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2008年7月2日水曜日

秋葉原での逮捕者続出のニュースについて

 ぱぱっと書くネタですが、先日の秋葉原での無差別殺傷事件以来、なんか秋葉原でナイフを持っていたとか、警官につばをかけたとか、挙句にはネットで犯罪予告をしたとして逮捕者が続出しており、一部の意見では、「いくらなんでも、警察も過剰に反応し過ぎじゃないか」とか、「得点稼ぎのためにやっているんだろう」という、冷ややかな意見が出ています。

 しかしこうした逮捕者続出の実態はほかでもなく、サミット前だということが最大の理由だと私は思います。今朝も駅に行くと、いつもはいない警官が歩哨に立っており、多少ながら物々しさを感じました。それもこれも、秋葉原通り魔事件の影響というよりは、サミット前の厳重警戒から来ているものだと思います。
 あんまりこの点を指摘している人がいなかったので、ちょこっと書いときます。

コンビニの深夜営業禁止条例について

 先月に確か埼玉県が、
「深夜のコンビニ営業は客が少ないにもかかわらず電気をつけ続け、無駄に電気を使って環境によくないからコンビニ会社に2深夜営業の自粛を求める」
 と、発表しました。この動きに神奈川県も即呼応し、他の自治体もこの深夜営業への自粛に対して興味を持つところが増えているそうです。
 それに対していくつかのネットの掲示板などでは、
「たとえ夜中に営業を止めたとしても、電気使用の大半を占める冷蔵庫などは稼動し続けなければならないので意味がない」
 などと、この動きに対して反論を示す意見も出ています。

 実を言うと私は、このコンビニの深夜営業には四年前から反対してて、今回この自治体の動きをかげながら、ほくそ笑んで見ていました。そこで今日はポイントごとに比較して、コンビニの深夜営業に何故私が反対しているのかを解説します。

・深夜営業は環境に良くないのか?
 まず最初に、この論争の元になったCO2排出などの環境面での問題ですが……ってちょっと待って、あー……上原また打たれちゃった。リリーフ失敗だ。
 と、ちょっと話がそれましたが、環境面の話です。これはネットの中の意見の言う通り、深夜営業をやめたところでほとんど影響はないでしょう。先にも言ったとおり、家庭でも店舗でも最も電気代を食うのは冷蔵庫で、それが回り続けていたらほとんど節電になりません。蛍光灯なんて、つけ続けてもほとんど電気使わないし。

・治安、犯罪面では
 ネットの中の意見の中には、「夜道で誰かに襲われた時に、コンビニのように駆け込む場所があった方が治安にいい」という意見も数多く出ています。まぁ確かに言いたい事もわかりますし、コンビニでバイトしていた友人も何度か女の人が助けを求めに入ってきたと言ってましたが、そういった治安に貢献する一方で、私はコンビニが犯罪を助長させる部分も少なくないと思います。
 まず代表的なのがコンビニ強盗。深夜まで、しかも大体店員一人で営業を続けるため、それこそ強盗の格好のターゲットになってしまいます。そしてもし押し入られたとしても、昼間と違って周りに助けは求め辛く、昔なんてしょっちゅう殺されてましたし。

 そしてもうひとつ、深夜のたむろです。私が以前に住んでいた○○辺では、夜になると中高生らしき少年少女らがコンビニ前でたむろしていて、傍目にもあまりいい影響を与えていない気がしました。私もそのくらいの年代の頃は無意味に外で友人らとたむろしたがった時期がありましたが、あいにく集まるような場所もなく実行できず、今のように品行方正(と周りに言われる)な性格になってます。
 ちょっと予想以上に話が長くなりますが、以前はゲームセンターに不良がたまるなどして教育によくないとして批判され、その批判を受けて現在のゲームセンターでは夜八時以降は未成年の入店を規制するようになりました。しかしそのかわりにコンビニに集まるようになってしまい、しかもコンビ二も客商売ゆえに断れないためにやっぱりよくないんじゃないかと思います。

・過重労働の助長
 またもネットの掲示板からの意見ですが、深夜営業を禁止すると数少ないバイトの口がさらに減ってしまい、若者の雇用の安定によくないとの意見もあり、地方は確かにそういう部分もあると思いますが、はっきり言わせてもらいましょう、こんな意見は言語道断です。
 今年五月に明らかになった、ショップ99での異常ともいえる過重労働の例はまだ皆さんの記憶にも新しいと思います。ショップ99を訴えた元店長の原告によると、ひどい時などは連続で何日も完全徹夜で働き、また一ヶ月の間にほぼ休みなしで働いていたという、恐るべきほどの過重労働が24時間営業のコンビニチェーンでは広がっています。

