ページ

2023年5月31日水曜日

長野立てこもり事件と山口県連続放火事件に感じた共通点

 このところのワイドショーで主役と言えるニュースとくれば、岸田首相の評判よくなかった息子の秘書辞職と、長野県中野市で先日起きた警察官二人を含む四人殺人事件でしょう。わずか短時間の間に4人も死者が出て、またその凶器には猟銃が使われた上に犯人が立てこもるというショッキングな内容から、犯人を検挙した後も動機などを巡り今も活発に報じられています。
 事件発生から日数も経ってだんだんと犯人同期についても捜査情報からか報じられるようになってきていますが、殺害された地元住人二人が精神病を発症していたと思われる犯人の家の近くを散歩して談笑することがあり、その声が自分を馬鹿にしているように感じたからなどという説が出ています。真偽は分かりかねるものの、仮に実際に馬鹿にする言葉があったとしても殺害していい理由にはならないだけに卑劣な犯行であることに間違いないですが、この犯人が語ったとされる動機を聞いて真っ先に思い出したのが「つけびの村事件」こと山口県連続放火殺人事件でした。


 上のリンクはその事件を負ったノンフィクション本に対する私のレビュー記事ですが、端的に書くと、この事件の犯人も今回の長野県の犯人と同じような動機を持っていた可能性が高いとみられます。上記の本の作者が現地で取材したところ、近くの住人が生協で一括購入した商品を村の住人に分配していた場所が犯人の家近くにあったそうです。ほぼ毎週行われる分配時に住人同士で談笑する声を、ほぼ確実に精神病を発症していた犯人が「自分を馬鹿にしている」と妄想し、主に談笑していた住人を狙った可能性があると本ではまとめられています。

 多分人によりけりかもしれませんが、長野事件といい山口の事件といい、なんてことのない外から聞こえてくる声に思い悩むというのは十分ありうるのではないかと私は思います。自分も精神的にかなり参ってたときなんかは外から聞こえてくる声に結構負い目を感じたというか、率直に言ってストレスを感じたことがあります。もちろん正常な状態ならそんなことないし、中国なら日常茶飯事的なおばさんの応援合戦みたいな大声も今じゃ気にならないものの、若干精神が病みがちな時というのは何気ない声が結構胸に来たりします。
 ましてや、長野の事件はこれからの鑑定待ちでしょうが、山口の事件に関しては犯人は事件当時、精神病を発症していたことがほぼ断定されています。そうした精神病を抱えた人間からすると、本当に些細なことをきっかけに大きな殺傷事件を引き起こす可能性があるのをひしひしと感じます。

 そういう意味では、今回の事件に関して一部犯行の凶器が猟銃であったことから猟銃許可について議論する声も見られますが、論点はやはりそこじゃない気がします。本当に論ずるべきは「精神病になっている人はごく身近に溢れている」という点で、こうした精神病キャリアをすぐ見つけ、治療することこそこうした事件を防ぐ上では重要な一手になるのではないかという気がします。

 一部報道では、事件前に犯人の両親らが心配して犯人に精神科の受診を勧めたものの本人が拒否したという内容が書かれてありました。こちらも本当であるかはわかりませんが、仮にその通りだとしたら正しい対応に動いていた両親の無念を考えると強い同情の念を覚えずにはいられません。

 その上で、田んぼの持ち主にカエルの声をどうにかしろと抗議する人がいるという報道がこの前ありましたが、自分は診療関係者ではないものの、この抗議をした人も多分精神を病んでいるなとはっきり言って思います。っていうか日本では診断されていないだけで、鬱を含め何らかの精神疾患を抱えている人が潜在的にかなり多い気がします。
 具体的な率で言うと、日本人の3割くらいは精神疾患キャリアだと私は思います。この辺についてはまた次回にでも詳しく書いていくこととします。

2023年5月30日火曜日

日野自動車と三菱ふそうの経営統合について

 前に「溺れるプーチンは習近平をも掴む」と言いましたが、こんな感じで「プーチンも歩けばドローンに当たる」、「驕るプーチン久しからず」、「二階からプーチン」などいろいろ想像し続けています。

日野自動車と三菱ふそうの経営統合、親会社トヨタと独ダイムラートラック含む4社で基本合意(読売新聞)

 そういうわけで今日のこのニュースですが、このところのトヨタの日野に対する冷たい態度からこうなることは予想していたと、「後だし孔明(事後諸葛亮)」的に思っています。なお事後諸葛亮に関して、この前のクリントン元大統領が「ロシアが侵略するのは分かっていた」という発言を見て、クリントンも耄碌したなとはっきり感じました。

 話を本題に戻すと、具体的な取引詳細こそ書いていないものの持分交換方式で世界各国の証券監督委員会の承認が得られ次第、経営統合を行うのではないかと思います。でもってその際、トヨタグループは日野に対する持分をほとんどすべて譲渡する気がします。少なくとも、連結対象から外すくらいには持ち分比率を落とすでしょう。
 前にも書きましたが日野、というよりここの従業員に関してははっきりと異常性を感じた唯一の企業なだけに、まだまだま掘ればネタは出てくる気がします。それがよりによって自動車欠陥隠しの大御所のような三菱ふそうと組むあたり、なんかすごいコラボだなと正直思いました。まぁふそうはこのところ不正出てませんが、だからこそ逆に気になるってもんなのですが。

 トラック業界は正直あんま詳しくないのですが、業界展望としてはまぁ明るいというか、物流需要は今後も拡大し続けると思うので一定の成長は見込めると思います。ただ中国のトラック業界、というより大型車業界を見ると、ぶっちゃけ日系メーカーよりも実力高いと感じる節があり、もしなんかの形で日本に拠点を持ったりしたら一気に市場シェア取られるんじゃないかと密かに見ています。
 そういう意味ではこの日野の身売りについては内心、中国メーカーに変われる方が日野自身にとっても、日本にとってもいい結果になるのではないかと思っていました。UDトラックスなんかは東風汽車と関係が深いですが、ダイムラーとか中国市場だとどうなんだろうな。

2023年5月28日日曜日

見逃せないナゴルノ・カラバフ問題の推移

 「ナゴルノ・カラバフ」と聞いて、それが何を意味するかすぐ分かる日本人はごく少数だと思います。端的に説明すると、アルメニアとアゼルバイジャンの間で起きてきた、アゼルバイジャン国土に囲まれたアルメニアが自領と主張する飛び地であるナゴルノ・カラバフを巡る領土争いです。

ナゴルノ・カラバフ(Wikipedia)

 リンク先の地図を見てもらえば早いですが、アルメニアはトルコの北東にあり、トルコとジョージアに麻まれる国です。それに対しアゼルバイジャンはアルメニアの東側にあり、アルメニアと大きく国境を接しています。

 このナゴルノ・カラバフ問題をめぐる歴史は非常に長いのですが、ソ連成立時に国境線を画定する際、同地域にはアルメニア系住民が多数居住しているという民族的理由をアルメニアが主張したのに対し、周辺の領土を支配するアゼルバイジャンとの対立が起こり、ソ連政府が仲介する形でナゴルノ・カラバフは自治州という形で火種が作られました。
 こんな背景してるもんだからかソ連崩壊後はその帰属をめぐって両国の争いは激化し、ソ連崩壊以降は数万人の死傷者が出るレベルの戦争が両国間で繰り広げられ続け、そのたびにロシアが両国の仲裁を行う形で停戦させていました。

 しかし2020年における衝突で、かつてないほどアゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフ内の実効支配地域を大きく広げることとなりました。これに対しアルメニアは協定違反であることを仲裁国のロシアに訴え続けましたがロシアはあまり動こうとはしなかったことで、アルメニア側はロシアに対する不信感を大きく募らせていきました。
 なおこの2020年の衝突は史上初の「ドローン戦争」とも呼ばれ、特にアゼルバイジャン側のドローン運用が世界の軍事関係者の間で大きく注目されました。現在のウクライナ戦争におけるドローン運用においても、この時の戦訓が大きく影響しているように見えます。


 話を戻すと、そのナゴルノ・カラバフの帰属について2020年の衝突、そしてウクライナ戦争後に起きた2022年の衝突により実効支配地域を大きく減らしたアルメニア側が先週、同地域の帰属をめぐるアゼルバイジャンに対し譲歩する姿勢を見せました。アルメニア側が譲歩した背景として大きいのは、これまで軍事面や仲裁において依存してきたロシアがウクライナ問題でナゴルノ・カラバフに構えなくなったことが指摘されており、このまま状況が好転することもないとアルメニア側が悟ったためとみられています。

 この問題に関して自分は専門家ではありませんが、飛び地というのは紛争を生む諸悪の根源みたいなもので、なければないに越した方が将来の禍根を絶つ上でいいに決まっています。そうした考えからアルメニア側も色々あるでしょうが、今回のアゼルバイジャンに対する譲歩は長い目で見れば必要な譲歩であるように見え、これを機に両国間で未来に向けた友好関係を構築していってほしいと願います。

 その上で、今回この1世紀にも及ぶ領土問題が解決したきっかけはアゼルバイジャン側の攻勢もさることながら、同問題に対するロシアの関与がウクライナ戦争によって薄れたことにあります。見方を変えると、仲裁する側の立場だったロシアが消えたことで領土問題が解決に動いたとするならば、初めから仲裁役がいなければもっと早くにケリついてたんじゃないかという気になります。
 同時に、今回のアルメニアの譲歩は中央アジアにおけるロシアの影響力が低下していることを示す象徴的な事件であるように見えます。東欧、そして中央アジアにおけるロシアの影響力は日本人だとピンときませんが、現地の人々からすると「米国に次ぐ大国は間違いなくロシア」と言い切るほど強いものがありますが、それがどうもだんだんとそうじゃなくなってきているように変化してきています。

 何が言いたいかというと、今回のウクライナ戦争を経てロシアは国際最適な地位を落としただけでなく、米国にとっての南米のような、自国の影響力を及ぼせる周辺地域すらもロシア離れを引き起こしており、その失ったものは計り知れないと言えるでしょう。またこれ以上ないタイミングというか、現在のロシアの最大の同盟国であるベラルーシでルカシェンコ大統領に健康不安説が出ており、仮にそのままぽっくり行ったら、ベラルーシも今後どう転ぶかわからなくなるでしょう。
 少なくとも、ウクライナからすればベラルーシに攻め込む口実はいくらでもあるし。

 以上のようなドミノ倒し、というよりオセロみたいな展開を見る上で、ナゴルノ・カラバフの動きはかなり重要だと思ってみています。っていうかこの動き、最終的にはイランにも波及するだろうか。

2023年5月27日土曜日

日本のLCCターミナルの呆れるしょぼさ


 本題と関係ないけど上の記事見て、「さすが対立を煽る国、英国」と思いました。お好み焼き一つで広島と大阪の対立をこれほど刺激するとは……。


 話は本題ですが、ちょっと古いニュースながらかなり記憶に残ったというか同じ感想を持ったので取り上げます。上の記事を読んでもらった方が早いですが、格安航空会社ことLCCを使って日本を訪れるのは低所得層のみならず高所得層も少なくないものの、何故か日本の空港でLCCの離発着に使われる空港ターミナルは何故かどこもしょぼく、訪れた人がみんなして「なんやこれ?」と思う仕様になっています。
 記事ではこうしたしょぼいLCC専用ターミナルについて、お金持ちも来るんだからもっと印象よくしなよと書いていますが全く以って同感です。っていうか、あのしょぼさは「てめーらはLCCに乗るようなカスどもなんだよ!( ゚∀゚)アハハ」とマジで言っているような感じがして、自分もマジ不愉快です。

