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2014年4月10日木曜日

専門が就職に活かせない風潮

彡(゚)(゚)(15)「進路について考えるで」(アルファルファモザイク)

 上のリンク先はちょっと古い記事ですが自分がよく見に行くまとめサイトの記事でひときわ目を引いたもので、案外今の世の中を象徴するような話じゃないかと思って記憶にとどめておりました。内容を簡単に私の方から説明すると、高校時代にバイオ系の研究に興味を持って専門的な研究を行っている大学を自ら調べて進学して大学院にも通ったものの、就職活動の段階で専門の研究が活かせられるような企業の採用募集に応じたところ悉くお断りされ、やむにやまれず専門とは関係ないものの公務員に応募したところ面接官は、「こんだけ専門的にバイオ勉強してきたんだからもっと専門的な職についたら」などと言われ落とされ、何のために8年間もバイオ領域の研究を志してきたのだろうという体験が書かれています。意外と一言でまとめられるもんだ。

  こういってはなんですが、こういった例は今の世の中で珍しくないのではないかと私は考えています。こういった例とはどういった例かというとある職業を志して専門的に学んだり訓練を受けてきたにもかかわらずその職業を得ることは叶わず、やむなく経歴とは何の関係もない仕事についたり、下手したらかえって付きすぎてしまった専門性の高さが他の職業への就職に足かせになったりするということで、私自身も少なからずそういう体験をしてきたしそういう人間を目の前に見てきました。

 先に私の体験を述べると、私の場合は中学生時代に記者職を志してから飽きっぽい癖にずっと文章を書き続けるという訓練は続け、大学での専攻も新聞学科もあったけど敢えてそれはスルーして、より幅広い分野を相手にできる社会学を選んでやってきましたが新卒では悉く全滅。その後、中国で紆余曲折を経て経済紙の記者になることが出来てその際にずっと続けてきた文章を書く訓練は確実に実ったのでまだよかったと思えますが、強く出ると現段階においても私は並の記者より経済也政治なりをずっと勉強している上に文章も上手に書く自信があります。経済紙の記者をした際、案外記者って勉強してないなってことがよくわかりましたし。

 この私の例はやや極端なものですがもう少し平たいレベルの話をすると、私の強みの一つである中国語も新卒時、何故かほとんど仕事に繋がりませんでした。当時はまさに中国進出絶頂期で記者職は難しいというから何かしら中国語でひとまず生計を立てようと思い中国に進出している企業を中心に結構受けてきましたがどこも相手にされず、中国に渡った後で中国語が使えない駐在員が大量にいるのを見て正直、なんじゃこりゃと思いました。更に衝撃的だったのが中国留学時代の友人から聞かされた話で、自分たちと同じ時期に留学していた日本人仲間の中で中国語を使用する仕事についているのは当時、私とその友人の二人だけしかいないと言われた時でした。
 こうした現象は中国語に限らずほかの言語にも起きているようで、前にも同じような記事を書きましたが英語を専門に学んでいたにも関わらず海外と関わる仕事は、実際にはうなるほどあるはずなのですが何故か得られず、やむなく海外へ直接渡って現地採用を選ぶ人間が増えているという記事を前に見受けました。割と応用性の高い言語でこれなのだからほかの分野ではどうなのか、例えば金融とかマーケティング、社会調査とかを専門的に勉強していた人たちはどうなのだろうかと他人事ながら気になります。

 あとこれはこの前友人から聞いた話なのですが、理系の薬学部というのは学問としてある意味破綻している分野だそうです。というのも薬学部を出なければ薬剤師の資格は基本得られないのですが、薬学部を出なくても薬品の研究は理学部卒でも出来てしまう、というかむしろそっちのルートの方が多いそうです。そりゃただ単に薬剤師になって薬局とかで働きたいってんなら別にいいのですが、社会に貢献しようと医薬というものを真剣に研究したいという人が薬学部に入ってもあまり大きなプラスにならず、理学部出身ならほかの細胞や工業化学品の研究にも手が出せることをを考えるとむしろ専門幅を狭めてしまいかねません。

 以上の様につらつら書いてきましたが根本的な問題点を書くと、現在の日本企業はその分野を専門的に学んできた人間を優先的に採用するようなことをしないのが一番大きい気がします。たとえば銀行とか証券業界の企業なら経済学部卒が一番専門に近いと大多数の人間は言うでしょうが私に言わせると商学部こそが最も専門に近いと思います。あとメーカーの営業職でも、何故文系が優先されるのかよく考えるとおかしいような気もします。
 グダグダ書いてますが言いたいことを書くと、各分野の教育内容とそれが活かせる職業のルートというのが全くマッチしていないのが今の日本の状況だと思います。なんでマッチしないのかというとその職業の椅子が限られていることとか大学の定員が多すぎることもありますが、それ以上に各企業の採用方針が「人物本位」なんて妙な基準を立ててほかに条件を設けていないことが何よりも大きく、弊害もまた大きいと私は考えます。

 私個人の考え方としてはこのところはもう日本の社会をいい方向にだなんて以前ほど考えられなくなってきているのですが、この件に関して言うと専門的にやってきた人の方がまだ熱意も高いと思うんだけど、そういう熱意ほどなんか敢えて無視しようとする人多いななんて思うと書いて今日は筆を置き、また今度努力が実らない日本の社会事情についてまとめてみようと思います。

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