昨夜、例のアデランスのMBO実施のニュースについていたYahooのコメントに「ハゲタカファンドが絡んでいるかも」という秀逸なツッコミを紹介したところ友人から、「ハゲネタかなり好きでしょ」と言われました。
話は本題に入りますがあまり世間でこうした分析が出ていないので敢えて私から言うことにしますが、北朝鮮が現在最も憎んでいる相手は日本でも、韓国でも、米国でもなく中国であると私は見ています。一体何故かというと、一言でいえば中国が北朝鮮を援助しているからです。
以前に塩野七生氏のコラムで、「米国が嫌われる理由のその大半は嫉妬からである」という伝聞での指摘が紹介されていましたが、これは実に正鵠を得た意見であると現在でも考えています。世界の富を占有しているとか他国の紛争に介入するとかいろいろ理由はつけられていますが、突き詰めれば世界で一番裕福であるということが憎まれる根源的な理由であり他は別に大したことはありません。その上で塩野氏は同じコラムで、「ODAを散々配っておきながら中韓から嫌われる日本も一考の余地がある」と指摘しており、実に塩野氏らしい鋭いツッコミがなされていました。
話は北朝鮮に戻しますが、どうもこの国の行動を見ているとほかのどこよりも中国に対する憎悪が強いように思えてなりません。具体的に言えばこのところのミサイル、核実験の実施日で、中国の国会に当たる全人代や先日、浙江省杭州市で行われたG20の開催中に行われていますが、中国が国家の威信をかけて仕切っているイベントにぶつけており、実際にG20では本来の議論と並行して北朝鮮問題の対応に各国首脳は追われることとなり、これほど腹立つ嫌がらせはそうそうないでしょう。
ではどうして北朝鮮は中国を憎むようになったのかですが、金正恩が単純に中国嫌いだと言えば片付きそうですがもう少し分析するとやはり先程に説明した米国への憎悪の様に、北朝鮮が中国から多大な支援を受けていることが原因のように思えてなりません。一見すると中国が北朝鮮に便宜を図っているため恩を感じてもいい所ですが、日本から中国へのODAの様に、案外こういう物ってお金や物資を受け取る側からしたら素直に感謝する気持ちよりも、「金持ちだからって上から目線で物恵みやがって……」という、嫉妬に根差したやや理不尽な憎悪を覚える傾向の方が強い気がします。特に北朝鮮は中国からの支援に大きく依存しており、実質的に中国が生殺与奪権を握っているということもプライドの高い北朝鮮政府からしたら我慢ならないのかもしれません。
こうした見方はかねてより抱いていたため、今年に中朝国境にある丹東を訪れた際に私はそばの友人に対して、
「もし北朝鮮が戦争で滅ぶとしたら、この場所から軍隊が北朝鮮領内へ入るだろう。それが米軍か中国軍かロシア軍かはわからんがね」
という予言を行っていました。まぁ実際問題として、南側の板門店から侵攻することはソウルから近すぎるためほぼないとは思います。
おまけ
今日ここで書いたように国際援助というのは与えた金額や物資量が大きかったりすると案外、感謝よりも嫉妬を受ける可能性が高いため、支援のやり方というのは意外としっかり考えないといけないものです。一番ベストな支援方法としては災害時の救助、物資支援で、これは確実に恨まれることもなく強く感謝され、後々まで語り継がれます。あのっていっちゃなんですが、中国でも時々成都大地震の際の日本の災害支援に言及し、中国人自身もよく覚えています。
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