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2024年1月15日月曜日

ポスト松本人志に挙げられなかった気になるコンビ

 13日に行われた台湾総統選挙では現在の祭文英総統の後継にあたる民進党候補の頼清徳氏が当選しましたが、この選挙戦の最大のMVPは選挙干渉しようとした大陸側の中国政府でしょう。ぶっちゃけ台湾の人たちは大陸側が干渉すればするほど民進党への支持を強めており、そういう意味では中共は民進党候補を勝たせるためにわざと、かなりバレバレな選挙干渉やってるんじゃないかとみていて逆に疑います。
 っていうか誰か「北風と太陽」の絵本を北京に送ってあげるべきでしょう。口先だけでも「平和裏な統一を目指す」といっておけばいいのに、武力統一も辞さないなんていちいち言ってれば民進党を応援しているも同然です。胡錦涛政権だったら、こうも武力を誇示しなかったろうな。


 さて話は本題ですが今も報道が続く松本人志氏の騒動を受けて、上の記事のように彼の出演が取りやめとなった番組、芸能界において誰がその穴を埋めるかという議論で、吉本所属以外の芸人ばかりが候補に挙げられています。実際にというかこの10年くらいの間に芸能界、特にお笑い業界に関しては吉本一強でなくなっており、まとめ記事にもありますが今吉本の身代を支えているのはお笑いビッグ3の一角である明石家さんま氏でしょう。
 もし彼が引退などしていなくなった場合、多分吉本は今のままではいられず、養成所の閉鎖を含め事業の縮小を余儀なくされると思われます。なんかこう書くと、明石家さんま氏が蜀漢の諸葛亮みたいだな(;´・ω・)

 さてそんな後釜候補について語り合う上の掲示板ですが、これ見て真っ先に思いついたこととしては「ナインティナイン」について誰も言及していないな」という点です。90年代後半における吉本の比較的若手な芸人においてはこのナインティナインが間違いなくトップで、爆笑問題らも当時売れ続けるナインティナインを見て羨ましかったと語るほどでした。
 その勢いは00年代も続き、と書きたいところですが、00年代に入ってからは先の爆笑問題やくりぃむシチューらが台頭し、特に司会を受け持つ冠番組で彼らが席巻するようになります。そして10年代に入ると大器晩成というか元猿岩石の有吉氏が突然の復活とともに多くの番組を持つようになり、同じく多数の番組で司会をするマツコ・デラックスと並んでバラエティ番組を席巻するようになります。

 近年、ナインティナインの二人が司会、出演する番組で話題になることと言ったら、ゴチ企画のメンバー交代の時くらいしかニュースで見ることがありません。っていう過去の企画も内心、ナインティナインの二人が出る必要があるのか、ほかの芸人にやらせたらもっと視聴率取れるんじゃないのと、企画内容がメインコンテンツであるように見えるだけに、前からこのコンビの視聴率への貢献に関しては疑問に思っています。
 私自身が余りナインティナインのファンではないことも影響しているかもしれませんが、それを踏まえても近年の彼らの露出低下は90年代の活躍を知るだけに結構深刻であるように感じます。実際にというか上記のダウンタウンの後釜議論においてもナインティナインの名前は一切出てきておらず、私以外の人たちの間でもナインティナインのフェードアウトはかなり激しくなっているように見えます。

 この辺について背景とかいろいろ述べるとしたら、結局のところダウンタウン以降、幅広い層に人気を持つタレントを吉本が育てることができなかった、否、見つけることができなかったということだと思います。吉本は養成所を作るなどして多くのタレントを輩出することには成功していますが、やはりこの世界は才能が物を言うというか、究極ともいえるダイヤの原石をこの30年くらいの間に見つけることができなかったような気がします。
 まぁ有吉氏の例のように、一度芸人として終わったと思われた人が不死鳥の如く復活して視聴率をかっさらうこともあるので一概にこうと言い切れませんが、ナインティナインというかつてのエースのフェードアウトぶりを見ると、これ一つで吉本の力の落ち込みを強く感じさせられます。

 まぁ吉本の中でも、陣内智則氏は司会もギャラリーもワイプも何でもできるし、もともとピン芸人だからネット配信もこなせるなどものすごい万能ぶりだから、彼が引き立つ番組をうまいこと作れたら松本氏の穴は十分埋められるんじゃないかと内心思っています。むしろ彼が、もちろん今でも十分人気ですが、現状程度の人気でとどまっているのがひそかに不思議に思っており、もっと彼は売れるとかたくなに信じています( `ー´)ノ

