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2017年11月6日月曜日

文字数別、記事を書く秘訣

 コメント欄で少し質問を受けたのでまた文章の書き方、もとい記事文章の書き方を文字数別で簡単に紹介します。

 以前書いた「わかりやすい記事を書くコツ」の中で私は、記事を書くポイントは究極的には表現とか文字数のバランスとかではなく、話題をどのような順番で書いていくかという構成によって左右されると説明しました。これは私個人の意見というよりかは絶対的な真実であると考えており、きれいな文章を書く上では何よりも重視し、且つ指導すべきポイントだと考えています。
 なお外部に出す文章などにおいて私はこの構成を非常に重視して、実際に記事を書く前にどのような順番で話題を並べ、段落分けをどうするかをじっくり考え(主に通勤途中)ていますが、このブログの記事に関しては大まかな内容なりテーマを決めた後は割と思いつくまま、どちらかというとライブ感が出るようにして書いています。

 話は戻りますがではどのような文章構成だといい文章、もといわかりやすい記事に仕上がるのか。いくつか王道パターンはあるものの「これしかない!」的な一つの究極形はないので各自が創意工夫してよいと私は考えていますが、記事文章において私が頻繁に使用している構成は大きく二つあり、文字数によってどちらを使うかを決めています。

<少ない文字数の記事に使う構成>
 こちらの構成は私だけでなくマスコミ志望者向けハウツー本でもよく取り上げられており、新聞社の新人記者研修でも多分同じ内容が解説されていると思います。少ない文字数、具体的には500字前後の小記事から1000字前後の中記事で私は使っていますが、それ以上の文字数で使っても問題ない構成です。

 具体的にはどんな構成かというと、大事な内容や報道したい主題を第一文に持ってくるという構成です。例えば業績発表に関する経済記事なら「○○社は昨年、××%の増益だった」というように、極端に言えば第一文さえ読めば記事全体が分かるくらいの主題(主に数字)を頭に持っていきます。
 続いて二文目にはその補足で、具体的に何が増益(もしくは減益)の要因になったかという理由を書き、第一文の内容を補足します。そして第三文にはその他関係する事項を好きに書く、例えばさっきの例だと同業他社の業績や、何期連続の黒字だとか、今後の業績予想とかです。
 この構成は一段落、二段落、三段落という構成にしても通用する形です。この場合だと第一段落に主題を詰め込むという形となり、以降の段落では重要度の高さに従って主題を補足する内容を一つずつ付け加えていきます。基本的には経済記事に限らず、新聞記事の構成はすべてこうなっていると言っても過言ではなく、お手元の記事を見て構成を考えてみれば実感が得られると思います。

<多い文字数の記事に使う構成>
 先ほどの構成は基本的に文字数に関係なく使える形ではありますが、大体2000字を超えるようなやや長い記事を書く場合ですと私は別の構成にして記事を書きます。主題を頭に持っていく点は同じではあるものの、核心に迫る内容を敢えて書かずにしておいて一体何故そうなるのかという理由については匂わせる程度で切ります

 一体どうしてこんな書き方をするのかというと、記事を最後まで読者に読ませるためです。長い記事だと序盤だけ読んで読み捨てる人が多いこともさることながら、最初の構成のように重要な内容を頭から順々に書いていくと後半に至るにつれて書く内容の濃さや重要性が薄れていき、単純に読んでてつまらなくなっていきます。そうなると、読者としては読後感が非常に悪くなるわけです。
 こうした事態を避けるために、最初の第一段落では記事全体で主張したい内容と結論だけを簡潔に示し、「その結論に至る理由や背景とは?」という風な切り口にして、意図的に読者が続きを気になるような書き方にすることが多いです。
 こうして一旦リード文(第一段落)から本文(第二段落)以降にまで誘導させると、第二段落に入ってからは背景事項の説明に入り、何故この話題が気になるのか、現状はどうなっているのかなどと周辺事項から徐々に焦点を絞り、終盤に入るあたりでようやく詳しい説明や理由を書いていきます。でもって最終段落では補足的な、私個人の意見や見解、別の視点など、必ずしも読まなくてもいい軽い内容を簡単に示して、読後感を軽くするようなことをよく書きます。

 こちらの構成は最初の構成とは逆に近い形で、第一段落で内容全体のルートマップを示しながら肝心なところは敢えて教えないという形になります。何故そうするのかというと、繰り返しになりますがやや長い記事を最後まできちんと読ませるためです。その上で本文に入ってからは周辺事項から徐々に核心へと近づけていく形を取っており、こうする方が最後まで記事を読んでもらいやすいし、読者の側も話題が後へ行くほど内容が濃くなっていくので読みやすいのではないかと考えています。まぁもっとも、必ずしもこの形にこだわる必要もなければ、私自身も状況や内容にあ和得て変化をつけてはいるのですが。

4 件のコメント:

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

取引先の卸会社には経緯を延々と話す人がいます。 例えば「先日貴社より注文があった資材は
昨日発注しました。 明日、大阪から配達されるので当社(卸会社)には明後日入荷する
予定です」と長々と経緯を話します。 しかもこの会話では、肝心な内容である、『卸会社
から実際に私の会社に資材が配達されるのはいつか』について答えていません。 そのため、
いつも、配達日を聞き返しています。

まっちぼう さんのコメント...

 コメントの返信と記事を作成してくださりありがとうございます。

 ここ数日、花園祐さんの投稿を読んでいましたが、楽しく興味深い記事がたくさんあってつい読みふけってしまいました。難しく抽象的な内容でも、細かく分かりやすい文で素敵だと思いました。文を書くとなると、専門用語の乱用になってしまうことやいらない表現や言葉を付け加えたりとだらだら書いてある文章になってしまいがちですが、花園祐さんの記事の書き方を踏まえて文書を作っていきたいと思います。

花園祐 さんのコメント...

 今の日銀総裁も質問されたら関係ない周辺事項のこと語りだして聞かれていることについては革新をよくはぐらかしていますが、その取引先も同類でしょうね。こういう話し方をする時点で、よくない方向に言っていると考えていいでしょう。
 自分がやる対策としては、「あと何日?」などと具体的な数字だけを聞きますがこれでもはぐらかされることが多く、関係悪くなる可能性を覚悟するなら、「答えになってないよね?」ともう一回回答するよう要求します。

花園祐 さんのコメント...

 こちらこそ毎回感想ありがとうございます。
 記事や文章についてはある程度は絶対的な執筆量がものをいうので、内容よりも自分が書き続けられるような内容をひたすら書くことをお勧めします。まぁポイントとしてはこの記事でも書いているように、究極的には最も言いたい、書きたい、伝えたい一文を意識して書くといいかもしれません。自分も何らかの批判記事を書く際は、「こいつ殺したい」という意思を全力で維持しますし。