 自分の実体験で話すと、実際にLCCの乗客はやや品のない人が多いため、多少値段が高くても自分はLCCの利用は避けるようにしています。春秋航空のに乗ったときなんか、機内で唾吐くおっさんいてマジビビったし(;´・ω・)
 ただ、乗り降りの時間帯や行先によってはLCC便が有利であることもあり、そうした場合に何度かLCCを使ったことがあります。でもって上の記事に書かれている通り、日本到着後のターミナルを見て何度かびっくりさせられたことがありました。

 具体的にはどの空港のLCC用ターミナルはほかのターミナルと比べて内装が露骨に安っぽいです。下手すりゃ壁や天井がコンクリ打ちっぱなしになっており、実際に降り立って「あれ、なんか間違えて倉庫とかに入った?」と思ったことが何度かありました。
 次に飲食店を含め店舗数が露骨に少なく、LCCが到着する早朝の時間帯とかには開いていないというケースもありました。LCCでは食事があまり出ないだけにすぐ食べたいと思いつつもお店は開いてないし、コンビニもなかったりしたので、結局メインターミナルに移動して食べる羽目となりました。

 あと内装に関してだと、移動案内も露骨に少ない気がします。関空の第二ターミナルなんかゲートを出たところ、鉄道などにつながっているメインターミナルへ行くためのバス乗り場への道順が書かれておらず、初めて降り立ったときなんかどっち行けばいいのかマジ迷いました。そんな広くないターミナルであんな風に迷わされるなんて、ある意味凄いことなのですが。

 このほか細かい点を挙げると、店員の質も露骨に悪くなる傾向もある気がします。というのもあるときにLCCターミナル内にある吉野家で牛丼頼んで番号札289番をもらったところ、自分の注文が出る前に「290番の牛丼の方ー」ってアナウンスされてあれって思ってたら、「あー、289番も同じ牛丼だった(笑)」って声が聞こえてきました。それからしばらくして自分の分も出されましたが、変に我慢せず一言文句言っとけばよかったと今でも思います。

 ぶっちゃけLCC用ターミナルを広く豪華にしたり、メインターミナルとの距離を短くする必要はないですが、冒頭にも書いた通り降り立った乗客に露骨に格差を感じさせるあの設計だけはやめろと言いたいです。でもって店舗もいいお店を揃えれば絶対利用する客は多くなるだけに、LCCだからと言って高級店を排除するのもやめてほしいです。高級店が少しあるだけで、内装ぼろくても格差感が出づらくもなるし。

2023年5月26日金曜日

今年の阪神はアレするか?

 また日本のプロ野球についてですが、セリーグではここ数年優勝候補に挙げられながら途中でやたら長い連敗を作り、後半巻き返すも力及ばずで終わってた阪神が首位となっています。攻防スキのないチーム構成となっていますが、それ以上に監督が前回優勝時の岡田監督になったことが大きいと誰もが指摘しており、実際私も監督ひとりでこうも変わるものかとビビっています。

 4月中は三浦監督率いるDeNAが強かったですが、このチームは伝統的に勝ちに乗ってる時は異常に強いけど、一回こけると途端に勝てなくなる癖があり、去年もシーズン後半のヤクルトとの直接対決で三連敗を喫してから急激にトーンダウンしています。実際、5月に入ってから急に勢いを落とし始め、上位は維持しているものの負けだした時の立て直し方があまりよくないだけに、優勝となるとちょっと厳しい気がします。

 それに対し阪神はシーズン終盤に投手陣が疲労しだして負けが込む傾向が強いものの、これまで課題だった打線が大分改善され、サトテルも持ち直したし、それ以上に四番の大山選手がとにもかくにもチャンスに強いのと、ここぞというところで四球で歩いてサトテルに打たせる傾向が強く、相手チームからしたらかなり嫌な四番になったという印象を受けます。この大山選手が怪我で離脱でもしない限りは、阪神は今年「アレ」こと優勝するのではと早くも期待が高まっています。
 ただでさえ前回優勝チームのヤクルトは三冠王の村上選手が調子が上がってこず、ピッチャー陣もここぞという場面で落として接戦をものにできないだけに厳しいし、巨人もちょっと盛り返したけど投壊状態続いているし。広島が地味にダークホースとなってきてもいますが。

 その一方、パリーグの方は去年圧倒的最下位だった日ハムが今年は成績を上げており、なかなか楽しませる試合ぶりを見せています。ただ上位は去年優勝のオリックス、そして選手層が分厚過ぎて田中正義選手などチームを離れた選手がやたら大活躍するソフトバンクが相変わらず上位にいますが、それ以上に脅威なのはロッテが現在首位にいることです。

 二年前は惜しくも二位に終わり去年は期待されたものの優勝に絡めなかったロッテですが、今年は目立たないながらも確実に勝利をものにしており、また佐々木投手というスター不在の長かったこのチームに待望の人気選手が生まれ、かなり勢いに乗っています。このチームも今年監督が吉井監督に変わっていますが、監督一人でこうも変わるものかと思うくらい途端に勝率よくなってきたことにビビっています。
 なお「春の妖精」こと荻野選手は4/6に早々と離脱しています。最近はそこそこ長く出続けられるようになったなと思っていましたが。

 話を戻すと阪神とロッテが現在首位で、実際両チームともにバランスが取れており、特に阪神に関しては他チームがみんな脛に傷持ってるだけに、このまま優勝まで走る可能性はあると思います。ただその場合、日本シリーズが阪神対ロッテになる可能性があるというわけで、この組み合わせを見てあの伝説の「33-4」を思い浮かべない人はいないでしょう。

33-4(新・なんJ用語集wiki)

 知らない人向けに説明すると、33-4とは2005年における阪神対ロッテの日本シリーズ4戦における得点成績です。具体的な各試合の点数は以下の通りです。

(ロッテ-阪神)
1戦目:10-1
2戦目:10-0
3戦目:10-1
4戦目:3-2
合計:33-4

 以上のように見るも無残な阪神の惨敗で、3戦目が終わったときなんか自虐的に「ロッテの弱点発見、奴らは10点しか点を取れない」などという分析まで出されていました。このシーズンに阪神はJFKという、現在では一般化された7、8、9回を決まったリリーフを登板させる先駆けとなった盤石のリリーフリレーを持っていましたが、あまりの得点差にほぼ出番がなかったのが見ていて悲しかったです。
 まぁこの時、自分は北京に留学中でしたが。

 ちょっと気が早いかもしれませんが、仮に阪神が優勝するとしたらパリーグからはロッテ以外が来てほしいと、阪神ファンは考えてる気がします。それくらい阪神ファンにとってこの出来事はトラウマで、自分としてももうちょっと白熱した試合を見たいだけに、いい感じの相手が来た方がいいのではと思う節があります。
 それだけに阪神ファンが「今年こそアレする」というのを聞くと、「アレ」が「33-4」を指すわけではないことを密かに願う次第です。

2023年5月24日水曜日

ロシアには降伏しろとは言わない橋下徹

 先の記事にも書きましたが先日のサミットの終了間際、ロシア領内でいずれの部隊による攻撃があったと報じられ、ロシア政府もその事実を認めました。この攻撃についてロシア政府はロシアへの侵略、攻撃行為だなどとして攻撃を指示したと名指しするウクライナを非難していますが、これ見て私が真っ先に思い浮かべたのは橋下徹でした。

 ロシアがウクライナに侵攻した当初、彼はロシアの侵略は認めるべきではないが無辜の市民への被害を防ぐため、ゼレンスキー大統領は早くロシアに降伏すべきだと主張していました。なので私は今回のロシア領内への攻撃を受け、無辜の市民への被害を防ぐため、プーチン大統領は早くウクライナに降伏すべきだと彼は主張するものだと思ってみていましたが、そういう発言は今に至るまで見聞きしません。
 ぶっちゃけプーチンがウクライナに降伏することによって、ウクライナ領内で現在行われている戦闘も一気に片付くだけに、本当に平和を愛していて且つ以前と同じ視点を持つなら、プーチンにこそ橋下は降伏を勧めるべきだと私は思うのですが。

 では何故橋下はウクライナには降伏すべきと言いながらロシアには降伏しろと言わないのか。

 表層的な理由としては開戦当初、ウクライナとロシアの軍事力の差から、ウクライナがどう抵抗したところで早晩敗北すると予想していた、どうせ負けるのだからこそ早く負けを認める方がプラスだ的な価値観で言ってたのではないかと推察します。
 この考えには私も全否定しないというか、絶対に勝ち目のない戦いであれば市民の安全や政府関係者に対する虐殺や略奪の禁止を条件に降伏するというのも手段となり得ると考えます。ただブキャでの虐殺をはじめ、ロシアは元来そうした約束を守る国ではないことは明らかで、むしろ降伏すればその蹂躙は余計激しさを増す可能性があることを考えると、私が当事者なら絶対に抵抗を選びます。

 もっとも降伏するか抵抗するか以前に、ウクライナ国民のように当事者でもなく、軍事関係者でもない人間が安全な場所から一国の大統領に降伏を勧めるなど、恥ずかしくて自分には到底行えない行為です。

 ただ橋下は恥ずかしげもなくそうした行為を行える平和主義者なだけに、今回のロシア領内の攻撃を受けてプーチンに降伏勧告するかと思ったら全くしないでやんので、せっかくの期待を裏切る奴だななどと思ってみています。
 その上で、先に述べた通り軍事力の差からウクライナは叶わないと思ったから降伏しろと言ったのであって、少なくともロシア全土を征服する能力はウクライナにはないと思われるから今回プーチンには降伏を勧告しなかったという風に推察しています。もちろんこれはこれで一応は理屈は通りますが、敢えて邪推すると、なんとなく話を聞いていると小国が大国に翻弄されて飲み込まれるのは仕方ないなどと思ってい節があるように見えます。そもそも最初に述べた考え方の時点で、こうした考えだとも言えますし。

 こうした小国は大国に翻弄され続けるという見方は私にも全くないというわけではありませんが、大国による一方的な侵略を認めるほどの価値観は持ち合わせていません。こうした価値観があるない以前に、ウクライナには降伏を勧め、ロシアには降伏を勧めないというダブルスタンダードを私は取りたくはありません。そういう意味ではロシアに降伏を勧めることで勝手に掲げた平和を何より優先するという立場は維持できるだけに、橋下に対しては今からでも遅くないからプーチンに降伏を勧める親書を出すよう、私はお勧めします。

ロシア領内への攻撃があったと主張するロシア政府のおかしさ

 ちょっと日が経ちましたが広島サミットの終わり間際、ロシアとウクライナ国境沿いのロシア領内で攻撃があったと報じられています。この攻撃についてウクライナ政府は関与していないと発表したのに対し、ロシア政府はウクライナ軍の攻撃によるもので撃退したと主張しました。
 その後、プーチン打倒を目指す反ロシア政府団体が攻撃を行ったと主張しましたが、正確な裏付けがないため真実かどうかは現在判定しかねます。ただそれ以上に意味不明というかわからないのはロシア政府の言い分で、この攻撃について「敵がロシア領内に侵入して攻撃してきた」と主張した点です。

