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2013年3月8日金曜日

中国で働くには

 大分以前にも同じ内容で記事を書いておりますが、中国での転職を考えている人にとって有益な情報を出せるのではないかと思うので、改めて注意事項などを加えて書くことにします。

 まず中国での働き方というか雇用方法は二種類あり、一つは企業に日本で採用されて中国法人に派遣される駐在方式、もう一つは現地の中国法人中国企業に直接雇用される現地採用方式です

 どっちがいいかと言ったら言うまでもなく駐在方式で給与は日本水準であるだけでなく会社によっては家賃補助果てには駐在手当なども手厚く出ますただ駐在方式は基本的に元からいる従業員充てられるため転職してこの方式で中国送ってもらう以前実績でもないとあまり可能性はないでしょう
 一方我らが現地採用方式では給与は中国水準私が転職した頃などは初任月給800014換算したら12万円ベースとなっており、これより高いか安いか交渉材料となっておりましたが、現在もあまり変わってないように思えますでもって家賃補助駐在手当なんておいしいものはまずなくて海外保険も自己負担であるケースがく、あるとしたら年に一回だけ日本への一時帰国チケットを会社が負担してくれるくらいですただ給与が安い分現地採用方式は募集数が多いので希望の職種見つけやすいという利点と単純に中国で仕事してみたいならまず確実に入り込むことが出来ます言うまでもないですが雇用形態はこの現地採用方式でした

 では具体的にどうすれば中国での仕事をGETできるのか駐在方式であれば日本転職サイトで探すほかありませんが、現地採用方式であれば現地の人材紹介会社登録するのが近道です現在中国各地では既に日系を含む人材紹介会社が多数進出しており中国 転職でも検索すればたくさんヒットするので、複数の会社に登録すれば何かしら当たるでしょうたまに別々の人材会社から同じ会社の紹介が来るのが鬱陶しいですが
 紹介を受けた後面接は基本的に現地で行いまごく少数ではありますが日本本社で面接して現地採用として中国に送る会社もありますがいろんな会社を受けたいというのであればあらかじめ面接日程を組んだ上で中国に渡航するといいでしょう中国に渡航する場合滞在日数が15日以内であればノービザでOKですが、これ以上となる場合はビザが必要となるので観光ビザを申請取得する必要あります

 ただこうやって実際に中国での仕事を求めて転職活動をする前にいくつか確認すべき注意点があります一つは言うまでもないですけど具体的なビジョンもう一つは日本での正社員での勤続年数です
 昔は違ったのですが中国も増え続ける外国人労働者によって国内の雇用が減少する恐れから労働ビザビザ発行するに当たりいろいろと条件を出すようになってきております具体的には

中国語の会話能力があるのか 
四年制大学卒業しているか
特定の仕事を行える技術知識を有するか

 このうち最初の中国語の会話能力はあまり突っ込まれることはありませんが番目ビザ申請時に卒業証書提出がほぼ義務付けられますそして番目のですがこれが一番重要ではっきりと書けば日本で正社員として2年間働いた実務経験がないとほぼ突っぱねられます会社の総務によっては年間でなくても力技コネ無理矢理ビザを発給させてのけますが年間経験があるかないかは中国での転職に当たって非常に重要ですそのため過去に実務経験があるなら話は別ですが中国で留学を終えてそのまま現地で就職みたいな話は現実にはあまりありません今現在日本では新卒で正社員となることが難しい時代ですがだからと言っていきなり中国に行ってもビザは発給され辛いので気を付ける必要があります

 最後に自分のケースについて少し感傷を入れて話しますが別に隠してたわけじゃないですが中国に渡った時の年齢は26歳でした日本での正社員経験年半あり、四大を卒業してなおかつ中国での年の留学経験もあったことからビザ発給では何も障害はありませんでした
 中国に渡った当初中には新卒で駐在出張来ている人間もいるのだろうし26歳という年齢出遅れという劣等感があったのですが、いざ実際に渡ってみると20中国働いている日本人は思ったよりいませんでした大学の校友会でも最年少部類に入っていましたしやはり来ている日本人メインは40前後30代前半も多いとは言えませんおまけに仕事で取材赴くとやっぱりいことからどういう経緯で来たの質問される回数も多かった気がします


