初めに書いておくと、この漫画家の主張も全く分からないわけではないし、報酬をよこせと言いたくなる気持ちも理解できます。しかし仮に報酬を要求して出してくるメディアがあったとしたら、確実にそのメディアは腐ったメディアに属すことになります。
この辺、自分も新聞社時代に厳しく言われたのですが、取材する側が取材相手に報酬を出してしまったら、取材する側にとって都合のいい発言が得やすくなってしまいます。はっきりと要求しないまでも、金銭を受け取った側が無意識に迎合してくる可能性も高く、メディアに求められる中立的な立場が根底から覆る可能性が圧倒的に高いです。そのためにメディアは、例え横柄だろうとケチだろうと叩かれようとも、取材行為に際しては一切の取材料などを提供してはならないということが大前提となっています。
もっとも、妥協点がないわけでもありません。具体的には一緒に食事をとることはまだ認められており、取材と称して高いレストランに招いて経費で落とすことはよくあります。この行為であれば同じものを取材する側もされる側も一緒に消費するため、自分もまだありなのではないかと考えています。
ただ食事を奢るにしても、一番望ましいのは取材後の方がいいです。無報酬で取材した後、取材のお礼として食事に連れて行く方がより適切であり、自分は基本こういう手段を取ります。
以上のような理由から、基本的に取材料を報酬として渡すことはNGであり、取材する側としてはやはり「宣伝になるから」を錦の御旗にするよりほかありません。まぁ不正とかの取材だったら、悪い意味の宣伝になるから攻撃的に要求するよりほかないですが。
それにしても今日また企業に電話取材かけましたが、どこの広報も理解を超えるレベルの低い対応ばかりで、なんか10年前と比べて企業広報の質がこのところ劇的に落ちてきているのではないかという気がします。基本、広報というのはその場で確実に回答しなければならないというのに、まともに回答できないばかりか回頭時期を引き延ばしたりするなど、本当に専業なのかといろいろ疑いたくなります。
2 件のコメント:
漫画家なのでたぶん画像の無償提供とごっちゃになったんでしょうね。
本業の提供と取材・インタビューだと意味合いはかなり違いますが、タダで絵を描いてくれって言ってくる人と態度が似てたのかもしれません。
企業の広報は昔はそれなりのエリートがやる印象でしたが、最近は外部に丸投げしてちゃんとした人材を置かない企業も増えてきてるようです。内向きな企業ほど外との接点を軽視しがちですね。
昔は人事と広報こそ最優秀な人材が置かれていましたが、最近は確かに「なんじゃこりゃ( ˘•ω•˘ )」と思う人材が何故か配置されています。今回の一件はまた来週あたりに詳しく書きますが、各社の広報のレベルが落ちる中、財閥系企業は看板を守る意識が強いのか、依然として優秀な広報が多かったりします。
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