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2018年2月22日木曜日

下手な文章の特徴

 以前友人が、「こんなオファーメールが来たんだけど」とある事業に関して提携をオファーするメールを見せてくれましたが、一読するなり私は、「この文章を書いた奴は馬鹿だからこの話は受けるな」と言ってのけました。その後、オファー相手に会ってきた友人は、「確かに馬鹿そうだった……」という感想を私にくれました。

 案外というか、自由に文章を書かせてみるとその人の特徴なり判断力、思考力というのは透けて見えます。冗長な表現を多用する人間は結論を出さないタイプだとか、適切な言葉を継げない人は気遣いができない人だとか、敬語の使い方でリテラシー意識の程度が図れたりとかいろいろ見るポイントはあります。ただ細々とそうした点を見るより一読してみて、「何が言いたいのか」が分かるかわからないか、この点だけに注意すれば案外人となりというのは見えてきます。
 そういった、ちょっと相手に疑問を感じるような文章の特徴というのは何なのか、言い換えれば下手な文章の特徴はどこにあるのか、あまりありそうでないポイントだけを、なんか夜になって急にブログ書きたくなったこともあるのでご紹介します。

1、文章を区切らない
 文章を区切らず、延々と「○○が何々で、△△して、××な……」という具合にずっと書き続けるタイプのことを指します。基本的には主語+述語で一文節が構成されるため、1~2文節くらいで「。」を打って区切る必要があり、どんなに長くても3文節を超えてはならないというのが私の考えです。

2、段落分けをしない
 短い文章ならともかくある程度長い文章になる場合は段落を区切って、「ここで内容変わりまーす」ということを示す必要があります。しかしこれを全くせずに改行こそするものの、そのまま延々と描き続けるタイプも読み手には負担が重く、下手な文章の特徴と言えます。
 なおこのブログで使っている段落分けの仕方は私オリジナルの非常に独特なもので、2~3文で一旦改行した後、また2~3文を書いて1段落とさせています。何故こんなことしているのかというとリズム感的に、文字数的にこの形態が一番読みやすく、またこっちも書きやすいからです。

3、接続詞を使わない
 主語+述語の組み合わせが1つだけの文は短文で、「。」が付くまでに主語+述語の組み合わせた2つ以上入る文を複文と言います。複文を構成する上では間に接続詞を入れるのがベターなのですが、この接続詞を入れずに複文を書く、もしくは文章を区切った後に接続詞を入れないのもあまりよくない書き方です。
 実際のところ、文章の上手い下手は接続詞の使い方を見れば大体把握できます。接続詞のレパートリーが多ければ多いほど文章は見栄えが良くなるため、使い慣れていない人は敢えて使い分けるよう心掛けるといいでしょう。

4、主語を省きすぎる
 日本語というのは英語や中国語と比べると主語がはっきりしないという特徴があり、前の文と主語が同じだった場合、次の分では省略される使い方がされています。しかし省略しすぎて意味が分からなくなったり、前の文と主語が異なるにもかかわらずそれを明示せずに省略するとこれまた読み手に負担がかかり、下手な文章と相成るわけです。
 なまじっかそういった主語の省略に自信がないなら、ややくどいと思っても毎回主語を最初に明示する書き方をした方がずっといい文章になります。意外とこの主語を明示するという書き方が疎かになる人が、メールを受けたりしていると多いように感じます。

5、横文字を多用する
 外来語を全く使わないとなるともはや日本語としては成立しないくらい横文字が氾濫しているのが現代日本語ですが、かといって横文字を多用すると一気に文章の質は落ちます。専門用語ならまだしも、もっと浸透している漢字用語を差し置いて横文字を多用すると読んでる方もなんとなく変な感じがしやすいので、無駄に多く使う方も私的にはNGです。

8 件のコメント:

酷道マニア さんのコメント...

よくSNSで、あまり一般的に浸透してなさそうな横文字のビジネス用語(?)を多用する方がいます。そういう方は自分を賢く見せているつもりなんでしょうが、私的には逆に滑稽に見えます。

上海忍者 さんのコメント...

下手な歌詞の特徴をご教授頂きたく。

花園祐 さんのコメント...

 基本、横文字を多用する人は語彙の少ない人間と思って間違いないです。もっとも、会話に古語混ぜてくる人はそっちはそっちで厄介ですが……。

花園祐 さんのコメント...

 同じような内容の歌詞を繰り返すようなの。作詞がうまい人は1番、2番となるにつれて時系列も動き、あと韻を踏ませていたらなおよし。

川戸 さんのコメント...

日本語の話言葉は主語をいくら省いても、主語と述語を倒置させても、意味が伝わると評判ですが(主にtwitter評)なまじ粗雑な会話に慣れているから書き言葉で話せなくなる人間が多いのではと思われます。

折り入って相談なのですが、自己主張を表すのに使う動詞が同じようなものばかりで困っています。例えば~だと思います、~と感じます、~だと考えます(能動受動のバリエーションあり!)、等。
私が自己主張ばかりする文章を書くからいけないのかもしれませんが、文章が長くなるほどこれらの動詞がくどいので、他にいい表現法や改善の余地等がありましたら助言お願いいたします。

花園祐 さんのコメント...

 自分の考えを示す場合の語尾ですが、おっしゃる通りに本後では「~だと思います」が一番多いでしょうし、私も多用します。しかしこれが何度も続くと、確かに文章が単調になるきらいがあります。
 対策としては断定、言い切り型の口調を使うことで、「~でしょう」、「~で間違いありません」などで、これらを使うと割と文章は引き締まります。このほか「~と見られる」ってのもあります。

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

横文字の多用はNHKにもその責任の一端があります。 NHKのアナウンサーの報道をよく聞くと
結構横文字を使ってます。例としては「新しくお店がオープンしました」「今年度の事業
がスタートしました」「ボイルしたエビをカットして」等です。日本語に訳す事が難しい
言葉や概念ならともかく、簡単な言葉ですら横文字を使って話しています。日本の公共放送
が横文字を多用しているので、それを聞いた視聴者も平然と横文字を多用するようになったと
私は思っています。私は「今のNHKのアナウンサーはルー・大柴化している」と揶揄しています。
アナウンサーが横文字を多用するのであれば、今のアナウンサーの代わりにルー・大柴が報道
しても大差はないだろという意味です。

花園祐 さんのコメント...

 アナウンサーの話す言葉は確かに日本語への影響は大きいですね。民放に至ってはもはや期待するべくもありませんが、NHKもそのようになっているとはなかなか厳しい時代になったものです。
 ちなみにコメントを見て思い出したこととして、何かのワイドショーの際に言い間違えをした際、咄嗟に「横文字が苦手でね……」と発言したデーブ・スペクター氏は本当に日本語が達者な人だと感じました。