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2020年8月31日月曜日

駐在員記事の裏側

稲田朋美氏、総裁選立候補見送り 推薦人確保めど立たず(朝日新聞)

 本題とは関係ないですが上記記事を見た感想としては、「分をわきまえろこのクズ!貴様のような奴がいるから女性議員は増えないんだ」といったところです。面と向かっても同じセリフを私は言うでしょう。

コロナ禍で身動きできなくなった海外駐在員の苦悩(JBpress)

 そんなわけで定例の今日の私の記事ですが、全くアクセスが振るわず今日のランキングでトップ20にすら一度も入りませんでした。まぁそれは想定内というか元々アクセスを稼ぐ記事ではなく、前回のマヨネーズ記事でデイリー1位を取るなどそこそこ稼いだ実感があったので、今回は報道重視の内容で記事を書きました。記事内容については個人的には非常に満足しており、自分が果たすべき報道をきちんと果たしたという自負があります。

 結論から言うとこの記事、日本にいる人からすれば「ああ、海外にいる人は大変なんだね、お疲れちゃーん」的にしか感じないと思います。しかし駐在員当事者からすれば、コロナ流行の中で自分たちがずっと考えているけど誰も取り上げない声を記事に一部とはいえ反映していると感じるだろうと思え、実際にそうした駐在員らの溜飲を下げる目的で書いたところも多いです。
 この記事に書いている通り、それこそ職務放棄でもしない限り現在、駐在員は日本に帰国することはできません。多かれ少なかれ事情があって帰ることとなった日本人はもう大半が帰国済みであり、今も残っているのは業務を維持しようとする、本当に責任感の強い人たちばかりです。ヤフコメでも書かれてありましたが、一時帰国は仕方ないとはっきりあきらめつつも逃げ出そうとする人は私の周りでも全くおらず、むしろこういう時期だからこそ自分がしっかり支えないとという意識を持った人が多いです。

 だからこそそういう人達に対し、日本の安全なところでぬくぬくしている経営陣らに注目してほしいという思いもあってこうして記事にまとめました。実際、こうやって他の多くの日本人が去る中で海外現地に残って頑張っているのに、「コロナだから」と言って給与を下げる会社もあると聞きます。コロナだからこそ、海外に残った駐在員の給与を危険手当的に増やすべきだというのに。
 なお自分は現地採用だから、そういう手当とかそういうのは初めから一切ないです。しかも年俸制だからボーナスもない(´;ω;`)ウッ…

 周りの何人かには話しましたが、コロナ対策絡みでこうした海外駐在員の話は一切出てこず、日本国内の話しか出ていないことに対し、どことなく見捨てられているという印象を覚えていたことと、他の土のメディアもこうした方面に光を当てないから今回自分が書くことにしました。日本国内の話題がメインとなるのはもちろん当然とは思うものの、駐在員も頑張っているんだよと単純に主張したかったです。
 それにしても次の記事は何書こう。普通に2週間ペースでこのコラムを連載しているのは自分的にもかなり凄いと思えますが、コロナのせいで割とネタが限定されるため結構困ること増えてきました。またマヨネーズについて書くわけにもいかないし。

 それはそうと昨日しまむらで寝巻用ハーフパンツのMサイズを買ったら、ウエストがやたらきつくてやばいです。身長に対して私のウエストはマジでモデル並みの脅威の細さなだけに、多分普通の人があれ履いたらウエストきつくて倒れるんじゃないかと思え、この辺でしまむらはやはり質が劣るなと今回認識しました。それはそうと次の記事どうしよう、日本政治ネタは一度も出したことないから、世襲政治家の日中比較とかしてみようかな。

2020年8月30日日曜日

二階派の菅氏擁立について

二階派、菅氏支持の方針固める 自民党総裁選で(産経新聞)

 先日に次の首相後継について推察を述べましたが、もうこれで菅氏ガースー内閣で決定かもしれません。というのも私はかねてから政治家としての実力、安倍政権引継ぎの名分においては菅氏以外の候補はいないと考えていましたが、菅氏の場合はやや党内と官僚に敵が多いのと、二世政治家でない出身から内部の指示が得られるかどうかで疑問でした。唯一逆転の目があるとしたら安倍首相から直接後継に指名されて応援を得るという事態でしたが、その使命を得る上で最大の障害となるのはほかならぬ、この二階派こと二階氏だとみていました。

 恐らくこの十年間の選挙において、実質的に自民党内部を仕切ってきたのは二階氏であると私は考えています。というのも二階氏は元々自由党で小沢一郎の側で選挙戦を学んでおり、その能力を見出したのは小泉純一郎元首相で、あの郵政選挙も実際に仕掛けたのは二階氏であったと私は考えています。
 幹事長となってからははっきり表に出て選挙を仕切ってきましたが、こうした党内テクノクラートとして、というかほかに実質的に選挙を仕切れる政治家が自民党内にいなくなってしまったことから、第二次安倍政権になってからはますますその権力が集中してきました。

 二階氏自身は政治思想はどうこういうよりも完全な党人派であり、かつての金丸信のようにその政治信条は「選挙で勝つこと」が第一であるという風に見えます。それだけに二階氏がどう動くかは他の自民党議員にも影響を与え、二階派自体は決して大所帯ではないものの、その動向は他にも影響を与えることから小さくないと考えていました。
 しかし二階氏と菅氏が普段どういう仲なのかは私は全く把握しきれず、まさかいち早くこの段階で菅氏応援を表明するとは考えていませんでした。ただこのいち早い動きはやはり水面下で動きがあったように思え、具体的に言えばこれまで二階氏と一緒にやってきた安倍首相が二階氏を動かして、菅氏擁立に仕向けたように見えます。仮にそうであれば、安倍首相は自派の町村氏ではなく菅氏に回ることとなり、これにて決着はついたということになります。

 何気に安倍首相が菅氏を立てる理由はいくらでもあります。単純にこれまでの功績に報いるのと、自らの政治路線をきちんと引き継ぐ可能性が多いこともさることながら、モリカケ問題を完全に封印してくれるという期待が非常に大きいでしょう。それこそ石破氏が後継首相となったらモリカケ問題を蒸し返す恐れもあるだけに、注目されていた際に鉄壁のディフエンスで守り切った菅氏ならばと安心して安倍首相も任せられるでしょう。
 少し話は変わりますが、そういう意味では安倍政権最大の戦犯は昭恵夫人でした。

 報道では早くに後継を固めるために党員投票は見送るという案が出ているそうですが、これも菅氏にとっては完全な追い風になります。となると8月以降の安倍首相の動きは、「菅氏後継」の根回しに使われたとも言えるかもしれません。考えてみると、そうした動きも見えなくもありません。

 それにしても、仮にこのまま菅氏が首相に就任した場合、自民党発の首相としては実に久しぶりに二世政治家でない首相が誕生することになります。旧民主党も加えると直近では野田氏がいますが、その前となると1989年に発足した海部俊樹内閣以来ではないかと思います。
 私個人としても現状では菅氏が一番適任だと思っているだけに、このまま走り切ってくれればまだ安心です。

2020年8月29日土曜日

チャドウィック・ボーズマンの逝去について



 本日入ってきた上のニュースですが、自分にとっては安倍首相辞任よりもずっと衝撃が大きかったです。逝去されたチャドウィック・ボーズマンについては以前に「ハリウッドの黒人男優ら」という記事で取り上げており、個人的にもその演技を見るのが楽しみな俳優であっただけに非常に残念極まりありません。
 それにしても今回の報道で知りましたが、2016年時から闘病を続けていたという事実は素直に驚きでした。代表作である「ブラックパンサー」も闘病しながらの撮影だったということで、 改めてその役者魂のすさまじさを感じ得ます。

 以前に書いた記事で私は、かつて黒人男優というとエディ・マーフィーを筆頭におしゃべりの多い面白黒人という役柄が多かったです。しかし近年はドン・チードルなどを含め忍耐を重ねながらも責任を果たすという役割を果たすことが多く、チャドウィックもジャッキーロビンソン役を演じた「42」でもまさにそうした役柄を演じることが多かったです。

 黒人というと最近、米国で差別に対するデモが非常に多いですが、これらのデモについて私はあまり支持する立場にありません。理由はデモに乗じて商店などを略奪する暴動が非常に多いことと、純粋に警察の捜査を批判するだけならともかく、そうした批判とは全くつながらないようなパフォーマンスや活動が非常に多く、全体として反差別の名を借りて何でもやっていいようなムードになっているからです。
 名指しすれば、テニスの大阪なおみ氏の行動は理解できないばかりか、好き勝手もいいところだと思います。テニス大会を棄権することが黒人差別問題と一体どこでつながるのか、黒人差別を題目に掲げれば何やってもいいのかと聞きたくなるような行動ぶりで、はた迷惑で何も考えずに行動する人なんだなという印象を率直に覚えました。

 チャドウィックに話を戻すと、映画の「ブラックパンサー」の中では一国の国王として、西欧諸国のやや蔑視めいた態度に対しても毅然と対応する演技ぶりが非常に印象的でした。なおこの映画の悪役の父親は、ブラックパンサーの祖国から米国に派遣されたものの米国で殺害され、その後米国で育ったという経歴でしたが、これはルーツなき米国という祖国にある黒人を描いているとされ、そうした目線で見るとさらに楽しめます。
 いろいろ話が飛びますが言いたいことをまとめると、チャドウィックの逝去は素直に残念であること、そして米国の黒人デモに正義は感じないということです。香港デモといい赤軍派の系譜といい、暴力を伴うデモや政治活動は自分は認めません。

2020年8月28日金曜日

安倍、首相辞めるってよ

 自分でもかなり久々に桐島系見出しを書きましたが、数日前に会見を行うってアナウンスが出た時点で八割方辞任じゃないかと思っていました。後出しじゃんけんなら何とでも言える(ΦωΦ)フフフ…
 ただ辞任理由の潰瘍性大腸炎ですが、内心これにかんしては疑っています。というのも安倍首相は結構意固地な性格しているからもう少し、それこそ立てなくなるまでは病気が再発したとしても人気までは続けそうに思え、実際には余命宣告レベルの病状となったから今回の突発的辞任に至ったのではとも見ています。そもそも病院で検診を受けたという報道自体が、「辞任に至るのもしょうがない」と受け止めさせるためにリークされたものであったことに間違いないでしょう。

 もっともこの辺に関しては憶測に過ぎないし、当たっていたとしても今後の政局には何も影響しません。いま議論すべきはすでに報道にも出ている通り、次の総理に誰がなるかで、その辺について少し自分の見解をまとめます。