2024年1月13日土曜日

キックバックを含む政界の金問題をどう規制すべきか

昨日今日の上海は急に春めいた陽気となって今日の昼間の気温は15度を超えていました。気温と湿度が上がったのと暖房の使用が増えたことからか、今週はほぼずっと街中では霧というかスモッグが立ち込め、昔の上海みたく濁った空気が懐かしくてなんか自分も元気になりました。空気がきれいな中国なんて中国じゃない。

 話は本題ですが自民党の安倍派を中心としたパーティ券キックバック問題について、検察はすでに逮捕、起訴した面々を除いて、これ以上の立件は見送るとの報道が出て、日本人の間からは不満が広がっています。ただ報じられている通りに共謀の意思を証明するのは難しく、またすでに死んでいる安倍、町村に責任を擦り付けられる状況でもあるので、このような結果になるのは私も仕方ないかと思います。
 かといってこの問題を放置すべきではなく、現行法でさばけないなら新しい規制法を作り、爾後に備えるというのがより建設的であるような気がします。

 では具体的にどう規制すればいいのか。結局のところ政治資金規正法の最大の欠陥は何かというと、会計報告書に未記載や誤記載があっても後で修正してしまえばいいという点です。もちろん悪意を持った未記載や誤記載であれば完全にアウトですが、この悪意を証明することが難しく「うっかりやっちゃった(*´σー`)エヘヘ」という風にバレバレな嘘でもつかれたりしたら、よほどの裏証言でもない限りは立件は不可能です。
 この点、過去に企業会計絡みで捕まったホリエモンなどが企業会計と比べるとずるいと主張していますが実際その通りで、企業会計だったらこんな風には通らず、最低でも追徴課税が発生するでしょう。

 以上を踏まえて言うと、「ばれたって素知らぬふりして修正すればOK」というのが最大の欠陥であるように思え、立件の基準を「悪意を持って収入を秘匿やごまかそうとした」ではなく、「会計報告書に修正すべき事項を設けた」という点に設定するのがいいのではないかと思います。具体的には、政治家事務所の会計報告書に未記載、誤記載があった時点で即アウトという風にすることを自分は推奨します。

 そうはいっても一切のミスなく会計報告書を作成するのは不可能、と言い訳する議員もいるのでそうした雑音を封じ、誰がどう見たってアウトかそうでないかの基準として、修正金額ではっきりした基準を作ってはどうかという風に考えています。こちらも具体的に挙げると、

・単年度に1000万円以上の修正が発生
・議員在籍の直近6年間において単年度300万円以上の修正が2度発生
・議員在籍の直近6年間における修正の累計額が1000万円超

 上記の3条件のどれか一つを満たした時点で、どんな修正内容であるかに係わらず即刻で議員資格停止という罰則を設けたら、みんな目の色変えてきちんとした会計報告書を作り、なおかつ裏金も作らなくなるんじゃないかと勝手に考えています。
 モデルケースとして、ある衆議院議員が初年度に300万円超の修正が発生した議員は、次また300万円の修正が発生した時点で議席喪失となるほか、残りの5年間に700万円(1年あたり150万円)の修正が発生しても同じく議員喪失になるというわけです。

 上記の期間と金額について少し解説すると、期間を6年としたらのは参議院議員の任期で一区切りつけようと考えたためです。次に金額については、1000万円は単純に切りがいいのと、国民にもわかりやすい基準だと思うからです。300万円に関してはツーアウト制にするにあたっては合計で1000万円を下回る水準にした方がいいかなと考えたためです。

 とはいっても、この規定を作ったら恐らく議員らはそんな詳細な会計報告書を作れないし、不意のミスにより修正が発生してしまう恐れがあるなどとまた言い訳してくると思います。ならば、会計法っく所の公表前に財務省の会計検査院が監査する制度を設け、公表前に完了に収支内容に問題ないか調べてもらったうえで公表するという制度にすればいいと思います。それで修正が発生したら、会計検査院が悪いか、会計検査院にきちんと収支情報を出さなかった議員本人が悪いってことになるんだし。

