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2022年2月6日日曜日

ローラースルーゴーゴーの真実

『ちびまる子ちゃん』はまじが明かす“神回”の裏側、家が全焼した「永沢君」の正体は(週刊女性PRIME)

 また凄いインタビュー記事が出たというか、読んでてめちゃ面白かったです。
 上の記事は漫画「ちびまるこちゃん」の登場人物である「はまじ」のモデルとなった当人への、作中内容は本当のところどうだったのかということを尋ねたインタビュー記事です。人気のある作回に絞って尋ねており、そんなこの漫画を読み込んでない自分でも「あ、あれね」と思い出せる話が多いです。

 中でも自分が記事を開いた瞬間から、「あれはないのか?」と考えていた「ローラースルーゴーゴー」の話についても、このインタビューでしっかり触れられています。「友蔵のローラースルーゴーゴー」と言えば話が早いこの神回について上記インタビューでは、実際に当時流行っていたものの、作中ではまじはまるこに料金を取って貸し出していますが、モデルの浜崎氏は当時、実際にはローラースルーゴーゴーを持っておらず、自分も友達に貸してもらって遊んでいただけだったそうです。
 まぁさすがにあの展開(貸し出して、山田に乗り壊されて、弁償してもらったところ金取っていたことがばれて怒られる)は、子供心にもフィクションだろうとは思ってましたが。

 このほかインタビューでは、浜崎氏が若い頃にビートたけし氏や西川のりお氏に弟子入りを志願していたという事実も明かされているのが印象に残ります。この点で言えば作者の故さくらももこが将来芸人になりそうと言っていたのも、あながち間違ってはいなかったのでしょう。

 それにしても「友蔵のローラースルーゴーゴー」は、「迂闊な発言や決断で多大な出費に迫られる」といった意味で、故事成語にしてもいいんじゃないかとすら思います。

2022年1月31日月曜日

ある中国人少女の「中華一番!」に対する誤解

 仕事柄、中国人同僚と接する機会も多いのですが、地味にそうした同僚との会話でさりげなく最近の中国人の関心事を探ったり、それとなく質問して記事の取材として使うことが多いです。ちなみに以前、自分の記事をある同僚に見せたところ、「この記事で挙げてるアイドルって私が教えた奴じゃん!」とツッコミ入れられました。実際、「最近、中国ではどんなアイドル流行ってんの?」とさりげなく聞くスタイルで取材してました。

 そのように懇意にしていて取材によく使う中国人同僚女性の一人と、この前食事に行く機会がありました。この女性は日本での留学時によく岐阜県を訪れていたので岐阜にいくらか土地勘のある自分とも話が合うのと、単純に賢くてやや難しめな経済論の話題もきちんと応答できるためいろいろメシ食わせてよく話を聞くのですが、ある時に「子供の頃に、一番好きなアニメがあった(´・ω・`)」とやおら話を振ってきました。
 話を聞くと、中国が舞台で、登場人物もみんな中国人の料理アニメで、その子が子供のころ放映されていたという材料から、「それはきっと『中華一番!』(チョンファーイーファン)だな」と見事当てて見せてやりました。実はこのアニメ、自分も少し気になるところがあって、以前にも別の中国人に話題を振っていた作品でもありました。

 日本の漫画やアニメ作品ではラーメンマンを筆頭に、中国系なキャラクターが結構よく登場します。モデルパターンとしてはまさにラーメンマンのようなカンフーの使い手が多く、「バキ」シリーズに出てくる烈海王など明確に強キャラ扱いされ、人気のあるキャラも少なくありません。
 こうした中国系キャラについて中国人はどう思うのかが実は前から気になっており、日本のアニメに出てくる中国人キャラをどう思うか一時期は手あたり次第聞いていました。ただ反応は芳しくなく、そこまでアニメを見ていなかったり、または見ていても中国人キャラが出てこない作品だったりしてあんまこれという感想は聞かれませんでした。

 唯一、「聖闘士星矢」の紫龍というキャラはある程度通りがいいのですが、知り合い「別に好きじゃないし人気ない(`・ω・´)」という返事がきました。まぁ実際、日本でもあんま人気がなく、戦闘の度にクロス脱ぐから露出狂とか言われているけど。

 話を戻すとその同僚は子供の頃に中華一番!が大好きだったらしく、何度もビデオとかで見返していたそうです。この作品は2019年、2021年にリブートみたいな感じで「真・中華一番!」というタイトルにてアニメがまた作られていたので、「そんなに子供のころ好きだったのならこっちの最新版も観てるの?観てないならおすすめ」的に話したら、「実は……」と言いながら、顔をうつ向かせてきました。そして、

「実は……『中華一番!』はこれまでずっと中国のアニメ作品だと勘違いしていて、日本の漫画が原作だとは子供の頃は全く知りませんでした。そのリブートがされた二年くらい前に、初めて日本の作品だと知りました。」

 という、さほど衝撃でもない告白をしてきました。

 ぶっちゃけ、この同僚の言い分も全く分からないでもありません。登場人物はみんな中国人で日本人は出てこないし、舞台も中国で普通に中国の地名がバンバン出てきます。でもって料理もうどんやそばなんて出てこずすべて中華料理で、同僚も実際試しに作中に出てくる料理を作ったそうですがまずかったそうです。

 もちろん本人に悪気はなく、ガチで中国産アニメと誤解していただけなのですが、逆を言えばそれだけ原作が中国人が見ても日本の作品だとはわからないほど中国らしさを表現できていたと言えるでしょう。ただなんていうか、結構破天荒な展開も多いだけに、中国人に誤解されていたという点でなんかいろいろ笑えて来ます。

 なお帰り際に同僚には、「自分が一番覚えているのは『黄金饅頭』だ」と言いましたが、この料理を同僚は覚えていませんでした。残念(´・ω・)

漫画レビュー「僕が私になるために」

 最近、ウクライナがよく話題になるためウクライナの歴史をまた勉強しなおそうとホロドモール(「ホモドロール」と一回打ち間違えた)を調べていたところ、Wikipediaのホロドモールが出てくる作品に「白百合は朱に染まらない」というのがあり、試しにこの漫画のAmazon紹介ページを見てみました。
 この「白百合は朱に染まらない」は旧ソ連の女性パイロットを扱った漫画とのことで、「平沢ゆうな」という作家が描いているとのことでした。ついでにこの作者の過去の作品とか見ようとAmazon紹介ページを見てみたところかわいらしい自画像が描かれてあり、「おいおい、こんな子が独ソ戦まともにかけるとでも?」などと無駄に舐めたこと思いつつ、ついでに作者のWikipediaページを見ました。するとそこには、

「メンサ会員、物理学修士」

 と書かれてあり、この時点で「えっ、何この人!?ってかなんで漫画家してんの?」とびっくりしましたがさらにその先には「性転換手術を受け、男性から女性に性別を変更」とも書かれてあって、なんなのこの人を通り越して「なにこれめちゃ面白そうな経歴(;´・ω・)」という感想を持ちました。でもって買って読んだのがこの「僕が私になるために」です。

 この漫画はタイトルの如く、作者が性転換手術を経て、法手続きを行って男性から女性へと性別を変えるまでのいきさつをまとめたかなりマジな漫画です。絵柄こそ少女漫画を意識したような少年漫画風に描かれていますが内容はかなり壮絶で、男性だった頃の性同一性障害による自らの身体への悩み、また家族の反応への恐怖などが書かれてあります。
 なお家族に関しては兄妹は非常に応援してくれて、この点で非常に恵まれていたと書かれています。

 その後日本での診断や紆余曲折を経てタイで性転換手術を受けることとなるのですが、なんでもこれが初の海外渡航だったらしく、いろいろタイ、っていうか東南アジアの無茶ぶりに驚く様が描かれています。ただそれ以上に、性転換手術について非常に詳細に書いており、個人的には切り取った男性器の幻肢痛(ファントム・ペイン)に悩まされたという過程は、読んでてマジで鳥肌立ちました。
 っていうかこの世にそんな恐ろしい痛みがあるのかとガチ恐怖し、読んだ後に自転車乗って帰る際、なんか運転がおぼつきませんでした。

 そんな激しい痛みを乗り越えて術後期間を経て日本に帰り、裁判所で戸籍などの性別変更手続きはどうやるのかなども詳細に描かれています。読んでて感じたこととして、単純にやっぱ賢い人だという印象を受けるというか、非常に読みやすく内容が頭に入ってきやすく描かれています。
 なお裁判所で女性の裁判官に、「あらあなた私よりかわいいわね」と言われたこと書いてましたが、「自慢か?」とちょっぴり思いました。ちなみに本人の現在の姿はネットで確認できますが、一見して本当に女性にしか見えません。

 あと末尾部分で、女性となった後の感想として本当に男性の頃と比べ力がなくなったとも書かれてました。それまでは女性が重たいものを持ちたがらないのことをやや特権的に言っていると感じていたものの、実際に女性になって体力がなくなり、世の中の女性に対して謝りたくなったことが書かれています。この点についてはすごい説得力あるというか、ちょっと自分もレディーファーストを考え直そうと感じました。