 仮に誰選んだっていいってんなら、私なら菅官房長官を推します。政治采井の実力は現在の政治家の中でも抜きんでており、尚且つ失言もなく、安倍政権の閣僚であったことから路線引継ぎ面でも全く問題ありません。ただ彼は二世政治家でないという出身の問題から、自民党内で支持が得られる可能性はほとんどありません。また党内に敵も多そうで、報道を見ていると一部メディアも初めから候補扱いしていない辺り、かつての野中広務を連想させます。
 殺しても死にそうになかった野中ももういないんだなぁ(´;ω;`)ウッ…


 では具体的に候補になるのは誰かとなると、上記記事の様に自民党内では石破氏、岸田氏、下村氏の三人でしょう。野田に至っては論外で、正直党内でも誰も相手にしないでしょう。
 中には麻生氏を候補に挙げている記事もありますが、年齢もさることながらいまだ衰えぬ失言癖、そしてかつての総理在任時代の大敗をまだ忘れていない人も多いので、まず目がないでしょう。意外と本人はやる気ありそうですが、なったらなったで「コロナにかかる奴自体に問題があるんだ」みたいな発言を連発して、別の意味でトランプ大統領を超える資質を持っています。

 では上記三候補を個別に見た場合、世論は恐らく石破氏を推すでしょうが、自民党内では票がほとんど集まらないことから、実現の可能性はそれこそよほど大きな世論を作らない限り無理でしょう。ましてやこのコロナの流行下ではまともな運動は行えず、実質的に候補から外してもいいと思っています。
 逆に党内から支持を集めそうなのは岸田氏ですが、独自に活動するため閣僚を辞めたのに、その後全く目立たなくなるなど資質面で疑問視する向きがあります。とはいえ派閥も本人も自民党内屈指の穏健派であるだけに、余計なことしないで選挙でそこそこやってくれそうなのと、きちんとポストを分配してくれそうって意味では支持が集まるかもしれません。

 一方、残りの下村氏に関しては岸田氏同様に色の薄い政治家であることもさることながら、安倍首相と同じ派閥に属し、安倍首相の応援を受ける可能性も十分あり得ます。その場合、一気に大量得票を得て総裁になる可能性を秘めていますが、私自身はこの人の資質をあまり評価しておらず、悪い意味での安倍路線引継ぎになる懸念があります。
 このほかだと出るだけだったら河野氏とかも立候補するかもしれませんが、まぁまだ票を得ることはできないでしょう。

 最後に安倍首相について少し述べると、いつも言っているように二期目が終わった時点で規定通りに辞めときゃよかったのにということ以外、何もありません。本人は東京五輪を花道にと考えていたようですが見ての通り今年は延期し、来年も中止の公算が高いことも今回の辞任につながったとみています。
 私が安倍首相に対しもっとも許せないのは政府統計不正で、あれはやはり官邸の力が強く働いて行われたと考えています。統計を比較的扱う自分にすれば統計とデータは神聖不可侵であり、そこに人の意思を介在させるというのは自分の立場からすれば許せない行為でしかなく、この点一つとっても第二次安倍政権は及第点を与えられません。

 またそのほかのモリカケ問題、検察庁介入問題も看過できるものではありませんでした。そうしたこともあるため、安倍首相は次の政権でこの方面にタッチしない人物を応援するとみられ、そうした安倍首相の後継指名を受けた人物が総裁となる可能性が高いとみています。
 とはいえ歴史的な断罪は恐らく免れないとみられ、かつての造船疑獄同様に政府による検察介入の例として歴史に残され続けることになるでしょう。アベノマスクとともに。っていうか今日の会見くらいアベノマスクして出て来いよとも思いました。

2020年8月27日木曜日

日本人はニッチ市場に強い?

 今日の帰りの電車の中、ふと緊急用設備に「マイク(麦克风)」という文字が書かれているのを見て、

    マイク→マイケル→マイケル・ジャクソン→マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー

 まで発想が飛んだところ、「あの頃は日本のゲーム業界は開発力も競争力もあったどうして今こうなったヽ(゚Д゚)ノなんてこった」という風に考えた際、真っ先に思いついたのはゲームハードが進化したらカモという可能性でした。
 これは私だけじゃなく他の人も一部で行っていますが、かつてのゲーム開発はハードの性能が低かったことから非常に制約が多く、容量一つ、プログラム処理一つとっても可能な限り無駄を省く工夫が必要だったとされています。スーパーマリオの芝生と雲は、実は色を変えただけのだ同じ画像だったというのも有名なエピソードです。

 また特にスーファミ時代なんかは画像描画能力の限界が低く、高品質なグラフィック、それこそ1枚絵なんてバンバン出せる時代ではなく、演出においては非常に厳しいハードルとなっていました。その分、プレイヤーを楽しませるためにストーリーなどで工夫が測られるようになったことからJRPGは発達したとも言われますが、プレステ、プレステ2などとハード性能が発達していくにつれ、こうした開発における制約はどんどんとなくなっていきました。同時に、和製ゲームの世界的評価もどんどん落ちていき、海外製ゲームと比べ「時代遅れ」とまで言われるようになっていきました。

 ハード性能の進化と和声ゲームの凋落が歩調を共にしたのは偶然なのか。多くの意見を聞いている限りだとやはり偶然だとは思えず、その原因は日本人は制約のある環境での開発に強い一方、制約のない自由な開発環境となると弱くなる特徴があると私自身考えています。これはゲーム開発に限らずあらゆる技術、成果物の開発において日本人の共通する特徴と言われていますが、「予算も人材もあるから誰もがあっと驚くようなすごいの作って」というと弱くなる一方、「この限られた枠の中でどうにかして」とか言われると、何故かその枠の中で完璧なものを作ってしまうということが日本はかねてから多いです。

 いくつか例を挙げると飛行機のゼロ戦なんかまさにその典型で、「火力もあって、俊敏で、おまけに航続距離の長いのを作って。予算はないけどな」とか言われて、本気でそんな戦闘機を作っちゃいました。もっとも開発要求で言及されなかった、防御力に関してはその分完全に犠牲になりましたが。
 また現代における技術面で見れば、自動車の燃費なんか最もいい好例だと思います。こちらも画期的な技術とかそういうのではないですが、「とにもかくにも枠を小さくして言って」的な開発方針の中、世界的にも驚異の燃費水準を日系車はどこも確立させています。もっとも、「燃費下げられないのなら、数値を弄ればいいじゃない」的な三菱自動車も存在しましたが。

 ここまでくるともう日本人のメンタリティ的なものがあると私は考えており、基本的に徳川吉宗に始まる倹約精神が重きをなしているように感じます。ともかく今あるものを最大限有効活用してブレイクスルーを起こすというようなメンタリティで、やはり制約のある環境では圧倒的に強いものの、逆に全く枠のない新規の発明とかそういうのでは西欧人には及ばないというのが自分の見方です。そんなわけだから、ゲームハードが進化してなんでもゲーム内で反映できるようになったから、日本人は途端に開発が弱くなったとみています。

 以上の考えは以前にもこのブログにも書いたし、他の人も同じように言っている人はよく見ます。ただ今回なんでブログに書き起こしたのかというと、ここから今回はさらにもう一歩進んで、「日本人はニッチ市場に強いのでは?」と思い至ったからです。

 ニッチ市場の定義についてはいちいち解説しませんが、改めて考えると日系企業は基本的にマーケティングが下手だと思う一方、自分が先週取り上げたマヨネーズなど食品系企業は、食文化のハードルがありながら海外市場でもマーケティングに成功し、市場を自ら開拓するに至っています。
 同様に調味料を細かく見ていくと、日本の調味料は非常に多品種、それこそカロリーゼロとかハーフとか、濃口とか薄口とか様々に分かれていますが、それぞれに対してきちんと市場が出来ててちゃんと商売が成り立っています。

 改めてこの辺りに着目してみると、先ほどにも述べた通り、日系企業はマーケティング、特にマスマーケティングは全体として上手くなく、この点では韓国企業に大きく遅れていると私は思っています。一方で狭い範囲のマーケティング、敢えて言うならニッチマーケティング分野においては、非常にごく限られた市場の中で如何にシェアを取り、既存ユーザーの満足度を高め、他社製品と同差別するのかという点では、日系企業はそこそこ成功を得ているように見えます。先ほどの多品種に渡る調味料市場なんかまさにそうで、「こんな味誰が求めてるの?」と思うようなものでも、結構がっちりした固定消費者層を形成していてロングセラーだったりしますし。

 特にユーザー満足度の面に関してみると、幅広い層に受け入られるようなマーケティングはそれほど見るべく物もないですが、狭い範囲の特定ユーザー層に対するアプローチや維持の仕方は、工業製品分野でも日系企業は比較的よくやっているような気もします。工業製品でもニッチな部品とかデバイスなんかで強い日系企業は少なくないですが、これはやはりその限られた市場の中でのマーケティングが上手いのではと示唆しているようにも見えます。また、ユーザーがほとんどいないような市場で、一からユーザーを広げていくような方面でも意外と強いかもしれません。そうしたニッチ市場の強さは、「制約下で力を発揮する」というさっきの日本人のメンタリティにも通じるのではないかと考えました。

 こう考えると日系企業は世界の表舞台ではなく、「こんなんどこに需要あんだよ?」的なニッチ市場こそがメンタリティ的に最も相性がいいかもしれません。先ほどのゲームに関しても、なんか最近見ていると、最近日本はインディーズゲームの方がなんか面白いの増えてきているように思え、やはり開発人員とか予算が潤沢にあっても日本出は良いもの出来ないんだな、国家プロジェクトが良く大失敗するのもそういうところなんだなとか一人で納得しています。
 唯一例外を出すと、元コナミの小島監督なんかは潤沢な予算に対してきっちり売れる対策を作れる日本ではレアな欧米型開発者だったと考えています。もっとも同業者からは、納期は守らないは開発人員を横から奪っていくわであまり評判は良くないですが、エジソンとかあのあたりの人間の話聞くとやっぱそういう人多いから、欧米型なんだろうな。

2020年8月25日火曜日

正しい情報ほど信じられなくなる理由


 また例によって上の羽根田治氏の山岳遭難本を買って読んでいるのですが、こちらの「十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕」では、かつて井上靖が小説「氷壁」のモデルにしたいわゆるナイロンザイル事件も収録されています。

ナイロンザイル事件(Wikipedia)

