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2023年8月30日水曜日

景気が良さそうに見える日本

 「魔が集う街、松戸」というキャッチコピーを考えたのですが、誰かこれ実際使ってくんないかな。

 そういう松戸ジョークは置いといて、率直に言って今の日本は自分の目から見てかなり景気がいいように見えます。外国からの観光客でホテルをはじめ観光業はどこも人手不足の大入りだと聞きます。地味にそうした状況なだけに処理水問題で中国がネガキャンやって日本に来る中国人客が減っているのは供給面を考えるとかなり都合がいいようにも見えます。

 その観光業以外でも、日々のニュースを見ているとなんとなく今日に関するニュースが少ないように見えます。職に就けないとか、大卒後の進路に関する話題をこの数か月の間はほぼ全く見ることがなく、むしろビッグモーターやジャニーズなどのお騒がせ系のニュースが多く、悲壮感を煽るような社会系ニュースが少ない気がします。まぁただ単に私が見えてないだけかもしれませんが。
 以上のような感想を友人に伝えたところ、実際はガソリンをはじめとする物価高騰で生活費方面で困っている人は多いと返事されました。ただこの価格上昇に関しても、長い目で見たら経済全体にプラスになり得ると思えるし、何より価格が下がっていったデフレ化と比べると「ったく、また値段上がりやがって┐(´∀`)┌ヤレヤレ」的な感じで、見た目の印象は悪くないように思えます。この辺、長い間物価が上昇し続けた中国にいる自分だからこそそう思うのかもしれませんが。

 逆に、何故報道がないのかという点で気になるのは年金生活者などの話です。本来、物価高騰が直撃するのはこの層のはずなのですがネットのニュースを見ている限りだとあまり話題に上がってこず、メディアの嗅覚に疑問を感じます。ついでに言うと物価は上がっていると聞きますが、住宅費はどうなんだろうか。ライフルホームズを見ている限りだとそんなに上昇していないように見えるのですが。

 その逆にというか、中国の方はマジでデフレに入ってきているんじゃないかと思うくらい物価が動かなくなってきました。今日会社でマジ暇だったのでその辺色々調べてみましたが、今年7月の中国の物価は前年比ほぼ横ばいで、品目別では食品が季節要素もあるかもしれませんが4%くらい下がっていました。なお原油高のせいか衣類は逆にプラスだったのが印象的です。
 一方、みんな気になる住宅については下の表が一番わかりやすいです。これは中国の国家統計局が毎月出している全国70都市の新築住宅価格の前月比変動状況をまとめたもので、項目は左から順番に「上昇」、「横ばい」、「下落」と書かれてあります。
(中国証券報が国家統計局データをもとに整理作成)

 先日、馬鹿なメディアが中国の住宅価格が49都市で下落していたなどと大袈裟に報じていましたが、去年11月とか12月をはじめ50都市以上が下落している月もよくあるので、たいして騒ぐ数字じゃありません。配信を止めなかった周りを含め、そのメディアには素人しかいないのでしょう。
 話を戻すと、住宅価格に関しては上の表の通りに今のところそこまで明確に下落してきていると感じるデータは出ていません。下げ幅自体は都市ごとに差はあるものの、前年同月比でも10%幅で下がるような都市はまだなく、ほかの物品と比べてもまだ中国の住宅は物価下落傾向は小さいと感じます。

 ただ今のところは明確な値下がりはないものの、やはり住宅に関してはつい不気味さを感じます。今のところ中国人にとって住宅は「価値の上がり続ける資産」ではなくなったかもしれませんが、「価値が下がることのない資産」という認識は圧倒的に強いです。これが「下がるかもしれない資産」になった場合、価格が一気に下落する可能性は否定できず、その場合にどこで下げ止められるのか、またその手段は何になるのか、真面目にこの辺の塩梅で今後の3~4年後の中国経済が決まるように見えます。

 以上の日中比較を終えて言うと、物価というのはやっぱ上がり続ける方が健全なんだなと思えてきます。もちろん通年で二桁上がるというのはやばいですが、5%以内の割合で毎年上がるってのは経済にも絶対的にプラスでしょう。そういう意味では日本人は物価高騰をもっと怖がるなと言いたいです。





2023年8月6日日曜日

派遣拡大に関する竹中平蔵氏の言い訳について

 室内でも暑い中で今日は休日作業(リアル名ばかり管理職のため残業代なし)をしていましたが、疲れているときに「オイヨイヨ」と唱えると、若干元気になれるのでマジ大事です。会社でやると変人にみられるだろうけど。


 それで本題ですが、上記記事にて竹中氏が「派遣拡大をしたのは自分じゃない」と言い訳していますが、自分はこれに全く以って同意です。小泉政権時代に経済運営を担っていることから、竹中氏が社会問題化していった派遣問題を「放置」したことは事実であるものの、拡大自体はやっていないと私も考えています。
 では一体誰が拡大したのかですが、竹中氏の言うように厚労省と、政権でいえば小渕政権です。それまでの特定職種に限った派遣業から日雇い派遣を含む一般派遣を解放、拡大したのは小渕政権であり、問題が表出化したのが小泉政権時代なだけで、これで小泉政権を批判するというのはやはり間違いであるような気がします。

 確かに竹中氏は政界引退後にパソナ役員を務めましたが、それは派遣拡大とはまた別の話ですし、それ以前にそんだけ派遣が問題だっていうのなら、それはその後に何も対策を採らなかった後の政策担当者の責任であるように思います。
 それ以前に、竹中氏は記事にも書かれている通りに日本は正社員が保護されていると主張し続けており、実際政権担当時代にあれやこれやと正社員特権を弱める方向に動いています。そういう意味では正社員と派遣社員の格差に関しては、正社員の権利を弱める方向でむしろ格差縮小に熱心だったと私は考えています。

 私自身も日本の正社員は守られ過ぎだと考えており、大体10年代中盤から出てきた「働かないおじさん」問題なんかその典型です。
 っていうか自分なんか今の職場で名ばかり管理職にさせられたのに、一般社員時代よりも残業してるし、チーム内でも残業エースでなんやねんこの職場とか内心思ってたりします。もっとも上には上がいるというか、ほかの管理職は自分以上にずっと残業しているというか働き続けているので、なんやねんと思うこの職場はそういう業界なんだと納得しています。

 話を戻すと、日本は解雇補償金に関する規定が一切ないなど法律上は解雇が異常なほど容易なくせして、正社員は社会的慣習によって強く守られているという、妙にちぐはぐな雇用環境になっています。その結果として、労働組合の強い大企業ほど整理解雇が難しく、労働組合がない、または弱い中小企業ほど横暴な解雇がまかり通るというおかしな雇用社会になっています。まぁだからと言って、大企業の社員が優秀であるという限りもなく、一方で中小企業には精神科勧めたいようなやばい社員も確かにいるわけですが。

 派遣社員に話を移すと、むしろ自民党は派遣社員の権利拡大や保護に熱心な方です。ひゃんタイに社会党や旧民主党をはじめとする野党の方が労働組合を支持基盤に持っており、正社員保護に偏っていることから、派遣社員に対する態度は冷淡であったのは間違いないです。にもかかわらず派遣社員は自民党、または竹中氏を批判することばかりで、こう言っては何ですがその格差が「放置」されるのも自然な成り行きだったとしか言いようがないです。
 私自身も過去にマージン率データとかいろいろ作りましたが、利用しようとする派遣関連者がびっくりするほど少なく、言い方悪いですが「この格差は問題なのだから、誰かが何とかするべきだ」という感じで、他力本願な人間が多いなという印象を覚えました。自分たちでもっと団体作るなり、行動力と時間のある人をリーダーにしたりするということすらやらず、私もマージン率データ作ったあたりで「派遣問題はもはや社会問題ではないな」という結論に至りました。

 さらに言えば、本当に派遣格差をどうにかしたいってんなら派遣社員の生産性をデータ化するべきでしょう。労働の貢献度がどれほどか、社会生産効率はどの程度か、また報酬引き上げによって効率はどれほど上昇するのかなど、そうしたデータを作ったりしないとだれも見向きしません。まぁ派遣社員の人たちからすれば、「誰かが作るべきだ」なのかもしれませんが。

2023年8月1日火曜日

10年前、20年前の中国とインドの評価

「中国はもう終わり、これからはインドの時代っすよ!」

 上のセリフは約20年前、当時「○○ハイツ一の武闘派」を自称していて学生だった私に対し、後輩が言った言葉です。なお武闘派といっても特定の団体には所属せず、やっていたことは雨が降りそうな時に後輩の部屋のベランダに干したまんまだった布団を取り込むくらいでした。

