐称の指摘も出ておりはっきりとした足跡の裏付けは取れてはいません。ただ後からやってきた弟ともに学生時代から当時発達し始めてきたIT系の分野に興味を持ち、大学卒業後はIT会社にインターンとして入社しました。

 彼の最初の転機は弟とともに始めた事業で、今でいうマッピング広告と呼ぶようなサービスで地元の商店街を中心にネット上で地図と店の紹介を行うというサービスを展開しました。IT黎明期ということもありましたがこの事業はそこそこ成功していくらかの資金を獲得するにも成功しましたが、このマッピング広告事業からはすぐに足を洗って今度はかねてから構想を抱いていたネットバンク事業へと挑戦します。
 今でこそネット決済は当たり前ですが1990年代はネット上でお金のやり取りをするなんてセキュリティ面で危ないのではという認識が強い中、必ずネットで決済する時代が来ると踏んでいたマスク氏は培った人脈から事業運営に必要な人材を集め、手持ちの資金を大々的に活用するとともに米国内で銀行事業免許を取得し、当時としては本格的なネットバンクを設立するに至ります。ただ当時には同じような事業モデルを展開する競合他社もおり、お互い熾烈な競争を繰り広げた後で最終的には手を組み、ネームバリューとブランド力の高かった提携相手側の名称を使って成立したのがペイパル社(PayPal)だったりします。知ってる人には早いですが、ペイパルは今もネット決済サービスで世界最大手の会社です。

 ペイパルが成立した後ほどなくして米国でITバブルが弾けますがこの逆境下でもマスク氏は慌てて身売りはせず、時期をしっかり見計らった上で株式上場を果たして巨額の富を得ます。大体この頃から数多いる米国のIT長者の中でも一際キャラが立っているというか一目置かれる存在とみられ、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズに続く第三の男という風に取り上げられるようになったそうです。
 なお彼を知る人物からの評でも、「ビル・ゲイツのビジネス的なえげつなさとスティーブ・ジョブズのエキセントリックな偏屈さを兼ね合わせた男」と比較されていますが、なんていうか本当に嫌な組み合わせだなぁ。

 話は戻りますがペイパル上場によって巨万の富を得たマスク氏が次に手を出したのが、ロケット打ち上げ事業を手掛けるスペースXと、電気自動車(EV)の開発及び販売を手掛けるテスラモーターズでした。信じられないかもしれませんがマスク氏はロケットとEVという二種類の最先端の技術分野の開発・事業化をほぼ同時期にスタートさせており、現在も両社のCEOを兼任しながら同時並行で仕事を進めております。
 既に書いている通りにマスク氏は元々IT分野からの出身者でありますが宇宙開発や自動車には昔から興味があり、ペイパルを売却して開発者との会合に出ていくうちに物凄い勉強し始め、現在においては両分野共に第一線の研究者にも負けないほどの知識を持つに至ったそうです。そのため社内の開発者が技術トラブルなどの原因や対策を説明する際に少しでも穴があったら的確にそこを突いてくるので、社員としてはやり辛い上司らしいです。

 両事業共にペイパルと比べ技術的な障害も多いだけでなく資金調達面でも何度も危機にさらされ多くの人間が失敗すると予想していましたが、結果的にはどちらも見事収益化に成功しており、また技術的にこちらも難しそうなハイパーループという超高速鉄道事業にも手を出すとマスク氏は宣言してます。

 以上のようにマスク氏は経営者としてその実績は超一流で、なおかつ最先端のテクノロジー開発に自ら取り組みチームを指揮することからも超一流の技術者であります。そうした背景から映画「アイアンマン」の主役でロバート・ダウニーJr氏が演じたトニー・スタークは彼がモデルだと言われ、本人もその気というかそう言われてうれしかったようで社内に等身大のアイアンマン人形を置いているそうです。
 実際に彼の評伝を読んでいるとトニー・スタークに近い印象を受け、その能力と決断力は傑出しているものの人間性に問題があるというか、苦しい時期を乗り越えてきた仲間と何度も衝突して袂を分かったり、ちょっとでも気に入らないと部下をこき下ろしたり、こちらも「アイアンマン」に出てくる優秀な秘書のペッパー・ボッツに擬せられるほど優秀だった自分の秘書をある日突然解雇したりと、非常に独善的で必要以上に自信家である印象を覚えます。ただそんな彼に対する米国の人々の注目は小さくなく、米国経済を引っ張っている一人であるというのは間違いない事実です。

