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2022年2月28日月曜日

中国人マフィア記事の裏側


 というわけで今日出したこの記事ですが、時期も時期なだけにウクライナ関連記事の方が注目されてアクセスは伸びないだろう、タイミングが悪かったなどと当初予想していたのですが、今日日中は並み居るウクライナ関連記事を抑えてJBpress内のアクセスランキングで1位を守り続け、恐らく日間ランキングでも首位だと思います。マジでこれは意外でした。

 記事内容についてはかつてこのブログでも取り上げた蛇頭はいずこという観点から、最近の歌舞伎町で中国人マフィアについて聞かなくなったことを書いています。ヤフコメでは「なに当たり前のこと書いてんの?」といったコメントも散見されますが、その一方で「不夜城もみていたし当時の中国人マフィア関連の話は聞いていたが、この記事を読むまでそのことはすっかり忘れていた。この記事で一気に思い出した」と書いてくれている人もいて、自分としてはまさに後者のような方へ娯楽を提供する目的で書いています。

 なお歌舞伎町を舞台にした中国人マフィア抗争を題材に撮った作品として今回、「不夜城」を例に挙げていますが、これはもっとも有名で代表的作品だと考えたためです。もし好きに選んでいいってんなら、ホスト漫画の「夜王」を入れたかったです。
 この「夜王」でも中国人マフィアとヤクザが抗争起こすのですが、いざ前面衝突というところで何故か無関係なホストである主人公が自分の顔に傷を入れて、「この俺の顔の傷に免じて手打ちにしろー」と叫んで実際に収まり、あるヤクザだけが、「何なんだこの展開は?」と全読者の気持ちを代弁してたのが印象的でした。

 話を戻すとこの記事、各直前まで中ロ関係の歴史みたいなのを書く予定でしたが、あまり専門家でもないのにその辺書くのもどうかと悩んでいた矢先、電子書籍サイトで無料キャンペーンが行われていたので購入して読んだヤクザ漫画の「ザ・ファブル」を見て、「せや、時代はこれから中国マフィアや」みたいにハッと気が付いて記事書くに至りました、マジで。人間、やはり追い詰められた時ほどいいネタが浮かぶ。

 この辺の中国人マフィア、というか歌舞伎町関連の話は高校生の頃によく溝口敦氏のルポを読んでおり、ある意味国際関係の縮図ともいう話にかなりのめり込んで読んでました。もっとも当時、まさかこんな中国とかかわりのある人生を歩むとは夢にも思っていませんでしたが。
 ただこの辺の外国マフィアが絡む裏社会の話は表社会も無縁ではなく、外国人の受け入れや多様性社会、そしてビジネスの国際化という観点からももっと深堀りできる分野じゃないかと思います。今回のこの中国人マフィアも今は大陸出身はすっかり減りましたが、日本育ちの「怒羅権」などは活発ですし、今後どういった対策を採るのかなどはもっと話題になってもいいと思います。海老蔵だけのネタにはせず。

 それにしても今回のこの記事で、裏社会系のネタというのは随分と求心力があるんだなと心底感じ入りました。JBpress編集部もこの記事にはかなり大喜びで、「反社ネタが他にもあったら( `・∀・´)ノヨロシク」と言われています。

2022年2月27日日曜日

セリカXXのプラモ


 何故かよく行くプラモ屋に、また古い車種のキットが置いてあったので衝動買いしました。でもってパーツ数も少なくすぐ作れそうなので作ったのが、この「トヨタ・セリカXX」のプラモです。

ライト閉じ

ライト開き

 なんでこのキットを買ったのかというと、上記の様にリトラクタブルライトの開閉が操作できるからと書かれてあったからです。最も、自分の組立が悪かったせいか全部閉じにすると少し開きづらくなったため、やや薄目空けるみたいな感じで少し目を開けた状態にとどめていますが。


 このキットを今回選んだ理由はもう一つ、古い車種(1980年代初頭)なだけあって車体が角ばっているのが魅力的だったからです。なんかこの前にどっかの自動車メディアも記事出していましたが、当時の技術力ではボディの板金をきれいな曲面に仕上げることができなかったため、ボディは必然的に角ばった表面にせざるを得なかったそうです。ただ板金同士の組み合わせ方を工夫するなどして、なるべく全体としては曲面に見えるようにする工夫が行われていました。


 時代が下った現在においては、対衝突安全性への考慮からもボディは可能な限り曲面となるように仕上げられています。しかしその結果、全体として丸っこいフォルムの車ばかりとなり、かえって四角い角形なイメージする車は絶滅危惧種となってしまいました。
 私自身はコンパクトカーが好きで丸っこいデザインは嫌いなわけではないものの、あまりにも丸っこい車ばかりな現代において、かえってこうした角形なデザインがそのレア度からも魅力的に映り、一時期は角形な車をやたら探していました。

 なおその際、ソ連人民の敵であるうちの親父からは「四角いのがええんやったら日産のキューブがあるやんけ」と言われました。確かにあれは四角かったが、「違う、そうじゃない」という言葉が出そうになりました。
 まぁキューブはキューブで、非シンメトリカルですごくいいデザインだと現在においても高く評価しています。平たいせいで高速乗るとフロントガラスでやたら虫潰すけど。


 話をこのセリカXXに戻すと、ウィキペディアによると北米での「フェアレディZ」の成功を見て、セリカをベースにフロントノーズの長いスポーツカーとして開発されたそうです。ただこの車自体はベース車の「セリカ」の系譜というより、北米での名前に使われた「スープラ」の系譜に入るかもしれません。プラモ屋が今回入荷していたのも、新しいスープラが出たからその影響を考えて入荷したのではないかとも見ています。
 なおこのタミヤのキットは恐らく古い金型をリファインしたものだと思いますが、説明書の日付は2020年となっており、タミヤ自体も新スープラの発売に合わせてこちらのセリカXXを再版したのかもしれません。


 現代からするともはや旧車というよりクラシックカーに近いくらい古い車ですが、上記の角ばったデザインのほか、サイドミラーの位置とかに時代を感じさせられます。このごついくらいの角張りは一目見てかなり目を引き、インテリアとしてはかなり悪くなく、上の写真の様に財布やスマホ、腕時計などのお出かけセットを置いている小机の天板に配置するほど気に入っています。まぁただ単に他にプラモ置くところがもはやないというのもありますが。

 それにしても昨日今日と上海は暖かく、このプラモ組立ての最中もちょっと前までと違って寒さに震えることもなく作れました。前回なんか寒さで指震えながら組み立ててたし……。
 明日からまた仕事がやばいくらい忙しくなり残業もがっつり入る見込みなだけに、今日このプラモ組立てが自分の生きてた中で最後の楽しい思い出になるかもしれません(´;ω;`)ウッ…

燃える不動明王

 先日、友人から超いい感じな陶器の入れ物に入ったキャンドルをもらいました。アロマキャンドルではないものの火をつけるとムーディで、何かに使えないものかとしばらく思案に暮れた結果、ある使い方を思いつきました。





































 やはり火と言ったら不動明王だろうと思い、上の写真の様に秘蔵のメタリックブルー不動明王像を信楽焼のタヌキをつけて撮るしかないという結論に至りました。何気にバックの影がいい感じに撮影できたかと思っています。

アップ写真

電気つけるとこんな感じ

 友人に送ったところそこそこいい感じの反応が得られました。前から仏具とか地味にインテリアとして非常に価値を持つのではないかと考えていたのですが、やはり仏像とろうそくの組み合わせは非常に見栄えが良く、信仰心のあるなしに係らず簡単な仏具と一緒に置いておくとかなりいいのではと今回思うに至りました。

 なお2枚目のアップ写真は現在、携帯の待ち受け画像に使っています。スイッチオンしたらいきなり不動明王像がにらみを利かせてくるようになっており、常に不動明王に見られているとする自らに対する戒めにしているとともに、仮にスマホ盗まれた際に盗んだ奴が「この持主はやばい奴なのでは?」と思わせる効果を狙っています。

2022年2月26日土曜日

ウクライナ侵攻に起因して今度どう変わるか

 昨日出した週報に「ウクライナ同様に私の仕事現場も前線が崩壊してきました」とかなり悲痛な報告しました。マジ来週から仕事どうしようかと頭抱えています。

 そんなロシアのウクライナ侵攻ですが、現在もウクライナ国内で戦闘が続けられるなど悲惨な状態が続いていると言われます。多くの人間が指摘しているように多国間関係が比較的成熟したヨーロッパ地域においてこれほど大規模な戦闘行為が行われるとは青天の霹靂もいいところであり、この災害に巻き込まれたウクライナの人々には強い同情を感じます。

 こうしたウクライナ情勢を受け、石油を含むエネルギー価格が異常な高騰ぶりを見せています。原因はエネルギー産出国であるロシアが当事者であり、そのロシアからのエネルギーを調達してきたドイツなどヨーロッパ諸国が今後はその調達を手控えることが見えており、それに伴いロシア以外からの調達が増えるという見込みからでしょう。上海熊さんがコメントでも指摘してくれましたが、現状においてはイラクをはじめとする中東産油国が漁夫の利を得ていると言っていいでしょう。
 日本国内でも伝え聞くところによるとガソリンがリッター200円を突破するところも出てきた聞きます。開戦前より高騰していて、政府も石油卸会社に補助金を配ってますがまぁ全く無意味なバラマキとしか今は言いようがありません。今後も日を追うごとにさらに高騰する自分は予想しており、運送費や食料品などを始め、全産業で値上げラッシュが続くでしょう。

 神風的に、これによって日銀黒田総裁(一瞬、「総帥」と打ち間違えた)のインフレ目標が達成されるかもしれません。まぁ給与は上がらないまんまというオチ付きになるかもしれませんが。

 値上げで一番泣き所となるのは、案外電力なんじゃないかと思っています。現状からすると民用電力価格の引き上げは不可避で、政府も承認すると思います。家計への打撃は言うまでもないですが、社会ムード的にもかなり悪い方向に流れる気がします。

 こうした価格面での影響意外に今後起こりうる変化としては、企業取引方面の影響も真っ先に検討されます。こちらの方面ではヨーロッパ諸国の企業が主役であり、こと日本に関してはそもそもロシア系企業との取引はそこまで大きくないことから、影響零というわけではないものの、他国ほどには影響を被らないと思います。
 またさっきの価格高騰にも関わりますが、現在株価が下がっているのは今後の情勢不安視もあるでしょうが、より利幅が見込める金や食料など現物先物へマネーが流れていることも大きいとみており、マスコミが騒ぐほど株価下落の影響は大きくはないと思っています。そもそも、日系企業が史上から資金調達したところで投資先もあんまないし。困るのはせいぜい、分割しようとしている東芝とかくらいでは。