 周囲から言われている間はそれほど気にしなかったものの自分が上から見下ろす立場というか同じ会社に26歳の後輩が入ってきてからこんなくて頼りなさそうのに大丈夫なのか(;゚Д゚)思うようになりおいおいお前もその年齢中国に来たんじゃねぇか自分でツッコミ入れるようになりました
 ややまとまりのない締め方ですがこれから中国での転職を考える人に言いたいのは必要以上に焦る必要はないという一点です30代になってから来るのであっても決して遅いわけじゃないのですから自分みたいに色んなものを犠牲にしてくることはない言いたいです海外にいた結果、自分も祖母の葬式には行けませんでしたし、両親の死に目に間に合わなかった人もたくさん見ています。あらゆることを考慮した上で、海外転職は考えるべきでしょう。

2013年3月7日木曜日

北朝鮮の休戦協定白紙化宣言について

 友人から直々にリクエストが来たので本日は北朝鮮が5日に発表した、朝鮮戦争の休戦協定を白紙化するという宣言について自分の意見を紹介します。発表当日の5日から少し時間が経っていますが、元々このブログはワンテンポ遅れてからじっくり解説するのがスタイルですし、そういう意味ではいいタイミングです。

 まずこの休戦協定ですが、この場合の北朝鮮のカウンターパートは米国と韓国です。そもそもこの白紙化発言は北朝鮮側の言い分によると、米韓の合同軍事演習に抗議するためだとしており、期日は今月11日以降、つまり今度の月曜日以降となります。
 期日に関してはどうして11日を選んだのかはわかりかねますが、休戦協定の白紙化というかなり踏み込んだ行為に出てきたのは米韓の合同軍事演習だけが原因ではないでしょう。そもそも合同軍事演習自体はこれまでも何度も行われているだけに別の何か、具体的にはやはり前回に強行した核実験とそれに伴って国連で採択された制裁強化により態度を硬化したためではないかと思います。

 では白紙化されることによってどんなことが起こるかですが、現時点ではまだ何とも言えません。仮説をいくつか挙げると、いつもの様な瀬戸際外交よろしくより危機感を煽って交渉で譲歩を引き出す戦略なのか、続けての核実験を強行するのか、はたまた嫌がらせにまた韓国の領土や艦船に遠距離射撃を実施してくるのか。もちろん、一番いいのは何も起こらないことですが。

 それにしても休戦協定の白紙化とは随分と踏み込んだ内容のように思えます。ただ日本としては既に行えるだけの制裁をやり尽くしている感があるだけに特に新たな対策はほぼありません。一方、国連の安保理ではこれまで何度も北朝鮮をかばってきた中国の外務省に当たる外交部がかなり早い段階で制裁決議に同調すると発表しています。

外交部:朝鲜半岛应以和平机制取代停战机制(北京晨報)

 自分のバックグラウンドもあるためやや中国に沿った解説となりますが、やはり今回のこの行動は中国側も相当怒り心頭に来ているように思えます。というのも中国では今週から日本の国会に当たる年に一回の全人代が開催され、習近平体制も今回の国家役職任命を経て正式にスタートするわけです。そんな晴れの舞台、しかもやや緊張した状況下でほぼ間違いなく確信犯で北朝鮮がこんな宣言をしてきたことに対し、中国政府内でも反感が芽生えているのかもしれません。
 もっとも、反感という意味では北朝鮮でも同じかもしれません。というのも金正日政権の頃は中国に対して警戒をするものの一定の譲歩というか気遣いはありました。しかし金正恩政権になってからは中国に対する意識はほとんど見られず、まさに傍若無人な行為ばかりが目立つようになってきました。

 だからといって中国は北朝鮮に対する軍事制裁に同調するかと言ったら、さすがにそれは望まないでしょう。それは米国、韓国、ひいては日本も同様で、各国の思考としては如何に難民を流出させず資本主義化させるかの一点に尽きます。それにしても、中国が北朝鮮を資本主義化させたいっていうのもなんだか妙な言い方です。

2013年3月6日水曜日

陽月秘話、約2年ぶりの復活!\(^o^)/

 昔からの読者の方々、並びにgooブログの陽月秘抄から移って来た方々、この記事を読んでいる方には恐らくこの2種類の方々が大半を占めるかと思いますが、こうしてまたbloggerの陽月秘話を再開することになるとは管理人の自分にとっても意外で、なおかつ感慨深いものがあります。