 今回こうして紹介記事を書こうと思ったのは、彼ほど米国、ひいては世界に影響を与える企業経営者は決して多くはない上、テスラモーターズの社名は日本でもよく報じられている一方、「イーロン・マスク」という個人名が何故日本では浸透していないのか、この点に疑問を感じたからです。文字通り世界を動かす経営者であるのだからもっと注目されたり紹介されてもいいと思えるのに、何故かこういう情報は出回りません。
 はっきり言えば世界に対する目が日本のメディアに不足しているように思え、この点に対して自分を含め日本のマスコミ連中がほざく「グローバルな目」というものを養わなければならないと自戒を込めて書くことにしました。ちなみに、自分もマスク氏を知ったのは友人に「最近読んだ本で一番これが面白かったから」と、下記の本を教えてもらったことがきっかけです。


2016年3月6日日曜日

千葉のマッドシティ~松戸市長

 昨日今日とで150km以上も自転車で走ってまだ疲労が抜けないので今日も短く切り抜けられる記事でお送りします。

 知ってる人には有名な話しですが、現在「松戸市長」という言葉についてやや齟齬が生まれる現状が続いております。というのも、「松戸船橋市長」もしくは「船橋市松戸市長」と呼ばれる人が出てきてしまったからです。

船橋市長なのに「松戸市長」 「どちらで呼んだらいいのか」とネットで笑い広がる(ジェイキャスト)

 松戸市と船橋市はどちらも千葉県内で多くの人口を抱える有数の行政法人なのですが、現在の船橋市の市長の名前は松戸徹氏で、皮肉なことに船橋市の市長なのに松戸という苗字がついてしまっているわけです。そのためニュース記事などでは上記などのように「松戸・船橋市長」などと書かれるために読んでて一体どっちやねんと言いたくなるような記述にならざるを得ないわけです。しかもどちらも同じ千葉県内だからさらにややこしい。
 自分が間違っているとは分かっていながらも、船橋市の松戸市長については頼むから改名してくれないかとすら密かに思っています。もしくは「船橋・M・市長」みたいにちょっと小細工効かせた呼び方とかにするとか。

 なお、本家本元の現松戸市長は本郷谷健次氏です。本郷谷市長に私から言いたいこととしては、市庁舎のすぐ裏にソープランド(角海老)があるのはどうかなっていうことくらいです。

 なんか本当に自転車の乗り過ぎの疲労で色々ときついです。帰り道はルート開拓とばかりに選択した道が無駄に遠回りになって失敗したなぁ。

2016年3月5日土曜日

シャープの中国子会社清算に関する疑問

 昨夜は上海にやってきた後輩と仕事後に合流して一緒にご飯食べましたがその際に、

花園「今度サイクリング部のメンバーと一緒にイチゴ狩りに行くんだ(´∀`*)ウフフ」
後輩「おっさん同士でイチゴ狩りに行くんですか?(´・ω・)。oO(何が楽しいの?)」

 と言われて、一瞬言葉に詰まりました。

投資家情報 決算資料(シャープ)

