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2024年1月21日日曜日

自民党の派閥解消の動きについて

 上海は昨日から寒波が来ていて氷点下近くまで気温が下がっており、今日は自分も家から出ずにひたすら寝ていました。やっぱ普段からゲームばかりして睡眠時間が足りてないのか、よく寝た後は頭も目もいい感じになります。

 さて話は本題ですが先の安倍派を中心としたパーティ券代キックバック不記載問題を受け、岸田総理は派閥の解消を提唱し、まず隗より始めよとばかりに自派閥である宏池会の解散を発表しました。これを受け疑惑が取りざたされている二会派、安倍派も解散を発表し、麻生派などが必要論を唱えて抵抗している有様です。
 これらの動きに対する私の感想を述べると、たとえ今回解散したとしても党内議員グループというものは自然とできるものであり、またぞろ復活するのではないかという気がします。また今回の問題はパーティ券代のキックバック、そしてそれの不記載であり、派閥をなくしたからといってこの手の不記載問題がなくなるかといえば果たしてどうかなという疑念があり、派閥をつぶさないよりはマシかもしれませんがその効果については限度があるとみていて、正直冷めています。

 敢えてその影響について述べると、派閥が亡くなることで打撃を食うのは派閥幹部たちです。「一日外出録ハンチョウ」の大槻じゃないですが、派閥幹部は派閥が集金する金を行使することで派閥内の議員を従わせている面があり、派閥がなくなることでこの手の使えるお金が減ることから、その統制や影響力は目減りすることには間違いありません。もっともポケットマネーから支援することもできますが、かつては「傘下議員から集めたお金で傘下議員を統制する」ことができたのと比べると、いくらか財布が心もとなくなるでしょう。

 では逆にどこが強くなるのかというと、間違いなく自民党の幹事長でしょう。派閥が運用してきたお金が無くなるため党の資金がより重要化し、これら資金の差配を決める幹事長の権限はさらに増してくると思います。樽俎も幹事長は55年体制の頃はめちゃくちゃな権力があったとされますが、小泉内閣のあたりから若干名誉職的な扱いになり、多大な権力を行使したのは金の差配以上に選挙戦略を作ることのできた二階氏くらいでしょう。
 実際にというか二階氏を紹介するときメディアはほぼ必ず「二階元幹事長」と呼ぶのに対し、ほかの幹事長経験者はあまりこの敬称を使ったりしません。ちなみに一時期、二階幹事長の上にはもしかしてさらに「三階幹事長」という裏ボスがいるのではないかと無駄に勘繰ってたりしました。

 以上の観点を踏まえれば今回の自民党の派閥解消は国政改革というより党内改革としての面が強く、党内で勝手にやるのは構わないけど国政として評価できるかと言ったらあんまそうでもない気がします。まぁ菅内閣、岸田内閣は大多数の安倍派への対応というか言いなりになっていた面もあり、官邸としての権力はあまり強くなかったことから、安倍派を分断させることは官邸強化につながるといえば間違いありません。また自民党全体でも安倍派に振り回されているというところもあり、自民党執行部の復権という点で岸田派と二会派が合意したというのが背景じゃないかと思います。
 もっとも裏で糸引いているのは、私は菅元総理だと考えています。仮にそうであれば、この後菅前総理がより前面に出てくる可能性があるでしょう。

2024年1月20日土曜日

旧メディアから移り変わるタレコミ先

《現役社員が告発》トーヨータイヤが「N-BOX」の部品をめぐりホンダに“不正報告”の疑い 〈管理基準を満足していない〉実験結果を伏せたまま納入か(文春オンライン)

 昨日出た上の記事の影響を受け、昨日にトーヨータイヤの株価は一時ストップ安となり、つられてホンダの株価も7%低下していて見ながら笑ってました。報道内容の真実性に関しては後続の動きを見なければなりませんが、仮に真実であった場合はリコールに発展する可能背も高いので株価下落も当然と言えば当然ですが。
 なお真実性に関しては、文春の取材に対しトーヨータイヤ側よりもホンダ側に奇妙と感じる節があるので、現時点で自分は高いのではないかとみています。