 このブログは2010年の12月から私が中国で働くことになったものの、中国ではbloggerに対するアクセスが禁止されていたため泣く泣く更新を停止いたしました。その後、中国でもアクセスできるgooブログにプラットホームを移して「陽月秘抄」として記事の更新を行うようになったのですが、今年2月に日本に帰国し、アフィリエイトサービスなどを利用するに当たりあまりにも仕様が制限されることからこうしてまたbloggerに舞い戻ることとなりました。
 我ながら自分の無計画さに色々呆れてくるのですが、元々このbloggerは他のブログと比べて構造が非常にシンプルで、徹底したシンプルにこそ機能美は宿るというダイハツ・ブーンのキャッチコピーに共感する自分にとってはやっぱり使っていてそこそこ愛着を感じます。

 あと地味に、過去記事を右バーにあるツリーで見出しから検索できるのが非常にいいです。何故かほかのブログはこの機能を初めから持っておらず、こんな便利なのにどうして採用しないのかなかなかに不思議です。
 それにしても記事入力画面も昔と違ってなんていうかシンプルになっていて、なんか書いてて前と違うなぁとつくづく思います。地味にこの入力画面の構成から入力文字数とか推量するために、恐らくこれからしばらくはやや短めの記事が増えてくことでしょう。むしろ「陽月秘抄」に移ってからは長くダラダラした記事が増えていたから、ここで短めを意識した方が文章が締まってくかもしれません。

 そんなわけで心機一転、また陽月秘話を今後ともよろしくお願いします。

2013年3月5日火曜日

中国の大気汚染と石油会社

 あいも変わらず報道が続いている中国の大気汚染のニュースが続いているのでちょっと向こうの石油会社の事情を書いていきます。

 中国には半国営の巨大な石油会社が3社あり、片っ端から挙げると中国石油天然気集団公司(中石油、ペトロチャイナ)、中国石油化工集団(中石化、シノペック)、中国海洋石油総公司(中海油、CNOOC)となります。一つ一つちょこっとエピソードを書いていくとペトロチャイナな数年前に株式をB株で公開して有望銘柄として当時に大きく注目され、うちのお袋も確かこの頃に売り抜いてます。あとCNOOCはつい先日にカナダのエネルギー企業、ネクセンを中国企業の海外買収としては確か史上最高額となる151億米ドルで買収しました。シノペックはなんも思い浮かばないな。
 これら石油大手3社は中国国内、ひいては海外での石油探査、発掘、精製まで、それこそ川上から川下まで幅広く事業を行っているのですが、彼らが何故大気汚染と関係するのかというと、中国国内で流通する自動車用ガソリンなども作っているからです。

 中国の大気汚染は複数の要因があるため一概に何が最大の原因とは言い切れないのですが、都市部においては近年急増している自家用車の排気ガスが少なくない影響を与えております。それもそのはずというべきか中国は昨年も一国の自動車市場として世界最大で、私もレポートを書いておりますが2012年は1930万台もの新車が販売されております。たった一年で1930万台もの車が増えたのですから、いくら国土が広いったって排気ガスの増加量は半端じゃないでしょう。
 ただその排気ガス、元々の生成原料は燃料ことガソリンです。このガソリンがなかなかに曲者というべきか、中国で流通しているガソリンは日本のガソリンと比べて鉛や硫黄の含有量が多く、私も報道ベースでしか確認してませんが単位量当たりの汚染物質排出量では日本製をはるかに上回ると言います。それ故に中国の各地方政府は独自に自動車用ガソリン規格を定め、たとえば北京では「京5」などと基準を作り徐々にガソリンの鉛、硫黄含有量の低下を図るほか、燃費効率が悪く汚染物質の排出量の多い旧型車の淘汰(買い替えに補助金を出すなど)を進めております。