 話は本題に入りますが、先日ホンハイとの被買収交渉を終えたシャープですが、交渉を追えてさぁ契約ってタイミングでホンハイ側から資料精査のために契約時期を延期するという発表がなされました。この背景について海外メディアが、3000億円にも上る偶発債務リストをシャープが契約直前に渡したためだと報じられており、この報道に対してシャープも、「うちが発表したものではない」といった辺り事実なんだと思われます。
 では事実だとしてその偶発債務の中身は何なのか。現在シャープの表に出している有利子負債額は3000億円強といわれているだけに、普通の上場会社であれば偶発債務とはいえ3000億円もの債務リスクがあるのであれば財務諸表の注記事項で記入するのが当然です。報道を見ている限りだとシャープはこれまでこの偶発債務については一切公表していないようではあったものの、何かしら中身のヒントが得られないものかここはひとつ「俺がやるしかねぇ」と思ったので、直近におけるシャープの決算情報並びに財務諸表を確かめてみようと決心しました。

 そんなわけで上記リンク先のページにある今年2月4日発行の「平成28年3月期Q3決算短信」を見てみたのですが、結論から言うと偶発債務3000億円と思しき情報は見受けられませんでした。だとすると重大な債務リスクを隠しているという事なのでこれはこれで問題だと思いますが、それ以上に目を疑ったというか疑問に感じた記述として、連結会社に関するある記述が目に留まりました。
 その記述とは決算短信PDFの8ページ目上部に有る記述で、シャープの中国法人の一つで連結対象子会社でもある「夏普科技(無錫)有限公司」を2015年8月26日に清算したとさらっと書いてあります。一体この記述の何が問題なのかというと、ほかならぬこの私がこの情報を知らなかったということが問題だったりします。

 通常、連結対象にもなる子会社が異動する場合、経営に影響を与える要素ともなりうるため市場に対しきちんとその情報を公開しなければなりません。しかし常日頃から日系企業の海外拠点情報を収集している私は今回のこの情報は全く把握しておらず、シャープが同中国法人の清算を決断、または清算完了時にきちんと情報を公開していたのかという点で強い疑問を感じました。きちんと公開していれば恐らく私もキャッチしているはずでしょうし。

 この点が非常に気になったので2014年から2015年にかけてのシャープのニュースリリース並びにIRトピックスを細かく調べてみましたが、私が見る限りですと同中国法人の清算に関する発表は一切見当たりませんでした。またこの中国法人名で過去のニュースをネットで検索かけてみましたが、同中国法人が清算または解散するというニュースはどのメディアも一切報じておらず、ニュース的に旬な会社の子会社(海外工場)整理という内容から考えるとちょっと有り得ないんじゃないのかと思え、はっきり言えばシャープは情報公開せず隠してたんじゃないかという疑念を持ちます。
 もっとも公開したくないという気持ちはわかるしなにもシャープに限らずパナソニックも上海のプラズマテレビ工場閉鎖を数ヶ月黙っていたことがありましたが(自分が日系メディアで一番最初に報じた)、それでも清算を完了してから半年後にちょろっとだけ書いて公開するというのは意気地のない話です。こと情報公開に関しては口うるさいというか厳しい立場を取る私ですが、こうした態度を取る企業に対してはもっと社会も厳しい態度をを取るべきだと思います。

 ……と、いいながら、シャープが事実を隠してたら隠してたでニュースネタとしての価値は上がるだけに内心おいしいなとも思っており、この前元職場に、「決算短信を当たってみろ」とアドバイスしてたりします。

2016年3月4日金曜日

女性の方が多い中国の会計士事情

「中国の会計士の七、八割方は女性だ」

 先日、このような情報を知人からキャッチしました。
 会計士というと日本では司法試験などと並ぶ文系最難関資格の一つとされ、一時期は監査法人の採用が減って不遇の時代もありましたが現在は社会での需要の高まりと共に同資格保有者の求人も増加しており、高級職の一角に食い込む職業であります。こうした事情は中国でも同じで会計士資格の保有者となるとどの会社でも歓迎されますし、普段の生活でも「あの人会計士なんだって」という具合でちやほやされること間違いなしです。

