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2008年8月27日水曜日

麻生太郎の投資家減税について

 最近朝日を批判ばかりしていて誉めることが少なくなってきましたが、今日はなかなかいい記事を載っけてきました。どうもこのところ思うけど、朝日は一面から三面よりもその後ろの方の記事がいいなぁ。

 くわしい内容は紙面に任せますが、そのよかった記事の内容というのは自民党の麻生幹事長が最近ぶち上げた証券に関連する減税についてです。麻生幹事長は日本人の貯蓄に回しているお金を投資へと回すことによって経済が活性化するということを理由に、もっと投資家を呼び込むために証券の売却益や配当金に対する減税を行うべきだと主張しました。
 しかし記事でも書かれていますが、03年にすでに同じ目的の元にこれらの税率を10%に下げ、11年からまた元の税率である20%に戻すことを財務省が決めた矢先であり、麻生のこの発言は金持ち優遇の政策とも取れるのではないかと記事では指摘しています。

 私も、朝日新聞の意見に基本的に同感です。というのも、日本人に対してこうして投資を促したところで、東証での取引の大半が外国人である現状では何も意味がないように思えるからです。詳しい数字は知らないのですが、確か東証の取引の半分以上は外国人によるものらしく、確かに数が少ないとはいえ、これから日本人に投資をやらせたところでそこまで景気が上向くとは私は思えません。

 そして何より、現状で株価が上昇しても、日本の企業にそれほど恩恵があるわけでもないからです。それこそ2000年前後の大不況の折は株価の上昇している企業は非常に強かったです。その理由は何故かというと、当時銀行がどこも経営難で新規の貸し出しが行えなくなり、各企業は資金を銀行から調達することができずに株式などで自前で調達するしか方法がなかったからです。
 それに比べ現状では銀行の経営体力は大きく回復し、今ではバンバンと企業に対して貸し出しを行えるだけの余力があります。そんな状況下で、株価が上昇したところで以前ほどの恩恵はまずもってありません。

 基本、投資というのは余っているお金がないとできません。そういう意味でもしこの減税が実行されても、その恩恵はお金の余力のある投資家にしかありません。同じ減税をするなら、生活保護世帯が増えている今の時代にはもっと他にするべきところがあると私は思います。

 最後に外国人投資家についてもう一言加えておくと、近年の株価の上昇は小泉改革などの一連の改革政策が外国人の目に投資の好材料として映り、外国から投資が集まったのが原因です。これは一部の評論家なども指摘していますが、また昔のようなばら撒き政策など改革に逆行することによって外国人投資家が逃げるだろうという意見がありますが、まさにその通りで、本気で投資を呼び込もうとするなら改革を逆行するような政策は取るべきではないでしょう。
 そういう意味でうちの親父なんかは、経済政策の責任者はやろうとしている政策うんぬんより、外国人にどうみられるか、人気があるかで選んだ方がよいと割り切っています。ま、そういう見方も確かにあるけど。

ロシアの軍事行動について

 すでにあちこちで報道されていますが、ロシア軍がグルジアの南オセチア州という、ロシア系住民がたくさん住む地域に新興し、当地域の分離独立を支持すると発表しました。これに対してアメリカは文字通りロシア軍と対峙する形でロシアのこの行動を非難し続けています。

 今回、私がこの軍事行動に対して思ったのは、プーチン政権から現メドベージェフ大統領に政権が移行されても、プーチン政権同様に対外的に強圧的な政策が継続されることが証明されたということと、タイミングについてやや思うところがありました。
 というのも、ロシア側はこれまでアメリカのMD、対ミサイル兵器の東欧諸国への配置などに対して抗議を行っていたものの実際の軍事行動には移しませんでしたが、ちゃっちゃと書いちゃうと来年のアメリカ大統領選がいよいよ白熱してきたこの段階に至り、アメリカは強い行動が取れないと踏んでわざわざ北京五輪の開会式に合わせて行動を起こしたのだと思います。

 さらに言うと、今ももめている北朝鮮の核放棄の問題でも、なんとしても退任前に外交で成果を作っておきたいブッシュ政権が北朝鮮に対して大甘な対応を取ったことも、このロシアの決断を促したのだと思います。
 今日のニュースでフランスの外相が、今後ロシアはさらにクリミア半島にまで進行して来るだろうと発言しましたが、実際の軍事行動とまで行かなくとも、何かしら手段はとってくると私も感じます。もひとつおまけに書いておくと、昔は異常なほどに仲が悪かった中国とこのところは懸案だった国境線が画定し、後顧の憂いがなくなったのも大きいかもしれません。

