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2020年9月29日火曜日

ドラクエ1の主人公は本当にロトの子孫だったのか?

 昨日の記事で日本の貴種流離譚好き、並びに血統主義について触れたところコメントで。

「(ドラクエ1の主人公は)彼自身はロトの子孫ではあるものの初期段階ではそれを証明するものを持っていません。そのため『ロトのしるし』という証明書がない状態では勇者として認められない事もありました。」

 このコメントを見て、「そもそもドラクエ1の主人公は本当にロトの子孫だったのだろうか?」という疑問がもたげました。

 上のコメントで片倉(焼くとタイプ)さんが言っている通り、この主人公はゲーム開始時に伝説の勇者であるロトの子孫を名乗ってラダトームの王様の竜王討伐に名乗りを上げています。しかし、ロ度の子孫であることを示すものは何も持っておらず、伝説の剣や鎧はおろか、その最大の証明にもなるロトのしるしすら持っていません。
 それどころか初期装備に至ってはゼロ、つまり全裸というホームレスさながらの恰好で、「龍が如く」でもこんなやばそうな格好した奴はなかなか見ません。っていうかどう見ても食い詰め者が宛てもなくやってきたようにしか見えないいでたちです。何を以って自分がロトの子孫だと主張したのか、むしろ逆に全裸だからこそ子孫であると主張してきたのかもしれず、いろいろ意味不明です。

 それでも最終的には竜王を倒すのだから腕っぷしに関しては認めざるを得ないでしょう。しかし、彼自身が本当にロトの子孫であったということを示す要素は何もなく、一応ロトの剣とかを装備出来ますが、果たしてドラクエ1のロトの剣がドラクエ2のロトの剣、ドラクエ3の王者の剣と同じものかについては実際に議論があります
 まずドラクエ2のロトの剣は攻撃力は同じ40ですが、これより強い武器が他にもたくさん出てきて、最強の武器ではありません。この点については「ロトの剣が劣化した」とか「技術が進歩したから」などと言われていますが、そもそも同一の武器でない可能性があります。
 次にドラクエ3の王者の剣ですが、この武器はどうぐとして使うとバギクロスが使えるものの、ドラクエ1と2のロトの剣にはそんな便利な機能はありません。この一点だけでもいろいろ怪しい。

 上記点を踏まえると、ドラクエ1の主人公が装備できるロトの剣というのはこれも自称しているだけではないかという可能性があります。少なくとも、彼が先祖だと主張するロトが使っていたものと同一のものである根拠は何もありません。このように考えると、「ロトの子孫と詐称したやたらケンカの強い野郎」であったのが真相のように思えてなりません。

 ついでに書くと、前述の通りドラクエシリーズは日本人の血統主義の権化のようなストーリーですが、ライバルのFFシリーズは1から3までは割とガチな庶民が主人公でした。4から月の民、5は伝説の戦士の息子、6は群像劇(雪男)となりますが、7に至って自称ソルジャーの一般兵士と突然庶民に先祖返りします。
 ただこうやってみると、ドラクエシリーズとは対極なくらい庶民キャラがFFシリーズは多いです。13も『「光速」の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士』と言いつつただの警備員だったし、でもって「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」だし。真面目にドラクエもたまには、ガチな庶民を太閤秀吉みたいに活躍させる作品を1回くらい作ってみたらどうだとか思います。

2020年9月28日月曜日

半沢記事の裏側

「半沢直樹」が見事に突いた中国人の熱狂のツボ(JBpress)

 というわけで今日の半沢記事ですが、少し前の記事にも書いた通り、この記事は直前まで何を書くか全く決まっていませんでした。自分にしては珍しく書くネタがなかなか思い浮かばず、その際に半沢直樹が受けているというニュース記事見て、「あ、こんな時なら半沢ならどないすんねん。ってか半沢書きゃええやんけ」という感じで思いつくに至りました。
 記事内容自体は以前から考えており、前に中国人の知り合いに話したところ、「まさにそれ(σ・∀・)σゲッツ!!」と言われていたこともあり、そこそこ自信はありました。そのため、書いている時も特に何の障害もなくサクサクかけて、工数的には利幅の大きい記事でした。

 ただ、この記事を書くに当たって上記の半沢に対する中国人の見方では物足りないと感じていました。そこで追加したのが末尾の貴種流離譚に対する日本人の捉え方で、個人の主張的にはこっちの方が思い入れがあります。この箇所の内容に関してもそこそこ自信があり、試読させた友人からも「「至極納得(σ・∀・)σゲッツ!!」と返事がきました。
 なおその友人によると、「ハリーポッターもこんな感じで、英国といい日本といい島国は血統主義になるのかも」と言ってましたが、これには私も至極納得(σ・∀・)σゲッツ!!でした。

 真面目な話、なんで日本人は主役を高貴な血筋にするのか最近不思議に思います。編集段階で削除されましたが、ドラフト段階では「中国の価値観に近くなっているのか、日本の文物を見ていて何故こうも血筋にこだわるのかが不思議に思う」とすら書いていました。
 その血統主義の代表格ともいえるのは、ヤフコメでも指摘されていましたがドラクエシリーズだと私も思います。特殊な血筋じゃないと主人公になれないし、ヒロインもお姫様とかそういう血筋で、ただの凡人の生まれという主人公はこのシリーズだと皆無でしょう。まぁドラクエ6の主人公はハッサンだと私は信じていますが。あとドラクエ7ならヒロインは網元の娘で、意外と稀有な庶民派だった気がします。

 ちなみに記事中で具体例として挙げられているインド映画の「バーフバリ」を私は見たことはなく、編集時に追加してもらいました。編集担当がこの映画好きだったのかもしれませんが、自分もこれで見たくなりました。友人は「あれは貴種流離譚ではなくインドらしいドタバタコメディ」と言ってましたが。

 このほかこの記事について書くことがあるとすると、実はとんでもないある秘密があります。その秘密というのも、私はこの「半沢直樹」のシーズン2の映像を1秒たりとも見たことがありません

 もともとドラマという映像をじっくり見るという習慣が一切なく、映画はまだ見るけどドラマというだけで全くその映像作品を見ることがありません。
 シーズン1に関しても、「戦車のプラモ大好き!」と言いながらドイツの戦車しか作らず、旧ソ連の名機T-34を一度も作ったことがないソ連人民の敵のようなうちの親父につき合わされ、確か6話と最終話だけ見ただけで、通しでは1度も見たことがありません。もっともストーリ概要に関してはいろいろ紹介されているからわかるので苦労はなく、記事内容も中国人のこの作品の見方だからまぁいいだろう的に書きました。人間、やろうと思えば何でもやれる。

 あと最後にヤフコメについてですが、まぁ全体として予想通りのコメントが多かったものの、自分の見方に割と賛同するような人が多い印象です。深く読んでいるなと感じるコメントは貴種流離譚に触れる者が多く、実際にこれらのコメントしている人が自分の真意を受け取っているように見えます。
 なおそのコメントですが、下記のコメントにちょっと興奮しました。

oin*****

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>貴種流離譚とは民俗学者、国語学者の折口信夫(1887~1953年)が論じた概念で、主人公が実は王子様だったり、伝説の勇者の子孫だったりと、高貴な血筋を引いていることが後からわかる、といったストーリー展開を指します。

どちらも好きだけど、日本人もそちらの方が好きなのかもですよ。
ただ、そちらの作品は小説にしてもドラマにしてもマンガにしてもアニメにしても
話が練り込まれ、深い知識がないと簡単に破たんしてしまう高尚なご作品。
その点前者であれば、困難にぶつかっても不思議な力が解放され解決したり
非常にまずい状況に追いやられても、真の立場が明かされ信用爆上げ、信頼Max、言い寄ってくる異性等々の説明までついてしまうお手軽さ。
個人的にはアブノーマルをノーマルが倒してしまうお話が好きだね。ダブリインパクト俵みたいな


 このコメントですが、「個人的にはアブノーマルをノーマルが倒してしまうお話が好きだね。ダブリインパクト俵みたいな」という文言を見て、胸が熱くなるのを感じました。

 これはわかる人にはわかるでしょうが、漫画「天上天下」に出てくる「ダブルインパクト俵」というキャラのことで間違いありません。このコメントを見てすぐに思い出すとともに、「統道学園三年、ダブルインパクト俵……推参(おしてまいる)」というセリフを発するシーンを見た時のことを、「ああ、漫画見ていて一番胸が熱くなった瞬間だったんだあれが」という風に思いを馳せました。
 実際、リアルタイムでこのシーン見ていて、このキャラのことがめちゃくちゃ格好いいと当時感じていました。シナリオセンスははっきり言って無きに等しいですが、この漫画の作者の大暮維人氏は見せ場の作り方はやはり桁違いで、自分の中で漫画最高のワンシーンと言ったら恐らくこの場面でしょう。