 こんな感じで、多分男性にすれば読んでて痛いイメージがかなり激しくする内容ですが、文字通り普通の作家なら体験し得ない体験をかなり詳細に描いており、実際のトランスジェンダーはこのような過程を経るのかというのを見る上ではよくできた漫画だと感じました。っていうかこの経歴だけでもこの人は他の漫画家と一線を画す。
 ちょっと毛色の変わった漫画ですが、逆にこの経歴と先に書いたわかりやすい構図などから将来化けるかもなという印象を覚えたので紹介することにしました。いやはや世の中広いもんだなという気がいします。


2021年12月22日水曜日

一番記憶に残るラスボス

 最近疲れているのか、ゲッターロボの主人公三人組がラーメン三銃士にみえてしまうことがあります。ただぶっちゃけ、二人目と三人目はどことなく面影があるような。

 話は本題ですがRPGゲームにおいて何が一番大事かというと、壮大なストーリーとかヒロインとかいろいろ要素ありますが、極端な話で言えばラスボスが一番大事じゃないかという気がします。どれだけいい内容でも最後のラスボスがしょぼかったり、戦闘自体は白熱しても主人公と対立した理由がクソしょうもない理由だったりすると、作品全体で一気に価値が暴落します。終わりよければすべてよしではないですが、ラスボスが駄目だったらすべてダメになってしまうところがRPGゲームにはある気がします。

 いくつか具体例を出すと、真っ先に思い浮かぶのは「幻想水滸伝2」のルカ・ブライトという悪役です。彼自身は実の父親を毒殺したり、戦争を引き起こすため味方を虐殺したり、「豚は死ね!」とか言ってみたりと残虐な一方、個人戦闘力が化物みたいでぶっちゃけ彼一人で戦争に勝ってしまうようなところがあり、日本RPG史上でも屈指の悪役キャラであると今でも超人気です。
 ただ唯一の問題として、彼はラスボスではなく中ボスで、一応彼を倒した後もそこそこ盛り上がるものの、作品全体で一番盛り上がるのはやはり驚異の三連戦ことルカ・ブライト戦だった気がします。名作っちゃ名作だったけど、幻想水滸伝2はルカ・ブライトがラスボスだったらまた別の形の名作になっていた気がします。

 逆にラスボスが良くて盛り上がったという作品としては、ファイナルファンタジー7のセフィロスじゃないかと思います。このキャラはイケメンで単独でも人気があり、またストーリー序盤から強い存在感とともに暗躍し続け、また主人公たちも彼と戦うはっきりとした理由があるだけに、FF7を名作たらしめている要素になっていると思われます。敢えて欠点を挙げると、ラスボスとしてはやや弱い方のキャラで戦闘があんま盛り上がんない点です。
 もっともラスボス戦のBGMは植松伸夫氏の作品の中でも傑作と呼ばれているのと、地味に一騎打ち(カウンターで仕留められるが)で決着つける演出は当時としては画期的でした。

 同じFFシリーズからだと、FF6のケフカはややダメな例になるでしょう。序盤から憎たらしいキャラとして登場し続けるものの、いまいち彼が狂った理由がはっきりしないし、また世界を滅ぼそうとしている理由もあいまいなため主人公側も彼と戦う理由がよくわかんなかったです。でもってラスボスとしてはクソ弱く、実際に全キャラにドリルを装備して挑んだ小学生の私が唖然とするほど弱く、消化不良感が半端なかったです。このFF6も、魔大陸に行く中盤が一番盛り上がってたような。
 それとFF9は私はやってないのですが、人づてに聞くと突如現れるペプシマンで、悪い意味でみんな唖然とするそうです。でもってみんな、「ラスト以外はいいよ」とFF9をよく誉めてました。

 さてそんな感じでラスボス批評を続けていますが、見出しの一番印象に残ったラスボスは誰かってなると、やはり「マザー2」のギーグじゃないかと思います。実際にプレイした人ならわかるでしょうが、ほのぼのとした糸井ワールドにそぐわぬ不気味という概念そのもののようなビジュアルしたキャラで、セリフも「ネスサンネスサンネスサンネスサン……」を始め、正体が一切わからない得体の知れなさで言えば日本RPG史上ぶっちぎりトップでしょう。
 敢えて言うなら、漫画の「ベルセルク」に出てくるゴッドハンドが「ドラえもん」ののび太の家に突如現れるような不気味さで、初見ではみんなびっくりするキャラです。その正体については様々な考察がなされていますが、最近見た中だと実はマザー3のあるキャラクターの成れの果てではという推測が結構面白く、改めてまたこのキャラについて調べていました。
 もっともマザー2については、ラスボス以前にゲーム全体としても名作ですが。あと印象はすごいんだけど、ラスボス戦が実質イベント戦ってのはちょっと惜しかった気がします。

 このほか気になったラスボスを挙げると、あんま遊んだ人はいないでしょうが「ラングリッサー4」のラスボスも最初から因縁ある相手なのと、最終ステージがかなり激ムズだったということで、倒した時はやばいくらい興奮しました。やっぱ感情移入して憎いと感じるラスボスほど達成感があります。
 逆に続編の「ラングリッサー5」は、なんか宇宙にある変な機械が実質的なラスボスで、作業感満載で超つまんなかったです。

 最後もう一つ、いい意味で印象に残ったラスボスとして「サガフロンティア2」のエッグがいます。このキャラも序盤から登場、っていうか主人公のウィル・ナイツの一家を3代にわたり呪い続け、作中世界で100年近く騒乱を引き起こし続けた諸悪の根源の中の根源ともいう敵キャラで、ストーリーの絡み具合で言ったら本当に屈指の存在でした。
 具体的にはこのエッグによって主人公は、両親、叔母、恋人(分岐によるが)、息子が死に追いやられることになり、そんな憎いことこの上ないエッグを、世代を超え、ウィルの孫のヴァージニア・ナイツが叩き割るという最後の展開は非常に興奮させられました(*´Д`)ハァハァ

 しかもこのエッグの場合、非常に強く設定されていてラスボス戦も白熱します……というと聞こえはいいですが、実際には強すぎてゲームが詰む可能性も高く、やりすぎなところがありました。特に設定ミスでほぼ確実に石化をつけてくる特殊攻撃とか、「世界の合言葉は森」と幻想的な技名ながら目を疑うかのようなダメージを叩き出してくる攻撃など、自分も初めて立ち向かった際は「頭おかしいんじゃねぇのか?」と本気で思いました。っていうか攻略情報ないと絶対に攻略無理だった。
 サガフロ1がこの前リメイクされて好評を博しているようですが、サガフロ2ももっとマイルドなシステムにして、むしろ現代のこの技術できちんとリメイクしてもらいたいものです。もっともマイルドにするにしても、「お呼びじゃないのよカス野郎!」などのサガらしいセリフは残すこと必須ですが。

2021年12月13日月曜日

頭文字Dでトランスセクシャルしたら……

石原氏、参与の給与辞退 勤務4日、日当2万6千円(共同通信)

 おばかさん( ^ω^ )


 岸田首相は必ず心変わりすると言った翌日に早速これで、なんかあまりにもすぐ予想が当たってしまい自分自身も逆になんだかなという気にさせられます(;´・ω・)
 それにしても岸田首相の風見鶏ぶりは想像以上です。もっともこれまでは他の首相と比べると自分が支持する方向へいい感じに変わっているのであまり敵意は感じませんが、本当にこれほど主体性のない総理も珍しい気がします。元祖風見鶏の中曽根なんかはまだ方針はっきり持ってたし。

 あとまた本題と関係ないけど、買って着てみたところ冬なのにやたらダニに噛まれることとなったふわふわもこもこのパジャマを洗濯した上で昨夜久々に着てみたところ、やっぱりめちゃくちゃ噛まれまくりました。残念ながらこの真冬のダニ騒動の犯人はこのパジャマであると断定せざるを得ません。200元もしたけど、このまま捨てざるを得ないのか……。

 ようやく話は本題に入りますが、今日次の歴史記事にどんな題材を選ぼうかと帰宅途中で考えていたところ、「頭文字Dのキャラクターがトランスセクシャル(性転換)したらどうなるのだろうか?」という方向に考えがぶれていきました。
 具体的には頭文字Dのキャラクター全員が男女逆転するという形式ですが、主人公の藤原拓海はそのまま女性の名前でも通用しそうな感じです。でもって高橋兄弟改め高橋姉妹は弟が高橋啓子、兄が高橋涼子になって、そそっかしい妹に理論派でお姉さまキャラな姉という構図がやけにしっくりきます。セリフとかも書き起こすと、

「曲がる、曲がってよ私のハチロク!!」
「なんですって、慣性ドリフト!?」
「私はバトルがしたいのよ。ついてきなさい、ハチロク」
「あの子は進化している。シミュレーションを少し修正する必要があるわね」
「ハチロクなんて、アウトオブ眼中だわ!」
「私は勝負するつもりなんかない。いわば、これはセミナーよ!」
「私……メカのこと、よくわかんなくて」
「1万1千回転まで、きっちり回しな」(だみ声)
「見えなければいいのよ。さっき私がやられたみたいに、今しかない」(ライトオフ)