 何がおかしいかというと現在激戦地となっているバフムトを含むウクライナの東部二州について、ロシア政府は先に併合を発表し、ロシア領内だと主張しているからです。ロシアの主張に基づくならばロシア領内のウクライナ軍の侵入や攻撃はとっくの前から行われており、現在もなお戦いが続いているはずです。にもかかわらず今回やその前のモスクワのクレムリンにおけるドローン騒動について、まるで今までなかったかのように「敵はロシア領内に攻め込んできた」と主張するのは暗に、ロシア政府も東部二州を自国領と認識していない表れなのではないかと思ってみています。
 東部二州の併合前、一部評論家らが「現在も戦闘が続く東部二州を自国領と扱うことでロシア領内への侵略と主張し、核を撃つ布石とするのでは」と批評していましたが、現在のところせっかくベラルーシに配備した核も音沙汰なく、使われないままでいます。結局のところプーチンを含め東部二州、そしてクリミアも併合したと言いながら全くロシア領だと考えてもいないように見え、少なくとも開戦前の国境にまでウクライナ軍が攻撃しない限りは、今のまま核は使われない可能性が高いように思えます。

 それにしてもこのところのプーチンの落ちぶれぶりは目に余るというか、先のサミットでF16の供与を欧米が示したのに対し「事態をエスカレートさせる行為で大きな代償を負うことになる」などと北朝鮮そっくりの口調で言いだしたあたり、ロシアも北朝鮮のようにこれからなる布石にも見えます。
 そもそも開戦直後、英国のジョンソン首相(当時)に対し、「数分でロンドンを火の海に変えることもできるんだぞ」とプーチンは脅していたらしいですが、これと比べると先の脅しのトーンダウンぶりはもう見ていてられないレベルです。っていうか脅された国は敢えて今、「数分でモスクワを火の海に変えることもできるんだぞ」などとそのまんまロシアに言い返して、「プーチンは前こう言ってたよね。でも実行しなかったよね」などと煽っていい気がします。

 まぁ煽るって意味なら、開戦直後に在日中国領事が言った「強い国にケンカを売るべきではない」って言葉を、「日本語じゃなくちゃんとロシア語で言ってあげないから、ロシアは今大変なことになったんじゃないか」と、中国政府に言ってみたいです。ほんと、中国政府関係者は細かい気配りが足りない。

2023年5月22日月曜日

中国で密かにコロナ再流行中

 また土日も短時間ではあるものの働くようになり、若干体力が不足気味です。前より仕事の効率は上がってはいるけど、イメージ的にMPの最大値は変わらないのに以前はベギラマで処理していたのをベギラゴンで処理するようになったみたく、作業効率は上がりつつも稼働時間が減少気味な気がします。

 話は本題ですが、現在中国各地でかなりコロナが流行しています。自分の周りでも感染したという人が多く、今日も同僚が家族が感染してその世話のために会社休みました。
 流行理由は非常にはっきりしていて、5月頭の連休に旅行などで人的移動が激しかったこととみて間違いないでしょう。この辺の事情は日本でも同じだと思え、なんかネットで見てるとだるいとか、コロナ罹ったという人の話をよく見ます。中国も連休が終わってからやたら検査でコロナ罹ってたという人が多く出るようになりました。

 なお友人からは自分もコロナに罹ってないか連絡が来ましたが、検査していないので罹ったかどうかはわからないものの、仕事忙しくていつもだるいのは事実です。でもって最近体調悪くなると、多分リンパ腺の腫れの延長なのか、何故だか耳の中に膿ができて腫れて、耳が聞こえづらくなります。この腫れはしぼむころには流血するため、友人には「時たま耳から血が出てるけど、私、元気です(*´▽`*)」などという返信をしています。マジ耳の中腫れるのはやめてほしい。

 話は戻りますがこうしたコロナ流行について中国国内でも一応報じてはいて、6月末にピークが来るのではなどと言っています。ただ以前みたく封鎖隔離などの社会規制措置は取っておらず、企業活動も制限などは起こっていません。
 またマスクに関しては恐らく日本以上にしなくなる人が増えており、行政も「マスク装着を強制してはならない」と通達しています。一応、地下鉄なんかは「ご協力お願いします」という体を取ってマスク装着を促していますが、先週くらいから地下鉄でもマスクをしない人が増えており、自分の実感でいえば現在だともう半々くらいになっています。なんていうか、何でもかんでも極端から極端に走り過ぎ。

2023年5月20日土曜日

太ももをダニに刺されることが多い場合の対策

 密かに好きな声優をここで急に上げるとイカの人こと金元寿子氏がします。代表作はやはりイカ娘でしょうが個人的にイカ娘以外の、特に帰国子女だったり宇宙人やってたりする時の声が妙にハイトーンで耳に残るので好きだったりします。最近やるゲームではあまり出演してないので耳にすること減ったけど(´・ω・)

 話は本題ですが夏が近づきダニとかに噛まれる人も増えてきているのではないかと推察します。自分の方はというと去年から使用始めたニトリの抗ダニベッドマットがこちらの期待以上の力を発揮してくれて、去年以降はダニに噛まれることが極端に減りました。これまでは毎年やたら虫に噛まれやすく、夏場なんて太ももがハチの巣みたいなハニカム構造になるなど被害もシャレにならないほどでかかったですが、去年から今年にかけてはゼロではないものの噛まれる機会がめっきり減り、太ももも過去にこれほどきれいな状態があっただろうかと思うくらい痕が少ない少なくなっています。

 そのダニ被害ですが、自分の場合だと背中やふくらはぎとかではなく太ももが噛まれることが異常に多く、現在の被害もやはり太ももに集中しています。基本的にダニは柔らかいふくらはぎなどを噛むと言われますが、自分の場合は何故か太ももに集中していて、トイレで便座に座るたびになんでこんな赤いねんと言いたくなるくらい痕も多くありました。
 それだけに前からいろいろ不思議がっていたのですが、ある時ふと、もしかしてこれが原因ではないかと思い当たる要素がひらめきました。結論から述べると、それはポケットです。

 寝る際は基本パジャマかジャージを着ますが、基本的にズボンの方にはポケットがついています。このポケット、改めて生地を裏返して見てみると中に結構ほこりとかたまっており、またその構造から肌に直接当たって群れることから汗を吸いやすく、ほかの生地部分と比べてダニが発生しやすい環境が出来上がっているのではないかと気が付きました。
 よくよく考えてみると、この個所は選択する際もその中に入れ込む構造から、小さなごみやほこりが外に出ずにそのまま残る、場合によっては水で浮き上がったほこりが中に入り込んでたまる可能性すらあります。干す際も直接日光が当たらないだけに、あまり水だ今日とならないダニなどにとっては格好の住処足り得ます。

 そこで、このポケットの中にいろいろダニ対策を施してみました。具体的には、まず選択する際は生地を裏返してポケットが飛び出すような状態で洗濯機に放り込み、干す際もポケットを出したままにしました。ただ、このようにしても縫込みの関係から思ってたほどポケット内のほこりやごみは取れず、目視でもわかるくらい残ってました。
 そこで今度は、粘着ローラーことコロコロで直接ポケット内のほこりを取ることとしました。やってみたら意外というかやばいくらいのほこりやごみを粘着シートが吸い付け、こんなにポケットにほこりためた服で寝てたのかよと自分でもマジビビるほどでした。

 これらの対策を施したところ、ニトリのベッドマットの影響のが大きいかもしれませんが、それ以前と比べて太ももに対するダニの被害が極度に減りました。あくまで自分の体験でほかの例にも適用できるか確証はありませんが、冷静に考えるとポケットの存在は太ももへのダニ被害において小さくない存在に思えるだけに、被害に悩む方がおられたら上記対策をご参考に下さい。

 最後に関係ないけど今日窓開けてたら蜂が部屋の中に入ってきて、布団広げて外に追い出したらしばらくしてまた部屋に入ってきて、なんて馬鹿な蜂なんだと思いながら再び追い出しました。

2023年5月19日金曜日

岸田総理の強運

 また一から同人ゲームの「新説魔法少女」を遊んでいますが、このゲームをやると途端にほかのゲームがつまらなく感じてしまうほど相変わらず面白いです。なんでこの出来でお金取らないんだと思いますが、自分はIFバージョン(アドレナ戦記というシナリオが追加)を有料版で買ってたのを思い出しました。
 今2週目しているのは本編ですが、改めて本編と比べるとアドレナ戦記は激ムズだったということを思い知ります。よくあれ無事にクリアできたもんだ(;´・ω・)

 話は本題ですが待ちに待った広島サミットが開催され、各国首脳は現在日本を訪れています。中でも目立つのは焼き鳥食って、赤い靴下履いたスナク英首相ですが、前のボリス・ジョンソンも目立つ人だったけど英国の首相はなんか日本で人気でやすい気がします。
 関係ないけど漫画のナポレオンが単行本だといよいよワーテルローに突入して、ナポレオンに引導を渡した後に首相にもなるウェリントンの活躍というか、恐ろしさが垣間見える内容になっています。神経質そうに書いているけど、「ああこりゃ敵わんな」と感じるほど優秀なように描くあたり、作者の長谷川氏は大したもんです。っていうか、あの巻だとナポレオンの無能ぶりのが目立つというか、何であんなやたらと兵力分けたがるのか見ていて理解できない。

 話を戻すとこのサミットの最大の関心事は、全国から警備に集められた警察官のうち、警備で定評のある奈良県警はどこにいるのかっていうこと(多分呼ばれてないだろうが)、ではなく、なんといっても今も続くウクライナとロシアの戦争でしょう。対中国も睨んでロシアへの圧力を強める方向でこのところ来ており、ロシア側が全く停戦にも事態収束にも動かないのを見てか、戦車→長距離ミサイルと欧米の支援内容は徐々にアップグレードしており、そろそろF-16こと準現行戦闘機の供与も取りざたされてきました。

 今回のサミットでもこうした支援や対露制裁内容が主に話し合われると思われていたところ、なんと今日ウクライナのゼレンスキー大統領がわざわざ訪日し、サミットに参加するとの報道が出ました。私個人としてはこの1年間の苦境を生き抜き、今も先頭に立ってロシアとの戦争を主導する彼には強い敬意を感じるだけにこの訪日は大歓迎ですが、それ以上にサミットで他の首脳と会するという意義は国際社会的にも非常に大きいと思います。

 その副効果として、恐らく次の世論調査で岸田総理の支持率はまた一段と上昇すると思われます。サミットそれ自体も十分プラスですが、ゼレンスキー大統領の訪日参加が加わればかなりの上昇が期待され、場合によってはこの余勢をかって解散総選挙に出るのも選択肢としてありうるのではないかと思います。
 そうした先の展開を予想するにつけ、このところの岸田総理の強運ぶりには舌を巻く思いがします。

