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2020年12月25日金曜日

ガチな傭兵の凄い体験記

56歳・元日本人傭兵の何とも壮絶で快活な半生(東洋経済)

 昨夜、上の記事を見つけて読んだのですが、比較的長い内容ながら貪るように一気読みしました。その内容というのも、アフガンやミャンマー、ボスニアでリアルに傭兵していた高部正樹氏の体験についてです。

 その内容については是非直接記事を読んでもらいたいのですが、少年期から国を守る軍人にあこがれていた高部氏は難関中の難関である航空学生に受かって訓練を受けていたものの、耐G訓練で怪我を負ったことからパイロットにはなれず、それでも戦いたいからと言って海外に渡り傭兵を始めます。元傭兵と名乗る人は多いですが大体は名乗っているだけなのに対し、この高部氏は文字通り「戦うためにそこへ行く」を地で行ったガチの傭兵体験者で、記事中で語ってる内容もなんかぶっ飛びすぎてて、人の人生にここまで感動させられたのは久々でした。

 もうこの記事一本だけでも魅了されたのでさっそく高部氏の語りを漫画化した末尾リンクの本もすぐ購入してさっき読みましたが、まぁなんとも凄い内容になっています。一番笑えたのはミャンマーで、「装甲車作ってみてぇな」と思って壊れた重機に鉄板貼り合わせて作って乗り出したら、めちゃくちゃ速度遅いし、粗悪な鉄板使ったせいで銃弾に撃ち抜かれるし、「これじゃいい的だよね」と死にそうになりながら変に冷静に解説しだす仲間がいたりという内容でした。
 っていうか漫画家に、「発想が中学生」と指摘されてましたが、マジその通りです。

 ただその内容については、記事を読んでもわかりますが戦場とは思えないくらいに非常に明るく楽観的に書かれています。写真を拝見してもわかる通り高部氏は元傭兵とは思えないくらい優しそうな顔をした人で、実際に漫画家を担当した人も「なんだこの優しそうなクマは?」と初対面で思ったそうですが、実際あったらそんな印象を持ちそうです。
 逆を言えば、そういう優しい語り口だからこそ語っている内容は真実なんだろうという気がはっきりします。というのも個人的な経験から言って、自分の体験した苦労をやたら誇大に主張する人というのは信用できず、逆に「まぁ何とかなった」、「意外とどうにかなる」、「誰でもできる」とすごい体験を明るく謙虚に話す人ほど、信用できると考えています。

 これ以上はあれこれ紹介するより記事や漫画を読んでもらうのが早いのですが、敢えてもう一点加えるとしたら、傭兵というのはやはりいつどの時代でも存在し、需要があるのだなということです。今回の高部氏の漫画で自分も初めてミャンマーにおけるカレン族の独立闘争を知りましたが、表に出てこないだけでこうした紛争は今も世界各地で起きており、そこではそれこそ規模こそ違えど「エリア88」みたいな世界が確かに存在するのでしょう。そういう意味では、そこで傭兵として体験してきた高部氏の話というのは傾聴に値すると思います。

 あとこれは蛇足だろうけど、この記事の掲載媒体は見ての通り東洋経済ですが、内容は経済と全く関係がねぇ。まぁ面白いからいいけど。


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