 こうやってセリフ書き起こしていて、なんか無性に見てみたいぞこんな作品みたいな感情を覚えてきました。っていうか拓海と涼介(涼子)のやり取りは完全に「エースをねらえ」になりそう。
 なんていうか艦これといいガルパンといい加齢臭漂うおっさん趣味な題材であればあるほど、少女キャラを主体にすることで妙なブーストかかる気がします。

 っていうわけで上記以外で女子ばかりにしたら売れそうなおっさん丸だしな題材は他にないかと少々思案してみましたが、戦闘機なんかまだありかもしれないけどストライクウィッチーズが一部既にやっています。あと三国志は既に美少女ゲーム化されてるし、パチンコもこっちで絶賛連載されてるし、麻雀に至ってはむしろ最近おっさんばかり登場する作品の方が少ない気すらします。
 では逆に女性の趣味をおっさんがやりまくる作品だとどうか。裁縫、茶道、カーリング、ピアノ、バレエなどありますが、「漢のバレエ」とかだったら逆にアリかもと思うけどそれ以外だとなんか絵面が汚くなるイメージしか浮かんできません。ならメイク漫画だったらアリかって思ったけど、メイク漫画は女性主体でもなんか色物に走り勝ちが気がするので、結局そうなるしかないでしょう。

2021年12月10日金曜日

奥行きがない漫画の「化物語」

 大暮維人氏が作画を手掛ける漫画版の「化物語」を読み始めた当初、さすがは大暮氏だと思うほどその作画には美麗さを感じたのですが、ある時から途端に、その絵に違和感を感じるようになりました。具体的なタイミングは「傷物語編」が始まってバトルシーンが多くなってきた辺りですが、最初はその違和感の意味が分からず、よくわからないけど妙な君の悪さを感じてました。

 その違和感の意味に気が付いたのは、このところこのブログでプッシュしている「瞬きより迅く!」という空手漫画を読んでからでした。この漫画は以前にも紹介した通り、直線的動きの多い空手という競技で、視点や効果線が非常に効果的に使われていることで異例なくらいに立体感のある動きを漫画で表現していると自分は感じています。これ以前に漫画の立体感についてはあまり意識していなかったのですが、この漫画を読んでからというもの3Dゲームの視点じゃないですが、視覚をどう運用して見せるかがどれだけ重要かが少しわかった気がします。

 話を戻すと、この「瞬きより迅く!」を読んでわかったこととして、大暮氏の漫画版「化物語」は致命的なくらいに絵に奥行きがないということに気が付きました。この点はバトルシーンに特に顕著で、対峙する二人のキャラクターを横側から水平上に描くコマが非常に多いです。敢えて例えればスト2などの2D格闘ゲーム画面みたいな構図が多く、奥行きを感じさせられる斜めからの視点、並びにコマ間の動きの見せ方が非常に少なく、ほとんどのコマが2D画面っぽい構図になっているような気がします。
 しかも大暮氏の場合、背景の作画に関しても主線をはっきり描く傾向があり、その結果、遠近法が全く働かずというか全く使用していないため、余計に絵に奥行きが感じ辛くさせているようにも見えます。

 こうした作画パターンのためか、1枚1枚の絵を見る時間が「瞬きより迅く!」と比べて非常に短いです。というのも絵に動きがあまり感じられないため、サクッと見終わっちゃうためです。さらについでに書くと、大暮氏はバトル中の顔面ドアップも多い気がします。
 改めて他の格闘漫画と比較すると、やはりこの絵の奥行きが非常に重要である気がします。視点を動かしたり効果線を付けたりすることで動きを表現しつつ、立体感を作るということがこのジャンルでは特に重要である気がして、1枚1枚の絵は非常に美麗ながら、あまりにも動きの表現がない大暮氏の特徴に気が付いた時にはなんかいろいろ思うところがありました。

 逆に、「瞬きより迅く!」の動きの見せ方は秀逸そのもので、前にも書いたけど後ろ回し蹴りのコマは何度も見返すくらい非常に綺麗に描かれていてびっくりします。一体どこでこういう技法を学んだのか、真面目にどっかで聞いてみたいくらいです。

 なお動きのある絵に関していうと、その表現力でずば抜けていたと感じるのはやはり「頭文字D」のしげの秀一氏です。車などの静物を走っているように描くのは非常に難しいと言われ、実際に他のレース漫画を見ても全然迫力が感じられないのですが、「頭文字D」に関しては全く違和感なく車が走っている条件が読んでて浮かべられ、その表現技法は真面目にこの分野でトップであるという気がします。
 その走っているように見せる表現ですが具体的にいうと、まずは「ギュォォオン!」などの効果音を鳴らす、次に車体の輪郭をぼかして書く、でもって最後に効果線を描くというのが非常に役割として大きい気がします。この点、さっきの大暮氏の背景じゃないですが、輪郭を明確に描き過ぎるというのは動きのある絵にする上ではかなりマイナスになるのかもしれません。

 そのしげの秀一氏の今連載されている「MFゴースト」では最新のシビックタイプRが出たそうですが、今の時代はスポーツカーも少ないから車種選ぶのも大変そうな気がします。レース描写のよかった「カウンタック」という漫画では欧米系スーパーカーをガンガン出してたけど、公道レース的にはスーパーカーだとちょっとなぁ(´・ω・)

2021年11月19日金曜日

マンネリ化するスパロボの打開案

 スパロボときたら誰もが知るゲームの「スーパーロボット大戦」シリーズのことですが、私も子供の頃は遊んでて、第二次αまでは大概のシリーズ作品に手を出していました。ただ第三次αをやった際、なんとなく「同じキャラで同じことを繰り返している」という感じがした上、第二次αから大きく内容変わってないし主人公キャラも魅力がなかったことから確か一桁台のステージをクリアしたところでそれ以上やる気が出ず、放り出してしまいました。
 こうした、スパロボのマンネリさに懲りて遊ばなくなった旧ファンは恐らく私以外にもいるかと思います。その後も新しいテレビ作品のキャラクターを取り込みつつスパロボの新作は作られ続けていますが、いくつかでもシーンをYoutubeで見ることはあっても、買ってまで遊びたいという気持ちは未だに持てずにいます。

 じゃあどんなスパロボなら遊ぶかって話ですが、逆転的に、これまで敵側だったキャラクターを使ったスパロボなら遊んでみたいという気がします。具体的に言えばあしゅら男爵とかシロッコ、ギレンなど、通常のスパロボではボスキャラとなるようなユニットを駆使してνガンダムやゲッターロボを倒すような、「悪をプレイする」スパロボならちょっとやってみたい気がします。
 それこそこれまで味方としては頼もしかったビルバインなどのユニットが、敵としてその牙をむいてくるという展開はそそられます。同時に、これまでボスキャラだったジ・オとかターンエックスが、何故か敵だった頃と比べ弱くなっているけど味方ユニットとして使えるというのもなかなか乙な感じがします。

 もっともこうしたプレイだとシナリオ書くのが大変で、恐らく企画はされていても実現されずにいるんじゃないかって気がします。主人公となれそうな敵役がいないと恐らく実現しないでしょう。

 なお関係ないですが、最近「∀ガンダム」の中国語が「逆A高達」と表記することを知って興奮しました。

2021年10月3日日曜日

中国でSteam買えなくなった(´;ω;`)


 連休で暇だったので近年のトヨタの中でも屈指のヤンキー御用達者となったbBのプラモを作ってました。


 タミヤ製のキットで非常に部品点数も少なくパパっと作れて楽しかったです。車高の低いスポーツカーばかり作ってるとこういう箱型の一般車は作っててほんと楽しく感じられます。

 話は本題ですがなんか日系メディアの間でも中国が最近ゲーム規制に厳しくなってきていると報じられています。曰く、ゲームは1日1時間、それも週末限定としたら、羽のある人を登場させてはならないなど細か規制要求が出されているそうです。
 なお中国人は羽のあるガンダムことウィングガンダムゼロカスタムは好きです。っていうかバンダイ、名称をウィングガンダムゼロ(EW版)とか後になって名称変えるな。

 まぁそんなこんなも立派な大人となった自分には無関係と思って甘く見ていたのですが、連休だからと何かSteamでゲームでも買って遊んでようと思っていたところ、いい感じなアドベンチャーゲームがセール中なので購入しようとしました。でもって買えませんでした。
 どういうことかというと、ほぼすべての決済方法でエラーが発生し、購入することができなかったためです。これ以前からもクレジットカードやWeChatによる決済は受け付けず、仕方なくユニオンペイこと銀聯カードのデビット機能で購入してきたのですが、今朝試してみたところこのユニオンペイすら受け付けませんでした。

 恐らくですが、中国人であればWechat決済なども問題なくSteamに使えると思います。しかし外国人で、個人認証でやや枠外にある対象に対してはどうも、これまでは特に規制してこなかったSteamでの購入をここにきて中国は規制してきたと考えるべきでしょう。はっきり言っていい迷惑だ( ゚д゚)、ペッ