 次に軍事面で言えば、やはりウクライナ以外の東欧、そしてフィンランドなど北欧が次のホットスポットとなるでしょう。ただでさえ今回ウクライナが実質的に欧米列強から見捨てられる形となり、その信頼が揺らいでいることから、これらの国々では主流派とはならないでしょうが、ロシア側に振れる勢力も出てくるかもしれません。それに対し欧米列強がどれだけ取り込もうとするのか、またウクライナに続いてロシアはさらに戦線を拡大しようとするのか、この方面での駆け引きの激化は必至でしょう。
 それに対しアジアでは、台湾有事のリスクがこれでさらに高まったと言えます。ロシアに対し中国政府は融和的態度を取っており、今回のウクライナ侵攻で高まったムードに乗じて台湾により激しい手段を取る可能性はほぼ確実でしょう。これに対し米国がどうするのか、ウクライナ同様に台湾を見捨てるのかが大きな焦点になってくるでしょう。

 この焦点は日本にとっても非常に重要です。米国が見捨てる態度を取る場合、台湾に進出している日系企業も事前に対応を取らなければ大損害を受けることになります。また米中関係もさらに冷え込むので、中国本土の進出企業も同様でしょう。
 日本政府の外交としては基本的に米国追従が続くとみられ、現状においてはそれが一番だと私も思います。ただ重ね重ね、今回のウクライナは将来はどうなるかわからないとはいえ、米国にとっては大きく信頼を損ねる結果を招いたと言えるでしょう。その上で、次に大きな戦争が起こるとしたら、実は内心でロシア対中国になるんじゃないかとも思っています。この二ヶ国、実は米国以上にお互いが相いれない存在だと思うし。

2022年2月24日木曜日

ロシアのウクライナ侵攻について

 各所でも報じられている通り、かねてから懸念されていたロシア軍が本日とうとうウクライナ領土に侵攻したとのことです。このウクライナ危機に関しては実際に攻撃が行われる、行われないそれぞれの立場から数多くの予想が出ていましたが、結果的には前者の予想の通りに現実は動くこととなりました。
 タイミング的にはやはりというか北京五輪終了後で、恐らくこの辺はペーさんがプーさんをかなりガチで説得していたことも影響したのではないかと思います。仮に侵攻が行われなかったシナリオがあったとしたら、北京五輪期間というモラトリアムの間の外交交渉が大きな役割を果たしたことになったと思われ、現実面ではこの間に双方が歩み寄れなかったゆえの結果が今の状況と言えるかもしれません。

 このロシアの侵攻ですが、完全な後出し孔明となりますが私としては「起こりうる」の可能性の方が高いとかねてから考えていました。言った後で外したらカッコ悪いので言いませんでしたが、後出しなら何とでも言えます(ΦωΦ)フフフ…

 このように考えていた理由は非常にはっきりしていて、ロシア軍が一時、一部部隊を引き上げさせたという報道を見た瞬間に「あ、やる気だ」と思いました。何故かというと、この部隊引き上げがわかり切った、完全なブラフでしかなかったからです。
 現在、情報衛星などの力によって大規模な軍隊の移動であれば米港をはじめとする軍事大国はすぐに感知することができます。実際にロシア軍が移動していたら米国なども発表したでしょうが、この軍隊を下げたと発表したのは当事者であるロシアで、その発表から1時間以内に米国などが「本当に下がっている」と言わなかったので、実際には下がっていない、または一部部隊を少し後ろに下げただけだと私は考えました。

 では何故ロシアはこんな発表をしたのか。そもそも、ウクライナのNATO加盟妨害という目的から今回軍隊を国境に集めていたとされ、であればこの方面の交渉で全く進展がないにもかかわらず相手にプレッシャーをかける軍隊を下げるというのは完全に矛盾した行動となります。仮に相手が交渉に乗ってくるなりの態度を見せたのであれば下げるのも妥協を示す意味で価値がありますが、当時の交渉状況は全くそんな状態ではありませんでした。

 にもかかわらず、ロシア側は部隊を下げたと発表しました。つまりこの時点でロシアは交渉に向けプレッシャーをかけるという行為をもはや目的としていないという風に考えられ、下げてないのがバレバレであるのにこのような発表をしたのは、「ロシア側は緊張緩和に動いているかも?」という妙な期待感を相手に持たせて混乱、油断させることしか目的としていないだろうとみました。

 その上でもう一点、こちらもバレバレなプロパガンダをロシアが繰り返し続けたことも、本気で攻める意図があると判断した要因です。昨日までに何度も「ウクライナ側から自治州に攻撃が行われた」という発表をロシアは繰り返しており、この辺のプロパガンダ流布はもはや交渉を目的としたものとしてはなりえないもので、完全な戦争準備であるとしか見えません。この一部撤退ブラフとプロパガンダから、ロシアがウクライナに侵攻するかしないかでいえば「する」の方が確率が高いとみていました。
 一応、他の人の予想とかもいろいろ見ていました、部隊撤退ブラフに関して私と同じ見方をしている人は見かけませんでした。むしろそのブラフに引っかかって、緊張緩和にロシアは動いたのに米国が余計なことして、みたいな人のが多かった気がします。

 あと今回の侵攻について「プーチンだから行われた」という評論をしている人がかなり多くいますが、私個人の感想はこれとは異なり、「ロシアだから」という風に見ています。
 やはり歴史的にもロシアは常識では考えられないアンビリーバボーな突飛な行動を採ることが多く、損得勘定で測れない国民性があると考えています。むしろ逆に常識的に測ろうとすると見誤る国であり、普通だったらこうしないと思ったら、逆にロシアはしてくると考えた方がかえって正解に至るかもしれません。この点は中国も若干そういう特徴がありますが、何するかわからない点で言えばロシアは中国の数倍を行くでしょう。

 実はこうしたロシアの底知れなさ、先の読めなさについては中ロ関係を解説する形でJBpressの方で記事書こうとしていました。しかし記事書いた後で実際に侵攻起きたり、状況が変わったりすると原稿として出しづらくなるのと、そもそも中ロ関係の外交について専門的にこれまで研究したこともない立場でもあるため、変なことは書かずに大人しくしようと記事化を見送っていました。先週末に。
 結果的にはこの判断は今回見事に当たったわけで、記事書かなくて本気でホッとしています。代わりにノスタルジーに満ちた原稿を先週末書いたので、次の月曜に読んでもらえるとありがたいです。

 最後に今後について、仮に戦線が拡大してロシア国内にまで戦火が広がり、最終的にロシアが敗北するような形で終息したとしたら、戦後処理のどさくさに紛れて「ロシアは不当な手段で奪い取った領土をすべて放棄すべきだ」という主張を押し込み、北方領土もうまいこと奪い返せないかなという希望的観測をちょっと持ちました。時代が時代だったら、積年の恨みを晴らすしじみチャンスなんだけどなぁ。

2022年2月23日水曜日

中国人の「最近の若い者は……」

 先日に友人と食事した際、「ところでそっちの会社の若手社員はどう?」と尋ねる機会がありました。その質問の答えが見出しに掲げた通り、「ダメ、能力が低い。これだから最近の若い者は」でした。

 日本ではとっくに該当する時期は過ぎたもののまだ「ゆとり世代」という言葉が出来そこないな若者を揶揄する言葉として使われていますが、中国でも「80後(1980年代生まれ)」「「90後(1990年代生まれ)」という言葉が長らく使われ、最近は「00後(2000年代生まれ)」という言葉も段々普及してきました。
 ちなみに同じような話題で同僚と話してて「やはり90後は世間の評価が低いよね」と女性の同僚に話し振ったら、「あたしだってギリギリ(1990年生まれ)90後なんだけど(#^ω^)」と凄まれました。10年間でひとくくりに世代にするとこういう問題が起こりうる……。

 話を戻すと何故若手社員の質について私が聞いたのかというと、私自身が最近入社してくる社員(中国人)の質が明らかに落ちてきていると感じているからです。上がってくる報告書は誤字を含め間違いだらけな上、仕事の段取りが悪くスケジュールがおかしくなったり、上司に確認してもらったと嘘を言ったりと、ほんの数年前と比べても明らかに業務が回される自分の立場からしておかしな仕事の回され方をされることが増えているからです。こうした状況はうちだけなのか、それとも他の会社でもそうなのかという点が気になり、冒頭のような質問をしたわけです。

 こうした単純な業務処理能力だけでなく、メンタル面でもやはり往年の世代と比べると劣るとよく聞きます。中国人女性の友人なんか、「あいつらちょっと叱ったらすぐ泣きだしやがる( ゚д゚)、ペッ」とよく洩らします。
 ちなみにこの手の「若手は使えない」と主張する人は、中国人だと明らかに女性のが多いです。ぶっちゃけ仕事に対する厳しさで言えば、中国だと男性より女性の方が厳しい姿勢で臨む人が多い気がします。

 脱線しまくっていますが上記の通り、中国でも「これだから最近の若者は」現象が日本と同様に起きています。もっとも自分たちの世代も上の世代からは同じように言われていただろうし、古代ローマ時代の文書にも「これだから最近の若者は」って記述があったとのことなので、どの時代でも関係なく起きる現象なのかもしれませんが。

 たださっき語ったように、明らかにこの数年で下から上がってくる報告書の質が明確に落ちてきています。こうした報告書の執筆作業は現場に入りたての若手がやる仕事であり、また毎年定期的に作られる報告書なため、比較条件で言えば環境方面は共通しているだけに、その差はやはり能力差であると思っています。仮に私の見立て通りに実際に今の中国の若者がほんの数年前と比べても能力が落ちているとしたら、その原因は何なのかって話になってきます。

 冒頭の友人との会話でもまさにこういう話題となり互いに原因をいくつか挙げていったのですが、その中の一つに「一人っ子政策によって兄弟がなく、社会性で劣るからかな?」という意見を私が上げました。そしたら友人は即座に「それはない」と言ってこの意見を否定し、「だって俺たちも一人っ子政策時代でみんな一人っ子だもん(´・ω・`)」と言われました。
 若干偏見が入っていますが、日本国内にいた頃は相手が一人っ子だと「こいつわがままやろな(´・ω・)」と内心考え、兄弟が多い奴だと「こいつは安心できる(´・ω・)」などとはっきり考えていました。実際にこの法則は当てはまることが多く、兄弟が多い人だと人当たりも柔らかくて人間関係も安定することが多かったです。

 その点、中国は長らく一人っ子政策をやってきたこともあって、私だけでなく多くの人が「わがままな奴が多い」といい、中国人自身も上の世代からはまさにそういわれてきました。そうしたわがままな一人っ子がさらに甘やかされて育てられて能力も落ちているのかなどと考えたのですが、友人の言う通り一人っ子政策は今の中堅世代も当てはまるだけに、近年の若者の能力低下理由にはならないでしょう。

 では何が最近の中国の若者の能力を落としているのか。考えられる理由はまだあり、一つは単純に物質的な豊かさが得られ、ハングリー精神が落ちてきていることが挙げられます。これは中国人たちも指摘しており、特に起業意識を持つ若者は一時期と比べると劇的に少なくなっています。

 もう一つの仮説理由として、密かに大学進学率の上昇があるのではと見ています。
 中国も2000年頃と比べると大学進学率は現在跳ね上がっており、前は本当にごく一部のエリートだけが進学したのに対し、今は頑張ればある程度誰でも進学できるようになりつつあります。しかしそうやって同じ大学を同じ専攻で卒業したとしても、以前と比べると能力が落ちてきていることとなります。