 言ってしまえば、24時間という営業時間さえなければこんな人道を無視した労働など起こらないのです。またコンビニ業界に限らずとも、昔と比べて「コンビニがあるから」、というようなフレーズで、日本人の深夜の生活時間は増えているのは間違いないでしょう。それがどのような影響を与えるかというと、まずは睡眠不足による健康悪化。次に他の業種での深夜労働の延長。以前だったら夕食を摂るために帰らなけらばいけなかったのが、「コンビニがあるから」で、過剰な残業も会社としては行いやすくなったのではないでしょうか。

 私がコンビニの24時間営業をやめてもらいたいのはすべてこの点からです。コンビニの存在によって日本人の眠る時間が減り(養老猛によると、とても重要な時間らしいです)、童話の「モモ」ではないですが、時間を効率的に使おうとして逆に無駄遣いをしているような状態に陥っているような気がしてなりません。そういうわけで、私もこのコンビニの24時間営業の自粛を訴えていくつもりです。

  追伸
 これもまたネット掲示板での一言ネタですが、前回のパブロフの犬同様に、
「人間は一日の三分の一もの時間を睡眠に使ってるんだぜ」
「もったいないよな、できることなら残り三分の二の時間も寝ていたいよ」
 という話があり、不覚にも笑い声を上げてしまいました。

2008年7月1日火曜日

90年代後半の常識はずれのゲームについて

 先月は41本も記事を書いていて、月間最高記録を塗り替えました。我ながらよく書くもんだ。

 この前、友人に今までのブログの記事の中で気に入った記事はあるかと聞いたら、なんか五月に書いたゲーム会社の栄枯盛衰の記事が面白いと返ってきたので、今日はちょっとそれに加筆するような、当時の狂ったゲームについてあれこれ紹介しようと思います。

 その前回のゲームの記事でも書きましたが、90年代中盤までまだ割とゲーム業界は参入がしやすかった時期でした。というのも安価な開発費でゲームが出せたので、適当な会社が半ば冗談で作ったりしていており、あの吉本興業もファミコンソフトを確か一本出していました。また、元からゲームを作ってきた会社もこの時期はゲームハードの技術も向上していたのもあり、実験的な作品を多く作っています。今日はその中で、いくつか印象に残ったゲームを紹介します。

・メガチューブ2097(PS)
 内容はロボットの格闘ゲームなのですが、近未来の世界という設定で、なぜか発売年の100年後に設定したもんだから中途半端な2097年となってしまい、ゲーム自体の中途半端さとあいまって、妙に覚えてしまったゲームです。

・NOEL(PS)
 ええ買っちゃいましたとも。なんかこの頃、こういう妙なゲームにはまってたからなぁ。
 このNOELは分類上はギャルゲーに入りますが、やることといったら時間合わせと電話をかけることだけです。この頃は「ときめきメモリアル」に代表される、ゲームでキャラクターが音声を発声するシステムがノリに乗ってた頃で、このゲームはそれを前面に持ってきて、文字通り電話で女性キャラクターと会話するだけというすごいゲームでした。会話内容は話題をこっちが振って、相手にそれを返させるというものでしたが、とにもかくにも内容が膨大で、全音声を聞いた人はいないと思います。シリーズは3までありますが、私がやったのは2までです。

・LAIN(PS)
 なんかネットで見てたら、結構有名になっていたこの「LAIN」です。これなんて、発売日に新品で買っちゃいましたよ。
 もともと同名のアニメ作品が大好きで、ゲームが出たら即買おうと思っていたゲームなのですが、これも上記の「NOEL」と同じところが作っていて、やることといったらキャラ同士の会話を聞くだけです。冗談だとおもってるでしょ?
 今更ながら、よくこんなゲームが出ていたと思います。本当にキャラ同士の会話(主人公の記憶)を見るだけで、なんのひねりもない。よくキャラゲーには落とし穴があるといわれていますが、これもその例に漏れません。ただ、この「LAIN」において今もなおネットで語られる特別な部分は、当時に大流行だったサイコホラー的なシナリオです。アニメ版もそうですが、全体的に暗く、全容が掴み切れない内容で、そのゲーム内容と伴って不気味な作品として語り継がれる一因となっていると思います。

