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2025年12月14日日曜日

日本を例にした雇用と効率に対する見解

 DMMが割引セールを始めたので前から目をつけてた本をまとめ買いしましたが、その中に何故か「FX戦士くるみちゃん」と「みいちゃんと山田さん」という鬱漫画二本が入ってて、この土日はくるみちゃんとみいちゃんに費やされた感じがします。なおくるみちゃんの方はほかの人も書いていますが、読んでてマジ胃が痛くなる

 話は本題ですがかねてより私は日本経済はいまかなり好調で、確かに賃金の伸びが物価上昇においついてはいないものの雇用がともかく充足しており、また社会保障費の伸びもひと段落つきつつあると前向きに見ています。また産業に関しても、製造業はだめでも日本は現在もなお伸びしろを持つ観光業をさらに伸ばせば雇用は充足されるし、今後20年くらいはこの路線で走れば問題ないなどということをある友人に話したら、

「でも、製造業と比べると観光業の生産効率(単位労働者当たりの生産高)は低いし、資源のない日本が存続していくためにはやはり製造業が必要では?」

 という風に言われました。高市総理と同じ畝傍高校出身なだけに賢い……。

 この友人の言う通り、製造業と比べると観光業の生産効率は確かに劣るでしょう。わかりやすく言えば100人が1ヶ月働いて製造業なら10万ドル稼ぐのに対し観光業は2万ドルくらいにしかならず、海外からエネルギーや食糧を輸入する外貨を稼ぐうえでは効率は遥かに落ちるでしょう。
 ただ観光業の強みとして外貨を直接稼げる、つまり外貨決済や送金という手間なく、さらには決済期間なしで外国人観光客から直接現金でもらえるという強みがあり、この辺も考慮したら観光業にも追い風が吹きます。具体的にどっちがいいのかマネタリズムは正直苦手で正確に比べることはできませんが、観光業には観光業なりの製造業に対する産業としての強みがあるのではと思います。

 話を戻すと、そもそも日本が平成期において製造業を維持していかなければならなかったのはやはり、その比較的多い人口に対し雇用を維持するためだったと私は考えています。中国やインドと比べるとさすがに負けますが、それでも日本はその規模や国土に比して比較的人口の多い国であり、その人口を養うというか各国民個人が自活できるよう雇用を維持するには、雇用吸収力の高い製造業(売り上げが大きくて利益が低い)が昭和、平成期にかけて必要でした。
 例えば同じ製造業でも鉄鋼製品の生産とAIなどのハイテク産業を比較すると、利益のでかさならハイテク産業の方が絶対的に多いはずです。しかしハイテク産業で必要とする労働者の人数は鉄鋼製品メーカーと比べると遥かに低く、且つその労働者には高い素質が必要です。こうした観点に立つと、雇用吸収力という点でハイテク産業は製造業に大きく劣ります。

 それこそ、人口が100万人くらいの国ならハイテク産業に特化する産業政策をしてもいいでしょう。しかし日本のように1億超の人口を抱える国でハイテク産業に特化しようとしたら、就職にあぶれた失業者も出ることとなり、ハイテク産業で稼いだ利益を失業者の扶養に消費しなくてはなりません。その結果、稼いだ利益はほとんどなくなり、下手すりゃマイナスになります。
 それに対し雇用吸収力の高い製造業を維持すれば、少なくとも失業者の数は減らせ、得られる利益は少ないものの食わせる費用も減り、結果的に収支でプラスを維持できるという計算になります。

 ここで私の推す観光業の特徴を話すと、製造業に近く利益は低いものの雇用吸収力が高くなっています。特に雇用吸収力に関しては製造業以上ともいえ、現場研修などの負担が低くすぐ労働現場に入りやすい点もあるように見えます。もっともその分、冒頭で書いたように生産効率で劣り稼げる利幅はさらに減るでしょうが。

 私個人の考えで話すと、今後日本はさらに人口が減っていくので維持すべき雇用の数はさらに減っていくと思います。なので製造業を投資、維持する価値は今後減り、せっかく盛り上がってきていることだし観光業で雇用を埋めていくという方針をこのまま維持してもいいのではと思います。観光業を盛り上げるついでに、日本の弱みである外国語能力者も増やせばなおいいでしょう。
 その上で外貨を稼ぐうえで、ハイテク産業にも投資する。つまり製造業で働いていた層を、労働能力で見て上はハイテク業、下は観光業へと徐々に比率をシフトさせていくという方針で経済組めばある程度回るんじゃないかと都合よく考えています。もちろん製造業をこのまま維持するのもありでしょうが、何となく現代日本人の気質が製造業から離れているように見えるし、投資に金かかるし、国際競争も激しくなってきているので、観光の方がメリットあるように思っています。

 この辺で矛盾抱えてきているのは中国です。ロボットやAIなどハイテク産業が盛り上がっていますが、これらは前述の通り雇用吸収力が全くない産業です。いまだ膨大な労働者人口を抱える中国からするとハイテク産業が伸びて従来の一般製造業が弱まると失業者が大量に増えることとなり、ハイテク産業を伸ばしつつ製造業の維持に多大な費用をかけなければならない状況にあるとみています。まぁ平成期の日本も、似たようなもんだったのですが。
 その上でまとめで言うと、確かにハイテク産業など稼げる産業がデカくなれば一見して経済が回るように見えますが、失業者が増えていくと結果的にマイナスになるというのが私の基礎理念です。そういう意味で経済、というより景況感というのはGDPをどれだけ稼ぐか、経済効率がどれだけ高いかよりも雇用充足率、つまり失業率がどれだけ高いかの方がもろ影響するのではと思います。言うなれば稼げなくてもみんな自活できるくらい雇用がある状態の方が結果的にはいいという風に考え、雇用を守るという観点から経済政策は組むべきだという立場を取ります。

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