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2015年12月7日月曜日

統一主義と分離主義

 最近あまり思想めいたこと書いてないので今思いついたことをパパッと書いてみようと思います。

 先日起きたフランス・パリでのテロ事件以降、先進国各国ではテロ組織に対する敵視が一段と強まり、それが影響したかまでは断言できませんが先週米国で起きた銃乱射事件に対してあのニューヨークタイムズが銃規制について言及するなど、何か世論が変わった動きがします。そもそも何故テロ事件が起きるのかですがそれはテロ組織があるからに決まっており、では何故テロ組織が存在するのかですが、イスラム国のようなのはちょっと特殊ですが大抵は統一主義と分離主義の対立が背景にあります。

 同じ記事を読んだ方なら話は早いですが、過去の代表的なテロ組織としてアイルランドの英国からの独立を目指したIRAという組織があります。このIRAは英国内を始めとして世界各国で爆破テロなどを実行しましたが、彼らの主張はアイルランドを英国に取り込むな、異なる存在を認めろというものでした。IRAに限らずとも大半のテロ組織はこういった分離主義を抱えていることが多く、バスク地方、ヨルダン地区などなど、少数派の文化や民族集団が概してテロ組織を発生する土壌にあるということはほぼ間違いないといっていいでしょう。

 ここで出てきた分離主義、そしてその対立軸である統一主義ですが、聞くところによるとこの前発売されたゲームの「メタルギアソリッドV ザ・ファントム・ペイン」でも語られており、この作品では世界から永遠に争いをなくすために世界中の言語を強制的に英語へ統一しようとする組織と、それに対して抵抗しようとする少数派の分離主義者が出てくるそうです。
 多数派から見れば少数派の連中の方が少ないんだし、彼らが従えばグッと物事ははかどるというのに何故抵抗するんだという価値観なのかもしれません。片や少数派は多数派のシマを別に荒らしているわけでもないのにそれまで自分たちが培ってきた言語、文化を何故無理矢理取り上げようとするのか、また自分たちからしたら不都合極まりない要求を何故押し通そうとするのかという価値観なのかもしれません。

 ここで話は日本に持っていきますが、日本という文化は少数派でしょうか、多数派でしょうか?

 私の答えを述べると多数派で、そう思うきっかけは留学中にルーマニア人のルームメイトと会ったためで、彼曰くルーマニア語は世界的にそれほどメジャーな言語ではないからちょっと調べ物しようとしてもルーマニア語のサイトだけでは不足すると話していました。それに対して日本人ですが、少なくとも1億人以上の話者は存在しており、難しい問題や手続きでもネットで検索すれば誰かしら解説するサイトを開いているはずです。また高等教育においても各分野の専門家が日本には揃っているため明治時代よろしく、英語で講義を聞かなくてはならないというハンデは他の言語と比べると少ないでしょう。話者で言えば世界最大の中国語においてすらもこの高等教育での言語においてはハンデがあるため、見方によっては日本語の方が世界では強いということもできるかもしれません。

 ここでもう一つ問いたいこととして、日本人は言語や文化を取り巻く自分たちの現状についてちゃんと認識しているのか否かです。これもはっきり答えを言うとそもそもそれほど考えたことはなく、自分たちが多数派なのか少数派なのかは意識していないというのが実態でしょう。
 これ自体は別に問題はありませんが、少数派に対してどういう風な態度で接するのかはもうちょっと考えた方がいいと思います。日本国内でもアイヌ民族という少数派がおり、また最近は減ってますが南米からの労働移民、そして技能研修生という名の奴隷制度でやってくるアジア人、彼らは紛れもなく日本社会では少数派です。

 日本は島国ということもあって割かし統一意識が高く、知らず知らずのうちに統一主義的な考えや行動を取る傾向があるのではと密かに見ています。もちろんこれ自体は何も悪いことではないですが、もう少し少数派こと異なる文化や言語を持つ人に対しても対応を取組めばもっと日本社会はよくなるのではという気がします。少なくとも部屋の保証人制度は廃止してもらいたいと思っており、外国人などはこれのせいで部屋探しに半端ない苦労を負うと聞くだけに。

 私自身は日本人ではあるものの、日本社会では常に少数派に回ってきたと自負できます。そのためやや自分でも過剰だと思うくらいマイノリティに対して思い入れを持つ傾向があり、だからこの記事でもどちらかと言えば分離主義的な発言が続くのでしょう。しかし長い時間で見るならばやはり文化や概念、価値観は統一されていくべきだと思っており、そうすることによって地球連邦のような世界統一組織が生まれることも願っております。
 ただそうした統一までにはどうしても時間が必要です。ゆっくりゆっくり自然と各文化や概念を合わせて行く必要があり、それを無理やり統一しようものなら対抗する動きことテロリストが生まれるだけに、決して急いではならないというのが私の持論です。そして同時に、多数派もまた少数派に少しずつ合わせていくという態度も必要であるとも考えています。

 本当に勢いで全部書いたので全くまとまりがない記事になりましたが、結論としては「急いで取り込むな」ということと、もうちょっと少数派に気兼ねしてほしいという要望です。

3 件のコメント:

上海熊 さんのコメント...

「地球連邦」が出来るのは人類が他の惑星に植民都市を作って定住し始める頃か、地球外文明と遭遇した時じゃないかと個人的には思います。団結するにはどうしても相手が必要になりますから。

花園祐 さんのコメント...

 昔自分も友人らと、「地球が平和になるためこの際、宇宙人でも攻めてこないかな。そしたらみんな団結すると思う」といったら、「それはそれで宇宙戦争になって平和じゃないじゃん」っていうトークをやってました。でも団結するためには共通の敵がいる、90年代なんかは環境問題がまさにその敵として仕立て上げられましたが、最近だとこれももう「脅威を与える存在」ではなくなってきてるだけに、また乱世が近くやってくるかもしれませんね。

上海忍者 さんのコメント...

大阪人は恐らく分離志向が強いやろう?