 実は一回やろうと思ってあきらめたのですが、この東欧から地中海に至るまでは宗教から民族が複雑に入り組んだモザイク状の地域であります。それこそ、共産主義という錦の御旗の元ですべての垣根を取っ払っていた時代(ソ連の二代目権力者のスターリンは今回の舞台のグルジア出身)が終わった現在では、こうした問題が吹き出るというのも自明でしょう。

 多分今週土曜からまた連載を始めると思いますが、このところ国家の概念についていろいろ思うところがあります。国家を構成するものは、

1、民族 2、宗教 3、文化 4、人種 5、特権階級

 これらの中の一体なんなのか。それとも、これ以外の何かがあるのか。こういった、国家についての連載を調子がよければまた始めます。

2008年8月26日火曜日

デスクリムゾンについて

 あまりにも面白いので、折角だからYou Tubeのデスクリムゾン動画のリンクを貼り付けます。

デスクリムゾン OP
デスクリムゾン2 OP
デスクリムゾン2 コンバット越前登場シーン

 最近、私は狂ったようにこれらの動画を見ています。
 これらの動画が収録されている「デスクリムゾン」というゲームというのは、セガサターンで駄目な意味でぶっちぎりの販売本数を誇り、クソゲーの中のクソゲーと呼ばれた伝説のゲームです。今回紹介した動画の中でも突っ込みどころは満載なのですが、実際のゲームはもっとやばいというのですから、底が知れません。

 もっと詳しくデスクリムゾンについて調べたい方は、早速「デスクリムゾン」で検索してみてください。きっと何か、突き動かされるものがあるはずです。

日本郵政会社の経営について

稼ぎ頭のはずだった「ゆうパック」 「赤字」判明がもたらす悪影響(J-CASTニュース)

 ちょっと古いニュースですが、いきなりリンクを張ってみました。内容を簡単に説明すると、今年から民営化して一民間企業として船出した日本郵政会社が総務省に対して経営内容の報告書を提出したところ、民営化後の主力事業として期待され、クロネコヤマトが契約を切った直後にコンビニと代理店契約を結ぶなどしていた荷物運送事業(ゆうパック)が、なんと半年で5億1100万円もの赤字を出していたのです。
 しかし、それ以上に驚きなのが、民営化後にはネットワークが崩れる、国の後押しなくして経営が成り立つわけがないと言われていた、手紙などの郵便事業が1042億8400万円の黒字だったということです。

 このニュースは正直言って見る人によって評価が大きく分かれるでしょう。民営化後に主力事業とするはずだった荷物の運送が赤字で、逆に年々年賀状をメールで出す人間が増えて黒字なんか出せるわけないといわれていた郵便事業が、運送事業の赤字を軽く埋めるほどの大黒字だったのです。これまでの討論ってなんだったのかって思うくらい驚きの内容です。

 ネット上でのこのニュースの反応は様々で、やはり郵政民営化の経営見通しは甘かったという意見もあれば、むしろこれだけ独占事業である郵便事業で儲けていたのかという意見もあり、中には民営化したからこそこういった情報が公開されるようになったのだという意見もありました。

 私としても、先ほどの最後の意見に同感します。と同時に、本当に郵政解散以前は政治家評論家みんな揃ってまともなデータなしにくだらない議論をやっていたのだと感じます。ネットでの意見でも書かれ
ていましたが、もしこれが民営化せずに隠されたままであれば、国民が出している郵便貯金からこの運送事業の赤字が補填されていた可能性もあり、やはりこれらの情報が公開されただけでも民営化の価値はあったのだと思います。

アフガニスタン拉致事件について

 最近ニュースに困っていたのですが、本日とてもショッキングなニュースが入ってきました。

拉致は静岡の伊藤さん=現地で農業支援-運転手と襲われる?アフガン邦人誘拐(YAHOOニュース)

 リンクに貼ったニュース記事によると、本日アフガニスタンにて現地で農業指導を行っていたNGO団体会員の伊藤和也氏が反政府系のテロリストグループによって拉致されたようです。これだけでも大事件なのですが、私にとって一番驚きだったのは、この伊藤氏がペシャワール会に所属するボランティアスタッフだったということです。

