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2021年2月10日水曜日

連続ドラマに使えそうな偉人

 よく一人で日本人に会った時に適当にごまかすための職業をよく考えることが多く、つい昨日も「中国で空飛ぶアッシマーを作る仕事」などを思いつき、「飛ばないアッシマーはただのアッシマーがー」などとぼやいていたら、


 というニュースが来て、一人でビビってました。ちなみにその前に思いついたのは「ジム2アサルトバスターの研究開発職」でした。

 話は本題ですが、またこの前JBpressで出したような歴史人物の評価転換をテーマに書いてみようかななどといろいろ考えている最中、最近になって徳川吉宗の評価が年々落ちてきていることが気になってきました。江戸幕府の組織構造改革自体は一定の成功を収めたものの、肝心の財政再建についてはただ増税しただけで、根本的な解決には導いていないことなどが指摘されるようになり、その次の田沼意次と比較して過大評価だとする声をよく目にするようになりました。まぁ私も同感だけど。

 こうした吉宗の評価下落は歴史検証が進んできたこともさることながら、暴れん坊将軍の放送がなされなくなり、現代日本人の親近感が落ちてきていることも影響している気がします。逆を言えば水戸黄門と言い、連続ドラマになったらその人の人気はある程度上がると見込まれ、この二人のように連続ドラマで使えそうな偉人、それも史実をガン無視した内容でできそうなのは他にいないかなと少し考えてみました。

 パッと思い浮かぶのだと松尾芭蕉で、この人なんか全国回っているから水戸黄門っぽい話は簡単にできそうだし、また伊賀出身だから無理やりに忍者説とかも出ているので、その辺も組み合わせて連続ドラマ化はかなり余裕そうです。
 次に安土桃山時代に限定して選ぶとしたら、細川忠興が自分の中で上がってきます。美人の奥さんに頭が上がらない一方、ちょっとしたことですぐキレて人を殺しまくるのが史実ですから、ドタバタアクション活劇なんか意外と向いているキャラな気がします。そもそも茶人としての側面もあり、キャラ的に立つ要素が多いです。

 続いて明治時代で選ぶとしたら、ダントツで森鴎外がいいと思います。文人以前に軍人であることもさることながら、極度の甘党であったなどエピソードに事欠きません。それこそドイツでゲルマン忍法を覚えてきて、軍医の傍ら東京都内の不逞な輩を成敗する系の話ならどんと来いって感じです。敵役は山縣有朋とかになるのかな。となると支援者は児玉源太郎と乃木大将になりますが、乃木大将はドイツ留学でも一緒だったし割といいキャスティング。

 こうやっていくつか出しましたが、やはり暴れん坊将軍の大岡越前のように、主役のみならず脇を固める偉人がいるかどうかがやはり重要な気がします。そうした人物配置を上手くすることでかえってノンフィクションな部分が際立つ気がします。

 なおなんでこんな記事いきなり書き始めたのかというと、昨日スパロボα外伝の戦闘シーンを見直してて、改めてヴァルシオーネの動きがオーパーツ的なまでに激しく動くのを見て何故か調べなおし、パイロットのリューネ・ゾルダーグが時代劇好きというプロフィールを見てなんか思いつきました。スパロボはOGシリーズはやったことないけどなんか興味出てきた

2021年2月9日火曜日

文化人が減りゆく日本

 日本のテレビとか見ていないで言うのもなんですが、やはり昔と比べると文化人気取りの芸能人は前から多かったですが、文化人を気取る芸人がやたら増えたなという気がします。背景としてはやはり、映画監督としても成功を収めその発言が注目されることも多い北野武氏の影響が大きいと思います。
 もっとも、北野氏のようになろうとして映画を作り続けたダウンタウンの松本人志氏は、さすがに何度かのチャレンジを経て才能の限界にようやく気づいてくれたか、ここ数年は映画の「え」の字すら言わなくなりましたが。でもって前と比べると文化人気取りがやや鳴りを潜め、前より芸に磨きかかっている気もしないでもないです。