 ただ、日本とは少し事情が異なるというか冒頭で上げたように、中国では会計士は女性がやっていることの方が多いとのことです。日本で会計士というと想像される姿はやっぱりスーツ着た男性で、女性もいないことはいないだろうけど検事や弁護士同様にやはり男性がメインというイメージの方が強いです。それだけにこの話を最初聞いた時は少し疑ったというか確認する必要があるように思え、早速監査法人に務めている知り合いがいる中国人の友人に連絡を取って真偽を確かめました。

 確認を取ったところ、確かに中国の会計士は女性の方が多いというか大半であるというのは事実だそうです。一体何故女性が会計士やることが多いのかとさらに尋ねたところ、経理や監査といった細かい数字を見たり確認したりする仕事は女性の方が向いているという概念が中国にはあるそうで、その延長で「会計士は女性の仕事」と考えられているそうです。もっとも、監査法人のトップに立つような会計士はほぼ男性が占めており、影響力的には男性の会計士の方がやっぱり上に出るとのことです。

 確かに日本でも経理業務は女性職員が多いような気はしますし、また女性の方が金の出し入れや金額の確認業務は向いているのではというのも納得できます。しかし会計士の大半が女性だというのは私からすると素直に驚きで、逆になんで日本では男ばっかなのかと逆方向の疑問すら湧いてきます。
 ただこの方面の中国事情についてもう少し述べると、地味に日本よりも経理や監査や財務申告は中国の方が進んでいるなと思う節があります。不正腐敗のエレクトリカルパレードの中国で何を言うかと思われるかもしれませんが、中国では社会主義国家なだけあって会計基準や税率税法の適用などについて統一した管理を敷きながら細かく当局が指導、強制しており、特筆すべきは一部領収書の書式が全国統一の同じ仕様で、領収書の印刷機も政府公認の物しか使えないようになっています。

 また間接税も日本の消費税に対して増値税方式で、日本よりも明らかに管理しやすい形になってますし、なにより一番大きく異なるのは経理業務の担当者は経理関係の資格保有者に限定していることです。日本にも一応、簿記資格はありますが通常の経理業務を行うに当たっては求められませんが、中国ではその辺りが厳しくて、税務申告に当たっても領収書の添付が必ず義務付けられます。
 中国に駐在経験がある人ならわかるでしょうが中国の領収書添付の厳格さは日本が緩すぎやしないかと思うくらいで、「他はいい加減なのになんでここだけ厳しいんだ」とよく駐在員同士で愚痴り合うのはこちらの常です。もっとも、それでも不正やらかしたり資金隠したりする人間が後を絶たないというのですから、別な意味でも中国人は会計業務に長けているといえるかもしれません。

2016年3月3日木曜日

千葉のマッドシティ~バンダイミュージアム(移転)

 このブログとリンクを結んでいる潮風大使さんがディープなマッドシティネタをわざわざ取り上げてくれているので、興味がある方は是非下記リンク先をご覧ください。

潮風太子松戸に出没す(笑う蜘蛛の糸)

 一方、こちらのブログではマッドシティネタがこのところめっきり少なくなってきておりますが、何もネタが切れたというわけではなく単純にほかに書くネタが多過ぎるというのが実情です。とはいえいい機会だし、あと知り合いと一緒に夕飯食べて眠いこともあるので大分前に準備しておいたバンダイミュージアムについて今日は紹介します。

おもちゃのまちバンダイミュージアム(Wikipedia)

 バンダイミュージアムとは玩具製造販売大手のバンダイ(現バンダイナムコホールディングス)が設立、運営しているアミューズメント施設です。栃木県下都賀郡にあり、看板商品のガンダムに関連した商品や展示を中心に様々な玩具が多数置かれてあり、大人から子供まで様々な年代が楽しめるような施設となっております。行ったことないけど。