 実際に上記コメントの通り、この漫画では異能者が多数出てくる中でこのキャラのみがほぼノーマルな人間で、単純な腕力のみで最強候補に名を連ねています。それだけに所々格好いいシーンが多く、このキャラを思い出させてくれた上記コメントにはマジで感謝したいと思いました。でもってやはり自分は中国人寄りで、貴種流離譚より庶民が活躍する方が好きなんだなと再確認しました。

2020年9月27日日曜日

菅内閣の施政方針

 先日成都に旅行していた女性の同僚にどうだったか聞いたところ、「(パンダが)ケンカしながらウンコしてた!(=゚ω゚)ノ」と、謎掛けのような回答をしてきました。マジでミステリー。

 話は本題ですが菅総理の就任について最近中国人の同僚から、「菅総理は安倍総理みたく憲法を改正しようとしているの?」と聞かれました。中国人としてはやはり改憲が気になるというのが本音らしいのですがそれはさておき、「恐らくだが、菅総理は憲法は弄らないと思うよ」と私は答えました。

 このように応えた理由はいくつかあり、まず第一の理由としてはこれまで菅総理は憲法の改正是非について発言しているのを私が聞いたことがないという点です。そもそも自民党内でも会見が必要だとずっと言ってたのは安倍総理くらいで、ほかの政治家からすれば支持率も落ちる要因になるし、外交的にも睨まれるし、触りたくとも触りたくない問題というのが憲法でしょう。
 また総理という立場の目線から見ても、憲法改正に取り組もうものならかなりのリソースをこの方面に取られてしまいます。真相は本人の腹のうちですが、私が見る限り菅総理は安倍総理と違ってそれほど長期政権に対する欲はないようにみえ、自分の在任期間を二年程度と見ているのではないかと勘繰っています。その上で、その二年の間で果たすべき政治課題をはっきり見据えていて、その実行を第一にするだろうから憲法には触れないだろうというのが私の見立てです。

 では菅総理は何に取り組もうというのか。非常に簡単な質問ですが、答えは行革こと官僚改革でしょう。この点についてはかなり昔から菅総理は改革の必要性を叫んでおり、総務大臣ではなく行革大臣に河野太郎議員を据えたのも、彼に他の一切の業務を書き捨ててでも行革を推し進めろという姿勢の表れだと思います。
 元々、官僚に対して菅総理は「騙されない」政治家だと田原総一郎氏が指摘しており、私自身も発言の端々からそのような人間だとみています。その上で菅総理は今の官僚組織についていろいろと不満があるというか納得していないような感じにも見え、電波料金引き下げ問題といい、現在の動きが生ぬるいと感じているように見えます。

 以上のような分析に立つと、菅総理は徹頭徹尾内政を重視した政策を採るように思います。逆に外交に関してはそこまで関心がないというか、こうだという方針を持っていないため、他の自民党重臣の方針を維持すると思われます。私個人としてはそうしてくれると有利になる立場でありますが。

 最後に一言付け加えると、恐らく大半の官僚は戦々恐々としているのではないかと思います。真面目に方針に逆らおうものなら菅総理なら平気でその官僚をクビとか左遷にするくらいの決意があるように思え、これまで通りとはいかないでしょう。
 また一部報道でも出ていた通り、経産省の天下はもう終わるでしょう。私個人から見ても昨今の経産省のダブルスタンダードぶりには辟易しており、いい方向に変わってくれることを期待しています。

2020年9月25日金曜日

はんこやFAX以外に日本でもういらないもの

 河野大臣が「はんこ殺す(´・ω・)」と言って話題となっていますが、反応見ているとやはりよくぞ言った的に歓迎する声が多い気がします。何気にコロナで「はんこ出勤」という言葉が出て来たばかりということも追い風となっているように見えますが、つい先日もうちの親父に「本人証明のためにはんこ押した書類のPDFを送って」と私も言われてただけに、結構共感します。
 っていうかPDFだったらいくらでも偽造できるというのに、本人確認なら国際電話で本人にしかわからない情報(家族構成やペットの名前、明智光秀が裏切った理由など)を聞く方が確実だというのに、日系企業は相変わらず馬鹿なことをしているもんだと思ったものです。

 さてそのはんこの反応に気を良くしたのか河野大臣はその後、「FAXも殺す(´・ω・)」と発言してFAX業界を恐れさせています。FAXに関してはコロナ騒動の時の報道を見て、「まだ日本は使っているのか」と私も別の意味で驚愕しましたが、パソコンを自作するだけあって河野大臣はメール派なのでしょう。まぁ実際にメールだったら送信履歴とか残せるから証拠保全的にもずっと有利なんですけどね。

 そんなわけではんことFAX以外で日本から、もうとっくにオールドタイプと化しているのにまだのさばっている、駆逐すべき存在はないかちょっと考えてみました。

1、現金
 真っ先に思い浮かんだのがこれで、日本はもっとまじめにキャッシュレス化を推し進めて、現金を全部なくせとは言わないものの、現在の量から20%くらいまで減らすべきだと思います。まぁ最大の抵抗勢力はドコモというのが笑えますが。

2、スーツ
 ヒートテック、じゃなくてクールビズは大分定着しましたが、それでも日本の気候に合わないスーツを着ているサラリーマンはいくらでもいます。はっきり言って無駄だと思え、自宅勤務も進んでいるんだし、作業現場など服装絡みで危険が付きまとう場所を除き、勤務時の服装の自由化はもっと推し進めてもいいと思います。
 ちなみに中国だと、「必ずスーツを着るように」とドレスコードがある欧米資本の会社でも、みんなガン無視してTシャツとかで出勤してきます。

3、NHK
 いわずもがな。

4、礼金
 ガチで規制してでもなくすべき不動産業界の悪習だと思います。

5、レオパレス
 債務超過らしいけど東芝の例があるから上場廃止にはならないだろうな。

6、通学カバン
 学校の制服に関してはまだ存在意義を感じるものの、運搬用具として鞄くらい好きなのをそろそろ選ばせてもいいような気がします。ちなみに自分の出身校の通学カバンは人気だったらしくよくパクられていましたが、あのカバンパクるってことは相当センスのないことを認めるようなもんだと思う。

7、血液型記入欄
 中国で暮らしてみてわかりましたが、日本の各書類で記入が求められるあの血液型記入欄、何の意味があるんだと不思議で仕方ありません。中国の書類であんなの書くよう求められたことなぞ病院以外では全くなく、また輸血時も現場で必ず血液型は確認されるということから、書類とかで書く必要なんてほぼありません。なのにちょっとしたユーザー登録書類とかでも書くよう求められて、本人らは気が付いてないだろうけどはたから見たらかなり異常な行為を日本人はしている気がします。

2020年9月22日火曜日

精神と肉体の一致性について

グノーシス主義(Wikipedia)

 以前遊んだ「グノーシア」というゲームから派生して上のグノーシス主義というのにたどり着いたのですが、私の中途半端な理解で説明すると、キリスト教の完全普及以前に考えられた宗教観とのことです。大まかな内容としては、この世はちゃんとした神が作ったけど、今現在で人間に進行され、世界を統治しているのは実質悪魔っぽい偽の神で、だから世の中苦しみとかが蔓延しているとか、精神と肉体は完全別個の物で、精神は清いものだけど肉体はとにかく汚い的な、二項対立をはっきりさせた二元論が中心とのことです。

 これらの価値観が一つの塊となった宗教は存在せず(思想的系譜で言えばマニ教が近いそう)、あくまで神学論上の概念だそうです。とはいえ今までになかった概念と、「神の存在性を疑う」という概念がなかなか興味深くいろいろ調べていますが、ちょっと気になったのが先ほど挙げた精神と肉体の二元論です。地味にこれは宗教論を議論する上で外すことのできない重要な概念であるでしょう。

 一般的日本人はアニミズムの概念が強いこともさることながら、「魂」の概念をはっきり持っているため、精神と肉体は別個という概念に対してほぼ全く疑問を持たないと思います。肉体に魂が宿り、肉体が亡んだら(=死)魂は閻魔様のところを経由して天国が地獄に行くというのは、マルクス主義の日本人ですら疑わないでしょう。
 こうした概念は何も日本だけじゃなくキリスト教などの西洋の思想でもはっきりしています。敢えて知ってる範囲で述べるならば、古代エジプトのファラオ信仰はやや異なっており、魂と肉体は分離することはあっても基本的に両者は紐づいており、魂はいずれ元の肉体に戻り復活することもあるからわざわざ遺体をミイラにしてまで残してました。その辺、精神と肉体の一致性についてファラオ信仰は高いという気がします。