 この大学進学率の仮説は日本での状況も意識して出てきた案です。日本も大学生の数や進学率が高まるにつれて若者は能力を失っていったと言われるようになったと思え、大卒者の選別割合が単純に大きく影響しているのではないかと睨んだからです。また学生の数が増えるにつれて教員の指導対応人数割合も拡大し、一人当たりにかける時間の希薄化もあるかもしれません。
 まぁ大学教員もある程度は増えていますが。増えた分だけ、教員の質も希薄化されているかもしれませんが。

 つまるところ何が言いたいのかというと、大学進学率を高めることはかえって、大卒資格者全体の能力を下げることになる可能性もあるのではということです。こういった主張は私以外も言っている人がおり、大学進学率は一定程度まで到達すると、それ以降は社会全体の効率向上にあまりつながらなくなるという主張だった気がします。
 この辺はもう少し煮詰めるともっといろいろ出てきて面白くなるかもという気もしますが、現在進行形で日中で同時に起きている「最近の若者は」現象は、大卒者の人数が拡大されたことによる影響ではないかと今睨んでいます。

 もう一つ付け加えると、中国の大学試験の難易度自体は年々上がっており、去年に学習塾営業停止令が出ましたが、受験競争も激しくなっています。日本でもセンター試験などはどんどん難しくなっており、こと大学入学時点の学力で言えば日本も中国も現代の方が過去より上でしょう。
 それにもかかわらず社会における能力が低下しているとしたら、やはり教育体制そのものをもっと組み立てなおす必要があるでしょう。そういう意味ではこの日中での若者の同時比較は意外と価値を持つのではないかと思うわけです。

2022年2月21日月曜日

民意の無視が当たり前となりつつある日本

【悲報】札幌市長「反対多数でも五輪招致は続ける!」ドン(ガハろぐ)

 上の札幌五輪計画ですが、マジでこれに賛成する理由は一つも見当たらないのですがやたら推進しようとしている人がいて、サイレンの屍人みてるより不安になってきます。それ以上に恐ろしいのが上のまとめ記事でも取り上げられている通り、反対多数という民意が出ても堂々とそれを無視すると宣言している政治家がいるという事実ですが、こうした光景については何も今に始まるわけじゃなく安倍政権時にもたくさんおり、もはや民意は完全に無視されるのが当たり前となりつつあるのかもしれません。

 前もって断っておくと、民意に従うことが必ずしもいい政治結果につながるとは私も思っておらず、時と状況、ケースによっては民意を完全に無視した政治的決断も必要だと考えています。ただ、建前上は民主主義を取っているだけに、直接民主制ではなく間接民主制ということを踏まえても、有権者に対しては最低限、何故その決断を採るのかという説明を政治家が放棄してはならないと私は思います。
 しかし前述の通り、近年においてはその民主的手続きともいえる説明を完全に放棄し、結論があるので結論に合わせた結果を最初から指向した調査だけ行ってそのまま実行に至るケースが多い気がします。香川県のゲーム条例に関しては、偽装と疑わしい請求を基に議会通ってるだけに論外です。

 もっとも政策議論に関してはこの10年、自分が見ている限りでは政治家に限らず民間の知識人の間でもレベルが大きく低下しているので、民主主義の根幹ともいえる議論そのものの慣習自体が薄れているのかもしれません。それこそ経済論においては未だに消費しか論点に上がらず、生産性、生産能力の向上はほとんど触れられず、日本は経済力を落としてきました。
 最近思うけど、やっぱグローバル化によって消費と生産はアンバランスな形となるのが逆に自然な形になったのだと思います。ケインズ経済では消費と生産がバランスよく釣り合う姿を理想視してたけど、グローバル化では逆にその視点だとドツボにハマると思う。

 話を戻すと、日本の政治家は今や「どうせ反対したところで逆らえまい」という高をくくった態度がはっきり見えます。まぁ確かに今時デモとかしても世の中動きませんし、やるんだったらもっと過激な手段じゃないと変わらないでしょう。何が言いたいのかというと、案外この方面で過激化した活動を取る人間が今後出てくるんじゃないかということです。最近はやりの通り魔的犯罪も、何かの拍子で矛先が変わってくる可能性もあるだけに、政治家もその辺もうちょっと意識したらと少し思います。

2022年2月20日日曜日

プーチン後のロシアはどうなる

 この週末はともかく寒くて仕方ないので寝るか次のJBpress記事を書くかでした。しっかり眠れた文化なり体力戻し、JBpress記事も無事書けたのですが、当初は盛り上がっているし中ロ関係(中日対ロッテではない)でも書こうとしていたものの、あまり専門家でもないのにこの手の外交を語るのもどうかと思って見送り、別の話題にしました。

 そんなロシアですが、北京五輪が本日閉会するため、ことが起こるとしたらまさにこれからでしょう。北京五輪期間は恐らくペーさんがガチで必死に説得していたと思うし、派遣している選手団もあることだから全世界的に開催期間はまだ何も起こらないということで落ち着いていました。しかしこれが終わる明日からは本当に何が起こるかわからず、ことリスクについては一気に跳ね上がってくることになります。
 実際に侵攻が起こるかどうかなどは自分も東欧を専門に調べているわけではないので言い難いものの、こと日系メディアを見ているとロシア側の情報操作と言える偽情報をそのまま翻訳して垂れ流している自称ロシア専門家が数多くおり、気を付けてみないとこの手のデマに騙されるという懸念がはっきりあります。内心残念だけど、この手のロシア側のスポークスマンには前は尊敬していた人もいます。

 そのため侵攻に関しては正直私ではわかりかねるのでこの問題について敢えて語るとしたら、この後プーチンはどうなるか、ロシアはどうなるかです。一体どういうことかというと、侵攻が実際に行われるか否かに係らず、プーチンは政権の座から落ちる可能性があると思うからです。

 先のウクライナ東部への侵攻によってロシアは今も経済制裁を受けており、それに伴いプーチンへの国内支持も揺らいでいると報じられており、この点については数年前から報じられているので事実と見ています。そうした国内状況の打開、並びに防衛圏の維持拡大を狙って行われているのが今回のウクライナ国境への軍備配備なのですが、もしこれで実際に侵攻が行われなければ、相次ぐ政策の失敗、というより軍事を誇示しての対応失敗が重くのしかかり、あのロシアと言えどもプーチンが政権を維持できなくなる可能性もあるのではと見ています。
 では実際に侵攻を行った場合はどうか。仮に侵攻に成功してウクライナの首都を占領したとしても、その後に待ち受けるのは今以上に激しい経済制裁でしょう。その結果、国内支持は傾く可能性もあり、よほどうまく立ち回らないとこちらもまた厳しいんじゃないかと見ています。

 いわば進むも引くも厳しい状況と言え、もちろん政治の世界ですから実際は何ともなく政権を維持するかもしれないものの、今回の騒動がきっかけでプーチンがロシアで政権の座から落ちる可能性も想定としてはしておくべきなのではという見方をしています。仮に落ちた場合、もちろん次に誰が来るかが最大の影響要素となりますが、ロシア国内での世論分裂などがプーチン時代よりは激しくなるのではないかと思います。
 その上で周辺国はどうなるか。何気に北朝鮮なんかビビったのかウクライナ問題が大きくなるや途端にミサイル撃たなくなりましたが、プーチンがいなくなったら北朝鮮が案外ダメージでかいかもしれません。でもって中国に関しては、恐らくそれほど影響はないかなと見ています。

 一番影響を受けるのはやはり欧州諸国で、特にこの問題が大きくなってからは各国でエネルギー代が急騰しており、高額な電気代が請求されるようになっていると聞きます。今後の天然ガス取引交渉にもよりますが、ドイツを含め原発再稼働議論が本格化するかもしれません。
 あと最後にこの騒動で漁夫の利を得ているのは中東諸国でしょう。高騰したエネルギー価格でたんまり儲けているような気がします。うらやましい。

2022年2月18日金曜日

「大人」が唯一存在するガンダム作品

 かねてからこのブログに書いているように、日本の漫画、アニメの最大の特徴は「まともな大人」がほとんど存在しないことに尽きると思います。基本的に大人は足を引っ張ったり、騒動や戦争を引き起こす無責任な存在に描かれ、そうした大人のツケを少年少女が活躍して解決するというのが最大の王道となっています。
 漫画の主な購買層が少年少女であることを考えると、大人を落として少年少女を持ち上げて描く方が感情移入されやすいため、こうしたストーリー手法が採用されるのは個人的に理に適っています。その一方、大人の鑑賞に堪える作品がやや出づらくなっており、功罪相半ばとなっている面があるでしょう。

 こうしたストーリー傾向はガンダムシリーズにおいても顕著、というかガンダムシリーズが代表格と言っていいくらい上記のようなストーリー構成を取っています。基本的に敵も味方も無責任な大人ばっかで彼らが戦火を拡大していく一方で、戦闘面においては主人公らの少年少女が大活躍して最終的に終戦に持って行くというのが基本パターンです。そのため主人公の年齢も基本若く、多分Gガンダムのドモン(20歳)が登場時で最年長で、次いでコウ・ウラキ(19歳)になるのだろうか。

 特にVガンダムに至っては、主人公は13歳と極端に若い上に、主人公側にいる大人たちは「こいつぁ使える!」とばかりにガンガンと少年兵を戦場へ送り込んで戦争に巻き込むなど、無責任を通り越して狂気に走った大人たちがさも当たり前のように登場してきます。こうした「無責任な大人とそれに振り回される子供たち」という構図は、明らかに監督の意向が強く働いているでしょう。

 ただ、そんなガンダムシリーズにおいて明らかに例外と言えるシリーズが1つあります。挙げてしまうとそれはガンダムXで、このシリーズ作品のみ責任感の強い大人が味方の側に立ってくれています
 具体的にはそのキャラは副主人公といっていいジャミル・ニート、そして彼と行動を共にする医者のテクス・ファーゼンバーグの二人です。二人とも行動や発言には強い責任感が伴っており、また戦火の拡大を抑えようとしたり、戦争などに利用され犠牲になっている子供を助けようと行動していたりと、ガチで大人の鑑のような人物として描かれています。

 それ以上に特筆すべきは、主人公であるガロード・ランとの絡みです。前大戦のエースでありながら大虐殺に加担した負い目によって戦闘恐怖症となったジャミルですが、若く暴走しがちなガロードに対し時には厳しく叱り、時には力強く背中を押したりして、その時々の状況に応じてしっかりと少年を導く大人の役割を演じています
 その一方で、大人であるジャミルの側も少年であるガロードの熱意や積極性の影響を徐々に受けていき、物語途中で戦闘恐怖症を克服し、パイロットに復帰するようになります。この流れについてもう一人の大人であるテクスが、「少年の心は、時として成人男性に伝染する。よくある例だ」と評しますが、地味にこれはガンダムXの中でも名言中の名言であると思うとともに、本当に望ましいとされる大人と少年の関係を見事に描き切っているようにも感じます。