 この事件は知っている人に早いですが日本山岳史、ひいては製造物責任法の観点においても非常に大きな足跡を残した事件です。

 概要をかいつまんで説明すると、1955年当時、従来の麻製ザイルに比べて軽くて丈夫な上位互換製品という触れ込みで世に出たばかりのナイロンザイルを使用して穂高岳の登山を行っていた登山家パーティで、このナイロンザイルが突如切断したことによって滑落死が出るという事件が起こりました。1トンの荷重にも耐えるとされるナイロンザイルがどうして切断したのか、またザイル確保者が特に衝撃も感じずに切断したことからナイロンザイル自体に何か問題があるのかと考えた、滑落死したメンバーが所属していた岩稜会という山岳会メンバーが実験を重ねたところ、ナイロンザイルは岩角など鋭利な面に接触した状態で荷重をかけると簡単に切断するという事実を突き止めました。

 登山においてザイルが尖った岩肌に触れて支点となることはごく当たり前であり、この欠陥ともいえる特徴は登山家を大いに危険にさらすと考えた岩稜会は、直ちにこの事実を世間に周知して注意喚起を行い、こうした岩稜会の活動を受ける形で、ロープメーカーの東京製綱と大阪大教授であった篠田軍治はナイロンザイルの公開実験を行いました。その実験の結果、ナイロンザイルは麻製ザイルに比べ数倍の強度を持っており、岩稜会の主張は技術不足による滑落をナイロンザイルの責任に転嫁するものだと報告されました
 一体何故こうも主張が真っ向から食い違ったのかというと、実は公開実験では支点となる岩角をあらかじめ削って丸くさせておき、ナイロンザイルが切れないよう工作が行われていたからでした。やったのはもちろん東京製綱と篠田軍治です。

 とはいえそんな事情など露知らない世間からすれば、大学教授のお墨付きを得たことからナイロンザイルは安全だと信じられ、その後も登山において使用され続けました。一方、でたらめを吹いたとされた岩稜会は公開実験の細工を指摘しつつ、その後もナイロンザイルの危険性を訴え続けましたが、日本山岳会にもこうした主張は無視され続けました。
 なお篠田軍治は日本山岳会の名誉会員にもなっています。

 しかしその後もナイロンザイル切断による滑落事故、そして滑落死は相次ぎました。こうした連続する事故と岩稜会の長年の周知活動もあって、最終的には山岳会よりも先に通産省が先に動く形で、1975年にザイルの安全基準制定とメーカーへの遵守義務が法律で定められました(消費生活用製品安全法)。なお同法の制定までに、ナイロンザイルに起因する事故で20人以上が亡くなったとされています。
 日本山岳会はその後もナイロンザイルに問題性はないと主張し続けました、抗議が相次いだことから1977年にようやく過去の主張の誤りを認めるに至っています。

 結果から言えば、最初の岩稜会の注意喚起がすぐ信じられていれば、約20人の登山家は死なずに済んだと言えるだけに、やりきれない所は少なくないと言えます。ただそれ以上に注目すべきは、再現検証も難しくない実験だというのに、どうして篠田軍治らのインチキとも言える公開実験が信じられ、正しかった岩稜会の実権結果が世間に受け入れられなかったのかという点が、自分の属性からするとより興味が持たれます。

 結論から言うと岩稜会の実験結果は、正しかったからこそ世間に受け入れられなかったのではという風に見えます。正しい情報がどうして信じられないのかというと普通に考えるとおかしいですが、現実には報道の現場でも、正しい情報だからこそ世間の一般大衆は信じず、受け入れようとしないと感じることは非常に多いです。
 何故受け入れられないのかというと、正しい、というより真実な情報というのは往々にして耳の痛い内容であることが多いからです。そのため聞く人からすれば最初に浮かべるのは、「信じたくない」という感情で、信じたくない厳しい内容ほどその情報の真偽を疑います。

 逆にというか、耳障りのいい情報というのは誰もが信じようとしてくれます。そのため、厳しい現実という正しい情報よりも、胡散臭いし根拠もないけど、耳障りが良く自分にとって有利となる情報の方が誰もが「こちらの方が正しい」と判断しがちです。極論を言えば、正しい情報よりも耳障りの言い虚構の情報の方が流布しやすいというのはこの世の絶対的事実です。

 その上で付け加えると、その情報の内容が誰にとって、というよりはどれだけ多くの人間にとって有利となるかも、その情報が受け入れられる上で非常に大きなファクターとなります。
 先ほどのナイロンザイル事件を例にとると、ナイロンザイルが危険か、安全かで、どっちが有利となる人間が多いかとなると、断然後者です。前者で有利となるのは、ナイロンザイルは危険であることを実験結果で理解している岩稜会メンバーくらいなものです。一方、安全だと信じられることで有利となるのは、メーカーの東京製綱の社員らと篠田軍治のほか、麻ザイルより手軽で安全なザイルと思って使える登山家など、利益共有者は圧倒的にこちらの方が多いです。

 となると多数派が多い方が勝ってしまうというか、多数派が信じる内容が事実となってしまうわけです。これまた極論を述べると、情報というのは基本、正誤以上に利益の共有者と相反者の比重で世間に受け入れられるかどうかが決まります。それこそ、中国は高い実力を持っていると考えることで有利になる人よりも、実は見掛け倒しで実力を伴っていないと考えることで有利になる人が多ければ、具体的なデータ検証そっちのけで後者の方が世間では事実として受け止められるわけです。

 唯一、情報が受け入れられるかの判断でこの利益バイアスの壁をぶち破る唯一の手段こそが、ナイロンザイル事件でもみられた科学的な比較検証です。しかしその科学検証すら、利益バイアスは途中までのナイロンザイル事件のように、覆い潰してしまうことが少なくありません。

 グダグダと長く書いてしまいましたが何が言いたいのかというと、結局その情報が多くの人にとって望ましくない、耳の痛い、ストレスに感じる情報であれば、その情報がどれだけ正しく、裏付けるデータや根拠があったとしても、真実の情報としては絶対に受け入れられないということです。なら報道なんて意味ないじゃん、部数上げれるよう耳障りのいい適当な情報だけ流してればいいじゃんって結論にもなるわけですが、そういう情報の流し手にも受けてにもなりたくないなと思っているから、自分は今のこの立場にいるるのだと思います。

2020年8月24日月曜日

時代劇X仮面ライダー

 DMMの電子書籍購入ポイントが余っていたので何の気なしに「GANTZ:E」を購入したところ、意外と面白かったです。この漫画は、デスゲーム系漫画の金字塔である「GANTZ」に「江戸」を足した時代劇漫画で、江戸時代を舞台にGANTZをやるという漫画です。マジで本当にこの通りな内容です。
 これ以前にも「GANTZ:G」という女子高生を主役にGANTZする漫画もありましたが、作画は綺麗だったものの、一回の戦闘が毎回長くて読んでてだれて、その結果短期で終了してしまいました。まぁ当初から短期連載の予定だったのかもしれませんが。

 今回の「GANTZ江戸」は元々チャンバラ要素が強かった作品なだけに割と舞台設定にもマッチしていて、敵キャラも妖怪とすることでストーリ的にも妙に整合性があります。また作画の人もアクションシーンは比較的上手に描く人で、読んでてそこそこ臨場感を感じました。
 ただ背景が実写取り込みの江戸時代風の背景であることから、描かれるキャラクターとの描画の差がやや目立ってしまっている場面がいくつかあり、この点は本家と比べどうしても劣ってしまうところに感じます。むしろ本家がその辺の作画と実写CGの溶け込ませ方が異常過ぎて、終盤のGANTZロボもどうせ3DCGだろうと言われてしまっていたのですが。

 作者の奥浩哉氏もその辺は気にしてたのか、「ロボはちゃんと頑張って描いている」と珍しく発言していました。もっともこの発言を聞いても、あのロボはマニュアルと書いたとは思えないくらい書き込みが綿密で逆にびっくりするのですが。

 話を戻すと、野菜不足なせいか爪の白い部分が全くと言っていいほどなくなってしまい、仕方ないので今日何気なくサブウェイで飯食いながらガンツ江戸を読んでいると、「そうだ、時代劇と仮面ライダーがコラボすればいいんだ」と思うに至りました。
 時代劇というともはや大河ドラマくらいしかないくらい、最近は新作が作られなくなってきています。この時代劇を復興するためにはどうすればいいかという点で、ガンツ江戸みたく仮面ライダーを江戸時代に登場させればいいんだという結論に0.3秒くらいで到達しました。

 改造人間とかどうすればいいんだという疑問もあるでしょうが、そんなのは平賀源内がどうにかしたということにして、御家人ライダーとか町火消しライダー、歌舞伎ライダー、相撲ライダー、公家ライダー、副将軍ライダーみたいなのをどんどん登場させて、江戸時代の謎の怪人とガンガン戦ってイケメンを出せば時代劇がまた盛り上がるかもしれません。
 そこまで考えたところでふと気が付いたのは、「ライダーっていうけど江戸にバイクないじゃん」ってことでした。代案はないかと考えたところ、「そうだ、馬に乗ればいい」とスーツアクターに無駄に負担を強いる解決策を思いつくに至りました。

 しかしもう一つ、「ライダー」という呼称がまた難問となりました。この点は無理やり当て字で「雷達」と名乗らせればいいと考え、そしたら漢字的にも平賀源内のエレキテルで変身しそうな感じになって、いい解決案になったと自負します。なお「雷達」とかくと中国語で「レーダー」という意味になります。
 でもマジな話、相手を怪人じゃなく妖怪とすればそこそこ話を広げられる気がします。しかもその妖怪を作っているのを幕府とか特定の藩(何故か真っ先に加賀藩が浮かんだ)にすれば歴史の勉強にもなるし、どっかお江戸ライダー作ってくんないかなぁ。

2020年8月22日土曜日

三億円事件奇譚 モンタージュ (・∀・)イイ!!