 話を戻すと、精神と肉体は別々と言いつつも、その主張における最大の矛盾点というか論点となるのが言わずと知れた脳の存在です。明確に思考を司る肉体器官であり、他のすべての器官は無事であっても、脳がなくなれば思考は止まるという意味で、「脳=魂」的な図式がある程度成り立ってしまいます。それでも科学技術の発達する前はあれこれ理由つけてどうにかしていましたが、脳の機能解析が進むにつれて、その辺の言い訳が段々と成り立たなくなってきているのも事実です。

 何気に面白いのが、脳の解析において一番進んだのは実は一次大戦の頃だそうです。というのも当時は戦闘で中途半端に脳が吹っ飛んだ患者が多く、脳のどの辺を失えばどうなるかとかそういったデータが一気に集まり、脳外科方面の研鑽が一気に進んだと聞きます。
 また脳関連で話を進めると、サイバーパンクの世界では脳を義体に移植して不老不死的に活躍するという攻殻な機動隊っぽい話も多く、これも脳=魂といった精神と肉体の一致性に対する現代の一つの見方といえるでしょう。

 ここまで言えばわかるでしょうが、私自身は精神と肉体は別個の存在というより、両者の一致性はむしろ高い、肉体あっての魂であり、魂なくして肉体なさないという価値観を持っています。こうした価値観の補強として近年、脳以外の内臓なども一部記憶を持ち、移植時にドナーの記憶が移植患者に渡るという研究が出ています。「シグルイ」という漫画に至っては、「筋肉だって記憶を保持するよ」というトンデモ理論を漫画の中でかましましたが、現代では観測できてないないだけで、案外その可能性もあったりするのではないかという気もします。

 このように肉体と精神は両者揃って初めてどちらも成り立つもので、不可分な要素であるというのが私の見方です。それ故に、どちらか一方が大きく落ち込む、具体的には体は健康だけど精神的ショックを受ける、または精神はハイだけど麻薬を打つみたいなことすると、最終的にもう片方も駄目になっていくのは自然で、逆に強い人間たらんとするならやっぱ精神と肉体を一緒に鍛えないとダメ的な話になってきます。

 その上で、肉体の死は精神の死で、肉体が亡んだ後に死後の世界があるかというと、あるかもしれないけど少なくとも現在の人格(霊魂)のままそこへたどり着くことはないと考えています。というのも肉体が亡んだら精神が今の状態のままを維持することは不可能であると考えるためで、何かよくわからない物質という要素になって別の人格というか生命となって出ることはあっても、現在の人格を維持することは元の肉体なしには不可能という風に考えます。
 同様に、肉体をサイボーグ化したらその時点でも精神は変容するとも見ています。許容可能な変容かどうかは議論の余地がありますが。もっともそれを言ったら、子供と大人で体つきも大きく変わることから、子供の頃の人格と大人の頃の人格は記憶こそ共通するものの、同一人格かと言ったらもはや別のものになっているのかもしれませんが。

2020年9月21日月曜日

ユニクロのウルトラストレッチについて

 前回の冬、それまで寝間着で使用していた上下スウェットが購入から5年くらい経って着古してきたので、新しい寝間着をと思って買い物しようとユニクロまで出かけたところ、今年も売られているウルトラストレッチという名称の寝巻っぽい上下が売っていたので買ってみました。その名のとおり伸縮性に優れていそうで、割と睡眠時間は大事にするというか、休日によっては普通に半日寝ることもざらなので、ちゃんとしたものを買おうという計らいからでした。結果的にはミスったけど。

 結果を書くと、寝巻として着始めて1ヶ月くらいでおかしさに気が付きました。ウルトラストレッチという名前の通り確かに良く伸びるのですが、伸び過ぎて袖の丈が余るようになりました。大体2、3回選択したあたりから腕の袖がやや手首付近で余るような感じを覚え始め、2ヶ月を過ぎたあたりからはもうだぶだぶとなり、腕の袖はまくらないと手が出せないし、足の袖は常にかかとで踏みつけるようになるくらい余りました。改めて脱いで上下並べてみると、もうなんか妖怪の手長足長しか使えないんじゃないかって思うくらい袖が伸び切っていました。

 あまりに伸びて使い心地も悪くなっていたので、途中で下の方は裏起毛のジャージを買ってそれを切るようになり、上の方はそれでも我慢して使い続けました。しかし先週から上海でも気温がめっきり落ちて夜も肌寒さを感じるようになったことから、寝巻を夏用のTシャツ(スターウォーズ)+短パン(5年くらい履いてて腰のゴムが露出)からまたウルトラストレッチの上とジャージを引きだしたものの、やはり上の方は使い勝手が悪く、っていうかパソコンのキーボード叩くのに袖が邪魔となって仕方なく、もうあかんと思って切るのやめました。代わりにそれ以前に着ていた6年目くらいに突入しているスウェットの上を今また着ています。

 別に信者というわけではないものの、採寸調整とか無料でしてくれることからユニクロ使っていましたが、たまには浮気してまた新しい寝間着でも買おうかと検討中です。ただ上海のアピタにあるしまむらも閉店セールしてたし、意外と選択肢狭いような。

2020年9月19日土曜日

記事を書く際の基準

 私事ですが昨日に次のJBpress記事を書き上げました。もっとも、執筆自体は昨日の午前中に開始してその午前中に終わったから、めっちゃ手早くぱっぱとかけた方ですが。
 ただ今回、その直前の木曜日までは全く記事ネタは決まっていませんでした。通常は記事ネタを思い浮かぶそばからメモ帳に記入しておいてその中から時期を選んで書いてはいるものの、今回はかなり追い詰められたというかギリギリまで記事ネタが思い浮かばないという逆境に追いやられました。そこで今回は、自分がどうやって記事ネタを決めて書いているかという基準を少しまとめます。

1、他の記事と被ってない
 一番最低限且つ最重上な基準がこれです。他のメディアやコラムニストが報じている内容や話題に関して報じても二番煎じにしかならず、独自性も失われるために、絶対に被らないよう気を付けるようにしています。もっとも同じ話題であっても視点が違ったり、反論的な内容とかだったら私も書くことがありますが、やはりばるべくなら他の誰も報じていないようなフレッシュな内容を基本優先しています。

2、どれだけ読者が得られるか
 これもかなり基本的な内容で、どれだけ珍しい話題であっても、それに食いつく読者がいなければ全く話になりません。この辺、よく友人らが「こんなネタを記事に書いてみてはどう?」といろいろ提案してくるのですが、みんな物珍しい内容ばかり優先してニッチな業界だったら、ごく限られた属性の人にしか理解できないような内容ばかり提案してくることが多いです。
 確かに希少度という面ではそれら記事ネタの内容は高いものの、「何人が読むのか?」という点から考えるとその記事の価値は逆に著しく低くなります。この辺、自己満足になってネタを選ばないようにする慎重さが大事です。

3、単純に面白いか
 2の内容とも被りますが、その記事は読んでて面白いかもまた忘れてはなりません。多くの人が理解できる内容であっても面白いとは限らず、単純に文章としての面白さというか興味を書き立てる内容であるかということもきちんと考慮する必要があります。
 判定基準としては読者層のゾーニングや周辺話題への反応などから推測しますが、私の場合はむしろ私自身が読んでみて面白いと感じるかを重視しています。これだと最低限でも、私と似た感性の人は確実に面白がると踏めるし。

4、報じたいか
 言い換えるなら、「他の人に教えたいか」です。感覚としては、こんな面白い内容を自分だけ知っているのはもったいない、他の人にも教えたい伝えたい的な感覚が、その記事に持てるかどうかです。それこそ読者には受けるだろうけど自分自身が報じたくないよう、具体的には中国ヘイト系の話題だったり、どうでもいい芸能界の不倫系の話なんかはこの基準からは論外です。
 逆にこの基準に当てはまるものとして、「中国人の意外な一面」、「誰も知らない中国に関する大きな特徴」、「話題にならないけど実は重要な歴史背景」などなんかが挙げられ、私が書く記事もやはりこの辺に沿っています。

 今回、記事ネタ探しにえらく苦労し、最終的には4の基準に沿って「中国人の意外な一面」的な話をいろいろ検討した結果、「あれがあったやん」とギリギリで思いついて一気に書き上げることが出来ました( ´Д`)=3 フゥ

 前にも少し書きましたが、自分は記者時代に上司から「お前は自分だけが知りたいと考えていて他の人に報じたいという気持ちに欠けている」と指摘され、自分でもまさにその通りと自覚していました。記者になりたいと考えたのも、自分の知的探求心を満足させることが最大の目的だったし。
 そんな自分が今回、上記の報じたいかどうかという基準で記事ネタを選んだことについて、自分もなんかいろいろ変わってきたんだなと思うところがあります。そういうわけで明日当たりにF-14のプラモでも買いに行こうと思います。

2020年9月17日木曜日

うわっ…私の口座残高、減りすぎ…?

