それはさておき本題ですが、児童文学作品の「ズッコケ三人組シリーズ」は一定の年齢層以上ならその名を知ってる人も多いかと思います。自分も小学生時代に当時までに出ていたシリーズは全て読破しており、特に一番最初に読んだタイムスリップして平賀源内に会うという作品を読み、後にひときわ強い関心を持つ平賀源内を初めて知ることとなりました。
簡単にこのシリーズの紹介をすると、運動が得意で勉強はダメ、読書好きで学習意欲はあるのに勉強はダメ、やや肥満体で勉強はダメという典型的特徴を持った小学生の男の子三人組がいろんな事件に関わっていくというのが主な筋立てになっています。その体験というのも上記のタイムスリップをはじめ、殺人事件など普通ならまず体験しないようなSF的なのもあれば、隣町の小学生グループと集団喧嘩など小学生っぽいものもあり、ともかくバラエティに富んでいます。
現在の目線でこの作品を思い起こすと、やはり小学生でも読みやすい文体なのと、主要キャラクターを固定していてブレが少ないことから優れた児童文学作品だったという気がします。実際非常にファンが多く、確か13年前に大学の後輩が、「ちなみに花園さんはズッコケシリーズ読んでました?(´・ω・)」と話題に出すくらい影響力ありました。
そんなズッコケシリーズでも自分の中で平賀源内が出てくる巻と並び、強烈に印象に残り「あの内容をよく小学生向けの本でやったな(;´・ω・)」と思い続けていたのが、上の動画で紹介している「山賊体験」という巻です。詳細は動画を見てくれれば早いですが、近所の青年とドライブ中に山の中で暮らすカルト教団に拉致され、そこの住民となるように主人公らは強制されるという話です。
当初は抵抗したもののしばらく月日を過ごしてカルト教団の生活にも慣れていくのですが、それでも望郷の念から主人公ら(小学生)は監視が緩む祭りの日に脱出を図ります。ただ救助を求めた人里にもその教団の影響力が及んでいたためあっさり捕まり、処刑されるのを待つ身となってしまうのですが、教団の教祖の憐れみを受けたことで秘密裏に逃がされることとなります。この際、一緒に拉致された青年はすでに教団内で恋人もできていたことから同行せず、そのまま教団に残り永別することとなります。脱出後、主人公らは警察に顛末を話して残された青年の救助などを求めたものの教団のアジトなどを見つけることはできず、結局迷宮入りとなるところで、小学生編は終わります。
以上の内容、特に拉致して強制的に住民にするくだりとか児童文学でやる話かよと小学生の自分ですら色々疑問に思ったりましたが、逆にその強烈過ぎる展開からか記憶にも一層残り、ほかのシリーズよりもずっと記憶に残ることとなりました。実際上の動画によると、私以外からも評価が高い層でシリーズ人気ランキングでも上位に入っているそうです。
そんな山賊編ですが、なんと「ズッコケ中年三人組」で続編が描かれていたというのを上の動画で初めて知りました。これ自体かなり驚きでしたが、それ以上に明かされた続編の結末というのも本編以上に強烈で、しばし放心状態となりました。これまた詳細は動画で見てほしいですが、端的に書けばあの教団の共同体は崩壊しており、それも大量殺人によるものだということが明かされます。かなり救いのない結末で、なんか「夢の終わり」という単語が頭に浮かんできたほどでした。
以上のようにショックを受けたストーリーの顛末ですが、藤本タツキ氏の「さよなら絵梨」でも描かれているように、芸術っていうのはある程度、観衆を傷つけてなんぼなところがあると思います。心に傷を負わせるような内容を見せつけることが芸術の一つの要素であり、ショッキングな展開というのがあるからこそ芸術的価値があるとも言えます。少なくとも、記憶には強く刻まれます。
そういう意味ではこの山賊編はズッコケシリーズの中でもひときわその要素が強いものだったのかもしれません。なんせ30年くらい前に読んだ一冊の本についてこうして記事を書かせるくらいなんだし。
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