 その上で述べると、ここ数年の間に中国のゲーム産業は驚くほど力をつけ、独自IPも生まれるなど非常に善との明るい状態を維持してきました。それだけに今回のゲーム規制については、例のオーストラリアへの報復とばかりにオーストラリア産石炭を購入せずに各地で電力不足が発生している県と合わせて、セルフ経済制裁のような「なんでそんなことすんの?」という疑問を抱かずにはいられません。外貨的にもゲーム産業は決して悪くない産業だというのに、ここで規制かけて成長止めてしまうのははたから見ていてももったいなく見えてしょうがないです。

 そうした背景から目下の問題としては、残りの連休中に何するかです。いや普通に原稿書いて記事出せよと自分でも思いますが、こういう時に限ってあまり記事ネタがなかったりします。明日はちょっとタミヤにでも電話してみるつもりですが。

2021年9月22日水曜日

「瞬きより迅く!!」がほんと面白い

 最近連休間際になると「休み前にこれお願い!」って感じで急な仕事の依頼が来ることが多くて、連休前に有休を取ることはおろか、普通に仕事してて辛いと感じる機会が増えてきました。マジ短納期な仕事出してくる奴許せねぇ(´・ω・)

 話は本題ですが、先週金曜日はなんかやたらと買ってる漫画の新刊が大量に発売されてまとめ買いする羽目となり、また出費が一気に増えました。そのせいで昨日上海ららぽーと行ってガンプラ屋行った時も、ブルデスティニー1号機欲しかったけど我慢する羽目になったし。
 で、買った漫画の感想を少し述べると、「五等分の花嫁」の連載を終えた春場ねぎ氏の「戦隊大失格」はつまらなくはないけど、五等分と比べるとガクンと面白さが落ちている印象があります。何より動きのある絵が下手で、戦闘シーンとか見ていて動きが全然把握できませんでした。それ以上に、キャラクターの登場時に妙にクソダサいフォントでキャラ名を表示してますが、あれが読み辛く絵面も汚くて、なんであんな演出するのか本気で理解に苦しみます。

 そんなバトルシーンに全く魅力を感じない「戦隊大失格」と比べ、以前にもこのブログで紹介した「瞬きより迅く!!」も4巻が出て買ったのですが、こっちはめちゃくちゃ面白かったです。

瞬きより迅く!! 第20話(となりのヤングジャンプ)

 ちょうどその4巻の続きとなる20話が無料公開されているのでリンクつけますが、とにもかくにも空手の試合シーンの表現が抜きんでてます。主に効果線を使うことで動きの早さや方向を表現していますが、これのおかげで空手について何の知識もない自分もキャラクターがどういう動きをしているのかがすぐ理解できます。
 また個人的に驚いた点として、直線的な動きになりやすい空手の試合でありながら、視点と上記の効果線が上手いせいか奥行きの感じられる、非常に立体的な描かれ方をしています。こういっちゃなんですが、作者のふなつかずき氏は自分が中学生くらいから一貫してお色気漫画を描いてきた漫画家だとは思えないくらいバトルシーンの描き方が上手いです。っていうかこんな技術持ってて、なんでバトル漫画描かずにお色気漫画ばかり描き続けてたんだろう(。´・ω・)?

 こんな具合に試合シーンの動きの見せ方が非常に凄いと感じるほか、とにもかくにも話の展開が昨今の漫画にしては非常にスピーディで、先週出た単行本4巻も1冊の中で3つの試合が収録されています。この3つの試合は空手初心者の主人公、経験者の同級生、空手センス抜群の先輩(20話で戦ってる黒髪)がそれぞれ出てくるのですが、素人目にも各キャラクターの強弱がはっきりわかるように感じられました。初心者の主人公はともかくとして、先輩キャラが明らかに頭抜けた強さを持っているというのが見ていてすぐわかり、この辺の見せ方もどうやってんだとただただ驚くばかりです。

 正直、3巻までは自分は面白いと思うけど一般受けしないかもなぁと思ってましたが、先週出た4巻に関しては文句なしに誰が読んでも面白いと感じるはずだと思うくらい面白く、買ってからほぼ毎日読み返しています。


2021年9月7日火曜日

たけしの戦国風雲児

 誰とは言いませんが岸田ってほんとチキンだなと思います。それもファミマで売ってるような。

 話は本題ですが先日、タレントの北野たけし氏がテレビの収録語にヤクザに襲われるリアルアウトレイジ事件が起こりました。この事件に関して当初、直前での番組での政治的発言が刺激したのではないかと指摘されていましたが、後出し孔明的に言えばこの指摘自体がそもそも問題でしょう。というのも近年、政治思想に凝り固まった人ほどむしろ行動力がなく、逆にそういうのに無関心な人の方が行動力を有り余らせています。あんま指摘する人いないけど、こうした行動力の観点から見ると結構見えてくるものがあります。

 それで北野たけし氏についてですが、彼を題材にしたゲームだと伝説のクソゲーと言われる「たけしの挑戦状」ばかりが良く世間に取り上げられますが、地味に自分の中では見出しに掲げた「たけしの戦国風雲児」の方が思い出深いです。

たけしの戦国風雲児(ゲームカタログ)

 このゲームはいわゆるパーティーゲームで、すごろく風のマップで仕官したり、お金を稼いだりなどの特定のゴールを目指してわいわいがやがやするゲームです。特筆すべきは世界観は当時テレビ番組で放映されていた「風雲たけし城」をモチーフとしており、実際に番組内に出てくる川渡りなどのアクションがミニゲームとして登場します。
 今思い返すと結構凝ったゲームで、お金を稼ぎつついい刀を手に入れると戦闘で有利となったり、減った体力を回復するために宿屋行ったり、1回やすみになるかもしれないけど「うんこカレー」のコスパがめちゃ良かったりと、ゲーム中で取りうる行動の幅がめちゃ広かったです。

 一方でこのゲームの主要な目的となる仕官こと大名家への仕官を果たすにはハードルが高く、小学校にも入ってなかった私からすると何をすればいいのかが全く分かりませんでした。なので無駄に友人とミニゲームで競ったり、うんこカレーを食べるばかりでした。それでも楽しかったけど。

 私は以前、ゲームの面白さを形作る要素とは収集、成長、対戦だと指摘しました。わかりやすい例はポケモンで、ポケモンを集めて、育てて、戦わせてというのがさっきの要素を含んでいます。大方のRPGゲームはこの三要素を含めているほか、モンハンなどのアクションゲームでもレアリティのあるアイテムを登場させつつ、プレイヤーの技術向上を促すことでこの要素を取り込んでいます。

 今回改めてたけしの戦国風雲児を思い起こしてみて、もう一つ面白さを感じさせられる要素として、「一つの目的に対する複数の手段」というのがあるように思えてきました。このゲームでは前述の仕官を果たすためには、腕っぷしの強さをアピールするほか、賄賂を渡すなど複数の手段が用意されています。そのためプレイヤーは自分の得意とする方法やゲーム上の状況に応じて行動を変えることができ、この辺がやっぱゲームの一つの面白さなんじゃないかという気がします。

 というのも、よくシナリオが一本道のRPGゲームなどは批判されやすく、実際私も遊んでて面白くないです。逆に、普通に戦うとクソ手ごわいボスが、特殊な装備や戦い方でやると容易に勝てたりするなど、戦い方などに工夫があったりするとやっぱり遊び甲斐があります。
 先ほどの一本道に関しても、フリーシナリオやシナリオ分岐などがあるとやはりこれまた面白く、やはりボスを倒すとかエンディングを迎えるなどのゲーム上の目的に対し複数の手段があり、それを任意に選ぶという行為もまたゲームの醍醐味じゃないかと思います。この辺は「自由度」という指標でよくゲームは評価されますが、どっちかというと「任意性」の方が適切な気がします。

 忍者ゲームの「天誅」や「忍道」なんかはまさにその「任意性」が無限大で、それがユーザーにも評価されたのだと思います。もっとも「忍道」の2が出た後、アクワイアはこうしたゲーム作んなくなっちゃったけど。

2021年8月24日火曜日

真・女神転生Ⅲのコトワリについて

 自画自賛ですが昨日の「マカロニ大魔王の降臨」という見出しは自分的にかなり気に入っています。その記事で書いたこの前クリアした真・女神転生Ⅲですが、このゲームは最終的に主人公が選んだ「コトワリ」によって結末が分岐するマルチエンディングとなっています。

 そもそも「コトワリ」って何かですが、このゲームにおける思想であり勢力を意味します。このゲームに登場する人間はマジで指折り数えるほどしかいない(悪魔はたくさん)のですが、それぞれが思想を持っており、その思想に染まった世界を作るため暗躍し合うというストーリーとなっています。でもってどの思想に味方するのかが主人公に迫られ、その選択によって他の人間キャラは味方となることもあり、また敵対することもあります。
 ではそのコトワリですがどんなのかというと、