 ここではっきりといいますが、日本最高のNGO団体と呼べるのはまさにこの「ペシャワール会」です。日本では知ってる人は知っているのですが、私の目からすると一般の方まではあまり浸透していない名前の団体ですがその活動は古く、米軍がアフガニスタンに侵攻するずっと以前からアフガニスタンとその周辺地域で医療活動などに携わっている団体で、国際的にも日本のNGOとして非常に名高い団体であります。

 設立者は本人も医者の中村哲氏で、私は実際に拝見したことはないのですが講演会の記録を載せた本を読み、その活動と考え方を知りました。
 実はここだけの話、実際に講演会に行く機会があったのですが、確かその日になにか別の外せない用事があっていけませんでした。今では非常に行っておけばよかったと後悔してます。

 このペシャワール会は文字通り一切政府などの支援を受けず、支持者による寄付金のみで活動している団体です。私が読んだ本の中でしびれた言葉として中村氏が、

「よく医薬品などを寄付してくれる方もおりますが、医薬品よりお金を直接寄付してもらいたい。我々なら海外でずっと安く、大量に抗生剤などの医薬品を調達できます」

 私の見ている普通のNGOとかだと、ともかく何でもいいから寄付してくれと叫ぶ団体が多いのですが、その中でこの発言は国際NGOとして非常に実績を積んだ人だからこそ出る言葉だと感じました。

 そのペシャワール会の方がこの度拉致されたといいます。NHKの報道によると、拉致した側は政府に対して自分たちの捕まっている仲間と交換することを主張しているようですが、何故アフガニスタンのために活躍している方をこのように拉致するのか、理解に苦しみます。
 願わくば、無事に伊藤氏が解放されることを祈るだけです。

  追記
 八時四十五分のNHKニュースにて、伊藤氏が解放されたとの速報が入りました。何とはともあれよかったのですが、何も書き終わった直後に……。

  追記2
 上記の解放の知らせは外務省の誤報だったようです。ぬか喜びをしてしまいました。

2008年8月25日月曜日

考古学会について

 以前から思っていたのですが、そろそろ中学校などで「四大文明」について教えるのはよくないと思っています。
 というのも、これは1900年に中国の梁啓超が唱えたもので、すべての文明は四大文明から分派したものだという説ですが、これはあからさまな間違いです。黄河文明に代表される同じ中国でも、華北地域と華南地域は文明の起こりは完全に別々で、現在は黄河文明に対して長江文明というのもほぼ確実視されています。

 そして何より、南米のマヤ、アステカ文明が完全に無視されているのが私としては非常に腹正しく思います。こうした南米の文明や北米のインディアンの文化などは無視し、強国の視点でもって古代史の範囲で四大文明ばかり教えるのは私は問題だと感じています。どうせ四大文明だけでも覚える量は少ないのですから、この際いろんな地域の文明について中学生などに教えるべきじゃないかと思います。

 このように、すでに明らかに間違いであると言われているにもかかわらず、どうもこの考古学会というのは頭が固いというか、昔から論を変えたりせず、また権威を持っている人間が好き放題に言っているのではないかと、私個人的には感じています。その最たる例がかつて起こった「遺跡捏造事件」で、またピラミッドに関する意見などです。

 「遺跡捏造事件」については言うまでもありませんが、ピラミッドは最近は大分払拭なされてきましたが、私が子供の頃なんか、

「ピラミッドの建築に関わった人間は内部の構造が明るみになるのを恐れて、ピラミッドが完成されるとともに皆殺された」

 などという、なんの根拠もない説がまことしやかに語られていました。実際にはピラミッドの建築に関わった労働者にはパンやビールなどが振舞われ、農閑期の公共事業としての意味合いが強かったようです。

 こんな風な、ありもしない話やらとち狂ってんじゃないかと思うような話がこの業界には多い気がします。まぁ数少ない資料の中であれこれ推察しなければならないのだから多少はしょうがないけど、間違いだってわかったら、その説を払拭するために自浄活動位はやってもらいたいものです。

  おまけ
 昔から今に至るまで、ピラミッドの研究者たちが内部の床の面積やら距離などから世界滅亡の日を計算していますが、あきれるくらいに皆外れています。以下のサイトに詳しいので、興味のある方やオカルト好きな方はみてみることをお勧めします。

超常現象の謎解き

2008年8月24日日曜日

国民栄誉賞について

 なんかこのところニュースが少ないから、このブログが始まって以来珍しくネタに困る日々が続いています。またなんか特集連載でも始めようかな。
 そんなニュースが少ない中で、今日はちょっと昔に一本エッセイにまとめたニュースが来たので、それについてまた新たに語ろうと思います。そのニュースというのも、国民栄誉賞についてです。

