2018年2月16日金曜日

中国の若者の世代間の違い

 昨日のブログ記事で質問を受けたので、中国の若者の世代間の違いについて今日は書こうと思います。

 まず基礎知識として、日本の「ゆとり」という言葉に相当するように「80後」という言葉があります。意味としては1980年代以降生まれを指し、生まれた時から比較的裕福な環境であったため性格的に軟弱だと2000年代以降、ずっと言われ続けました。しかしそれから年代が経って現在は「90後(1990年代以降生まれ)」、「00後(2000年代以降生まれ)」という言葉も出てきたため、前ほど80後は馬鹿にされなくなってきています。
 なお中国では中学卒業後にすぐ就労につく人間も多いため、00後はもう社会の至るところで見られます。

 今回のターゲットはまさに上記の年代階層ですが、やはり年代が若くなるにつ入れて「甘ったれ」と言われる度合いは高くなる傾向があります。実際に80後の知人が会社で90後の部下を叱ったところ(女同士)、「あいつすぐ泣きだしやがって( ゚д゚)、ペッ」と話し、やはり軟弱だという印象を持ったそうです。
 00後とは私も絡みが少ないため実際はどうなのかわからない点は多いですが、少なくともはっきりと感じる独自な視点を述べると、80後と90後の間では明確な差があります。それは何かというと、起業意識です。

 私と同年代ということもあるかもしれませんが80後の人間は以前、会う度に「なにかいいビジネスはないか?」と聞いてきました。昔出ていた「日本人の知らない日本語」という漫画でも中国人留学生が将来の展望を聞かれ、「起業して社長になりたい」と答え、どんなビジネスを考えていますかと続けて尋ねたところ、「先生はどんなビジネスがいいですか?」と答え呆れさせるシーンがありましたが、まさにこんな感じのやり取りを私もかつて何度も経験しています。
 具体的にどのようなビジネスを考えているわけではなく、「とにかく会社を興したい」というような起業意識が80後にはありました。さすがに昨今はこの世代の年齢層も上がってきて落ち着いてきたのかこうした質問を受ける機会は減っているものの、10年前くらいであれば見ず知らずの他人にすら「何かいいビジネスはないか?」と聞いてくるレベルでした。

 翻って90後ですが、こうした起業意識が80後と比べるとほぼ全くありません。80後の時代に就職先として人気だったのは外資系企業、それも特にITと金融でしたが、90後の時代になると公務員志望が増えだし、「あくせく働くよりのんびりまったり働きたい」と志望理由を述べる若者が増えてきました。最も習近平政権となって公務員の収賄が厳しく取り締まられ始めると、「実入りが悪くなった」と述べ、若干希望者数が減ったそうです。賄賂も収入として計算に入れて就活する辺りは中国らしいのですが。
 もう一つ、やや古いデータですが確か2012年に見た調査で、中国でも特に起業家輩出率が高い浙江省温州市でまさにこう言った起業意識に関する調査を行ったところ、90後の世代以降から「あまり考えていない」と答える割合が急激に高まり始めました。起業に関しては最も最先端な温州市でこれなのだから、全国で同じ統計を取ったらもっとはっきり出るだろうと、当時同僚たちと話したのを覚えています。

 現実に、最近中国の若者と話していても起業について口にする人間はめっきり減りました。むしろいい就職先への志望を語る若者が多く、単純に独立心は低下傾向を歩んでいると肌感覚で感じます。

 こうした変化は何故起きたのか。理由は世代間の違いというよりかは歴史と環境の違いで、80後の成長時代は中国も高度経済成長期の時代であり、起業しても簡単に当てることが出来た時代でした。むしろ起業せず積極的に儲けない方が馬鹿だと思われるかのような空気があり、中国の若者はこぞって起業を目指していたのでしょう。
 逆に90後の時代は高度経済成長の弊害やねじれに直面していたのが青春期に当たり、またライフスタイルの面でも90後以降と以前では大きく違い、日本人から見て「まともな人間の生活」に入ってきたのもちょうどこのころである気がします。こうした環境から一攫千金よりも安定志向の方が強くなり、それが起業意識に如実に表れたのではと私は考えます。

 もう一つ、80後と90後の違いを述べると、英語能力です。90後以降から中国でも受験戦争が段々やばくなり、特に配点の大きな英語科目を集中的に学ぶ子供が増えたことから、できない奴はほんとに英語できませんが、できるというかやばいと思うくらい英語が上手な若者が90後以降から急激に増えてきました。
 一方でこの前どっかのメディアで見ましたが、勉強漬けとなるせいか運動能力方面では低下傾向が続いており、日本の子供と体力測定の結果を比較したところ全方面で中国の子供の方が軟弱だったという報告が出ています。私自身も最近見ていて、中国の若者は背が高くなっている一方で線が細くなってきていると思うところがあり、やはり幾分軟弱そうに見える若者が増えています。

 以上はあくまで上海市に住む私個人の目線の意見のため、中国全土の傾向を反映しているかと言ったら自分でも疑問なため、参考程度と受け取ってください。
 最後にもう一つだけ付け加えると、中国の若者と言っても外資系に務めてくる人間はやっぱり体力も意識も高い人間が多く、何より英語が半端なく上手です。志望段階で違うのかもしれませんが、やはり一般企業と比べるとマナーもよく、優秀な人材だと思います。

 その一方、なんか今年に入ってから下から報告されるレポートの文章の質が極端に落ちてきました。翻訳していて「何が言いてぇんだよこの野郎」と愚痴が出るくらい文法めちゃくちゃな文章が多く、ひどいのになると全く文章を切らず、改行せず、だらだらと長い文章を書き綴って読むものを混乱させるようなレポートすらあり、中国人を含めた関係者一同で、「こいつは何が言いたいんだ」と押し黙ったことがあります。
 そんなレポートを必死こいて解読して翻訳しても案の定、和訳文も意味不明なものとなってしまうのですが、それでも上司などから「まだ中国語よりかは言いたいことはわかる」と言われました。最近そんな文章を翻訳していて、「俺は暗号解読班か?」と自問自答する日が増えてきています。

2 件のコメント:

  1. キミは90後ですか?

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    1.  俺の年齢知っとるやろが。二人そろってパーリンホウやんけ。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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