モンタージュ (漫画)(Wikipedia)

 例によって漫画の紹介ですが、先日読み終えたこの「三億円事件奇譚 モンタージュ」は近年稀に見るくらい面白かったです。作品自体は2015年、何気に自分が第二次どん底期でどんぶらこしていた頃に連載を終えていますが、当時も人気が高かったようでテレビドラマ化などもされています。

 内容はタイトルの通り昭和未解決事件としては恐らく最も有名であろう三億円事件をテーマにしていますが、作中世界の時間は現代こと2010年頃となっています。なんでそんな時間間隔空いているのに三億円事件と私も当初思いましたが、少しだけさわりを書くと、主人公の少年が偶然出会った死ぬ間際の刑事が「お前の父親は三億円事件の犯人」と言われ、その直後に父親が溺死体で死に、その後高校生になった後で父親の遺品から三億円事件の証拠となる通し番号付きの500円札を見つけるといった流れになっています。その後、近親者の謎の失踪などが続き、三億円事件を巡る騒動に主人公とヒロインが巻き込まれていく形となっています。

 なんでこの漫画を急に手に取ったのかというと、作者の渡辺潤氏の最近のニュースを見たことに始まります。知ってる人には有名ですが、この人はこれまで反社会系の漫画をずっと描いてきた人なのに何故か50代に入ってからやたら萌えキャラを模写、研究し始め、それをTwitterに上げたところやたらバズって急激に知名度をあげています。自分もそのニュース見て、また各萌えキャラの特徴の見方などがさすがベテランと思うほど着眼点が面白く、それで興味を持ったことから比較的直近の作品である「デカウザー」から読み始めて、こちらの「モンタージュ」に至りました。
 渡辺氏の作品を読んでて感じたのはやはり反社会系の漫画を描いてきただけあって悪人の顔がとにもかくにも悪どい、それでいて近年は萌え絵研究の甲斐あってか女性キャラはかわいく書けるようになってて、その辺がとても器用に感じます。ただそれ以上に、これはやはりベテランであるからだと思いますが、コマ運びが非常に上手で、コマを追いながら疑問に感じるところはほぼなく、また激しいアクションシーンの動きの見せ方も秀逸でした。特に「デカウザー」のボクシングシーンは本当に動きが流れるようで無駄がなく、これがベテランの業かと嘆息を付けられました。

 話はモンタージュに戻りますが、一応ミステリー漫画に属すので内容のネタバレがない範囲で感想を述べると、まずミステリーとして非常にストーリーのレベルが高いです。主人公はトラブルに次ぐトラブルに巻き込まれて、しつこく追跡してくる殺し屋をかいくぐりながら何度も死ぬ思いをしますが、それらトラブルの脱出方法が、都合の良い展開とも揶揄されているものの、少なくとも説得力が全くない強引な要素は私には感じられず、単純なアクションものとしても十分読めます。
 またそうしたトラブルを経て徐々に三億円事件の真相に迫っていくのですが、その真相に迫る過程で特筆すべきは、回送シーンの入れ方が神がかっています

 三億円事件をテーマにしていることから1968年の事件当時の場面が何度も回想シーンとして作中で入るものの、その回想シーンは一度にすべて流れるわけでく、事件前や事件後、果てには事件中に至るまでいくつかか分割されて入れられています。その入れ方が秀逸で、また現代において回想シーンの中の人物が登場するにつれて真相が徐々に明らかになるなど、読者をぐいぐいと引き込む見せ方がなされています。
 また長期連載であったことから登場人物も非常に数多いのですが、ほんの些細なわき役に至るまでキャラが非常に立っているのは驚きでした。具体的には、ハードな内容のため苦渋の決断を迫られることが多いのですが、どの登場人物もなし崩しで決めるのではなく、悩んだ末に犠牲を覚悟で厳しい決断を下すことが多いです。そのあたりの心理描写も非常に細かく、一読しただけで細かいわき役のセリフなどを私なんか覚えてしまいました。

 また主要登場人物、特に悪役側に至っては、その行動理念というか信念のすさまじさがやばいです。どのキャラもそれぞれが確固たる信念を持って行動しているように描かれており、それ故に妄執の如く主人公を追い続けたりするのですが、信念の内容はともあれその意志の強さは漫画で読んでても迫力を感じます。そのあたり、血の通ったキャラクターを非常によく出せているように感じます。
 特に、主に回想中に出てくるある重要キャラクターについては、「ああ、覚悟を決めた犯罪者というのはこのような顔をするのか」と、非常に迫力を持った絵で書かれてあり、しばらくそのコマを眺めたほどです。この辺は反社系漫画家の腕の見せ所というべきか、 凄みのある顔については他の漫画家の絵を遥かに凌駕しています。

 などと好き勝手書きましたが、真面目にこの漫画はここ数年読んだ漫画の中でも一番印象に残っており、ぜひ他の人にも手に取ってもらいたいです。


2020年8月20日木曜日

コロナ対策のチャンスをピンチに変えた日本

 中国の武漢ででコロナが発生したのは昨年12月末とされていますが、翌月の旧正月開始直前に中国は武漢市の完全な都市封鎖を決断、実施しました。その結果、春節中に旅行を予定していた人や武漢への帰省を考えていた人たちは大いに影響を被りましたが、結果論で言えばこの過激な決断は功を奏したと言えるでしょう。直前での発表、もっとも事前予告していたら逃げ出す人も多かったのでこうせざるを得ないのが実情ですが、あのタイミングでの決断は実は時期的にも非常に都合がよかったという伏線があります。それは何故かというと、春節という長期休暇のシーズンをそのまま利用できたからです。

 それこそ4月のど真ん中当たりで2週間都市封鎖するのと、あの春節直前に都市封鎖するのとでは大きく意味が変わってきます。というのも春節期間中は学校も工場もあらかじめ休みとなることが決まっており、休業期間が1週間、2週間延びるとはいえその影響は平時と比べると段違いに小さくなります。だからこそ中国政府もあのタイミングで封鎖を決め、その後の状況を見て他の都市でも経済活動の停止などを強制し、結果的にコロナ流行から一抜けを果たしたと私は考えます。
 なお一抜けというのは先ほど連絡を取った友人の言葉からです。なんでも最近二度目の転職をしたとのことで、「二度目ということは上級職?バトルマスター?せいけんづき?」という妙な質問をしました。

 めちゃくちゃ間の良い人ならもうわかるかもしれませんが、日本はこのお盆の時期をコロナ対策において無為に消費しました。それこそこのお盆の時期であれば学校も会社も工場も止まっているのだから、少なくとも本来被るはずだった1週間分のロスをゼロにできたので、前後半年において最も都市封鎖を行う上で都合のいい、チャンスでもあった時期でした。しかしこの都市封鎖に最も都合のいい時期に日本政府は、真逆とも言っていいGo toキャンペーンをやって、PCR検査数の増加もあるとは思うものの、各地の発表を見る限り感染者数の増加をむしろ促していたかのように思えます。

 コロナウイルスの特性から言って、2週間完全に都市封鎖を行って発病者を隔離することは流行予防において非常に効果がある、というより現実面で最も且つ唯一効果的と言えるのですが、中途半端な自粛要請だけやって流行蔓延を半ば黙視しているようにしか見えないのが今の日本の状況です。
 予言すると、多分今度の年末年始になってようやく諦めがついて上記の都市封鎖を日本もやるのではないかと思いますが、この結論に至るまでの時間の差がすべての差というとこでしょう。

 またコロナの感染確認アプリですが、報道を見る限り私が予想した通りに何の感染防止にも役立っていないようです。はっきり言えばあのアプリの仕様で承認した担当責任者は無能もほどが過ぎるので直ちにその職を辞すべきでしょう。愚かしいという言葉では済まないほど無意味に無駄なことにリソースをかけ過ぎており、私には到底正気を保っている人間には見えません。もっともそれを言ったら、自分を含め正気を保っているのは何人やらですが、政府発表とか見ていると日本の官僚の質はここまで低いのかとやはり中国と比較していて感じます。

2020年8月18日火曜日

日本でマヨネーズが普及した背景


 というわけで無事に終日一位だった昨日の記事ですが、ヤフコメ見ているとやたらと「中国には生野菜を食べる習慣がない」という私の記述に噛みついてくる奴がいて、世の中くだらない奴が多いんだなと本気で感じました。キュウリは生で食べるとか、地方には生野菜の料理があるとかいろいろ言ってましたが、別の「日本も戦後すぐまでは全く同じで生野菜はほとんど食べていなかった」というコメントがすべてを物語っているでしょう。もう少し補足するなら、1か0かではなく10か100かの話をこちらはしており、また双眼鏡で見える風景を話しているのに顕微鏡の中の世界の主張を繰り出すなど、彼らは自分が主張することによって見えることとなる事実を恐れないという点には恐れ入ります。

 話は本題ですが、先ほど引用した通り日本も戦後すぐまでは生野菜を食べる習慣はほとんどありませんでした。基本的には加熱するか漬物に加工して食べるのが一般的であり、取れたてをそのままかじることはあっても、現代の様にマヨネーズやドレッシングなどを付けて一般家庭で食べるという行為は一般的ではなかったでしょう。
 ではそこでクエスチョンですが、一体どういう風にして日本人はサラダ料理を一般的な水準にまで食べるに至ったのか。これは昭和のその時代をリアルに生きていない私からすると想像の範囲でしか述べられませんが、一つはもちろん食の西洋化で、西欧のライフスタイルを取り込んだことがあるでしょう。ただそれ以上に大きい理由としては、やはり今回取り上げたキユーピーなどの関連食品メーカー、そしてそれに付随した広告企業などの長年にわたるマーケティングが最大の原動力であったのではないかという気がします。何故このように思うのかというと、リアルタイムで今中国でその姿を見ているからです。

 突き詰めると食というのは習慣で、嗜好ではないというのが私の持論です。みんなが食べるから私も食べるであり、個々人の味覚や価値観なんてほとんど影響せず、結局は食文化の枠に入れられるか否か、そこへ至るまでにアプローチできるかにすべてかかっていると考えます。
 ではどうやってそこまで持って行くかというと、やはりマーケティングにかかってくると思います。もちろん味の調整など食品本来の研究開発も重要でしょうが、それ以上にマーケティングによって、如何にその食品を食べることが当たり前だと思わせることの方が重要でしょう。

 現に今、中国で日系食品メーカーがカレーやサラダドレッシングなどの普及に努めており、あの手この手でマーケティングが行われています。そうした甲斐もあって10年前と比べるとこの手の食品も中国で食されるようになってきましたが、やはりこういうのを見ていると日本でサラダ料理が食べられるようになったのも、関連食品企業のマーケティングによるものだったのではないかと思うに至りました。逆を言えば、具体的にどういったマーケティングで現在の成功を勝ち得たのかなどが個人的には気になるし、それらは中国市場でも応用されているのかについても興味があります。

 その辺、今回の記事で恩に着せてキユーピーとかに聞いてみたいものですが、そう考えると食品系企業はなかなか夢があるなというか、無印とか東急ハンズよりずっとライフスタイルつくっているようにも思えます。生憎就活中は食に関心がないことからこれら企業を受けることはありませんでしたら、今のような境地に至っていたらまた別の行動をとっていたでしょう。