 これでも、企業改易と比べたらかなり金額的に甘い規制だと断言できます。「無視、修正しても特に問題ない」とされる会計上の重要性の基準値は大体どこも税引前利益の5%であり、この基準からすれば上記の1000万円という基準額なんてざるもいいところだと私自身も思えるだけに、破ったら即議員資格停止としても全く問題ない数字だという風にみています。こんな感じで、破ったら問答無用に終わりという罰則を設け、キャッチオールで政治と金の問題を処理すれば世の中ハッピーじゃないかと思います。

 まぁもう一つ案を出すとしたら、上記の基準を破る議員が一人でも出た場合、議員資格は停止しない代わりに、その議員が所属する政党に政党助成金の交付を停止するっていうのも十分ありかなっていう気がします。金の問題は金の規制によって制すというのが常道でしょう。

2024年1月11日木曜日

堕落したと思う検事

 先日、お勧めに表示されていたので先に亡くなられた半藤一利の「坂口安吾と太平洋戦争」という本を読んでいます。こちらは太平洋戦争期における坂口安吾の行状や視点について、生前に彼の担当編集者として原稿受け取りなどで直接やり取りした半藤一利が当時の思い出を語りつつ、坂口がどのようにあの戦争を見ていたのかを推測する内容となっています。
 なお坂口の家に直接寝泊まりした際に半藤が、「風呂に入るときにふんどしをそのままタオル代わりに使えば、ふんどしも洗えて一石二鳥だぞ」と坂口に言われたと書かれています。さすがにやらなかったそうですが、「合理的な考え方の人だった」と評しています。

 さてその坂口の代表作といえば「堕落論」と「白痴」で、恐らくこの二作品がなければ平成の世まで語り継がれる作家とはならなかったほどの影響力を持っています。私もこの二作品を読みましたが、特に前者の「堕落論」に関してはまだ高校生だったこともありいまいち読み込めず、何となく無垢な人間はかえって美しいということを言っていたのかと読み取っていましたが、解説文を読んだら全然違う風に解説されていました。
 具体的には終戦後に自信を失っている日本人全体に対し、特攻隊員などはその命をなげうってまで国家に尽くそうとして、その崇高な精神については否定のしようがないと踏まえた上で、今回戦争に負けた後はそのような国家に捧げるといった崇高な精神を持ちつづける必要はなく、崇高な精神から堕落といわれようと、自分本位に利己的な人間になり下がっても何も悪いことはない。堕落といわれようが、そもそも人間ってのは自分本位な生物なのだし、元の姿に帰るようなものじゃないかといったような、戦後における自己本位への価値観の転換をためらうな、悪くないと訴えかける内容だったそうです。

 改めて見ると非常に的を得ていると思うと同時に、あの当時の時代背景を考えるとこうした言葉、特に「価値観を変えても悪くないよ」という言い方は本当に世の中に求められていたと思います。そしてこれは終戦後の一時期に限らず現代においても通じるというか、ルネサンス的に自分本位で利己的であってもそれを許そうという提唱につながる気がします。

 そんな堕落論の解説を読んだ上で、坂口の堕落論の本旨とは異なるのですが、近年の現代人で「堕落」という言葉を意識している人はどれだけいるのか、この点が自分は気になりました。

 そもそもこの10年くらいの間、活字に「堕落」という言葉を自分はほとんど見た覚えがありません。しいて言えばファンタジー系のゲームや漫画で、天使と聖職者が「堕落」する展開で使われているだけで、そういう聖なる霊的なもの以外の普通の人間にはほぼ使われているのを見ないですが、現実には堕落というか、一度上がった高みから落ちていく人間というのは少なくないと思います。

 私自身も、「外食に千円も使うなんて外道だ(# ゚Д゚)」などと学生時代に吠えており、日々貧しい食事で糊口をしのいでましたが、今現在となると普通に千円以上で外食もし、「ためてばかりじゃなくこうしてお金使わないと経済はよくならない」などと言い訳を口にするようになっています。もちろんこうした言い訳はおかしいものではないと現在は考えていますが、学生時代と比べるなら自分の精神の糊口さというか自分を高みに置こうという意識は、確実に薄れています。

 もっともここら辺は自分自身の中で完結するのでそこまで問題ではないでしょうが、中には権力を持ちながら精神が明らかに堕落した人間も少なくなく、この手の輩は昔から存在はしますが、堕落を自らは全く意識しない有様には閉口をします。それこそ権力を握るに至るまでの初心にあった崇高さは影もなくなっており、そうした意識が今あれば、どれだけ救われる人がいるんだろうという気持ちを見ていて感じます。

