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2009年1月30日金曜日

日本人の文化的特性

 前に「中国人の好きなタイプ」という記事を書いたところ、このような文化的、民族的な違いの話は面白いとコメントが来たので、今日はちょっと趣向を変えて私がよく思う日本人の文化的な特性について書いてみようと思います。

 まず私が日本人が持つ中で代表的な特性だと見ているのは、「洗練」に対する意識の深さだと思います。これは映画の「ラストサムライ」でトム・クルーズが日本人を見て言う一言ですが、

「日本人は誰に誉められるわけでもないのに、工芸等の分野で真摯に技術を日々高めようと努力する民族だ」

 この一言は外国映画ながら、聞いてる日本人の私でも深く考えさせられた一言でした。この言葉の通りに、私自身も言われてみると日本人はそれが直接地位や収入の向上につながるわけでもない、というよりつながらないような場所であるほど何故だか物事に対して執着し、洗練を重ねようとするところがあります。
 いくつか例を挙げると、私の場合だと掃除が好きなもんで今日は昼間に暇だったので家の掃除をしてたのですが、もうそれこそありとあらゆる場所を掃除して、またこれまでの経験から油と埃が混ざった箇所は雑巾を使わずにティッシュでふき取るテクニックを使い、細かい場所には爪楊枝にていちいち穿り返すようにして掃除しました。どうでもいいですが、私は爪楊枝を本来の用途ではなく掃除で使う回数の方が圧倒的に多いです。

 これに限らず、ゲームにおいてもただ単純にクリアするだけでなく、いわゆる縛りプレイなどもこうした日本人の洗練に対する特性の現われだと思います。代表的なのは私はやりませんでしたが「バイオハザード」でのナイフクリアなどで、こうした縛りや一つの技術に対して向上を図ろうとするのは日本のあちこちで見られるはずです。
 そうした特性が実社会の利益に結びついている例だと、やはり機械などの小型化が一番の好例です。今は昔ほど言われていませんが、高度経済成長期はアメリカが発明した家電機器などを片っ端から小型化して持ち運びやすくするのは日本人の役割とまで言われていました。小型化した中で私が一番影響力が強かったなと今思うのは、今も携帯電話などに使われている電池の分野で、実際90年代における急激な電池の小型化成功によって携帯電話から電子辞書までここまで実用化されるに至っています。

 また小型化に限らずとも、かつてのホンダの低公害型CVCCエンジンの開発でも、元々の原案はソ連で考案された原理を実用化にまで持ってきた例など、何かを掘り下げるというメンタリティの分野では日本人は世界でもトップクラスだと私は考えています。
 しかし掘り下げるという高いメンタリティの分だけ、皮肉な話ですが逆にそれまでにない全く新しい発想を持つという力こと、グランドデザインの面では非常に能力が低いと言わざるを得ません。この点なんかは大国意識が強いところがやっぱり強いのか中国人とかアメリカ人が強いような気がしますが、日本人はやっぱりこういうところは駄目駄目で、むしろ日本人同士で何か突飛な発想をする人間を排除しようと内側からブレーキをかけているところがあるような気がします。

 しかしその一方、なんというかこれは島国根性とでも言うのですか、普段は周りを気にしすぎるくらい気にしているくせに変なところで全く気にしないところがあり、他の国からしたら信じられないようなことを一般的なものと思って日常化させてしまうようなところは多々あります。
 社会学的な一つの例としてあるのはいわゆる「一家心中」で、日本なんかはこうした事件に対して同情的な目を向けますが、欧米では精神病による異常行動と取るそうで、言われてみれば私もそんな気がしてきます。

 先ほど私は日本人は突飛な発想を日本人同士で妨げるメンタリティがあると述べましたが、この「無意識に突飛な行動を取る」分野では逆に世界的にも真新しく、珍しい文化や技術を創る力は存分に溢れているように思えます。今の日本のアニメやマンガも、まぁ言ってしまえば手塚治虫という明らかに常人離れした大天才がディズニーに影響を受けたとはいえ日本に存在したことが成立した最大の要因でしょうが、変に海外に輸出されずに日本国内だけで熟成されてきたからこそ今海外で受けているのだと思います。

 最後に二つほど今回私が挙げた二つのメンタリティが発揮された代表的な例を紹介します。
 実は日本で飛行機の設計が初めて行われたのは江戸時代の末期で、ある男性が独自にプロペラ式飛行機を考案して日露戦争中には軍部に対して敵軍の偵察を行う道具として開発を願い出たそうですが却下されてしまい、それならば独自に開発しようと研究を重ね、動力源となるエンジンの調達を視野に入れて資金を貯めている間にライト兄弟によって先に開発されてしまったそうです。ま、開発したライト兄弟もその後は特許権の争いで決して幸福ではありませんでしたが。

 もう一つの例は、これは伝聞での情報なのですがある世界的に有名なロックバンドがアルバムのジャケット写真になんと六歳くらいの裸の女の子の後姿を写したものを使用したところ、世界各国からは児童ポルノだ、不謹慎だとして発売が差し止められたそうですが、日本だけは、
「局部は写っていないのですね(´ー`)」
 の一言で、発売を許可したそうです。世間知らずもここまで来ると凄いものだ。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 日本人の特性ですか。実は、最近パソコンの調子が悪くて信長の野望が3分プレイすると切れてしまってたんです。しかし、友達にパソコンを浮かして冷やせばいけるって言われて、お皿に濡れ雑巾をおいてその上でやったら、3時間もプレイできたっていう。

 まあ、僕が何を言いたいかって言うと、こういうのも日本人の知恵なのかなって思ったわけです。。。笑

花園祐 さんのコメント...

 なんか日本人って、どうでもいいところにやけにこだわって、不可能を可能にするのが大好きなところがありますね。まぁでもそこまで来ていたらパソコンも買い換えた方がいいかもしれませんが。

匿名 さんのコメント...

一家心中ってのも日本人特有の「イエ」という概念と関係があるのですかねぇ?

花園祐 さんのコメント...

 「イエ」意識と一家心中とくればそりゃ深い関係でしょう。あまり証明もされてないで言うのもなんですが、私が見るところ、どうも日本人ってイエや一族を一個の人格と見て、個人の人格に気を配らないところがあると思います。