 そんなこの報道ですが、実は読んだときに気になったのはそうした株価とかリコールの影響とかではありませんでした。では何かというと、「タレコミ先が文春だったんだな」という点でした。
 記事内容を見る限りこの報道はトーヨータイヤ側の社員による内部告発が起点のようですが、その内部告発者は新聞やテレビメディアではなく、雑誌メディアの文春を選んだという点に思うところがありました。もしかしたらほかにも垂れ込んでいたものの相手にしたのが文春だけだった可能性もありますが、この手の告発先としてかつて権威のあった旧メディアではなく雑誌を、しかもどちらかといえば芸能ニュースを中心に報じて経済ニュースはそんな専門としていない文春が選ばれた当たり、近年の文春の勢いによるものかと感じさせられます。

 以上のような感慨を持つと同時に、恐らく今後この動きはますます加速していくように思いました。こう思った理由としては先のビッグモーターの報道においては、こっちは経済情報が専門の東洋経済が比較的早期から内部告発を取り上げつつ報じており、そこへフライデーがタイヤに穴を空ける衝撃的動画を出しましたが、どちらも昔なら新聞かテレビが内部告発先となった気がします。
 一体何故、これらの内部告発者が新聞やテレビを選ばなくなったのか。理由はいくらでも考えられますが単純にかつてほど権威や波及力を失ったこともさることながら、告発先として信用が薄れてきているところもあるように見えます。

 特に直近で言えば、ジャニーズ問題に代表されるように芸能関連の不祥事の内部告発を新聞やテレビにしたところで、握りつぶされる可能性は非常に高いと断言できます。実際にジャニーズ問題は長年握りつぶされ、その検証報告も「90年代当時は本当だと思わなかった」といいながら、BBCが報じた時に何も後追いで報じなかったことについてはスルーしたあたり、全く信用がありません。松本人志氏の問題も文春が報じていますが、仮に新聞やテレビに被害を訴える人が出ていても、彼らは絶対に報じなかったでしょう。


 またTBSに至っては農協に内部告発した人物が使うのはやめてくれといっていた映像を無断で流して身分がばれる事態を招き、結果的に内部告発者は退職を余儀なくされています。TBSは過去にもオウム事件で坂本弁護士殺害事件も引き起こしているだけに、はっきり言えば一番内部告発を行ってはならない危険なメディアでしょう。
 新聞に関してはテレビほどずさんではないにしろ、やはり近年は文春と比べると見劣りすする点が大きいです。それ以上に新聞の部数減はこのところ拍車がかかっており、先日も「あと10年持つか」と語る新聞販売店関係者のまとめ掲示板を読みましたが、ビジネス的に完全に崩壊したモデルであるのに間違いありません。タレコミが来る来ない以前に、生き残るかどうかっていう話でしょう。

 また最後に補足すると、逮捕されましたがガーシー氏のようにネット配信者に告発が回るという例も近年増えています。裏取りという点で新聞や雑誌メディアと比べると不安なところがありますが、影響力というか波及力では前者をはるかに上回っているだけに、今後ネット配信者にタレコミが回ることも増えていくと思います。その分だけ、新聞やテレビへ廻るタレコミは減るだけなので、見方を変えればこの二つは今後ますますスクープが取りづらくなると言えるかもしれません。

2024年1月18日木曜日

どの業界にもスターは欲しい


 上のまとめ記事ですが、一時は「ポスト宮崎駿」といわれていたアニメ監督の細田守氏ですが、その後「君の名は」で一気にスターダムに上がった新海誠氏にすっかりお鉢がとられたことについていろいろ議論されています。それでこの見出しですが、あながちとてっつけた見出しではなく、実際かつてはこのようにしてアニメ業界は細田氏をもてはやし、かなり熱心に祭り上げようとしていました。