 具体的に指名すると、大原化工機冤罪事件を担当した塚部貴子検事です。彼女はかつて郵便障碍者割引事件に絡む村木厚子氏の冤罪事件で前田恒彦が証拠を捏造した際、当時の検察の上司にこの捏造をしっかり認めないのであれば辞職するといっていたと報じられます。それから約10年の時を経て現在、彼女はこの大原化工機事件で検察側にて明らかに冤罪を主導する立場を維持しており、村瀬氏の事件の際に彼女がとった行動を取る人間が、今の彼女のそばにいないというのを寂しく思うと同時に、近年ではっきり「堕落」を覚える人物だというふうにみています。

 なお前田恒彦に関しては証拠捏造というあれだけの事件を起こしておきながら、Yahooのコメント欄でしたり顔して法律、捜査関連の記事にオーサーコメントを入れているのを見ると非常に強い嫌悪感を覚えます。しかもしょうもない法律系ニュースにコメントを入れるくせに、この大原化工機の冤罪事件については一切触れないあたりは何様だという気がします。
 仮に彼が別の分野で再出発するというのであれば私も応援しますが、少なくとも証拠捏造という権力執行者が絶対にやってはならない行為に手を染めたのだから、法律や捜査関係からは一切足を洗うのが筋だと思います。YahooもYahooで、何故彼を排除しないのかという点で私は不満を覚えます。

 ちょっと話がそれましたが、塚部貴子検事のように当初は崇高な意識を持っている人間であっても、その後意識が変わって堕落するというのは世によくあることです。精神の堕落そのものは坂口安吾の言う通りに何も悪いわけではないですが、堕落を意識せず、ねじ曲がった精神で権力を行使する人間というのはやはり社会にとっては害悪でしょう。

ソフトバンク和田選手の人的補償報道を見て

【速報】ホークス甲斐野投手が西武ライオンズに移籍 山川穂高選手の人的補償 和田投手に打診も方針転換(テレビ西日本)

 今朝起きがけにYahooニュースのヘッドラインを見たところ、「ソフトバンク・和田、西武が人的補償」という文字を見て文字通り腰を抜かしました。その後、最終的に西武は上記リンク先記事のように甲斐野選手の指名で合意したことを発表しましたが、和田選手の指名打診について否定はしておらず、また関係者の先日までの発言との間にぶれがあることから、テレビ西日本が指摘しているように、日刊スポーツがスクープした通りに当初は和田選手の指名を打診していたと私も思います。

 この件、やはり後ろ指をさされることになるのはソフトバンクでしょう。いくらロートルとはいえ近年コンスタントに勝利数を重ね、また長く球団にあって精神的支柱ともいえる和田選手を指名が来ないだろうと見越したのかプロテクトから外していたなんて、いくらなんでも考えが甘すぎるでしょう。逆に西武からしたら和田選手は本当にお得だったというか、彼一人抜くことでソフトバンクの先発ローテに穴を空けることが可能であっただけに、自軍のみならずソフトバンクを弱らせる意味合いでも最善の一手でした。
 っていうか先発ローテをプロテクトから外すなんて、正気の沙汰じゃないにもほどがある(;´・ω・)

 そのうえで、今回の騒動は記事や掲示板などでも指摘されている通りに実際に和田選手がプロテクトから漏れていて西武が指名したところ、ソフトバンクが泣きを入れて甲斐野投手に切り替わったとみてほぼ間違いないでしょう。そのうえで、これに関しては確かめようがないでしょうが甲斐野投手はもともとはプロテクトに入っていたという説も真実味があります。年齢も若く救援投手としての去年の実績は立派なもので、彼もプロテクトに入れていなかったとしたらソフトバンクの編成は正気の沙汰じゃありません。
 つまりは、和田選手の指名を回避してもらう代わりに、本来プロテクト対象だった甲斐野投手をソフトバンクは差し出したとみられます。これは噂レベルではあるものの、私にもそう思える、っていうかそうとしか思えない状況証拠が多すぎる気がします。

 以上を勘案すると、ちょっと今のソフトバンク編成はおかしい水準にあると思え、だから去年までの3年間にオリックスに優勝をかっさらわれるなど詰めが甘いのも納得感があります。っていうか和田選手を外すって、ほんと何考えてるんだろう。

