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2021年9月13日月曜日

伊達記事の裏側

中国で馬賊になった伊達政宗の子孫、その豪快すぎる一生(JBpress)

 というわけで今日配信された自分の記事ですが、朝から見ている限りランキングは2位で、多分終日ランキングでも2位でしょう。1位は田中美蘭さんのDHCの韓国市場撤退に関する記事で、確かに内容的にこっちの方が価値が高いと自分も感じます。

 それはさておきこの伊達順之助ことダテジュンの記事ですが、真面目にこの記事は自分を含めごく限られた人間、下手したら一桁程度の人間にしか書けない記事内容だと考えています。というのもこの記事、紹介しているダテジュンは日本人ですがその活動は中国が中心であり、尚且つ存在自体かなりマイナーな人物です。自分もつい先日に趣味で買った、参考文献に挙げている「華族総覧」という本で初めて目にし、ネットで検索してもWikipedia二は記事あるけどそれ以外の言及となるとほとんど見られなかったことから、記事化でできると判断するくらいレアポケモンな存在の人物です。
 そんなダテジュンの記事を何故自分などごく限られた人間にしか書けないのかというと、突き詰めて言えば中国語で資料が読めないと事実内容が追えないというのが根拠です。

 前述の通り、ダテジュンは結構昔の人物で、彼の長男が書いた史料などはありますがその足跡を追った資料となるとかなり限られてきます。また書籍ならまだいくつかあるものの、ネット上となると彼に関する日本語での言及はほとんどなく、私が記事で言及した掖城事件についても、Wikipediaでは足跡欄に一文だけ入っていますがその詳細に関しては一切触れられていません。
 では何故掖城事件に関してここまで私が書けたのかというと、中国語のウェブサイトを読むことができたからです。参考文献に中国版Wikipediaこと百度百科も入れていますが、これ以外にも掖城事件に関しては地元なだけに紹介している中国記事は結構あり、それらに関して一通り目を通した上で記事を書いています。

 なお一部の中国語記事ではダテジュンこと張宗援について、「元々は日本人で姓は大島であり、皇族に連なる人物」と明らかに間違った説明をしている記述も目にしました。そのため複数の記事を比較し、説明記述が重複していて確実性の高い部分のみ記事に採用しています。
 ちなみに多分大島というのは別の大陸浪人と間違え、皇族云々は華族の定義を勘違いして書かれたのではと思います。

 話を戻すと、前述の通りダテジュンは中国での活動がメインですが、その中国における行動や業績についてはあまり日本語媒体では描かれていません。むしろ中国語媒体の方が充実しており、それら中国語媒体情報に触れられ、尚且つこんなマイナーな大陸浪人を追ったりするほど歴史的好奇心が強く、それでいて記事にまとめ上げられる人物となると、ちょっと偉そうですが本当に限られてくると思います。
 そういう意味で、この記事は歴史に造詣が深く且つ中国語が読めるという自分の強みというか真価がはっきり表れた記事だと考えちます。真面目にこの方面であれば自分は他の作家にない圧倒的な強みがあり、きちんと深みを持たせていけばこの分野である程度の地位は築けるのではとも考えています。まぁほかに書きたい内容あるからやらないけど。

 記事冒頭の提籃橋監獄についても、ここでダテジュンが処刑されたと知ったのは中国語媒体からです。なおここは一応軍事施設なので、当たり障りないよう割と遠目に写真撮った上で、誰が撮影したかについては触れないようにしました。まぁこの辺りは戦時中のユダヤ人のゲットーもあって軽い観光地化しているから、これくらいなら多分大丈夫だろうと踏んでるけど。

 以上をまとめると、この記事自体にはそこまで思い入れはない、というか記事にも書いている通りその粗暴さは目に余るし、現代であれば言い方悪いけど金嬉老みたいな人間になっていただろうと思えてダテジュンに対してはあまり好感を持っていません。ただ自分のスキルと強みを抜群に生かした記事だとは認識しており、その点では「上手く自分を使いこなした記事」という風に評価しています。

2 件のコメント:

上海熊 さんのコメント...

記事拝読いたしました。

学生時代に「夕日と拳銃」読んで大陸浪人カッコいいな、と思ってました(wikipedeiaの写真が中二病好みっぽいのもあって)

もし戦後も生きてたら色々面倒な人間になってたと思うので「乱世に生まれたのは、順之助にとって幸福」という意見同意します。

花園祐 さんのコメント...

 実は時代の雰囲気などを把握したいと思って「夕日と拳銃」は執筆前に急いで読んだのですが、正直展開がまだるっこしくてあんまりおもしろいと感じませんでした。でもって熊本弁の感嘆詞なのか「ほあー」って単語がよく出てきて、見るたびに堀江由衣が頭よぎって鬱陶しかったです。
 ダテジュンの人物評は自分の偽らざる気持ちをそのまま書きましたが、もし現代にいたら本当にやばい奴で終わっていたでしょう。地味にこの記事の裏テーマでもあったのですが、戦前に大陸浪人となったのはその粗暴すぎる性格から日本に居続けられなかった人たちが多く、そうした暴れん坊を大陸に流出させていたという面もあるということを暗に含めていました。
 まぁそれ言い出したら自分はどうなんだって言われそうなのですが。