 っていうかこのテクス先生、あまりにも人格がよく出来過ぎてるので、視聴中は「実はこいつ、敵のスパイなのでは?」と疑ったことがありました。それにしても名言が多く、「大概の問題はコーヒー一杯飲んでいる間に心の中で解決する物だ。後はそれを実行できるかどうかだ」というセリフもどっかで言ってみたい。

 ガンダムXは前番組のガンダムWから人気が落ちたこともあり、やや失敗作みたいな扱いをされた時期もありましたが、改めて作品全体を見ると最初に述べたようにガンダム作品としては例外的にしっかりした大人が描かれていること、また「ニュータイプ」、というより「新人類」という概念に真っ向から切り込んだことなど、そのストーリー構成や世界観に関しては文句のつけようがないくらい素晴らしいものだと、かえって年月を経るにつれて思うようになってきました。
 まぁ駄目出しすると、主人公機以外の機体がガンダムタイプを含め、敵味方ともに異常にダサいというのがまずかったと思います。「ガンダムXディバイダ―」、っていうかハモニカ砲はネーミングといいかなり好きなんだけど。

 冒頭でも述べた通り、少年少女が主な消費対象であることから、少年少女が中心となって活躍するストーリーが多くなるのは私は当然だと思います。ただそれが過剰に働いた結果、日本の娯楽作品では無責任な大人ばかり跋扈するようになり、やや作品としての引き出しが小さくなっていった気がします。
 そうした点を振り返るにつれ、「子供たちを導く大人」の役割を果たすキャラクターがやはり日本の娯楽作品では致命的に不足しているように思えます。こうしたキャラクターをもっとうまく描けるようになれば、もっと作品の幅は広がると思え、そういう意味ではガンダムXがまさにいい手本となる作品なのではないかというのが結論です。

 なおこの系統のキャラでほかにパッと浮かぶのは、「進撃の巨人」のリヴァイ兵長です。あとは「ダイの大冒険」のアバン先生がいるけど、あの人は序盤ですぐ一時退場してしまうのであんま導いてる感覚ないです。ポップ限定ならマトリフ師匠がまさにこの役割を果たしてはいますが、ぶっちゃけ麻生太郎氏に顔がよく似てるんだけど、一回コスプレやってみてほしい。

オミクロンは本当に弱毒性?

 さらっと書きたい気分なので短くまとめますが、デルタ株に成り代わり現在絶賛流行中のコロナのオミクロン株ですが、流行当初に「オミクロンは弱毒性」と各所で報じられていました。しかしコロナ感染後の治療法がある程度確立されてきているにもかかわらず重症者数は増えており、1日当たりの死者数も過去最高の271人を記録したと報じられていて、これで本当に弱毒性なのかと、専門家ではないもののちょっと疑問に感じます。

 単純に、感染力が強いためこれまでのタイプに比べ重症となりやすい高齢の既往症キャリアが感染する確率が高まり、その結果重傷者が増えたのかなと勝手に推測しています。その一方、そもそもオミクロンはハナから弱毒性ではなく、感染力も毒性も高いタイプだったのではないかとも勘繰っています。
 仮に後者だった場合、最近は本当に聞かなくなってきたけど流行当初に弱毒性だなどと報じられた、というより現場などから報告されたのかという話になってきます。これについてまた素人的な考えを述べると、流行前にワクチンがある程度接種され、そのワクチンの効果によって毒性が薄れていただけだったのではないかと適当に考えています。

 専門家などによると、ワクチンを打てば永遠に感染しなくなるわけではないものの、仮にその後に感染したとしても、身体への影響やダメージは顕著に落ちると報告されており、他の感染症のワクチンなどからもこの主張は正しいのではないかと思います。
 その上で、オミクロンが弱毒性だと判断されたのは、オミクロン自身の影響力が弱いからというより、ワクチン接種によってその影響が小さくなっただけで、逆を言えばワクチン打ってないとデルタとかそっち系にも負けないような毒性を持ってるのではないかという気が最近してきました。まぁ専門家じゃないので何とも言えませんが。

 なんか日本でも鎖国解禁などと言われ外国からの入国者数を緩和しようって話が出ていますが、恐らくこの流れは今後も続くと思います。というのも今のような状況を今後何年続けるかって話で、恐らくあと2年内には国境移動を解放しないといろんなものが持たなくなるのが目に見えているからです。ただ2年内にコロナがかつてのサーズみたく根絶されるかと言ったらそんなことはなく、世に言うウィズコロナが現実味を帯びてくるのではないかという気もします。
 ただウィズコロナで懸念を挙げると、夏場じゃないかという気がします。インフルエンザと違ってコロナは夏場でも容易に感染するため、この点でどういう風に割り切るのかが考えものです。それにしても今時分、内心で一番可哀想だと思うのは留学を目指していた学生で、彼らだけでもどうにかしてあげられないかなという気がします。

2022年2月16日水曜日

ずるいや兄ちゃん( ˘•ω•˘ )

ロッキンオン、古塔つみ描き下ろしグッズを一時販売停止と返品対応に すべての作品を調査を行うため(ガハろぐ)

 本題と関係ないけど今も検証が続けられているトレースレーターの報道とか見ていると、逆にオリジナル作品を見つけ出すことの方がハードなのではないかという気がしてきました。っていうか最後に書かれている「引用派の巨匠」という言葉が強すぎる。

 話は本題ですが先日も取り上げた「とはずがたり」では、後の南北朝の争乱のきっかけとなった後深草天皇と亀山天皇の兄弟二人が登場します。この二人は実の兄弟ながらどちらも天皇になっているものの、互いに頂点を極めた若貴兄弟と同様というか、その後継天皇をどちらの皇子にするかで対立が深まったと言われ、一般的には仲が悪い天皇兄弟のように認識されています。
 実際に私も長い間そんな風に見ていたのですが、両者の姿については「とはずがたり」でも描かれていて、それを読むと若干印象が変わってきます。

 具体的にはどう描かれているのかというと、ちょうど後深草天皇が自らの側近でもあり朝廷と鎌倉幕府のパイプ役である西園寺実兼を使った運動が効を奏し、自分の皇子(伏見天皇)を皇太子に立てたあたり、後深草天皇と亀山天皇が不仲であるという噂が出回っていたようです。
 これに対し両者は「そんなことないよ(・∀・)人(・∀・)ブラーザ」ということを世に示すため、一時期互いの屋敷を訪問し合ったりしました。訪問理由はいろいろ理由をつけていたのですが、途中からチームで弓の腕や和歌を競い合ったりして、勝った方をお祝いし合うみたいなイベントをやるようになりました。

 そんな交流戦が繰り広げられたある日、後深草天皇が逗留先の屋敷で横になって「とはずがたり」の作者である二条にマッサージしてもらっていたところ、亀山天皇が単身で部屋に入ってきて、こんなやりとりがあったそうです。

亀山天皇「今夜は御供がいなくて夜寂しいの。兄ちゃんの二条貸してよ(´・ω・`)」
二条(何言ってんだこいつ……(;´・ω・)モミモミ)
後深草天皇「二条は今、身重(妊娠中)だからまた今度ね(´-ω-`)マッサージキモチイイ」
亀山天皇「ずるいや兄ちゃん!うちの女房の中で気に入った娘がいたらいつでも言ってねと僕は言ってるのに、兄ちゃんは自分とこの娘を独占すんの?( ˘•ω•˘ )」
二条(ちょっ、待てよこの兄弟。なに勝手に交換条約結んでんだ(;゚Д゚)モミモミ)
後深草天皇「( ˘ω˘)スヤァ」
亀山天皇「兄ちゃん酔っぱらって寝ちゃったね。じゃ、君はこっちへ(´・ω・`)グイッ」
二条(ってオイィ、寝てんじゃねーよこのタイミングで:(;゙゚''ω゚''):)

 っていう感じで、亀山天皇に手籠めにされたといういきさつが描かれています。会話文はもちろん脚色していますが、ガチでこんな内容です

 これ見て当時の宮中の乱れ方とかそういう以前に、「案外仲いいじゃんこの兄弟(;´・ω・)」というのが私が感じた印象です。もちろん仲良くシェアとかしてたのはこの時期だけでその後は険悪だったのかもしれませんが、政治的にはともかく、プライベートでは上記の通り交流があったようです。どちらかというとこれ以降、皇統が分かれたまま時代が下るにつれて派閥間の抗争が激しくなっていったというのが実態かもしれません。

 なおこんな感じの話がガチで「とはずがたり」は多く、戦前とか発禁にならなかったのかなと前から思っていました。ただ先日のJBpressの記事を書いた際に調べたところ、実はこの「とはずがたり」は二次大戦中に古典資料館で初めて再発見され、皇室への社会の意識が強かったこともあり当時は公表されず、1950年くらいになって初めて世間に出されたそうです。

 それで合点がいったというか、他の古典と比べると「とはずがたり」はややマイナーな方に入りますが、それは恐らく古典マニアな明治、大正の文豪が一切触れていないこともあると思います。森鴎外や芥川龍之介を始め、この時期の文豪で古典マニアな人は少なくなく、彼らが小説に取り上げたことでメジャーとなった古典も多いです。しかし「とはずがたり」は彼ら文豪のいた時代には表に出ておらず、昭和になって初めてその存在が再確認されたこともあり、いわゆる源氏物語や更級日記などと比べるとやや知名度が低いのではないかと思います。この前亡くなった瀬戸内寂聴を始め、現代語訳している人はそこそこいますが。

 それにしても「とはずがたり」のエピソードはほんとに顔文字入れやすい。

2022年2月14日月曜日

粥杖事件記事の裏側

鎌倉時代の珍事件、「おケツ滅多打ち」の復讐に燃えた女官たち(JBpress)

 というわけで定例コンクラーベな自分の記事紹介ですが、この記事は大分前にこのブログでも紹介した粥杖事件の顛末を再びまとめた記事です、今回出したきっかけとしては、春節休暇中にまた粥杖事件の解説とか読みたくなって検索かけたところ、自分のブログ記事が一番上に表示されて、この事件がほとんど日の目を浴びていないということに気が付いたためです。

 そうして書くに至りましたが、元々の内容の面白さもあり、書いている間はかなり楽しく書けました。本音を言えばもう少しアクセスとかコメントが増えればという気持ちもあるものの、ヤフコメのコメントはどれも「面白い(^ω^)」的なコメントが多くて、この点では書いてよかったと心底思える結果です。
 なかでも、「現代と変わらないね」というコメントもあるのですが、このコメントが地味にうれしいコメント内容です。というのもこの記事は裏テーマは設けていませんが、読者の方には1000年近く前の人であっても、意外とユーモア方面の感覚は現代人と大差ないということを意識してもらいたいと考えながら書いた記事だったからです。実際、この事件での後深草院は連座の話をわざと持ち出したりするなど、天皇という庶民から最も程遠い立場にありながらユーモアたっぷりに動いており、非常に親しみが持てます。