 先月の和歌山県での襲撃事件も警備に定評のある奈良県警とは違って和歌山県警が警備していたことや、勇敢な漁師の方がすぐ犯人を取り押さえたこともあり奇跡的にも死傷者ゼロで犯人確保という最良の結果に至りました。どうもこれ以降、あらゆる政局が岸田総理有利に傾き出し、恐らく事前に内定していてサミットに合わせて発表されたのでしょうが、マイクロンなど半導体世界大手の日本投資発表がこのところ相次いでおり、株価も今日記録的な高値をつけ景況感も悪くないものとなっています。
 そこへきて前述のゼレンスキー大統領訪問ときたもんで、またしゃもじを送るのかは知りませんが、日本人の中でもゼレンスキー大統領に好感を抱いている人は私以外にも数多くいるように見えるだけに、到着時には大きな報道がなされ最近の阪神や横浜みたく盛り上がるかと思います。

 私自身は岸田総理の政策についてあまり評価しておらず、現在までの施策に関しても増税は日本で税金支払う立場じゃないのであんまどうこう言うべきではないですが、子育て支援とかあんま魅力的に見えないだけに期待も高くありません。それだけに先月の地方選で敗北した後にすぐ総理の座から降ろされるのではないかとも思っていましたがここにきてやたら強運ぶりを発揮しており、この分だと今年1年は確実持ちそうで、先にも述べた通りタイミングが合えば総選挙でも大勝が狙える可能性も高まってきました。
 ちょうど維新の党の議員がロシアのスパイかと思うくらいのセルフネガキャンやったばっかだし。

 過去の総理で強運だった人を挙げるとしたら小泉元総理が真っ先に上がりますが、このところの岸田総理についても小泉元総理に負けないくらいの強運ぶりを感じます。地味に運がいいかは政治家としても大事な要素だと思うので、政策能力は期待しないものの、このところの強運は手放さずに強く持ち続けてほしいものだと密かに願う次第です。

 なお治安に不安はありますが、今でも奈良に移住したいという気持ちに変わりはありません。まぁ治安の悪さならマッドシティで十分慣れたし( ゚∀゚)アハハ

2023年5月17日水曜日

ジャニーズ問題における沈黙の春

 最近仕事モードになってきているのかあんまりこのブログで書きたい内容が浮かばないのですが、それでもあえて書くとしたらこの前にもちょこっと触れた、ジャニーズ事務所の性的虐待事件についてです。

 この問題は今週に入って動きがあったというか、現社長が「報道されている疑惑について謝罪」を発表しました。ただ事実に関しては「当人であるジャニー喜多川が故人であるゆえに確認できない」と濁しているうえ、被害者のプライバシーを盾に詳細についてはいろいろ語れないなど、いろいろと及び腰な姿勢、というか真摯に対応する気のないということだけがよくわかる謝罪でした。
 ぶっちゃけ、被害を主張している人が一人だけなら詳細を確認する必要があるとは思うものの、何人もの人間が被害に遭ったと証言しており、尚且つかこの裁判でも当該行為が行われていたと認定されているこの状況で、事実であるか確認できないというのであれば、まともな判断力がない人間としかいいようがないのだから社会かこの世から早く出て行けと私自身は言いたいです。まぁ前社長の問題で振り回される身というのはいくらか同情はしますが。

 さてこの問題ですが問題の本質は実際の加害行為というよりかは、これまでずっと暗黙の事実として黙認してきた日本のメディアや社会の闇の方が深いと言わざるを得ません。今回も外信が報じたことをきっかけに初めて取り上げられたといってもよく、もし取り上げられなければ本当に闇の中に事実が消されていた可能性も十分あったでしょう。
 しかも根深いと感じるのは、これだけ巷間でこの問題が認知されてきているにもかかわらず、未だテレビや新聞などの大手メディアは積極的に疑惑を追及しようともせず、その一方で西武の山川選手の不倫プラス加害行為は報じる辺り、ダブルスタンダードもいいところでしょう。まぁ過去、意図的に黙認してきたメディアほど、この問題について敢えて触れようとしないともいえるでしょうが。

 ただそんな大手メディアも、ここにきて急に色めき立ってきているように見えます。というのもスポンサーとなる企業らがジャニーズ事務所の問題に目を向け始め、タブロイド紙などの報道だからそこまで信用していいものかと若干不安はあるものの、スポンサー企業のジャニーズ離れが起きようとしている気配を感じます。仮にスポンサーがこの問題に関心を持ち、ジャニーズ事務所のタレントを起用する番組でスポンサーを降りたりでもしたら、一気にムードが変わる気がします。

 そういう意味ではこの問題を本当に追求したいという人なら、ジャニーズ事務所や問題を報じないメディアよりも、タレントが出ている番組のスポンサー企業を批判するというのが最も効果的である気がします。こういうとスポンサー企業がとばっちりみたく批判されるよう煽っているように見えるかもしれませんが、仮にこの事件が男性タレントではなく女性タレントであったとしたら、長年にわたり数えきれない女性に性的加害をしてきた企業を間接的に支援する企業が、批判されずに済むのかと言えば私はそうは思いません。少なくともこの期に及んでは、ジャニーズと縁のある番組に出資する企業に対し、軽蔑めいた感情を私は覚えずにはいられません。

 少し話を戻すと、今回のこの事件で誰も触れないけど本当はもっと話を聞くべきだと思うのは、現役のジャニーズ事務所のタレント以外いないでしょう。無論、聞き方によっては本人を著しく傷つける可能性があるだけに注意を払う必要がありますが、少なくとも同じ事務所内にて、そうした行為があることを知ってて黙認し続けていたのか否か、今後はどういう風に考えているのか、それでもまだジャニーズ事務所に在籍し続けるのか、この三点くらいは聞くべきだと思うし、本人らも語るべきだと私は思います。
 率直に言えば自分も被害に遭ったのかとストレートに聞きたいものですが、逆に口をつぐまれる可能性があるだけに、聞くのを我慢する必要がある質問になるでしょう。ただ先の三点、特にジャニーズを牽引してきた元SMAP、V6、TOKIOのメンバーらには、本当のところどうなんと聞いてみたいですが、この件の報道で具体的なユニット名が一切出てこないあたり、やはりメディアはまだ不要な報道規制を自ら行っていると思います。ビッグな事件なのだからビッグな人間こそが答えるべきだと思うのですが。

 唯一、一時経営を担っていたタッキーこと滝沢氏については「何か語ってくれないかな?」的な報道を見ることがありました。もっとも私自身は滝沢氏は現在すでにジャニーズ事務所と袂を分かっているだけに、この件に関しては無理して答えなくてもいいんじゃないかなと勝手に思っています。もちろん語ってくれたら面白いでしょうが。

 それにしてもこの事件に関しては本当にメディアが報道に対して物凄い恐れているというか奥手になっているのを見て取れます。そんなことだから見出しの通り「沈黙の春」だと感じるわけですが、張本人がすでに死んでいるからという理由で放置していい事件だとは、私は思いません。少なくともジャニーズ事務所が存続しており、この問題に真正面から向き合っていない限り、再びこうした事件が起きるとも限らないだけに、徹底した究明と黙認してきた人たちへの何らかの制裁は必要ではないかと思えてなりません。
 まぁ一番誰が悪いかと言ったら、当時まだ親告罪だったけど、長年にわたり捜査してこなかった警察だと思いますが。

2023年5月15日月曜日

死者との対話がなされなくなった現代

 日本では今気温が乱高下している最中でしょうが、上海では程よく気温が上昇して安定してきており、今日も最高気温が35度くらいの真夏日となってみんなで「地上はやめて、地下通って飯食いに行こうぜ!」というノリになりました。
 このように夏が近づいてきているのですが、夏というと自分は仕事の繁忙期で、ほぼ毎年6~8月の記憶があいまいになるほどへとへとになります。今年もその時期が近づいてきて戦々恐々としていますが、夏とくればかつては心霊特集があったということを急に思い出しました。

 90年代後半にデジカメが登場する前のフィルムカメラの時代、フィルムの特性や現代のデジカメに標準搭載されているブレ防止や光の歪み補正がなかったことから、当時はちょっとしたことで撮影した映像にブレが生じ、いわゆる心霊写真ぽいものがたくさん量産されていました。それら撮影に失敗した心霊写真もどきは夏場の心霊写真特集などに用いられるなど効果的なリサイクルがなされていましたが、デジカメの発達に伴いこうした心霊写真ができることも減り、いつしかあの手の胡散臭い番組は見なくなりました。

 もっとも心霊写真がでてこなくなる以前に、2000年代に入ってから東芝とかが言い始めたコンプライアンスという言葉が出始めて、全くコンプライアンスのなかった東芝はともかくとして、テレビ局も怪しいオカルト番組を出すことを控えるようになっていました。そうした影響からか、夏場の心霊写真特集はおろか、怪しげな霊能力者が出てくるオカルト番組自体も消え失せ、夏と言ったら心霊という言葉もなんだかここ数年聞かなくなった気がします。

 もちろん根拠なく人を不安にさせたりするような番組を報じるべきではないし、FBI超能力捜査官のジョゼフ・マクモニーグルなどの詐欺師を出したりすべきじゃないのですが、その一方で心霊番組が減ったことから、死者について考える機会も減ってきているのはマイナスじゃないかとふと思いました、3分前に)。
 なんだかんだ言って当時の心霊番組では、先祖供養がいい加減だから化けて出てきたとか、死んだ友人が守護霊になっているとか、死んだ人間が今どのようになっているか、そして生きている人間とどうつながりがあるのかについてもっともらしい適当なことを言っては、「死んだ人はどうなるのだろうか」という問いについて視聴者に考えるきっかけを与えていた気がします。それ以前に「死んだらどうなるのだろうか」という問いを考える上では、やはり幽霊の存在を肯定するにしろ否定するにしろ、頭の中に入れておく必要があるでしょう。

 私自身は神を信じていないし今日の仕事のメールでも「あまりにもきつい環境ゆえに神を呪いながら仕事してやるんだから」などとわけわかんないことをリアルに書いたりする人間ですが、人の霊魂については半々みたいな感覚を持っています。死後についてはそこまで差し迫って死にそうなわけじゃないからあんま考えてませんが、人間が生きていく上では「死んだらどうなるのか」という問いを持つことは非常に重要だと思います。
 その死を考える上で、上記心霊番組などの「生者と死者のつながり」をストーリーにして映すことは、こうした死者との対話めいたものを考える上では非常にいいきっかけだった気がします。具体的には、生前の恩を思い出したり、逆に悪いことした相手に祟られるかもと意識したりなど、ああした死者が死後も何らかの意識や価値観を持つと想定してあれこれ考えるのは、自分がこれから死を迎えるにあたって準備すべき思考を育む上では意外と大事だったりする気がします。

 然るに冒頭でも書いた通り、このところはそういった心霊番組とか特集を見る機会がなく、ネットにおいても「本当にあった?心霊体験」的な掲示板もなんだか見なくなっている気がします。怪しい噂が流布されるのは問題ですが、一方でこうしたオカルト話がなくて死について考える機会がなくなるのも、何か不健全であるような気がします。
 なお昔ネットで見たオカルト話で、峠道をバイクで走ってる最中に急にトイレしたくなり、仕方なくガードレールを乗り越えて、ガードレールに掴まりながらトイレをしようとしゃがんだところ、道路側からピカッとライトに照らされ、それからしばらくその峠道ではガードレールに生首が突然現れるという噂が出るようになったという話がお気に入りです。