 それで話は石油会社に戻りますが、率直に言って上記の大手企業はガソリンの品質向上にあまり乗り気ではありません。品質を向上させるためには新たな設備投資が必要ですし、小売先となるガソリンスタンドなどともいろいろ協議する必要があり、大気汚染が悪化しようが日本をはじめとする先進国並みの品質に高めようとする気はほとんど感じられません。そう思う根拠として先日に読んだ中国の記事で、確か中石油だったと思うけど堂々と、「中国のガソリン品質の向上速度は決して遅くない」と言ってのけて、いくら先進国と品質面で差があるとしても、これまでも品質向上にはちゃんと取り組んでいるという主張を展開していました。
 経営的な判断からすれば上記のような中石油の主張もわからないでもなく、また日本も東電というとんでもない企業がいるわけだし「これだから中国企業は」などという批判は少しし辛い気がします。ただ先にも書いた通りに中国は今や世界最大の自動車市場です。そうしたことを考えると日本から技術を購入して積極的に導入してはどうだと、あくまで助言するような感じで強く主張してもいいかなとも思います。汚染された空気の直撃を受けるわけだし。

 なお汚染空気の話だとハマコーこと浜田幸一氏が生前、「俺の地元の千葉県は東京で汚染された空気を受けているんだから、補助金でもなんでももらって何が悪いんだ」とテレビで言っておりました。この浜田氏の意見は決して間違いではなく、昼間に自動車の排気ガスなどで汚染された空気は風にはこばれ西から東へ、千葉県へちょうど直撃する形で運ばれてきています。環境問題のミソというのはまさにこういうところにあり、加害者と被害者があまり一致しない点にあります。まぁその辺を中国に理解しろというのも、国境をまたぐもんだからなかなか難しいのではありますがね。

2013年3月1日金曜日

千載不決の議

 中国史に詳しい方なら一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、世間一般にはあまり知られていないと思うので今日は宋代における「千載不決の議」を解説します。

千載不決の議(Wikipedia)

 この千載不決の議とは10世紀の中国を支配してその後も長期政権を維持した宋の時代における皇帝継承問題というか事件のことを指します。主役は初代の趙匡胤と、その実の弟である趙光義の二人です。

 趙匡胤は元々、宋の前身にあたる後唐という軍閥の将軍でした。しかしある日、部下や弟に無理矢理推薦される形、恐らくは非難を免れるために敢えてそういう形を取ったのでしょうが、主君を裏切り自らが軍閥の主にのし上がって皇帝へと即位しました。ただ彼の簒奪はほかの政権とは違って、後唐のラストエンペラーこと恭帝とその一族は殺したりせずにむしろ積極的に保護しております。まあその恭帝自身は7歳の頃に簒奪された後、21歳で若死にしてますが。
 また趙匡胤は本人がもともと軍人出身だったにもかかわらず自分が政権を握るや軍部の勢力を徐々に削ぎ落とし、逆に文官の権限を大きく拡充するなど文治政治を展開します。この政治姿勢は徹底されており、後継の皇帝達に対して石刻遺訓という碑文を残し、その碑文中には「言論を理由に士大夫(官僚/知識人)を殺してはならない」と書かれ、自由に議論をさせるようにと伝えています。このような人物だったことから趙匡胤の評価は現代においても高く、私自身も好感が持てる人物であります。

 ただそんな趙匡胤は皇帝即位から16年後に死去するのですが、その死因が非常に怪しいというかあからさま過ぎて「千載不決の議」、つまり千年議論をしても結論が出ない死に方となっているのです。
 趙匡胤は976年に死去しているのですが、その様子について後代の歴史書はただ「死んだ」とだけしか書かず、具体的な記述がほとんどされておりません。巷間で伝えられている内容では雪の降るロマンチックな夜、趙匡胤は弟の趙光義と共に兄弟水入らずで酒を飲んで夜を明かしたところ、朝になって趙光義が起きたら趙匡胤は既に死んでいたとされています。元々、趙匡胤は大酒のみであったことから深酒による脳溢血ではないかという説もあり、この後に何もなければそういう風に信じられていたと思います。そう、本当に何もなければ……。