1、ヨスガ:強者が絶対でなにしてもいいという価値観で、弱者はその存在(=生存)すら認めず、駆逐しようとまでする。

2、シジマ:徹底した管理社会で、強者が余計な感情を捨てて上から支配するシステムチックな世界を目指す。ヨスガと違って弱者は反抗こそ許さないが存在は認める。

3、ムスビ:各人がそれぞれ固有の価値観を持ち好き勝手行動する一方、他人からの干渉は一切認めない。


 自分の理解ではざっとこんなものです。この3つのコトワリ勢力からどれか一つを選ぶか、すべて否定するかが迫られることになります。元々、真・女神転生シリーズは代々マルチエンディングなゲームなのですが、1と2では「ロウ(秩序)」と「カオス(混沌)」の二項対立しかなかったのに対し、この3では上記の通り3種類、それもそれぞれが対称的な関係にない思想であるため、いまいち対立構造が掴みづらい印象を受けました。
 以上を踏まえて自分の見方を述べると、上記の3種類の思想は中身には違いはあるものの、どれも「この価値観以外は一切認めない」という全体主義的傾向が強い思想となっています。

 「ムスビ」は一見すると自由思想に見えますが、説明にも書いた通り他人の干渉は一切認めないという孤立主義的思想も含まれており、実際にゲーム中で「俺の領分に入ってくるな!」とムスビ主義者が攻撃してくることがあります。エヴァで言うATフィールド的な価値観で、「それぞれの領分を荒らさない」ということを強制する思想となっています。
 敢えて現実にある思想で例えるなら、米国のモンロー主義が一番近いかなと思います。

 で、残り二つですが、ヨスガに関してははっきり言えば選民主義で、ナチスドイツの優性主義が最も近いでしょう。弱者は存在すること自体が害悪だとし、優等なもののみが生き残る世界がいいんだ的に主導者も主張してきます。いうまでもなく、ナチスドイツも極端な全体主義の代表格です。
 最後のシジマは、一番わかりやすい例なら江戸時代の徳川幕藩体制で、身分の逆転は起こらず、イノベーションも認めず、これまでと同じ時の流れを繰り返す「静寂」な世界を良しとする価値観です。無論、徳川幕府もまた全体主義です。

 そもそも全体主義とは何かですが、一言で言えば特定の価値観以外を持つことを一切認めないという思想です。共産主義世界がまさにそれで、資本主義的価値観を持つことを認めないし、存在もまた許さないです。上記の通りこのメガテン3の思想はどれも、内容に違いがあるもののどれも全体主義で、他の価値観を一切認めず一つの思想に統一するよう迫ってくるものがあります。

 では自分はゲーム中でどれを選んだのかというと、上記3つを否定するという、ゲーム内で言う「先生エンド」に自然にたどり着きました。このエンドはネタバレすると新世界が創られず元の世界に戻るという「そういう夢だったのさ」的なエンディングになるのですが、何故自分はこれになったのかというと、唯一このエンディングのみが自由主義思想だったからで間違いないでしょう。
 一体何が自由主義なのかというと、「複数の思想が同時並行的に存在することを認める」ということが、全体主義と対をなす自由主義の特徴と言えます。上記3つの思想を持つ人がいてもいい、但しそれを他のすべての人に強制してはならないし、他の思想が存在することも認めなければならないという価値観こそ、自由主義と言えます。

 何も自分は自由を信奉しているというわけじゃないですが、被害妄想もあるものの、基本的にどの分野、どの世界、どの集団にあっても自分はマイノリティに陥らざるを得ない人間だという風に認識しています。そういう自分からすると、全体主義の世界においてはどこへ行っても磨り潰される側に回らざるを得ず、単純に自由主義陣営にいないと殺されるだけという危機感をマジで持っています。
 だからこそ全体主義、もっと身近で言えば組織を絶対視する集団主義は自分にとっては敵でしかなく、嫌悪感も他の人と比べればかなり強いと自負しています。何度も言いますが、自由が好きだからというわけではなく、むしろ自由は人を苦しめるものだと認識していますが、自由主義じゃないと存在できないという風に考えています。

 その上で、じゃあなんで全体主義の中国にいるのかというと、言ってしまえば政治分野以外は比較的自由だからに尽きます。むしろビジネスに関しては日本よりも自由度が高ければ逆転も起こりやすいとすら思いますし、そうしたミクロレベルの自由さで中国の方が自分は存在しやすく感じます。
 一例を挙げるなら、就職や転職において年齢での足きりは明らかに日本の方が激しいです。
 自由という単語は一見すると「選択肢を好きに選べる」価値観と思われがちですが、その本質は「異なる価値観の存在を認める」にあると自分は考えています。まぁその異なる価値観も、先に説明したムスビの価値観のように、どこまで干渉を認めるかによっていろいろ対応が変わってきますが。

 今回、メガテン3やってみて上記のような思想の差を改めて感じたわけですが、要するに上記3つのコトワリの選択は、「あなたの好きな全体主義はどんな感じ?」という、全体主義の枠の中の選択だと自分は思います。この辺、制作者も敢えて意図したのではないかと思いますが、一応は自由主義陣営の日本人からすると、この辺の背景がピンとき辛いのではと思ってこうしてまとめました。

2021年8月23日月曜日

マカロニ大魔王の降臨

 昨日ようやく「真・女神転生Ⅲ(SWITCH版)」をクリアしました。ラスボス手前までは結構前に来れていたのですが、終盤で経験値稼ぎなどの効率もいいことから、まだ作っておらず悪魔辞典(ゲーム内のカタログ)に登録されていない悪魔を作っていたらこれが思いのほか楽しく、ガチで20時間くらいラスボス手前で悪魔を作っては育てて、合体させてはまた育ててを繰り返していました。
 そのせいでレベルも上がりまくっててラスボス戦は超余裕となり、なんか戦闘前に「悪魔の分際でおこがましい!」などとラスボスに言われましたが、マジ鼻で笑えるくらい弱くて何言ってんだこいつとか思いました。

 基本的に満足感が高いゲームでしたが、その終盤の悪魔制作過程でちょっと思ったこととして、基本的に特殊な悪魔同士を合体させないとできない悪魔ほど強くて活躍でき、それ自体が非常に楽しかったのですが、この特殊な悪魔はネットの攻略情報を見ないとまず作れないようなレシピになっており、何も水にプレイしていたらきっとお目にかかることなく、このゲームの楽しみも半減化していた気がします。アマテラスとか、その素材となるヤタガラスすら通常プレイだとまず作れないと感じるほどだし。
 個人的にこの点がやや不満に感じたところで、せめてゲーム中で合体レシピのヒントかもう少し出してもよかったんじゃないかという気がします。なお自分のプレイでのMVPは「だいそうじょう」でした。

 とはいえ一回クリアしたら悪魔辞典も引き継げるし、合体時の主人公のレベル制限もなくなって前よりかなり楽しく遊べると思い、すぐまた2週目を開始しました。しかしその際問題となったのが主人公の名前で、小一時間ほど何にするかで悩みました。

 1週目では「霊的な名前にしよう( ˘•ω•˘ )」などと考え「魂藤幽」という中二病っぽい名前にしましたが、なんか今思うと幽遊白書の浦飯幽助みたいな名前でちょっとあれだなという気がします。しかもゲーム中の登場人物に「勇」って奴がいて「ユウ」で被ってしまいました。
 それだけに2週目の名前はもっと慎重に決めようと悩み、実在の人物として「菅義偉」とかが候補に上がりましたが出オチになる恐れがあり、ならば「緑川光」などと声優の名前も考えたもののなんかしっくりきません。基本的に悪魔を従えて戦う人物なんだからそういう感じの名前がいいと考えていたところ、

マカロニ大魔王

 この名前が浮かび、ガチでこれにしました。なおニックネームは「だいまおー」です。

 別にこれに限らず、「あんこ大魔王」などと「食品名+大魔王」というネーミングは汎用性が高いことからよく使っています。大魔王だから悪魔を使役する立場の名前としてはうってつけだし、マカロニというチャーミングさも悪くない気がします。ちなみに別の候補としては「納豆大明神」もあった。
 これで実際ゲームを開始したら、他のキャラから「来てくれたのね大魔王君」とか「何してんだよだいまおー」などと呼ばれ、何故だか私が小学生の頃に少年ジャンプで連載していた「地獄戦士(ヘルズウォリアー)魔王」という漫画を思い出しました。

 そういうわけでゲームに出てくる「コトワリ」こと思想に関する話はまた次回で。

2021年8月22日日曜日

ハコヅメを見てて感じる不審点

ハコヅメで警察のすごさわかった(ねいろ速報)

 上記まとめ記事でも取り上げられていますが、難度かこのブログでも取り上げている「ハコヅメ」という漫画が現在放映中のドラマ、そして今度はアニメ化と乗りに乗っています。ただ上のまとめ記事でもいくつか指摘されていますが、やはりどっかしら警察を良い方向に紹介しようという意図がこの漫画には見え、警察という職務の体力的きつさはよく出てくるものの、警察の暗部というか腐ったところ、具体的に言えば不祥事的な話はほんと一切出てきません。
 そういう意味で、この漫画家らは普段見えない警察の側面が確かに見えては来るものの、一方で批判的な目線に明らかに欠けることから、警察の全体像となると逆に見えなくさせてしまうところもあるかと思います。逆を言えばこの辺をどうにかできるかが、作者の大きな壁になるんじゃないかと思います。