2023年5月14日日曜日

まるで議論の出てこない考古学

 ネット上でその方面のまとめサイトに行けば現在ホットな歴史トピックの議論を読むことができますが、比較的議論が熱いなと思う時代としては今も昔も戦国時代で、逆に人気が下がってきていると思うのは昭和前期と幕末です。昭和前期に関してはこの時代の関係者が亡くなってきており、それに伴い研究者も減ってきていることが原因だと思いますが、幕末に関してはこの時代を取り扱う小説が昔より減ってきているのが理由かなと推測しています。

 一方、全く議論に上がらない時代を上げるとしたら考古学で取り扱う先史時代で、かつてあった邪馬台国論争なんてもはや論争の態を成さないほど誰も議論していません。それどころか、大和王朝に関する話題だったり、日本人の民族的ルーツに関する話も何も見られません。
 これらの時代は元から決して人気であったというわけではないものの、それでも20年くらい前だったらネットに限らず書籍などでもある程度の話題というか議論の主張を見ることはありました。しかし2000年に発覚した旧石器捏造事件によって、多くの遺跡で発掘物が一切の証明能力をなくしたことから、東日本における考古学はその後研究を行うことは実質的に不可能となりました。

 もっともこの事件は日本の考古学が明確に終わるきっかけに過ぎなかったという声もあります。事件以前からも日本考古学会が発表する論文はずさんなものが多く、証拠の管理能力も低かったと言われており、私も専門家でないもののいくつかの発表論文を見ていて疑問に感じる点は少なくありませんでした。

 話を戻すとあの事件をきっかけに、捏造を行った張本人である藤村氏が関わっていない西日本の遺跡はその後も研究が続けられたものの、事件のマイナスイメージもあってか冒頭に述べた通り現在考古学は盛り上がりを見せていません。そもそも考古学自体が異常に金のかかる学問で、景気の悪くなった日本においては研究をサポートするスポンサーどころか、国も若干及び腰になっていることも影響しているように見えます。

 そんな感じで考古学の「こ」の字すら見なくなっていた私ですが、去年に対馬と壱岐島の博物館に行ったときに、かなり久しぶりに発掘物の展示を見ることがありました。どちらの島も日本本土と比べると道路や宅地開発がそこまで激しく行われてなかったこともあったのと、朝鮮半島からわたってきたと思われる出土品が出るなど、比較的良好な発掘地となっているそうです。
 特に壱岐島に関しては比較的平野が多く農耕も行える環境であったことから、当時の住宅の跡地と思われる当たりでまとめて出土品が出るなど、地元も中学生なども呼び集め結構盛んに発掘とか行っていました。

 もっとも、個人的には対馬と壱岐島については地形的に東シナ海における倭寇などの海賊活動の拠点だったと思え、この辺の海賊の歴史についてもっと解説されているのかと思い期は完全スルーで、もっとこの辺を掘り下げた方がいいのにと思ったりしています。

 ただこうした離島ならともかく、日本本土においては今後考古学で何か大きな発見が出るかと言ったら恐らくないんじゃないかと思います。先の捏造事件の影響もさることながら、先史や古代史学会は古事記の記述を無理やり中国の歴史書の記述になぞらえようとするファンタジー作家が異常に多いことなどから、あまりまともに科学的な活動が行われているように見えません。「卑弥呼は〇〇皇后だ」などと、よく根拠もなくああしたこと言えるなと呆れています。

 そうした学会の質の低さから、もし考古学をやりたいっていう人がいるならまず外国語を学び、日本国外で考古学活動をすべきだと思います。ちなみに中国は未開の土地がマジでゴロゴロあり、そこから思わぬ遺物が出てきたりするので結構考古学が盛り上がっています。曹操の墓だって見つかったし。

2023年5月12日金曜日

2027年までに台湾有事が起こる確率

 最近また仕事が忙しくなってきて暴れちゃいそうです。ストレスたまってるのか、まだ作っていないキットあるのにまた別のプラモも買っちゃうし……。っていうか仕事でもずっとキーボード叩いているのに何で家でもまたブログ書くのにまたキーボード叩き続けてるのか意味不明です( ;∀;)
 話は本題ですが米軍は2027年までに大陸の中国が台湾に攻め込む台湾有事が起きると予想していますが、結論から述べると自分は逆に、2027年までは台湾有事が起きる確率はもはやほぼないと楽観視しています。

 まず今回の予想の大前提として、中国が台湾を占領するに当たっては去年の2022年が千載一遇のチャンスの年であったと私は確信しています。このチャンスはそれこそ十年に一度と言っていいほどの奇跡的なもので、準備不足だったとはいえ中国がみすみすこのチャンスを逃したことから、2027年まで台湾有事はもう起きないだろうと自分は予想しています。

 何故2022年が中国にとってのチャンスだったのかというと、言うまでもなくウクライナ戦争の影響です。ロシアに侵攻されたウクライナに対し米国は多大な軍事支援を行った結果、本国においても予備の弾薬が払底する有様でした。そのため仮に去年のうちに中国が台湾に軍事攻撃をかけたとしても、ただでさえウクライナへの支援で手一杯の米国には台湾を支援する余裕はなかったでしょう。下手すれば沖縄にいる在日米軍ですらあまりの備蓄不足により、台湾への攻撃を目の前で眺めるだけとなっていたかもしれません。

 その米軍の弾薬不足状況は今年2023年においても続いてはいるものの、すでに米軍は補充に向け軍需メーカーに発破をかけており、その資金調達のためか日本にもデッドストックとなりつつあったトマホークミサイルを買わせたりしており、少なくとも去年よりは台湾を支援するリソースが整いつつあります。
 またウクライナ情勢についても、ロシアの劣勢がもはや明確となっており、戦闘種類も今後は戦車などが中心となる地上戦に移行していくとみられ、米国の支援の種類や形態もこれまでとは変わってくるでしょう。

 このほかウクライナ戦争の別の影響として、ロシアの威信や影響力の低下もまた、中国が台湾を攻略する上のハードルを上げています。現在戦争中のロシアは中国がある意味支えていますが、台湾有事の際に中国がロシアに期待していたのはまさにこの役割でした。
 しかし今回のウクライナ戦争によりロシアは経済制裁を受けて国際影響力が低下しており、半同盟国だったインドだけでなく、手下のように見ていた東欧諸国にすら距離を置かれる有様です。仮に中国が台湾有事を起こして欧米と関係を悪化した場合、国際社会で中国を支持して支えるだけの影響力はもはやないでしょう。恐らくこれから起こるウクライナの反転攻勢によりますますロシア、そしてプーチンの威信は落ちるとみられ、中国が有事の際に頼れる同盟相手としての役割を果たすことはもはやできないでしょう。ほかに頼れそうなのになるとあとはもう反米同士のイランと北朝鮮だけでしょうが、むしろ足を引っ張る存在になりかねません。

 以上の要素に加え、対中国包囲網が着々と構築されつつあります。先日にインド空軍が日本に来たりもしましたが、それ以上に大きいのは韓国外交の180度転換です。前のムンジェインが極端な左寄りだったのに対し、かわって大統領となった尹大統領は日米との関係を重視してその連携を深めています。

 何気にこれまで台湾有事を分析する上で自分にとっての最大の不確実要素は、韓国がどう出るのかがわからない点でした。ムンジェインの頃であれば確実に台湾が攻められるのを傍観し、在韓米軍に対してもその行動を阻害してくるとみられました。下手したらもっと中国寄りの姿勢を取り、自衛隊や在日米軍に対し露骨な妨害もしてくる可能性も考えられたでしょう。
 しかし新しく大統領となった尹大統領は北朝鮮にも突き放す態度を取り、中国に対しても脅しに屈さぬ態度を見せています。ぶっちゃけ自分からみて韓国としては今の尹大統領の外交方針こそがその利に適うと思え、日米をバックにすることで中国の強請りにもある程度対抗しやすくなると考えています。それ以前に韓国の半導体産業にとっても、TSMC擁する台湾を守る必要性と価値は十分あるでしょう。
 恐らく今の尹大統領がいるうちならば、中国が台湾有事を起こした場合は日米との連携を実現してくれると期待できます。

 その上で想定されるシナリオとしては、中国が台湾のみに攻撃を行う場合、沖縄の在日米軍(場合によっては自衛隊も)が出動して台湾を支援し、この場合は台湾と中国間の海上が主な戦場となるでしょう。
 問題なのは在日米軍が出動する沖縄に対し、中国が攻撃または海上封鎖をしてくるというシナリオです。この場合、確実に自衛隊も台湾防衛戦に参戦することとなり、台湾と沖縄諸島が戦場になってくると思います。

 どちらのシナリオにおいても、韓国がどう動くかは大きなファクターになると思います。一番韓国に期待したいのは中国と韓国に挟まれる黄海における中国軍艦に対する航行妨害で、これがあるかないかで戦況はかなり変わってきます。また中国が沖縄を攻撃して自衛隊が参戦した場合、韓国軍も参戦するか否か、これは文字通りに戦況を左右するだけのファクターでしょう。
 韓国軍が参戦するかという可能性は、その影響力のあまりの大きさから、実際に参戦するかどうかにかかわらず「場合によっては参戦してくる」という可能性そのものだけで、中国に対する大きな抑止力になると断言できます。それだけに今の尹大統領が日米、特に軍事面で強い連帯感を示し、いざとなれば韓国も黙ってないよという姿勢を見せることは、中国に台湾有事を躊躇わせる大きな要因になると思います。

 以上のような分析から、今の尹大統領の任期が切れる2027年まで中国が実際に台湾有事に踏み切る確率は、去年からのロシアの国際的影響力の低下、韓国の外交方針転換を受け、今や大きく低下したと私は考えています。正直、たった1年でこうも状況が変わるのかと思うくらい確率が低下したように見え、それだけに去年、特に韓国大統領選が決まるまでの間のチャンスを中国がみすみす逃したのは、中国に「状況はどんどん悪化している」と意識させ、台湾有事をあきらめさせる上で非常に大きいという気がします。

 無論、ウクライナ戦争の勃発のように予測されなかった事件が起きることで状況がひっくり返り、中国にとってより有利な状況に転んで台湾有事が起きてしまう可能性も十分あり得ます。それだけに今の状況、中国から見て「分が悪い」と感じさせる状況をもっと作り、維持するため努力を払うことは非常に重要です。

 日本においては当事者である台湾との連携を深めるほか、「仮に沖縄の在日米軍基地が攻撃されたら自衛隊はほぼ確実に参戦してくる」という観測を中国に持たせることが何より重要です。台湾のみが攻撃される場合も、公海での中国軍艦の妨害をどこまで行うかはかなり重要になるでしょう。
 また前述の通り、韓国との連携も台湾有事を防ぐ上で非常に重要です。日米韓が台湾防衛に異常にやる気を見せれば中国もまず台湾に手出しできないと予想されるだけに、三ヶ国揃って「俺たちの台湾に何してくれんだ」という姿勢を見せることが、戦争回避のため最も重要だと私は思います。