2020年8月17日月曜日

調味料記事の裏側


 というわけで今日配信された自分の記事ですが、今のところのアクセスランキング速報で1位になっています。終日1位も狙える位置にあり、最近ずっとトップ取れなかったので素直にめちゃくちゃうれしいのですが、朝一でランキングを確認したら昔書いた「日本にしかない『中華料理』、中国人はどう思う?」が何故か1位になってて、「あれ?(;´Д`)」とか思ってみてました。

 さてこの記事ですが配信前からトップ狙えると思っててそこそこ期待値が高かったです。というのも職に対するこだわりどころか欲求すらほとんどないのに自分が書くグルメ系記事は当たりやすいのと、お盆で他のライターさんが休みなのか記事投稿本数が減っていて、トップ狙うなら今のうちだと狙っていたからです。真面目に最近全くランキングトップが取れなかっただけに、今回のこの結果はマジうれしいです(^_-)-☆

 この記事ネタこと調味料ネタですが、構想自体は1年くらい前から持っていました。記事化するタイミングがこの時期になったのはたまたまで、先月の会社での激務が一段落してようやく生を実感できるようになったのだから手早くちゃっちゃと書ける記事をと考えて選んだのですが、そんな経つつも実はこの記事を脱稿するまでは非常に難産でした。
 具体的に述べると、実は2回ほど全面的に書き直しています。以前に書き上げたものの面白くなくて自分で没にしたことはありますが、2回も書き直したのはJBpress向け記事としてはこれが初めてです。真面目に第一稿は自分でも面白くなく、あのまま出してたら箸にも棒にも引っかからなかったことでしょう。

 何故2回も書き直す羽目に至ったのかというと、単純にプロット段階でミスったためです。今回の記事ではキユーピーとそのマヨネーズ及びサラダドレッシングが日本代表みたいに主役となっていますが、実は最初に主役にした調味料はウスターソースで、中国にはたこ焼きの伝来とともにウスターソースが伝わったようだとかそういうこと書いてました。
 しかしウスターソースは現在においても中国ではとんかつやお好み焼きなど日本料理にしか使われておらず、味と名前はある程度認知されてはいるものの、調味料としての発展性がやや低く、且つ話題が日本料理限定となるなど広がりがありませんでした。折角知り合いに初めてウスターソースを食べた時の感想とか聞いてたりしたのですが。

 第一稿を書き上げたところでようやく上記問題点に気が付いて、やはり今後の市場拡大と食の西洋化につながることからサラダドレッシングを主役にしようと思って第二稿を書き上げましたが、今度は話の焦点が見えなくなって失敗しました。というのも知り合いのインタビュー内容を中心に取り上げ、日本はテーブル調味料が多いけど中国は台所調味料が多く、味付けの完成を調理前にするか調理後にするかで日中の料理文化に差があるとか、そういう話をメインに書いていました。
 なお「テーブル調味料」という言葉は実は今回作った私の造語で、恐らくこれまで存在していなかった単語で、「食卓調味料」も候補でしたが音的にテーブルにしました。「台所調味料」という単語は前から存在していましたが、今回記事を書くに当たってその対となる単語が必要となることから編み出しましたが、ヤフコメとか見ると誰も疑問に思ってらず素直に受け取っているあたりは仕込みは成功と言えるでしょう。

 話を戻すと、友人のインタビュー内容や日中料理文化比較論がメインとなり、今度は日本の調味料種類が如何に豊富であるのかという説明や主張が極端に薄くなってしまいました。これは書いてる段階から薄々気が付いていたものの、かといって折角まとめたインタビュー内容を出さないのはなぁという変な欲を書いて大失敗こきました。
 そんなわけでまた書き直した第三稿では、徹頭徹尾に日本の調味料は多いという話題を書きつつ、中国の調味料事情、そして最近のキユーピーの浸透という流れにして、ようやくまとまりを得ました。といってもあともう一回書き直せばさらに良くなったかもしれません。

 その書けなかったインタビュー内容ですが、先ほど述べた通り日中で調味料に対する感覚はやはり異なります。中国は台所調味料がやはり重視されるのに対し、日本は個々人の味の好みを反映させられるようにテーブル調味料が発達しています。これはそれぞれの料理の味の濃淡も影響しており、中華料理は初めから濃いめ、日本料理は逆に薄めという全体的特徴にもつながります。そういう背景から、中国はテーブル調味料は黒酢、醤油、辣油くらいしかないけど、台所調味料はそこそこ充実しています。

 ただ台所調味料で比較したとしても、恐らく日本の方が種類や量で勝っているのではという気がします。ヤフコメで逆の主張書いてる人もいましたが、単純に日本人は何でもかんでも味付けしたがるほど調味料に対する偏重が強く、味の素を筆頭に化学調味料の消費量はかなりすさまじいと感じるところがあります。そもそもアミノ酸を見つけたのも日本だし、台所調味料分野をひっくるめても日本は世界トップ水準にあるとは思いますが、この辺の話をすると3000字でまとめ切れるはずもなく、わかりやすくて読者受けしやすいテーブル調味料に敢えて話を限定しました。この判断は優れていたと自負しています。

 あと書くべき点としては、やはりちょっとキユーピーを持ち上げ過ぎかなという気もしましたが、日本マヨネーズ代表といったらここだし、尚且つ財務諸表できちんと中国エリアのセグメント業績も出しててくれたので、応援を込めて書きました。今日の株価は16円下落(-0.80%)だったけど。
 ただまじめな話、前からもこのブログで書いているように日本の食品系メーカーはその日本に対する貢献に比して世間の評価が低すぎる気がします。前述の味の素、醤油のキッコーマンなどは下手な機械メーカーとかよりもずっとグローバルに商売しており、相当量の外貨を日本にもたらしています。またその国際競争力も決して低くなく、機械や車なんかより中国ビジネスにおいては実は競争力が高いと私は睨んでいます。政府も飛ばない飛行機を応援するより、外国でマヨネーズ売ることをもっと応援するべきです。

 しかし依然と日本では重工系メーカーばかりがもてはやされ、経団連幹部も重工系メーカーに占められているのが現状です。個人的にそれが非常に納得いかず、ヤクルトなど食品系メーカーも中国で頑張ってるんだぞと前から訴えたい気持ちは強かったです。もっともヤフコメ見ているあたりそのあたりまで読み込んでくれていた人はおらず、この方面では私ももっと努力を続ける必要がありそうです。

 最後に関係ないけど重工ときたら三菱重工ですが、なんで次期国産戦闘機(F-3)の単独受注先はここで決まりみたいになっているのが内心納得いかないです。最近だって飛ばない飛行機しか作ってないし。
 じゃあどこがいいのかっていうと実は川崎を応援しており、なんでかっていうと旧軍の戦闘機で川崎が作っていた飛燕と五式(飛燕改)が好きだからです。なのでF-3は飛ばない飛行機を作っている三菱重工ではなく川崎に、「飛燕エボリューション WRX-STI」を作らせるべきだと考えています。この名称なら三菱、スバルが開発に参画しても全く遜色ないし。

2020年8月15日土曜日

ゲームのグノーシア楽しい(´・ω・)

グノーシア(公式サイト)

 他の人もたくさんレビューしていますが、ハード末期のPSVitaで発売されて注目された後、Switchなどにも移植されたこの「グノーシア」ってゲームにはまっています。このゲームはどういうゲームかというと、特定ルールの中で集団から多数派になろうと目論む人狼を見つけ出すいわゆる「人狼ゲーム」をお手軽簡単に携帯ゲーム機で遊べるようにしたゲームです。

 詳しい解説は他のレビューに譲りますが、傑作であると非常に評判であることと、つい最近に同じく人狼ゲームをテーマにした「レイジングループ」というアドベンチャーゲームをプレイしたことから興味が湧いて購入しました。本来、人狼ゲームは非常に高いロジックでの議論が要求されることからこうしたコンピューターゲームに落とし込むのは難しいとされ、さきほどの「レイジングループ」も人狼ゲームをテーマにしているものの、実際に人狼ゲームを遊ぶのではなく人狼ゲームが繰り広げられる村内の議論をテキストとして見ていく、一般的なアドベンチャーゲームとなっています。

 それに対しこのグノーシアは、非常に高いレベルで人狼ゲームを再現しています。整合性を取るためセリフなどは非常に最低限に抑えられているものの、誰が誰を疑い、誰と連携を組むか、またいかに自分が目立たずに発言するかといった人狼ゲームにおける駆け引きがほぼ完璧に落とし込まれており、恐らくこれ以上人狼ゲームをゲーム上で再現させるのは不可能なんじゃないかと思うくらいシステムに粗がありません。

 またそれ以上に、このゲームのもっとも特筆すべき点は1周当たりのゲーム時間です。このゲームでは配役を入れ替える人狼ゲームを何度も繰り返していてことの真相を解き明かしていくいわゆるループ物になっているのですが、1回当たりの人狼ゲームはわずか10分程度で終わり、ともすればだれやすくなる人狼ゲームを非常に速いテンポで何度も繰り返し遊べるようにしています。実際に遊んでいてこのテンポの良さは驚愕に値するほどで、うっかり人狼(ゲーム上では「グノーシア」)に開始早々殺害されてもすぐまた仕切り直して遊べるし、また終盤まで生き残ったとしても経過時間は10分程度ということから、終わった後に「さぁもう一回」という風にまた遊んでみようという気になります。そのせいで、3時間くらいぶっ続けで人狼ゲームを繰り返す人も、私以外でも珍しくないのではないかと思います。

 またゲームの背景となるバックストーリー、BGM、キャラクター造形も非常によくできており、宇宙船内で人間を殺害していく異性体を探すというSFな状況は人狼ゲームと非常に合っており、また時折出てくるゲーム内用語もSFの世界観を崩さず、むしろ映えさせて雰囲気づくりに一役買っています。
 中にはまんまリトルグレイな宇宙人っぽいキャラクターがそのまま出てきて、しかも他のキャラの名前はみんなカタカナなのにこいつだけ「しげみち」で、「俺は人間だって」としゃべりだしてきますが、それでいて何故か周りに溶け込んでいるのは、スタッフの見事な力の賜物な気がします。にしてもこの「しげみち」はほんとに憎めないキャラだ。

 そのしげみちに限らず他の脇を固めるキャラクターも、個性が際立ってキャラがしっかり作られており、どれも好感が持てるキャラクターになっています。逆に、好感が持てるからこそ「実はグノーシア」だったという結末時の裏切られた感が大きく、ゲームの面白さを高めています。キャラの中には性別は男性女性でもない「班」というのがありますが、これに属するセツというキャラなんか文字通りかっこかわいいキャラクターで、よくこういうキャラを作れたものだと感心します。