 そういうどうでもいいのは置いといて、20年前、時期にして00年代中盤においては「BRICs(ブリクス)」という言葉がまだ存在しました。これは当時の経済新興国であったブラジル、ロシア、インド、中国(チャイナ)、南アフリカ(サウスアフリカ)の頭文字を取った言葉で、中でも同じアジア圏にあることから中国とインドが日本人の中では特に比べられていたと思います。
 あれから20年を経て、「アジアNIES」がとっくに死語となっているように、このBRICsももはや死語になっているというかここ5年内には確実に一度も耳にしたことがありません。もっともBRICs自体、2008年のリーマンショック辺りから語られることが少なくなり、それぞれが単独で議論されるようになっていった気がします。

 中でも中国はドイツ、日本を追い抜きいまや世界第二の経済大国で、少なくとも先の後輩の言う通り、00年代中盤で「もう終わり!」でなかったことは間違いありません。ただ最近色々な記事にもでているとおり、調査媒体にもよりますが中国の人件費というか給与はこの20年で約20倍も上昇しており、もはや低賃金国と呼ぶには相応しくありません。経済規模もさることながら個人レベルであってももはや発展途上国とは言えないまでに発展したものの、このところ書いているように今年、というより去年の上海ロックダウン辺りから目に見えて不況感が強まっており、俗にいう「中所得国の罠」に陥りつつあります。

 自分が中国に係わりだしたのは約10年前ですが、その頃も大分所得は上昇してはいたものの、まだ発展途上国らしい気風が強くありました。逆に、今は当時のようなアニマルスピリッツに溢れた若者は減り、起業家精神は大きく後退していると断言できます。そういうことを振り返るならば、ちょうど転換期の中国を自分はうまく観察できる時期にいたのでしょう。

 一方、「これからはインド」と後輩に言われたインドですが、ロシアやブラジル、南アフリカと比べるならばこの20年で比較的順調に成長を続けているという気がします。日本国内で報じられているかは分かりかねますが、2022年の自動車販売台数で1位は中国、2位は米国で3位はこれまでずっと日本でしたが、去年にインドが日本を追い抜いて3位に入っています。人口の差があるとはいえ、世界3位の自動車大国となるまでにインドも経済成長しており、かつて同ランクと扱われた中国とは今も差があるものの、発展潜在力でいえば20年前の予測の通りだったというべきでしょう。

 とはいえ今もインドは犯罪やカースト制による社会的差別が色濃く、経済成長における足かせは少なくない気がします。20年前の時点で私はまさにこうした社会的制約が中国に比べて圧倒的に強く、また旅行でインドを訪れた際に停電が頻発していたことなどからも、比較的に言えば中国の方がずっと成長しやすい土壌があると当時考えていました。
 もっとも、最近のインド事情について自分もあまり把握していないだけに、そのような社会的制約は以前に比べたら今はだいぶ改善しているのかもしれません。また中国と比較するならば、米国と第二の冷戦のような対立が強まる中で、中国の周辺国に対する投資や経済移転を米国がこのところ主導しているだけに、インドにその恩恵が今後降りかかる可能性も十分あるような気がします。だとした場合、インドの時代とやらはまさにこれからの10年かもしれません。

 まぁインドの時代が来るとしても、旅行で訪れた際のあまりの暑さ、ほこりっぽさ、殺伐とした風景から、たまに旅行で行くならともかくここに住んで働きたくはないなと思っただけに、仕事で赴任となると多分普通の日本人は持ちこたえられない気がします。確かに国同士が仲が悪いから中国企業の進出が弱く日系が進出する余地はあるっちゃあるんですが。

2023年6月30日金曜日

経済学に「第三の道」なぞあるのか?

 ソ連崩壊以降、ゴルバチョフ元大統領をはじめ多くの旧共産圏支配層は「社会主義が資本主義に負けたわけではない。世界は第三の道(経済学)を探さねばならない」などとよく唱えていました。彼らに言わすと社会主義が欠陥があったことは認めるものの、資本主義も弊害が多く万能ではない。だからこそ新たな経済思想が必要なのだと主張していました。

 ではその第三の道ですが、本当にあるのか正直言って疑問視しています。

 当初、もっともらしく主張されたのは「持続可能な発展」こと環境に配慮した経済で、CO2取引をはじめ実際に思想が取り込まれた部分は現代世界において小さくありません。敢えて言えばグローバル経済の中でフロンガスやCO2規制をはじめとする多国間グローバル規制によって公平な競争を促すような考え方といえるでしょう。無限競争を標榜する資本主義とは異なるものの、環境以外の分野は血胸のところ資本主義がベースであり、敢えて言えば修正資本主義の枠内であって第三の道というほどではないかと自分は考えています。

 この環境型経済に続いて現れたのは、北欧諸国に代表される高福祉型経済で、高い税率の代わりに手厚い福祉を国家政府が担保することによって教育水準が上がり、経済効率も高まるという考え方で、2000年代前半に日本でももてはやされました。
 ただ、肝心の北欧諸国ですら「やっぱだめだ」といい始めており、また高福祉を維持する上で人口が一定規模以上あると成立しづらいという点から、最近はこの手の思想を目にすることすらなくなりました。

 このほか中国やロシアに代表される「開発独裁」こと政府が圧倒的権力を以って、資本主義のルールの上で高成長が見込める分野の市場に資金と人材を傾注する手法が一定の成功を納め、世界的に強い独裁者に焦がれる風潮を生みだしましたが、今回のプーチンの暴走を見てやっぱ独裁者じゃだめだと、この手の権威主義の時代はそろそろ終わりになるのではないかと密かに見ています。
 少なくとも、権力者が暴走する確率は民主主義とは比べ物にならないほど大きいことは事実で、だからロシアもこれから滅びへの道を進むことになるのではないかと思います。中国も、台湾有事の判断によっては死せるプーチンの後を追うかもしれません。

 そもそも経済学の本質に立ち返ってみると、要するに富をいかに公平かつ有意義に分配するかを考えることにあります。その分配を政府の強権でもって無理やり公平に持っていくのが社会主義で、上前をたくさんはねるけど下々まである程度は分配してやるってのが権威主義、でもって特に規制は設けず、市場の「神の見えざる手」に任せるのが自由主義です。
 以上を踏まえてみれば、結局のところ分配過程に対する政府の介入程度の差こそが経済学思想の違いであり、資産の個人所有を一切認めないほど極端な共産主義を除けば、基本的にはどれも資本主義に入ると私は考えています。その上で、第三の道なぞそもそもなく、資本主義ルールで競争、そして徴税の公平性を保つため、分野ごとに規制の程度を考えていくというのが大方の経済学であり、そういう意味ではもう今後、この学問がこれ以上は発展しないのかもという気も少しします。

 それらを総括して言えば、第三の道なんてそもそもなく、資本主義をどう微調整していくか、政体と組み合わせて考えていくというアプローチの方がシンプルで建設的な気がします。マジで最近お経済学の講義ではどんなふうに教えられているのか気になりますが、やっぱ自分がこっちの学問に興味を持たず社会学に走ったのも、今思えば自然だった気がします。

2023年6月6日火曜日

日本の株価はまだまだ上昇するか?

 本題と関係ないけど「新説魔法少女」を2週目クリアしました。「アストリブラ」といい、ほとんどの高額有料ゲーム、具体的にはFFやドラクエよりずっと面白いのにこれで無料のフリーゲームというのが意味わからない。
 少し深く書くと、「新説魔法少女」の方はゲームが進むにつれて仲間が増え、既存メンバーも攻撃手段が増えて成長を強く実感できるのが大きい気がします。特に最終戦に至ってはここで初めて大技が解禁されるキャラが多く、敵もやばいくらい強いけどそれを圧倒できるほど味方がやばいくらい強くなっているのがカタルシスとしてでかいです。難易度ルナティックのアドレナ編は逆に、味方強くならないのにやばい強敵相手に生き残らなきゃいけないから泣けるんだけど(´;ω;`)ウッ…

 話は本題ですが、今日も日経平均株価がバブル以降(具体的な日付書いてほしい)過去最高を更新しました。このところ株価は高騰を続けており市場は沸き立っていますが、果たしてこの上昇トレンドはいつまで続くのかが議論となってきます。結論から言うと、まだしばらくは上昇し続けるのではないかと自分は考えています。こう考える根拠としては、日本は今金融政策において世界的にも異常に優位な立場にあると考えるからです。

 例えば米国を例にすると、現在米国では日常生活に支障をきたすほどインフレが激しく、FRBも景気に水を差したくないと思いつつも利上げをしてインフレを抑え込む必要がすでに出ています。このインフレですが、こと株価こと株式投資にとっては非常に有利な作用をもたらすとされるのですが、利上げをされてデフレに転ずると真逆となるわけで、米ドルでの投資は今ちょっと敬遠され気味です。