 話を少し戻すと、一体何故芸人が文化人を気取ろうとするのかというと、単純に文化人の方が各上だと考えているからでしょう。芸人として一定の成功を収め、今度は文化人としてさらに世間への影響力を高めたい、ひいては北野氏みたいな大物になりたいという欲から政治や社会への発言を増やす芸人がよく見られるものの、所詮は功名心に突き動かされての行動であり、その発言には一貫性もなければ確固たるバックボーンもないだけに、自らの無教養を晒すだけの結果になっている人も少なくない気がします。
 個人的に北野氏がそうした文化人になろうとする芸人と異なっている点は、あくまで「芸人としてこう思うんだけど」という風に、芸人としての角度を維持して発言している点だと思います。その上で、芸人としての角度が不要な議論には敢えて何も言わないなど発言する内容かどうかをきちんと分けているように見えます。他の芸人はやはり功名心から自分のわかる問題にやたらと首突っ込んで発言するだけに、この点で明確にその差がはっきり出ます。

 という具合で文化人について少し考えたのですが、改めて見てみると最近日本でオピニオンリーダーと言えるような文化人が減ってきている気がします。それこそ司馬遼太郎のような作家を本職とする文化人なんて皆無に近いし、そのほかの哲学家、思想家に至っても、パッと浮かぶのだと東浩紀氏がいますが、昭和とかと比べるとなんか随分少ないなという印象を覚えます。
 この辺の文化人論争はやはりオウム事件以前と以後で大きく変わるところがあります。ただそれを考慮しても、現代はこうした思想や概念面、国際意識などで集団を形成するような潮流がほとんど見られなくなりました。経済学も2000年代までは前に私が取り上げたグローバル化VSアンチグローバル化の対立があったものの、リーマンショックでこの論争がある程度ケリがついたこともあって、今やかつての保護貿易主義が世界で一般化しつつあるので、日本に限ったわけじゃないかもしれません。

 文化人が少なければどうなるのか。はっきり言ってこの辺は出たとこ勝負な感じもしますが、私自身としてはやはり心もとない気がします。個別化という言葉で片づければ楽なもんですが、やはり集団という概念が非常に薄まっているというか、人類における最小手段単位の家族ですらなんか日本では揺らいできている気がします。まだ「ホウセイイズフレンド」の方がつながりを感じるというか。
 このほかついでに書くと、投資先がないからマネーが集まるのは理解できるものの、このところの株価の異常な高騰ぶりには懸念をはっきり感じます。今年は恐らくあんまもめ事ない気がしますが、来年とか何か起こるかもしれません。

先日の日曜出勤について

 中国は木曜日から春節休暇に入るのですが、1週間連続の連休とするため、何故か前後の土日のどちらかが国指定で出勤日設定されています。そのせいで7日の日曜日は出勤日で、私も普通に会社行って仕事してきました。

 ここだけの話、何も仕事なければ有休使って休もうと思っていたのですが、春節間際の駆け込み需要のせいでいろいろと対応する案件が多く、結局フルに出勤する羽目となりました。しかも当日になって「これ明日までにお願い(/・ω・)/」と緊急案件振られ、めっちゃ時間のプレッシャー感じながら作業する羽目となりました。
 さらに同僚のご機嫌取りのために昼食に誘って四川料理屋に行ったところ、割と辛めの料理頼んで、同僚があんま食べないもんだから自分が多めに食べたら夜になっておなか下し、リアルに30分くらいトイレに籠る羽目となりました。マスク拒否おじさんじゃあるまいし。

 そんな感じでいろいろあって、なんか久々に長々と残業する羽目となりました。本来この時期は閑散期であるはずだというのに。帰宅は10時前となり、おなか下したせいで夕食も食べる気起きずそのまますぐ寝てまた今日仕事行きましたが、やはり体力的にフラフラで、あまり集中できませんでした。
 幸い、日曜に振られた緊急案件は無事処理できたので、明日は午前に半休を取ってゆっくり寝てから出勤する予定です。なお今夜は同僚に中国自動車市場の解説を頼まれ、9時過ぎまで喫茶店で粘ってあれやこれや話してたので、今日も帰宅は10時過ぎでした。まぁ明日は朝寝てられるからいいけど。