 真面目にこのゲームは遊んでいて、比類なき完成度を持ったゲームであると感じます。人狼ゲームの設定作りは作り込まれていますが、システム自体は比較的シンプルにまとめられており、それでいて粗がほぼ全く見つかりません。丁寧に完成度高く作られており、それでいてこれほどの魅力があるというのは称賛すべき出来であり、遊んでない方や人狼ゲームに興味ある方はマジ本気でお勧めできるゲームです。

渡哲也氏の逝去について

 このブログではあまり逝去報道については触れませんが(水木しげるは別として)、昨夜報じられた俳優の渡哲也氏の逝去に関してはなかなかに衝撃を受けました。私に限らず、というより私より上の世代なんかはもっと衝撃が大きいと思いますが、キャラクターの強い俳優でまた石原軍団を長きにわたり引っ張ってきた大御所であるだけに、その死を惜しむ声は既に各所からも出ています。

 近年は闘病を続けていたと聞き、また出演作も少なくなっていたことから大変だったのではないかと前から思っていましたが、非常に静かな幕引きというか、そうした闘病の姿をあまり見せずに静かに去っていったのは本人の意思によるものではないかと思え、また見事な去り際だったと思います。
 私個人の印象ではやはり大河ドラマ「秀吉」の織田信長役が一番印象が強く、当時もはまり役と言われ、これ以降は多かれ少なかれ渡版信長のイメージが強く持たれていました。

 このほか特にとりとめて書くほどのことではないですが、改めて渡哲也氏を思い起こすにつけ、こうしたダンディズムというか男臭さを前面に出した俳優が少なくなってきている印象を覚えます。これは何も日本に限るわけじゃなくハリウッドでも、いわゆる「ケツ顎」俳優が近年少なくなってきており、キャプテンアメリカ役のクリス・エヴァンスのように、マッチョではあるけど顔は割と細面な俳優が増えているとされ、ごつい系の男性俳優が以前ほど活躍しなくなってきています。それだけに今回の渡氏の逝去を受けて、この流れがますます加速するのではないかとも少し思います。

 なおどうでもいいですが先日会社の同僚に、「ベネットって何?」と聞かれました。理由はプロフィール欄に「かかって来いよベネット!」というメッセージを何故か近況欄に入れていたせいです。ベネットほどじゃなくてもいいけど、やっぱああいう男くさい俳優が活躍する方が個人的にはうれしいかな。

2020年8月12日水曜日

香港の民主化活動家逮捕に関する中国の報道

封印されしドラえもん

 今朝、以前に香港で戦っていた(ブラック企業と)後輩から香港の民主化活動家の逮捕などの弾圧について、中国ではどういう風に報じられているのかと聞かれたので、この点についていくらかまとめます。結論から書くと、まず多くの日本人は中国の報道規制を過大に考えている一方、日本のメディアの報道を何か勘違いしてみているのではと思っています。

 まず最近日本で大きく報じられている、民主化活動家の周庭氏と「蘋果日報(アップルデイリー。「ひんかにっぽう」と書いているメディアもあるがセンスがないと思う)」創業者の黎智英氏の逮捕ニュースについては、中国でももちろん大きく報じられています。なお余談ですが、アップルデイリーは知ってる人には非常に有名なメディアで、世界で最初に鄧小平の死を報じたメディアでもあります。その報道時に使われた写真は病院のドアの隙間から盗撮した写真で、報道が出てから間もなく中国政府もその死を公式に発表しました。

 話を戻すと、恐らく大半の日本人は上記逮捕事実は中国では全く報じられていないと思っていたのではと思います。しかし実際には日本で報じられている内容はほぼすべて中国でも報じられており、誰でも簡単に閲覧することができます。それこそ、周庭氏が取り調べ中に日本の欅坂の歌詞を思い出したと発言したことも普通に中国共産党直系メディアの環球網も報じているし、むしろ英ITVの特約記者が逮捕されたとすぐ報じているあたり、日本以上に香港国家安全維持法関連の報道は充実しています。まぁこれは中国が包み隠さず報じているというよりかは、日系メディアが何も独自に取材して報じていないというのが種明かしなのですが。

 日系メディアの報道の出典等をよく見ればわかることですが、基本的に現地メディアの報道を翻訳して流しているだけで、独自の取材活動に基づく報道はほぼありません。いくつかは地元香港人へのインタビュー記事などありますがそこまでニュース価値があるわけでもなく、また香港情勢に詳しい専門家よりも、よくわからない日本国内にしかいない政治学者とかへのインタビューの方がよく出てくる辺り、お里が知れるところでしょう。
 この点は自戒も込めて書きますが、海外報道というのは基本的にほぼすべて現地メディアの情報を引用するだけで、現地メディアが報じる以上の内容は日本のメディアが報じることはほぼありません。それどころか、現地の突っ込んだ報道こそ裏付けが取り辛いこともあって、引用報道はされなくなる傾向があります。

 その点で言えばむしろ中国本土の方が取材ネットワークが香港もカバーしていることもあって、日本以上に現地の情報を拾ってくることが多いです。また現地香港メディアの報道も同じ中華圏ということもあって、引用報道の本数は必然的に日本以上に多くなります。

 ここで最初の話題こと、中国は民主化活動家逮捕などに関して報道規制しないのかについてもう少し触れますが、別にそこまでシビアな話題でもないし、そこまで中国がSFなパノプティコン国家というわけでもありません。香港国家安全維持法についても、中国メディアはその法的意味と価値を盛んに訴える一方、日本などを含む諸外国から批判されている点についても報じています。むしろ日本と米国の視点からでしか報じない日系メディアよりも、中国メディアの方がもっと他の国からの批判も取り上げているだけ日本以上に報道の幅は広いです。

 その上で言うと、諸外国から批判を受けていることを知った上で中国人は、この香港国家治安維持法を支持しています。理由は単純に香港のデモは暴動でしかなく、民主化を叫んではいるがその実態は社会への不満の憂さ晴らしと、米国の陰謀だと考えているからです。
 香港デモが激しかった頃に日系メディアがほとんど報じなかった内容の一つとして、香港デモの活動費の源泉に関する話題があります。中国メディアなどは香港の米国大使館などからでも関係者、民主化活動家らに資金が流されていると報じ、これらデモを米国が裏で糸を引いている、若しくはわざと拡大させていると報じていました。

 この報道を真実と取るかはそれこそ人に拠るでしょうが、私は規模はわからないけどまぁ米国はやっていただろうなと考えています。というのもちょっと前の米国における黒人差別デモにおいて米系メディアは、デモの主催者らに中国大使館が資金を流していると報じていたからです。
 世の中平和なんてことはなく、こうした相手国で内乱を誘発させたり拡大させたりするのはどの世界でも日常茶飯事です。ましてや米国なんてイランで昔CIA使って国ごとひっくり返したこともあり、むしろこの分野では最先端をひた走っています。そういう意味で米国も中国も、香港デモと黒人デモでお互いにでも主催者を応援していたと言われても別に私は不思議に思いません。っていうか、「やること似ていて米国も中国もお互い仲いいじゃん(^ω^)」とか思ってます。

 話を戻すと大半の中国人は香港デモについて、民主化を叫んではいたがその実態は外国からの支援を受けた内乱誘発行為でしかないと信じ切っており、香港政府が抑えきれなかったのだから中国が強権を使って抑え込むのは仕方のないことと考えています。なので外国から批判されたとしても、批判している国は内乱を誘発させたい国、若しくは現地の実態をよく知らずに発言しているという風にしか思っていないでしょう。
 ある意味で、こうした中国人の見方は正しいと私も思います。少なくとも日本のメディアに関しては香港デモ、そして今現在の香港の状況について現地報道を引用する以上の報道はほとんどしておらず、自らその実態を探るような動きは私には見えません。方針を見定めるには、絶対的に取材、報道量が足りていないというのが今の日本の状況です。

 というのが香港に関する報道の私の見方ですが、単純に香港としてみた場合、今や完全な衰退期に入っている地域というのが私の見方です。香港だからこそあるという特色やメリットは年々小さくなっており、観光に関しても今はコロナで国境移動が制限されているけど、コロナ以前は中国人も海外旅行に行きやすくなったことからやや色が薄れてきており、遅かれ早かれ厳しい立場に追いやられる地域であったという風に見ています。
 それがたまたま去年のデモで早まっただけ、というのが現実的な見方です。もしも本気で運動を成功させたかったのであれば暴徒が出ないよう徹底する必要があったし、それに失敗した時点でもう負けは決まっていたでしょう。

 ただ、中国政府も中国政府でここで香港を急激に締め付ける必然性は感じられません。それこそゆっくり時間をかけて骨抜きにしたりする方が穏便且つ確実であったにもかかわらず、今年中盤にコロナが一段落してからというもののかなり激しく香港の民主派の弾圧に乗り出してきました。
 無論、内乱誘致への危機感もあるでしょうが、それ以上に去年に散々邪魔されたことに対する報復めいた感情が感じられ、ややスマートでないという気もします。だからこそ日本や米国の様にここぞとばかりに批判される口実まで与えてしまうし、私も私で中国政府は意外と余裕がないのかなという風に感じたりします。まぁ素人の一意見ではありますが。

2020年8月11日火曜日

このところの夏の傾向

 恐らく今頃日本はめちゃ暑な状態かと思いますが、先週の上海もそうでした。もっとも不快指数的には早朝に雨が降って湿気と温度がやばかった昨日が一番しんどかったですが、去年といい今年といい7月は比較的涼しく、8月にめちゃ暑になる年が増えてきている気がします。まぁそれ以前からもずっとそうだったかもしれませんが。

 個人的な観測では、5月のGW頃に一度ぐっと気温が上がったと、6月の梅雨の時期は20度台が続き、7月から最高気温30度越えが続くというのが東京や上海の天気ですが、このところは7月が20度台が続き、8月から35度前後が続く年が多いです。特に今年は台風が日本では7月に一度も観測されなかったそうですが、上海も何度か台風が近づいたことはあっても、本来一番多く発生する6月が大人しかったのはなんか妙な感じしました。

 かつては暑さ寒さもお彼岸までといわれましたが、なんとなく近年はこれが当てはまらなくなり、むしろお彼岸頃がピークで、そのまま9月いっぱいまで暑いというのが常な感じがします。特に上海は春と秋が短く暑い状態から急に冷え込むから、10月あたりで過ごしやすい天気というのがなんかパッと思い浮かびません。