・ダブルキャスト(PS)
 これは最近買って、最近やりました。確か三月頃の記事でも書いているはずです。
 この「ダブルキャスト」を初めとして、「やるドラ」シリーズと呼ばれる四本のサウンドノベルがこの時期に連続して出されました。なんだ、内容はただのサウンドノベルかと思うとほらそこに落とし穴、この「やるドラ」シリーズは本来なら、「グロドラ」シリーズといって差し支えないほどに暴力描写が激しい作品群でした。とくにこの「ダブルキャスト」は先頭を切って発売されただけあり、ヒロインの描写の面ではエグいものがあり、ご多分に漏れずこの時期に大流行だったサイコホラー的な要素がふんだんに盛り込まれています。最近、「ヤンデレ」という言葉が一般化していますが、恐らくこのゲームのヒロインが、初代ヤンデレと言ってもいいキャラだと思います。

・デスクリムゾン(SS)
 これについては言わずもがなです。詳しい内容を知りたい方は検索して、調べてみてください。簡単に説明すると、ファミ通の編集者に、「ゲームを得点評価することに、限界を感じた一品」と言わしめた、伝説のクソゲーです。なお、現在私のパソコンでエラーメッセージが出る際に、このゲームの主人公の、「やりやがったな」という音声を鳴らすように設定しています、せっかくだから。

・リアルサウンド(SS)
 「NOEL」も凄かったが、これも凄かった。こっちは私は遊んでないのですが、ゲーム内容は聞くところによるとタイトルの通りに音声だけで、場面場面でちょこっと選択肢をいじくるだけ。余計な画像は一切なしという、CDドラマとどんな違いがあるのかよくわからない作品です。こういうものは、どちらかというとパソコンゲームの方が向いていると思う。

 こんな感じですかね。逆に、思い切ったゲームデザインをして成功して、「俺の屍を超えてゆけ」とか、伝説のマイナーゲーとなっている「街」など、良作も数多く出てきた頃でした。そういう意味で、華やかな時代だったと思います。そしてそんな時に少年時代を越せたというのは、私自身で幸福だった気もします。

2008年6月30日月曜日

ヤマダ電機の主な法律違反

 今日はニチイ学館が偽装請負をやっていたのを注意されたことをネタにブログを書こうとしてましたが、今もやっているNHKニュースで突然ビッグニュースが入ってきました。そのニュースというのも、あのヤマダ電機のものです。
 私は以前からこのヤマダ電機が非常に嫌いで、買い物も絶対にここではしないようにしてきました。というのも、ヤマダ電機はそれまで首位であったマツヤ電気を追い抜き、専門量販店企業で初めて売上高一兆円を越した企業ですが、わずかに耳に入ってくる情報だけでも法律違反のオンパレードで、いわば不正を行って利益を多く受け取っているのが明白だったからです。

 その代表的な法律違反の例というのも、数年前から始まった家電リサイクル法の代行です。この法律が定められてから、家電製品の大半はその処分する際に税金がかけられるようになりました。たとえばテレビだと2835円、エアコンだと3150円を処分の際に業者や自治体に支払わねばならなくなりました。
 そこにつけ込んだのがこのヤマダ電機です。この家電の処分はヨドバシカメラやビッグカメラといった家電量販店でも代行をしてくれ、その際には他の場合同様に処分品を引き渡す際に費用を払わねばならないのですが、なんとヤマダ電機は処分費用を消費者から受け取るだけばかりか、そうして集めた家電を処分せず、そのまま中古家電製品として中国などに輸出、販売していたのです。本来、消費者が払った処分費用はヤマダ電機を仲介して自治体に納められ、中古家電製品も各自治体の処分場で処理されるはずなのですが、それをヤマダ電機は処分費用をタダ取りするどころか、国際条約でも禁止されている、廃棄物の海外輸出までやって二重に不正に儲けていたのです。

 こう言ってはなんですが、何故この問題が大きく取り上げられなかったのか、強い不満と憤りを感じます。厳しいことを言いますが、恐らくヤマダ電機が各メディアに多くの宣伝費を払っているのがその一因でしょう。まだほかの民放はチェックしていませんが、今回明らかになった事実もNHKで私は知りましたし。