 なお仮に台湾防衛に韓国が参戦する場合、北朝鮮がどう動くかはやや未知数です。ただこの場合、反対に台湾有事が起きるや韓国軍が北朝鮮に攻撃を仕掛けるというのも、中国にとってはかなり痛いシナリオになってくると私は思います。場合によっては韓国は台湾有事が起きるや北朝鮮攻略を優先して祖国統一に動く方が、中国への妨害という面で価値を持つかもしれません。なおこの構造は冒頭に挙げた「ウクライナ支援に手いっぱいで台湾に手が回せない米国」の立場に今度は中国がなるということを意味しており、中国が逃したチャンスを韓国は逃すべきではないと密かに思います。

2023年5月10日水曜日

名ばかり松戸市民の真実

 このブログではわざわざ記事ラベルまで作ってマッドシティこと松戸市の誰が得するかわからない情報をよく取り上げ、私自身も上海在住の名ばかり松戸市民のように振舞ってきました。これは実際のところ全くの嘘ではなく、実際に中国へセカンドツアーで行く前の約半年間は松戸市役所近くのアパマンに騙された物件で暮らしており、その頃は松戸の生活を堪能していました。
 しかしここで真実を明かすと、実は元々は松戸市民ではなく、大学進学までの18年間を隣の流山市で育っており、ソ連人民の敵であるうちの親父が住んでる実家も流山にあったりします。そういうわけで本当は「上海在住の名ばかり松戸市民(若干は流山市民)」というのが本来あるべき世を忍ぶ仮の姿だったりします。

 なお生まれは流山とは無関係の土地で、そもそも流山には昔産婦人科は一軒もありませんでした。「流山」の字が「りゅうざん」と読めることからどこも作りたがらず、90年代中盤に入って初めて1軒できて、現在は若年世代の夫婦を呼び込むために過去をなかったことにして産婦人科が増えてるとは聞きます。

 話は戻しますが何故流山市で育ったにもかかわらず松戸のことばかり記事に書き続けたのかというと、単純に松戸はマッドシティと呼んだりしてネタにしやすかったからです。ネタにする話題というか場所も松戸にはたくさんあったのに対し、実際に住んでた流山は住民の地元意識の低さもあり、話題というか自分が書きたいと思うようなネタは今現在においても一切ありません。
 そもそも自分の場合、中学から別の市の中学校に進学したため、ただでさえ希薄な流山に対する地元意識がますます薄くなったし、流山在住の友人もかなり限られる、っていうか中学段階でほぼいなくなりました。そのため「ローカルな話題でブログ攻めるか」と考えた際、必然的に松戸のネタを書くようになっていったわけです。

 そもそもこの前書いた記事にもある通り、かつて流山市は北半分は柏市、南半分は松戸市の植民地みたいな状態で、南流山駅の通勤距離内にあったうちの家も、週末はほぼ毎週と言っていいくらい新松戸のダイエーか松戸駅前のDマートにしか行かず、ほかに行くとこねぇのかよとマジで子供の頃思っていました。
 それくらい松戸に対する経済消費的な依存度が南流山は高く、消費体験を通して松戸に対して今も根強い思い出が作られていきました。また中学から学校一緒だったのに何故か仲良くなったのは大学入ってからというリアル松戸市民の友人と地元で落ち合うたびに、松戸にかつてあったお店や今もあるお店の話題が激熱で盛り上がったりしたこともあり、自分でも気づかないうちに松戸に対して自分も愛着を持っていたのかもしれません。

 ただその友人を含め、松戸はそこそこ歴史が長いこともあって住民の地元意識や愛着意識は意外に高いように感じます。このブログでも取り上げたプラモ屋の「わらそう」や家電屋の「おかじま電器」の記事には書いた自分がマジビビるほどコメントが集まっており、自分を含めこうした松戸の過去や現在に興味を抱き続けている人は多い気がします。まぁだからこそ自分も記事化するんだけど。

 その上で現在の松戸について触れると、前の記事にも書いたようにこのところは躍進著しい元植民地の流山が反対に松戸の住民を吸収するようになり、消費者も松戸側から流山への流入が目立ちます。

 もっとも栄えているのは流山おおたかの森あたりで、自分の実家のある南流山エリアも若干吸い取られ気味で、本屋は潰れるわヨーカドーは寂れるわで実は流山市内においても淘汰が起きてたりします。ほかは潰れても気にならないけどヨーカドーには頑張ってほしい。

 話を流山と松戸の関係に戻すと、その松戸側境界に当たる新松戸はマジ見ていて苦しそうに感じます。住宅街はきれいなままですが駅前とかはお店が明らかに減少しているし(よくわからない鳥居のオブジェは元気そうだが)、落ち着いた雰囲気ではあるものの前ほどの活気が見られなくなっています。またこれは松戸中心部ほど顕著ですが、住宅が昭和中期の高度成長期に建てられたものが多く、見る人によっては若干古くなった街のように見えたりします。まぁ実際古いんだけど。

 ただ、松戸は柏と比べると道路網などの都市設計は比較的しっかりしており、古い建物を取り壊しての再開発とかは比較的やりやすい環境にあるのではないかと思います。柏の場合は道路や線路が入り乱れており、再開発しようにもきっとうまくいかないとはっきり思うくらい酷いです。
 もっとも松戸で再開発して入れ物を整えても、新たに住民が入ってくるかと言ったら少し微妙です。このところは高層マンションがよく新築されていますが、その一方で土地が余っている根拠ともいうべき無料駐車場も増えており、伸び悩みともいうべき兆候も示しています。

 以上のように地元民以外には全く共感できない内容ばかり書いていますが、言いたいことをまとめると実際住んでたのは流山ながら、愛着というか地元意識はむしろ松戸に感じたりしているのがこの私ですσ(゚∀゚ )オレ
 そのため仮に今後関東で生活するとなったら、恐らく流山ではなく松戸に居を構えることになると思います。前にもちょっと書いたけど松戸からだと都心に移動しやすく、また空港も羽田、成田のどっちともアクセスがいいので、中国と絡み続ける自分からすると絶好の土地だったりします。ただ松戸駅前は前住んだので、今度は家賃の安い北松戸辺りに住みたいです。でもって自作プラモを並べて「二代目わらそう」を名乗ったりしてみたいです。

2023年5月8日月曜日

中国の露骨過ぎる満足度調査

 連休で休んでいたつもりでしたが何故だか疲労がたまってます。多分4月中の仕事の疲れが気を抜いたところで今出てきているのだと思え、季節の変わり目だし睡眠時間を増やしていきたいこの頃です。
 ちなみに昨日は軽く横になる感じでベッドに入ったらそのまま3時間昼寝し続けました。危うく待ち合わせしていた韓国料理屋に遅れるところでした。

 さてそんな感じで若干疲労気味なため筆も鈍っているので、どうでもいい中国の満足度調査について書きます。

 かなり前にJBpressの記事で書きましたが、中国のアプリをはじめとするアプリサービスは意外とユーザービリティが高く、使ってて不満に感じることは少なく、感じる点もアップデートされていく中で改善されてくことが多いです。ユーザーに不利なバグは修正されない日本のゲーム業界とは大違いだ。
 この点について取材した業界関係者によると、ただ単純に競争が激しいゆえに、ユーザーニーズを汲み取らないと負けるという意識から書くサービス業者は常に改善に取り組んでいるためだそうです。とても社会主義国らしくない勤労ぶりですが、実際にというか中国でネットサービスなどを使っているとユーザー満足度調査への協力を求められることが多く、その調査項目も微に入り細に入ります。

 具体的には、例えば先ほど私が答えたタオパオのアンケート調査だと、先日にパスケース兼財布を購入したためか鞄、バッグ類に関するアンケート調査が送られてきました。尋ねる内容としては注文から商品到着日までの輸送日数や、商品検索時の利便性、あと価格や品質に対する満足度など結構ありました。
 仮にこれがタオパオ商品全体ならまだしも、恐らく前述の通り財布を買った人には財布という、商品ジャンルごとに細かくこれら質問を集計していると思います。この点一つとっても、下手な日系企業よりも回答するユーザーがどれだけいるかわからないものの、ユーザーニーズの調査意欲は高いと断言できます。

 まぁぶっちゃけていうと、日系企業ほどユーザーニーズをなめてかかっているというか、エレキをはじめ逆撫でするようにユーザーニーズと真逆の開発やマーケティングをやる企業が多いと感じますが。

 話を戻すとこうしたアンケート調査は携帯電話の通信キャリアからもしょっちゅう依頼され、元々社会調査を取り扱う社会学専攻だったこともあり、調査側の苦労もわかるだけになるべく答えるようにしています。ただ通信キャリアのアンケートについては多分私が答えなくとも回答が多く集まっていると思えるのですが、その理由というのもい寛容な調査依頼文面だからです。

「現在ユーザー満足度調査をやっており、満足度が低い1から高い10までの数字で、このショートメッセージにあなたの感想を返信ください。なお10と答えた方には無料で追加の通信量をプレゼントしちゃいます

 これマジでいつもこんな風に聞いてきて、実際に「10」と答えると「ご協力ありがとうございます。10と答えてくれたあなたには今月1ギガ分の通信料をプレゼントしまーす(*´▽`*)」と返信してきます。まぁいつも規定通信量余らせているのであんまお得感ないのですが、この結果をもとに奴らキャリアは「ユーザー満足度は驚異の9.99!」などと宣伝するであろうことを考えると、あまりにもやり方が露骨過ぎて逆に好きになっちゃいそうです。
 調査の公正性こそ怪しいものがある、というか怪しさしかありませんが、少なくともユーザーからすればほぼ無料で追加通信量が得られるし、キャリア側も満足度指数を引き上げられるので、まぁWin-Winな構図ではないかと思います。日本の通信キャリアもこういうことやってくれたら、高い通信料据え置きでもユーザーに若干の罪悪心を抱かせて不満を抑えられると思うのですが。

 っていうかこれ書いてて思ったけど、日本のユーザー満足度調査とかかなりなめたものが多いし、そもそもあまり運用していない連中が多いと思います。この辺、製品メーカーにどれだけの頻度でどれだけ回答を集めているか聞いてみたら、結構伸びている企業とそうでないとこで差が出そうな気がします。

2023年5月6日土曜日

松戸、柏、流山の東葛飾三国志

 最近意図的に真面目な記事ばかり書いてきてなんかネタ切れ気味になり、また趣味のプラモ記事でも書こうとした矢先に「あれがあったやん」と思い出したのでそのネタで行きます。

東葛飾地域(Wikipedia)

 上のWikiの記事では「ひがしかつしか」ですが、地元の人間は割と「とうかつ」と呼んだりする不思議な地域名です。対象地域は「葛飾の東」というだけあって東京都葛飾区に接する千葉県北西部ですが、ぶっちゃけ自分が小さいころ育ったのがこのエリアです。
 このエリアは基本的に東京都に勤務する人のベッドタウンで、住民も帰属意識は千葉県というより東京都にあり、千葉市に行った回数よりも東京都内に行った回数の方が絶対的に多い人ばかりです。この辺は山に囲まれ自治体同士が隔絶し合っている岐阜市以外の岐阜県民たちも同じだと聞きます。

 話は戻しますがこの東葛地区、かつては我らが犯罪都市のマッドシティこと松戸と柏が二大主要都市でしたが、近年はこの両市に接する流山市が人口増加率で全国1位になるなど急激に拡大しています。その辺の実態はどうなのかと思い、早速この三市の現在の人口を調べてみました。