 敢えて自分の方から一つ指摘すると、絶対存在するはずなのにこの漫画で一切描かれない点として、マスコミとの係わりというか取材対応があります。基本的に事故や災害、事件の情報ソースは警察発表であり、警察側による記者会見のほか、懇意の警察関係者から情報をリークしてもらうなどで、日々に報道は成り立っています。さらっと書きましたが、本来リークしてはならないと思われる事件関連の情報が何故報道されるのかというと、明らかにコンプライアンス的には会ってはならない情報リークが警察関係者よりなされているのが普段の日常です。
 まぁ需要と供給が噛み合うので、マスコミ関係者からこうした行為がコンプライアンス的にどうかという話は絶対しませんし、また視聴者も事件内容の情報を欲しがるので誰も問題視しません。困るのはプライバシーを暴露されることとなる事件関係者の親類だけです。

 いくつかの情報によると、作者は警察の広報部にいたということですが、そうした経歴から察するにマスコミとの接触はむしろ一般の警察関係者よりずっと多かったのではないかと推察しています。にもかかわらず「ハコヅメ」の中では、ガチでこれまでマスコミ関係者が描かれたことが一度もありません。ちょっと性格悪い言い方ですが、真面目に描けない理由があるんじゃないかと疑っています。

 自分はどちらかと言えばマスコミ側に立つ立場ですが、真っ当なルートでこの業界入ったわけでないためサツ回りと呼ばれる警察関係への取材活動は一切したことがなく、この方面の仕事の流れとかやり方は実は一切知りません。まぁ基本マスコミ側も泥臭いことしなきゃならない仕事で、経験者によると「一番きつい」とのことですが、やはり警察関係者との「コネ」が物言う仕事で、贈り物とかギフトが結構大事だという風に聞きます。まぁコンプライアンス的に誰も問題視しません。
 それだけに興味があるのでその辺も書いてほしいのですが、話数が重なるのに未だ一切描かれないということは、やっぱそれだけ描いちゃまずいのかなとガチで思えてきました。まぁだからこそ、描く価値があるんじゃないのかなとも思うのですが。

2021年8月3日火曜日

漫画レビュー「瞬きより迅く!!」

 前々から書こうと思ってたけどこの前ようやく3巻読んだので、やっと書きます。

 この「瞬きより迅く!!」は代表作に「カレーなる食卓」を持つ、ふなつかずき氏による女子高生の空手部漫画です。自分はこれ以前にふなつかずき氏の漫画は読んだことはなく、いくらか目にした範囲で美少女系のセクシーな漫画、端的に言ってややサービスショットの多い漫画を描く作家だという風に認知してました。なのでこの漫画を知った時もそれ系の女子空手漫画かなと当初思ってましたが、この漫画に介して作者のふなつかずき氏は、そうしたサービスショットを封印していると豪語しています。

 封印するだけあって、この漫画に書ける作者の熱意は正直に言って読んでても感じます。具体的に言うと、ともかく空手という競技を描きたくてたまらないというような印象を覚え、読者を楽しませつつもかなり細かいところまで協議空手のルールの解説がなされており、表紙などから一見すると美少女漫画ですが、実際にはかなりこてこてな空手漫画に仕上がっています。

 私がこの漫画を知ったのは電子書籍サイトで適当に眺めてた時ですが、何気なく目についてお試しの1話を読んでみたところ、すぐに購入を決断しました。一体何故そんなすぐ決断したのかというと、1話に出てくる胴回し蹴りの1枚絵が極端に綺麗だったからです。
 元々、美少女系の絵ではかなりの実力者とかねてから評判の作者というだけあって、各ページの絵は背景からキャラクターの表情まで相当書き込まれており、またその見せ方というか表現方法も多彩なのですが、空手という動きのあるシーンを漫画という静止画でここまで表現できるのかと、先ほどの胴回し蹴りのシーンで感じました。少なくとも自分がこれまで漫画で見て来た胴回し蹴りの中で、群を抜いて一番きれいな絵でした。

 なお胴回し蹴りの比較対象としてパッと出てくるのは、「刃牙」の地下トーナメント編で花山薫が愚地克己戦で見せた胴回し蹴りしか実は浮かんでこなかったりします。あっちも迫力ある絵だけど、動きの繊細さと見せ方では「瞬き~」のが上だと感じました。

 その後、現在出ている3巻まで読んでますが、やはりその動きのあるシーンは格別であるものの、読んでて内心「一般受けはしないだろうな」という印象を覚えました。
 「けいおん」などのように女子高生がバンド組むとかならともかく、スポコン物だととどうしてもギャップがあるし、また空手漫画自体、ヒット作はいくつかあるけどそこまで主流の題材というわけでもありません。実際作者も、サービスショットが少ないせいかこれまでの作品より売れないと呟いてるそうです。

 ただそれを推しても、試合中の瞳孔の開いた表情や、静止画で表現することが難しい瞬速の突きなど、こういう世界もあるんだと感じさせられるほど見せ方が上手い漫画だと感じるため、ここで紹介することにしました。
 個人的には2巻の地方大会戦で進行的にだれるんじゃないかと心配しましたが、主人公の通っていない他校の試合は1コマで終わらせるなどスピーディに切ってきて、この辺は杞憂に終わりました。でもって3巻では空手初心者の主人公が徐々に技術を身に着け始め、段々と読み応えが増してきています。作者がどこまで話を進める予定なのかはわかりませんが、個人的にはしばらく読み続けていきたいです。

 なお一緒に買った「ときめきのいけにえ」というラブコメホラー(スプラッター?)は、作者自身が自分のホームページで「頼むから買って、3巻出せるか危うい!」と言ってました。

 あと最後に、「瞬き~」は読んでいてつくづく、「作者はけいおん好きなんだなぁ」って感じにさせられます。


2021年8月1日日曜日

ハンチョウに対する妙なシンパシー

 うちのソ連人民の敵である親父が「これ面白いで」といって「保身 積水ハウス、クーデターの深層」という本を薦めてきて、ちょうど自分が電子書籍に使っているDMMが夏のポイント還元セールをやったのですぐ購入しました。なおこの際に親父は、「ちなみに名古屋におったころ、電通から積水の案件奪ってやったことあるわ( ・´ー・`)」と妙な自慢もしてきました。
 なお親父の枕言葉はかつては「名古屋に左遷された~」でしたが、さすがに退職で日が経ってるのもあるとの、戦車大好きとか言いながらソ連の傑作戦車T-34のプラモを一切作らずドイツの戦車しか作ろうしないことから「ソ連人民の敵である~」に切り替えました。他にやるとしたら「中東系の顔であだ名がビンラディンだった~」しかないな。

 話を戻すと上記の本を買った際、無料セールとなっている漫画本を眺めた際、「1日外出録ハンチョウ」が入っているのに気が付き、無料の1巻と2巻のみ購入しました。
 この漫画は知ってる人には有名ですが、福本伸行氏のギャンブル漫画「カイジシリーズ」に出てくる、地下強勢作業場の班長こと大槻を主人公にしたスピンオフ漫画です。この大槻という主人公は本編では地下作業場で違法賭博を開き、細工したサイコロでイカサマをやって底辺からさらにむしり取る卑怯極まりない人物として描かれていますが、この漫画ではその大槻が私腹を肥やして貯めたお金を使った「1日外出」という特権を利用して、1日だけ(但し何度もやる)のシャバ生活を満喫する姿が描かれています。これ以前にも「中間管理職トネガワ」(こっちは以前から読んでた)というカイジスピンオフ漫画がヒットしており、二匹目のドジョウとばかりにこのハンチョウも連載が開始されましたが、結果的にはまたもヒットし、現在は三匹目のドジョウとばかりに別のスピンオフ漫画が出ています。

 さてそのハンチョウですが、読んでみた感じとしてはこちらも大ヒットというか現代におけるグルメ漫画の傑作といっていい「孤独のグルメ」の対になる作品だと感じました。孤独のグルメは飯時にふらりと立ち寄ったお店の料理を取り上げるのに対し、ハンチョウは徹頭徹尾にターゲッティングされており、初めから食べる料理ががっちり決まっているパターンが多いです。その上やってきた料理に対し「来た来た」、「やはりこれでないと」みたいな感じに、期待通りであることに満足するという展開が見られます。
 ま、実際にはふらりと立ち寄る形の話も少なくないですが。

 感覚的には孤独のグルメは意外性、ハンチョウは期待性が前面に出ており、ちょうど正反対である者の料理を楽しむ感覚としてはどちらも重要な要素であると自分は思います。その上で、やはり自分としては孤独のグルメよりもハンチョウに共感するというか、実は今回改めて読んでみて半端ないシンパシーを覚えました。というのも、かつての自分を見ているように感じたからです。

 長年の読者なら説明不要ですが、自分は2010年末に中国に渡り、2012年まではほぼずっと中国に居続けました。この間は新聞社に入っており、1年にどれだけ有休があるのか、現在どれだけ残っているのかが一度も通知されたことがないほど休みを取るのが難しい職場で、日本に帰国するなんて1年に1回か2回あるかないかでした。しかもそうして日本に滞在できる期間は実質的に最長3日間(土日+1日)で、これ以上は実質的にお休みを取らせてもらえませんでした。
 まぁ祝日を絡めりゃもうちょいいけましたが、祝日だと飛行機代高くなるから嫌で一度もそういうことはしませんでしたが。