 昨夜ネットバンクから自分の日本にある口座残高を確認したところ、思わず口に手を当てて驚きそうになるくらい残高が減っていました。もしやドコモ口座の魔の手が自分にもやってきたのではないかと信じたかったですが、きちんと手元の口座残高用家計簿と照らし合わせたところ、東芝の会計もびっくりするくらい整合していました。っていうかそもそも、これだけ口座残高が減ることについて思い当たる節もいくらでもあります。

 正直に言って、この二ヶ月くらいやばいくらい無駄遣いしまくっています。学生時代、同じアパートの友人とそのケチぶりで覇権を争ったことのある私ですが、今年は8月半ばまで会社の仕事がやばいくらい忙しく、土日も普通に全力で働き続けていた反動からか、「俺、このピークシーズンが終わったら、あれとかこれとか買うんだ……」的にシーズン半ばから買いたい物リストをわざわざスマホにメモっておくほど、購買意欲がめちゃくちゃ高められていました。
 その甲斐あってか8月半ばにガチでピークシーズンから生還するや、主に電子書籍サイトやSteamなどゲームのダウンロードサイトで目につくものを片っ端から購入しまくっています。私の中では8月過ぎたら収まるだろうとか思ってたら9月に入っても全然収まらず、来月再来月の口座差し引き金額が結構な数字に上ってて、「俺ってこんなに無駄遣いする奴だったんだ(;´・ω・)」などと焦ってます。

 なお学生時代に自分と覇権を競ってた友人は、冷蔵庫も持たず、鍋も持たず、スパゲッティすらやかんでゆでるやばい奴でした。てっきり彼だけヤバイ奴かと思ったら彼の弟も、「職場でみんなからケチって呼ばれるんですよ」と言いつつ、10年以上前に中古で買ったスイフトを颯爽と乗り回していました。


 地味にムカつくのがよく見る四柱推命のサイトでも、今月の運気について「無駄な出費をしやすいでしょう」と的確に指摘してきている点です。占いってのは当たれば必ずしもいいわけじゃないなとか内心思います。
 しかもここにきて、Switchでゲームの「Gジェネジェネシス」が今日から割引セールに入りました。通常価格なら7000円台のところを今なら3000円台で買えるというキャンペーンで、なんか自分の周囲にあるあらゆる存在が自分にお金を使わせようとしてきているように思えてなりません。

 少しだけ言い訳すると、無駄遣いの最大の原因は先にも言った通り7月までは土日も全くお金使えないくらい忙しかったという反動ですが、8月から9月にかけては多くのECサイトで割引キャンペーンが行われ、「今なら安くで買えるんだし……」というお得感が自分をさらに突き動かしているからです。キャンペーンがとっくに終わっている今でも消費が全く衰えないのは不思議なのですが。

 最後に関係ないけど、今日発売の「モンキーピーク The Rock」」の3巻は面白かったです。それとさっきの四柱推命のサイトの明日の占いを見てみたら、「金銭的には強引さが出やすくなり、あせると逆効果でしょう。」とか書かれてあるのに今気が付きました。Gジェネ買うのは明後日以降にしよう。

2020年9月15日火曜日

ゴヤとナポレオンとゲリラのスペイン

 スペイン最強の画家は誰かという問いをかければ、恐らく十中八九でフランシスコ・ゴヤの名前が挙がってくるのではないかと思います。生前に描かれたメッセージ性の強い作品はもとより、晩年に差し掛かる頃に描かれたいわゆる「黒い絵」シリーズは芸術に疎い私ですらインパクトを覚えるほどの迫力があり、ゴヤがとんでもない画家であったというのを直感するほどです。
 そのゴヤが洲北京で生きた時代は18世紀から19世紀ですが、この時のスペインは文字通り激動の時代で、フランス革命を起こした隣のフランスなんかよりある意味最も激しい時代を経ています。

 順を追って説明すると、ゴヤ自身も仕えたスペイン国王のカルロス4世は父親から直接、「お前は本当に馬鹿だなぁ」と言われるくらい暗愚で、政治に関して野心満々な妻のマリア・ルイーサとそのお気に入りで宰相になったマヌエル・デ・ドゴイの好き放題に任せていました。ただ国王が暗愚だったとはいえ、大航海時代に得た植民地の収入もあって国家運営自体は問題なく行えていました。
 これがひっくり返ったのはフランス革命、そしてそれに続くナポレオン戦争によってでした。英国との対決姿勢を示すフランスのナポレオンは徐々にスペイン王家にも干渉を行うようになり、当初は英国の応援を受けたポルトガル相手にスペインとフランスは共同で戦っていましたが、暗愚な人間ばかりのスペイン王家の人々に見切りをつけたナポレオンはカルロス4世、そしてその皇太子のフェルナンド7世をスペインから追放し、フランス国内に軟禁させます。その後、自分の兄のジョゼフをスペイン国王に付け、実質的にスペインをフランスの傀儡国家としてしまいました。

 恐らく、この時スペインに干渉したナポレオンやフランス人たちは真面目に、古臭く立ち遅れたスペインの改革に力を貸してやろう的な目線もあったかと思います。というのも当時のスペインは未だに異端審問があったりするなどカトリック教会、並びにイエズス会勢力が幅を利かせ、公平平等な司法とか社会活動がかなり制限されていたそうです。実際にそうした面から、スペイン国内でもフランス軍の進駐を歓迎する進歩は勢力もいたそうです。
 しかし特権を奪われる保守勢力、特にカトリック勢力などはこうしたフランスの行為は国家簒奪(間違ってはないが)と批判して対決姿勢を示し、スペイン国民に決起させるなどして徹底した抵抗を促しました。また英国もイベリア半島に上陸してこうした抵抗運動を応援し、フランス軍との激しい戦いに参加するようになります。

 スペインでの戦争(半島戦争)はその後、ナポレオンの一回目の退位が行われるまで約6年間も続けられましたが、この間フランス軍はスペインのゲリラに大いに悩まされ、何十万の軍がイベリア半島に貼りつけられ続けました。この時のスペインでフランス人は一人では歩けなかったと言われ、ゲリラに捕まれば激しい拷問を加えられた上で、皮を剥ぐなどされた上で殺されていました。こうしたゲリラの行為に対しフランス軍も報復として、同様の方法で見せしめ代わりに捕虜などを虐殺し返し、文字通り血みどろの戦いが続けられていたと言われます。
 唯一、行政能力も高かったとされるフランス軍元帥のスーシェが管理する地域のみはスペイン人も彼に従い、フランス人も一人で出歩けたとされます。ナポレオンももう一人スーシェがいればスペインを征服できたと述べた上で、自らが任命した元帥の中で最優秀であるとスーシェを称えています。

 なおさっきから出ているゲリラという言葉ですが、スペイン語の「ゲリーリャ(小さな戦争)」という言葉が語源です。

 話を戻すとロシア遠征後、諸外国に敗北を重ねたナポレオンはスペイン戦争に片を付けるためにフランスで軟禁していたフェルナンド7世を解放してスペインに帰国させます。待望のスペイン国王が帰ってきたことで大喜びしたスペイン人でしたが、父親も父親なら息子も息子で、帰国するやフェルナンド7世はかつての封建色の強い政治体制に揺り戻した上、気まぐれに政治担当官を何度も変えたりするなどして、スペイン国内は再び混乱に陥ります。
 またフランス支配時代に起草された憲法も国王は拒絶し、これに反感を覚えたスペイン国内の進歩派勢力は反乱を起こして国王に憲法を認めさせています。しかしその数年後には再び憲法を拒絶し、反乱に係った人間たちを片っ端から処刑して、この時に身の危険を感じたゴヤもフランスに亡命してそのままボルドーで没しています。