松戸市:496,258人
柏市:432,427人
流山市:209,245人

 以上の通り、人口拡大が続いているとはいえ未だに流山市に対し、松戸市も柏市も倍以上の人口となっています。ただこのところ、松戸や柏から流山へ移住する層もいるとされており、私自身の感覚でもかつては両市に寄生していたような流山がこのところは両市の人口を食っているような感じがします。

 元々、流山市とというのはかなり例を見ないほど中心性の低い都市で、市役所のある中央部が何故か一番寂れてて松戸寄りの南側と柏寄りの北側境界部の方に人口が集中するという妙な都市でした。でもって、南側の人たちは松戸へ、北側の人たちは柏へ出かけることが多く、同じ市の人間であっても北と南で生活習慣がまるで違っており、価値観などもかなり相違あった気がします。
 そんな感じで実質的に松戸と柏の延長みたく分断されていた流山ですが、つくばエクスプレスが通るや一転、都内への交通の利便性の高さから急に注目されるようになり、つくばエクスプレスが止まるおおたかの森駅周辺が徐々に流山の中で中心性を持つようになり、前述の通り人口も拡大しています。

 その影響を受けてか、元々市内人口が減少傾向にあり羽振りの悪かった松戸も柏もこの20年で衰退が目立つようになり、百貨店や映画館の閉店はもとより、全体として古臭い街というイメージがもたれるようになってきています。それに対し流山は新興イメージが強く、関東に居を移す人たちからするとやはり流山が目に入ってくるのだと思います。

松戸市:15位
柏市:8位
流山市:4位
(全25自治体)

 見ての通りこの三市の中では松戸がぶっちぎり低いです。まぁマッドシティ松戸だしな。

 ただそんな新興著しい流山ですが、結構目立つウィークポイントも抱えています。はっきり指摘すればそれは教育で、高校数が異常に少なかったりします。具体的な高校数は以下の通りです。

松戸市:11校
柏市:14校
流山市:4校

 人口比率的に極端に少ないわけではないものの、松戸や柏と比べると流山は明確に少ないことがわかります。でもって、流山の高校はどれも偏差値が高い方ではなく、実際に流山市の中学生は卒業後、進学校の多い柏市の高校に通う子供が多いです。
 その柏市ですが東葛地域ナンバーワンの東葛飾高校をはじめ、進学校を多数取り揃えています。松戸はマッドシティなだけに無難な学校は多いものの目だった進学校は少なく、文教レベルでいえば三市の中で柏が群を抜いており、その甲斐あってか予備校も柏駅前に集中しています。

 もっとも、この三市は都内への進学も可能な距離にあるため、本当にできる子は都内の私立進学校に通うパターンの方が多いです。公立高校進学で頭のいい子が東葛飾高校に行くってイメージです。

 最初に書いた通り、この三市はちょうど流山を挟む形で割と密接な経済圏を形成していたりします。三市とも都内勤務者のベッドタウンで共通していて、県庁所在地の千葉市に帰属心を持っていないことで共通していることから、ある意味で住民の価値観の共通水準は高いとみています。
 でもって電車で数駅内の距離にあり、学校も市を跨いで通う子供多いため、私自身もこの三市で一つみたいな感覚を若干持っています。まぁ一番ネタにするのは松戸ですが。

 流山はそれこそかつては松戸、柏に分割された植民地(コロニー)的な立場でしたが、近年は人口拡大が続き、住民もかつてと違って松戸や柏に対し劣等感を抱かず、下手すりゃ優越感すら抱いている有様です。
 なお柏にも「柏の葉キャンパス駅」というつくばエクスプレス路線の駅がありますが、これが微妙に柏中心部と離れており、柏中心部がその恩恵を受けずに衰退が続いているように見えます。

 この三市を見ていて思うこととして、やはり鉄道というのは街の発展で極めて重要な価値を持つのだなという点です。都内中心部に直結という条件こそあるものの、三市の力関係を変動させたのはつくばエクスプレス以外の何物もなく、逆にそれ以前は同じく都内直結の常磐線が松戸、柏で力を発揮しており、都内につながる鉄道がその将来の発展を左右したと言えるでしょう。逆を言えば、市政内容というのは都内周辺都市の発展においてあまり価値を持たない気がします。

 ただ勢いづく流山であるものの、つくばエクスプレスは開業当初より利用客が異常に多く、それにまして近年も増加傾向にあるため、ラッシュ時はマジビビるほどホームは人で溢れています。横浜周辺ほどではないと思うものの普通に通勤するのが嫌になるくらいで、その点でいえば都内への通勤だったら松戸から通った方がいいんじゃないと密かに思っています。まぁ松戸に今後住むかと言ったら多分なさそうだけど。

2023年5月5日金曜日

忘れられつつある岸田総理の襲撃事件犯人

 まだ発生から1ヶ月もしてないですが、和歌山県での岸田総理を狙った襲撃事件についてもはや誰も話題にしなくなっています。まぁぶっちゃけ、ホームランが飛び交った今日の神宮花火大会の方が歴史的にも重要だと私も思いますが。

 同じ政治要人を狙った襲撃事件でも、去年夏の安部元総理の事件とはその後の反響が大きく違うと感じます。もちろん安部元総理の事件では襲撃が成功し狙われた安部元総理が亡くなったのに対し、今年の岸田総理の事件では幸いにも誰一人死傷者が出なかったという点で大きな違いがありますが、それ以上に反響の分かれ目となったのはやはり襲撃者が持つ大義の差にあると感じます。

 襲撃そのものを支持するつもりは全くありませんが、安部元総理の事件に関して犯人ははっきりと統一教会の問題が動機だと述べており、その問題に翻弄された家庭環境などについても後に報じられています。その内容を見た私としては以前にも述べていますが、仮に犯人と同じ立場であればこうした襲撃を企図しなかったか、企図しないまでも実際に統一教会に便宜を図っていたと言える安部元総理に憎悪を抱かなかったかと言えば、そうならないと言い切る自信はありません。
 実際に犯人の境遇に同情心を感じた人は少なくなく、その裁判に対する献金額も相当な額が集まったと聞きます。また事件後の自民党内における統一教会関係者への近すぎる距離に関しては非難も集まり、関連議員らも関係を断つと表明せざるを得なくなるなど、実際に政治的にも社会的にも大きな問題でありながら誰も切り込まなかった点、というより切り込めなかった点に犯人は食い込んだと言えなくもないです。その襲撃は政治目的ではなかったにしろ、皮肉ながら日本の大きな政治的欠陥を是正するきっかけになっています。

 そうした、ある意味で日本の暗部に切り込んだ安部元総理襲撃事件の犯人に対し、岸田総理襲撃事件の犯人に関しては、その襲撃に関して何の大義というか共感も覚えません。報道ベースではいまだこの犯人の動機について報じられていませんが、これは動機に対する憶測や下手な共感が広がることを防ぐためという政治的な報道規制が行われているとの声も出ているものの、単純に誰も興味持ってないという方がより実態に近い気がします。
 事件直後の報道によるとこの犯人は選挙出馬年齢の下限に対して不満を持っており、わざわざ裁判を起こしてまで改正しろと主張していたそうですが、時間が経てば誰でも年齢条件クリアできる点で平等だというのに、こうした主張をするあたりでまともな人物とは到底思えません。実際に事件前の怪しい行動をよくとっていたとのことで、単純にまともな判断力を持たないおかしな人物がおかしな行動に出たという風にしか、この事件については見えません。少なくとも「人を殺すに足る」理由をこの犯人は確実に持っていないでしょう。

 そういう意味では大義とまでは言わなくても、行動に周囲の人も納得するだけの動機があるなら世の中もその行動や犯人の人物像に関心を持つのに対し、そうしたものが一切なく、ただ自分の不満を他人にぶつけようとするだけの浅い価値観の人間に対しては誰も興味を抱かないし、支持もしないのだなというのが両事件の一番大きな差に見えます。以前の記者時代に当時の編集長が革命なり大衆運動なり起こすに当たっては、みんながそりゃそうだと思うような大義がなければ決して成功もしなければ続きもしないと語り、大義なき行動というのは絶対に失敗すると言っていたのを思い出します。

 襲撃や暗殺に大義はあるのかと言えば、少なくともなければその行為は後に否定され、暗殺され側を逆に盛り上げることになるという風に思います。現実にあの事件から岸田政権の支持率は株価みたく反発上昇トレンドを取るようになり、もし今年総選挙が起きて自民党が勝利したらその最大功労者は襲撃事件の犯人とかになりそうです。
 っていうかあの事件以降、若干政権と距離を置き始めていた菅元総理が急に静かになったし。

 以上から、少なくとも大義がないのなら暗殺とか襲撃はやるだけ無駄だし逆効果になるからみんなやめなよというのが自分の意見です。まぁ大義があるならやっていいってわけじゃないですが、大義があるなら実力行使に出る前にもうちょい世論に訴えかけるところから始めてもらいたいものです。

2023年5月3日水曜日

物々しさを感じた対馬


 今更ながら去年の秋、世を忍ぶ仮の姿で対馬を訪れていました。なんで対馬に行ったのかというと、以前に元寇の記事を書いて興味持ったのと、興味がまだ続いている間じゃないともう一生行くことないだろうという予感から、ソ連人民の敵であるうちの親父と行ってきました。
 それにしてもマジでうちの親父はドイツの戦車のプラモはたくさん作るくせに、ソ連製戦車は頑なに作ろうとしません。T-34とか超いいのに。


 島内には上の写真の塔のように、元寇について触れる史跡が残っています。対馬は鎌倉時代の前までは独自の領主を持っていたそうですが、鎌倉時代に入る前後辺りに九州の有力武士であった少弐氏の命で宗氏が派遣され、以降は宗氏が江戸時代まで支配し続けることとなりました。


 その宗氏の名前が歴史の表舞台に出てくるのは言わずと知れた元寇で、当時の宗家当主であった宗助国が対馬で元軍を迎え撃つも多勢に無勢で打ち取られます。この時に宗家の一族は多くが討たれたものの、別の島に避難していた一族は戦後に対馬に戻りその支配を続けたとされています。
 この辺の宗一族のハイライトはJBpressでいつか記事化しようと思っていたのですが、先に連載が終了することとなったので結局書かずじまいでした。なお明治に入ると宗氏は国境最前線の領主で朝鮮外交も仕切っていたことから、石高に比して高い爵位が授与されています。でもって華族としての宗家最後の当主である宗武志は朝鮮王家から嫁を貰っていますが、その嫁は精神病があり後年に離婚し、その後千葉県にある麗澤大学の運営に係わりここの名誉教授にもなって、校歌も彼が作っっています。

 なお写真で見ると宗武志はやたらイケメンです。若干、スワローズの山田選手の面影を感じますが。

 話を戻すとこの時訪れた対馬ですが、思ってた以上にでかい島で、島の南端から北端まで車で行っても2時間くらいかかるほどの大きさでした。ただ平地は少なく、島も山々で区切られているため、トンネルがなかったころは島内に複数の自治体があって別々に運営されていたというのもよくわかる地勢でした。
 また沖縄同様に日本にとって国境最前線でもあることから島内には自衛隊基地が多く、そうした風土からか全体として尚武の精神が島全体に満ちているように感じられ、島内の学校にはやたらどこそこの運動部がとこそこの大会出場などといった横断幕がたくさん垂れ下がっていました。その上で、ゲームの「ゴーストオブツシマ」の影響で観光も盛り上がっているのかと思いきや、そういった観光ムードは一切感じられませんでした。