 それに対し日本ですが、米国をはじめ世界各国が過度なインフレに苦しむ中、日本は「物価高騰」と大騒ぎしているものの現実には全然高騰しておらず、中国を含めほかの国からしたら統計上の誤差程度にしか見えないCPI上昇で大騒ぎし過ぎです。はっきり言えば日本は未だインフレなんておきてらず、むしろまだデフレにあるんじゃないかと思いたくなる有様です。
 こうした全然インフレではない状況から、日本としては景気に水を差すような利上げをする必要が全くありません。実際に世界のシンクタンクからも「日銀は量的緩和を続けるべきだ(俺らの資産のために)」と提言しており、私自身も同じ見方を持ちます。これは言うなれば、ほかの国が景気引き締めに出ざるを得ない中、日本だけは量的緩和をし続けられるという「栄光ある孤立」状態です。

 もっとも、量的緩和をし続けられると言ってもかつてのような深刻なデフレが続くようであれば意味はないものの、誤差程度ですが一応物価変動率がプラス状態にはなっているので、状況的には非常に悪くありません。特に米ドル資産の保有者からすれば、米ドル投資市場が冷え込みそうな分、円建て資産に投資しておくというのが選択肢に十分入ってくる気がします。そうしたことを考慮するにつけ、今の日本の株価上昇トレンドはまだ続くのではないかと思います。
 でもって、仮に夏に総選挙が行われて自民党が大勝した場合、政治安定期待が高まり、さらに株価はぐんと伸びる可能性もあるでしょう。


 そこへきてこのニュースです。これまで姿を隠していたのではと思うくらい露出の減っていた二階氏が解散に絡む発言をしてきて、自分はこれ見て「ああ選挙が近いんだな」と感じました。もちろん予想なので外れる可能性はあるものの、野党への解散牽制を仕掛けてきた辺り、少なくとも9月までには選挙に行くのではないかという気がします。まぁ今の流れで解散に出ないというのは自民党としてはあり得ないという水準なのですが。

2023年5月30日火曜日

日野自動車と三菱ふそうの経営統合について

 前に「溺れるプーチンは習近平をも掴む」と言いましたが、こんな感じで「プーチンも歩けばドローンに当たる」、「驕るプーチン久しからず」、「二階からプーチン」などいろいろ想像し続けています。

日野自動車と三菱ふそうの経営統合、親会社トヨタと独ダイムラートラック含む4社で基本合意(読売新聞)

 そういうわけで今日のこのニュースですが、このところのトヨタの日野に対する冷たい態度からこうなることは予想していたと、「後だし孔明(事後諸葛亮)」的に思っています。なお事後諸葛亮に関して、この前のクリントン元大統領が「ロシアが侵略するのは分かっていた」という発言を見て、クリントンも耄碌したなとはっきり感じました。

 話を本題に戻すと、具体的な取引詳細こそ書いていないものの持分交換方式で世界各国の証券監督委員会の承認が得られ次第、経営統合を行うのではないかと思います。でもってその際、トヨタグループは日野に対する持分をほとんどすべて譲渡する気がします。少なくとも、連結対象から外すくらいには持ち分比率を落とすでしょう。
 前にも書きましたが日野、というよりここの従業員に関してははっきりと異常性を感じた唯一の企業なだけに、まだまだま掘ればネタは出てくる気がします。それがよりによって自動車欠陥隠しの大御所のような三菱ふそうと組むあたり、なんかすごいコラボだなと正直思いました。まぁふそうはこのところ不正出てませんが、だからこそ逆に気になるってもんなのですが。

 トラック業界は正直あんま詳しくないのですが、業界展望としてはまぁ明るいというか、物流需要は今後も拡大し続けると思うので一定の成長は見込めると思います。ただ中国のトラック業界、というより大型車業界を見ると、ぶっちゃけ日系メーカーよりも実力高いと感じる節があり、もしなんかの形で日本に拠点を持ったりしたら一気に市場シェア取られるんじゃないかと密かに見ています。
 そういう意味ではこの日野の身売りについては内心、中国メーカーに変われる方が日野自身にとっても、日本にとってもいい結果になるのではないかと思っていました。UDトラックスなんかは東風汽車と関係が深いですが、ダイムラーとか中国市場だとどうなんだろうな。

2023年5月27日土曜日

日本のLCCターミナルの呆れるしょぼさ


 本題と関係ないけど上の記事見て、「さすが対立を煽る国、英国」と思いました。お好み焼き一つで広島と大阪の対立をこれほど刺激するとは……。


 話は本題ですが、ちょっと古いニュースながらかなり記憶に残ったというか同じ感想を持ったので取り上げます。上の記事を読んでもらった方が早いですが、格安航空会社ことLCCを使って日本を訪れるのは低所得層のみならず高所得層も少なくないものの、何故か日本の空港でLCCの離発着に使われる空港ターミナルは何故かどこもしょぼく、訪れた人がみんなして「なんやこれ?」と思う仕様になっています。
 記事ではこうしたしょぼいLCC専用ターミナルについて、お金持ちも来るんだからもっと印象よくしなよと書いていますが全く以って同感です。っていうか、あのしょぼさは「てめーらはLCCに乗るようなカスどもなんだよ!( ゚∀゚)アハハ」とマジで言っているような感じがして、自分もマジ不愉快です。

 自分の実体験で話すと、実際にLCCの乗客はやや品のない人が多いため、多少値段が高くても自分はLCCの利用は避けるようにしています。春秋航空のに乗ったときなんか、機内で唾吐くおっさんいてマジビビったし(;´・ω・)
 ただ、乗り降りの時間帯や行先によってはLCC便が有利であることもあり、そうした場合に何度かLCCを使ったことがあります。でもって上の記事に書かれている通り、日本到着後のターミナルを見て何度かびっくりさせられたことがありました。

 具体的にはどの空港のLCC用ターミナルはほかのターミナルと比べて内装が露骨に安っぽいです。下手すりゃ壁や天井がコンクリ打ちっぱなしになっており、実際に降り立って「あれ、なんか間違えて倉庫とかに入った?」と思ったことが何度かありました。
 次に飲食店を含め店舗数が露骨に少なく、LCCが到着する早朝の時間帯とかには開いていないというケースもありました。LCCでは食事があまり出ないだけにすぐ食べたいと思いつつもお店は開いてないし、コンビニもなかったりしたので、結局メインターミナルに移動して食べる羽目となりました。

 あと内装に関してだと、移動案内も露骨に少ない気がします。関空の第二ターミナルなんかゲートを出たところ、鉄道などにつながっているメインターミナルへ行くためのバス乗り場への道順が書かれておらず、初めて降り立ったときなんかどっち行けばいいのかマジ迷いました。そんな広くないターミナルであんな風に迷わされるなんて、ある意味凄いことなのですが。

 このほか細かい点を挙げると、店員の質も露骨に悪くなる傾向もある気がします。というのもあるときにLCCターミナル内にある吉野家で牛丼頼んで番号札289番をもらったところ、自分の注文が出る前に「290番の牛丼の方ー」ってアナウンスされてあれって思ってたら、「あー、289番も同じ牛丼だった(笑)」って声が聞こえてきました。それからしばらくして自分の分も出されましたが、変に我慢せず一言文句言っとけばよかったと今でも思います。

 ぶっちゃけLCC用ターミナルを広く豪華にしたり、メインターミナルとの距離を短くする必要はないですが、冒頭にも書いた通り降り立った乗客に露骨に格差を感じさせるあの設計だけはやめろと言いたいです。でもって店舗もいいお店を揃えれば絶対利用する客は多くなるだけに、LCCだからと言って高級店を排除するのもやめてほしいです。高級店が少しあるだけで、内装ぼろくても格差感が出づらくもなるし。

2023年4月14日金曜日

リスキリングに成功例あるの?

 昨夜何故か深夜二時にスピーカーで商店宣伝らしき文句を30分くらい延々と繰り返し流し続けた狂人がいたせいで今日はやや寝不足で、些細なメールに「てめぇどういうことだ(´・ω・)」といちいち凄んで返信するなど露骨にイライラしていました。まぁ「ファイル10個くらいあるけど作業するのはこのうち6種類くらいで、そのうち2つは分割されてるよ」とか言われたら普段でも怒ると思うけど。
 ちなみに騒音に関しては団地内のグループチャット見ているとほかにもキレてる人がいて、この点は中国人みんながおかしくないって意味でほっとしました。まぁどこの世界にも狂人はいるんだろうけど、バット持って自分も出動しとけばよかった。マジで団地全体に響くくらいの大音量だったし。


 話は本題ですが、さっき上の記事読んでて「リスキリング」という単語がふと目につきました。関係ないけどさっき変換したら「李スキリング」って表示されたよ。
 そういうどうでもいい誤変換は置いといて、岸田首相辺りが口にしたからかこのところ確かにこのリスキリングという単語を見かけることが増えている気がします。ぶっちゃけ横文字にしなくても再教育とか再研修、社内研修とかでもいいのに横文字で表現する当たりは政府もプレミアムフライデー並みに普及させる気がないとは思うのですが、それ以前にリスキリングで成功した事例ってあるのかなと疑問に感じました。