 もったいぶらずに書くと、初代の趙匡胤の死去後に皇帝に就いたのは既に成人していた彼の息子ではなく、なんと弟の趙光義でした。しかも趙光義は皇帝位に就いた後、ちゃっかり本来跡目を継ぐとみられていた趙匡胤の息子を自殺に追い込んで、自分の後には自分の息子を皇帝にしております。こうした即位形式は以前にも全くなかったというわけではないのですが趙匡胤の曖昧な死に方といい、宋代にあってもおかしな即位の順番だと批評されており、早くから「弟の趙光義は兄を暗殺し、皇帝位を簒奪したのでは?」という噂が出ていたようです。仮に趙匡胤と趙光義が昔から仲が悪かったらほぼ疑いようもなかったでしょうが、一応この兄弟は若いうちから一緒に頑張って来ていたこともあり、またはっきりと暗殺したことを指摘する歴史書もないことから真相は藪の中のままです。

 私個人の意見を言わせれば、誰がどう見たってこれは弟がやっぱり暗殺してるでしょう。疑わしきは罰せずとは言いますが、歴史評価においては確かチャーチルが言ってた言葉だと思いますが、「政治の世界に偶然はない」です。
 もっとも、こうして2代目皇帝に就いた趙光義こと太宗は若い頃から揉まれていただけあって皇帝としての仕事を着実にこなし、中国の再統一も見事に果たしております。これで施政も悪かったら完全に暴君扱いされたでしょうがやることはやってるだけに、「千載不決の議」ってことになってるのでしょう。

2013年2月28日木曜日

ジョジョ第五部における「覚悟」とはッ

 先日に後輩当てのメールでもやたら濃い内容で送りましたが、まだその熱気が冷めないのでブログにも書くことにします。

PS3「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」第3弾PV(Youtube)

 バンダイナムコが作っているこの新たな「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」というゲームがなんか面白そうです。これまでに公開されている映像ではツボを押さえているというか原作漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の名セリフをきちんと再現しております。それにしても声優たちも、「オラオラオラオラ」とか「無駄無駄無駄無駄」とやたら叫ばないといけないのは北斗の拳並に大変だと思う。

 上記にリンクを貼ったのは第3弾のPVですが、このPVの最中にジョジョ第5部の主人公であるジョルノ・ジョヴァーナが登場し、「覚悟とはッ、暗闇の荒野に進むべき道を切り開く事だッ!」というセリフを発します。ちなみに声優は浪川大輔氏で、なんか最近見るアニメ全部にこの人出ていて売れてるなぁって印象があります。昔は「嘘だと言ってよバーニィ」って言ってたのに……。
 話は戻しますが、ジョジョ第五部ではこの「覚悟」という言葉が非常に多く出てきます。たとえばシリーズ屈指の人気キャラクターであるブチャラティも敵のマフィアもろとも走行中の電車の外に飛び出す際に、「任務は遂行する、部下も守る。両方やらなくっちゃあならないってのが幹部の辛いところだな。覚悟はいいか?オレはできてる」というジョジョファンにとって有名なセリフを発します。

 この覚悟という言葉、多分起業してフリーの立場になったからこそでしょうがなんかこのところずしんと腹に来ます。それこそ最初のジョルノのセリフをPVで聞いた際には鳥肌が出るような感覚を覚え、自分が言いたいことがこの一言に凝縮されているように思えました。
 私の言葉で直すと、覚悟というのは複数ある選択肢の中から何か一つを腹括って選ぶ様なものではなく、選択肢すらない追い込まれた状況下、現状より苦しい立場に追いやってでも可能性を信じて実行するということを指すと思います。それこそジョルノのセリフにあるように「暗闇の荒野」における行動のような。

 ここだけの話というか、自分もはっきり言って起業なんかしたくないと思っていましたし現時点でも早くやめたいと思って仕方ありません。ならなんで実行するに至ったのかと疑問に思われるでしょうが、私に言わせればほかに選択肢がなかったというべきか、自分が起業しなくても誰も損することはないが誰も得することもないでしょう。一方、起業しても損する人は自分以外誰もいませんが、まだ得するというか現代の自分を含めた若者に対して何かしらの効果がまだ期待できるのではないかという思いがあるからです。そして少なくとも、上手くいくかどうかは別として自分が会社を立ち上げようと思えば起ち上げることが出来る立場だったこともあります。

 そんなわけで年食ってきたせいか、このところまた違った意味でジョジョを楽しんで読めるようになってきました。さすがにブチャラティみたいな「覚悟」まではとても持てませんが、ひとしきりの覚悟をもって行けるところまで行ってみようというのが今の本音です。

  おまけ
 最近後輩へ送るメールのタイトルにジョジョのセリフを付けるようになり、これまで使ったことがあるものは以下の通りです。

・かかったなボケが、オラオラオラオラ!
・アツアツのピッツァが食いてえ
・最高にハイって奴だぁー!
・覚悟はいいか、俺はできてる
・康一君…君は本当に頼もしいヤツだ
・いいや限界だ、押すね!

