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2020年12月16日水曜日

未だビジョンなき日本

 昨夜この動画を見て、最初に出てくる豆腐の声によく似た後輩のことを思い出してました。っていうかカプコンはわざわざ声を新録するために退社した従業員を改めて呼びつけたあたり、よくわかってる気がします。マジあの音声は唯一無二。

 話は本題ですが、年末年始に編集部困らせるのもなんだし、自分も楽に過ごしたいから、猶予はまだ2週間あるけどまた今週末にJBpress用の記事書こうかと準備しています。いくつかあるネタの中で会えて今まで書いたことない日本の政治ネタでもやろうかなとも考えており、もしやるとしたらで浮かんだのは「日本の平成期の政治は全て『バブルを如何に取り戻すか』に立っていた」という自分のかねてからの主張でした。ごく当たり前の事実だけど、はっきりと言葉にしている人はいないのでこの言葉はそこそこ受けるのではないかと考えたからです。

 わざわざ言うまでもないですが、はっきり言って平成期は冒頭に起きたバブル景気を、如何にしてまた日本に来させるかという考えでみんな政治を行い、結果的に帰ってきませんでした。帰ってこなかった理由は非常に明確で、バブル景気自体が日本の内的要因ではなく冷戦構造、そしてそれの崩壊という外的要因によってもたらされた要素が大きく、そうした外的要因もなく日本だけが努力したところでまた来るわけないです。というよりも、絶対に戻ってくるはずのないものを取り戻すために多大な費用を投じたけど、残ったのはただ借金だけで、非常に滑稽です。

 さすがに令和になってもうバブルは来ない、というより現状維持も難しいという価値観が一般化したように思えますが、今度は逆に今後の日本のビジョンを誰も持たなくなりました。平成期は前述の通り、「バブルを取り戻せ!」というのがある意味国是であり、政治家と国民で共通した国家ビジョンでした。だからこそバブルを取り戻すためならある程度の犠牲は仕方ないとばかりに、リストラとか昇給なしとかも我慢していましたが、まぁ全部それは無駄に終わったのですけど。

 例えば中国なんかは、「米国を追い越せ、いつか倒す!」的な国家ビジョンがあって、国民もみんながみんなこの価値観ってわけじゃないけど、少なくとも国家指導者レベルはこの方針に従って動いています。しかし日本はそうしたビジョンがなく、一応短期的にはコロナからの脱出がビジョン化していますが、去年までなんか「何のために借金しているのかわからない」状態に案外なってた気がします。平成であれば「バブルを取り戻すための借金」ということでしたが、今はもはやそれすらなく、「使う方針もないけどお金がないからとりあえず借金」みたいに国債を増やし続けています。
 っていうかようやく一般ニュースでも報じられるようになったけど、日銀が上場強全体で最大の株主ってどこの統制国家だよって思います。っていうかあのニュースは年金機構についても触れろよという気がします。

 周りくどいこと言わずにもうチョイ結論を絞ると、今後日本をどんな方向に持って行くか、そうした概念がないので今後もさらに迷走を続けるでしょう。どんな方向ったって現状維持でいいじゃんという人もいるでしょうが、十中八九現状維持は今の日本だとできません。敢えて言えばズルズルと落ちていくことは可能で、国会議員と高年齢層はそうした未来をはっきり望んでいます。

 自分はどうかというと、まぁもう関わりたくないというのが案外本音です。以前知り合った人に、ブログで非常に鋭い見解持っているので期待していたが、日本の未来に対してどうしてそこまで冷淡なのかと残念がられましたが、私自身は日本とその社会に何かしてもらったという覚えは正直ありません。むしろ自分の異能さゆえにしなくてもいい多大な苦労と、軽い迫害を受けたという勝手な被害者意識すら抱いています。
 幸いにして今はこうして中国で安定した立場に就き、20代の頃の苦労と比べると恵まれすぎているという実感をはっきり持っていますが、それ故に逆に20代の頃はどうしてこれだけ有り余る実力に将来を見通す力があったのに、誰も使おうとしなかったのだろうかという疑問が激しくもたげてきています。逆説的に言うならば、周り全てがビジョンを持たなかった中、自分が唯一一人でビジョンを持っていたからこそ煙たがられていたのだろうとも思います。このままでいいと思っている人間に、このままじゃ良くないと言う人間というのは鬱陶しい存在以外の何物でもないでしょう。

 極端なこと言うと、この際日本はできるだけ早く落ちるところまで落ちた方が、最終的に死ぬ人間は少なくなっていいだろうと本気で考えています。落ちるところまで落ちて初めて現実がわかるでしょうし、そこから頑張ればこれから生まれてくる子供たちはまだ余計な苦労せずに済むかもしれないという風に考えています。
 また私個人にとっても、手持ち資産の大半は人民元資産なので、円安してくれた方が日本で買い物とかする上では単純に有利です。適当に安くなったところで奈良に家買って早く引退したいのが本音です。

9 件のコメント:

kei さんのコメント...