 このほかコメントでは、記事中の「力が欲しいか?」というセリフに着目するコメントもみられました。このコメントも非常にうれしく、このセリフはいくらか脚色して入れたものであるものの、内容的にも情景的にも非常にマッチしたセリフを上手く浮かんで入れられたと感じる会心のセリフでした。
 なお思いついたのは記事を一回全部書き終えた後で、シャワー浴びながらペルソナとか昔のゲームや漫画のセリフを思い出している最中にふと浮かんできて、あとから付け加えました。

 今回、この粥杖事件の記事を書くに当たっては参考文献に上げている佐々木和歌子氏の現代語訳された原典を読みましたが、高校時代に読んだ内容は一部だけかと思っていたら、案外ほとんどの内容を当時に読んでおり、また今でも記憶していたことに気が付きました。
 そんな「とはずがたり」の分量はちょうど小説一冊程度に収まるくらいですが、佐々木氏の現代語訳が非常に読みやすくできていることもあり、古典だからと言って敬遠されがちですが是非他の人にも読んでもらいたいと思い、記事の末尾はややプッシュが過ぎるかなというくらい推薦しています。

 よく古典というと読み辛そう、時代背景が分からないなどという理由から敬遠されがちですが、私が思うにそうした敬遠される主原因は、現代語訳が少なかったり、されていてもやや格式ってて読み辛くなっていることにあると思っています。実際にはこの「とはずがたり」のように昔の人の感覚は思われている以上に現代人に近く、ちゃんと中高生くらいが読めるような言葉で現代語訳さえすればもっと読まれるのではないかという気がします。
 こうした問題意識は大学時代から持っており、私自身で日本の古典を読みやすい形で現代語訳しまくってやろうと思い、わざわざ下宿に古語辞典を持ち込んでたりしました。ただ飽きっぽい性格は当時からのため、結局古語辞典を開くことなくこうした事業は手掛けず、ゲームと自転車と社会学に明け暮れることとなりましたが。

 ただ、真面目に今度暇が出来たらやってみようかなという意識がまた芽生えています。というのも中国で散々あらゆる文書を翻訳してきて、翻訳という作業に対してめちゃ強い耐性が出来た上にいろんなテクニックも身に着けたので、大学時代と比べても多分今の方が翻訳させたら古語であっても段違いにいいの作れる自信があるからです。まぁ言うだけなら誰でもできますが。

 というわけで今回のこのとはずがたりでちょっと鎌倉時代にマイブームが来ているので、しばらくこの方面の解説記事でも書いていこうと思います。

2022年2月13日日曜日

スーツが限界(;´Д`)

 最近北京五輪のせいか、ネットの回線が多いのが地味に面倒です。まぁ中国アルアルだけど。

 話は本題ですがさっきまでお裁縫をしていました。最近この手の裁縫をすることが多くダイソーで裁縫セットを買うにまで至っているのですが、一体何を縫っているのかというとスーツのズボンです。このところスーツのポケットや縫製部がほつれることが多く、ポケットに当て布したり、ほつれた箇所は縫い直したりとお裁縫仕事がやけに多いです。それもそのはずというか、今使っているスーツは旧ザク並に稼働期間が長期化しているためです。

 2年前まではスーツ3着を1ヶ月ごとに着まわしていたのですが、このうち2015年に買った1着は去年にズボンが太腿のあたりで破け大破し、2017年に買った1着は何度もズボンがほつれてその度に縫い直してましたがポケットに割と大きな穴が空いてこの前当て布しました。でもって一番損傷が少ないのは2009年にヨーカドーで5000円のところを半額セールで2500円で買ったスーツですが、先の二つのスーツと比べてぴっちりサイズじゃないこともあってこれまで破れたりすることはなかったものの、今回ポケット入口付近がほつれたので縫い直しました。もっともこの2500円スーツ、さすがに稼働期間が半端じゃないこともあって裾のあたりがかなり擦り切れています。

 なんでそんな古いスーツを延々と着続けるのか不思議に思われるでしょうが、理由は単純に買い換えられないからです。というもの中国では、青山とかコナカといった吊るしでスーツを売る店がなく、テーラーメードでしかスーツを買えないからです。
 自分も何気に最近知ったのですが、日本のような紳士服量販店は基本皆無であり、スーツを手に入れようものならその手のテーラーメードに行って、お店に作ってもらうしか選択肢がありません。無論、その分値段はかさむとのことで、日本と比べるとスーツは割高だと友人から聞いています。

 別にテーラーメードで作ってもいいっちゃいいですが、吊るしで安くで買えるならそれで済ませたいし、また日本に行ったときにでも買って持ち帰ればいいやと思っていたらこのコロナで日本に行けなくなり、そこへちょうど追い打ちかけるように手持ちのスーツが次々とダメージが深刻化するようになって、マジで今のスーツが切れなくなったらどうすんだ的な状況に陥ったわけです。
 ズボンが破けたスーツはジャケットは無事なので似たような柄のスラックスでもあればと探してみたものの、ストライプ入りのスーツであるためそんな都合よくなく、結局今のところ2着で着まわしています。ただその分この2着に負担がかかっているようにも見え、早くもう1着が欲しいところです。

 もっとも中国ではドレスコードが緩いこともあって、必ずしもスーツ着て仕事する必要はないため、完全にスーツ駄目になったら同僚みたくポロシャツみたく出勤しようかとも考えています。なおその日本人の同僚は、11月くらいまで半そでのポロシャツで出勤してました。
 また、一応今の職場はちゃんと会社規定のドレスコードがあって、男はYシャツネクタイ、女性もスーツを着るよう規定しているのですが、中国人スタッフは誰も守らず、夏場はTシャツや短パンで来る人も珍しくないです。ただ自分も服装に関してはもっと自由であるべきだと思うので、こうした中国の雰囲気の方がどちらかというと好きです。

2022年2月12日土曜日

賃貸の部屋に浴槽は必要か?

【悲報】若者の「新しい価値観」、貧困をごまかしてるだけだと批判されてしまう(ぶる速)

 上の記事でも触れられていますが、このところ「浴槽なし賃貸ルーム」の話題をよく見ます。
 確か最初に話題となったのは実際の物件で、浴槽がなく、シャワールームしか備え付けられていない部屋が取り上げられたのに対し、「空間の有効活用」、「賃料安くなるならいいかも」などと好意的に取り上げられていたのを観ました。上のまとめ記事で取り上げられている人はこうした好意的な反応に対しツイートしたようですが、多分、実際にそういう部屋に住んだことないからこういうこと言うんだろうなって気がします。

 では実際に浴槽がなくシャワールームだけの部屋に住んでいる人間はどう言うのかですが、中国ではまさにこうした形態が一般的な住宅で、私に至ってはかれこれ10年くらいそういう部屋で起居しています。そんな私に言わせると、広い部屋ならともかく、狭い部屋ならぶっちゃけ浴槽は邪魔でしかなく、ない方がむしろいいとはっきり思います。

 例えば一般的な安めのワンルームの部屋だと、バス・トイレが分かれておらず、浴槽から出てシャンプーとかしようものならトイレ周辺がびしょびしょになることは確実です。そのため私なんかは浴槽の中で石鹸やシャンプーを使って洗ってましたが、浴槽の構造的に足元は滑りやすく、且つシャワーカーテンに挟まれ自由に体を動かすこともできず、大学生の頃なんか一回滑って腰を強打したことあります。あんま痛くなかったけど。

 それに対し今のチャイナ部屋ですが、こちらもバス・トイレは分かれておらず同じ部屋の中にまとめて収納されていますが、トイレとの間は今日重曹でめちゃ綺麗にしたガラスの引き戸で区切られており、シャワー中にトイレに水滴が飛ぶことはまずありません。また浴槽と違って平面の床の上に直立することができ、両腕を自由に動かすこともできるので、単純に体を洗う上ではこっちのがずっと使いやすいです。

 とはいえ浴槽がないと風呂に浸かることが出来ないのが嫌だという人もいるでしょうが、私なんかそういう時は外の銭湯に入りに行ってました。銭湯の方が広いし、且つ浴槽を洗う手間も省け、ガス代や水代も考えるとこっちのが効率的かなとすら思います。こうした生活スタイルは、スーパー銭湯の増えてきた上海でもやっています。

 以上のような実体験を踏まえると、面積の限られた安い賃貸部屋であれば、無理して浴槽入れるくらいならシャワー1本に割り切った部屋の方がかえって住み心地はいいのではないかと思います。少なくとも、家賃などが同じ条件だったら私は迷わず浴槽なしを選びます。
 どうしても浴槽が欲しい場合は、少なくともバス・トイレが分離した部屋じゃないと嫌です。また分離していても、体洗うスペースが極端に狭い部屋も嫌です。だったらシャワーだけにして洗うスペースを広く取ってくれた方がありがたいです。

 ただ、浴槽なしでシャワーだけでいいとさっきから言っていますが、まさにそのようなシャワールームだけの部屋であったものの、マジ辛いと思った部屋が一つあります。もったいぶらずに言うとそれは香港にいた頃に会社に割り当てられた部屋で、そこも浴槽なしシャワーのみの部屋だったのですが、そのシャワールームは極端に狭かったです。具体的にはガラスで四方が覆われているのですが、電話ボックスよりもやや狭かった気がします。
 最初見た時、「こんな狭い空間に人間が入り込めるのか(;゚Д゚)」と思ったくらい狭かったのですが、試しに入ってみたら案外入ることができ、体も洗うことができて、人間って案外凄いんだなと当時思いました。でもさすがにあの狭さはもうあまり体験したくない。

もう戦って決めたらと思う甲子園選抜

 週一で洗っているものの、長い年月を経たことによりシャワールームのガラスが水垢が汚れ、付着した水滴が下に流れなくなったことが前から気になっており、ネットでガラスの水垢には重曹が効くと聞いて、半信半疑で試してみたらやばいくらい水垢落ちてガチで感動しました。今年は抗生剤といい、人類の英知に感動する機会が多い。

 話を本題に移すと問題発生からもう結構立ちますが、未だに春の選抜甲子園において聖隷クリストファーが選ばれなかった問題が燻っています。案外日本人というのは「平等、公正」に関して他国と比べてもかなり厳格な民族ということもあるでしょうが、堂々と不可解な選び方して、明らかに齟齬のある決断理由を高野連が説明するという火に油を注ぐ行為もあって、多分この問題は実際の甲子園開幕後もまた炎上するでしょう。
 聞くところによると、聖隷クリストファーを特別枠として選抜するよう求める署名も集められているそうですが、この不可解な選抜経緯からすればこうした活動が行われることも自然だと思います。しかし高野連側はこうした署名を無視する気満々で、ぶっちゃけ襲撃事件とか起こらない辺りは日本は平和な国だなと思います。

 私個人としても明らかに人口の多い東海三県から1校を無理やり出すために聖隷クリストファーが犠牲になったとしか思えず、この高野連の決定には到底納得がいきません。その一方、発表された後でやっぱなしということになったら、今度は選ばれた大垣日大の生徒が不憫になってきます。ではどうすればいいのかですが、この際だからもう戦って決めたらいいのではと思うようになってきました。
 つまり、聖隷クリストファーと大垣日大がこれから試合を行い、勝った方が甲子園に出場するというエキストラマッチを行うということです。