 その後もスペインでは暗愚なフェルナンド7世による混乱が続きかなりズタズタな状態となりますが、この辺はナポレオン戦争の陰に隠れてこの辺は解説されることはほとんどありません。自分も漫画の「ナポレオン 覇道進撃」を読んでようやく知った有様でしたが、ゴヤの視点で見てみるといろいろ見えてきて面白かったです。
 ちなみにその覇道進撃の最新刊にて戦地に赴こうとするナポレオンに対し、「26年間、君は私の優秀な生徒だった。惜しむらくはその能力を欧州の安定ではなく自分の野心のために用いたことだ。君と組んでやりたいことはいっぱいあったのに」と、タレーランの心の声を描いたのは、さすがは長谷川哲夫氏だと唸らされました。真面目な話、優秀な外交官というのは本人が主役とはならず、その仕えるべき主君がいて初めて進化を発揮できるものであり、上記セリフの悔恨は外交官だからこそ言えるセリフのように思えます。

2020年9月14日月曜日

雇用統計記事の裏側

実は関西人の「来ない」の言い方で、関西のどこに住んでいるかがだいたい予想できる。(アルファルファモザイク)

 本題と関係ないけど上の分析にめっちゃ感動した。実際、記事を見るまでもなく、「京都はきーひん」とすぐ想像ついた。


 というわけでまた自分の記事の紹介ですが、この内容は以前にこのブログで軽く問題提起した内容を磨きなおしたものです。あのあとやはり気になるので他の関連報道や分析を調べた上でデータも見比べたりしましたが、コロナ流行以降に正規雇用が増加しているという点について言及したのは労働政策研究・研修機構の高橋康二氏のみで他のメディアやシンクタンクはすべて言及を避けていました。断言しますが彼らはこの現象を認識しながら完全に黙秘スルーしており、その証拠に5月データがで前年比マイナス1万人となった時だけは「正規雇用も落ち込みが……」みたいな感じで急に口開いています。何故彼らが黙ったのかというと、やはり数字の背景が読めなかったためでしょう。

 それで唯一この現象に早くから着目、言及していた高橋氏ですが、言及したのが前年比マイナス1万人という結果の5月度データが出た6月時点だったことから、これから正規雇用も非正規雇用同様にマイナストレンドに入るのではという風に分析しています。恐らく私も高橋氏の立場だったら同じような結論に至っていたと思いますが、その後6月、7月に正規雇用は二桁万人増という大幅プラストレンドを再び見せるようになり、この一点をとっても特異なデータ傾向を示しており、これを報じないとは何事だとドラクエの王様的に言いたくなります。

 ただこのデータ傾向と背景を読むのは、少し時間はかかる気がします。ヤフコメなどを見ると雇用助成金目当てで名ばかり社員の登録が増えているせいではないかと言及している人が何人か見られましたが、私も当初これが原因ではないかと睨んでいました。しかし結論から言うと、この雇用助成金目当てが原因というのはほぼりえないくらいに可能性は低いです。
 というのも休業中の従業員に対する雇用助成金は本来正規従業員にしか支給されないものの、コロナ対策の政策によって現在、非正規従業員にも支給されるようになっているからです。仮に名ばかり従業員を大量生産して雇用助成金をかすめ取ろうというのであれば、正規雇用者数を水増しする必要はなく、非正規雇用を水増しするだけで事足ります。またその後の隠蔽工作、または解雇手続きにおいても非正規の方が圧倒的に利便性が高く、正規雇用を水増しする理由はほとんどありません。

 また記事中でも言及しているように、現在何が一番おかしいかって全体雇用者数、非正規雇用者数の両方が大幅に落ち込んでいる一方で、正規雇用者数が急増しているという点です。先ほどの雇用助成金目当ての水増し、恐らく実際にそういうケースもあるのではないかと思いますが、それ絵も非正規雇用者数は大幅減が続いているわけです。その点を考慮すると、正規雇用者数が大幅に増加しているというのはますます特異に見えてきます。

 そんなわけで二日くらい考えた結果、新卒採用者の入社時期がずれ込んだことが要因として大きいものの、人手不足と在職マインドの上昇が加わってこんな結果になったという風に自分は分析しました。記事中にも書いてあるように、実際これを証明するとなったらもうちょっと追加調査が必要となるわけで、ならそんなあやふやな推測を言うなとか思われるかもしれませんが、正規雇用が前年同月比で52万人も増加しているという現況を全く報じない奴らよりかは自分は真摯に報道へ向き合っていると自負します。推測とはいえ仮説もきちんと入れてるわけだし。

 ヤフコメの反応を見ているとやはり意外な結果だとみている人は多いようで、調査自体が間違っているなどデータの信憑性に疑義を呈す人も見られます。実際私も日本の統計はあまり信用しておらず、最初見た時私もデータ調査で何かしら手心が加えられたかとか疑いました。もっとも全体雇用者数が激減しているデータも出ているわけだから、政権が実績アピールのために手心を加えた可能性は低いとも見ています。
 とはいえ信じがたいデータというのは違いありません。ただ私に言わせると、たとえデータが弄られた統計であっても、今回の私の様に月次でグラフにしてみて現れた特異な傾向というのは、必ず特異な理由があってそうしたそうした傾向が現れるものです。捏造されたデータであってもそうした傾向が出るからには必ず背景があり、それを読むことは捏造されたデータであっても現状分析には役立つと、中国のいろんな統計を見ていていつも感じています。

 そういう意味で実際私もデータに疑わしさを感じつつ、報じて分析することに意味があると考えたからこうして記事化しました。個人的には上記に上げたように、雇用助成金詐欺を疑ったり、データの信憑性に疑義を感じたりなどこの雇用統計について考えるきっかけを与えたことは価値があったと自分で思っています。その上で、他の日系メディアはどうしてこれほどまで特異なデータを「わからないから」で無視するのか、その姿勢にははっきり言って反吐が出ます。
 また自分が調べた限りでは、直近1年間の各雇用者数をグラフ化して報じているメディアは一つもありませんでした。はっきり言ってグラフのない雇用統計記事なんて8割方価値を失っていると思え、何故どこもグラフを作って載せないのか、NTTドコモの対応並に理解できません。ついでに書くと前月比データについてもドコモじゃなくてどこも報じておらず、不動産価格と雇用は水物だから、私個人は前年同月比よりも前月比比較の方がずっと重要だと思うのに無視されまくっています。

 総括的に書くと、さも事態は大変であるかのようにコロナ解雇を報じるのは結構ですが、その一方でデータを切り取らずに、こうした特異な状況についてちゃんと報じろよとメディアに対する苦言的にこの記事は書かれています。真面目な話、これだけ特異な特徴を見ていながらスルーしたとしたら、その一点で以って記者失格だし、仕事を早く変えた方がいいでしょう。
 あとどうでもいいけど「総括」って言葉はすごく好きです。あと数字の語呂合わせは「2943(憎しみ)」が一番好きで、適当な数字を割り振るよう指示されたレポートですべて「2943」で統一して出したことがあります。

2020年9月12日土曜日

昨今の中国の拡張政策について

 たまには真面目なこと書こうと思うので、昨日知人にやってきた昨今の中国の拡張政策について少し意見をまとめます。

 報道でも出ている通り、最近中国はコロナの世界的流行にかこつけてやたらと拡張政策を取ってきています。東は日本の尖閣諸島と台湾、南はベトナムと揉めている南沙諸島、西はインドと揉めているカシミール地方でそれぞれあからさまに挑発的な行動をとっており、これら地域での権益や帰属の拡大を巡って動いています。一体何故中国が今年に入ってからこうした動き活発化させてきたのは言うまでもなくコロナ流行が影響しているとみられます。

 具体的には、多分一般メディアで書いても「隠蔽している」と言われて信じられないでしょうが、中国はいち早くコロナの国内流行を鎮静化させ、一部で集団感染が発生しつつも他の都市への拡大は防いでいます。それに対し日本を始め他の国では未だにコロナが流行し続けており、国内の感染拡大予防措置で手一杯だから外交に手が回らないと踏んだのか、5月くらいから中国は急に上記エリアでの拡張政策を取るようになってきました。
 もう一つファクターを挙げるとすると、米国の大統領選が近いということも中国は計算に入れたかもしれません。大統領選挙での再選を目指し政治的実績が欲しいトランプ大統領(最近だとイスラエルの周辺諸国との国交回復)は、コロナで国内も荒れているし中国との外交のためにいろいろとは動けないと踏んだのだと思います。

 ただ結果論で言うと、仮定とは言えこうした中国の目論見は外れました。結果的にはこれらの中国の拡張政策は「コロナで大変な時に余計な面倒作りやがって(# ゚Д゚)」的な感じで当事者たちの反感を買っただけでなく、香港に対しても突然強権的な態度に切り替えたことは欧州諸国を刺激し、先日のチェコ議長の台湾訪問と「台湾マイフレンド」発言によって、はっきりと表面化するようになりました。
 また静観するとみられたトランプ大統領がここでも中国の期待を裏切る(応える?)形で台湾に対する支援を打ち出すなど、一言で言えば、なんも実入りないのに無駄に周囲のヘイトを高めるだけで終わりました。