 何故こう断言できるのかというと、実際に当時のことを非常によく覚えているからです。具体的な時期としては「サマーウォーズ」が公開された後の2011~2012年ごろで、これから世界のアニメを率いる名監督などとあっちこっちで宣伝記事が出ていました。それと同時に、「一体何故細田氏が祭り上げられるのか」という、上記まとめ記事と全く同じ趣旨の記事を2012年当時に出ていました。
 その記事では単純に、「アニメ業界が一般にも通りのいい、スターとなる監督を欲しがっているため」と言い切っていました。最近また「君たちはどう生きるか」を公開しましたが、大仁田厚氏と同様に宮崎駿氏もしょっちゅう引退宣言を出しては撤回する人で、2012年ごろももう新作は作らないなどということを言っていました。宮崎市がアニメ業界からいなくなった後、「この人が作っている」とばかりに名前だけでも売れるアニメ監督を当時のアニメ業界は熱望しており、ちょうどそのころに名前が売れ出した細田氏がまさに格好の候補となったことで、業界の期待を集め祭り上げられるようになったという風に書いていました。

 一体なんでこんなことを細かく覚えているのかというと、友人に勧められて「サマーウォーズ」を私も見ましたが、あの作品に関して全く面白いと感じることができず、むしろそのひとつ前の「時をかける少女」のほうがよかったのにという印象を覚えていたからです。宮崎氏とまでいかずとも、細田氏が何故これほどまでに名監督だといわれるのかが端的に疑問だっただけに、上記のスタートして祭り上げようとしているという記事の内容がストンと落ちたことから、当時の空気なりもかなりはっきり覚えています。
 なお新海氏に関しては、確かにこの人はすごいと感じています。単純に背景の色の使い方が非常にうまく、またその色が映えるような展開をきちんと作るという意味でこっちは間違いなく歴史に残る人物だという風にみています。にしても細田氏との比較で言えば、なんかマー君とハンカチ王子みたいになったなぁ。

 話は戻しますが、アニメ映画業界に限らずどの業界においてもスターというのは望まれます。スターがいるかいないかで消費者の拡大や維持は大きく変わるだけに、業界がスターがいないってんなら無理やりにでも作ろうという気持ちは非常にわかります。
 例えばスポーツ業界なんかは、野球だとやはり王、長嶋時代は特別で、その後は桑田、清原のKKコンビが大いに業界を引っ張りましたが、近年は大谷選手が活躍し過ぎてなんか日本国内のスターがちょっと出辛い雰囲気になってきています。むしろOBだけど張本勲氏のほうがお茶の間にも浸透しているスターな気がします。

 またゴルフ業界についていえば、男子ゴルフなんかは石川遼選手が活躍したころは非常に盛り上がりましたが、彼以降はやyスターが不在で、それに伴い人気も凋落してきているように見えます。女子ゴルフも同様で、ばくだんいわに似ていると言われた宮里藍氏などが活躍したころは華やかなり氏でしたが、なんか近年は渋谷日向子氏しか話題にならず、また彼女も絶大というほどの浸透度を持っているようにも見えないため、業界が物凄い推しているのはわかるけどなんか暖簾に腕押しみたいにも見えてきます。

 このほかクリエイティブな業界に関して言うと、今回改めて思ったこととして、スターとなる人物が思ったよりいないのがゲーム業界です。元々、若手クリエイターで特に顕著ですが、引き抜きが激しいためにゲーム業界では制作者名をあまりアピールしない傾向があるものの、それを推しても漫画やアニメ業界と比べるとザ・この人的に知名度の高いクリエイターが少ない気がします。
 強いて挙げるとしたら、「メタルギアソリッド」シリーズの小島秀夫氏、あと「タクティクス」シリーズの松野泰己氏なんかは強い支持を受けていますが、それ以外だとアニメ業界における宮崎駿氏的な人物はあまり出てきません。まぁドラクエの堀井雄二氏なんかも通りがいいですが、ドラクエ以外あまり作らないし、制作本数もやや少ない感じがします。