 一応の建前としては、社内の不要となった業務部門人材を必要な業務部門に配置転換できるように別部門業務を覚えさせるのがリスキリングとなっています。A製品の営業部門からB製品の営業部門への転換のように営業スキルで共通する部門転換ではなく、それ以前とはほぼ全く無関係な経理とかIT業務スキルの習熟並びに実際の配置転換がリスキリングに当たるとされますが、そもそもこれ、実際に日本人にできるのかと言ったら甚だ疑問です。何故疑問に感じるかというと、自分の目から見て日系企業の場合は業務が属人化しやすいからです。
 本来であれば業務手順などで共通化すべき業務を現場猫のように「それはそれ、これはこれ」的に無視して、現場担当者が自分の都合のいい手法に変えてそれで通してしまうことが日系企業に多い気がします。同時に、本来なら同じスキルなら他企業でもある程度共通するはずの業務でも、ジョブ型雇用が日本だと非常にレアなため、一般化されていないため属人化している点もあります。そのような属人化された業務をリスキリングで必要な技能を得られるかと言ったら、かなり疑問なわけです。

 それ以前に、実際にリスキリングでこれだけ業績伸びました、給料増えました、彼女できましたとかいうかなり都合のいい話すら、何故か耳にしません。普及させようってんならステルスマーケティングのように架空の人物でっち上げてでもリスキリングのメリットを謳うような話を誰か流布させると思うのですが、そんなおとぎ話のような話すらリスキリングに関しては目にも耳にもしません
 唯一、若干ステマっぽく見えるけどディープラーニング協会のこの記事だけは個人の実際体験談としてリスキリングの効果を取り上げています。逆を言えば、この記事以外には実際に効果があるという紹介が一切されていません。あるのは「日立製作所ではこんなリスキリングプログラムがあって、こんなに参加者いるよ」という、企業側が行っているリスキリングの取り組みの紹介しかなく、実際に得られたメリットや効果、実績はみられません。っていうか日立の紹介がやたら多いな。

 はっきり言えば、リスキリングは先ほどの日系企業で多い業務の属人化以前に、日本人にとって物凄く相性の悪い行為だと考えています。日本人は基本的に業務に関して「何ができるか」よりも「何年やってきたか」という年紀で遂行能力を推し量る傾向が非常に強く、途中で方向転換して学びなおした人間に関しては見下げる傾向すらあるように思えます。誰も言わないから私が言うけれど、リスキリングで配置転換した従業員の給与はどうするのかと聞いて、きちんと答えられる日系企業は多分ないでしょう。それもこれも、ジョブ型雇用じゃないので技能給与じゃなく、勤続年数による給与テーブルしかないからです。
 仮にそうだとすると、従業員側にリスキリングに応募する動機はなくなります。下手すりゃ上記の業務経験年数による判断から配置転換後に給与額が下がる可能性もあるだけに、誰が好んでリスキリングするかってんだって話になるでしょう。

 敢えて日本でリスキリングを本気で実態あるものにしようというのなら、対象者は戦力外通告者ことリストラ予定の従業員に限定すべきです。これら解雇対象者に対し半年または1年など期限を区切ってリスキリングを受けさせ、検定など一定基準に合格した場合に再雇用するという条件でなければ、企業側にも従業員側にもリスキリングのメリットが感じられず、採用する企業も従業員もいなくなるでしょう。更に言えば、雇用が継続される既存従業員で応募しようっていう人はかなり少ないだろうし、希望するリスキリング内容とのマッチング面でも齟齬が出てくる可能性もあると思います。

 最後にまとめると、リスキリングを流行らせたいのなら御託はいいから成果を出せ、それ以外出すなと言いたいです。でもって成果を出す方法のみを採用し、出さないならすぐ廃止しろと言いたいのですが、リスキリング自体に疑問を持っているのは本当にごく限られるだけなので、恐らく2、3年は無駄なことを繰り返すのだろうなとみています。

2023年4月11日火曜日

賃上げを発表する日系企業に対する不安視

 最近自分のどうでもいい趣味のことばかり書いているのでたまには真面目な記事を書くと、先月位にかけて日系企業でベアアップでの賃上げ発表が相次ぎました。中には初任給も大幅に引き上げるという発表もした会社もいましたが、正直に言ってこれらの会社の先行きについて非常に不安視しているというか、端的に言ってやばい会社なのではないかと疑っています。

 賃上げを発表した会社の多くは人材不足への対策とともに、昨今の物価高への対応を口にしています。前者の人材不足について初任給を引き上げるというのは確かに人材を呼び込む上で一見すると有効な処置のように見えますが、不足しているのは人員数なのか、それとも特定の能力を持った人材なのかでいうと、恐らく後者じゃないかと思います。
 AI開発能力など特定の専門人材に対し高額報酬を用意して呼び込むのなら理解できますが、これまでと同じく総合職採用で初任給を引き上げたところで人材の補充になるかと言ったら疑問で、であれば既に雇用している人材に再教育を施すなどした方がもっとお手頃ではないかと思います。

 次に物価高対策についてですが、個人的に意味が分からないのは何故物価が上がったから社員の給与を上げなくてはならないのかです。給与を引き上げなと労働者が離職するというのなら理解できるものの、あまり反抗する傾向のない日本人社員相手だったらぶっちゃけ上げなくたってこれまで通りに働くでしょう。一般労働者が物価高で生活が苦しくなると言っても、会社の経営的には知らんこっちゃない話です。
 と、労働者には冷たいことを言いますが、こういうのには訳があります。というのも、会社自体これから存続できるのかという点で、非常に懸念しているからです。

 結論から書くと、経済規模が拡大(好景気)していて物価も上昇しているのであれば企業もどんどん賃上げをするべきだと思いますが、現状はさにあらず、物価は確かに上昇しているものの経済に関しては明らかにリセッションに入っています。

 米国のIT大手や金融、コンサル機関などがこのところ数万人単位でのリストラを発表しており、中国でも大手ほど早め早めとばかりに人件費削減に動くところが出ています。私の目から見ても最低でもこれから1年間はかなりきついリセッションに入り、各社で多くの経営課題に直面するとみています。
 そうした状況を勘案するに、物価が上がったからと賃上げするのは如何なものとしか思えません。景気拡大が見込まれるのならともかく実際は真逆であり、むしろ切れる人材や事業は今のうちに切って、余計な出費は減らして既存事業の継続にリソースを集中させるべき時期にあると思います。それなのに何故かこのタイミングで初任給を含む賃上げに踏み込む企業については、いくら何でも無謀すぎやしないかとハラハラしています。

 私自身は基本弱者の味方というか強者の側に入れないだけですが、その私からしても、今このタイミングで労働者の賃金を引き上げるのは避けるべきだと思います。物価が上がって大変なのはわかるものの、ベアアップでは会社にしがみつくだけの無能な人材の給与も無条件で引き上げることとなるため、結果的に給与リソースを避けることができずに才能ある人材が逆に出づらくなる、採用できなくなる可能性もあります。虻蜂取らずというか。
 そういう意味では前述の通り、特定人材への報酬引き上げ、または好待遇での募集をするのには大賛成です。でも報道見ている限り、そんな動きを見せる企業はあんまいません。

 以上のような観点から、今年に入って賃上げを発表した企業に関しては正直株とかあまり買いたくないなというのが本音です。逆に今このタイミングで既にリストラしたり、事業分割や売却している会社の方が経営者はしっかりしているように見えます。
 なお中国も前述の通り結構景気悪くなってて、今年は自分もあんま昇給を期待できそうもありません(ヽ''ω`)

2023年3月27日月曜日

水木しげる記事の裏側

出征時も引揚時も、伝説的「幸運艦」2隻に乗船した水木しげるの恐るべき強運(JBpress)

 というわけで今日の記事ですが、かつてこのブログにも書いた水木しげるが戦時中、信濃丸と雪風という二大幸運艦に乗ったエピソード書きました。

 何でこの記事ネタを選んだのかというと、最近あまりアクセスが稼げず、もうこの際アクセスを狙うようなのではなく自分が好きなネタで記事を書こうと考えたためです。それで自分はいったい何が好きなのだろうかと考えた際、真っ先に浮かんできたのが水木しげるで、それなら歴史的にも豆知識になる子の軍艦エピソードがいいと決まったわけです。

 こうして記事ネタが決まって書き始めたところ、元から知識を持っている内容なだけにすんなりと書き終えられたのですが、このところ仕事が忙しくて疲労がたまっていたのかいまいち文章のノリが悪く、「こんな汚い文章で出してしまっていいものか?」と正直思ったほどでした。とはいえ書き直すだけの余力というかやる気も出ず、結局そのまま出して今日配信されてみたところ、アクセス数は思ったより悪くなく、現在もJBpress内のランキングでトップテンに入ってます。
 またヤフコメも見ると、自分よりこのエピソードに詳しい人が話を補填してくれてたり、参考になったという人もいてくれたりなどと、割と好評な感じが見て取れます。私自身も水木しげる伝で信濃丸という名前を見てこの船が「敵艦見ユ」を打電したということを知るきっかけとなっただけに、何かしら歴史に興味を持つきっかけになっていたらなと願わずにはいられません。