 なお中国国内では、「コロナの国内不満をそらすため、中国を悪者に仕立てるよう挑発的な態度を取っている」などとインドなどについて説明しています。仮にインドだけの問題だったら一考に値したでしょうが、こうもあちこちで同時多発的に拡張政策を取っている中国が言ってたら、さすがに私も信じるはずもありません。まぁ大半の中国人は信じてるけど。

 さすがに事ここに至って中国も自分がやっていることがヘイト稼ぐだけであまり意味ないことに気が付いたのか、8月あたりから目に見えてトーンダウンしてきました。それどころか比較的まだ話が通じそう(カモにしやすそう)と踏んだのか、露骨に日本に対して「ニホンマイフレンド」的に秋波を送るようになってきています。この辺、次の菅氏の総理就任後により露骨になってくるという気がします。

 日本の外交としては大きく二つ選択肢があり、一つは中国の秋波に応えて仲良くする態度を見せる。こうすれば中国としてもありがたいし、何か譲歩なりを引き出すきっかけになるかもしれませんが、正直言って今中国から譲歩を引き出して得るものというのはあんまないです。通商とかでも一切揉めてないし。
 一方、「だが断る」戦略としては米国と一緒になって、とまではいかずとも、台湾とより近づくという戦略があります。無論これは米国だからこそあんな露骨にできるのであって、日本がやったら中国をマジギレさせる手段です。ただマジギレさせるほどでなくとも、台湾との交流を増やすとか、非政府系団体を使って台湾政府の立場を応援するなどして、間接的に中国にさらにプレッシャーをかけるというのははっきり言って有効だと思います。具体的には、「これ以上騒動起こすなら日本は米国とともに台湾につく」的な懸念を中国に持たせる方針です。

 また台湾を絡ませなくても、遠交近攻じゃないですがインドと仲いい振りするのも有効でしょう。「覇権主義に断固反対」と名指しせずに一緒に発言するだけで中国にとっては嫌な主張に見えてくるはずです。インドとしても、対中国政策で最近日本と米国との連携を探っているだけに、また日本と組んでも何も損することがないという点から渡りに船という風に見えます。

 もっともこうした外交はやはり米国あってのものというところがあるだけに、日本としてはひとまず次の大統領選の結果が出るまでは静観の一手に尽きるでしょう。ただもう一つ中国について言っておきたいこととしては、なんで一斉に全方向でこんなことをやったのか、アホなの?と言いたいです。
 仮にターゲットをインドやベトナムに絞ってやっていればここまで世界各国から警戒はされなかったでしょう。それをあからさまにコロナのタイミングを狙って同時にこんなことやってれば、そりゃヘイトを集めるに決まっています。この方向を定めない拡張方針を何故取ったのか、誰が取ったのかはわかりませんが、はっきり言ってあげるとこれは完全なミスであったと断じることができます。センスない政治家もいるもんです。

2020年9月10日木曜日

ドコモ口座事件について


 またネットで拾った画像ですが今回の事件の初動対応を端的にわかりやすく表した画像だと思います。ほんとこの仕事猫大好き。

 それでこのドコモ口座事件ですが、まぁなんてセキュリティの杜撰だと思ったのと、何故アイコン画像が蓋の貯金箱でドコモダケじゃないのかっていうのが気になります。真面目な話に戻すと、去年にも同じような口座抜き取り事件が発生していたと早くも毎日が報じていましたが、その時に何故対策を報じなかったのか、この点が一番肝じゃないかなという風には見ています。その時以降に何の対策をやったんだという質問は、生憎今見ている記事とかだとどれにも触れられておらず、質問もされなかったのかもしれません。

 この事件について友人は、「金融庁も黙っちゃいないんじゃないか?」と言ってましたが、金融庁は最近ゆうちょに大甘なので今回もドコモは無罪放免で行くだろうと私は見ています。真面目にこの国は、大企業であれば何を慕っても許される国になりつつあります。
 ただこの事件でもう少し掘り下げると、他の決済アプリでは同じような事件が起きていないのかという点です。ITメディアが少し書いていましたが、ドコモ口座のように本人認証を全くせずに口座紐づけが行えるアプリは他にも存在する模様です。なんとなくの推測で述べると、報じられていないだけで、他のアプリでも似たような口座現金抜き取りはもうすでに起きているんじゃないかというふうな気がしてなりません。仮にそうだとしたら、そうしたアプリを市中にたくさん放り出していた金融庁こそ責められるべきだという風に私は思います。

 スマホ決済アプリがポイント付きで乱立し始めた際に私は、数が多すぎることと、国が音頭を取って参入業者を制限しないことに疑問を呈しましたが、やはり今の状況を見ているときちんと審査をしていなかったのではとしか思えません。
 またドコモについては、発覚しているだけで現在66口座1800万円ということですが、大抵こういうのって膨れるもので、この5倍くらいは見ておいた方がいいんじゃないかという気がします。となると単純計算で9000万円で、もうちょっとがんばって1億円の大台に乗せようとしているのか、口座紐づけはやめたようですがチャージ自体はまだ継続しているあたりドコモの努力ぶりが窺えます。

2020年9月8日火曜日

ロッテ・澤村のデビュー戦を見て

ロッテ移籍の澤村拓一、入団即登板で3者連続三振! ユニ間に合わず「106」で衝撃デビュー(フルカウント)

 昨日の衝撃のトレード発表から一夜明け、いきなりの登板で三連続三振という景気の良いニュースです。別にロッテファンというわけじゃないですがこの起用はさすがだと思え、前から個人的に好きだった、というかパワプロで「もうこいつにホームラン打たれるのは仕方ない」と割り切っていた井口監督のこの決断は見事この上ありません。でもってそれにきちんと答える澤村選手も大したものです。

 それにしてもシーズンも終盤に入りながらいまだロッテが勢いがあるというのはなかなか見ものです。中日の与田監督とモノが違うんだという人もいますが、今日の起用法を見ていると確かにそんな気もします。ただそれ以上に、ロッテは毎年首位のソフトバンクに対してやたら相性が良く、ソフトバンクは何か弱味でも握られてるんじゃないかと密かに心配です。

 それはそうとシーズン序盤にこのブログで書いた記事で、「春の妖精と呼ばれる荻野選手については、今年は春に試合が一切行われなかったので、シーズンを通した活躍が期待できる」と書いたものの、気が付いたらまた消えていました。なんで知らないうちにそっと怪我で毎年いなくなるんだろうこの人。

2020年9月7日月曜日

オフィスワークにおける戦争神経症

 先日友人に、「俺、日本に帰ったら、五式のプラモ作るんだ」という死亡フラグなセリフを口にしました。五式の英語名って「Type 5」でいいのかなとか考えてます。

 話は本題ですが、今まで内緒にしてたけど先週金曜日は午後に半休(日報には「午後阪急」と記載)を取り、自宅に帰ってネットを少し見た後、三時半から六時まですやすや寝てました( ˘ω˘)スヤァ
 でもって夜は12時に布団入って、多少うとうと気味に目が覚めたことはあっても、翌日昼12時まで寝てました( ˘ω˘)スヤァ

 寝過ぎと思われるかもしれませんが、実際自分でもそう思います。いつもこんな風にたくさん寝ているわけじゃなく、今だからこそこんだけ寝ています。
 まず第一に、日本同様に中国でも気温が下がって過ごしやすくなってきた子が大きいです。真面目に8月中は寝付くのも一苦労なくらい毎日夜までずっと暑く、扇風機はつけっぱで寝てましたがそれでも寝苦しく、寝ていても眠りが浅かったです。それが9月に入ってからは涼しく、簡単に眠りに入れるのでガンガン寝られます。

 次に、自分の中で緊張感が一気に緩んで、これまで蓄積された疲労も一気に出てきているせいだと思います。このブログでも何度も書いていますが6月からずっと仕事で忙しく、平日の残業は当たり前で、土日もほぼずっと仕事していて、ワーカーホリックな一族の名に恥じない稼働率をこれまで発揮していました。それが8月中盤からようやく波がおさまり、土日も普通に休めるようになり(JBpressの記事は書くが)、自分の中で戦争から帰って来たような感覚がマジでありました。