 で、なんで栃木県にあるこの施設をマッドシティネタで語ってんのかというと実はこのバンダイミュージアム、元々は松戸市にあった施設でした。場所は松戸駅から徒歩一分というかほぼ接続している商業ビルのピアザ松戸で2003年にオープンし、聞いた話だとガンダムのプラモデルが大量に売られていたとか。そんな松戸市に合った施設が何で栃木県に移ったのかというと、はっきりとは言われていませんが客足がそんなに伸びなかったという営業上の理由が大きかったとのことで2006年に閉店しており、2007年から栃木県で再オープンしたそうです。

 で、正直なことを述べると、実は私も松戸時代のバンダイミュージアムには一度も行ったことがありませんでした。なんでかって理由は非常に単純で、この時期の私は京都方面で転戦を続けていたというか大学に通ってて(+北京)、関東にはほとんど滞在していませんでした。なのでたまに帰省した際も松戸にこういう施設が出来たとは聞いてはいたものの足を運ぼうとまでは思うことはなく、むしろこういうアニメグッズやプラモを買おうってんなら秋葉原まで出向こうとしたでしょう。
 あくまで私個人の意見ですが、なんで松戸でバンダイミュージアムが流行らなかったのかというと都心に近すぎたということも一つの理由じゃないかと思います。都心に近すぎてこの手の商品なりアミューズメントを求めるのであればもっといいところというか候補が数多くあり、地元民はともかくとして中途半端な距離にある松戸にまで足を運ぼうっていう人が多く出なかったのかもしれません。

 なおこの元入居先ことピアザ松戸にはかなり前から1~2階にはゲームセンターが入っており、その上にはマクドナルド、紳士服の青山、ダイソー、ユザワヤ、ブックオフが入っています。ゲームセンターには中学生の頃に親父を無理やり引き連れて25対25で打ち合う戦車ゲームして遊んでて何故か親父もこの時のことをやけに覚えてて何度も話題にしてきます。
 紳士服の青山では開店当初に一着スーツを購入していますが、今日以前いた職場にそのスーツ着て顔を出したら、「あら、あんたスーツも持っていたのね」と、昔の同僚に言われました。秋から春にかけてその職場ではほぼ毎日、猫の絵柄に「ALCATRAZ」とアルファベットで書かれたトレーナとGジャン来て通っていたのですが当時の同僚みんなこの格好を覚えてて、むしろどうして今日それを着てこなかったという風にまで言われました。

2016年3月1日火曜日

伝統工芸のぼったくり事情

 本題とはまた関係ありませんが、今職場で使っているパソコンと自宅で使っているパソコンのこーボード配列が異なっているため、なんかこのところ職場でも自宅でもキーボードを打っているとどちらでも違和感を覚えてなんでやねんという状況です。どちらもノートパソコンですが、自宅では外付けキーボードを使っているものの職場ではノーパソ付属のキーボードなので、職場にも外づえっキーボードを一応は用意したもののなんかテーブルの高さが合わないのか仕事し辛くて結局外してしまいました。

日本の誇りを守るため「伝統文化」も変化せよ なぜ、ここまで「ボッタクリ」がまかり通るか(東洋経済)

 そういうわけで本題ですが今日引用する記事はみんな大好きアトキンソン……といっても、この名前聞いてするわかる人はほとんどいないでしょうが、この人は以前に私が書評を書いた「新・観光立国論」という本の作者で、以前ゴールドマン・サックスの日本支部でアナリストをやっていた愉快なイギリス人です。
 どうでもいいですがこの前、「イギリスに留学した姉が現地の食べ物がまずくて栄養失調寸前なんだけど」というまとめ記事見てうんうんと深く頷いていました。自分は余り食にこだわりがないけど、生きているのが本気で嫌になったのはロンドン滞在時くらいです。

 アトキンソン氏は現在、京都にある文化財保護事業を行っている小西美術工藝舎で活動されておりその傍らで日本の観光産業について提言や警鐘を行っているのですが、今回引用した記事では、日本の伝統工芸が実は日本の物ではなくなってきているにもかかわらず、日本製と偽ってぼったくりに近い行為がなされていることを紹介しています。
 そういった一例としてこの記事で紹介されているのが「漆」なのですが、自分もこの記事で初めて知りましたが漆の英語名は「japan」とのことで、それほど世界的にも日本を代表する素材だと認識されているようです。しかし、現在日本で使われる漆の98%は実は中国産で、重要文化財の塗り直しとかにも日本産の漆はほとんど使われなくなっているそうです。