 ちなみにそれ系の話で進めると、10年前の自分はミリタリー分野に関しては全くと言っていいほど知識がありませんでした。自分がこの方面に興味持つようになったきっかけはPSPででいていた「ウォーシップガンナー2」というゲームにめちゃくそはまり、ちょうど艦これも流行り始めたころだったので軍艦について興味を持つようになり、その過程で「雪風」についても初めて知りました。
 その後、今の会社の上司がやばいくらいのプラモ好きで、せっかくだからと一回プラモ作って構造を学びたいと思っていたこともあり戦闘機のプラモを作り始めて、海だけでなく空の方面でも知識を持つに至りました。ぶっちゃけ、戦闘機プラモの製作数ならそこそこ誇れるくらいには来ています。

 なお戦闘機に興味を持ち始めたきっかけは、かなり変ですが実はスバルのインプレッサという車です。WRC全盛期のこの車のモデルはボンネットに大きな吸入口の穴ことエアインテークがあります。このエアインテークは自動車の走行性能、エンジンの冷却にどう影響するのかある日気になっていろいろ調べていたところ、自動車に関しては実際のところ自己満オブジェ的な要素しかないとわかった一方、マッハ1で飛び続ける戦闘機に関しては、空気のエンジンへの流れ込みを制御する上で非常に重要な部品であると説明されていました。それだけにエアインテークの形状は戦闘機の性能を大きく左右し、各機で様々な形が模索されていて、エアインテークの形だけでも機種を見分けられるとも書かれていました。

 この説明を聞いて、普通に戦闘機見るときは翼ばかり目についてましたが、本当に見るべきはエアインテークなんだなと思うようになり、実際どんな風についているのだろうか、手で確かめてみたいと思ったことからプラモを作るようになりました。最初に作ったのはF-16でしたが、実際に今現在だとエアインテーク見るだけで大体の機種は特定できます。

 そんなわけで次回のJBpressはまたどうするかですが、すずめの戸締りの中国公開状況を書いてもいいけど、また軍事系の話になりそうな予感がします。なお会社の中国人女性の同僚から今日、「週末はすずめの戸締りを見にいって、飛行機パイロットのBL小説読んだの(*´▽`*)」という、やたら濃い週末の過ごし方を教えてもらいました。BL小説のパイロットはJ-15のパイロットなので、同型機のSu-35のプラモ写真を後で送りました。

2023年2月23日木曜日

意外と見つからないAIの活用法

「やめて」「この野郎」「ドーン」叫び声や物音が…“女性アナ宅侵入”NHK男性アナ逮捕 3階から飛び降りてケガ(FNN)

 上の記事の見出し、特に「ドーン」を見て、「現場に喪黒福造でも来てたのかよ」と本気で勘違いしそうになりました。っていうかシチュエーション的に、実際に彼がいてもおかしくなさそうなのが笑える。
 なお変に触発されてか同僚に、「これ、日本で黒いドラえもんって呼ばれてる作品なんだよ」とビリビリで配信されている2017年版のアニメのリンクを送信しました。でもマジで笑ゥせぇるすまんは中国人にこそ見てほしいしヒットしてほしい。

 話は本題ですが、友人から先日ChatGPTが日本で盛り上がっていると聞きました。聞いた時点では何のことかわからなかったのですが、先週に入ってきた辺りからまとめブログにもよく出てくるようになり、確かに大きな盛り上がりになっているのがわかります。
 このChatGPTはマイクロソフトが出資しているとのことですが、これ聞いて思ったのはGoogleの凋落ぶりです。GoogleはかねてからAI開発に力入れていると自ら宣言してきましたが、ChatGPTが出たころに出したAIが初歩的なミスをやらかして株価が下がったように、これまで目立った功績はあまり聞きません。翻訳とかでもGoogle翻訳はあんまいいとは聞かないし、DeepLとかの方が知名度も高いでしょう。なお地味にMSN翻訳の性能はいいと私は評価しています。

 話は戻しますがGoogleはぶっちゃけ検索、それとAndroid以外であまり実績を目にせず、ゲーム事業を始め手を出した新規事業は割と空振っていることが多い気がします。それこそ成功に至れる新規事業をAIにでも聞いてみたらと、内心思います。

 話が二転三転しますがそんな盛り上がりを見せるAIですが、具体的な活用法に関しては意外とまだないのではないかとみています。っていうか実際にAIを売るコンサルの友人から、企業向けにAIをデザインして販売するにあたり、どんな活用ができるのか教えてほしいと相談されたことがありました。
 現在のところChatGPTは大喜利、つまり冗談めかした会話や回答を出すのが主な使われ方となっており、AIだからできる社会的な仕事はまだ見つかってないような気がします。まだ翻訳とかなら使えますが、仮に自動車部品製造業とかでAIがあればどんなことに使えるのか、それこそChatGPTに聞いてみないとわかりません。これは言い換えると、AIの産業活用は意外と難しく、一般企業向けに販売するのも難しいのではないかとみています。

 それこそ自動運転とかはっきり機能目標がある分野なら別ですが、汎用的なAIで何ができるかと言ったら結構絞られてきます。AIの強みとしては瞬時の判断力であることから、原材料にレアアースや貴金属を使うメーカーなんかにこの手の原材料の相場データを読み込ませ、最適とみられる調達時期を割り出すのとかどうかと友人には提案しましたが、ぶっちゃけこれ以外は私も浮かびません。
 またAIイラストもこのところはやってきていますが、最初でこそ物珍しさがあったものの、目が慣れてくるとやはり似たような特徴を持っていることが一目でわかるようになり、個性のない絵のように見えてくるようになりました。既存のイラストから目や口を少し動かせ、Live2Dみたいに仕上げるのならともかく、ゼロからフルデザインするイラストで多くの人の目に適う作品となるとまだ早い気がします。

 こんな感じで、すごいAIができてもその活用方法ができないと、果たして事業として成立するのかという点で疑問を覚えます。むしろ活用方法ができてからの方が、AIとしても開発速度が高まるのではないかと思います。

 ということを超頼りになる中国人の友人に話してみたところ、意図するソースコードを伝えてドラフトを作ってもらえば、それを手直しするだけで割と使えるようになるためこれは便利だと、すぐさま応用法を示してくれました。またイラスト専門AIに対し、どんなふうに指定すれば意図通りに描いてくれるのかをChatGPTは教えてくれるそうで、いわばAIへの指示をAIが翻訳してくれるということで、若干皮肉な感じもするけどこれもまた活用法としてアリだそうです。
 そんなわけで、なんだ結構あんじゃん(´・ω・`)的なオチになりました。

2023年2月12日日曜日

日本人はニッチに強い?


 上の画像は去年日本に言っている最中に目撃した商品ですが、一目見てマジビビりました。こんなものまで日本は所品化するのかと驚くとともに、「せっかくこういう商品もあるんだし(;´・ω・)」などと、一瞬「退職」の二文字が頭をよぎりました。
 なお中国人の友人にこれ見せたら。、「今時退職願なんてメールでやるのが普通じゃん。日本はまだ紙で出してんの?(´・ω・`)」と言われ、なんかFAXを未だに使っているようなローテクぶりを揶揄されたような気持ちを覚えました。

 話は戻りますが上の退職願レターセット、こうして店舗に並ぶ辺りは一定の消費があると見込まれます。それだけ今日本では退職が横行している、とまではいかずとも、こうした商品の需要は一定程度あり、でもってそのニーズを汲み取って商品化した業者がいたということになります。
 実際にというかこの写真を同僚の日本人に見せたところ、「こうした以上に小さなニーズを汲み取る辺り、日本人のニッチ市場に対する感覚って実はすごいのでは?」というコメントを受けました。この時に自分も初めて気づいたというか、このレターセットに限らず、日本人は「こんなん誰が買うんだよ?」と思うようなものを商品化して、収益化している例が実際かなりある気がします。

 自分の知っている例を一つ出すと、ワコールが出している「胸が小さく見えるブラ」があります。世の中の女性はほとんどみんな胸を大きく見せようとするのですが、なんでもアンケートしたところ10%程度の割合で胸を小さく見せたいと思っている層が存在するとわかり、ワコールは商品化を決断したとのことです。
 この分析は見事に当たり、購買層のレンジ自体は狭いものの競合商品が全く存在しない分野商品だっただけに、ワコールはこの胸が小さく見えるブラでかなり成功を収めたというニュースを以前見ました。先ほど検索したところこの商品はまだ販売が続いており、また別企業も参入しているあたり、報道の通りに当たったと窺われます。