 話を戻すとこの3日間、正確には土曜の朝に飛行機乗ってお昼に空港着いて、それから日曜の夕方の飛行機に乗るまでの時間は、「何をどう食べるか」というのをかなりがっちり決めていました。当時の自分はマジ金がなく上海で6元(当時のレートなら80円くらい)の蘭州ラーメンか自宅での茹でうどんばかりしか食べておらず、やや値段が割高な日本料理なんて週に1回だけと変に決めてました。
 そのため日本帰った時には「土曜の昼にはあれ、夜にはあれ、日曜朝はこれで……」と事細かに決めており、この辺が1日外出特権を使ってシャバに出るハンチョウと妙に被っている感覚を味わいました。

 現在の自分は日本料理屋の多い上海で、尚且つ新聞記者時代と比べればお金あるので何不自由なく日本料理がいつでも食べられます。またかつて使ってなかったVPNにも加入しているおかげで電子書籍などもいつでも買うことができ、日本帰国時に寝る間を惜しんで漫画喫茶で不在中の新刊をまとめて読むという苦行めいたことからも解放されており、端的に言って環境には段違いの差があります。それだけに苦しかった時代を思い出してはよく目を細めるのですが、まさかハンチョウを読んであの時のことをこれほどありありと思い出すとは思いもしませんでした。
 っていうか入ってた新聞社が帝愛と大差なかっただけな気もしますが。

 人間、楽しいことを共有する人より苦しいことを共有する人のが仲良くなれると言いますが、少なくともトネガワ(あっちもかなり苦労してるが)よりも自分にとってはハンチョウの方が半端なくシンパシー感じます。他の海外駐在員も、案外そうなんじゃないかなぁ。

2021年7月3日土曜日

コロナ下のゴルゴ13

 例によって忙しく半分意識ないままキーボードを叩くこともあり、「株式会社○○」と打ったつもりでいたら後で読み返したら「歌舞伎会社○○」となってて、「どんな会社なんだろう?」と何故か久々に胸がキュンとしました。実際こんな会社ったら楽しそう。

 話は本題で、ゴルゴ13の単行本が今度で201巻となり、こち亀を追い抜くそうです。こち亀の記録も誰も破れないと思っていたら、あっさりと、しかも同じ日本の漫画に追い抜かれてなかなかすごいこっちゃと思います。と同時に、このコロナ時代においてゴルゴ13はどうやって生計を立てているのかが気になってきました。

 コロナのせいで現在、ほぼすべての国で渡航制限が敷かれており、国境間の移動は非常に困難です。これはワールドワイドで働くゴルゴにとって極めて深刻な問題であり、海外で暗殺の依頼があって駆けつけることすらできません。よしんば移動できたとしても2週間の隔離生活はかなりのロスで、単純な業務処理量で言えば大幅ダウンは免れません。業務が業務なだけに、リモートワークもまず無理でしょうし。
 対策としては、暗殺以来の多い国に滞在してその国の範囲で活動する、または暗殺以外の業務で食いつなぐしかないのではと考えたら、マジで後者になってました。


 上記リンク先に書かれているように、なんか堺市のポスターに出演していたようです。何もこれに限らず、さいとうプロは結構安めのパテント量で素材使わせてくれるそうなのであちこちでゴルゴの絵が使われていますが、仕事とあらば褌を履くことをも厭わないキティーちゃん並に仕事選んでない気がします。


 また外務省では以前に自分も取り上げた、海外安全対策の指導で出動しています。どうもコロナの時代において、暗殺以上にコロナ予防対策活動の仕事を増やしているようです。

 なおその仕事についてですが、地味にゴルゴ13の作品を通してのテーマは「仕事に対する責任」じゃないのかと最近思います。金はいくらでもあるのに何故か命の危険のある仕事をゴルゴはやり続けており、時には依頼人が先に殺されることがあっても既に受けた依頼を完遂するなど、徹底した仕事意識を強く見せます。
 今日の記事にも書いていましたが、ゴルゴはこの前コロナで初めて休載したことを除けば一切休載はなく、また締め切りも必ず守って提出されるそうです。こうした作者のさいとうたかを氏の仕事意識が作品に出されているのではないかと思います。

 ついでに書くと、自分がさいとうたかを氏を凄いと感じたのはあるインタビュー記事で、漫画かデビュー間もないころに担当編集者に「どんな人が僕の漫画を読んでいるのですか?」と聞いたそうです。それに対し編集は、「そりゃ貸本屋に来る客だろ」としか答えなかったそうですが、昭和の中盤の時点で既に、顧客目線のマーケティングを意識していたそうです。
 日本の漫画の開拓者は手塚治虫、白土三平氏、水木しげるなどですが、こと漫画家という仕事方式であれば分業制による量産体制を確立させたさいとうたかを氏こそがオリジネーターであるでしょう。そういう意味では案外、数百年後も日本文化史ににおいて「ゴルゴ13の作者」として語り継がれているかもしれません。

2021年6月27日日曜日

両津勘吉とウルヴァリンの類似性

 割とこのブログは自分の普段の状況をよく反映するというか、更新回数が多いということはヒマしてて、少ない時は忙しいって場合が多いです。昨日も今日も自宅作業してましたが、同僚は「毎日深夜2時まで頑張ってるよ(´・ω・)」とか言ってきて、あんまり辛い辛いアピールできなくなったのが辛いです。

 そんな感じで疲れているのか、なんか先日ふと「両津勘吉とウルヴァリンって似てね?」とか思いました。言うまでもないですが両津勘吉はこち亀の警官、ウルヴァリンはXメンの黄色い奴です。具体的な共通点は以下の通りです。

・粗暴
・毛深い
・不死身
・うるさい
・女好き
・酒好き
・おっさん臭い

 まるで絵に描いたような類似性で、ウルヴァリンはこれから「アメコミ版両津勘吉」と呼んでもいいのではないかとすら考えています。そのウルヴァリンですが、90年代のアニメシリーズでは準主役のジュビリーというミュータントの女の子が相棒役となり、この子と疑似的な親子関係が出来ていると公認されています。
 ただ「こんな両津勘吉みたいなおっさんが父親だなんていやだな(;´・ω・)」とかジュビリーに思われてるんじゃないかって気がします。年頃の女の子からすると一番嫌悪の対象に近いというか。っていうか他のミュータントとの戦いよりも、アパートで一緒に暮らすウルヴァリンとジュビリーのコメディとかのが見てみたい。

 少し話を戻すと、最近改めて両津勘吉というキャラクターに着目しつつあります。今考えてみるとなかなか特殊なキャラクターと言うか、日本人はもっと彼のようになるべきじゃないかと思う節があり、それはまた今度解説します。

 さてメガテン3で遊ぼ。

2021年6月10日木曜日

進撃の巨人の完結について

 時事ネタというか漫画「進撃の巨人」の最終巻が昨日発売されて自分も読んだので軽く感想を書きます。

 ネットで見るとその結末に不満を感じたなどとするコメントも多く、作者も作者でそれを自虐ネタにして巻末おまけ漫画にまでしています。私自身の感想はさにあらず、一応伏線はすべて回収していて、尚且つ改めて連載初期の場面を見返すと実はそうだった的な解釈をすることができるだけに、結末も非常によくできているという印象を覚えます。
 ただ、盛り上がりで言えば前半から中盤にかけて、それがために上記の不満のような声が出て切るのだと思います。というのもこの漫画、世間的にはジャンルはファンタジーとして認知されているようですが、私自身はむしろミステリーに属すと考えており、そのジャンル属性故に上記評価につながったのだと思います。

 あらすじが分かっている人には説明するまでもありませんが、この漫画冒頭から正体不明の巨人と意味が分からないまま戦っていくことになり、その戦いの過程で世界の真実が徐々に明らかになっていくという筋道になっています。そのため、後半になればなるほど世界の真実が分かった状態に近づいていき、最終巻に至っては残された謎はもはや主人公の意図くらいしか残んなくなり、謎が解けることによるカタルシスがどんどん薄まっていったというのは否めません。
 そういう意味で、一番盛り上がったと思われる中盤における最大のネタバレと言うか、ライナーというキャラクターのある告白の場面こそがこの漫画のミステリーとしての最大の見せ場だったと思います。なおそのシーンは日本漫画史上において歴史に残る1コマと言っても過言じゃなく、多分リアルタイムで見ていた人は誰もが二度見したことでしょう。

 一応、後半はミステリー色がやや薄まったものの人類の普遍的テーマをストーリーに織り込むことによって文学性的な面白さはどんどん増していったと思うのですが、やはり前半から中盤にかけてのミステリー要素を好む読者からしたら何か物足りなさを感じるのも自然でしょう。私自身は後半の話も好きで、主人公とライナーの対話シーンなんかはほんとよくできたと思うのですが。

 繰り返しになりますが、私はこの漫画のジャンルは究極的にはミステリーだと思っています。その上で、これまでの日本のミステリー漫画というと「MONSTER」が最高傑作とよく言われてきましたが、私自身は「進撃の巨人」の方が上だと考えています。それだけこの漫画の伏線の張り方やプロットは見事この上なく、10年代を代表する漫画として歴史に残るでしょう。