 そんなこんだで今日のハイライトです。たった今入ったニュースによると、ヤマダ電機はこれまで取引先のメーカーやその関連会社の社員を集め、タダで店の手伝いをさせていたそうです。主な作業内容は新規店舗開店時の商品陳列や販売員で、少なくともこの一年間で二万六千人はかり出されていたようです。なおその方たちへの報酬は一切なく、費用は派遣した企業側が負担したようです。まぁ普通の給料扱いだから、実質タダ働きの派遣ですね。
 今回、公正取引委員会はこのヤマダ電機を、販売店側の強い圧力、人員を派遣しないとそのメーカーの商品を販売しないなどのプレッシャーで、不当に人員を働かせたということで厳重な注意を行いました。

 なんというか、反省のない会社です。知らない人はしょうがないですが、知っててこんな店に買い物に行く人の気が知れません。それにしても、真面目に法律を守っている企業が落ちぶれて、こういう不正をやりまくっている企業の羽振りがいいなんて、どんだけ狂った社会なんでしょうか。そりゃこんな中で生きている人間も狂ってくよ……。

  追記
 コメント欄にて、営業時間や労働基準法は無視しているものの、家電リサイクル法で引き取った中古家電を中国に横流ししているというのは事実無根だとの情報をいただきました。この記事で書いている家電リサイクル法違反の内容を私は報道ベースで聞いたのであって、直接確かめたわけではありません。さりとてコメント欄の情報も真実かどうか確かめる術はないため、やや無責任でありますが参考情報として両者の情報をどうか見比べていただければ幸いです。
 それにしても、この記事を書いた2008年のヤマダ電機は絶好調だったのに、この追記を書いている2013年では一変して逆風が吹いているというのもまた因果なものです。

2008年6月29日日曜日

パブロフの犬の逆説

 パブロフの犬と来れば、心理学の中で最も有名な話でしょう。内容はというと、パブロフという心理学者が飼っている犬にエサをやる際に毎回ベルを鳴らしてからあげていたら、いつしか犬はベルの音を聞くだけでエサが出ると思い込み、唾液量が増加したという話です。学術用語だと、「パブロフ型条件づけ」と言われ、俗に言う「条件反射」ってやつです。

 しかしこの話について、以前にネットで見た内容で、
「パブロフが犬にエサをやるたびにベルを鳴らしていたところ、パブロフはいつしかベルの音を聞くたびにエサを出してしまうようになった」
 というのがありました。これは最初の例と違って、犬の主観からの事実です。実際に、パブロフはベルを鳴らしながらエサをやっていたので、事実関係に間違いはありません。
 このように、主観が違えば事実は同じでも内容が異なってくることを私なりに「パブロフの犬の逆説」と呼んで、場面場面で使っています。なかなか含蓄の深い話なので、周りにもよく聞かせています。

 最近、この逆説が効きそうな内容の記事があったので、ちょっとそれも紹介しておきます。その記事は確か少し前の新聞記事だったのですが、最近の若者について、

「最近の若者は酒、タバコ、車などにあまりお金を使わず、堅実な生活を送る者が増えている」

 という内容でしたが、占い師に精神年齢はもう30代と言われながらも肉体年齢ではまだ20代で、一応若者側の私からすると、ちょっと上から目線で言われているようでこの記事にカチンと来ました。そんな私の主観からこの記事と同じ内容を書かせると、

「以前の若者は酒、タバコ、車などに多くのお金を使って、刹那的な生活を送る者が多かった」

 と、書きます。実際、こういう書き方をしても事実関係に何の違いもなく、言ってしまえばこういう記事も普通ならあってもおかしくないのですが、今までこのかたこんな記事なんて見たことないです。年齢的な発言力の違いもあるのでしょうが、なんとなく寂しいものです。

2008年6月28日土曜日

小中学生の歴史肖像画への認知度

 肖像画についての記事を描いたばっかりなので、連投とばかりにこっちも載せときます。

・卑弥呼は正解99% 歴史の人物、業績は?小6など調査

 リンクの貼り方を覚えたばっかりだから、私、今日はやけに貼りますね。
 それはともかくとして、このニュースは昨日に文部科学省が発表してほぼすべての全国紙に載ったニュースですが、小中学生の歴史上の人物の肖像画に対する認知度を調べた調査結果です。ニュース記事によると、人物が大量に出てくる幕末から明治の間ではライバルが多いというせいもあり認知度は下がるようですが、逆にライバルの少ない時代だと認知度が高まる傾向があり、それを反映してか、最も認知度が高かったのは縄文弥生時代の「卑弥呼」だったようです。ってか、卑弥呼って肖像画あったの?