 基本的に私はこれまで、日本人はマーケティングが下手だと考えていました。家電が特に顕著ですが、売る気があるのかよくわからない商品を開発したり、またポテンシャルを秘めながらターゲッティングなどを誤り全く売れなかったなどという例が多く、市場ニーズを汲み取るのは日本人は下手だと思っていました。
 ただ改めて見つめなおしてみると、市場規模が大きく大衆狙い商品を売りこむマスマーケティングはともかく、前述の「こんなん誰が買うんだよ?」と思うくらいのニッチな商品を売り込むニッチマーケティングに関しては、少なくとも商品化に至るまでのニーズ汲み取りは的確であることが多い気がします。また発売後も、そうしたニッチ分野の認知を徐々に拡大させ、売り上げを増やす方面でも結構上手な感じがします。

 そう考えると単純に日本人、っていうか日系企業はマスマーケティングが下手な一方、ごく限られた層をピンポイントで打ち抜くニッチマーケティングに関しては実は感覚が鋭いのかという仮説が出てきます。
 この点について元広告屋で名古屋に左遷されたうちの親父に話を聞いたところ、日系企業は予算がかかるのを嫌ってマスマーケティングを避ける一方、あんま予算のかからないニッチマーケティングは割と積極的というかきちんと金出して行うことが多いという話を聞きました。間接的ではあるものの、仮に親父の言う通りなら日系企業がニッチマーケティングを得意とするのは実態に則しているかもしれません。

 そもそもというか日本人の性格的にも、バーンと売り出すよりもごく限られた層をターゲットにする方がマーケティングとかでも力が入りそうです。そういう意味では今後、変にマス商品とかを開発するよりも特定層に高いニーズのある商品をより絞る感じで開発していった方が案外物事がうまく回るかもしれません。

2022年11月30日水曜日

中村邦夫の逝去について

 今日は江沢民も死んで中国のテレビは長々と特番組んで、弔辞めいた原稿を延々と読んでます。k路絵絶対死ぬ前から準備してただろ。

 けど自分的に今日もっとびっくりだったのは、元パナ社長の中村邦夫の逝去です。在任時を知っている人からすれば彼がどれほどの人物だったのかはいまいちピンときづらいでしょうが、いうなれば倒産間際だったパナを蘇らせた人物で、あまりの改革のドラスティックさに「幸之助精神の破壊者」とまで言われていました。実際周りでも、今のパナは松下幸之助の会社ではなく、中村邦夫の会社だという人が多いです。

 ただ辞任後、肝入りだったプラズマテレビが液晶との競争で負けるなどして、その評価は年とともに下がっていった印象があります。私自身は当時はまだ液晶としっかり張り合えていたのだし、そこまで悪く言うほどかなという印象がありますが、旧社員の年金額を切ったりするなどあちこちから恨みを買っていたこともあり、かなり悪く言われていた感じがします。

 その後のパナですが、正直に言って今のパナは迷走ぶりが激しいという印象があります。一応日本国内ではコンシューマー家電で高いシェアを取っていますが、大半がOEMだし、また花形ともいえる家電商品分野を明らかに持っていません。まぁパソコンのレッツノートは花形と言っていいけど、ギリ家電じゃないし。
 むしろ家電に関しては今はアイリスオーヤマこそが日系最強だと自分は考えています。それくらい、今のパナは消費者から離れ、B2B企業となっているわけなのですが、そのB2B事業も個別商品で光るものはあれども、明らかに組織改革が遅れていて、うまく波に乗れていない感があります。

 それだけに今の現状見たら中村邦夫はどう思うかなと前から思っていたところ、その本人がなくなったわけで、ますますもって今後のパナは誰の会社になるのかが見えてこなくなってきました。

2022年11月27日日曜日

電子書籍化に抵抗していた人々

 この記事が読まれているころ、私はすでに中国に旅立っていることでしょう。

 などと現在進行形で入国に伴う隔離中にこの記事を書いていますが、ぶっちゃけ中国入国時の隔離はホテルで、三食ちゃんと出るだけ先の上海ロックダウンに比べたら私物が周りにないだけでかなりまともな環境です。食い物が徐々になくなっていくという感覚はマジで恐怖でした。

 さて話は本題ですが、電子書籍は今やごく一般に普及し、出版業界からしてもなくてはならない存在となりつつあります。私が初めて購入した電子書籍は2011年に購入した文芸春秋で、当時文芸春秋は国内印刷会社などとの絡みなどからか、電子書籍の販売を海外に限定して、なおかつAmazonとかではなくなんか特殊なサイト経由でしか購入できませんでした。でもってビューアーもみすぼらしいもので、読み辛かったので買ったものの結局読むことはありませんでした。

 その後、2013年からはタブレットを購入してからは専ら漫画本を電子書籍で購入するようになり、今ではハードコピー本は一切購入しなくなっています。理由は、私の場合は海外在住で新刊をハードコピー本だと手に入らないこと、あと最近は少ないけど引っ越し回数が以上に多かった時期があり、その際にいちいち本を運ぶが億劫となったことが理由です。
 先にも書いたとおりに今や電子書籍は出版業界としても大きな売上げを占める形態となっており、その販売やプロモーションにも力を入れています。それこそ2015年くらいまでは集英社を筆頭に、新刊の漫画本だと電子書籍版はハードコピー版に比べ3ヶ月程度発売日をずらしていましたが、最近はそういう妙な小細工を取るアホはおらず、最初から今のように同時発売にしておけよと今更ながら思えてなりません。

 何故上記のような妙な小細工を取っていたのかというと、十中八九間違いなく印刷会社との絡みでしょう。出版社と印刷会社の関係はそれこそかつては水と魚のような関係で、互いになくてはならない存在ではあったものの、今やその関係には隙間風が吹く有様です。話を聞く限りだと両者の間では印刷会社のほうがやや立場が上というか、印刷リソースを確保、並びに校正スケジュールの調整面で出版社は頭が上がらなかったと聞きますが、今だと多分その立場は逆転しているでしょう。
 詳しい統計データこそ見ていないものの、かつてと比べると印刷部数はそれこそ何分の一程度にまで落ちていると見込まれています。輪転機メーカーの人に話を聞いたら、いま日本国内で新規発注はほぼなく、基本的には既存設備の更新しか修理しかないため、海外で売るしかないという話だそうです。

 当初でこそ出版社が電子書籍の発売日をずらしたりするなどしていたのは、まさに上記のような印刷会社の仕事を意図的に増やす、または彼らからの要請があったとみられます。しかし状況は今は変わり、かつてのような配慮がほぼ見られなくなったことを考えると、今後ますます印刷業界の景気は厳しくなってくるでしょう。

 こうした企業単位での話のほか、作家単位で電子書籍化に抵抗していた人もかつてはいました。主にミステリー系の作家に多く、代表格は宮部みゆき氏で、電子書籍が普及し始めても彼女の作品はなかなか電子書籍化されませんでした。やはり旧来の作家人からしたら本というものは紙で読むものという意識が強かったようで、先日逝去した佐野眞一も講演会で「紙の本は絶対になくならない」とアンチ電子書籍な立場を強く打ち出していました。もっとも同席していた友人は「それはない」と切っており、私も同感で実際にそうなりましたが。

 しかし上記のレジスタンスのような作家陣も、このところ著作の電子書籍化を認めるようになってきています。心変わりの原因は人それぞれでしょうが、言い方は悪いですが、紙の本の風味とか読書週間などを口にしてはいたものの、単純に不慣れな新規テクノロジーへの抵抗感ゆえにこれまで電子書籍化を認めてこなかっただけではないのかとみています。
 私のような海外在住者からしたら海外でも新刊が読める電子書籍はありがたいことこの上ないし、場所も取らず、アカウントがなくならない限りはいつでもまた読めるという形態は望まれて然るべきものです。こんな便利な形態を何故読者にもたらそうとしないのか、色々こだわりはあるだろうけど、単純に消費者の立場を考えてくれていないという気がしてなりません。

 なお電子書籍の形態は、出版社のみならず作家にもメリットが大きいと聞きます。「GANTZ」の奥裕哉氏が言っていましたが、かつて単行本は新刊が出たときにしか収入にならなかったのに、電子書籍が普及してからはちらほらと旧刊の著作権収入が入ってくるようになったそうです。電子書籍だと単純に古本が流通せず、なんかのきっかけで読み始めた人も旧刊を電子版で購入するようになっているそうです。
 こうしたところから見ると、電子書籍の普及は出版社のみならず、作家にも高い恩恵をもたらすように見えるのですが、それ故になぜ抵抗する作家がいるのかがいろいろ意味不明です。まぁ印刷会社と古本屋にとっては大打撃にしかなってないけど。

2022年11月20日日曜日

日本の物価で奇妙に感じる点

 物価高と言われ続ける昨今の日本ですが、毎年CPIが3%前後上昇している中国、それも物価最高な上海にいる身からすると、日本の現状なんか「物価高騰なめんなよ」と言いたくなるのが偽らざる気持ちです。とはいえ、奈良の唐招提寺の入場料が大人1人千円になってたのはマジビビりました(;´・ω・)

