現代においてはもはや一人一台と言っていいほどの保有率を誇る携帯電話ですが、自分がまだ子供だった頃はこんなにも普及していなかったことを考えると改めて不思議な気持ちになります。昔書いた連載の「失われた十年」においても1990年代における小型通信機の発達は異常なほど早かったと一節を設けておりますが、この携帯電話市場においてもそろそろ時代のパラダイムというか転換点を迎えるのではないかと一人考えております。
結論から述べると、今後十年以内に携帯電話というものはほぼなくなるのではないかと思います。なくなるほど極端ではなくても、あと二~三年以内に通話料の減少が始まり、携帯電話通信事業各社では減益と共にリストラに取り組まなければならなくなるはほぼ確実だと見ています。
あんま長々書かなくてもいいネタなのでとんとん理由を書いていきますが、私がこう思うきっかけとなったのは通話アプリの「Skype(スカイプ)」と「LINE(ライン)」の存在です。
私はスカイプを2008年から使い始めましたが初めて使った時はインターネットがつながる環境であれば無料でいくらでも電話が掛けられるというその便利さ、音質の良さに驚くとともに、国際電話もこれで無料に使えるという事実に結構なカルチャーショックを覚えました。その後現在に至るまでスカイプは利用し続けており、特に中国で働いていた時などは日本にいる友人らと会話する際には重宝しました。
ただスカイプはその便利さの一方、お世辞にも誰もが気軽に使うほど普及するアプリにはなっていないように見えます。事実私の周りでは私が紹介するという形を取ってから初めて使う人がほとんどで、中には「早く出てこい(#゚Д゚)ゴルァ!!」っと言ってるのになかなかスカイプを繋げない後輩もいて、一回使ってからはまる人もいればそうでない人もいて大きな温度差があります。
スカイプの普及にこのような温度差がある理由としては、私が思うに最初にIDを登録するという手間が大きいように見えます。そんな大した作業ではないのですが何の手続きもなしにすぐ自動で登録されるわけでないことから、スカイプ同士なら無料でいくらでも電話が掛けられるといっても二の足を踏むような事態となったのではと考えています。
そんなスカイプに対して現在流行しているラインの強みは、同じ無料通話アプリであるものの現在登録している携帯電話番号を元に手軽で簡単にIDを登録できる点でしょう。それ以外にもスタンプなどのコミュニケーションツールを搭載していたことも大きいでしょうが、このラインをきっかけに無料通話アプリを初めて知った人も多いように思えます。
ここで話を本筋に戻しますが、要するにこれら無料通話アプリが既存の携帯電話に取って代わるのではないかと予想しているわけです。というのも無料通話アプリであればWIFIが入ればいつでもどこでも通話ができて、なおかつ同じアプリ同士なら会話は無料。さらにビデオチャットも出来ればメッセージの授受も出来て、こういってはなんですが通常の携帯電話の通信に何一つ勝っているところはありません。
現在主流の携帯電話通信規格の「3G」は比較的どんな場所でもつながるというネットワークの広さではまだ優位性を保っているものの、今後WIFIのネットワーク網が広がればその優位性すらなくなる恐れもあります。さらに通信速度では現時点でWIFIが確実に勝っており、携帯電話も次世代通信規格の「4G LTE」が普及すればまだ上がりますが、WIFIの通信速度は実験下とはいえ現時点で秒速100メガも達成しており、わざわざ4Gインフラに金かけて投資する価値あんのかなと内心思ってます。
先ほどにも書いたように無料通話アプリはスカイプが結構前から始めていましたが、その存在はお世辞にも社会的に認知されてはいませんでした。しかしラインが普及してからは状況が変わり、大人も子供もおっさんもWIFIさえ繋がれば友人同士であればこっちでの通話を選ぶようになったのではないかと思います。この動きは今後ますます加速することでしょう。
さらに、これが一番大きいのですが、WIFI通信というのは携帯電話の通信と比べて通信速度が速いだけでなく、現時点で通信料も圧倒的に安いです。携帯電話だとパケット使い放題の契約を結ばないと従量課金で毎月の通信料がかなり高額になりますし、そもそもパケット使い放題にするにしても月五千円くらいかかります。それに対してWIFIは私の使っているWIMAXならプロバイダ料金を含めて月額3800円強で使い放題で、通信速度がそんなに高くなくて通信量が一定値を越えたら通信速度にブレーキがかかってもいいのならイオンとかが月額1000円くらいで契約できるサービスを打ち出してます。さらにさらに述べると、これらのWIFI通信契約ならば普通にノートパソコンとかほかの端末でネットをするのにも使えるという点も見逃せません。
先日、ドコモは通話料を月額2700円の定額にする新たな料金サービスを発表しましたが、こうしたサービスが新たに作られた背景には無料通話アプリの存在もあるんじゃないかと内心睨んでいますし、今後業界内で価格競争は増していくとも見ています。ただ私はなんでもかんでも極端な予想を立てることに定評があるためこのまま述べると、電話の形さえして携帯できれば、スカイプやラインの専用端末であってもいいんじゃないかとこの頃思っていますし、今後そういう端末が続々出てきて主流となるのではという気もします。
以上の主張をまとめると、現在の携帯電話通信はその機能の薄さに比べて料金が高過ぎるということに尽きます。そのためそのシェアは今後無料通話アプリにどんどんと取られて行く可能性があり、私の予想みたいに完全になくなるというところまで行かなくても、よっぽど新しいサービス分野を開拓しない限りは利用量の減少と共に価格競争が始まって携帯通信事業各社の売上げや収益は今後落ち込んでいくというか、案外今くらいの時期がピークなんじゃないかと言いたいわけです。携帯電話各社のの売上げが落ちていくという予想に関しては、少なくとも私がこの話を振った全員が「せやね」と同意してくれました。人口も減ってるしね。
最後に蛇足ですが、この記事の何がすごいかっていうと書いてる私自身がラインを今まで一度も使ったことがないという点に尽きます。 持ってる電話もウィルコムのガラケーっていうかPHSだし、国際電話はスカイプで済ましちゃうからですが、それでいてよくこんな記事書くなと我ながら呆れてきます。
2 件のコメント:
携帯電話はホンマに不要なものですね。PCがあれば、代替できるかと思われます。
そんなことゆうてるくせに、携帯メールはジャンジャンつかっとるやん。
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