2021年5月23日日曜日

ブラックラグーンのロックとレヴィの関係

 作者の休止による未完という「ベルセルクショック」の余波でガラスの仮面やヒストリエなど、連載がなかなか進まない作品の完結を懸念する声が各所で広まっていますが、自分がこの方面で真っ先に気になったのは他でもなく「ブラックラグーン」でした。
 2001年に連載を開始してから今や20年経つこの作品ですが、2010年まではコンスタントに連載されていたもののそこで話が一区切りして以降、掲載回数が極端に減り、2009年に9巻が発行された後、10巻は2014年、11巻は2018年の発売と大きく間隔を空けており、作者の広江礼威氏も気にしているようですがかなりの牛歩ペースとなっています。

 どうでいいが「ぎゅうほ」と入力していきなり「牛輔」と出て来たけど、こんな変換使う三国志マニアはそんないないと思う。

 話を戻すと、そんな掲載ペースが遅いながらも完結が懸念される辺りはやはり人気作というべきで、実際こちらのページのようにこれまでの作品展開についてかなり激しく議論されるなど未だその人気に衰えは見られません。私自身も最初に中国行く前に読んでハマっており、時たま古本でまとめ買いした当時のブックオフとか懐かしく感じます。ちなみに当時一緒に買ってたのは「でろでろ」。

 そんなこの作品の主人公は岡島緑郎ことロックで、名前からしてわかる通り日本人です。作品を知らない人向けに説明すると、彼は元は大手商社のサラリーマンで、仕事で重要書類とともにタイ近海を船で航行していたところヒロインらに書類を強奪された上、身代金目的で誘拐されました。その後、彼の勤務先の大手商社は書類自体を「なかったこと」にするため、ヒロインの所属する運び屋グループを主人公もろとも殺害殲滅しようとし、主人公は見殺しに遭います。
 最終的には主人公の機転で殺害に来た武装勢力を撃退し、勤務先もやれやれとばかりに金払って書類を取り戻すのですが、この一件で見切りが付いた主人公はやってきた上司に決別を叩きつけ、そのままヒロインのいる運び屋グループに所属しアウトローへの道を歩むこととなります。

 その主人公をアウトローの道に引き込んだのは前述の通りヒロインのレベッカ・リーことレヴィなのですが、このロックとレヴィの関係がやっぱ特殊だと何故かこの前同僚と話していました。どうして特殊なのかというと、一般的な漫画においてお決まりの恋愛関係ではなく、若干共依存的なものがあるからです。
 ロックとレヴィは作中でも名コンビぶりを発揮しており、主に作戦や方針をロックが立て、腕っぷしで圧倒的なレヴィがそれに応じる形でロシアや香港のガチ怖いマフィアのもめ事を次々と処理していきます。両者ともに相手の力量を認めていることから信頼関係は高く、たまにレヴィがロックの甘さぶりに苦言を呈すことはありますが、基本は無茶な要求であってもロックの頼みならとばかりに何でも引き受けてくれます。

 ただ、レヴィがロックの無茶な頼みを毎回聞く背景には、明らかに贖罪意識が作用していることが作中でも明確に書かれています。どういうことかというと、元々日の当たる世界で生きていたロックを、前述の通り身代金目的で誘拐したのはレヴィで、それがきっかけでロックがアウトローに身を置く羽目となってしまいました。
 レヴィ自身は米国のスラム街で育ったことから元から日の当たらない世界の住人ですが、それだけに日の当たる世界への憧憬が強く、自分は仕方ないにしても元からその世界にいたロックをこちらへ引きずり込んだことに対し、何度も後悔している素振りを見せています。

 そうした後悔もあって、ガチ怖いロシアマフィアの姉さん(声優がガチハマり過ぎ)の仕事でロックと一緒に日本に行った際、レヴィはロックに残してきた家族に顔を出せに行けと後押しします。顔を出しにと言うものの、本音ではそのまま日本に残り自分たちアウトローと袂を分かつよう仕向けたのですが、レヴィの思惑とは逆に、ロックは家の前まで行ったものの家族とは合わずにレヴィの元に帰ってきてしまいます。でもってレヴィに怒られる羽目にも。

 上記のようなレヴィの配慮を受けてきたロックですが、彼自身はむしろみかけ倒しの日本人としての生活よりも、現在のアウトローとしての生活の方が生を実感できるとして実は歓迎しています。ついでに言えば他のマフィアの大物にも「元から悪党向き」だなどと評価されています。
 そのような心境から、ロックの方はむしろレヴィに対してくだらない日常から救い出してくれたという感謝のような気持ちを持っているのですが、前述の通りレヴィは逆にロックに対し申し訳なさを覚えており、若干すれ違った共依存のような関係を持っています。だからといってロックも完全にアウトローに染まり切っているわけではなく、その辺の右左にぶれる姿勢もこの作品の見所ですがその点についてはここでは無視します。

 ロックとしてはレヴィの贖罪意識、そして自分自身への配慮をしっかり気づいており、それだけにレヴィに対しては気にするなと何度も伝えているものの、レヴィの側では未だに割り切れない心境のままとなっています。逆にそうした贖罪意識を捨てきれていないのを見てロックもレヴィに寄り添っている感があり、他の漫画では見られない妙な主人公とヒロインの関係が出来上がっているように見えます。

 この関係ですが、あまりはっきりと言及されたり意識されたりするわけじゃないですが、現実の人間関係においてもかなり重要な一端を担うとかねてから考えています。その辺についてはまた次回で解説しますが、改めて自分はやっぱこのブラクラ好きなんだなと書いてて思います。

2021年4月29日木曜日

ゲームのパラサイトイブの思い出

 本題と関係ないけど警察はGW間際に紀州のドンファン元嫁逮捕という最高のエンターテイメントを提供してくれたなという気がしてなりません。っていうかこの事件のせいで、「ドンファン」という名前が「金持ってて愛人に殺される人」というイメージが自分の中で固まりつつあります。


 それで本題ですが、もしスクウェアのエニックスとの合併前で一番好きなゲームを挙げるとしたら、自分は恐らく上記動画の「パラサイトイブ」を挙げると思います。このゲームは1998年に発売されたRPGゲームで単刀直入に何が良かったのかというと、ともかく雰囲気が格別に良かったです。

 ゲーム内容は同名の日本の小説である「パラサイトイブ」から原案だけを引用し、ミトコンドリア絡みのエイリアン的なものと戦うという、ひねりのほとんどない非常に単純な勧善懲悪的なストーリーです。ただひねりは全くないものの、舞台は現代米国のニューヨークで、主人公も金髪スレンダーな女刑事という、当時の他のゲームにはない独特の要素が溢れていました。

 特に現代の米国を舞台にしたRPGゲームというのはかなり面白い試みだった気がします。というのも90年代後期とはいえRPGの舞台といったら中世ファンタジーが未だメインで、FFシリーズで徐々にスチームパンクな世界、そして中途半端なSF世界が徐々に広げられていましたが、現代を舞台にしたRPGゲームはまだほとんどありませんでした。唯一、女神転生シリーズ、そして今もなお売れ続けているペルソナシリーズが現代ジュブナイル世界を舞台にしたRPGとありましたがやはり日本枠で、海外、それも米国を舞台にしたRPGは自分の中ではこのパラサイトイブが最初でした。

 話を戻すと、そうした米国を舞台にやたらセクシーな金髪女性刑事を動かして遊ぶのが面白かったのと、出てくる銃器が現実にあるのを模していて、射程内で敵の攻撃をよけつつ戦うというのがなんか楽しかったです。もっともゲーム性に関しては明らかに同時期にヒットした「バイオハザード」の影響を受けているのが見て取れます。それでも1はまだマシでしたが2になると完全にバイオハザードのゲームシステムを模倣するようになり、敢えて言えば「戦闘中に魔法が使えるバイオハザード」に成り下がってて、熱狂的なファンはいるようですが私は2は好きになれませんでした。ストーリーも後半やたら駆け足だったし。
 また2が好きになれない理由として、これも単純に好みの問題でしょうが、音楽の曲調が大きく変わってしまったということも理由にあります。逆を言えば、1を気に入っているのは音楽が非常に良かったという点もあります。

 パラサイトイブ1の音楽は当時スクウェアにいた下村陽子氏で、未だに自分の中ではイトケンに並ぶ偉大なコンポーザーの一人として認知しています。どういう曲調かというと上の動画でも見てわかる通りかなりハリウッド映画っぽい音楽で、尚且つホラー風味で女性上位なこの作品のイメージにかちりとハマっています。こうした要素が積み重なったのと、当時としては実質最高峰なムービーの質から非常にハマって大好きな作品だったのですが、2は正直期待外れで、その続編の3rd Birth Dayに至っては評価が低いことから遊んでいません。

 なお指摘する人は少ないですが、実質このシリーズの看板娘こと主人公のアヤ・ブレアの顔パーツをよく見ると、FF7の主人公のクラウドと同じであるように見えます。髪の色も同じ金髪で、毛先もツンツン気味だし。デザイナーはノムリッシュことスクウェアの野村氏で共通していますが、クラウドが女装したらきっとアヤのようになるんだろうと自分は考えています。