 それにしても中国でおなか下したのもかなり久しぶりです。最近は昔と比べて裕福になり、あんま安い店に行かなくなったことがでかい気がしますが。

2021年2月5日金曜日

私大の一般入学者率データについて

 今日はサブウェイでご飯食べた後、物足りないから自宅で買っておいたカップヌードルビーフカレー味を食べましたが、控えめに言ってもまずかった。なんていうか薄めたカレー汁に面を入れただけにしか思えませんでした。まずかった上に、なんか無駄に喉が渇く。


  それで本題ですが、前々から気になっていたものの具体的なデータに触れることのなかった私大の一般入学者比率、裏を返せば内部進学など無試験進学比率のデータがまとめられている掲示板を見つけて、昨夜友人と盛り上がっていました。そのデータを早速引用すると、

私立大学一般入学者割合(2019)

明治大学 69.9%
東京理科大学 68.5%
立命館大学 60.9%
青山学院大学 59.7%
法政大学 58.5%
慶應義塾大学 56.3%
早稲田大学 55.8%
中央大学 55.5%
同志社大学 51.8%
関西大学 51.1%
学習院大学 46.2%
上智大学 44.5%
関西学院大学 36.6%

 一目見て驚いたのはトップの明治大学で、受験者数が多い大学ということもあってかリストアップされた中で堂々のトップを張っています。ぶっちゃけ大手私大はどこも内部進学率が5割程度あると思っていたので、一般入学者比率や約7割というのはマジびっくりです。もっともその次の東京理科大は逆に、十分高いけどもっと高いのではと当初思っていました。

 その次に、めちゃくちゃ納得したのは上智大学です。この大学の人には悪いですが、あまり上智出身でこれはと思う人物に私は会ったことがありません。上智のブランド力が低い関西地域で学生時代を過ごしたこともあるでしょうが、なんでこの大学が世間で持て囃されるのかは実は疑問に感じるところが多いです。

 でもって最後、っていうかドベの関学ですが、実は以前から最近の関学の凋落ぶりは目に余るという話を薄々聞いていました。とはいえ大学入試データを見るとそこまで入試難度(偏差値)は落ちていなかったので一体どうしてそのように言われるのだろうと思っていたのですが、今回このデータを見てひどく合点がいきました。っていうか一般入学者が1/3しかいないってヤバイを通り越した水準にある気がします。

 逆にこういうのを見ると、小さくてもいいから国公立大学の方がまともであるようにも見えてきます。まぁ自分も関西私大出身ですが、真面目に一般入学者比率は最低でも6割以上はキープするようしてもらいたいものです。

2021年2月4日木曜日

自分の趣味一覧

 昨日も記事に書いたけど今日も失言飛ばしまくった森喜朗は見ていてわざと東京五輪をぶっ潰そうと活動してんじゃないかとすら思いました。個人的には下の臼北氏がJBpressに寄せた記事に書かれている通り、ボランティアの辞退が相次ぐことが影響としては一番大きい気がします。
 ってかJBpressはほんといい記事増えたなぁ、昔と比べて(;´・ω・)


 それで本題ですが、上記の問題を始め別に書くことがないわけじゃないものの、なんか書いてて楽しい趣味の話でも書こうかなと思ったところ、自分の趣味一覧を書くことにしました。

・歴史
・コラム執筆、文章表現
・ソリティア(現在レベル185)
・窓ふき
・プラモ組立て
・相撲(最近はあんま見ないけど)
・野球
・サイクリング
・ゲーム(最近はずっとPCゲーム)
・中国語(趣味というか仕事)
・戦闘機
・漫画(きめつはまだ読んでないけど)
・陶器集め(特にカップと茶碗)
・ノートパソコンの値段比較
・政治談議

