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2018年6月5日火曜日

何故問題が放置されるのか

 このところのスバルやレオパレス、スルガ銀行のニュースなどを見て、何故これら企業の問題が長年にわたり放置されてきたのかという疑問をよく感じます。何も今に始まるわけじゃなく、昔からこのような企業不正は後を絶えないと言うこともできるのですが、スバルを除けば隠れてやっていたわけじゃなく割とオープンに不正をやらかしており、尚且つ不正の期間も長いのが個人的に気になります。特にレオパレスなどはその壁の薄さはもはや一般常識と言っていいほどで、今回の問題も施工会社が全国各地に散らばっていることを考えていると関与者も多く、よく今まで明るみに出なかったものだと逆に凄いと感じます。

 これら企業不正に限らず年金問題やマイナンバー関連など、日本では往々にして問題が先送り、放置されやすい傾向が強いです。一方ですぐ対策取れるような些末な小事ほど、国も企業もやたらやる気を出して全力で取り組もうとするように見えるのですが、結論から言えば力の入れ方が明らかに間違っています。
 こうした、厄介な問題を先送りにすることは恐らく日本に限るわけではないとは思うものの、先送りにしたところで何か解決するわけでもなく、その負担はむしろ利息付きで後の世代に引き渡されるも同然です。果たしてこんな状況でいいのかと言っても、「でも誰も解決できないんだから仕方ないじゃん」って返事がきちゃいそうです。

 何故こうした当たり前のことを今回書くのかというと、中国の政策を見ているとちゃんと問題に向き合って解決しようと取り組む姿勢が見えるからです。最初は2~3年くらい懲役のつもりで中国に行こうとしたらもはやそこそこ長く住むことになった私だから言えると思いますが、この10年で中国の環境は劇的に改善しつつあります。上海市内でも青空をみえる日は年々増えており、また自動車の排ガスも以前は鼻を突くにおいが目立ったものの最近は軍や警察の車両を除くとそういうのはあまりしなくなりました。
 もっとも地方いったらまだまだ環境汚染が続いているとは思いますが、国の政策をみればやはりまだ中国はこうした問題に取り組もうとしていることが分かります。例えば環境規制の違反に対する処罰は現在間違いなく世界屈指の厳格な内容となっており、申告や対策が1日遅れるごとに罰金額が毎日一定額追加されていくという恐ろしい内容になっています。実際、こうした規制が功を奏して末端の中小企業などでもしぶしぶ対策を取るようになってきているそうです。

 また財政問題に関しても、中国の場合は中央国家財政は黒字というか歳入が年々増えている状況で今も昔も日本と違ってほぼ全く問題ありませんが、地方に関しては実態に即したデータを出さない等、見えないところで地方債務を増やしているなどと言われリスクがあります。
 この点に関しても最近の政策を見ていると、地方自治体の財務申告方式や調査方法などを細かく指示するなどして、見えないものを見ようとする意気込みが感じられます。一方の日本は、ただでさえ財政は大赤字だというのに低所得者の学費を免除するとか言い出すなど、不正なプロセスで獣医学部を追加した大学を取り潰すなどすることで持ち金を用意してから言えと言いたくなるような政策案が今日も飛び出してきました。

 何もこうした政治上の問題に限らないですが、私はよく「もっと現実を直視しろ」と周りに行っています。個人の人生でもそうですが、遠すぎる未来を心配したり、よかった頃の過去に浸っていても現状は何も改善しないし動きません。それであればもっと現状を見て、今何を優先して取り組むべきなのか、今のうちにやっておくべきことは何なのかを考えてそれをすぐ実行することの方がずっと建設的です。

 つい先月にも日本で知人に、「日本の大学生に今何に関心があると聞いたら、大抵は就職と年金と答える。就職はまだしも、年金なんて40年以上先の未来について心配したところで何もプラスはないし、今この瞬間が見えていない証左でもある」と言ってきましたが、過去も未来も気にしたところでほぼ何もメリットは存在しません。数年先の未来ならまだしも、今この瞬間の現実を何よりも重視する人間こそが一番強いのだと私は考えています。

 こんなこと言ってるからかもしれませんが、「花園さんは将来年金とかどうすんですか?」と、私自身は気にしてないのに周囲からやたら私の将来について心配が寄せられています。 「いざとなれば生活保護あるでしょ?」と言ったら、「日本に税金も払ってないくせに」と言い返されたこともありますが、ここまで極端じゃなくとももっと将来を気にせず、今この現在を大事にする姿勢は日本人に求められていると思います。
 せめて問題の解決に直接取り組まなくとも、今の日本にどういう問題があって何が最も優先されるべきなのか、そういうのをもっと考えてもらいたいなとこのところ日々思います。

4 件のコメント:

ルロイ さんのコメント...

つまるところ、失敗に対する風当たりの強さと、自分の頭で考える訓練の乏しさに集約されるのかなぁと思います。
難しい課題は失敗する確率が高いので、誰も手をつけたがらないし、現状を分析して必要な対策を取るというシークエンスを学校教育で学ばないので目の前の現実の対処ができないというか。
とにかく無難な安牌だけを切り続ける人生を歩みたい人は団塊が引退して減ってきましたが、今度は合理的な理由がなく気分や趣味で行動を起こす世代が台頭してきて頭が痛いです。

花園祐 さんのコメント...

 おっしゃられている内容に同感ですね。特に、リスクを嫌って手を出さないという面が大きいと思います。

>合理的な理由がなく気分や趣味で行動を起こす世代が台頭
 
 こちらに関してはSNSの炎上によく表れていますが、非合理的な行動を何故か取る人間は不思議なくらいに増えている気がします。すべてに無駄のない行動というのも不気味ですが、無駄でしかない行動を何故率先してやろうとするのか、誰か研究とかしてないかな。

片倉(焼くとタイプ) さんのコメント...

とあるTV番組で、将来国民年金がもらえなくなるので個人年金保険に加入したという女子大生が
いました。 私は国民年金がもらえなくなるとは思っていません。なぜならば霞が関の高級官僚
も公務員であり国民年金に加入しています。 官僚は自分たちの年金を守るために必死になるはず
です。 本当に国民年金がもらえなくなり高級官僚ですら食うに困るような状況では、個人年金
保険の満期金があっても意味がないです。そのような経済状況ではスーパーやコンビニなども
機能していない可能性が高く、札束はあっても買い物ができません。物資の略奪が横行し、
某世紀末格闘漫画のような世界になるかもしれません。
私は国民年金が破綻すると確信した場合は拳法を学び、ボウガンや斧を買い、略奪に備えます。
またモヒカンのかつらをかぶり、肩パッド付革ジャンを着て、自分を強そうに見せます。

花園祐 さんのコメント...

 一応、公務員専用年金だった共済年金は3年前に厚生年金に統合されてはいますが、官僚のことだからまた別途手当とか作ってんじゃないかなぁと疑っています。ちなみにここだけの話、自分も年金は中国に飛び出してから一切払っていません。中国側にはいろいろ税金払っているんですが( ;∀;)