2024年1月9日火曜日

松本人志氏で気になった過去の言動

 昨日音の出るおならが出そうになった際、「拳銃みたいにおならのサイレンサーとかないだろうか?」などと考えたものの、あったらあったでどこに差すのかを考えたらやっぱいらないやと思い直しました。仮にあって使ったとした場合、どんな音になるんだろう。

 話は本題ですが依然として能登半島の大地震被害がニュースの主役ですが、昨日から今日にかけては久々に芸能ニュースが大きく騒がせています。そのニュースというのは言うまでもなく人気タレントの松本人志氏の謹慎発表で、最初の文春報道時はみんな大人しかったのに今回の発表が出るや芸能関係者らが急に口を開くようになったのは内心どうかと思います。

 ただ、この騒動の発端になった文春のセクハラ報道に関しては、本当なのかどうかを含め正直私はあまり関心がありません。松本氏のファンではないということが大きいのかもしれませんが、発生時期がそこそこ前なのを考慮すると一部でも指摘されているように、ジャニーズ問題と違って女性側が何故今になって急に声を上げたのかがやや不審だと思うし、どことなく泥仕合になりそうな感じで見ていてあまり面白さを感じません。
 もっともこの件で関与しているとされるスピードワゴンの小沢氏について、今日になってようやく活動を続けることが発表されましたが、これまで一切動静を伝えず、また吉本側と足並みをそろえていないのを見ると、こっちもこっちでやっぱ不審だなとは思っています。

 そんなセクハラ疑惑よりも、実は以前の松本氏の発言で気になるものがありました。その発言というのもこちらです。


 上記の記事はは4作も作ったけどどれも一切ヒットしなかった映画に関して、「映画が好きじゃなかった」と言ってのけた松本氏の発言を取り上げたものです。やや気にし過ぎかもしれませんが、ちょっとこの発言を聞いて今回のようなスキャンダルがきっかけになるとは思わなかったものの、つまらないことで足をすくわれ、お笑い界の大御所にはなれないだろうなと内心感じました。

 一体この発言の何が気に入らなかったのかというと、ヒットしなかったとはいえ一生懸命映画製作に協力してくれたスタッフらに対する配慮がまるで感じなかったからです。いうまでもなく映画は一人で作れるものではなく、実際に作るとなったら多くの人出と資金が必要です。
 実際にというか松本氏の映画製作資金は松本氏個人のポケットマネーではなく、その大半を吉本が負担したといわれ、そのあまりの興行成績の不振により吉本の財政は大きく悪化したとも聞きます。この点、映画製作資金が足りなくなるや急にCMや映画、ドラマに出始める北野武氏とは大違いです。

 話を戻すと、そのように資金を含め多くの人間が関わった過去の映画製作に対して、「好きじゃなかった」と今になってこのような言い方をするのは果たしてどんなものかと正直感じました。たとえそのように思ったとしても支えてくれた人たちのためにもこれは絶対に口にしてはならないと思う内容だと私には思え、言うにしても1作目でこけた後ならまだわかるものの、4作も立て続けに興行的に失敗した後でこんな風に言うなんて、何考えてるんだという気持ちを覚えました。
 せめて「自分が映画作りに向いていないことが分かった」であれば自戒がこもっておりわかりますが、映画好きじゃないんだったら初めから作るなよと言いたくなります。そもそも、ウッチャンナンチャンの内村氏のように自分が見た映画の批評なり感想を日ごろから口にしている人と比べると、松本氏が既存の映画作品について何か口にしたことを聞いたことがないだけに、多分映画そのものに初めから興味なんてなかったんじゃないかと疑っています。ならなんで作ったかっていえば、単純に功名心からでしょう。

 もちろん、功名心から映画を作ること自体は別に何も悪いことだとは思いません。ただせめて支えてくれた人に対する感謝なり配慮なりは持つべきだと思うのに、それを一切持っていないかのような上記の発言を聞いて、「ああこの人は周りの支えてくれる人たちのことをもう全く意識しなくなっているんだな」という印象を覚えました。そのうえで、古来よりこうした周りの人たちに配慮しない人物が大成することはほぼないだけに、今でこそお笑い界の大御所といわれるがどこかつまらないところで転げるだろうなという予感を抱きました。まさかこんなに早いとは思いませんでしたが。

 逆を言えば、どんなクソ映画を作ったとしても「スタッフたちは一生懸命やってくれました」という監督は、いつか這い上がれる、ヒット作を作る可能性があると感じます。監督というのはヒット作を作れば称賛を、失敗作を作れば批判を一身に受ける立場であるだけに、そうした覚悟が初めからないのであればそもそも手を出すべきではありません。そういう意味で、こと映画に関しては松本氏の覚悟のなさに私は正直呆れた見方を持っています。

2024年1月7日日曜日

大河でやるべきなのは北条氏では?