 それでも日本人が作っているのなら日本製といえるのでは、と思うかもしれませんが、アトキンソン氏によると、日本らしいものを買い求めに来ている外国人からすれば「そりゃないよ」と受け取るだろうと否定した上で、

「想像してみてください。みなさんがイタリアで高価な『ヴェネチアングラス』を購入して来たとしましょう。後にそのガラスが実は中国産だったと聞いて、どう感じるでしょう。『ダマされた!』と思わないでしょうか。」

 おっしゃることまさにその通りで、日本の伝統工芸品として売り出している以上は徹頭徹尾日本産にこだわるべきでしょう。これも本文に書かれてますが、漆が「japan」ではなく実は「china」だったというのはシャレにならない話です。

 またこの漆と合わせて金箔についても触れており、一部で中国産の金箔を使って安く作っているのにもかかわらずお値段は据え置きで、ぼったくっている業者が少なからず存在するということも指摘しています。安く作れるのならそれに越したことはないものの、それを消費者に還元しないというやり方は消費者にも技術者にも産業的にも悪影響を与えていると指摘し、それならば値段が高くても本物志向にこだわるべきだということを暗に示唆しています。

 なお最後の方で金箔に疑問を持ったきっかけとして、以下のようなエピソードが載せられています。

「業者から『金の値段が1割上がったから、1枚あたりの単価が1割上がります』と言われました。これは元金融アナリストとして、絶対に認められない話です。1枚あたりの単価のなかには、職人の賃金、固定費なども含まれているはず。金だけで構成されていないのは明らかです。」

 というエピソードを書いた後、「ゴールドマン・サックスという世界トップクラスの投資銀行の元役員にそんな話が通じるはずもない」と、かっこよく言っててマジリスペクトみたいに思いながらこの記事読んでました。

2016年2月29日月曜日

最近のブログ更新速度について

 いきなりいうのもなんですがこのところこのブログの更新ペースは一様に上がり続けています。しかも更新が多いだけじゃなく取り上げるネタも自分から見てもなかなか面白い内容が多く、特に去年一年間にあまり多く書かなかった中国経済関連の記事が増えていてどれも内容が充実していると思います。
 一体何でこうなったのか。一番大きな原因は1月に引っ越しとネットトラブルの影響を受けて記事更新が一時中断したのと、やはり昆山から上海に引っ越してきていろいろと周囲から受ける影響というか刺激が増えて気が付くことも増えてきたからだと思います。今こうしている状態でも取り上げようとするネタは常に5本以上抱えている状態が続いており、早く消化しなければと思って書いている間にまたどんどんと書きたいネタが見つかって文字通り作業が追い付かない自転車操業のような感じに陥っています。

 かといって、以前みたいに一日に二本や三本をまとめてアップすると読者への負担が明らかに大きすぎます。書いてるこっちももちろん負担ですが。
 なのでひとまずは一本ずつ消化していく方針で記事を書いてますが、それにしてもなんでこんなに消化できないのか自分でも不思議です。書いてるだけならまだしも、地味に隠れて周囲へ取材も一緒に行ってますし、たまには休日に一歩も外に出ないでボーっとしていたい気もしますがこのところは午前中から夕方までほぼずっと自転車に乗って読解く日々が続いているし、来週に至ってはまた、晴れていたらですが自転車の遠征が決まりました。

 なおたまに聞かれますが、平日の就業中には一切ブログは書いていません。っていうか書くほど暇じゃないですし。いつも家に帰宅してからネットで情報収集して、それから執筆に入るというペースが数年前から確立されていますが、それにしたってもう少しのんびり書いた方がいいのかなとたまに思ったりします。