陽月氏の異能

陽月氏の異能(自身の言葉)はこれからの日本に絶対必要です。
大企業ほど、例えば、今絶好調のトヨタ又は近い将来に方向転換を迫られている石油化学関連の大手等・・・は何年も前から次世代の収益のアイデアを探し続けています。
陽月氏の本当の実力を履歴書の職歴に書けばどこでもほしい才能だと思います。
いままでのお仕事の中でも素晴らしいのは数字の裏付けのある説得力のある論文です。
文章の読みやすさ(才能だと思っていましたが学生時代から毎日何千の分量を書き続けてきた努力の結果)
時間を忘れて仕事をやり遂げる真面目な取り組み。
中国での10年近い生活は日本国内の人間には気付かない複眼があると思います。
陽月氏にとっては中国で常識になった考えも他の人には新鮮なはず。
また、どの会社も一定のエリートの中に異能を入れないと会社の発展がないことはわかっています。
ありのままの陽月氏の職歴でステージアップの転職もありだと思います。
自分はこれがやりたい、こういうステージで自分の能力を活かしたいというイメージはあると思うのです。それは実現します。
陽月氏が転職の意思を発信して日中の転職サイトに登録されたら目に留める企業は多いと思います。
前の大家さんのように礼儀正しい陽月氏を親切にする価値のある人と思って接してくれる人は多いと思います。
過去で最も良かったことを思い出してください、もっと良いことは将来にしか起こりませんよ。
 これからも自身を信じてステージを上げて行ってください。

花園祐 さんのコメント...

 自分の愚痴に付き合ってきただきありがとうございます(´Д⊂ヽ
 一回2013年に帰った時は中国での経験を日本で反映させようと思ったのですが、どこも相手しないばかりか、「中国なんてもうすぐ破綻するでしょ」と平気で言う人ばかりで、なんか軽く限界を感じました。やはりこういうのって、自分から動いちゃダメな気がします( ´Д`)=3

kei さんのコメント...

陽月氏へ
自分で発信しない限り、誰かが気付いて突然の幸運に恵まれることは少ないと思います。
人生は思い通りになる、もし思い通りにならないという人がいたらその人の思い通りになったのだ。(京セラ 稲盛氏)
もし、陽月氏が5年後も変わらないと思えば変わらないし、
5年後はこうなりたいと思えばその通りになります。
なりたい自分をイメージしてやりたいことを10個以上紙に書いておけば、数年後にそのほとんどが実現しています。試してみてください。
まだ、誰も陽月氏がこのまま中国にいたいのか、転職の意思があるのかわかりません。
誰でも言葉に出して言わないことは誰も気づけないのです。
ステージアップの気持ちがあれば最初の一歩は陽月氏が動くしかないと思います。

陽月氏の自信の少なさが気になるところですが、
どこも相手しないばかりか、「中国なんてもうすぐ破綻するでしょ」と平気で言う人ばかりで、なんか軽く限界を感じました。やはりこういうのって、自分から動いちゃダメな気がします。

そんなことないです。
誰に言われても言われなくても自分で限界を作ってはいけません。
アプローチの数が少なかったのではないですか?
良質の助言のできる人や心から他人を応援できる人はいっぱいいます。
チャンスがある限りご自分のやりたことを発信し続ければ答えてくれる相手にきっと届きます。

ルロイ さんのコメント...

日本の場合、舵取りを高齢者がしている上、その高齢者ができるだけ富と財産を持ち逃げして残りの人生を安泰に過ごせれば、次の時代がどうなろうと知ったこっちゃないと思ってるっぽいあたりが問題かなと思ってます。次の世代に受け継がせようって気がまるでないんですよね。そういう世代がある程度いなくなってからもう一回作り直すしかないのかなーと思ってます。

上海熊 さんのコメント...

「ビジョンなき」という部分に関してですが、日本はもう既に「成熟社会」になってしまったのでビジョンは必要かな、と疑問に思いました。


中国も2030年に国民一人当たりGDPを先進国並みに上げる、等目標を立ててますが、いざ日本みたいな「成熟社会」になったときビジョンをどうするか問題になりそうです。

花園祐 さんのコメント...

 ある意味、明治維新はそういう高齢者をまとめて薙ぎ倒して、野心と能力ある幕末の選別を経た若者たちが全権握ったから成功したというのがあり、自分も今の日本はその意見の通りだと思います。問題は医療の高度化によって平均寿命が長期化しており、その手の負債も想像以上に膨れ上がってきたということですが。

花園祐 さんのコメント...

 その辺は国家論でも議論となるところで、いわゆる「創業の苦難」か「維持の苦難」といったものじゃないかと思います。どちらも課題があるものの、その課題は別種類であり、それらをどう区別していくかというのがポイントなのですが、日本は創業の苦難の克服手段で維持の苦難を克服しようとして失敗しているのかもしれません

川戸 さんのコメント...

現在の日本に求められている存在は「中興の祖」だと思います。戦後から作り上げた仕組みが強度疲労を迎えるなかで、穴の開いたバケツの底を塞ぐ役割を担う人材がいないのが現状です。ここを乗り切らないと、明治維新後の元勲無き大日本帝国と同じ末路を辿ると思われます。
中国にしてみても、永久革命が不可能であると分かった今、民主化に頼らずにどのようにして仕組みを保つつもりなのか気になります。

花園祐 さんのコメント...

 中国にいるけど「永久革命」とかめっちゃ久しぶりに聞いた気がします(;゚∀゚)=3ハァハァ
 地味に中国は今その辺をうまくやっているというか、国営企業改革などで赤字を垂れ流している企業を割と意欲的に潰しています。逆を言えば日本がこれをできていないのが問題で、はっきり言えば東芝やオリンパスは容赦なく上場廃止にして、自力再生させるべきだったと思います。あれを見て、日本を見限った投資家も少なくないでしょう。