なお友人の大学時代の指導教授は昭和という時代について「長嶋茂雄」と答えたそうですが、その意はやはり時代を代表するヒーローであったためだそうです。この話を聞いた時はいまいちピンときませんでしたが、今大谷選手を見ていてようやくそういう意味だったのかと思えてくるようになりました。
さてそれで本題に入ると、前述の通り大谷選手はインタビュー時の受け答えが抜群にいいというか、どんだけ粗を探しても落ち度という落ち度が見当たらないほど完璧です。ただ野球選手全員がみんなこういうわけじゃなく、やはり取材時の受け答えには甲乙あり、いくつか気になった選手を以下にまとめます。
1、田中将大選手(マー君)
はっきり言って完璧、というか大谷選手よりも受け答えに関しては上だと思います。とにもかくにも礼儀正しい上に発言が謙虚この上なく、また誰かを批判するような発言も一切聞かれません。やはりプロ一年目に野村監督にこの辺しっかりしごかれていたのかもしれません。オコエもそういう人がいればな。
ただどんだけ年齢重ねても「マー君」呼ばわりされるのは内心どうかなと思う節があります。「マーさん」にランクアップしてもいいような。
2、松井秀喜元選手
ある意味でマー君以上の受け答えだったのが松井氏でしょう。確か米国の記者投票でも取材対応のいい選手でトップに入ったこともあり、どんだけ成績が不振でも必ず試合後にインタビューに答え、また自分の苦しい状況に関しても誰かを批判したりすることなく自分に責任があると言い訳せずに答え続けるなど、落ち着きという面ではぴか一でした。この辺は間違いなく親御さんの教育の賜物だと思え、特に巨人での優勝パレード後に浮かれた姿を見せた際、すぐに一喝が飛んできたというエピソードからしてもしっかりしたおうちなんだと思います。
まぁそれ以上に、甲子園での敬遠事件に関しても一切批判しない点でも頭抜けていましたが。
3、イチロー元選手
はっきり言って取材対応は悪い方でしょう。クールそうに見えて割と感情がはっきり顔に出るタイプであり、またうれしい時はやたら饒舌になり、不機嫌なときは本当に人を小馬鹿にしたような態度を取ることがあり、落差が激しい人でした。
なんとなく見ていて、記者を値踏みするところがあり、ちゃんと知識持った人には敬意を払うけどそうじゃない人はもう本気で馬鹿にしようとするところがあった気がします。雑誌インタビューを見るとその片鱗が見え、専門的な質問には熱心に答えようとしているのですが、上記の松井氏と対照的に嫌なものに対する嫌悪感を露骨に出す癖はもう少し直した方が良かったのではと今でも思ってます。
4、野茂英雄元選手
取材対応の善し悪し以前に明らかにマスコミ嫌いでそもそもインタビューにも応じることも多くありませんでした。ただ野茂氏がマスコミ嫌いとなった理由は十分理解でき、この辺に関しては自分も同情し、ああした態度になるのも仕方ないと考えています。プライベートでは饒舌で面白い人だと聞くので、一回会ってみたい人なのですが。
5、新庄剛志元選手
マスコミにとって多分一番助かる人だと思います。というのも読者や視聴者を盛り上げる発言を自分からパフォーマンスとともにやってくれるので、メディアからすれば神様みたいな人でしょう。ただ彼の場合、盛り上げるだけでなく他のチームメイトも持ち上げるなどやはり周囲を慮って発言していたように見え、自分勝手ではなく非常に献身的な性格の人だったと考えています。
6、松坂大輔元選手
この記事書くきっかけになった人。はっきり言えばこの人の取材時の対応は好きでなく、というのも発言にはっきりと驕り高ぶりが見られたからです。それでも成績上げている時は良かったものの、プロリハビラーとなってからは何かにつけて言い訳がましいことを発言し、球団などに対する感謝の言葉もあまり聞かれませんでした。っていうかソフトバンクには足を向けて寝るべきじゃない。
7、斎藤佑樹選手
最悪の一言に尽きます。驕り高ぶりが激しいだけでなく「課題を見つけたから問題ない」といって何も成績上げないまま年齢を重ね続けています。彼の場合はさらにチームに対する発言もほぼ皆無で、チームメイトからも距離置かれているという話も納得できます。
真面目に日ハムはリハビリやらせる前に取材対応をきちんと教えておくべきだったでしょう。それさえしっかりやっておけば球団側の人間として残すことも可能だったでしょうが、今のままでコーチとかやらせたらとんでもない舌禍事件を起こしそうです。
8、赤星、藤川元選手
人気球団阪神のスター選手二人ですが、この二人は非常に取材時の受け答えが良かった印象があります。どちらも責任感が強いのとチームメイトに対する感謝の意識がはっきり出るタイプで、新庄氏みたいに面白いことを言うわけではないものの、インタビューに対して率先的に応じて球団を引っ張っていたように見えました。
ただ赤星氏は時たまカッとなることがあり、有名な「入ってねーんだよこの野郎事件」なんか典型です。この前の矢野感得といい、やはり阪神の選手は血の気が多い気がする。
一方、藤川元選手は要所でチームメイトを庇う発言があり、マートンの「ノウミサン」発言の時も「俺もノウミサン嫌いだよ」と冗談言ったり、また優勝を間際で逃したシーズンの終盤で涙ながらに「選手も頑張っているから批判しないでほしい」というなど、割と熱いスピリット感じます。解説者としても評判がいいので今後も楽しみな人です。
9、原監督
顔芸の王。インタビューどころか写真だけで充分なニュース価値を持つことが多く、トークはもはや不要なんじゃないかとすら思います。もっとも、こんだけ顔芸が多いというのは普段から身振り手振りなど視覚で相手に訴えかけるコミュニケーションが多いのだと思え、これは多分外国人選手らには凄くいいんじゃないかと思います。
インタビューに関しては硬軟を織り交ぜるというか、選手を叱咤するべき時はしっかり叱咤し、必要なときにはフォローに回るなどその監督としての手腕通りに指導者として見事だと感じます。一時はナベツネに目をつけられて可哀想でしたが、ナベツネが弱ってよかったなと本当に思える人です。
10、ダルビッシュ
ぶっちゃけ、チャラそうな発言とは裏腹にかなり考えて発言を選んでいるように思え、かつての江夏氏を彷彿させるように裏IQの高い人のように見えます。その発言は他の選手個人に関してより球界全体に対するものが多く、この点だけでも他の人とは違った視点で発言していることが窺えます。
まぁでもオフシーズンは自分から見てもややゲームやり過ぎで、ゲームのことばっかしゃべり過ぎじゃないかと思いますが。