 このところのテレビ離れも反映しているのか、NHKの大河ドラマは年を追うごとに評判が悪くなっている気がします。朝ドラも「あまちゃん」あたりがピークで近年はニュースの話題にすらならなくなっており、視聴者もどんどん縮小していることを考えると今後もさらなる縮小を続けるのではないかとみています。

 さてそんな今年の大河ドラマは全然内容を調べていませんが、源氏物語の作者である紫式部が主人公とのことです。
 関係ないけど源氏物語大好きな日本語に堪能な知り合いの中国人OLがある日源氏物語の話題を振ってきたので、「あの作者、日記に同時代の女流コラムニスト(清少納言)は高慢ちきでいけ好かない奴だとめっちゃ悪口書いてたよ(´・ω・)」と教えてあげたら軽く引いていました。

 話は戻しますが今年の大河は内容が余り史実に沿わず、また篤姫以外の女性主人公の大河ドラマは朝ドラを意識したファンタジーな展開が多くてあまり評判が良くないこともあり、前評判はあんまいいように見えません。かといって毎年ファンが付いてきやすい戦国時代ばかり取り上げるわけにもいかず、なんかよくわからないノリでファンタジーでもいいから平安時代をやるようになった感がある気がします。

 なら一体どんな大河ドラマだったら受けるのかですが、個人的には近年徐々に研究が深まり、関心も高まっている後北条こと、戦国時代に小田原を拠点とした北条氏一族を取り上げるのがベターなんじゃないかとひそかにみています。
 戦国時代は基本的に近畿と東海に注目が集まり関東はあまり取り上げられないのですが、もう一つの理由として当時の関東は非常に勢力争いが激しいうえに群雄割拠が続いており、あまりまとまりがないというのも関心が低くなる理由だと思います。そんな中で北条氏が徐々に勢力を拡大し、一時は上杉謙信と激しい攻防を繰り広げますが、こちらがひと段落ついてからというものは関東支配をほぼ確立しています。

 最終的には秀吉の小田原征伐によってその歴史を閉じることとなったものの、北条氏の時代の関東地方は非常に治安が行き届き、また検地が熱心に行われていたことから当時の各地の石高なども事細かに記録が残されているといわれます。実際、小田原征伐の際に住民らはこぞって北条氏に味方したといわれ、領民の信頼を強く得ていたそうです。
 それ以上に、伊勢新九郎こと北条早雲はかつては素浪人から大名になりあがったといわれていましたが、実際は京都の室町幕府直参、つまり中央官僚で、関東の混乱を視察し、収拾するために派遣されてきたことが近年になってわかってきました。その中央官僚が何故関東に覇を唱えるようになったのか、この辺は親戚関係にある今川氏との絡みを含め今後の研究を待たねばなりませんが、こうした最新の知見を一般に広めるうえでも北条氏で大河ドラマを作る価値はあるような気がします。

 もっとも北条氏を主役に取り上げた場合、如何に武田信玄が信用のならない奴だということがはっきり見えてくるため、山梨県辺りは制作に反対するかもしれません。マジで北条市の視点で見ると、武田信玄は藤原竜也氏が演じてばかりいるクズにしか見えなくなってきます。

2024年1月6日土曜日

中国のネットローンの問題性

【官製アプリ開発の実態】新型コロナ接触確認アプリCOCOAはなぜパッとしなかったのか?(ロボティア)

 配信自体は去年でしたが紹介してなかったので、遅ればせながらこちらの記事をこの前書いて載せました。失敗プロジェクトとして2回連続で官製IT案件を取り上げましたが、変に分けるより2回連続でこの手の話をやった方がいいのかなという思惑からで、明日書く予定の記事ではソフトウェアではなくハード案件にするつもりです。

