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2023年4月25日火曜日

上海モーターショーのBMWアイス事件

 すでに報道されていますが上海モーターショーのBMWのブースで、外国人にだけアイス配って中国人は配らないという事件が起きたとのことです。この事件でBMWの株価は激減しており、中国国内では不買運動も広がるなど、日本人からしたらかつて自分たちが見た光景が今まさに広がっている感じがします。

 この事件について一部ネットで「外資を叩こうとする中国政府が煽っている背景もある」と言っている人もいますが、これは確実にデマだと言えるでしょう。中国政府としては日本人と違ってドイツ人叩いてもあんま国内支持率には影響せず、むしろこのところ秋風が吹いているドイツとの関係を気にしており、この問題を抑える立場です。それ以上に、この件はマジで中国人からしたら腹立たしいことこの上ない内容で、普通に一般中国人が本気で怒って騒動が拡大していると私は感じます。

 騒動の影響について述べると、恐らくこれから数か月、下手したら1年くらいは不買運動が続くとみられ、ベンツとアウディが漁夫の利ならぬアイスの利を受け販売を増やすと予想しています。日本のレクサスもこれを機に、「ディーラー店でアイス食べ放題キャンペーン」みたいなの打ちだしたら、いい感じにお客さん来てくれるかもしれません。
 なお騒動の発端となったアイスですが、同僚になると有名ブランドのアイスらしくマジうまいらしいです。値段もそこそこするようなので、自分も外国人だし、せっかく上海いるからモーターショー言って食べてこようかなとちょっと考えました。

 あともう少し情報を加えると、この手のイベントのPRは基本、メーカーが直々にやるケースはほとんどないです。実際には広告代理店にプランニングさせ、展示内容のみメーカーが承認してあとは広告代理店にお任せになるケースがほとんどです。コンパニオンの派遣に関しても広告代理店が仕切ることが多く、そういう意味ではBMWは広告代理店に損害賠償を請求するのか、請求されるのはどこかってのがちょっと気になります。
 それにしてもアイス1本で数千億円単位の株価を溶かしたっていう点では、「アイス1本火事の元」とはいうものです。あと騒動発生後にBMWは「あれはスタッフ用にとっておいたものだ」と発言しましたが、まぁぶっちゃけこれ嘘でしょう。嘘じゃないにしても、客の見えるところでスタッフに差し入れのアイスを渡してしまうあたり、任せる広告代理店を見る目がないと言わざるを得ません。

 何気にこの辺、以前にまさに自動車会社のイベント運営監査の仕事に係わったので結構詳しかったりします。その時も「コンパニオンがブス」という指摘が書かれてあったけど。

2 件のコメント:

ルロイ さんのコメント...

スタッフ用のアイスを表で堂々と配る方がよほど問題ですよね。
中国の経済力は魅力だけど、人種としてはアジアを心底差別してるんだろうなというのが見えてしまいます。

ところで、スラムダンクの映画が中国でヒットしていて、その理由を分析する記事が日本で出ていますが、昔流行ってたからその層が見てるというところまでの記事ばかりで、じゃあなんで昔流行ったのかというところまで触れてないので、おそらく自分と同じリアルタイム世代であったろう花園さんならもう少し深い記事が書けるのではないかと思ってしまいました。

花園祐 さんのコメント...

 自分もこのアイス事件に関しては、事件そのものよりその後のBMWの明らかに嘘とわかる言い訳の仕方を見て、ああ実際に差別感情持ってるなと覚えました。むしろアイス事件そのものについては、アイスを渡さなかったコンパニオンも中国人なだけに身内同士の諍い程度に考えています。

 スラムダンクのヒットについては早速明日にも分析記事を書きますね。確かに世の中に出ている評論記事は分析が足りないと自分も思ってました。