 また昨日一気に炎上したレゴランドの社長みたく、ゲーム業界は世間慣れしていない人が多いのか、一時は高い知名度を得ながらもその後の発言で顰蹙を買い、フェードアウトしていった人も少なくありません。代表格は「龍が如く」シリーズの名越稔洋氏で、10年前と今とで比べるとその名前のヒット数は文字通り桁違いに下がってるでしょう。彼の場合は完全に自身の発言で人気を落としており、余計なことを言わなければシリーズも続いているんだし、高い評価を維持できたのになという気がします。

 一方、初代ドラクエの制作者でありチュンソフトの創業者である中村光一氏は、会社を経営してきただけに発言は落ち着きながら、長くこのゲーム業界をリードしてきています。ただ、発言が落ち着きすぎてて若干キャラが濃くないこともあり、一般への知名度はそれほどではなくスターだと言い切れないところがあります。いや凄い人だとは思ってますが。

 以上のようなことを帰宅途中の電車の中で考えいたところ、やはり一般にも通りのいいクリエイターがゲーム業界は少ないからこそ、よくゲーム作品のアピール時に「大物声優が出演!」などと声優名をやたら前面に出してアピールしてくるのかなということに気が付きました。なおそうした声優名を前に出したゲームはクソゲー率が高いと言われており、実際自分もそう思います。大物声優が出演するとしても、その名前をアピールしないゲームのほうが面白いことが明らかに多いです。

 それにしてもスターといえば、さっきも挙げた楽天のマー君こと田中選手のフェードアウトぶりは色々残念に感じるところがあります。先の安楽騒動での批判もありますが、いくら成績が以前ほどではないにしろ、近年の人気の低下ぶりはちょっと目に余ります。
 もっとも彼の場合、本人というよりイーグルスというチームが安楽騒動をはじめなんかギスギスしていて、ファン離れを引き起こしているようにも感じます。同じく成績の振るわない中日なんかは逆にコメ騒動などネタ的な話題に事欠かず、妙に盛り上がっているのと比べると対照的です。

2024年1月16日火曜日

周期性を前提とした地震予知に対する疑念

 元旦に起きた地震の影響で現在も能登半島では多くの被災者が避難生活を送っていると報じられており、中国にいる身でありますが心配を続けながら報道を見守っています。
 さて今回の能登半島の地震ですが、日本の地震学会ではほぼノーマークであったといわれています。実際に大地震発生予測で能登半島付近はほぼ最低ランクに入れられており、「今すぐにでも起こりうる」といわれている南海トラフ大地震と比べたら全く予期されていないも同然でした。

 この手の地震予測ですが、基本的に過去の歴史資料的な文献から予測が行われています。具体的には、江戸時代や平安時代などの日記をはじめとする文献を見て、どの地域で何年おきに大地震が発生しているのかを調べて周期を作り、直近の地震から現在まで何年離れており、周期と比較して次の地震まであと何年といった具合で確率を弾き出します。

 一見すると合理的に見える上記の予測ですが、ならば何故今回能登半島では大地震が起きないと予測していたのか。その言い訳として地震学会が述べているのは「何千年に一度というレベルの大地震だったから」というものでした。
 要するに過去に地震の記録が残されないほど、周期が千年単位にも上る地震であったため能登半島はノーマークだったということです。これは逆を言えば、記録が残らないほど周期の長い地震に関しては一切予測できないと言っているも同然であり、なおかつ周期が長いほど地震規模も大きくなることを考えると、規模が大きければ大きいほど地震は予測できないということとなります。

 こうした今回の能登半島地震予測に関する見解に加え、過去の記録から周期を類推する地震についても正直なところ、どれだけ信用できるものかと私は怪しんでいます。地震について調べていた2003年の時点で南海トラフ地震は「2004年までには必ず起こる」と地震学会などが主張していますが、現在に至るまで東海地方ではまだ大地震は起きておらず、この間に東北、能登半島で先行して大地震が発生したわけです。このほかの地域に関しても、周期で予測するといっても誤差は最低でも数年単位で、十年単位も十分あり得ることを考えると、果たして予測することに価値があるのかと疑います。