 まず宿泊施設が島内に少なく、チェーン系ホテルとしては唯一存在する東横INNに旅行客が異常に集中していて、駐車場にすら事欠く有様でした。また飲食店の数も少なく、また平日はケータリングのみで店舗営業していなかったり、夕方5時で閉めてしまうお店も多いなど、観光客向けの対応をしていない店が多い、っていうかしている店がほとんどありませんでした。
 唯一、利用したレンタカー屋のみが「ゴーストオブツシマ」に出てくる地形をまとめたお手製ガイドブックを用意したり、島内のことをいろいろ教えてくれたりと観光客にやさしいお店でしたが、このレンタカー屋を除くと全体的にあまり観光客を歓迎しているようでなく、上記の自衛隊基地と相まって、島全体で物々しさをはっきり感じました。

 なおこの対馬を見に行った後に帰途にあった壱岐島にも寄りましたが、壱岐島の方が博多に近く生きやすいことから釣り客も多く、フェリー乗り場も観光客向け施設が充実しており、まだ観光客を集めようとしているように見えました。まぁ観光客が来ると施設などの整備も大変になるので、歓迎したくないという態度もわからないではないというか、京都の地元の人なんかまさにそんな感じだったりしますので、対馬の雰囲気も理解できます。

 ちなみにこのほかの思い出を語ると途中で経由した博多の街を見て、なんか街中の建物がどれも四角い建物しかないことにビビりました。本当に丸い構築物が見当たらず、何であんな四角いのかって福岡出身の人に聞いてもみんなわかんないと言ってた当たりミステリーです。

2023年5月2日火曜日

古いアルピーヌA110

 本題と関係ないですがこの前英国でとにかく明るい安村が準裸芸が評価されたと中国人の同僚に話したら、「自分が日本にいたころは、小島なんとかが似たような芸してた(´・ω・)」と話してました。中国人の記憶に残るくらい小島よしおは頑張ってたんだなと思うとともに、「あの人未だに同じ芸風を保っているというか常に裸だよ」と教えてあげたらびっくりしてました。


 それで本題はまた自分のプラモ話ですが、今回作ったのはこちら「ルノー・アルピーヌA110」です。


 車について簡単に説明すると、アルピーヌとは昔フランスにあったルノーの車をベースにした改造車を売るカスタムカーメーカーでした。その後、ルノーに法人が買収されて「アルピーヌ」ブランドとしてスポーツカーが売られていましたが、一時ブランドが断絶するという憂き目に遭っています。
 もっとも、その人気は根強かったこともあって近年にブランドが復活され、今回プラモで作ったこのA110と同じ名を冠する新型A110が現在販売されています。特殊なカラーを選ぶだけでオプション料金が75万円も追加されるなど、めちゃ高い車ですが。


 この古い方のA110は半世紀以上前の1963年に発売され、WRC以前の数あるラリー大会で幾度も優勝し、大会によっては1位から3位まで表彰台すべてをこのA110が独占するほどの実績を残しています。アルピーヌと言えばA110と言われるほどで、それが前述のブランド復刻、並びに同盟車種の新発売につながったと言えるでしょう。

隣は前に作ったセリカGT4

上から見るとA110がどんだけ小さいかよくわかる

  ぶっちゃけこの車はプラモ屋で見かけるまでその存在を全く知りませんでした。ただプラモ屋で一目ぼれしたというか、ブルーのボディに四ツ目ランプ+フォグランプという組み合わせがたまらず、すでに買い置きしてあるキットを差し置いて先にこのA110を組み立てるほどでした。
 内装部分はそうでもないけど、外装部分は正面のライトを筆頭に結構手間がかかるキットでしたが、そこまで大きなミスなく完成でき、デカールも割かしきれいに晴れたと思います。でもって機体に違わず満足間の高いキットとなりました。

 それにしても昔の車の小さいこと小さいこと。こんな小さな車でラリーとかやってドライバーは体ぶつけたりしなかったのだろうかとみていて心配になってきます。まぁラリーは小さく車重の軽い車が強いということは、近年のヤリスが証明していますが。

ラスボス感の強い戦車


 この連休中は軍事研究に勤しんでおり、一昨日には上記写真の旧ソ連製戦車であるJS-3(スターリン戦車3号)の模型を作ってました。


 この戦車は前々から作ってみたかったものの、重戦車ということでサイズがでかく、場所を取るため置き場所がないのではと思いなかなか購入に踏み切れていませんでしたが、店舗で実際箱を開けてみたら箱が無駄にでかく、実際のパーツはそんなでかくないことがわかり、最終的に購入に至りました。
 ちなみにJS-3は砲は馬鹿でかいですが車重自体は約45トンと比較的スリムで、ドイツの中戦車であったパンター(約45トン)と同程度です。なおティーガー2は約70トンとこいつだけ桁が違います。


 JS-3の車重が比較的手ごろなのはその極端な傾斜装甲が理由とされています見ての通り、正面装甲は八の字型に溶接されており、ちょうど亀の甲羅みたいな形になっています。正面にくっついているのは予備のキャタピラですが、どう見てもモヒカンがよくつけるトゲトゲ肩パッドのようにしか見えず、ラスボス感を強く感じるデザインです。色的に、デスピサロっぽい。

付属の人形との2ショット、車高はかなり低いのがわかる

正面構図

やや左寄り正面、砲がくそ長いせいで撮影時は構図取るのが難しかった


 組み立てる前もそうでしたが、組立後もこのJS-3はめちゃくちゃ気に入っており、自分はやはり丸い形した戦車が好きなんだろうなということを強く再確認しました。もっともこんな自分探しの結果を知ったところで、後の人生に何かプラスに働くかといったら多分ないでしょうが。
 なお撮影中、スマホカメラのAIからは「食物?」というワードが表示されました。


 前に作った二次大戦後の米戦車ことウォーカーブルドック(真ん中)、二次大戦中の装甲車のグレイハウンド(右端)との比較写真で、こうしてみるとJS-3(左端)のでかさが見えてきます。全長こそ長いものの、車幅は道路上を走行することからウォーカーブルドッグとほぼ全く同じでした。

 今回作ったキットはタミヤのキットで170元(約3400円)して、中国メーカーのトランぺッターのキットだと80元(約1600円)だったのでどっちかうか悩みましたが、多分後で後悔すると思ってタミヤにしました。パーツ数はドイツ系の戦車と比べると目に見えて少なく、サイズがでかいこともあって簡単に組むことができ、多分小学生でも問題なく組めるのではないかと思います。
 パーツ数が少ないのは多分、東側の戦車であんまり取材とかできなかったからかもしれません。

 あと、本当は先代のJS-2も作ってみたくてかなり悩んだのですが、あっちは240元(約4800円)とさらに値段が高かったので、JS-3にすることにしました。いつかJS-2も作る時が来るかもしれません。

2023年5月1日月曜日

中国でバスケ人気が普及した背景


 今日同僚(BL大好き)にプッシュされてこの「長空之王」という映画を見てきました。内容は「トップガン」が意識され、っていうか戦闘機映画で「トップガン」意識しない奴なんていませんが、主人公が搭乗する機体が毎回故障を起こして墜落するので、こいつとは同じ飛行機に乗りたくないと感じさせられる脚本でした。
 映像に関しては戦闘機の飛行シーンは良く撮れているものの、コックピットを映す映像がどれも真正面からしかなく、もう少し角度を変えた撮影も欲しかったところです。なおフランカー(恐らく中国のコードナンバーはJ-16)が飛んでるシーンは、機体が機体なだけにめちゃくちゃ美しいです。

 話は本題ですがまたコメント欄で質問が来たので、中国で何故バスケが人気になったのかについて解説します。

 先日も中国で日本の「スラムダンク」の映画が大好評で、最初のテレビアニメ放映時にどうして人気に火がついたのかについても解説しました。今回はその延長となりますが、中国ではスラムダンクだけでなくバスケットボール自体がスポーツとして圧倒的に高い人気を得ており、恐らく順位的には、

1位 サッカー
2位 バスケットボール
3位 テニス

 みたいな感じじゃないかと思います。卓球については中国人自身も「強いけどそんな人気じゃない(´・ω・)」という人がいます。

 中国でバスケ人気が高まった最初のきっかけは、やはり日本と同じくスラムダンクが火付け役だったと思います。90年代に全国でテレビ放映されて青少年を中心に高い視聴者層を獲得し、何気に私の友人でよく嘘つく上海人も、スラムダンクを見てバスケットボールを当時やっていたと言ってました。
 ただ現代における中国のバスケ人気は、スラムダンクだけによるものではありません。その次に来た、米NBAの試合のテレビ中継放送こそが、最大の要因だと私は睨んでいます。

 日本でNBAの試合が地上波で放送されることはまずなく、見ようってんならインターネット番組やケーブルテレビを契約しないとまず無理でしょう。それが中国の場合、CCTVなどで本場NBAの試合が普通に放映されてたりします。
 これは何もNBAに限らず、サッカーも世界各国のトップリーグの試合が半リアルタイムで放送され、スポーツ観戦好きな人だったらマジ天国みたいな環境です。何故こんなことが可能なのかというと、圧倒的な人口と視聴者数による広告費で、これらトップリーグの版権料を払ったって黒字になっているからだと思います。また政治的にも無色なスポーツの試合中継であれば、外国製番組の放映に関してあれこれ文句付けてくる中国文化規制当局からも認可が得やすく、放映局もこぞって番組を購入して流しているような気もします。

 いつ頃から中国でNBAの試合が放送されるようになったかは自分でも把握していませんが、少なくとも10年くらい前からは当然みたく普通に放映されていました。やはり本場でハイレベルな試合を見せつけられれば見ている人も自然とファンになるというもので、スラムダンクもそうでしたが、一般テレビ放送されるということが中国のバスケ人気を作ったという風に私は見ています。

 なお、仮に今から中国でアメフトなり野球といったまだ人気を得ていないスポーツのトップリーグの試合をテレビ放送した場合、サッカーやバスケみたいな人気が得られるかと言ったら、私は多分得られないと思っています。理由は何故かというと、日本でも同じようにもはや中国でもテレビは最大の娯楽ではなくなっているからです。
 もちろん影響力の強さは未だあるものの、かつては本当にテレビくらいしか娯楽がなかったのに対し、現代ではインターネット、特に動画サイトが高い人気を得ており、テレビを見る時間はかつてと比べると極めて少なくなってきています。またそのネットの視聴対象も個々人によってばらばらで、日本にも同じことが言えますが、誰もが同じ対象をみんなで見るという習慣は今や中国ではほとんどなくっており、趣味嗜好の千差万別化みたいな状況になってきています。

 そういう意味では先日のWBCは近年の日本においては極めて珍しく、かなり久々に幅広い層が同時に視聴、体験したエンターテイメントであったと見れるでしょう。