 なんかとりとめのない内容が続きますが、なんとなく最近の日中の夏を見ていて思うこととして、大気汚染がなくなってきたからむしろ暑くなっているのではと思う節もあります。大気中の微粒子が増えればそりゃ日照量も落ち込むわけだし、空気がきれいになればなるほどむしろ夏は暑くなると私は考えています。
 二年前に私も記事に書きましたが、かつては中国の代名詞だったPM2.5こと大気汚染も近年は大分改善しており、青空も普通に拝めるようになってきました。かつてはマジで青空見られたら超ラッキーなくらいに珍しかったですが、今年の夏は雨でも降らない限りまっかっかな晴天で、むしろ鬱陶しさを覚えるくらいです。

 日本も2000年代中盤頃からやけに空が澄み渡るようになり、リーマンショックで景気が悪くなってからはさらにその傾向が増しました。地味に温暖化の犯人の一部はこれじゃないかと思っており、自動車エンジンの改良による廃棄物削減によってそれが晴れ渡り、世界各地で最高気温を引き上げているというのが私個人の見方です。少なくとも中国に関してはこの数年間ではっきりそう感じることが多く、あの汚かった空が普通に懐かしいです。

2020年8月9日日曜日

画面奥のマスク



 上の画像は中国のATMですが、何故画面奥の行員がマスク姿なのか、感染しないだろ普通とかいろいろツッコミどころが多いです。なお撮影はつい最近ですが、この画面への切替えはウイルス流行からすぐに行われており、なんでこういうところだけ仕事早いんだよとか当時思っていました。

 画像ネタのためこれ以外に特に書くことないのですが、先々月、先月と過労死ラップ(月80時間)で残業し続けているので早く休みが欲しいです。もっとも休みになっても日本いけないし、外暑いしで、あんまやることないのですが。

2020年8月8日土曜日

ねじピッチ違うじゃねーか( ゚Д゚)ゴルァ!!


 これまで使っていた左のPC用の椅子がボロボロになってきたのと、前から気に入らなかったので先週ニトリで右のオフィスチェアを購入し、本日届けられました。前の椅子がなんで気に入らなかったのかというと、座面の奥行きが長く(約55㎝)、普通に座ると膝の関節部分を縁に乗せると背中が背もたれにつかず、腰が非常に痛くなるためでした。何度か対策は試みており、クッションを置くなどして改善はできたものの、そしたらそのクッションから大量のダニが発生して腰回りを穴だらけにされたこともあり、最終的には膝を縁に乗せずに座面の上で胡坐をかくスタイルとなりました。
 なお胡坐をかくために、本来取り付けるアームレストはわざと外していました。まぁずっとキーボード叩くだけなので、なくてもそんなに困らなかったですが。

 そんなわけで新しく買う椅子は座面奥行きをはじめから重視し、今回500元(約7500円)で買った椅子は45㎝で、やはりこれくらいだとちょうど日本人の体形に合っている気がします。また背もたれも変にリラックス感覚で後ろに倒れた奴じゃなく、わざと直角の様に直立したものを選びました。
 これなんか知ってる人には早いけど、私は無駄に姿勢がいいというか座っていて背中がやけに直立していて猫背にならないため、背もたれは直角の方が楽だったりします。

 以上の要因から届くのが割と待ち遠しく今朝もワクワクドキドキしながら待っていたところ、ふとニトリの領収書兼荷物送達状を見たら、住所の部屋番号が間違っていました。きちんと確認していなかった自分も悪いですが、そもそも購入時の時点で受取人名も間違えて入力されており、「名前くらいいいよ」と言われそのまま受け取っていました。名前どころか住所も間違えてて、なんやねんって気になります。
 とはいえ中国の場合は運送業者が到着前にあらかじめ在宅かどうか電話で確認してくるので、その電話の際に住所が間違っていると伝え、正しい部屋番号を教えたので受取には問題ありませんでした。っていうか日本も到着前の在宅確認電話とかした方がいいと思う。

 そんでもって到着した椅子を早速組み立てたのですが、結論から言うとかなり苦戦しました。オフィスチェア自体はこれまで何度か組み立てたこともあり慣れたもののはずなのですが、説明書にあるねじの種類がねじA、ねじB、ねじIと書いてあるのに、実際のキットはねじG、ねじH、ねじIと分けられてて、この時点で「( ゚Д゚)ハァ?」となりました。幸い、ねじの長さが書いてあったのでそこから判別して組み立てていったのですが、アームレストと背もたれを繋ぐねじを止める際にトラブルがありました。
 具体的には、ねじが入りませんでした。どれだけ力入れても無意味にくるくる回るだけで、全く差し込んでくれない。仕方ないのでアームレストを一旦置いた上で、全力で背もたれに対しねじだけを差し込むことにしました。非常に長く格闘しましたが、どうにかねじを入れることには成功しました。

 そもそも何故ねじが入らなかったのかですが、まず間違いなくねじピッチがねじ本体とねじ穴で一致していなかったためと思われます。ねじピッチとはねじの溝が一回転当たりでどれだけ沈むかというネジ山の高さを指しています。当然、ねじとねじ穴でこれが規格で一致していないとねじが入ることは通常あり得ません。
 何故このように判断したのかというと、前述の通り普通にやってもねじは入らなかったのに対し、かなり力を入れて無理やりねじ巻いたところ入ったからです。しかも一回ねじを留めて抜き出した後、ねじ本体が出来立てのカレーみたくめちゃくちゃアツアツになっており、金属部分が引き延ばされて熱を帯びたとみて間違いないでしょう。実際に一回ねじ込んだ後は、それでも固いけど前よりは断然楽にねじ込むことができるようになったし。

 正直な感想を述べると、ニトリは椅子一つまともに作れないのかと、ねじ記号と送り先住所を間違えていた件と相まって非常に呆れました。それこそねじピッチの件は普通気づくだろうって話だし、自分だから無理やり止めることできたけど、工作が苦手な女性だったらまず間違いなく取り付けは不可能だったと思います。

 とはいえ、椅子自体は前の椅子がいろいろ体に合っていなかったこともあって今の段階では気に入っています。前の椅子は高さ的にも結構微妙であったし。
 アームレストもまた胡坐で座り続けるからいらないかなとも思ってましたが、やはりあったらあったで使うし、アームレストあっても胡坐組めるのでしばらくはつけたままにしようと思います。まぁ気に入らなかったらあんだけ苦労したけどアームレストはまた外すことになりますが。

 なお届けられた椅子を梱包していたダンボールを捨てに行った際、「ちょっとあんた」とおばちゃんに呼び止められ、そのままダンボールを持ってかれました。資源となるのでどっかに売るのでしょう。
 そしてこれまで使っていた椅子も同じく捨てに行ったところ、粗大ごみを置くところにおいて一時間後にその場所へ戻ったら、もはやその姿はありませんでした。これも回収業者か誰かが持って行ったと思われ、こういうところのリサイクルは本当に中国は日本よりずっと進んでいるとよく思います。

2020年8月6日木曜日

中国からの謎の種騒動に関する中国の反応

 リクエストがあったのでさっそく今話題の中国から送られてくる謎の種騒動について、中国現地の報道を軽く洗ってみました。結論から言うと、日本や米国の報道をそのまま後追いして報じています。


 共産党系発行で私の記事も以前翻訳して掲載してくれた環球時報も、米国での謎の種騒動を上記リンク先記事の様にして報じています。またここだけでなく他の中国メディア、はたまた海外ニュースを取り上げる個人ブロガーなども多くこの話題に触れており、日本のテレビニュースなどの報道を引用も多数見かけました。中でも驚いたのは、今日日本で放送されたと思う内容(送付業者への電話インタビュー)も早くも取り上げている人がいたことです。仕事が早い。

 これらの報道は「神秘种子」や「不明种子」、日本語に訳すなら「神秘の種」とか「なぞのたね」などというキーワードで語られているのですが、これら報道を見て気が付いた点としては、中国国内でではこの謎の種が送られてくるケースはあまり起きていないのではないかと思います。仮に起きていたら「国内でも……」的な報道が少なくとも出ると思われますがそうした報道は一切なく、前述の通り米国と日本の報道が引用の形で報じられているだけです。

 その上で推理を進めると、やはり送り先は既に一部で指摘されているようにAmazon利用者だと考えられ、Amazonの住所情報か何かが流出したことからレビュー関連の何らかの不正を行うために送付した事実を作っていると私も思います。地味に重要な前知識をここで挙げておくと、以前はアクセスできましたが、中国国内からAmazonの日本語サイトにアクセスすることは現在できません。英語サイトは映るものの、日本語サイトはアクセスが遮断されており一切閲覧できないのですが、なんとなくこの辺も米国と並んで日本にばかり種が送り付けられてくる理由の一つになっているような気がします。
 あとタイミング的には、先月辺りからコロナ禍でサービスが中断していたEMS(国際宅配)が再開されたというのもあるでしょう。

 一応、中国政府は種の封筒に中国郵政のスタンプがあるがこれは偽造であると説明はしているものの、状況から考えると中国政府がやっているわけではないものの、中国の業者が種を送り付けているのはまず事実でしょう。あまり大事にしたくないだろうし、中国政府も内々に処理するかはわかりませんが、検疫的にもかなり逸脱した行為なのでしばらくしたらアクションが起こるとは思います。
 それにしても、中国の話題を、中国メディアが日本の報道を後追いするという形を見ていてかつての冷凍毒餃子事件を思い出します。あれから長い時間がたったけど、自分はその間どれだけ変わったのだろうかと妙なノスタルジー覚えます。

2020年8月5日水曜日

顔採用の時間経過による弊害

 今上海は絶賛台風接近中で、帰り道にバナナ買えなかったので明日の朝食は食パン(生)のみです。自分でも不思議だけど何故か中国では「食パンは焼かない」という妙なマイルールを徹底してもう10年近く経ちます。

【残当】某プログラマー「某メガベンチャーの顔採用女子が負債化してる。30過ぎたら退職してほしいが退職しない(アルファルファモザイク)

 先日たまたま上のまとめ記事を読んで、みんなが言っている「サイバーなんたらとかいう会社」ってどんな会社なんだろう、まぁでも確かに昔このブログに広告リンクつけさせろと言ってきておきながら、リンクがうまく機能しなくて問い合わせたら数年返事しなかったなぁあの会社はとか思ってました。
 そんなサイバーエージェントのことは置いといて、このまとめ記事読んでて面白いと感じたのは、当初は実力や将来性度外視で顔採用を行ったものの、年月が経つと顔採用した社員が負債化すると書かれている点です。

