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2015年7月2日木曜日

中身の見えない安保関連法案について

<鳥取砂丘>花火残骸投棄「自分がやった」自称大学生が謝罪(毎日新聞)

 昨日私も取り上げた鳥取砂丘にロケット花火の残骸が900本も放置されていた事件ですが、犯人が自ら出頭してきて謝罪したそうです。記事によると犯人は「勝手に捨ててはいけないとは知らなかった」などとはっ倒したくなるようなことをほざいたようですが、それでもきちんと自ら名乗り出てきたのは評価でき、これを機にちゃんと常識を持つよう努力してもらいたいものです。

生活「苦しい」、過去最高62.4%=平均所得は1.5%減―厚労省調査(時事通信)

 こちらは特に大したニュースではないのですがこのニュースを読んで最初に浮かんできたこととして、「私の家計も非常に苦しい」などと、また空気を読まずに鳩山由紀夫首相が言っているような気がしました。こづかいくれる母ちゃんもいなくなったし。

 そうしたニュース雑感を経て本題ですが、今国会で一番議論となっている安保関連法案ですが、正直な気持ちを述べるとこれまでているどの報道を見てもこの法案の中身が一体何なのか、さっぱりわかりませんでした。単純に私が勉強不足なだけかもしれませんが、この法案審議を巡るニュース記事を読んでいるとなんかふわふわとした印象を覚え、恐らくというか間違いなくでしょうが記事書いてる記者連中もまともに理解している人はいないのだと思います。
 それが如実に出たのは憲法学者三人が参考人招致された時の報道で、三人とも安保関連法の改正案は憲法違反になると述べたという事実のみしかどこも報じておらず、一体どこの部分がどういう解釈と一致しないのか、そうした具体的な相違点についてまで言及した記事はついぞ見当たりませんでした。仮に自分が前の職場であんな記事書いてたら、「何が問題なのか全然分からねぇじゃねか!」と編集長に怒鳴られて、物投げられるかぶん殴られてただろうと思くらい、こういってはなんですがどれもお粗末な記事でした。

 またこの法案を巡る報道についてもう一つ述べると、どのメディアも印象論というか、書く政治家の言葉の端々を切り取ってしか報じないパターンが多いです。野党はこう批判した、安倍首相はこういったというものばかりで、肝心の法案の中身は全く見えてきません。まぁ理解してないんだからしょうがないだろうけど。
 それ以外にも一部メディアでは世論調査も実施していますが、そもそも有権者はこの法案の中身をきちんと理解しているのかというとすごく疑問です。そう思っていたらFNNが理解しているかどうかも調査しているかどうかも調査していて「集団的自衛権の行使容認を含む同法案の内容については、『よく理解している』が6.3%、『ある程度理解している』が50.0%に達した。」と書いていますが、ちょっとこれは俄かには信じがたい数値です。ちなみに各社の調査データは下記の通りで、いつも通りですが各社の傾向がよく出ています。こういう政治系の話題だと、案外信頼できるのは日経新聞だったりする。

FNN(産経新聞) 安保関連法案が必要:必要ない=49.0%:43.8%
日経新聞 安保関連法案の今国会での成立に賛成:反対=25%:57%
朝日新聞 安保関連法案の今国会での成立に賛成:反対=23%:60%

 話は戻りますがとにもかくにもこの安保関連法案は中身が全く見えてきません。メディアの報道を見ていてもわからないのは記者が理解していないせいですが、政府もあまり説明しようとしないのは詳しく説明したくないというのが本音だからのように見えます。本来ならその点をメディアがきちんとつかないといけないのですが、ただ「政府は説明不足だ」としか言わないのも聞いてて「お前もな」と言いたくなってきます。
 そんなわけでどこぞに詳しく解説してくれる人でもいないのかとネットをさまよったところ、なんといました。

シリーズ続・集団的自衛権 安全保障関連法案とは何か? (1) (2) (3)

 どういった方が書いているのかまではわかりませんが、この方の書かれている説明が一番わかりやすく私の腹の中にストンと落ちてきました。ここの説明ではこの議論の背景から改正ポイント、論点まで詳しく書いてくれているので私の様にまだ詳しく理解してない方には本当にお勧めです。
 しかもここの説明では「何故理解できないのか」という理由についても説明されています。その解説によるとこの安保関連法案では、以下の計十本の重要な法律をまとめて改正しようとしているためややこしくなっているそうです。

<安保関連法案に影響を受ける法律>
・自衛隊法
・PKO協力法
・周辺事態法
・船舶検査活動法
・特定公共施設利用法
・国家安全保障会議設置法
・武力攻撃事態法
・米軍行動関連措置法
・海上輸送規制法
・捕虜取扱い法

 どれもなかなか重要な法律ばかりなだけに上記の解説者は、まとめて改正審議するのではなく一本一本別々に審議するべきだと述べていますが、私も全く以って同感です。まぁ敢えてわかり辛くしてなんとなく通させるというのが安倍政権の狙いだということはわかってますが。

 以上までが安保関連法案の中身が見えない理由とその背景ですが、今日はもういっぱいいっぱいなのでまた明日にでもより細かい論点と私の立場を紹介します。
 最後にこの法案は中国でも注目されているというニュースをひとつ紹介しておきます。

中国国営放送にガンダム出現、自衛隊を紹介するVTRでナゼ?(TBS)

 なんでもこの関連法案を特集した番組の最中に何故だかガンダムが一瞬映り、「日本は既にモビルスーツを量産しているのか」などと中国のネットユーザーを大いに笑わせたそうです。ただ放映日が違うのでこの番組ではないのですが、昨日私がラーメン屋で飯食ってる最中にテレビ見ていたらその時もこの安保関連法案に関する特集番組が放送されてました。
 下手すれば日本以上に中国の方がこの議論に注目しているのかもしれませんが、昨日見た特集でも何故だか米軍の兵器がやたら映ってて、映像編集適当だなと思いました。更に言えば、どうせ自衛隊を映そうってんなら、「日本は芸能人ですら特殊部隊の訓練を受けている」と紹介して下記の動画を流すべきでしょう。多分これ見たら中国人も、「日本はやばい」ってことがよくわかるはずです。


2 件のコメント:

おでこ さんのコメント...

1972年の政府見解も結局は解釈であって、40年を経過し、取り巻く国政情勢変化を受けてその解釈を変更、という理屈は通るものと思っています。
環境が変われば解釈も変わる、です。
ただしリスクは増大するのだからリスクを提示し、その代わりにどのようなメリットが生まれるかを説明すべきとの参考サイトのご意見には同意します

花園祐 さんのコメント...

 私も必要に応じて改正するなら改正するで問題ないとは思ってはいるのですが、今回の改正案は詳しい説明もなければ議論も足りておらず、明らかに何かしらの意図をもって法案を通そうとしているので反対です。同時に、この記事で紹介した解説者さんは非常によく解説してくださっていますが、大手紙の政治部の記者らは何をやっているのか見ていてつくづく呆れてきます。