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2022年12月8日木曜日

ゲームレビュー:ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団

 ネットで誰かがスパイファミリーをヒナまつりに例えていたのを見て以降、ロイドのことを平成の怪物こと新田にしか見えなくなりました。お互い超能力使える娘抱えてるし、金髪だし。

 話は本題でまたゲームの話題で申し訳ないですが、つい先日に日本一ソフトウェアの「ガレリアの地下迷宮と魔女の旅団」を裏ボス討伐も含めて完全クリアしました。そのうえでこのゲームがオススメかどうかという点について結論から述べると、「無理してやらなくてもいい」というか、あまりお勧めできないという印象を覚えています。

 この作品は数年前に発売された「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」の正当続編作品です。ルフランに関しては私もPSVitaで遊んでいるのですが、現時点においてもダンジョンRPG作品としては史上最高傑作といいほどの出来で、同時期に発売された同じダンジョンRPGの「メアリスケルター」と比べると雲泥の差というか、どうあがいても埋めきれない差を見せつけるほどの珠玉の傑作でした。
 マジな話、ルフランを遊び始めてからクリアするまでの毎日はマジで幸せだと感じていたほどで、戦闘、探索、難易度、ストーリー、演出、声優の演技のどの方面でも文句のつけようがないほどの素晴らしい作品でした。恐らく今後これ以上のダンジョンRPG作品に巡り合うことはないと思います。

 それだけに続編にあたるガレリアについても発売前から非常に期待感があったものの、発売時点ですでにPSVitaは産廃化しており、またPS4も持っていなかったので遊べず、もやもやした気持ちを抱えていたらSwitch版が出たのですが、PS4版の発売から日が経っていたのですぐ買う気にはなんかなれず、Switch版発売から1年に当たる2ヶ月前に割引セールされているのを見て、ようやく購入するに至りました。

 あのルフランの続編だからとかなりワクワクしながらプレイを開始したのですが、前述のとおり期待を満たすほどではなく分類的にはガッカリ作品でした。この作品の何が良くなかったのかというと、単純に遊んでて面白くなく、ゲーム性が著しく低かったという点につきます。

 ゲームとしては前作同様にダンジョンRPGで、3Dダンジョンの中を罠をかいくぐったり、敵を倒したりして探索しつつ、キャラクターを育ててボスとかを倒す感じなのですが、序盤こそ前作同様に仕掛けの多いダンジョンを回るものの、中盤以降は「不思議のダンジョン」シリーズのように、ランダム生成されたダンジョンをひたすら上っていくだけになっています。ランダム生成ダンジョンのためマップを埋める行為は意味がなく、ただひたすらに階段を見つけては登っていくだけの作業めいたプレイを強要され、なんとなく遊ばされているという感が強かったです。

 またこの作品、RPGと謳っておきながら極端にボスキャラに当たる敵が存在しません。最初の名前付きのボスキャラに遭遇するまでガチで10時間以上プレイせざるを得ず、その間白熱する戦闘は一切なく、つまらなくはないけどただダンジョンを探索するだけで、この点はかなり強い違和感を覚えました。
 でもってようやく出会えたボスキャラはどれも弱く、後半に至るまでボス戦で苦戦したことは一切なく、基本遭遇するや1回目で簡単に攻略できる有様でした。ただそれは中盤まで、後半に入ると今度は極端に強いボスキャラがやたら出てきて、マジで何もする間もなく一瞬で全滅させられ続けました。表ラスボスなんかもやたら強く、中盤までとは異常なほどギャップがあり、難易度曲線が酷く歪であると感じたくらいでした。

 このほか戦闘に関しても、ミラマキーナなどほかのゲームでいう召喚獣みたいなものが新しく導入されましたが、これが全く使えないというか、途中からは完全に無用の長物と化していました。そのほか先頭に使うキャラも、このゲームはドラクエみたく転職が可能で、転職前に覚えたスキルを転職後も使えるのですが、転職できる職業が異常に多く、後半に入ると膨大なスキルの中から適切なものをいちいち取捨選択しなくてはならなくなります。
 それでいて、戦闘に出せるキャラクターは20キャラ以上おり、このスキル管理や転職の管理に膨大な時間がとられました。この辺、ガチで自動選択がほしいと思ったほどです。それでいて、後半に行けば行くほど魔法(ドナム)が役に立たなくなり、よくいう「レベルを上げて物理で殴ればいい」的な戦略性のない戦闘になっていってしまいます。

 こんな感じでRPGゲームとしてのゲーム部分は正直あまり評価できないというかむしろひどい部類なのですが、ストーリーに関しては前作同様に非常に見るものを魅了するほど素晴らしいものがあります。ただそのストーリーも、前作のルフランと比べると明らかにレベルが落ちており、また裏設定が異常なほど多く、一見してストーリーの全容を把握できるものではないです。
 また中盤に入ってからは大きく話が切り替わり、先の気になるストーリーが展開されてやばいくらいのめりこみましたが、後半に入ったら途端に失速して、クリア直前なんか「どうしてこんなことに……」というような感じで惰性でプレイしてました。多少ネタバレになるけど黒幕が世界を滅ぼそうとする理由というのも、

「今までの辛い記憶、もう忘れてしまおう」
↓↓↓
「よくわかんないけどもうこんな世界滅ぼしちゃえ」
↓↓↓記憶戻った後
「なんで世界滅ぼそうとしちゃったんだろ?」←ガチでこんなこと言う

 こんな具合で、かなりトンデモな動機で面倒ごと起こしていたことがわかります。マジこんな展開見させられたときはこっちの心のほうが折れそうでした。中盤のストーリーはすごい良かったのに。

 以上のように最後の方こそちょっとトンデモな展開になりますが、中盤までのストーリーは依然素晴らしく、全体としてもやはり美しいストーリーだとは評価できます。ただそれだけに、ゲーム部分があまりよくないこともあって一部の人は「Youtubeでプレイ動画だけ見れば用足りる」と言っており、私自身も実際この意見に激しく同感です。

 前作同様、キャラクターは非常に立っておりストーリーは本当にいいのですが、肝心のゲーム部分が大きく足を引っ張ったという印象です。まぁストーリー面も前作が偉大過ぎたともいえるのですが、キャラクターはビジュアルも含めよくできているだけに、非常に惜しいという気持ちがしてなりません。

 なおそのキャラクターの声を演じる声優陣は今作も非常にうまく演じており、ナチルの声の人なんか今まで知らなかったけど演技うまいなぁとはっきり覚えました。ただこの点も、前作で主役二人を演じた仙台エリ氏と種﨑敦美氏のタッグがやばすぎたというか、プロレスでいうと猪木&馬場のタッグ並みに演技力が桁違いすぎる超実力者二人が揃って出演していたため、前作と比べるとガレリアは声優面でも見劣りしてしまいます。

 何気に種﨑氏の声聞いたのはルフランが初めてだったのですが、終盤のあるシーンの演技を聞いて、「マジやばいこの人(゚Д゚;)」と凄まじい戦慄を感じたのを今でもはっきり覚えています。あの当時から現在に至るまで種﨑氏はスター街道をひた走るようになり、冒頭のスパイファミリーのアーニャ役をはじめ、超売れっ子となったことに強い安堵感を覚えます。

 こんな感じであんまいい印象のないガレリアですが、BGMに関しては前作同様にどれも非常に優れた出来だったと、この点に関しては手放しで誉められます。特にこの下の、ゲーム中ではアパルトマンなどで流れるこのBGMは非常に幻想的なイメージが盛り込まれており、何度聞いても飽きないです。


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