 顔採用については種々の検証や実験などからどの業界、というかどの世界においても存在するのが当然な慣習であり、サイバーなんとかという会社を始め容姿の良さを評価基準にすると堂々と公言している会社も実際存在します。しかしそうして顔採用した従業員はやはり業務能力などよりも容姿の良さを決め手として採用しているだけに、やはり顔でなく業務能力で採用された従業員との差があるというのは当然と言えば当然でしょう。
 無論、会社はそれを織り込み済みで採用しているのだから別にそれ自体を批判するつもりはないものの、加齢とともに容姿が落ちていった場合、冒頭で述べたように仕事もできずに存在し続ける負債のような従業員になるというのもよくわかります。っていうか実際そんなのよく見るからめっちゃわかる。

 自分の経験で述べると、やはり容姿がいい人は会社は言っても周りからちやほやされがちで、そのせいか叱責などへのストレスにめちゃ弱くなりがちです。また入社してからしっかり仕事を仕込まれず、周りもある程度フォローしてしまうため、業務能力も同期と比べあまり伸びてきません。まぁこの辺は容姿がいいからというのは実際あまり関係はなく、容姿で入ってしまったという事実の方が大きいでしょうが。
 それこそその手の従業員が男性だったらある意味始末に負えないですが、女性だったら寿退職してくれたらある意味負債の帳消しになりますが、まとめ記事でも書かれている通りに最近の日本は晩婚化が進んでいるから、負債は負債として残り続け、しかも有利子負債みたく年々でかくなっていくというのもよくわかる話です。

 マーケティングでよく使われるエピソードとして、米国の企業で面接を一切なしにして書類のみで採用選考を行ったら空前の大豊作になったという話がありますが、上記の顔採用の話と合わせて鑑みると、やはり従業員の採用は将来性、つまりその業務能力の成長度合いこそが一番の着眼点になるのかなという気がします。まぁそれがすぐわかるなら誰も苦労しませんが。


 同じ面接関連の話だと、上記ニュースもそこそこ気になって読んでいました。実際このやり方も興味深く、やはり意表を突く質問で相手の本音を引き出すのが効果的なのかもしれません。

2020年8月3日月曜日

休業要請をしない奈良の闇

奈良県知事「うちは休業要請しません、そもそも奈良に夜の街なんてないし」(ガハろぐ)

 上記リンク先に引用されている奈良県知事のコメントですが、ぐうの音が出ないほど正論な気がします。休業を養成しようにも、要請するお店自体が本当に奈良にはないのだから。

 っていうか結構思い当たる節のあるコメントも多く、

107: 風吹けば名無し 2020/08/02(日) 16:17:16.34 ID:60kohp1Jd
新大宮辺りにくっそしょぼい歓楽街あるやろ

113: 風吹けば名無し 2020/08/02(日) 16:17:49.79 ID:XmxT+UEr0
>>107 
あれを歓楽街言うのは無理がある 
よくて村や

 上記やり取りに出てくる新大宮なんて私の現在の移住先候補ナンバーワンのところで暇さえあれば不動産情報を見るくらいマークしている地域ですが、実際に上記コメントの通りです。千葉で言うなら、津田沼の全体ではなく一角をしょぼくしたような感じというべきか。



 また同じく上記まとめ記事に引用されている上の地図も、前にも取り上げた奈良南部の闇を垣間見せるインパクトがあります。

 このほかまとめ記事内で、京都と奈良の県境の真上に立つ高の原イオンについての言及もありますが、これは今まで全く知らなかった事実で、租税管理の観点からも非常に面白いケースだと思います。それにしてもウィキペディアの中にある、「県境マニアの間では『日本で唯一の府県境をまたぐ大型ショッピングセンターとして有名であり、県境マニアの主な出没スポットとなっている」という記述はほんと意味わかんない(;´Д`)

テスラ記事の裏側

立ち直る中国自動車市場、テスラの独壇場に(JBpress)

 というわけで今日出た記事ですがアクセスはそんな芳しくありません。まぁ定期記事だし、内容的には価値があるからわかる人だけ読んでくれればいいとは思ってますが。
 この記事で冒頭に使っているテスラのモデル3の写真は我ながら結構気に入っており、仕事帰りのフラフラなゾンビ状態で撮影した割には上手く取れたと個人的に悦に乗っています。なおそのほかの角度だと一応下のような写真も撮ってました。


 このモデル3ですが、記事中にも書いてある通り中国で今バカ売れしています。街中で見かける回数は日を追うごとに増えており、記事では書きませんでしたが他の中国系メーカーのEVの客を明らかに奪っており、今後対抗馬はウェイライだけになってくるかもしれません。
 実際にそのコストパフォーマンスを見ると、500万~600万円で連続航続距離500㎞のEVが買えるなんて破格もいいところで、EVの市場販売の敷居がモデル3によって一気に引き上げられた感があります。なんか日本だとモデル3を取り上げる記事をあんま見ないような気がしますが、自分に言わせればかつてのランエボやインプが300万円以下であんな化物性能の車が買えたくらい反則な車だとモデル3についても思います。

 こんな風に書くくらいだから私もモデル3を割と贔屓にして好んでいるのですが、性能だけでなく外観も割と好みだったりします。単純に洗練されていることもさることながら、最近の車は馬鹿みたいに大口開けたようなでっかいグリルが付いた車ばかりで、そんなグリルが全くないという一点をとってもこのモデル3のデザインは良いとすら思います。
 ガチな話、ネットでも90年代の日本のスポーツカーが最近若い世代の間でも持て囃されていますが、地味にそれはグリルのあるなしも関係してんじゃないかと本気で思っています。グリルのないスマートさのある車をもっと他も出せばいいのに。

 これ以外で今回の記事について書くことはあんまないのですが、昨日友人とも話しましたが、自粛期間中の反動需要で、去年の実績もよくなかったからベース数も低いこともあって4月、5月は前年同月比プラス成長を予想していましたが、6月もプラス成長を記録したのは正直意外でした。反動需要はもっと早くに終息すると考えていたのですが、なんとなくの肌実感で7月もなんか好調そうな雰囲気が感じられ、もしかすると7月以降もプラス成長を決めてくるかもしれません。

 なお車に限らず、商店を歩いているとこのところ人出の多さにマジビビります。明らかに一般市民の消費意欲は反動需要のためか旺盛であるように感じます。気になるので先ほど小売消費額をさっと調べてみたら、全国では上半期において前年比マイナスであったものの、一部都市では6月の時点ですでに前年比プラス成長を遂げているところも出ていました。日本なんかはこうした社会統計ものの内容をほとんど記事にしないのと比べると、中国の経済記者は優秀だなとマジで思います。

2020年8月1日土曜日

タイヤメーカーの特殊性


 本題とは関係ないですが上記画像はベトナムでの初のコロナ死者を伝えるニュース記事に使われたものであるものの、一見してすぐ「ドラえもん?」という単語が浮かんできました。全身ブルーに黄色のシャツの組み合わせは、なんかいろいろと反則であるような気がしてなりません。

 話は本題ですが最近いろんな人に話していてそこそこ受けのいい話として、タイヤメーカーに関する特殊性の話があります。一体これはどんな話かというと、「自動車部品サプライヤーのうち、タイヤメーカーのみが完成車メーカーも従えることができない」という内容です。

 自動車部品サプライヤーは完成車メーカーの奴隷、などとよく言われますが、実際にそれは大きな意味では外れていません。年次コストダウンという慣習があるのも私が知る限り自動車部品業界くらいだし、その他カンバン方式の押しつけやゴーンカッターによる利益圧縮などなど、完成車メーカー直結のティア1サプライヤーを除けば多かれ少なかれ自動車部品サプライヤーは完成車メーカーの奴隷というくらい逆らうことができません。
 しかし知り合いのホイールメーカー関係者によると、「唯一タイヤメーカーのみ完成車メーカーに意見することができる」そうです。それは一体何故かというと、タイヤメーカーの売上げはアフターマーケットの方が大きいからです。

 自動車部品というのはサスペンションからハンドルやブレーキ、そのほかネジやボルトに至るまで、基本的には完成車メーカーにしか納入されることはなく、それ以外の売り先はごく一部の修理交換部品程度でしょう。一方、タイヤに関してはタイヤマルゼンホイールマルゼンを始め、市井の自動車部品屋、果てにはタイヤ専門店で年中販売されており、特に雪国の人はシーズンごとにタイヤの交換が必要で、その分頻繁に消費されます。そのためタイヤメーカーにとっては、完成車メーカーに納入する分よりもこうしたアフターマーケット、市場の小売店を介した売上げの方が実は大きく、尚且つ利幅も完成車メーカー向けよりも高いそうです。
 そのため完成車メーカーが他のサプライヤーのようにタイヤメーカーにもコストダウンを要求したところで、「わかりました。ならもうお宅には売りません( ´Д`)ノ~バイバイ」と言われかねず、力関係的に従わせることができないそうです。

 こうした背景を頭に入れた上で改めてタイヤ業界を見ると、日本だけでもブリヂストン、東洋ゴム、横浜ゴム、住友ゴムなど単独の部品に対し力のある巨大メーカーが何社もあり、また世界を見渡すとミシュラン、コンチネンタル、ピレリ、ハンコックなどこれまた世界大手がたくさんあったりします。しかもこいつらタイヤメーカー、本業以外にも結構手広く商売をしており、資本力だけでなく政財界に強い影響力を持つ企業も少なくありません。つまりはまぁ、それだけ儲かるってことでしょうが。

 やはり何よりも大きいのはタイヤは自動車部品の中でもある意味最も交換される回数が多い部品であり、尚且つ安全性能等への要求も高いため価格も落ちづらい商品であることが大きいと思われます。ついでに言うと、原材料の天然ゴムも比較的安価だし。
 そうした、自動車部品としてはかなり特殊な部類にある商品であることから、中国が自動車部品で世界的な企業を育てたいというのであれば、もっとタイヤ企業を支援するべきだろうとよく話しているのですが、聞いた人からは「まさにその通り(σ・∀・)σゲッツ!!」とよく言われます。もっとも、ガチな自動車業界関係者には話してないから、彼らからするとどのように見るか気になるところではありますが。

 なおホイールメーカーの人によると、タイヤメーカーの人と技術的なすり合わせは一切しないそうです。タイヤとホイールってまさにタイヤマルゼンホイールマルゼンの如く、二つで一つなセットだから協力とかいろいろしてんのかと思ったら全然そんなことはないそうです。その辺のところは完成車メーカーがやってるのかもしれませんが。