 この国民栄誉賞、政府が国民に与える表彰としては文字通り最高のものと位置づけられています。しかしかねてよりその受賞基準というのはあいまいで、賞としてのその価値はこれまでにもよく批判されてきました。
 私なんかが書くよりウィキペディアの項目を見てもらえばわかりやすいのですが、たとえば同じ相撲という分野でも、前人未到の勝利記録を作ったことでもらった千代之富士に対して、こちらも前人未到の年六場所制覇をした朝青龍はもらえていません。このようにこの賞は基準はあいまいで、私の見る限り結構その場のノリで与えているようにしか見えません。

 この基準のあいまいさゆえに一番批判が巻き起こったのは2000年、オリンピック女子フルマラソンで金メダルを取った高橋尚子氏の受賞の際でした。女子フルマラソンで日本悲願の金メダルを取ったことというのが受賞理由だったのですが、当時に私も同じ内容で批判しましたが、世界大会を幾度も連覇し、その上同じオリンピック大会の女子柔道でこちらも悲願の金メダルを獲得した谷亮子氏(当時の姓は田村)や、同じくその大会の男子柔道で三連覇を果たした野村忠宏氏はなんでもらえないのかという批判が起き、やはりそれ以降は罰が悪くなったのか、その後この賞は一度も授与されていません。

 そしてこの問題はやはり後々に問題を続かせてしまうことになります。多少失礼な表現になるのですが、私はやはり高橋尚子氏には与えるべきではなかったと思います。というのも、その後高橋氏は際立った成績は残せず、結局受賞した際のオリンピックで終わったしまいました。その間、今回は怪我のため出場を辞退しましたが、前回2004年のオリンピックで同じく女子フルマラソンで金メダルを取った野口みずき氏については、確かに出場こそかなわなかったものの、代表選考レースなどで立派な記録を作っており、いくら初めての金メダルということを考慮しても、高橋氏がもらえて野口氏がもらえなかったというのは誰がどう見てもおかしな基準になります。

 野球のイチロー選手などはこの辺りのことがよくわかっているのか、これまで何度か賞を授与しようと政府が画策したものの、すべて本人から断っています。私も、これだけ曰くつきの賞なので、イチロー選手が敬遠する理由も理解できます。

 そこで今日のニュースです。今日というわけじゃありませんが、今回のオリンピックで前人未到の二冠に連覇を果たした水泳平泳ぎの北島康介氏に賞を授与するかどうかを政府が現在検討しているようです。

どうする「国民栄誉賞」 2冠連覇の北島へ授与検討(YAHOOニュース)

 結論から言って、私はこの国民栄誉賞というのは昔から好きになれなかったのですが、今回の北島氏への表彰は行ってもよいのではないかと考えています。
 政府もこの賞のこれまでの経緯や、ただの人気取りだと突っ込まれるのではないかと戦々恐々しているそうですが、今回の北島選手の活躍は日本の誰もが認める活躍で、その上前回のオリンピックから一貫して活躍し続けたということは賞賛に値しますし、いくら基準があいまいなこの賞と言っても、北島選手については文字通り文句なしでしょう。

 ただ今回の場合、水泳という競技がひとつのネックになると思います。というのも、かつて「ニイヤマのトビウオ」と謳われた伝説の水泳選手、古橋廣之進氏がこの賞を受賞していないからです。
 古橋氏の経歴について簡単に説明すると、戦中戦後に活躍した自由形の水泳選手で、戦後に敗戦して自信を失っていた日本人に対し、世界大会にて堂々の当時の自由形世界記録を作って大いに感動させ、日本の戦後史の一ページを飾る大人物の一人であります。北島選手の功績ももちろんすばらしいのですが、古橋氏と比べるのならば私には小さく見えてしまいます。

 この古橋氏の処遇をどうするか、これが今後の国民栄誉賞の基準を左右する上で非常に重要な要素となってくると思います。
 私ならどうするかって? ダブル受賞……とするのはやはり間違っていますから、私は敢えて式典で、総理大臣の代わりに古橋氏によって賞状などを北島選手に授与させてみたいと思います。こうすることによって、日本の水泳の神様から水泳の王者へ、という形に持っていくことができますから。古橋氏も、やってくれたらいいなぁと個人的に思います。