 順位を見てみると、認知度の高い肖像画の二位と三位が「ザビエル」と「ペリー」って、何で日本人じゃなくて外人なのかがちょっと面白いです。ザビエルに至っては小学校では坊主頭の男の子が、中学校ではハゲた男性教師がよく「ザビエル」というあだ名をつけられるので、この結果にもなんとなく頷けます。
 そしてその後に続く四位で、日本人では二位になるのは「野口英世」です。特徴のある顔の人なので、まぁこれもわかりますがその次の総合五位に入った「雪舟」は、何故これほどまでに順位が高いのか、ちょっと私は不思議に思いました。今の小中学生は雪舟について、なにか特別な教育でも受けているのでしょうかね。

 その後の順位だと、十三位に「小野妹子」が入ってますが、これも肖像画ってありましたっけ? 私はなんか今、ぱっと出てこないのですが……。
 そして最低だったのは認知度23.5%で、「大久保利通」です。この結果について好きなことを言わせてもらうと、「へっ、ざまあみろっ」って所ですかね。私は鹿児島県生まれなので、彼は大嫌いです。功績は認めますけど。

足利尊氏の肖像画の謎(・・?

 今日はとっておきのネタです。まずはこのリンク先のウィキペディアのページを見てください。

 ・足利尊氏

 見てもらった方はページの右上にある肖像画を見て、「えっ!?」と思ったのではないでしょうか。その余韻が冷めないうちに、今度はこっちのページを見てください。

 ・足利直義

 それこそ、「なんじゃこりゃー!!」と太陽にほえろばりに驚いた方もいるのではないでしょうか。こっちの足利直義の肖像画は一般的には源頼朝の肖像画として広く知られているものです。それが何故足利直義のページに貼られているのか、不思議に思いませんか?

 なんでも、これまで源頼朝と伝えられてきた、えらい山奥にある京都神護寺に伝わるこの肖像画ですが、最近の研究によるとどうも足利直義の肖像画なのではないかという意見が強まってきているらしいのです。同様に足利尊氏のページに貼られている肖像画も、従来は人気の高い平重盛のものと言われて来ていたのですが、どうにもひっくり返ったようです。
 足利直義についてはともかくとして、あのひげもじゃの騎馬武者像が写っている従来の尊氏の肖像画については昔から異論が数多くありました。馬の鞍についている家紋が足利家の物と違うことや、伝来がはっきりしないことなどがあり、実際には足利家の執事であった高師直ではないかと言われており、この新たな尊氏の肖像画の出現によってますます高師直だという説が強まってきています。

 私の主観で言うと、これらの肖像画は新説の方が正しい気がします。それこそ研究家でもない私なのですから根拠は何もないのですが、歴史の中で描かれる足利尊氏、直義のイメージからすると、この新たな肖像画の方がなんかしっくりくる気がします。足利尊氏は武家の棟梁として、どちらかというと温和で落ち着いた感じのイメージで、従来のひげ武者はやはり豪勇で伝わる高師直だと思い、足利直義についても、彼の経歴からすると冷徹な官僚的イメージというか、大久保利通に近いイメージを持っていたので、これまで源頼朝像と言われてきたこの肖像画がだとピンときます。

 真偽は今後の研究を待たねばなりませんが、じゃあ現在の中高生が使っている歴史の教科書にはどっちが写っているのかと思い、ちょっと今日に本屋で中高生向けの参考書を立ち読みしましたが、どうやら教科書に使われているのは昔のままの肖像画のようです。源頼朝はウィキペディアの足利直義のページに貼られている画像で、足利尊氏は例のひげ男爵のままで、実はこの肖像画じゃないかもという内容のコメントは特に載っていませんでした。
 折角だから、早いうちに中高生の教科書には、「もしかして、違うかも」という一言くらいは入れといた方がいいかもしれません。そうした方が想像力が掻き立てられて、中高生にとっても面白いんじゃないかなぁという気がします。