 そもそも高野連が今回大垣日大を選んだ理由として「甲子園で勝てるチームを選んだ」と話してます。だったらなおのこと、聖隷クリストファーと大垣日大のどっちのチームが本当に強いのかを直接対決ではっきりさせるべきでしょう。勝った方を選ぶことによって、文字通り強いチームを選ぶことができるだけに、非常に合理的だと思います。というよりむしろ、現時点においてまだこのエキストラマッチを行っていないという時点でナンセンスもいいところです。
 ベッケンバウアーじゃないですが、「強い奴が勝つのではなく、勝った奴が強い」のです。勝者がすべてに頂くという世界共通ルールこそ今持ち出すべきであり、これによって妙な後腐れなくこの問題にケリをつければいいと思います。なのでさっきの署名の人たちも、「聖隷クリストファーと大垣日大を戦わせろ!」という要求に変えるのも一つの手だと思います。

2022年2月10日木曜日

中国の羽生フィーバー

センバツ落選の聖隷クリストファーに大会主催者「これ以上の説明差し控えたい」署名提出待たず“幕引き”強調(スポーツ報知)

 上の記事については「なに勝手に話し終わらせようとしてんだ?」という気がします。っていうかこの際だからもう春の甲子園は金輪際やらず、夏の大会だけにすればいいんじゃないのかと思えてなりません。夏の大会もスケジュールを調整し、5月くらいから地方大会を行い、7月から8月にかけて余裕ある日程で開けばこの際いいんじゃないかと思います。
 可能ならば6月くらいから本大会やるべきだと思うけど、6月だと梅雨でなかなか開催できない可能性が高いです。まぁ大阪ドームでやりゃいいだけだと思うのですが。

 というわけで今日フリーの演技が行われた北京五輪の男子フィギュアですが、二大会連続金メダルのレジェンドである羽生選手はSPのアクシデントが響き4位に終わりました。とはいえ8位から順位を伸ばしており、よくあのアクシデントを引きずらずにフリーで巻き返したなと思うととに、4回転半にも挑戦するなど、スポーツ選手の中でもやはりひときわ輝く存在に見えます。

 そんな羽生選手についてこのところ日系メディアでは中国でのフィーバーぶりがよく報じられていますが、報道内容を見る限りあまり実態に則しているという感じはしません。というのも、実際はもっとフィーバーしており、ガチで今大会で一番人気のある選手なんじゃないかとすら私も思います。

 羽生選手についてはその人柄、実力ともに非常に優れていることもさることながら、女性っぽい顔立ちの細マッチョという中国人女性にとって一番ドストライクなキャラクターが人気の原動力だと思います。まぁ日本でも同じっちゃ同じですが、ガチムチマッチョに対する見方が日中だと日本の方が人気であるのに対し、中国はややそうでもないってのもあって、羽生選手の中国での盛り上がりを過熱させている気がします。
 もっとも室伏氏のようなガチムチマッチョについてこの前知り合いの中国人女性に聞いたところ、「中国でも決して人気がないわけじゃない。っていうか私だって好みだ」と言われました。今度、中国で人気のあるガチムチマッチョとかまとめてみようかな。

 話を戻すと羽生選手のフィーバーぶりについてですが、大会中に選手の中からコロナ感染者が何人か出ているのですが、この報道が出た時に中国メディアでは「羽生選手は大丈夫だろうか?」などと、中国人選手そっちのけで羽生選手を心配する声が多く寄せられました。実際に中国の空気としてはガチこんな感じで、自国の選手以上に羽生選手の動向が大きく注目されています。

 それにしても今回のフィギュア、金メダルこそネイサン選手が見事得たものの、2~4位を日本人3人が独占するという、地味に凄い快挙であったと思えます。浅田真央氏が現役だった頃は女子フィギュアばかり注目されて男子はやや一段下の人気であったものの、今やこの差は逆転しており、男子の方が大きく注目されるようになって、それとともに実力もどんどん上がっていったという風に見えます。

 なお今回の大会で羽生選手は、その代名詞ともいえるプーさんのぬいぐるみティッシュ箱を持ってこなかったそうです。オリンピックの版権キャラ出すのがいろいろとアウトっぽいためですが、ネットでは「プーさん出すと、ペーさんにいろいろ差しさわりがあるからでは?」と書かれててなんか笑えました。ペーさんって愛称は悪くない気がします。

2022年2月8日火曜日

中国女子フィギュア選手が非難される別の理由

「中国語で話したい」転倒非難の中国女子フィギュア選手が流暢でない〝母国語〟で懸命に話す(東スポ)

 今日の友人との食事で、上のニュースについて日本のメディアが報じている内容とは異なる背景を教えてもらったので、備忘録代わりに書いておきます。本当はもう寒いからブログなんて書かずに寝たいのに。

 絶賛開催中の北京冬季五輪ですが、米国育ちながら2018年に中国に帰化して代表となった中国女子フィギュア選手の朱易選手ですが、今中国から大バッシングを受けています。その理由というのもフィギュアのSP、フリーともに転倒し、順位も最下位だったことがきっかけですが、これについて日系メディアは、

・帰化して他の選手から代表の座を奪ったのにこの体たらく
・そもそも実力がないのに代表になったのでは親のコネではないのか疑惑
・中国語も話せないのに代表だなんておかしい(実際は話せるよう)

 このような理由から彼女が叩かれていると報じられています。

 こんな感じで日本でも話題になっているよと中国人の友人に話したところ、「ちょっと違う」と言われました。どういうことかと聞くと、「彼女が叩かれているのは気持ちを立て直さなかったからだ」と教えられました。
 友人によると、SPで転倒して駄目だったのはまだ許せても、そのまま気持ちを引きずったままフリーでも目に見えて覇気のない演技を見せたことが主な非難理由だそうです。これを聞いて私も、ナットなくこっちの方が真実なのではないかという気がしました。というのも、中国はどん底から這い上がる人間に対しては惜しみない称賛をするからです。

 同じ女子フィギュアで、日本の浅田真央氏が現役時代にSPで同じく転倒して振るわない点数を叩き出したものの、続くフリーで会心の演技を見せた際、中国国内でも非常に話題となって彼女を称える声で溢れました。こんな感じで割と中国人は、失敗から立ち直る姿勢を非常に重視する傾向があるのは間違いありません。
 それが今回の朱易選手の例では、SPの失敗を思いっきりフリーにまで引きずったというのが目に見えてわかるほどだったようで、その点が逆に中国人からすれば一番気に入らない要素だったというのが友人の言です。先の浅田氏の例を見ると割とそういう見方になるのではと思う要素があると私も思え、実際はどうだかわからないけど、少なくとも日系メディアでこうした見解は報じてないのでここに書いておくことにしました。

 それにしても春節の休暇中はよく見えた視力が、勤務復帰直後からまた見え辛くて仕方ない状態に戻りました。休暇中はよく寝っ転がりながら長い時間ゲームしてたのに目はぐんぐんよくなったというか見えるようになっていったのに、自分の仕事がどれだけ目に良くないかがこの二日間ではっきりわかりました。

2022年2月7日月曜日

日本が衰退した理由

熟練の「技」覚えたロボットが細胞培養、自動化で研究時間を確保…理研が神戸に拠点(読売新聞)

 上の記事見て、これならスタップ細胞も作ってくれそうじゃんとか妙な期待感持ちました。


 上の記事見て、「会社を三等分できない東芝経営者たち」というタイトルが浮かびました。っていうかこの会社分割化案のメリットは全く見えず、何を目的にこんな提案を始めたのかガチで思考を疑っています。まぁぶっちゃけ、妙な手順で事業売却するつもりなんじゃないかという気がしますが。


 それでようやく本題ですが、最近この手の日本の衰退理由を問うまとめ記事を見ることが増えてきました。なんとなく90年代後半にかけてのバブル崩壊認識期のような空気になってきたなと感じるとともに、衰退理由を尋ねている時点でなんかいろいろと思いやられます。
 結論から書くと衰退理由はあり得ないくらいあるため、いちいち挙げ切ることはできないというのが私の見方です。その上で上記のような問いをする人たちは恐らく、「何か一つの致命的な問題を日本は抱えており、それさえ解決すればまた日本は浮上する」という前提を無意識に持っているのではないかと思ってみています。前からも書いていますが、なんか日本は悪い原因を複数要因として分析することはせず、たった一つの原因がすべてを悪くさせていると思い込み、更なる失敗を重ねる傾向が強い気がします。

 もっとも、複数要因があるにしても何か一つ、代表的な問題を絞ってもらいたいという心理はわからなくはないです。まぁエリートがそれで納得しちゃったら終わりなんだけど。
 敢えて経済関連でそうした代表的問題を挙げるとしたら、ダメな中小企業をやたら保護して生かそうとしてきたのがハイランクな問題、エルフ的にはハイエルフ的に致命的な問題だと思います。厳しい言い方になりますが事業拡大がもはや見込めない中小企業に関しては余計な支援などせずガンガン潰してくれた方が全体経済にとっていいし、また無能な経営者の淘汰にもつながります。実際自分も日系企業をいろいろ見てきて、本当に無能な経営者が多いなとこれまでに何度も感じてきました。死人出ても知らんぷりだったし。

 次に社会的な面で言えば、コミュニティの喪失が地味に大きいかとも見ています。先日もまとめ掲示板で、社会人になったら人間関係は社内だけになるとみんな書いてて、「え、そうなん?」とか思った自分は少数派です。
 地域でも趣味でもいいから会社以外の人間関係をもっと持たせる、その上で政治的組織票を形成することによって政治への反映、議論を深めるようにしないと、今の地方議会のように明らかにやばい奴が当選し続ける環境が今後も続くと思います。野党ばかり批判する人が多いですが、野党でなくても、100人単位の組織票となるようなコミュニティがあればそこそこ政治への参画力とか高まると思うのに、なんかそういう投票団体が一切日本では形成されないなと前から思っています。

 このほか中国絡みでもう少しいうなら、日本人は他国をもう見るな、というか比べるなと言いたいです。何かに憑けて「韓国や中国よりマシ」と大合唱しますが、以前にJBpressで書いた記事でも書いたように、他国のリスクを心配している暇があるなら自国のリスクに向き合えよと声を大にしていい対です。むしろ自国のリスクを認識していながら目を背け、放置し続けてきた結果がこれだというのに、この点を誰も改善点に挙げない時点で日本国内の人材不足を痛感します。

 その人材に関しても、私自身が誰にも負けないような超優秀な完璧超人だと言い張るつもりはありませんが、それでも日本の市場見ていると、「なんでこんな奴らにわけわかんない妙な仕事で振り回されたんだろう」とか思うことが多いです。単純にライター業でも、新卒の頃はすべての新聞社に落とされましたが、私よりアクセス稼げる記事を書ける人は半分より多いか少ないかで言えば少ないと断言できます。
 もっとも最近は日本国内のアクセスを稼ぐとともに、中国メディアに翻訳してもらえ、尚且つアクセス稼げる記事を意図的に書こうとしていて、あんま日本のアクセス数にはこだわらなくなってきました。