 誇張ではなく、ピークシーズンだった頃はそりゃ辛いと思いつつも体がだるいとか思うことはあまりなく、かなりの稼働率と出勤時間だったにもかかわらず体調の不調とかはほとんどありませんでした。
 しかしやはり疲労は溜まっていたのか、緊張が解けた先週あたりから無性にだるいと感じるようになり、ここ数ヶ月一切なかったのに目の焦点が合わなくなるといった症状もなんか先週末辺りから起こるようになりました。無論、先週にハードワークは一切存在せず、むしろ半休取れるくらい楽になっているのですが、逆に楽になったことで緊張感が抜けて体に一気に不調が出てきたのだと思います。

 冒頭の異常な睡眠時間もその一つでしょうが、こうした体験を受けるにつけ、いわゆる戦争神経症というかシェルショックというのは確実に存在するだろうと思います。生きるか死ぬかの緊張感がずっと続き、その環境から解消されても過去に蓄積したダメージは消えてなくならないというのはオフィスワークでも存在するだけに、実際の戦争体験者なんかはそれこそ動けくなるくらい鬱になるのもおかしくない気がします。

 その上で言うと、やはりピークシーズンというのは緊張感があるからこそ体調的な不調は起こり辛いですが、それを越した後の慣らし期間中というのは今の私の様に、ガクンと体調崩す恐れがあるからやはり気を付ける必要があるでしょう。実際私もそれを意識して普段の仕事量もセーブした上、作業ペースもピーク時に比べ敢えてゆっくり目にやっています。っていうかピーク時、他の人が1.5日かかる作業を自分は0.3日、実に5倍のペースで処理していて、真面目に気分的には三国無双の張飛みたいな感じがしてそれはそれで気持ちよかったです。

 ようやく涼しくなってきたので自転車とかも漕ぎだせる季節になりましたが、上海市内で今更自転車で行ってみたいところとか最近はなく、結局土曜にまたいつものプラモ屋に行ったくらいでした。これまで忙しいのと、気力がそこまで持たなかったこともあり、冬にR32のプラモ買っておきながらまだ組んでいませんが、さすがにそろそろ作らないとなぁ。
 っていうか車より飛行機が作りたい気分で、いよいよ航空機プラモで最難関の部類に入るF-14トムキャットにチャレンジしてみようかとも考えています。「エリア88」でも、ミッキー・サイモンが一番共感するキャラクターだったし。

2020年9月6日日曜日

関西弁で紹介するノルウェー人ども

 「能ある鷹は爪を隠す」と言いますが、現代風に言い換えるとしたら「能あるOLはネイルを隠す」とでもいうのかなという疑問が、ここ二、三日もたげています。あとマイクロソフトIMEは「(数字)」の後に追加で「まんにん」と打つと、「満任」と変換するのマジやめろ殺すぞとか本気で思っています。

Vivaldy Brouse

 話は本題ですが、このブログを始めた頃、私が使っていたブラウザは「Opera」でした。このブラウザは現在ほぼすべてのブラウザに搭載されているタブブラウジング機能を初めて搭載した上、マウスジェスチャーを始めブラジングの画期的機能が盛りだくさんなマジで歴史を変えたブラウザであって、私もご多分に漏れず「Opera最強伝説」の信者でした。
 しかし知ってる人には早いですが、Operaの当初の開発者は経営陣と揉めたことから会社から離脱し、それに伴いOperaはどんどん悪くなっていきました。特に「Opera10.0」になった際は過去のバージョンから大きく一新されるに伴い、一ブラウザとしてもまともに機能しないというとんでもない欠陥品となりました。

 具体的にどれだけひどかったのかというと、このBloggerでGoogleアカウントを認証せず、編集が一切できないというくらいでした。恐らく認証関連でもトラブってたと思います。この時私もマジギレして、確かマウスぶん投げて壊して、「クソみたいなブラウザのせいでマウスが壊れた」とか妙な責任転嫁をしてました。
 ただ当時としてOperaに勝るブラウザはないともはっきりわかっており、次善策として「Opera9.xx」
など古いバージョンを使って一時は対応していました。しかしそれでもバージョンアップが滞ることから次第に対応できないサイトが増えたことにより、2014年くらいに泣く泣くFireFoxに切り替えた覚えがあります。その後、Operaは一切使っていません。

 話を戻すと、当初Operaを開発していた人たちはその後自分たちで独立して、彼らが現在リリースしているブラウザソフトが上記のVivaldyです。私は自宅のパソコンはVPNを使う関係でChromeしか使えないのですが、かねてからOperaを評価していたことから会社のPCにはVivaldyを入れることにしました。感想を述べると、「また、会えたね」的な感じで、かつてのOperaを彷彿させる使いやすさと必要十分かつ最低限な設定項目と、もうパーフェクトなできでした。真面目に自宅PCでも取り入れたくて仕方ないくらいです。

 上記過程を昨夜友人に紹介するとともに「ヴィヴァルディ最高やで」とおすすめしたところ、「おい、紹介ページおかしいぞ!」と言われて出されたのが上記リンクです。見てもらえばわかりますが、末尾メニューの「ヘルプ」一覧は下記の通りとなっています。

・Vivaldiヘルプページ
・フォーラム(日本語あり)
・Vivaldi使うたことのない人
・芸人じゃない方のチュートリアル
・バグ教えとく
・しゃべりかける

 何故こうなっているのかというと、表示言語が「関西弁」になっているからです。通常の「日本語」も用意されている中、何故関西弁バージョンを用意したのか、いろいろと疑問です。ただ見た目にはかなり面白く、

うちらの信念
Vivaldiは社員所有やねん。ほんでその方針のままで行く予定やねん。

外部の投資家入れたらな、ユーザーの声聞きながら開発するの難しなるねん。ユーザーが手にすべきブラウザーをユーザーと一緒に作ってく自由が必要やねん。ユーザーのトラッキングはせえへんし、データも売らへんで。

 こんな感じでいろいろ説明してる他、「うちらについて」を見てみると、

ノルウェー、オスロ
うちの本社は、オスロの真ん中らへんにある綺麗な滝の横にあんねん。ほんまもんの滝やで。川でノルウェーサーモン捕りたかったらやってみ。

 などとかなり挑戦的な文章を乗っけています。っていうかいちいち「せやろ」っていってくるのもなぁ。

 末尾には「© Vivaldi Technologies™ — 無断複写・転載はアカンで!」とか書いていますが、関西弁で書かれるとネタ振りにしか見えません。恐らく自動変換ソフト使ってやったのだと思いますが、何故日本語にこうバリエーション付けたのか、よくはわからないですが私個人としてはヴィヴァルディ大好きだし、マジおすすめです。

2020年9月3日木曜日

管理費搾取マンションの恐怖

 また漫画の話ですが、先日発売した前にも紹介したことのある「正直不動産」の9巻はいつもながら面白かったです。この巻ではライバルキャラの悪徳不動産屋に主人公がしてやられる話が多いですが、なかなかキャラの立った悪役が多く、顧客に多額の負債を負わせたことに対して主人公が「地獄に落ちろ!」と言うや、「地獄の住人にタワマンを売ってやるよ」と返す言葉はなかなかの迫力がありました。

 ただそうした悪役以上にこの巻で驚いたというか着目したというか、一番記憶に残ったのは、見出しに掲げた管理費搾取マンションというものでした。元々この漫画、不動産仲介費は特別な約定がない限りは本来借主と貸主で折半しなければならないなど、一般人の知らない不動産業界の呆れた実態を紹介していていつも驚かされるのですが、この管理費搾取マンションというのは完全に初耳であるとともに、その行為の実態を見て正直寒気を覚えました。

 まず管理費というのは、言わずもがなの家主がマンションなどの団地自治体に毎月支払和なければならない料金のことです。これら管理費は団地の清掃や維持などの管理のほか、修繕などに用いられ、管理費があまりに安いマンションとかだとこの方面がおざなりになることもあるだけに、安けりゃいいものじゃありません。かといって、高いとそれだけ分譲家主の負担が重くなり、必要十分な金額が求められる性質の料金と言っていいでしょう。

 それで例の管理費搾取マンションについてですが、作中で主人公はあるマンション一室の売却仲介を請け負うのですが、いざ売ろうと顧客を探すも、周辺相場と比べて割高な管理費がネックとなってなかなか購入を検討する買い手が見つかりません。そもそもそのマンションの管理費は毎年1万円近く引き上げられており、一体何故これほど割高なのにさらに引き上げられているのか調べてみたところ、恐ろしい事実を主人公(永瀬財地)は発見します。
 というのも、そのマンションでは全戸数のうち約半数をある法人が賃貸用として保有していました。そして毎年の管理料の引き上げもこの法人が提案して決議を取っており、他の家主から引き下げ提案が出ても、投票数の過半数を握っているこの法人が毎年否決していました。