 そもそも日本の地形の特徴から言って、ほぼ全地域で大地震が起こりうる可能性があるということを踏まえ、特定の地域で大地震が起こりやすい、起こりにくいなどとゾーニングせず、全地域で地震に備えるよう心掛ける方が適切である気がします。そのうえで地震に伴う二次災害として津波が存在し、且つその被害は地震そのもの以上に大きくなることも考えると、津波が起こりうる地域の避難経路や防災対策により力を入れることも、地震を予測するよりも重要である気がします。

 以上のような見解を踏まえていると、地震予測そのものを完全に否定するつもりはないものの、周期性を前提とした地震予知はあまり重視しないというかそこまで研究に力を入れる必要はないのではないかという気がします。むしろ今後の技術革新を待たねばなりませんが、地震発生につながる地下深くの地層の変動やその兆候を見つけ出す研究のほうが、周期性をいちいち気にするよりも重要になってくると思います。
 そして何より、繰り返しになりますが日本ではどこでも大地震が起きるという前提を国民全員で共有し、災害対策や避難経路を意識して、津波への対策を強化することが一番大事だと思います。

2024年1月15日月曜日

ポスト松本人志に挙げられなかった気になるコンビ

 13日に行われた台湾総統選挙では現在の祭文英総統の後継にあたる民進党候補の頼清徳氏が当選しましたが、この選挙戦の最大のMVPは選挙干渉しようとした大陸側の中国政府でしょう。ぶっちゃけ台湾の人たちは大陸側が干渉すればするほど民進党への支持を強めており、そういう意味では中共は民進党候補を勝たせるためにわざと、かなりバレバレな選挙干渉やってるんじゃないかとみていて逆に疑います。
 っていうか誰か「北風と太陽」の絵本を北京に送ってあげるべきでしょう。口先だけでも「平和裏な統一を目指す」といっておけばいいのに、武力統一も辞さないなんていちいち言ってれば民進党を応援しているも同然です。胡錦涛政権だったら、こうも武力を誇示しなかったろうな。


 さて話は本題ですが今も報道が続く松本人志氏の騒動を受けて、上の記事のように彼の出演が取りやめとなった番組、芸能界において誰がその穴を埋めるかという議論で、吉本所属以外の芸人ばかりが候補に挙げられています。実際にというかこの10年くらいの間に芸能界、特にお笑い業界に関しては吉本一強でなくなっており、まとめ記事にもありますが今吉本の身代を支えているのはお笑いビッグ3の一角である明石家さんま氏でしょう。
 もし彼が引退などしていなくなった場合、多分吉本は今のままではいられず、養成所の閉鎖を含め事業の縮小を余儀なくされると思われます。なんかこう書くと、明石家さんま氏が蜀漢の諸葛亮みたいだな(;´・ω・)

 さてそんな後釜候補について語り合う上の掲示板ですが、これ見て真っ先に思いついたこととしては「ナインティナイン」について誰も言及していないな」という点です。90年代後半における吉本の比較的若手な芸人においてはこのナインティナインが間違いなくトップで、爆笑問題らも当時売れ続けるナインティナインを見て羨ましかったと語るほどでした。
 その勢いは00年代も続き、と書きたいところですが、00年代に入ってからは先の爆笑問題やくりぃむシチューらが台頭し、特に司会を受け持つ冠番組で彼らが席巻するようになります。そして10年代に入ると大器晩成というか元猿岩石の有吉氏が突然の復活とともに多くの番組を持つようになり、同じく多数の番組で司会をするマツコ・デラックスと並んでバラエティ番組を席巻するようになります。

 近年、ナインティナインの二人が司会、出演する番組で話題になることと言ったら、ゴチ企画のメンバー交代の時くらいしかニュースで見ることがありません。っていう過去の企画も内心、ナインティナインの二人が出る必要があるのか、ほかの芸人にやらせたらもっと視聴率取れるんじゃないのと、企画内容がメインコンテンツであるように見えるだけに、前からこのコンビの視聴率への貢献に関しては疑問に思っています。
 私自身が余りナインティナインのファンではないことも影響しているかもしれませんが、それを踏まえても近年の彼らの露出低下は90年代の活躍を知るだけに結構深刻であるように感じます。実際にというか上記のダウンタウンの後釜議論においてもナインティナインの名前は一切出てきておらず、私以外の人たちの間でもナインティナインのフェードアウトはかなり激しくなっているように見えます。