 内心、私自身がこのような感じでスペックに見合わない無駄な使われ方されてきたという自覚があるだけに、自分以上に優秀な人たちはもっと無駄に費消されているのではというのが私の見方です。器用な人は自分で独立したり外国行ったりするけど、優秀な人が誰しも器用とは限らないだけに、人材の無駄遣いが日本国内ではかなり激しいのではと思ってみています。
 その上で、はっきり言ってしまえば日本では無能な人ほど偉そうにして、優秀な人ほどなんか世間で低くみられる、というか変人扱いされて報われていないように見えます。私自身も日本国内ではガチで気違い扱いされてきましたが、なんであんな目に見えて無能な人をみんなで崇め奉るのか、未だ理解できない日本の神秘です。

2022年2月6日日曜日

ローラースルーゴーゴーの真実

『ちびまる子ちゃん』はまじが明かす“神回”の裏側、家が全焼した「永沢君」の正体は(週刊女性PRIME)

 また凄いインタビュー記事が出たというか、読んでてめちゃ面白かったです。
 上の記事は漫画「ちびまるこちゃん」の登場人物である「はまじ」のモデルとなった当人への、作中内容は本当のところどうだったのかということを尋ねたインタビュー記事です。人気のある作回に絞って尋ねており、そんなこの漫画を読み込んでない自分でも「あ、あれね」と思い出せる話が多いです。

 中でも自分が記事を開いた瞬間から、「あれはないのか?」と考えていた「ローラースルーゴーゴー」の話についても、このインタビューでしっかり触れられています。「友蔵のローラースルーゴーゴー」と言えば話が早いこの神回について上記インタビューでは、実際に当時流行っていたものの、作中ではまじはまるこに料金を取って貸し出していますが、モデルの浜崎氏は当時、実際にはローラースルーゴーゴーを持っておらず、自分も友達に貸してもらって遊んでいただけだったそうです。
 まぁさすがにあの展開(貸し出して、山田に乗り壊されて、弁償してもらったところ金取っていたことがばれて怒られる)は、子供心にもフィクションだろうとは思ってましたが。

 このほかインタビューでは、浜崎氏が若い頃にビートたけし氏や西川のりお氏に弟子入りを志願していたという事実も明かされているのが印象に残ります。この点で言えば作者の故さくらももこが将来芸人になりそうと言っていたのも、あながち間違ってはいなかったのでしょう。

 それにしても「友蔵のローラースルーゴーゴー」は、「迂闊な発言や決断で多大な出費に迫られる」といった意味で、故事成語にしてもいいんじゃないかとすら思います。

2022年2月5日土曜日

中国の女性の社会進出具合


 今日は上海郊外にある余山というところに往復50㎞を自転車で走って行ってきました。改めて思うのは先月まで本当に運動不足だったということで、しっかり自転車で走る度に体が以前に比べ動くようになってくるのを感じます。
 去年秋は夏場の激務からあんま動けず、1月は扁桃腺が腫れたせいでさらに動かなくなり、運動不足をはっきり自覚するとともに、ガチで疲れやすくなっているのを感じてました。そのためこの春節休暇の間はしっかり運動しようと思っており、昨日に油差したこともあって自転車がめちゃ早く動き、そこそこ楽しく走れてきました。


 それで本題ですが昨日上の記事見てブックマークしておいたので、少しこの話題に触れます。記事にも書かれている通り、中国は結婚した夫婦はどの苗字も名乗れる、つまり相手側の名字でも、元からの名字でも男女それぞれが自由に選ぶことができ、一般的に男女ともに旧姓を名乗り続けることが大半です。なお子供は父親側の姓を名乗ります。
 以前に馬鹿な日本の政治家が夫婦別姓になると家族の紐帯が途切れるなどとほざいていましたが、日本などよりもずっと家族関係が密な中国が夫婦別姓であることを考えると、あまりに妄想に満ちた発言に思えてなりません。その上で私自身は、やはり女性が結婚を機に苗字を変えるとなると、昔ながらいざ知らず現代においては携帯やクレジットカード番号を始め、あらゆる契約で修正が必要となることから、日本も早く選択的夫婦別姓を採用すべき立場を取ります。

 そんな夫婦別姓もさることながら、女性の社会進出という点でも中国は日本より進んでいると感じます。出産などのイベントもあるとはいえ、日本と比べるとベビーシッターの雇用が一般的であり、またシッター代を払ってでも職場に復帰してキャリアを継続することが、企業側にもよしとされる文化があります。
 やや偏見かもしれませんが、日系企業の場合は出産を機に単純労働力の女性を解雇し、もっと若く給与も安くで済む若者を入れようとする傾向があるのではと見ています。職種別採用じゃないことが大きな原因であるとともに、ハナから女性のキャリアアップを考慮していないのではないかとも見ています。

 話を戻すと、実際に大手企業でも女性のマネージャー職は珍しくなく、夫婦においても嫁の側の方が収入がでかいというのもさほど珍しくありません。そのため上の記事でも書かれている通り、農村では未だに男尊女卑の意識が強いものの、大都市部においては女性の方が家庭内でパワーがでかいというのがあんま珍しくないです。そもそも中国の女性は気が強い人のが多いので、なんとなくですがDVも女性が加害者というパターンが多い気すらします。

 それはさておき、あくまで自分が見て来た中で述べると、管理職となる女性は全体として単純に優秀な人が多いです。優秀だからこそ管理職になれると言えば聞こえは早いですが、日本においてはむしろそういうケースはあまり見てこず、社長や役員などとの距離感で管理職になる女性の方が多かったとすら思います。
 では中国は何が違うのかというと、単純に競争原理が強く働いているからだと思います。具体的に仕事でどんな業務ができるのか、どれだけ売上上げているのかがシンプルに評価されるのと、よけにな足の引っ張り合いをしていたら第三者にあっという間に追い抜かれるという空気すらあるだけに、日本と比べると妙な妨害とかせず、自身の給与アップにつながるのであれば貪欲に仕事をするエリート女性が多い気がします。また会社側も、その辺で男性に対する妙なえこひいきとかせず、割と公平な目で見ます。

 そういう意味で上の記事に書いている通り、日本でキャリアアップが閉ざされた女性が中国に来ると、かえって中国の方が働きやすいと感じるというのも道理です。実際に何人かの日本人女性がまさにそのようなことを話しており、女性に限るわけじゃないですが、こと仕事面においては中国の方が日本よりずっと環境がいいと私も思っています。何が環境を良くさせているのかというと、先にも書いた通り競争原理がシンプルに働いているからでしょう。

 逆を言えば、日本は女性の社会進出を応援だとかどうこう言っていますが、ただ単に競争原理を最優先にするだけでこの手の問題はほぼすべて解決されると私は思います。しかしそうした競争原理の導入へ日本企業が踏み込まないのは、やはり一部の身内びいきを温存させたい一心じゃないかとも思います。
 以前にも書きましたが、日本企業の経営者は利益に対して驚くほど貪欲さがないです。増益につながる手段が目の前にあっても、何故か見て見ぬふりするのが本当に自分は不思議です。

2022年2月4日金曜日

ガチですごかった木製爆撃機


 昨日から今日にかけて、デ・ハビランド社がかつて作った二次大戦期の「モスキート」という飛行機のプラモを作っていました。知ってる人には早いですがこの飛行機、当時としても開発時点では「あり得ない」と言われた木製飛行機で、且つある意味で史上初のステルス機です。


 この飛行機の開発経緯についてはウィキペディアなどで詳しいですが、金属などの材料が不足することを念頭に、「じゃあ全部木製で作っちゃえばいいじゃん!」という、如何にもその場のノリを本気で実行に移す英国人的なチャレンジ精神(=無謀)から、デ・ハビランド社で開発がスタートします。ただ企画を持ち込まれた英軍では、当時としても時代遅れと見られていた木製飛行機という構想に興味を示さず、具体的な発注も行わないと拒否しますが、「じゃあ俺たちが勝手にやってやんよ」と、受注の目途すらないのにデ・ハビランド社で開発が続けられます。


 こうして試作機を作り上げたところ、飛行テストで最高速度600㎞/h超という、このサイズ(爆撃機サイズ)の飛行機で当時としてはあり得ない数値を叩き出します。ちなみに最高速度で言えばB29は576㎞/h、零戦は518㎞/hで、単純計算でゼロ戦に対し1.2倍の速度を持っていたことになります。なお最終的にモスキートの最高速度は高高度にて664km/hにも達したそうです。


 一体何故モスキートはこれほど早かったのかというと、木製なため機体重量が極度に軽かったためです。また機体強度に関しても、優れた設計から金属製の飛行機に劣ることはなく、むしろ木製ゆえに敵機から機銃で撃たれて翼に穴が開いても深刻な損傷とならず、そのまま問題なく飛行できたというメリットすらあります。
 もっとも木製ゆえの弱点が全くなかったわけではなく、対日本のアジア戦線では高温多湿の環境から木材が腐食することが多く、ヨーロッパ戦線ほどには活躍できなかったそうです。ひどいのになると、キノコが生えて来たとも言われています。


 こうして戦線に投入されたモスキートでしたが、機体に違わず圧倒的な速度を武器に、爆撃や偵察、果てには夜間戦闘機としてマルチな用途に応用され、各方面で優れた実績を叩き出してきました。また前述の通り耐久性も案外よく、損傷率も他の飛行機に比べて悪くなかったようです。


 またこれは開発者も想定外でしたが、機体が全木製ということもあり、レーダーに映らないという特徴までも備えていました。この特徴は夜間爆撃などで特に力を発揮したとされ、「史上初のステルス機」という見方を持つ人もいます。


 そのほか機体が木製なため、家具工場などでも生産でき、また生産資源的にも木材で行けるという生産効率面においても他の飛行機を凌駕するメリットがありました。一見すると冗談で作られたように見えるものの、大戦期における実績や貢献は半端なく、傑作飛行機としてファンも少なくない機体です。
 そうした背景から自分も前から興味があり、通いのプラモ屋に置いてあったので購入して今回作りましたが、組立は楽しかったもののかなり大変でした。昨日に5時間ぶっとおしで組み立てたものの、室温が10度を切る中で作業したため最後の方は指が震えて組み立て辛かったです。


 また一般の戦闘機とは違い爆撃機に分類される機体であることから、そのサイズのでかさには結構ビビるものがありました。上の写真は同じ縮尺(1/48)で前に作ったコルセアのプラモとの比較ですが、羽の大きさからして全然違うのがよくわかると思います。

コックピットに入るラダーを付けたバージョン

 組立に関してはタミヤ製とあって基本的によくできているものの、主翼と本体は付け根部分に設けられた二つ穴に釘を通すような感じでパーツを入れるとパチッとはまるように設計されているものの、本体と主翼に少しでも狂いがあるとこの穴にパーツが通らなくなっています。私もまさにその通らなかった口で、最終的にはパーツを通すのをあきらめ、主翼と本体は接着剤でくっつけました。