 何故この法人が自らも支払うこととなる管理料を毎年引き上げているのかというと、管理料の支払先となる管理会社と癒着しているからです。管理会社に管理委託料を支払いつつ、その一部をキックバックでもらうというよくある構図です。作中でも指摘されていますがこの管理会社への委託料というのはなかなか表に出づらいお金で、こうしたキックバックとか、横流しというのは実際多いそうです。

 話を戻すとこの癒着の事実に主人公は気が付き、このマンションは大きな問題を抱えているとわかったものの、同時にこのマンションから住人はもはや逃げられないという事実にも気が付きます。というのも冒頭で述べたように、既にそのマンションの管理費は周辺と比べ割高であることがネックとなって買い手がつかず、どうしても売ろうというのなら現在価値から大幅な値引きなしでは実現しない状態となっていたからです。
 こうした状況について主人公はこのマンション住人について、「高い管理費から逃れようと思っても売ることもできず、逃れられないまま搾取され続けるしかない」と評していますが、まさにその通りともいうべき状況でしょう。

 最終的には漫画らしいご都合展開からちょうどいいお助けキャラが登場することで、このマンションは管理費が引き下げられることとなり、主人公も無事にマンションを売り切ることが出来ました。ただ原作者の夏原武氏はこの搾取マンションの話について、「ほぼ実例に則している」と述べ、以前の様に雑誌で書いていたらルポを組んでいたとあとがきで述べています。実際それだけのインパクトがあるネタで、真面目にこの話を見て私も「マンション買うのこえー」とか本気で思いました。っていうかマジで購入検討するとしたら、自治会構成はよく見とかないとヤバイと感じます。

 というわけでややオチに困る紹介でしたが、世の中悪いこと考える奴はいるもんだとつくづく思います。知識で対抗しようにも、なかなか手ごわい相手もいるものです。


2020年9月1日火曜日

いまいち実態の読めない失業者数データ

 なんかネットで「ピエロ岸田」と書かれてあって、可哀想と思う反面、よく思い出し笑いしています。ただいくらか本人にも帰すべきところがあり、禅譲を期待してみすみすチャンスを見逃すところもあったので、こう言われるのも仕方ないかなとは思いますが。
 にしても総裁選挙をにらんで自説まとめた本書いたのに、発売日が投開票予定日の9月14日の翌日の15日ってのがマジ笑える。


 本題ですが、上の記事見出しを見て二重に驚きました。まず一つ目は、「えっ、たった5万人の失業でニュースになんの?」という点です。自分の感覚では定例の雇用統計速報記事ならともかく、さもコロナで失業者が増えていると報じるならば100万人を超えてから、その前兆だと報じるにしても10万人を超えてから報じるべきだと思え、5万人で記事になるという事実に驚きました。
 次に驚いたのは、「これ5万どころじゃなくて実際には少なくとも3倍はあるのでは?」という印象でした。そしたらすぐこんな記事も出てきました。


 こちらの記事では派遣労働者限定とはいえ16万人減という、先ほどの私の「少なくとも3倍」という予想水準に比較的近い数値となっています。ただこの記事、よくよく見ると数値のリソースは、「今年の7月と去年の7月の派遣労働者数を比較したら16万人減少していた」という内容で、減少数が解雇によるものか、それとも労働人口減などの自然現象なのか内訳が分かりません。
 また記事中に、「6月危機」という言葉をもっともらしく使っていますが、実際に6月中に契約を切られた具体的人数がないのであれば、本当に6月に大量のコロナ解雇があったのかどうか判断できません。ぶっちゃけこれ書いた記者には、「お前これわかってて書いてるだろ」と言いたいです。

 それはともかくとして、同じ日に出た記事で解雇者数が5万人超、雇用減少数が16万人となんかすごい差があります。もっとも子細に眺めるとからくりがいくらか見え、後者の16万人は「去年7月と比べた今年7月の差し引き値」であるのに対し、前者は「今年2~8月におけるコロナ関連解雇数(事業所申告ベース)」です。
 ということは後者のデータに比べ前者は去年7月から今年1月までの解雇者数は含まれていないんだから、小さくなるのも当然だね、ってことになるのですが、逆を言えば、労働人口の自然減を考慮に入れたとしても、去年7月から今年1月にかけて派遣労働者限定で10万人以上が失業したっていう風に計算できなくもないです。しかもこの半年の期間はコロナなんて全く流行していなかったのに、今年2~8月の約半年におけるコロナ関連解雇者数(約5万人)の倍もあり、コロナ流行時期と比べ流行してない時期の方が解雇者数(派遣労働者限定)で2倍っていうこっちの方がずっとニュースな感じに見えます、

 無論、上記の試算はあくまで適当に数字弄っただけなので、実際にこういう数値が実態を表しているかとなると議論の余地があります。そもそもなんでこんなあやふやなのかというと、「コロナ関連解雇」という変な指標を設けているせいで、やや基準が曖昧となるこの要素を取り入れることは、まだ参考として入れるならともかく、こうして大々的に報じる数値なのかというと正直疑問です。はっきり言えば、全体失業者数などだけ報じて、こうした余計な数値はむしろ報じない方が適切でしょうか。この辺、次の記事を見ればそのあたりが分かりやすいでしょう。


 見出しは例の「5万人超」という数字を並べてはいますが、こちらの毎日の記事の良いところは、全体データをきちんと入れている点です。その数値というのも、「7月時点の完全失業者数は前年同月比41万人増の197万人」というデータです。増加率にして26%アップとなりますが、繰り返しますがこっちの方がニュースじゃね?
 さらにこの毎日の記事だと他の細かい内訳データも報じており、いくつか抜粋すると以下の通りとなっています。

<2020年7月時点就業者数データ>
・就業者数は前年同月比76万人減の6655万人
・このうち非正規労働者数は同131万人減の2043万人
・このうち正規労働者数は同52万人増の3578万人

 さてこのデータを見て何を感じるでしょうか。ピンときたら110番じゃないけど、自分はこれ見てああなるほどと思いました。

 ポイントは内訳の部分で、非正規労働者が131万人減少した一方、正規労働者数が52万人増加しているという点です。朝日新聞の報道では、派遣労働者が16万人減少したということですが、非正規全体(131万人)から見れば約10%の分量に過ぎず、派遣労働者も大事かもしれないけどアルバイトやパートタイマーの失業ももっと注目した方がいいんじゃねという風に見えてきます。そう見えるからこそ、朝日は131万人という数値をあの記事では出さなかったのかもしれません。

 次に、去年7月と比べると確かに全体で失業者数が増え、就業者が減少していることは間違いないものの、非正規労働者が減少している一方で、正規労働者はこの1年で52万人も増えているという事実に気付けるか否かです。見方を変えれば確かに正規の雇用は保たれる一方、派遣が犠牲に合っているという風に読めなくもないデータですが、去年7月からのデータということを考慮するならば、非正規から正規へ雇用形態の切替えがなされた人も相当数いるのではと窺えるデータの様に私には見えます。そう考えると、派遣労働者が減少したという朝日新聞の報道も、単純に契約が切られたというだけでなく、雇用形態切替えによる減少も相当数存在するのではという疑念も持たれます。これっていいことじゃん。

 いろいろと憶測に基づく試算を繰り返してきましたが何が言いたいのかというと、この雇用統計の構成、報道自体、きちんとした全体値や内訳をはっきり示していないということにかなり問題があるということです。本来用意すべき指標要素、具体的に言えば就業者数の減少が解雇なのか定年などによる自然減なのか、あと非正規労働者から正規労働者への転換数など、こうしたデータがなければ実態を掴めることができません。元データは面倒くさいから見てないけど、少なくとも今回引用した記事ではまだ毎日は良いとして、他の共同と朝日の報道は本当に一部を切り取ったデータをただ出しているだけという評価をせざるを得ません。
 本来この手の雇用統計はもっと分析してしかるべきだというの、数字だけ出して失業が問題だとか派遣がどうのこうのとか、んなことしてる暇あったら自分の代わりにマージン率調べろよと言いたいです。

 っていうか仕方ないから面倒だけど元データも見てみましたが、前年同月比で分析しているから各メディアは報道で失敗しているように見えます。特に非正規労働者はピーク値から現在どれだけ落ちているかを報じるべきだったでしょう。
 その上で、やっぱりこのデータの真のニュースポイントは、今年5月単月(マイナス1万人)を除き、コロナ期間中も一貫して増え続けている正規雇用者数でしょう。なんでコロナで大変大変言ってる割には正規雇用者数は増えているのか、これこそもっと追求すべきところじゃないでしょうか。

 っていうかなんでどこも月次グラフを作らないのか。もう次のJBpressでこのネタ使おうかな。