 この辺について背景とかいろいろ述べるとしたら、結局のところダウンタウン以降、幅広い層に人気を持つタレントを吉本が育てることができなかった、否、見つけることができなかったということだと思います。吉本は養成所を作るなどして多くのタレントを輩出することには成功していますが、やはりこの世界は才能が物を言うというか、究極ともいえるダイヤの原石をこの30年くらいの間に見つけることができなかったような気がします。
 まぁ有吉氏の例のように、一度芸人として終わったと思われた人が不死鳥の如く復活して視聴率をかっさらうこともあるので一概にこうと言い切れませんが、ナインティナインというかつてのエースのフェードアウトぶりを見ると、これ一つで吉本の力の落ち込みを強く感じさせられます。

 まぁ吉本の中でも、陣内智則氏は司会もギャラリーもワイプも何でもできるし、もともとピン芸人だからネット配信もこなせるなどものすごい万能ぶりだから、彼が引き立つ番組をうまいこと作れたら松本氏の穴は十分埋められるんじゃないかと内心思っています。むしろ彼が、もちろん今でも十分人気ですが、現状程度の人気でとどまっているのがひそかに不思議に思っており、もっと彼は売れるとかたくなに信じています( `ー´)ノ

2024年1月13日土曜日

キックバックを含む政界の金問題をどう規制すべきか

昨日今日の上海は急に春めいた陽気となって今日の昼間の気温は15度を超えていました。気温と湿度が上がったのと暖房の使用が増えたことからか、今週はほぼずっと街中では霧というかスモッグが立ち込め、昔の上海みたく濁った空気が懐かしくてなんか自分も元気になりました。空気がきれいな中国なんて中国じゃない。

 話は本題ですが自民党の安倍派を中心としたパーティ券キックバック問題について、検察はすでに逮捕、起訴した面々を除いて、これ以上の立件は見送るとの報道が出て、日本人の間からは不満が広がっています。ただ報じられている通りに共謀の意思を証明するのは難しく、またすでに死んでいる安倍、町村に責任を擦り付けられる状況でもあるので、このような結果になるのは私も仕方ないかと思います。
 かといってこの問題を放置すべきではなく、現行法でさばけないなら新しい規制法を作り、爾後に備えるというのがより建設的であるような気がします。

 では具体的にどう規制すればいいのか。結局のところ政治資金規正法の最大の欠陥は何かというと、会計報告書に未記載や誤記載があっても後で修正してしまえばいいという点です。もちろん悪意を持った未記載や誤記載であれば完全にアウトですが、この悪意を証明することが難しく「うっかりやっちゃった(*´σー`)エヘヘ」という風にバレバレな嘘でもつかれたりしたら、よほどの裏証言でもない限りは立件は不可能です。
 この点、過去に企業会計絡みで捕まったホリエモンなどが企業会計と比べるとずるいと主張していますが実際その通りで、企業会計だったらこんな風には通らず、最低でも追徴課税が発生するでしょう。

 以上を踏まえて言うと、「ばれたって素知らぬふりして修正すればOK」というのが最大の欠陥であるように思え、立件の基準を「悪意を持って収入を秘匿やごまかそうとした」ではなく、「会計報告書に修正すべき事項を設けた」という点に設定するのがいいのではないかと思います。具体的には、政治家事務所の会計報告書に未記載、誤記載があった時点で即アウトという風にすることを自分は推奨します。

 そうはいっても一切のミスなく会計報告書を作成するのは不可能、と言い訳する議員もいるのでそうした雑音を封じ、誰がどう見たってアウトかそうでないかの基準として、修正金額ではっきりした基準を作ってはどうかという風に考えています。こちらも具体的に挙げると、