 爆撃機系の機体は一応前にも「Su-34フルバック」を作っているものの、あっちは戦闘機ベースの攻撃機であり、ガチな爆撃機はある意味これが初めてです。はっきり言って置き場所に困るという点があるものの、やっぱそのサイズゆえの迫力というか見栄えは非常に優れており、知り合いからはもう「次はB-52行け」と早速言われました。

2022年2月2日水曜日

救いのない物語は何故面白いのか

 連休三日目ですが先週あたりからやけに寒く、今日にいたっては雨も降り、震えながら過ごしています。室内気温も10度台で動かないし、さすがにこれだと自分もきつい。
 でもって雨で外いけないから自宅でプラモ作ろうとしたところ、中国メーカー(小号手)の古いキットのせいかパーツの整合性が悪く、また組立が異常に面倒くさくて「やってられるか(# ゚Д゚)」と言って投げだしました。ただ自分が創るの下手なだけですが、無駄にストレス溜めるくらいならと思ってもう作るのやめて、別の買い置きしているプラモをまた今度作ろうと思います。

 さて話は本題ですがそんなかんだでプラモ作りを投げ出し、買い置きしていたあるRPGのゲームを遊んでました。このゲーム、非常に救いのない話で、マルチエンドですが基本主人公は一切救われず、ルートによっては物語序盤から一緒についてきたヒロインとも戦う羽目となり、殺害にも至るというショッキングな内容で、徹頭徹尾プレイヤーの心を折りに来ています。
 ただ、そんな内容ながら遊んだ人からの評価は高く、自分も実際にそうした評判を聞いてこのゲームを遊んでみようと思いました。一体何故こんな救いがない内容、鬱度満載な内容ながらそれほど評価が高いのかと言いたいところですが、むしろ話は逆で、救いがなく心を深くえぐるからこそ評価が高いというべきでしょう。

 このゲームに限らず、古来より鬱度の高いシナリオというかストーリーは「悲劇」というジャンルとして成立してきました。シェイクスピアは言うまでもなく、日本国内でも夏目漱石の「こころ」を筆頭に、読後に読者を暗い気分にさせたり落ち込ませたりするような内容であっても名作に数えられる作品は少なくありません。
 映画、ゲームにおいてもこれは同じで、前者であればやはり今でも語り継がれるのブラッド・ピットの出世作の「セブン」で、後者のゲームにおいては、自分は生憎プレイしなかったのですがPS2の「ドラッグ・オン・ドラグーン」に至っては「史上最高の電波ゲー」とまで評されています。詳しくは他のサイトの紹介を見てもらえばいいですが、個人的にビビったのは子供を亡くしたことがきっかけで胎児を食べるようになった女性キャラクターがいるのですが、このキャラを声優として演じていたのは林原めぐみ氏で、当時妊娠中だったと聞いて、「何考えてんだこのゲームのスタッフども(;´・ω・)」と心底思いました。

 実際に私が遊んだ中で有名な鬱ゲーとしてはスーファミの「ライブ・ア・ライブ」なんか有名ですが、このほかこっちのサイトにあるゲームで実際遊んだのになると以下の通りです。

・サイレン
・コープスパーティ
・零~深紅の蝶
・かまいたちの夜2
・ゆめにっき
・勇者30(言及されているステージはクリア方法を変えると感動の嵐になる)
・滅やばたにえん
・夕闇通り探検隊
・ファイナルファンタジーVII
・フロントミッション
・ファイナルファンタジー零式
・青鬼
・サガフロンティア
・serial experiments lain
・ペルソナ2 罪
・ブレスオブファイア4
・ガイア幻想紀
・Linda³
・ドラゴンクエストII 悪霊の神々
・ダブルキャスト
・零
・ダンガンロンパ
・弟切草

 まぁぶっちゃけこれらの作品は有名どころが挙げられているだけで、なんとなくホラーが鬱に分類されているだけと感じる作品が多いです。この中でガチで鬱作品と自分が思えるのは「ブレスオブファイア4」と「Linda³」、「ファイナルファンタジー零式」くらいじゃないかと思います。「コープスパーティ」に至ってはギャグホラーです。
 また「ガイア幻想紀」が挙げられていますが、これより同じ会社の次の作品である「天地創造」の方が結末の鬱度で言えば高い気がします。

 という感じでまた話が脱線してきたので戻すと、端的に言って、こうした救いがない作品というのが何故評価されるのかというと、結局人間というのはどれだけ心が動かされたか、つまりそれまでの既存概念や価値観がひっくり返されたり、疑うきっかけを作らされたりなど、感情がどれだけ揺り動かされたというのがそのまま「面白さ」と感じるのだと思います。文字にするとそのまま「感動」となりますが、感動はストーリーを素晴らしく思うプラス方向だろうと、ストーリーにショックを受けるマイナス方向だろうと、振り幅が大きければ大きいほどその本人の心理に影響を及ぼし、気分的に楽しくなるかどうかは別として「面白さ」として感じられるのだと思います。
 ではその振り幅は何によって決まるのか。やはりその作品に触れた人間の想定を破る、既存の知識や概念にない展開をどれだけ見せるかによって決まると思います。あり得ない逆転劇、想像もしてなかった結末、かつて考えたことすらない悲惨な描写、これらがそのまま作品の面白さに直結するとかねてから考えています。

 その上で、世の中やはりハッピーな方がいいってことで基本的に普通の作品はハッピーエンドで終わることが多いのですが、だからこそ少数派のアンハッピーエンドこそ悲劇が少数派の強みを生かしてかえってその作品に触れたものの心に残りやすくなるという特徴がある気がします。いわば心を充足させる作品が多いだけに、心をえぐる作品がえぐる分量が大きくなっているような感じです。

 私自身、世にハッピーエンド作品が溢れているからこそ、悲劇的な作品に惹かれている自覚があります。まぁそれ以前に、本来の世の中不幸に満ちているからハッピーエンド作品はどことなく嘘くさく感じてしまうというのもありますが。
 ただこの手のアンハッピーエンドを狙った作品においては方向性を勘違いし、ただグロテスクな猟奇的描写を載せるだけの作品も少なくないです。先にも書いた通り、ホラーと鬱はジャンルがやはり別れると私は考えていますが、鬱な作品を狙ってホラーになってしまうパターンがかなり多い気がします。でもってそういう作品はホラーとしては評価できても、「悲劇」としては全く評価できなくなるわけです。

 じゃあ「悲劇」ってなんやねんという風になりますが、ぶっちゃけこれに関しては自分の中でも答えが出ていません。有体に言えば、「裏切り」はホラーでなく確実に悲劇に分類されると考えており、こうした裏切りがテーマな作品はまず悲劇と呼べるのではないかと思います。さっき挙げたゲームの中では「ブレスオフファイア4」なんかまさにそうですし。
 もう一つ確実に悲劇と呼べるテーマとしては、「無意味、無価値」も悲劇だと思います。これも「ブレスオブファイア4」が当てはまり、「天地創造」も若干入るというか、これまで頑張ってきた過程がすべて無価値とされる結末はやはりいろんな人の心を一発で折ってくれる気がします。

 そういう意味では冒頭に上げた「救いのない物語」というのは、後者の「無意味、無価値」がバックボーンとなるからこそ人を惹きつける悲劇となっているのかもしれません。ただキャラクターが死んでいくだけではなく、それまでやってきた努力が否定され、むざむざ死んでいく、消えていくからこそ人の心を揺り動かし、作品としての面白さに繋がってくるのではないかというのが、この記事書きながら考えた結論です。

 普段、こういう記事書くときは自転車乗りながら思考を巡らせますが、この記事はそういう自分にしては珍しく書きながら一から最後まで話を組み立てました。やはりしっかり休養を取った上で、何らかの作品に触れた直後にすぐ書きだすというのは執筆においてはプラスです。

2022年2月1日火曜日

石原慎太郎逝去に対する中国の反応

 今日は運動不足解消のため自転車で50km走ってきましたがその最中、春節の上海の風景観ながら「上海→蒼天の拳→阿弖流為II世」という感じで原哲夫氏の漫画を連想ゲームしていて、阿弖流為II世に出てきた石原慎太郎モデルのキャラはよく似てた、っていうか似せ過ぎだったなどと思いながら休憩に寄ったコンビニでニュース見たら逝去報道出ててあら偶然みたいに思いました。
 ちなみにこの漫画の石原慎太郎モデルのキャラはWikipediaだと、

「東京都知事。独自の情報ルートで田村麻呂が異星人である事実を掴み、未納分の税金を取り立てるべく自ら装甲車に乗り込み、銀座の町に出動するが、毛利総理の放った刺客によって銃弾を撃ち込まれ死亡した。」

 と紹介されています。

 わざわざ書かなくてもいいかなとは思いますが折角なので日記風に残すため、この報道に対する中国の反応を少し見てみました。っていうか中国の記者も、初一(=元旦)からこんな風に速報書く羽目になってちょっと同情する。

 まず反応としては明らかに多く、速報ベースで日本側の報道を紹介する記事がすでに大量に出ています。記事コメントもそこそこついているものもみられますが、恐らく若い世代なのか「誰?」というコメントもみられ、この辺は時代経ってるしなという気がします。
 速報の内容としては経歴紹介とともに「尖閣諸島問題で日中関係を悪化させた」、「右翼論客」などと書かれていることが多く、中国絡みの報道としてはなくてはならない部分でしょう。

 見方を変えると、逆にこれほど速報が出るほど中国人にとっても著名な日本人であったということの証左と言えるでしょう。実際、日本人としては蒼井空に並ぶくらいの知名度を石原慎太郎は持っていたと自分は思います。比較対象がなんですが。
 ただ表舞台から引いてもはや何年も経っていることもあり、かつては蛇蝎の如く嫌っていた中国人の間でも、今回の報道を見てその存在を思い出した人が多いのではないかと思います。その上で、彼に代わる「右翼論客」的な著名な人物が日本人からその後現れてもいないようにも思います。これは親中派が増えたというよりも、排他的な外交思想、というより反米思想の持主がかつてと比べ全くでなくなったことが影響していると推察します。

 いろいろ言われますが、私個人は石原慎太郎は反中思想というより反米思想が先立っており、その延長線で中国を批判していただけだとみています。彼にとっては中国どうこう以上に日本の米国からの完全独立が優先すべき目標であり、その方針に基づく価値観から中国も嫌いになっていっただけだと思います。
 やはりこの辺の反米か親米かは戦前生まれと戦後生まれで全く価値観の変わる部分であり、時代が下るにつれて戦前生まれの反米思想の持主も漸減傾向にあるでしょう。というよりここ数年、明確な反米思想に基づく政治的発言を私自身全く聞かず、「反米」という単語自体が死語になってきた感すらあります。

 そういう意味では実際に政治的影響力を有した反米思想の持主としては、石原慎太郎がほぼ最後の人物となる可能性があります。かつて日本の外交議論は反米か親米かの二種類しかないと言われましたが、現代においてはこれが反中か親中に置き換わってきており、昭和の価値観じゃもはややってけないというのが書いてて思ったことです。