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2023年2月14日火曜日

中国がロシアから天然ガスを買って世界は救われた?

 本当に関係ないけどWeChatの自分のプロフィールにある職業がなぜか「おどりこ」になっていました。Bloggerのプロフィールも職業がいつの間にか「ふしぎなおどり」になっており、もしかして深層心理的に自分はダンサーになりたかったのではと今更ながらやきもきされます。

 話は本題ですが本格的な冬季に入って以降は比較的おとなしかったウクライナ戦争ですが、ここにきてロシア側が攻勢をかけてきているという報道が出るようになりました。ただ報道以前にすでに1月から攻勢は始まっており、しかもウクライナ側が悉く撃退に成功してロシア軍に大きな被害を与えていたという報道が昨日あたりから出始めてきました。
 これまでを振り返るとウクライナは「うっ、もう駄目だ……」的に弱気な発表を対外的に出した直後に大きな戦果を挙げており、意図的に苦しむふりしてロシアの攻撃を誘っては準備万端で反撃するという前振りであることが多くありました。先月もウクライナ政府はレオパルド2の供給を受けつつも「弾薬が足りない」、「一部戦線の状況は厳しい」などとやたら弱気な発言を繰り返していただけに、ロシアを油断させるための報道だったのではないかと密かに睨んでいました。実際に戦果を挙げているのかは今後の検証を待つ必要がありますが、今の季節でいえば圧倒的なほどに防御側が有利なだけに、攻勢をかけていつつもこれという戦線突破が見られないだけに、ロシア側の打撃が大きいのではないかと推察しています。

 そうした戦況分析をやりつつ昨日にふと、「あれ、もしかして中国がウクライナ、ひいては世界を救ったのでは?」という発想が急に出てきました。これは一体何故かというと、中国がロシアから大量の天然ガスを買っているからです。

 欧米だけでなく日本でもこのところ、「あり得ない(;´・ω・)」とった感じの電気代の高騰に関する報道や嘆きがネット上で見られます。それもこれもロシアが欧米に天然ガスをこれまでみたく供給せず、また欧米側も上限価格を設けたりして制限をかけ、エネルギー市場の流通が大きく混乱しているためです。各国は中東を中心に代替輸入先を設けたりしていますがそれでも追っつかず、各国で電気代が従来の数倍に上ったりと家計を大きく直撃しています。

 それに対し我らが中国は欧米のロシア制裁なんておっぱっぴーとばかりに我関せず、むしろ戦費調達に苦しむロシアの足元見ながらインドとともにロシアから大量の天然ガスを買っていると言われています。実際その辺はどうなのか詳しい貿易統計までは見ていませんが、少なくとも中国国内では電気代の引き上げは行われておらず(価格は政府が完全統制)、エネルギー不足とは全く無縁に暮らせています。
 もっとも自分は冬に一切に暖房使わないので冬の電気代は極端に少ないです。また水道光熱費をいつも大家に肩代わりしてもらって、毎年1回にまとめて清算しているためあんま細かく価格の変動とかも確認してないのですが。

 そうした脱線は置いといてなんで最初の発想に至ったのかというと、仮に中国が欧米のロシア制裁に乗っかったりしてロシアからの天然ガス輸入を増やしていなかったらどうなったのか、こんな風に考えてみてさっきの発想に至りました。
 言わずもがなで中国は世界最大のエネルギー消費大国であり、その消費量比較をこちらのサイトから引用すると以下のようになっています。



 見ての通りかなりぶっちぎりで首位をひた走っており、日本の9倍にも相当する量になっています。中国の消費量が変動すると世界のエネルギー価格も変動すると言われていますが、この比較を見ると(´ー`*)ウンウンと頷きたくなります。

 そんな中国が仮に昨年、ロシアからの天然ガス輸入を増やしていなかったらどうなったのか。まず間違いなく、現実での値動き以上に石油価格などが大きく高騰していたのではないかと思います。その場合、ただでさえ高騰している電気代などがもっと高騰していた可能性もあり、下手すりゃエネルギーが各国で足りなくなって停電も頻発していたかもしれません。

 そう考えるとロシアに戦費をもたらすという側面もあったものの、エネルギー不足により欧米各国のウクライナ支援を躊躇させるというロシアの戦略を中国が陰で打ち砕いていた、というふうに考えられる気がします。むしろロシアが上記戦略を果たすためには、中国(あとインド)向け天然ガス供給量を従来から増やさず、彼らにこれまでと同じく中東などから石油をガンガン調達させてエネルギー価格を無限に高騰させる必要があったでしょう。それが皮肉なことに、中国のエネルギー消費をロシアが支えてしまったことで、世界のエネルギー価格高騰は抑えられてしまったように見えます。

 結果的に言えば確かに世界中でエネルギー価格は大きく高騰したものの、ロシアの思惑ほどには高騰し切ることはありませんでした。実際にブレント原油価格の推移を見ても、6月に120米ドル台まで高騰しましたが、それ以降は下がり続けて現在は80米ドル台で推移するようになっています。冬も峠を越えていてあと1ヶ月もすれば家庭用暖房消費はさらに減少していくだけに、最悪のエネルギー危機はすでに回避されたも同然です。このように考えると、中国はロシアから天然ガスを買って、本人らも気づかぬうちに世界をエネルギー危機から救っていたと言えるかもしれません。
 いやまぁエネルギードカ食いしている国ってことには変わりありませんが。

 以上をまとめると、中国はロシアから天然ガスを買って、ロシアの野望を間接的に打ち砕いていたってわけです。まぁ戦費調達とはいえ中国にほいほい天然ガス売ってたロシアがある意味アホなんだけど、本当に1年以内にウクライナを下すつもりだったのなら、どんだけ苦しくても中国には天然ガスを売らず、世界をエネルギー危機に陥れるべきだったように思えます。
 なんとなくですが、エネルギー危機の懸念が去ったからこそ各国もウクライナ支援を再び強めているような気がこのところするし、ロシアの本当の地獄はこれから始まるかもしれません。

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