 それで話は本題ですが、大体2年くらい前に上海人の友人から、「最近中国ではスマホなどで利用するネットローンが急拡大し、返済に困る人が増えているなど大問題になっている」といわれ、この問題をぜひJBpressで記事化すべきだと言ってきました。ただこの友人に対し私は、日本のサラ金のほうが大手を振ってやっているのに比べると中国のネットローンはそこまで深刻だとは思えないとして、この友人の提案を断り、結局記事化しませんでした。

 そんな感じで数年の時を超えた現在、昨日にちょっと中国人の同僚に大学時代の生活について尋ねたところ、このネットローンの話が少し出てきました。というのも、親の仕送りに満足できない子が一部使っていたという話だったのですが、これを聞いてようやく自分もこのネットローンの問題点に気が付くことができました。

 知ってる人には早いのですが、中国の大学生は基本アルバイトをしません。しないというよりできないに近く、学生アルバイトを募集する企業や商店がほとんどないためです。その理由は何故かというと日本ほど中国の学生は自由な時間が多くないというのもありますが、中国の場合だとフルタイムの労働者もその辺にたくさんおり、パートタイマーを雇うくらいならフルタイマーを雇った方が店の側にとって都合がいいため、アルバイトをいちいち募集しないという背景があります。
 そのため、中国の学生の収入は基本的に親の仕送りと奨学金頼みとなり、家賃なんかは基本的に大学の中に寮があるので比較的安く抑えられるものの、食費や生活費は全部親の采配次第となります。

 さて、そんな中国人の大学生がネットローンを使ったらどうなるのか。恐らく使うとしても大半の人は「どうしても欲しいものがあるから今月使って、来月の仕送りから返済しよう」的に、消費の繰り上げ的に使うと思います。しかしある意味で最も消費意欲が高い年代ともいえることを考えると、消費能力を超えて、具体的には月1000元(約2万円)しか仕送りがないのに5000元(約10万円)を借りてiPhone買ったりした場合、果たしてその後に返済できるかとなるとだんだん怪しくなります。

 日本であれば仕送り以上にお金を借りたとしても、アルバイトの時間を増やしたりするなどして収入を増やすことにより返済に至ることができますが、中国だとアルバイトによって収入を増やすことはそもそもできません。そう考えると、何かの拍子に消費能力を超えた融資を受けてしまうと、親や友人に泣きつくしか中国人の大学生はできなくなります。

 以上を踏まえると、中国の大学生は消費意欲が満々ながら収入が制限されているため、こうしたネットローンはかなり危険な果実なのではないかという見方がもたげてきました。しかもこのネットローン、本当にスマホ一つですぐに契約できたりするので、親の目が届きづらい点もあります。
 実際、ものすごい金額を借りて首が回らなくなる若者増えてきているといいます。特に中国なんか高校までの勉強がものすごい厳しくて大学デビューする若者も多いと聞くだけに、見ていて危うさしか感じません。

 以上を踏まえると、18歳以上という条件だけでこの手のネットローンを使わせるのは、中国だとかなり危険であるような気がします。実際に就労しているなら話は別ですが、扶養されている学生の間であれば親の承認が必要とするなどの対策が、中国だと必要であるような気がします。

 なお中国人の友人はネットローンは金利も高いと話しており、先ほど調べてみると5%から20%台まであり、確かにこれは中国の市場金利と比べても高めな印象があります。なお日本のサラ金の金利は18%など10%台後半に集中しており、これと比較すると確かに高いでしょう。

 ちなみに自分はサラ金などの消費者融資はこれまで一切利用したことがありません。そんなに消費しない、っていうか生活費以外には漫画とゲームとプラモにしか使わないため貯金はたまっていく一方なため縁がないのですが、高額のために1回くらいは利用してもよかったような気がします。

 最後に余談ですが、前述の通りに中国の大学生は親の仕送りに頼る生活をしているため、人によっては非常につつましい生活を送っており、贅沢をかなり我慢しなければなりません。自分の友人の中国人も2000年代前半に学生だった頃、仕送りは月400元でその中で食費などの費用を賄っていたのですが、「どうしても我慢できなかった……」といい、ある日イージスガンダムのプラモを月の仕送りの半分に相当する200元で購入するという賭けに出たそうです。
 これを聞き、日本人からすればちょっとした消費に思えるガンプラが、当時の中国の若者にとっては生活を犠牲にして初めて得られる高価な贅沢だったということを知り、なんかすごい衝撃を受けました(;´・ω・)