 パッと浮かぶのはこんなもんです。なんか以前と比べると減っている気はします。
 改めて眺めてみると大学時代に野球と相撲を見始めるなどスポーツ系趣味が出来たのに対し、社会人になってからどうしてプラモとかミリタリーやり始めたのかがかなりミステリーです。自転車もロードバイクに本格的に乗り始めたのは6年前だし。

 あと個人的な実感で話すと、近年新たな趣味を発掘していませんが、それは恐らくそうした刺激を与える人間となかなか巡り合わないせいだと思います。やはりこの辺は出会いが物を言うというか、そうした趣味を持つ人間と接触するか否かが要素としては何よりもでかい気がします。仕事が前と比べると負担でかくなってるし、また上海の日本人社会でもあんまり人脈広げないようにしていることもあって、ちょっと広がりが亡くなっている気がします。

 一方で既存趣味のプラモとかは最初作り始めたころと比べると随分細かいパーツも余裕でくみ上げられるようになり、自分でも技術の向上をはっきり感じます。また歴史に関しても、メジャーなところはかねてからカバーしてましたが、先日についに五胡十六国時代にチャレンジするなど、かなり奥深い内容までマジで一人で調べ始めるなどますます深まっています。もっとも西洋史は最近刺激が少ないせいか、なんかあまり手を付けてない気がします。

 このほかだと陶器集めは去年は全然日本帰れなくて全然新しい道具買えずじまいでした。一応、上海高島屋でも日本の陶器を扱っててたまにもの慰みとばかりに眺めに行きますが、やはりできることなら日本でその筋の店をじっくり眺めたいところです。

 もっとも陶器というのは買わないでいるとストレスがたまるので、周囲の人への贈答用として上海高島屋で買ったりすることがあります。その際に実はこの前失敗したことがあり、コーヒーとかと相性のよさそうな鈍い土色したマグカップを見つけ、一目で気に入ったので誰かにあげる前提ですかさず購入しました。
 買った後で誰にあげるかを思案したところ、よく一緒に仕事している若い中国人女性の同僚のご機嫌を最近取ってなかったと思い出し、その子にあげることにして昼飯の時に「いつもお疲れ様(・∀・)」的にあげたら、

「あ、ありがとうございます(;´・ω・)」

 と、かなりはっきりと微妙な顔を見せられました。
 一体何故かというとその昼食後、同席した別の日本人の同僚に、「あのマグカップ、確かにいい物だと思うけど、明らかにオッサン好みで若い女の子にはきついと思うよ」と言われました。自分もあげた後になって、その事実に気が付きました。

 ちなみにそのマグカップ、やはりオッサン好みなのか別の上海人男性の友人に写真見せたところ、「めっちゃええやん!(・∀・)」とこっちは一目で気に入って、まだあげると一言も言ってないのに「早くちょうだい」とも言ってきました。最終的には買ってあげましたが。
 このエピソードを別の中国人女性の同僚に話したところ、「女の子だったらスタバのマグカップあげるのが一番いいよ(´・ω・)」とアドバイス受けました。ぶっちゃけスタバ嫌いなので個人的には納得いかないものもありますが、ちゃんと相手の立場に立ってこれから若い女の子になんかお土産も足すときはスタバで買おうと思います。

2021年2月3日水曜日

菅総理長男の官僚接待報道について

 結論から書くと、次は5月くらいかなと予想します。

菅首相の長男 総務省幹部を違法接待【決定的瞬間をスクープ撮】(文春オンライン)

 よくもまぁこの情報と写真を撮ってきたものだと文春に対し素直に尊敬心を覚えます。朝日新聞も恥をかなぐり捨ててほぼそのまんまな引用記事を出しているあたり、新聞社を遥かに凌駕する取材力を今回発揮したと言えるでしょう。