・単年度に1000万円以上の修正が発生
・議員在籍の直近6年間において単年度300万円以上の修正が2度発生
・議員在籍の直近6年間における修正の累計額が1000万円超

 上記の3条件のどれか一つを満たした時点で、どんな修正内容であるかに係わらず即刻で議員資格停止という罰則を設けたら、みんな目の色変えてきちんとした会計報告書を作り、なおかつ裏金も作らなくなるんじゃないかと勝手に考えています。
 モデルケースとして、ある衆議院議員が初年度に300万円超の修正が発生した議員は、次また300万円の修正が発生した時点で議席喪失となるほか、残りの5年間に700万円(1年あたり150万円)の修正が発生しても同じく議員喪失になるというわけです。

 上記の期間と金額について少し解説すると、期間を6年としたらのは参議院議員の任期で一区切りつけようと考えたためです。次に金額については、1000万円は単純に切りがいいのと、国民にもわかりやすい基準だと思うからです。300万円に関してはツーアウト制にするにあたっては合計で1000万円を下回る水準にした方がいいかなと考えたためです。

 とはいっても、この規定を作ったら恐らく議員らはそんな詳細な会計報告書を作れないし、不意のミスにより修正が発生してしまう恐れがあるなどとまた言い訳してくると思います。ならば、会計法っく所の公表前に財務省の会計検査院が監査する制度を設け、公表前に完了に収支内容に問題ないか調べてもらったうえで公表するという制度にすればいいと思います。それで修正が発生したら、会計検査院が悪いか、会計検査院にきちんと収支情報を出さなかった議員本人が悪いってことになるんだし。

 これでも、企業改易と比べたらかなり金額的に甘い規制だと断言できます。「無視、修正しても特に問題ない」とされる会計上の重要性の基準値は大体どこも税引前利益の5%であり、この基準からすれば上記の1000万円という基準額なんてざるもいいところだと私自身も思えるだけに、破ったら即議員資格停止としても全く問題ない数字だという風にみています。こんな感じで、破ったら問答無用に終わりという罰則を設け、キャッチオールで政治と金の問題を処理すれば世の中ハッピーじゃないかと思います。

 まぁもう一つ案を出すとしたら、上記の基準を破る議員が一人でも出た場合、議員資格は停止しない代わりに、その議員が所属する政党に政党助成金の交付を停止するっていうのも十分ありかなっていう気がします。金の問題は金の規制によって制すというのが常道でしょう。

2024年1月11日木曜日

堕落したと思う検事

 先日、お勧めに表示されていたので先に亡くなられた半藤一利の「坂口安吾と太平洋戦争」という本を読んでいます。こちらは太平洋戦争期における坂口安吾の行状や視点について、生前に彼の担当編集者として原稿受け取りなどで直接やり取りした半藤一利が当時の思い出を語りつつ、坂口がどのようにあの戦争を見ていたのかを推測する内容となっています。
 なお坂口の家に直接寝泊まりした際に半藤が、「風呂に入るときにふんどしをそのままタオル代わりに使えば、ふんどしも洗えて一石二鳥だぞ」と坂口に言われたと書かれています。さすがにやらなかったそうですが、「合理的な考え方の人だった」と評しています。

 さてその坂口の代表作といえば「堕落論」と「白痴」で、恐らくこの二作品がなければ平成の世まで語り継がれる作家とはならなかったほどの影響力を持っています。私もこの二作品を読みましたが、特に前者の「堕落論」に関してはまだ高校生だったこともありいまいち読み込めず、何となく無垢な人間はかえって美しいということを言っていたのかと読み取っていましたが、解説文を読んだら全然違う風に解説されていました。
 具体的には終戦後に自信を失っている日本人全体に対し、特攻隊員などはその命をなげうってまで国家に尽くそうとして、その崇高な精神については否定のしようがないと踏まえた上で、今回戦争に負けた後はそのような国家に捧げるといった崇高な精神を持ちつづける必要はなく、崇高な精神から堕落といわれようと、自分本位に利己的な人間になり下がっても何も悪いことはない。堕落といわれようが、そもそも人間ってのは自分本位な生物なのだし、元の姿に帰るようなものじゃないかといったような、戦後における自己本位への価値観の転換をためらうな、悪くないと訴えかける内容だったそうです。

