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2019年7月28日日曜日

変化そのものを敵視する日本人

 先日、知人の中国人と日韓関係の悪化について話題が及んだ際、「根本的に韓国人はプライドが高いから格下に見られることが我慢できないのだろう」と私が話し、そのまま続けて、「一方、日本人は平穏を至上とするため、変革を起こそうとしたりする相手に対して強烈な敵意を抱くことが多い」となんの気もなく述べた所、案外いいところを突いているような気がしました。

 以前このブログで、日本と米国の創作ヒーローの大きな違いとして、米国のヒーローは理想の実現を目指して行動するのに対し日本のヒーローは特に理想は持たず、平和な日常を守ることを第一に行動する。そのため、日本のヒーローが相対するのは基本、日常を乱そうとする連中となり、見方によっては敵側の方が理想というか次の新たなビジョンを持っていることが多いということを書いたことがあります。上記のような背景から、日本のヒーローと同じように基本巻き込まれ型の主人公であるスパイダーマンは日本でも人気を得やすいのかと考えています。

 話は戻りますが、やはり先程の私の見方といい日本のヒーロー像といい、日本人は根本的に平穏を守ることを第一の目的として持っていると思う節があり、今現在よりもいいライフスタイルが得られるかもしれないけど、それが何がしかの変化を伴うものであれば拒絶するようなところもあるのかもしれません。いわば変革そのもの自体を嫌っており、変革しなければ死ぬことがわかっているのしても、場合によってはそれでも変革を拒否する可能性すらあります。
 また企業活動などを見ていても、どうしても変革に迫られる場合は、その変化の速度をなるべく落とそうと、段階的にだったりスピードダウンさせようとする動きもあるように見えます。少なくとも、「やること決まってるんだしテンポアップしよう!」というセリフは、普段日本人から聞くことは私はありません。旅行の日程でも、9月に行くか10月に行くか二つの選択肢を用意したら私と違って十中八九10月を選ぶと思います。
 なお何故私は9月を選ぶのかと言うと、なにかトラブルがあって行けなくなった場合、9月だったら10月に変更可能なのに対して当初10月を選択すると逆はないからです。

 では、そもそも何故日本人は変化を嫌うのか。一つは変化そのものへの対応が鈍く、できることなら今現在の状態を維持したいという意思が強いことと、もう一つとしては変化しないことが正しいという概念があるように見えます。いわば、いい大学(高校)を出て、大企業に就職し、終身雇用で働き、マイホームを買ってという、完了がよく作る人生すごろくのようなレールに乗った人生こそが至上の人生で、一つでもレールを外れたら全否定するように、定まった生き方を幸福モデルとして持っていることも大きい気がします。
 何も日本人でなくても、変化の激しい人生は誰もが嫌がるでしょう。ただ日本の場合は先程の人生すごろくモデルを、実際には現在もはや達成困難だし完全に崩れたモデルであるにも関わらず、未だ捨てきれずに幸福モデルとして持ち続けて自縄自縛に陥っているようにすら見えます。まぁある意味それが理想だというのなら、理想を必死で追いかけているというふうにも見えなくもありませんが。

2 件のコメント:

ルロイ さんのコメント...

日本人は何故変化したがらないのか…ということなんですが、たぶんそもそも判断基準を他者に求める傾向が強いからなのかなと思います。
自分で考えて自分で決めるより、より詳しい人に聞いたり、マニュアルや教科書に頼ったり、前例を踏襲した方が良い、という価値観があるのかなと。
ゲームを攻略本通りにプレイしてクリアしたら終わり、みたいな考え方ですね。

特定のロールモデルがあったら、とにかくその通りにすることだけを考えればいいという視野と思考の狭さが日本人の欠点かなぁと感じることは多々あります。何を目的に行動するかよりも、何に従って行動するかが大事なんですよね。
新しいロールモデルが現れたらそれに飛び付くので、必ずしも変化そのものを嫌うのではなくて、権威があるものがお墨付きを与えた信頼できるものであれば変化を受け入れるという、主体性のなさが特徴なのかなと思ってます。
逆に権威のない、信頼のない者がいくら正しいことを言っても頑なに変化を拒むという側面がありますね。

花園祐 さんのコメント...

 ロールモデルが日本人には極端に大きいですよね。なのに種類はそんなに多くないという。
 おっしゃるとおりに、権威を持ったロールモデルへの変化であれば、日本人は抵抗なく受け入れるところがあると思います。企業形態や内部統制とかも、割とそういう流行に左右されるところが多いような。