 報道内容については記事を見てもらえばいいだけなので詳しく語りませんが、一読して感じたのは「親孝行な息子さんだな」という感想でした。というのも向いていない仕事について苦労しているお父さんを、その仕事から開放してあげてるからです。
 断言してもいいですがもうこれで菅政権は終わりでしょう。たとえこれからどれだけ頑張って功績を上げたとしても、年内には総辞職に追い込まれ新しい首相が発生すると予想します。まぁ選挙に関しては新しい総理がうまくハネムーン期間に乗っかれば意外と何とかなるものですが、やれるとしたら夏から秋のコロナ少なめシーズンしかないでしょう。

 個人的に気になった点を挙げると、接待が行われたのは去年の10月から12月にかけてのことですが、報道された今日は2月です。裏取りなどに時間がかかったのではとは思いますが、恐らくは敢えて狙ってこのタイミング、具体的には改正感染症法の成立を文春は待ったのではないかと思います。そこそこ重要な法案でもあり、きちんと成立まで待ってあげた文春に菅総理はちゃんとお礼を言うべきだと思います。
 ただこの法律、報道でも指摘されていますが入院拒否したら罰則とあるのに、入院したくてもできない人が多い現状を考えると実に空気を読まない法律だと成立したてながら思います。それこそ去年の今の段階であれば話は違いましたが、何故ここである意味神経を逆なでするような改正をやってしまうのか、やはりそういう意味では菅総理には向いていない仕事だったのかもしれません。

 それにしても森喜朗といい、一般党員投票を省いて就任する総理ってのはみんな揃いも揃って空気の読めない人ばかりです。恐らくこれに懲りて次は一般党員投票は行われるでしょう。
 その森喜朗は文春以上にタイミングをうまく合わせてきているのではと思うくらい、絶妙なタイミングでまた失言をかましました。なんか今日は本当に政治ニュース多いとちょっとびっくりです。

 なんとなくですが、先週あたりからようやく菅総理は状況が呑み込めてきて、コロナ対策に関しては比較的真面目に対策して、低めに対応するよう心掛けるようになってきましたが、まぁ時既に遅しでしたね。そもそもなんでそういう風に態度を翻したのかというと、はっきり言えば羽田議員がコロナでなくなったからだと思え、他人事だと感じなくなったからだと推測しています。二階幹事長もあのタイミングから急に態度変わったし。
 逆を言えばそれまではコロナについてやはり他人事だと、自分たちとは違う世界にいる国民で蔓延している問題と見ていた節があります。はっきり言えば今の発言などからも、そうした国民との一体感のなさ強く感じるほどです。自分は内心、空気を読むことを強制する人や社会をいいとは思っていませんが、政治家でありながら世論を読めないというのはやはり向いていないと言わざるを得ません。

 菅総理自体、政策よりも党運営方面で生きて来た人間でもあり、沿って井出はそこそこ私は評価していましたが、やはり総理には向いていなかったのでしょう。今回は馬鹿息子のせいで( ´Д`)ノ~バイバイですが、下手に長くやるよりかはかえって踏ん切りついて、彼のためにも良かったのかもしれません。

2021年2月1日月曜日

宏光MINI記事の裏側


 「次号は休載」と予告したのに何故か普通に掲載してくることのある「彼岸島」が読めるヤンマガ的な隔週の私の記事紹介ですが、今回は四半期ごとに出している自動車業界の統計記事です。JBpressサイト内のランキングでは1日を通して3位前後を維持するなどアクセス面でも検討している節がありますが、地味に経済記事できちんとアクセス稼げたのは久々だったりします。

 さてその記事内容ですが、一応全体としては中国自動車業界の2020年統計を振り返る内容となっていますが、主役はやはり見出しにも書いた中国の超低価格EVこと「宏光MINI」です。この車の何がいいかって、「ひろみつ」と入力するときちんと「宏光」に変換されるので記事が書きやすいって点です。マジで。