 改めて見ると非常に的を得ていると思うと同時に、あの当時の時代背景を考えるとこうした言葉、特に「価値観を変えても悪くないよ」という言い方は本当に世の中に求められていたと思います。そしてこれは終戦後の一時期に限らず現代においても通じるというか、ルネサンス的に自分本位で利己的であってもそれを許そうという提唱につながる気がします。

 そんな堕落論の解説を読んだ上で、坂口の堕落論の本旨とは異なるのですが、近年の現代人で「堕落」という言葉を意識している人はどれだけいるのか、この点が自分は気になりました。

 そもそもこの10年くらいの間、活字に「堕落」という言葉を自分はほとんど見た覚えがありません。しいて言えばファンタジー系のゲームや漫画で、天使と聖職者が「堕落」する展開で使われているだけで、そういう聖なる霊的なもの以外の普通の人間にはほぼ使われているのを見ないですが、現実には堕落というか、一度上がった高みから落ちていく人間というのは少なくないと思います。

 私自身も、「外食に千円も使うなんて外道だ(# ゚Д゚)」などと学生時代に吠えており、日々貧しい食事で糊口をしのいでましたが、今現在となると普通に千円以上で外食もし、「ためてばかりじゃなくこうしてお金使わないと経済はよくならない」などと言い訳を口にするようになっています。もちろんこうした言い訳はおかしいものではないと現在は考えていますが、学生時代と比べるなら自分の精神の糊口さというか自分を高みに置こうという意識は、確実に薄れています。

 もっともここら辺は自分自身の中で完結するのでそこまで問題ではないでしょうが、中には権力を持ちながら精神が明らかに堕落した人間も少なくなく、この手の輩は昔から存在はしますが、堕落を自らは全く意識しない有様には閉口をします。それこそ権力を握るに至るまでの初心にあった崇高さは影もなくなっており、そうした意識が今あれば、どれだけ救われる人がいるんだろうという気持ちを見ていて感じます。

 具体的に指名すると、大原化工機冤罪事件を担当した塚部貴子検事です。彼女はかつて郵便障碍者割引事件に絡む村木厚子氏の冤罪事件で前田恒彦が証拠を捏造した際、当時の検察の上司にこの捏造をしっかり認めないのであれば辞職するといっていたと報じられます。それから約10年の時を経て現在、彼女はこの大原化工機事件で検察側にて明らかに冤罪を主導する立場を維持しており、村瀬氏の事件の際に彼女がとった行動を取る人間が、今の彼女のそばにいないというのを寂しく思うと同時に、近年ではっきり「堕落」を覚える人物だというふうにみています。

 なお前田恒彦に関しては証拠捏造というあれだけの事件を起こしておきながら、Yahooのコメント欄でしたり顔して法律、捜査関連の記事にオーサーコメントを入れているのを見ると非常に強い嫌悪感を覚えます。しかもしょうもない法律系ニュースにコメントを入れるくせに、この大原化工機の冤罪事件については一切触れないあたりは何様だという気がします。
 仮に彼が別の分野で再出発するというのであれば私も応援しますが、少なくとも証拠捏造という権力執行者が絶対にやってはならない行為に手を染めたのだから、法律や捜査関係からは一切足を洗うのが筋だと思います。YahooもYahooで、何故彼を排除しないのかという点で私は不満を覚えます。

 ちょっと話がそれましたが、塚部貴子検事のように当初は崇高な意識を持っている人間であっても、その後意識が変わって堕落するというのは世によくあることです。精神の堕落そのものは坂口安吾の言う通りに何も悪いわけではないですが、堕落を意識せず、ねじ曲がった精神で権力を行使する人間というのはやはり社会にとっては害悪でしょう。