 とはいえ、日本の物価はかつてと比べると確かに上がっているなと感じます。特に消費税10%に関しては、自分が中国行く前に慣れていたのは5%の水準であっただけに、値札価格からレジで金額が跳ね上がるのには結構ビビるところがあります。もっともこの点については、値札価格を税込価格にするよう徹底すればいいだけなのですが、法律があっても誰も守ってないなとか密かに思っています。
 生鮮品に関しては正直それほど上がったとは思わないものの、ちょっとした飲食店のランチ代なんかは千円のラインを超える店が明らかに増えており、かつては千円はランチで超えてはならないラインだったことを考えると、物価は確かに上がっているでしょう。ただ、そうしたランチ代以前に密かに気になっているのは、原価の低い商品の物価だったりします。

 具体例を挙げると、この前見かけたノートPC用スタンドの量販店での価格は2500円前後だったのですが、実は中国で自分も似たような金属フレームを組み合わせたPCスタンドを先月に購入しており、そのお値段というのも15元(300円)でした。
 正直に言って、金属フレームを組み合わせてほんの少し吸盤となるゴム付けたこの商品の原価なんてたかが知れているというか、100円は行かないだろうと見込んでいます。それだけに安価な商品だしと買ったのですが、価格の割高な商品でも50元(1000円)程度で、日本円で2000円以上行くPC用スタンドなんてタオパオのリスト上では記憶がありません。

 いったい何故日本はこんな原価の低い商品をもっともらしくこんな高値で売るのか。こんな感じで改めて商品を見ていくと、パスケースとかそうした雑貨が高いのなんので、総じていえば原価が低い小物ほどなんかやたらと日本は店頭価格が高いようなイメージを覚えました。
 反対にというか、革靴なんか非常に品質がいいと思うのに中国で流通している革靴に比べやたらと価格が低く、荷物の空きスペースがあるなら買って帰りたいと本気で思ったほどでした。以上をまとめると、なんか日本は原価が低そうな商品ほど価格が高く、逆に原価が高そうな商品ほど価格が割安であるように見えます。

 何でこんなことが起こるのかっていえばやはり流通に問題があるのではないかとみています。具体的には流通システムそのものというよりは流通過程での競争原理があまり働いていない、つまり中間業者間で価格競争がそれほど起こらず、なんとなく従来の慣習で続いていた価格帯でどこも卸売価格、市場価格を決めている節があり、市場価格が原価とそれほど連動していないのではないかと疑っています。

 それこそ前回自分がこのブログで取り上げたように、自転車のロードバイクは日本だとやたらと高値で売られていますが、あれなんか中国市場から輸入すれば半分以下の価格で販売しても利益が出るくらいです。多分探せばもっとこういう原価と乖離した市場価格となっている商品はあるように思えるし、そうした商品を粗利が減るとはいえ原価に連動した価格で売れば、市場シェアとか一気にとれるんじゃないかって気すらします。ビジネスチャンスが多いと言えば多いのですが、なんとなくその辺は空気読まない外資系がやりそうですが。

2022年10月24日月曜日

大企業病であるとはっきり感じた会社

日本にも進出のEVメーカー「BYD」、中国で販売台数倍増の大躍進(JBpress)

 今日の自分の記事ですが毎年第3四半期の自動車市場は切り口が難しく、自分でもあまり面白くないと感じる更正からアクセス数も振るいません。まぁ定例記事だし、統計データ欲しい人だけ見てくれればいいのですが。

 それで本題ですが、この前ふと「大企業病」という言葉をここ数年、全く耳にしなくなったなということに急に気が付きました。大企業病の定義までは一々語りませんが、かつて1社だけ、明確にこの会社は大企業病に陥っているなと感じた会社がありました。具体名を挙げるとそれは日野自動車です。

 このように思うようになったのは自分が日系メーカーにいた頃、サプライヤーとしてこの会社の購買訪問に行ったからです。出てきた日野自動車の購買担当がまさに大企業病の権化みたいな人物で、無駄に偉そうで、それでいてあまり業務には熱心ではなく、自分より年上のサプライヤー担当者に対し平気でため口で話し続けており、「あまりよろしくない会社だな」とはっきり記憶に残りました。
 それがため、先日の日野自動車のエンジンに係る不正事件が発覚した際も、何の驚きもありませんでした。むしろこの会社は、末端の購買の人間があんななくらいだし、組織的にかなり病巣が不快と思えるため掘ればもっと出てくると思います。

 日野自動車に限らず、大企業の購買担当者はサプライヤーの生殺与奪を左右する立場であるだけに、自分のことを勘違いしてしまう人間が少なくありません。逆を言えば購買でも謙虚な人は非常に自我のしっかりした人だと言えるのですが、同じ居丈高であっても、トヨタ直系、っていうかはっきり書けばアイシンの購買担当はまだしっかりしていました。
 態度こそ偉そうではあるものの、仕事に対する厳しさというのは非常に真っすぐで価格や品質に対する意識や言及が強く、まだ仕事していく上では日野と違って頼もしい相手だと思いました。

 そのトヨタ系列で言えば、上記の大企業病をかつて最も口にしていた人物がいました。それはほかならぬトヨタの元トップである奥田碩氏で、彼のインタビュー記事にはほぼ確実と言っていいくらいに「大企業病になるなと社内で言っている」という文言とともに、その弊害について延々と語られていました。
 当時の内容を書き起こすと、トヨタ自体は紛れもなく大企業であり責任ある立場であるが、社員らがそれに驕るのは別問題であり、常に危機感を絶やさず仕事をする重要性が語られていました。しかし奥田氏の退任以降は、あまりこうした大企業病に関する言及はトヨタに限らず見なくなり、むしろ大企業への意識の強まりもあってか、「大企業であって何が悪い」的な主張が以前より幅を利かすようになってきているとすら感じます。

 常々感じますが、大企業にいるからと言ってその構成員が立派であるかと言ったらまた別問題です。大した人物もいればそうでない人物もいるのが普通であり、それ以前にその所属組織を持って自慢することはジャイアンの威を借るスネ夫も同然であるだけに、個人として何ができるのか、成したのかを自慢できない時点で人物として卑小であると自覚できない人物なぞ以ての外でしょう。

 こうした実業界に限るわけではないですが、なんか昔と比べて日本は全体的に、内面よりも外面に偏った世の中になってきた気がします。こんなこと書くくらいだから私自身は圧倒的に内面を磨くことにこそ価値があると考えるタイプですが、本当に中身が重視されず、経歴やらフォロワー数などで評価される時代となってきて、ますます停滞するだろうなという予想を立てています。

 まぁそういいながら、また墜落したSu-30でカナード付きの形状はかっこいいと思うから、1回はキットは組み立ててみたいなとか思ってたりします。

2022年10月18日火曜日

うわ、日本のロードバイク高すぎ?

 なんか最近やたらWeChatで本人確認するようアプリに言われるのでよく調べてみたら、証明書番号が5年前に更新したパスポートのままだったのが原因でした、アリペイだったらアプリ上ですぐパスポート番号を更新できるのですが、WeChatは本人の実名登録をわざわざし直さないと行けなくて面倒でした。
 システムが整い過ぎると、応用が逆に効かなくなるなとつくづく感じます。

 話は本題ですが、今自分が乗り回しているロードバイクは2016年1月に買ったので、かれこれ5年以上も乗っています。それ以前は2年ごとに住所を転々としていたので2年もてばいいやと思っていましたが、こんな長く乗り続けられるとはと安全安心のGiantブランドに感謝感激するとともに、日本でGiantのロードバイク買うとしたら一体いくらくらいなのだろうと、ふと気になりました。
 そんなわけで早速日本のGiant公式オンラインショップを覗いてみたところ、「Σ(・ω・ノ)ノ!」みたいな感じで、値段にガチビビりました。結論から言うと、中国のGiantショップと比べて値段がやばいくらい高く、本当に同じブランドの自転車なのかと不動産屋並みに疑いました。

 一つの比較例として、Giantのセミプロ用モデルとして長く販売され続けているTCRの値段を比較したところ、左の中国版の値段は6,598元で、いまざっくり1元=20円で計算できることから、日本円換算だと131,960円となります。それに対し日本のお値段は308,000万円からで、日本は今円安だというのに中国の値段に比べ倍以上も開きがあります。マジで最初見て、「ロードってこんな高級品だったっけ?(;゚Д゚)」と唖然としました。

 もしかしたら中国仕様と日本仕様で製品が異なるのかもしれませんが、ぱっと見上の写真を見る限りだと同じモデルにしか見えません。仮にそうだとしたら、なんやねんこの値段と言いたくなる差です。チープジャパンちゃうのか。
 このほかのモデルに関しても、同じモデル名でこそないもののフレームの計上からして同クラスと見られるモデルで価格比較したところ、日本での価格は基本的に中国の倍以上となっています。