 それはともかくとしてこの宏光MINI、実は単独でも記事化しようかと考えたことがありました。しかしどうせ時期的にも統計記事が出せるタイミングだったのでこうしてまとめて一括にして書いたわけですが、結果的には統計内容にいい塩梅のスパイス的要素になり、記事全体が締まった感じが出てきたので、こういう風な記事構成にして結果的には正解でした。
 なおそうした記事構成からやはり宏光MINIの写真は絶対必要でした。なので写真撮ろうと思い、路上とかで見かけた奴じゃなくちゃんとディーラー店言って撮ろうと思って地図探したら、上汽五菱通用のディーラー店はやたら辺鄙なところにしかなく、自転車で片道1時間かけて撮影する羽目となりました。ちょうど体力的に弱ってた頃で、近くに大江戸温泉もあったことからそのまま風呂入ってからその日は帰りました。

 今回この記事のヤフコメを見ると、自分でも意外だったのですが思ってた以上に中国自動車業界に詳しい方々からこの宏光MINIに関するコメント、それも大半がそのポテンシャルを認めるというコメントが多く集まりました。大半のコメントが見応えがあり、日本電産トップ陣がこの車についてコメントしていたことも恥ずかしながら初めて知りました。
 実際にというか、この宏光MINIは真面目に凄い車だと思います。中国の自主ブランド車種としては多分私が見た中でこれまでで一番驚いたというか凄さを感じた車で、はっきり言えばその衝撃はテスラのモデルSとかよりもずっと大きかったです。

 この車の第一印象としては記事にも書いている通り、「自動車」というより「電動バイクのハイグレード版」というイメージでした。自動車としては最低グレードにおいてはエアコンもないという貧相ぶりですが、電動バイクとしてみたら屋根があって雨に濡れない、冬場はヒーターがある、同乗者も荷物も載せられるというプレミアムが付き、価格的にも頑張れば電動バイク通勤者にも手が届く値段です。これは言い返せば、従来自動車を買おうとしなかった層が買えるし欲しがる車となりうるということで、新規顧客層と市場を一気に切り拓くような車だと直感的に感じました。
 実際に記事にも書いている通り現在この車は馬鹿売れしており、価格こそ低いものの、これだけ量が吐ければスケールメリットも十分狙えるようになるだけに、開発者及び経営者の目の付け所というか市場のポジショニングの取り方にははっきりと舌を巻きました。

 それ以上にこの車については、何度も書いていますが最低グレードにはエアコンに冷房機能は乗っていませんが、4千元(約6.5万円)上乗せした真ん中のグレードになると冷房機能がつくようになります。なら冷房機能を全グレード標準搭載にすればよかったのではと正直私も最初思いましたが、逆を言えば、メーカーは冷房機能のないグレードを設けてまでも値段を下げようとしたということになり、この辺に開発者のコストダウンに対する物凄い執念を感じます。
 そもそも冷房の有無以前にこの車はEVでありながら50万円を切るという恐ろしい低価格です。どっかの解説で見ましたが、日系メーカーはこの車と同じ装備のEVは作ろうと思えば作れるが、この価格と同じEVは絶対に作れないという指摘があり、その点を取ってみればコストダウン技術で中国メーカーは日系を既に遥かに凌駕しているということになります。高性能な車を作れることは技術的に必ずしも高くないということを上手く示している車であるようにも思え、真面目に私も恐れ入る車です。

 最後にヤフコメで気になったコメントを一つ挙げると、

「最近、衰えてきた母に買い物用として原1か原2のEVを買おうとしたのですが、買い物袋を下げることやちょっとした登坂を考えると、残念ながらマッチするものがありませんでした。
このMINI EVなら雨風凌げて、坂でも問題なく、荷物もゆったり置けて良さそう。夏場はファラリスの雄牛みたいになるかもですが。

 この最後の「ファラリスの雄牛」の引用の仕方が絶妙で、このコメント主にはすさまじいセンスを密かに覚えました。自分もどっかで使ってみよう。