 意味わかんない人が見たらスパムメールにしか見えないタイトルがずらり。しかもさりげなくブチャラティのセリフも使ってるし……。 

2013年2月27日水曜日

アベノミクスに対する評価

 このところ身の回りと中国の話ばかりしてきたので、久々に国内の大きな話題ことアベノミクスを取り上げようと思います。まずこのアベノミクスという言葉ですが、もはや世界語になったと言っても過言ではないでしょう。中国のニュースでも「安倍経済学」という訳し方がされて頻繁に出てくるほか、G20関連の英字系ニュースでも読者が知っていること前提で多用しています。
 そんなアベノミクスの具体的な定義ですが、基本となるのは「デフレ脱却のためにありとあらゆる手段を使う」という点でしょう。これまで金融緩和に慎重、というよりインフレになるくらいならデフレがいいと思っていた日銀の方針をひっくり返し、インフレになるまで金融緩和をし続けるという単純かつ強烈なメッセージを出したことから昨年末から急激な円安が続いており、私の周囲でも1米ドル=100円超えも有り得るのではないかという声が出ております。

 ただこの急激な円安、各方面というか日本の競争相手国からは不評です。真っ先に文句を言ってきたのは自動車をはじめとした輸出産業が競合しているドイツで、続いて韓国、そして現在では中国なども「日本の政策が世界に為替競争を生み出す」などと言って批判的な論調が出ております。しかしこの問題で一番文句を言ってきそうなアメリカは特に批判せず、むしろ円安によって日本経済が復活することを期待するかのようなエールをオバマ大統領が出しています。
 こうした態度をアメリカが取る背景には単純に、TPP交渉が影響していると私は思います。アメリカとしては為替には目をつむってやるかわりにTPPに日本は参加するべきだというスタンスで、安倍政権もそれを呑む方針であるため先のG20でも日本の円安が大きな議題にならなかったというか日本は批判を受けなかったのだとにらんでいます。

 そのG20に対する反応ですが、中国の経済紙では「安倍の一人勝ち」という見出しを取り、本来批判されるべき日本の行動が全く批判されず容認されて、これでは大問題だとばかりの主張が載っておりました。まぁ「一人勝ち」というのは間違いじゃないと私も思いますが。
 もっとも為替に関してあまり日系メディアは言いませんが、一番操作しているのはどこかと言ったらほかならぬアメリカ自身でしょう。金融緩和を取り続けて米ドル安に誘導しているほか、有り余った資金が先物取引市場に流れ込んで数年前から大きな混乱を招いております。私としてはそんなアメリカに為替誘導がどうのこうのと文句を言われる筋合いはないと思うのですが、腐っても世界最強国ですし表だって批判できな日本とほかの国々の政府の気持ちは理解できます。

 あとG20で日本が円安で批判されなかったポイントとしては、あくまでデフレ脱却のための国内政策を実行したら円安になっただけで、円安に誘導する為の政策を直接的に実施するつもりではないというスタンスだったからだという気がします。仮に今回日本が批判されれば、今後デフレ脱却策を実施する国は同様に批判を受けざるを得ず、そうした悪しき慣例を作ってはならないという判断もあったのではとも、これは素人考えですが思います。

 ではそんなアベノミクスに対する私の表かですが、確か以前に書いた記事でも似たようなことを書いていますが基本的には全面支持です。デフレを脱却することが物事すべてをよくするための必要条件であり、これをはっきりと政策目標に掲げたことは非常に合理的です。しかし前にも書いた通りに付随効果として円安が進むことによって貿易赤字はどんどん拡大するため、政策猶予は以って2年。この2年の間にどれだけ輸出産業を持ち直せるかが重要です。逆に持ち直せなかった場合、どうなるか自分もちょっと聞いてみたいです。