 ぶっちゃけ自分が今乗っている5年前に買ったDEFYも、確か4500元(9万円)でしたが、Giant公式サイトにある今のDEFYの値段は352,000円からとなっています。まぁ昔と今とで仕様が変わっている可能性は十分あり得ますが。

 他のメーカーの日本語サイトにある値段を見てもGiantが極端に高い価格設定をしているわけではなく、マジで10万円以下だとまともなロードが買えないような状況であることを、今日初めて知りました。それと同時に、「中国で自転車仕入れて売ればもうかるんじゃね?(*'▽')」と、さっきから思えてなりません。
 上のTCRでも、25万くらいで売ればかなり利ざや稼げるし、20万でも元手が十分取れます。前自分が住んでた昆山なんかまさにそのGiantの工場があるところだし、安くで卸してくれるんだったらマジで自転車屋やった方がお得に見えてなりません。

 っていうかこんな値段高いと、ロード人口が日本で増えない気がします。せめてまともな入門用モデルくらいは5万円くらいから売ってほしいものですが、対応してくれるところとかないのかな。

2022年10月7日金曜日

フィルムを持ち歩いていた時代

戦場写真はどうやって撮影、メディアに配信されているのか?(JBpress)

 自分の主戦場ことJBpressで、どういう伝手かわからないけど戦場カメラマンの渡部陽一氏が寄稿していました。内容は主にフィルムカメラからデジタルカメラへの移行期である2000年前後について触れており、デジカメに移行する前は常に大量のフィルムを持ち抱えて戦場に入らなければならず、時には密輸業者に間違えられたことなどが書かれています。

 自分まだ子供だった頃はフィルムカメラを実際手に取っていた世代であり、またデジカメへの移行も目の当たりにしています。そんな自分からすると渡部氏の苦労話はまだ肌実感のある話なのですが、男百個ともいうフィルムを抱えて戦場を走り回っていたというのを聞くとなかなかにその苦労が偲ばれます。
 実際渡部氏もデジカメが普及し始めた頃、これは便利なものだと思ってアメリカ人にならって自分もすぐ調達しようとしたそうです。しかし調達しようにも高解像度のデジカメは当時まだ高く、仕方なくフィルムカメラをしばらく使っていたということも書かれています。

 そのデジカメですが、この2022年においてはとうとうレンズすらなく、全部半導体で処理するミラーレスカメラが大勢を占めるようになり、ニコンやキヤノンも確か去年は一眼レフカメラの新製品を一つも出していなかったと思います。カメラ屋の最後の牙城たる一眼レフカメラすらも今やその存在は危ういのですが、そのデジカメ自体もスマホに搭載されているカメラの性能向上に伴い、市場は長年縮小を続けています。
 かくいう私も10年前に買った富士フイルムのコンデジはここ数年全く手に取っておらず、さっき久々に開けてみたらシャッター部分が多分手の脂のせいかやたらべたべたするようになっていました。洗えば何とかなりそうだけど、それ以前に電池がもうへたっててほとんど充電できない。

 実際私自身も、記事に使う写真やブログに挙げるプラモの写真はこのところ全部スマホで撮影しており、あんまデジカメを使う機会がないです。ただそうは言うものの、このところプラモの写真を撮り続けてようやく気が付きましたが、やはり接写だとスマホのカメラはやや弱いというか、輪郭部などがぶれやすく、また光の加減に対する調整もデジカメと比べると顕著に弱く、拡大に至っては比較できないほどの差があります。
 そういうわけでコンデジでもスマホよりはもっといい写真撮れるので買いなおして使ってみようかなと思い、さっきAmazonを除いだところ、もはやコンデジはほとんど商品が流通しておらず、品目数が極端に少なくなっていることに今更ながら気が付きました。

 仕方ないので富士フイルムの交換用電池を調達するか、中古の製品で新たに仕入れなおすか、そんな好きじゃないけどソニーのカメラにするかで少しお悩み中です。さすがに一眼レフだと持ち運び大変だし。

2022年10月3日月曜日

取材に対し報酬を支払うべきか?

 大分前ですがある有名な漫画家がメディアからインタビュー依頼が来たことについて、無報酬であることが無礼であるとツイッターかなんかで言及していました。その漫画家からすれば一方的に時間が採られるだけなのに、作品の宣伝になるからといって無報酬でインタビューさせろというのは虫のいい話だとして批判してましたが、自分の意見はこれとは異なり、メディア側の「無報酬」を要求する姿勢の方が正しいと思います。

 初めに書いておくと、この漫画家の主張も全く分からないわけではないし、報酬をよこせと言いたくなる気持ちも理解できます。しかし仮に報酬を要求して出してくるメディアがあったとしたら、確実にそのメディアは腐ったメディアに属すことになります。
 この辺、自分も新聞社時代に厳しく言われたのですが、取材する側が取材相手に報酬を出してしまったら、取材する側にとって都合のいい発言が得やすくなってしまいます。はっきりと要求しないまでも、金銭を受け取った側が無意識に迎合してくる可能性も高く、メディアに求められる中立的な立場が根底から覆る可能性が圧倒的に高いです。そのためにメディアは、例え横柄だろうとケチだろうと叩かれようとも、取材行為に際しては一切の取材料などを提供してはならないということが大前提となっています。

 もっとも、妥協点がないわけでもありません。具体的には一緒に食事をとることはまだ認められており、取材と称して高いレストランに招いて経費で落とすことはよくあります。この行為であれば同じものを取材する側もされる側も一緒に消費するため、自分もまだありなのではないかと考えています。
 ただ食事を奢るにしても、一番望ましいのは取材後の方がいいです。無報酬で取材した後、取材のお礼として食事に連れて行く方がより適切であり、自分は基本こういう手段を取ります。

 以上のような理由から、基本的に取材料を報酬として渡すことはNGであり、取材する側としてはやはり「宣伝になるから」を錦の御旗にするよりほかありません。まぁ不正とかの取材だったら、悪い意味の宣伝になるから攻撃的に要求するよりほかないですが。

 それにしても今日また企業に電話取材かけましたが、どこの広報も理解を超えるレベルの低い対応ばかりで、なんか10年前と比べて企業広報の質がこのところ劇的に落ちてきているのではないかという気がします。基本、広報というのはその場で確実に回答しなければならないというのに、まともに回答できないばかりか回頭時期を引き延ばしたりするなど、本当に専業なのかといろいろ疑いたくなります。

2022年8月30日火曜日

稲森和夫の逝去について

 前略、京セラ創業者の稲森和夫が亡くなられたとのことで、昼間に仕事しながらアッシマーを使ってどうやって台湾を攻略するかを考えていた自分も速報を見て驚きました。なおぶっちゃけアッシマーは台湾海峡超えて攻撃するのにめちゃ役立ちそうだから、人民解放軍は本格的に量産すべきだと思う。

 故人なので敬称は省略しますが稲森和夫は中国でも非常に人気、っていうか同じ東アジア圏の人に受け入れられやすい経営哲学をまとめていることから、他の人も書いているように関連書籍はほんとあちこちで売られています。中国の反応はあんま見ていませんが、明日辺りはトップで報じられるでしょう。

 私個人としては、京セラが案外離職率が高かったり、京都ブラック企業四天王に入っていることから、言っていることとやっていることが結構差があったりする点で人格的にはあまり評価していませんでしたが、その経営手腕に関しては文字通り現役最強、三国志で言えば第一次北伐時における趙雲的な無双振りだったと評価しています。
 特に圧巻だったのは経営破綻後のJALの再生劇で、いくら出す膿が多かったとはいえあれほど短期間にJALの経営を立て直し、また社員の意識をかなり前向きに戻したのは文字通り唖然としました。何気に、稲森和夫のJARLへの引き込みが民主党政権時における最大の功績だと言っていいでしょう。

 またもう一つ彼のエピソードとして、若かりし頃の孫正義を土下座に追い込んだという話が個人的に好きだったりします。その辺の下りは佐野眞一氏の「あんぽん」に書かれてありますが、本当に笑顔を絶やさないまま冷酷に商売敵を一刀の下に斬り殺せる人間なんだと、その冷徹な打算ぶりには実際恐怖感を感じました。ことビジネスに関しては、本当に厳しさと冷酷さを兼ね備えた最高級の人物だったでしょう。

 ただそんな現役最強格がこの世を去ったことは、なかなかに寂しさを感じるものがあります。一応、存命中ならトヨタの奥田碩氏もいますが彼は第一線からは既に離れています。キヤノンの御手洗富士夫氏なんかはまだ頑張っているので、今現役最強といったら多分この人じゃないかと思います。奥田氏同様に一線から離れてはいるものの、もし残っていたらスズキの鈴木修氏が最強だったとは思いますが。
 ちなみに以前は評価していなかったけど最近評価を高めているのは、地味に楽天のミキティこと三木谷氏だったりします。割と競争の激しいEC業界で未だに上位一角を占めているのは大したものだと思え、専横を振るうようになってきたAmazonへの対抗馬としても今後も頑張ってほしかったりします。