話は本題ですが年末年始に電子書籍のセールでいろんな本をまとめ買いしましたが、期待通りの作品もあればそうでないのも多く、まさに玉石混交でした。ただ中には一回読み終わった後でまたもう一回読んでみようと再読する漫画もあり、やはりそうした再読したくなる漫画というのはそのまますぐれた作品であると個人的に思います。
<忍者と極道>
そんな再読し続けている漫画の中に、近藤信介氏の「忍者と極道」があります。何気にこの作者の近藤氏についてはそのデビュー作の「烈!!!伊達先パイ」の頃から注目しており、この漫画の2巻は発売日に即ゲットしてたりします。読んだ印象としては若干古い時代のジャンプのギャグマンガという印象でしたが、ギャグに妙な切れがあるのとストーリーテーリングに見るものがあり、続きを楽しみにしていたもののあっさり2巻で打ち切りとなって密かに残念がっていました。
その後、同じジャンプで「ジュウドウズ」という作品が連載されましたが、こちらはあらすじを読むだけで正直面白くなさそうだと感じて、結局一読もせずスルーすることとなりました。でもってこっちの作品もすぐ打ち切りとなり、2作連続で結果を出せずもう今後作品を見ることはないかもなと勝手に残念がっていました。
それからかなり時間が経ってちょうど去年くらい、「そういえばあの作家どうしているんだろう?」と思って検索をかけたらこちらの「忍者と極道」の連載を始めていて、しかもアニメ化に至るほどのヒットを飛ばしていたことに気が付きかなりびっくりしました。でもってイラスト見たら伊達先パイの頃と全く同じ画風で二度びっくりしました。
そんなわけで興味津々で買ってみて読んだのですが、この作品を一言で言えば北斗の拳と男塾を同時連載しているようなノリで、ゴア描写が激しいのは当然ながら一人一人のキャラクターが非常に濃く、それでいて展開がものすごく早いという印象を覚えました。特に最後の展開の速さに関しては、キングダムなら単行本10冊かけるような戦闘を1冊くらいで瞬殺し、すぐ次の大規模な戦闘へと一瞬で移るという感じで話がどんどん進んでいきます。
そうした特徴に加え、作者自身がインタビューで答えていますが連載前の構成に凄い時間と労力をかけたと言っているだけあり、瞬殺されるようなモブキャラであっても一人として手抜きで作られていないと思うくらい、キャラクターが深く掘り下げられています。しかもそれが主人公キャラだけでなく敵役にも当てはまり、そのディテールには毎回読んでいて驚かされます。
にもかかわらずどのキャラもその心情が読み取りやすくなっており、漫画としての見せ方も非常に上手かったりします。全体ストーリーも良く練られているうえ一人一人のキャラクターもセリフも研ぎ澄まされており、こりゃ間違いなく売れるわと大いに納得させられました。
なお個人的には絶望して麻薬に走ろうとするキャラクターに対し、「苦しみから逃げるなとは言わない。耐えきれないなら逃げていい。でも破滅にだけは逃げないで」と全力で諭すセリフが一番心がかされきました。しかもこれ、敵役のキャラが言うのだから本当に凄い。あと作者、プリキュア好きすぎるだろう。
<みいちゃんと山田さん>
友人にプッシュされてウェブで第1話を見て、残りの巻を一気に買って読んだのがこの作品でした。今かなり注目されているので読んでいる人も多いのではと思いますが、簡単にあらすじを書くとキャバクラで働く主人公の同僚となったみいちゃんという女の子は知的障碍者で、トラブルを起こしまくり、翌年には殺される運命を明示された上で話が進められます。
あらすじだけでは歌舞伎町系作品としてそこまで突飛であるわけではないのですが、とにもかくにも漫画としての見せ方がうまい作品だと感じます。ほかの一流作品と比べて作画も特段うまいわけではなく、大ゴマが多くて1ページ当たりのセリフ文字数とかも少ない方なんですが、ここぞというシーンを読者に印象深く見せるのが非常にうまく、一読したらなかなか記憶から離れない漫画である気がします。
なお自分が一番印象に残ったのは、みいちゃんがDV彼氏に殺虫剤ぶっかけられて「ぎゃああああ」と悲鳴を上げるシーンだったりします。見返すたびに爆笑する。
たまたまでしょうが一緒にまとめ買いしたほかの漫画では、作画はこの漫画に比べて遥かに上回っており、書き込みも多く緻密な絵である作品もありましたが、逆に漫画としては無駄な情報量が多く、正直言って読みづらいと感じました。絵がうまけりゃ漫画作品として優れているというわけじゃないというのを、この漫画を通して強く感じさせられます。
っていうかはっきり挙げると「幼女戦記」が見づらい漫画代表です。まだ1巻しか読んでないけど、なんでこれ売れたのか全く分からないくらい面白さをひとかけらも感じられませんでした。
・亜月ねね『みいちゃんと山田さん』批判への考察《偽善と露悪》(不眠の子守唄)
話を戻してみいちゃんについて批評を見ていたところ、上のブログの方の批評が一番納得感がありました。その批評に書かれていますが、この作品の最大のテーマはやはり「偽善」と「露悪」であり、知的障碍者のみいちゃんをみてかわいそうと思うか、周りに迷惑かける嫌な人間だと思うか、その捉え方次第で作品の見え方がかなり変わってきます。でもって作品内でそれぞれの視点を持つキャラクターを登場させており、こうした知的障碍者の人たちへの対応についていろいろ考えさせてきます。
あとどうでもいいですが作者の亜月ねね氏については経歴とかあんま知らないけど、インタビューで「憧れの弐瓶勉氏と同じ雑誌で連載できてハッピー(*'ω'*)」と言ってて、好印象を持ちました。
自分の中で最高の漫画作品とくれば「水木しげる伝」(ハードコピーでも持っているがいつでも読めるよう電子書籍版も購入済み)ですが、こちらはもはや経典であるため漫画の枠に入っていません。では次にあげる漫画作品ときたら奥浩哉氏の「GANTZ」か弐瓶勉氏の「BLAME」なほど自分も弐瓶信者なため、上記のセリフを言っただけで亜月氏については「ええ子やんけ(´・ω・)」と思うようになりました。
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