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2022年9月21日水曜日

中国人のウクライナ戦争に対する見方

 今朝五時半ごろ、1階の住人が何を思ったのか外で鍋を打ち鳴らし始め、上の階の住人が「うるせぇ!」と叫ぶと、「何がうるせぇだ!」と言い返したりするなどカオスでした。おかげでやや寝不足です。

 話は本題ですが、ほぼウクライナの戦略的勝利が決まった状況ではありますが、ウクライナとロシアの今回の戦争は未だ続いています。数年続くという予想も出ていましたが、ロシア軍のあまりの脆弱さとウクライナの戦術の上手さからこのところ戦線が動き続けており、早ければ年内、遅くとも来年中には完全決着するとみてもう間違いないと思います。
 個人的な素人意見を述べると、ロシア側はシリア人傭兵部隊を投入したなどといろいろ言われていますが、中東出身の兵隊がウクライナのこれから来る冬に堪えられるのかが気になっています。仮にこうした傭兵部隊が前線で重きをなしていた場合、冬の到来とともにまた劇的な変動が起こりうる可能性があるでしょう。

 さてそんなウクライナ戦争に対して日本人は、鈴木宗男や橋下弁護士などごく一部の変わった嗜好をする人を除けば、首尾一貫してウクライナを応援し、ロシアに対し批判的な見方を持ち続けています。この辺りは日本も長期にわたりロシアとの間で北方領土問題を抱えていることもありますが、それ以上の終戦間際の横紙破り、そしてシベリア抑留などの歴史を経験していることから、ロシアに対する反感がかねてから強かったことが大きいでしょう。
 やや差別的な言い方となるかもしれませんが、もしこれがアフリカにおける国同士の侵略戦争で、今回のロシアのような捕虜虐待や虐殺が行われていたとしても、恐らく日本人は歯牙にもかけないし、虐殺行為を今回ほど批判することもないのではと思います。やはり侵略者がロシアだったからこそ、今回の戦争に対する反感がはっきりと世論に出るに至ったのでしょう。

 ではそんなロシアのお友達、というかロシアがかなり依存してきている中国にいる人はどうなのか。本当はこの辺、JBpressに載せようかとも考えたのですが、主観の強い見方となるためこのブログで書くことにしました。結論から言うと、日本人がかつてのベトナム戦争当時における米国に対する見方が、今の中国のロシアに対する見方に近いのではないかという気がします。

 中国はその立場から、国内でのウクライナ戦争は日本でも報じられている通りロシア寄りの報道がなされ、虐殺などについても敢えて触れないようにされています。あくまで、ロシアとウクライナの間で起こっている大規模な紛争といったトーンで報じており、日本や欧米と比べるとロシアへの批判はほぼ皆無と言っていいでしょう。
 そうした報道もあってか、大半の中国人はこの戦争においてロシア寄りな見方をしています。ウクライナに対して憎いとかそういうのはなく、単純に「ロシアはお友達だし勝ってほしい」的なスタンスで応援しているように見えます。少なくとも「原発攻撃や虐待を繰り返す卑怯な野蛮人のロシア」といった日本人の見方はまるで存在しません。

 とはいえ、虐殺などの報道は完全に封じ込められているわけではなく、ウクライナ側の発表や王エビの報道を引用する形で中国でも報じられることはあります。もっとも、その手の報道の際には「ウクライナ軍もロシア兵捕虜を虐殺している」というロシア側の発表も必ずセットでつけられるのですが。
 何気にちょっと自分もビビったのですが、百度で「ロシア 虐殺」と検索すると、まさに上記の様にロシア兵がウクライナによって虐殺されたニュースしか検索で出てきませんでした。もっとも海外メディアの報道を見ている中国人などは、ロシアの蛮行をちゃんと把握している人も多いですが。

 ただ全体としてみると、私個人の所感で見た場合に中国人はこの戦争について、「ロシアとかが現地で虐殺しているらしいけど、それは戦争でよくある出来事」的に、全く大事だと捉えていないように見えます。その上で先にも書いた通り、心情的に、また米国への対抗意識から、中国としては戦況は今良くないにしてもロシアにこの戦争を勝ってもらいたいという感情を持っているように見えます。

 敢えて比較するなら、冒頭にも書いた日本人の「ベトナム戦争における米国」に対する見方に近いのではないかという気がします。もっとも当時、日本国内にも米国に戦争反対を掲げる層は多かったですが、「虐殺とか現地でやってるらしいけど一応同盟国だし、勝つなら勝ってほしい」的な見方であれば、この時代のベトナム戦争に対する見解に近いように思えます。そういう意味では、現在のロシアに対する日中の見方の違いは、同盟国かそうでないかが大きく影響していると言えるかもしれません。

 やはり自分も日本人であることから、ロシアに対する反感は正直強いです。だからこそというわけではないですが、最近のロシアに対する中国の距離の近さには、逆に中国が心配に思えてきます。
 図らずも、今回の戦争でロシア軍の化けの皮がはがれるとともに、ロシアに兵器を大きく依存している中国の解放軍も、その実力に疑念を持たれるきっかけとなりました。そうした単純な軍事力だけでなく、頼れる相手がウクライナにも勝てないロシアしかいないという中国の現況もさることながら、約束破りの常習犯ともいうべきこの国を頼ることについて、中国は危ないと思わないのか、見ていてこっちがはらはらします。

 この点、マジで周りの中国人に私は、「あいつら平気で後ろから鉄砲撃ってくるよ(´・ω・`)」と、ガチで中国人の知り合いに警告しています。なんか無条件にロシアを信用し過ぎているように見えてならず、中国がどっかでロシアに寝首かかれないか心配です。逆を言えば、結構中国の外交というか外交官の間で怜悧な合理性を失いつつあるようにも見え、その点では日本にとって追い風かもしれません。

4 件のコメント:

川戸 さんのコメント...

自分はベトナム戦争の時代に生まれていないので感覚を持ち合わせていませんが、同盟国の戦争という見方の例えはとても的を射ていると思われます。
FPSで知り合った中国人の大学生に、以前ウクライナの戦争について聞いてみたところ、「ロシアにとっては緩衝地帯を賭けた戦いなのだから開戦やむなし」というロシアの言い分を素直に信じる回答が得られました。中国のロシアに対する感情は、日本がアメリカに対して抱く信頼感と同質のものと思われます。
ww2のアメリカ軍人であるウェデマイヤーの回想録の中では、「国家間の外交関係において友人を作ろうと考えるな」という政治家の箴言が紹介されています。どこかの国に肩入れするような外交はいつか破綻するのでしょう。

花園祐 さんのコメント...

 まぁぶっちゃけ自分もベトナム戦争の頃はまだ生まれてませんが、当時の日本の右派の立場が今の中国に近いように感じたのが率直な気持ちです。でもって、確かに中国の報道はロシアに偏ってはいるが、記事にも書いた通り日本も歴史的なロシアへの反感が強いから、ウクライナに偏っている部分もなくはないかなと、一応自戒を促すつもりでもこういう風にまとめてみました。

上海熊 さんのコメント...

"「ベトナム戦争における米国」に対する見方"は確かにその通りだと思います。
人民はともかく上層部は国際情勢に関しては敏感で、上海条約機構で中国はプーチンに対して塩対応でしたね。

花園祐 さんのコメント...

 ここだけの話、書き終わった後で「あれ、ベトナム戦争を例えに使わなくても、アフガニスタン戦争でも時代的に近いしよかったんじゃね?(´・ω・)」と気が付いたことは秘密です。